JP5293183B2 - 水性塗料用組成物とその製造方法、および二液硬化型水性塗料キット - Google Patents

水性塗料用組成物とその製造方法、および二液硬化型水性塗料キット Download PDF

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Description

本発明は、カルボキシル塩基を含む含フッ素共重合体を含む水性塗料用組成物とその製造方法、および該水性塗料用組成物を用いた二液硬化型水性塗料キットに関する。
水性塗料は、溶剤系塗料に比べて有機溶媒の含有量を低減できることから、自然環境保護に対応した塗料として有用である。水性塗料の製造方法として、含フッ素共重合体を乳化重合し水分散体を得る方法が知られている。しかし、乳化剤のみで分散安定性を確保するには、相当量の乳化剤を使用することが必要であり、これが得られる塗膜の耐水性、耐候性低下の原因となっている。この問題を解決する方法の一つとして、共重合体中に親水性部位を導入する工夫がなされている。
たとえば、特許文献1には水性塗料組成物に関する発明が開示されている。そして該組成物は、フルオロオレフィンと他の単量体の乳化重合を、親水性側鎖を有する含フッ素共重合体を乳化剤として用いて行うことが開示されている。
特許文献2には、カルボキシル基の30%以上がアンモニアまたは第3級アミンで中和されたカルボキシル塩基含有構造単位を4〜30モル%で含む含フッ素塗料用重合体と、水に対して10重量%以上の親水性媒体、とを含む水性媒体からなる組成物を塗料とする発明が開示されている。
米国特許5447982号公報 米国特許5171804号公報
特許文献1には、親水性部位の量が乳化重合に影響を与えると記載されているが、カルボキシル塩基およびその量が水性塗料組成物に及ぼす影響については、何ら開示されていない。
特許文献2に記載される含フッ素塗料用重合体は、保存により重合体の分子量が増加しゲル化が起こる、分散安定性が低下する等の問題が認められた。また該重合体中の有機溶媒量を減らした塗料組成物を調製して塗布した結果、貯蔵安定性、透水性・耐水性が不十分である問題も認められた。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、分子量の増加、ゲル化、凝集等が抑制され、優れた貯蔵安定性を発揮する組成物を提供すること、ならびに透水性・耐水性も良好な塗膜を形成する組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、カルボキシル塩基を特定量で含む含フッ素共重合体と水性媒体を含む、前記性能を発揮する水性塗料用組成物、水性塗料用組成物の製造方法、および二液硬化型水性塗料キットを提供する。
本発明者らは、カルボキシル塩基を特定量で含む含フッ素共重合体と水性媒体を含む組成物が、分子量の増加、ゲル化、凝集等が抑制され、優れた貯蔵安定性を発揮する組成物になること、また、これらの性能が、有機溶剤が実質的に存在しない場合にも、発揮されることを見いだした。さらに本発明の水性塗料用組成物は、透水性・耐水性も良好な塗膜を形成することを見いだした。
本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]溶液重合法により得られた含フッ素共重合体(A)を水性媒体に分散して得られた組成物であり、下記単位(1)〜(4)を含む共重合体であって単位(4)の割合が繰返し単位総数に対して1.4〜3.9モル%である含フッ素共重合体(A)、および水性媒体を含み、該組成物中に含まれる有機溶媒量が0〜0.5質量%であり、ノニオン性乳化剤が樹脂固形分100質量部あたり0〜3重量部であり、アニオン性乳化剤が樹脂固形分100質量部あたり0〜1重量部であることを特徴とする水性塗料用組成物。
単位(1):フルオロオレフィンの繰返し単位。
単位(2):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、該単位にはヒドロキシ基および/または塩を形成していてもよいカルボキシル基、は結合していない。
単位(3):ヒドロキシ基が結合したビニルモノマーまたはヒドロキシ基が結合したアリルモノマーの繰り返し単位であり、該単位には、塩を形成していてもよいカルボキシル基は結合していない。
単位(4):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、かつ、一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基が結合した繰返し単位。
[2]単位(1)が下式(a1)で表される単位であり、単位(2)が下式(a2)で表される単位であり、単位(3)が下式(a3)で表される単位であり、単位(4)が下式(a4−1)で表される単位である[1]に記載の水性塗料用組成物。
−CFX−CX− (a1)
[ただし、式(a1)中のXおよびXは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
Figure 0005293183
[ただし、式(a2)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数4〜10の1価の脂環式炭化水素基であり、jは0または1、kは0または1である。]
Figure 0005293183
[ただし、式(a3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基であり、mは0または1、nは0または1である。]
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−1)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、−COORは一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基、Rは水素原子または−COOR(−COORは前述と同様)であり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基、sは0または1である。]
[3]含フッ素共重合体(A)が、単位(1)を40〜60モル%、単位(2)を3〜50モル%、単位(3)を4〜30モル%、単位(4)を1.4〜3.9モル%含み、かつ単位(1)、単位(2)、単位(3)、および単位(4)以外の単位(5)を0〜20モル%含む[1]または[2]に記載の水性塗料用組成物。
[4]含フッ素共重合体(A)に存在するカルボキシル基とカルボキシル塩基の総量に対して、カルボキシル塩基の割合が60モル%以上である請求項[1]〜[3]のいずれかに記載の水性塗料用組成物。
[5]カルボキシル塩基が、カルボキシル基の第4級アンモニウム塩基である[1]〜[4]のいずれかに記載の水性塗料用組成物。
[6]水性媒体が、水のみ、または水と有機溶媒とからなる[1]〜[5]のいずれかに記載の水性塗料用組成物。
[7]含フッ素共重合体(A)の一部または全部が、組成物中に分散してなる[1]〜[6]のいずれかに記載の水性塗料用組成物。
[8]有機溶媒中での共重合反応により、前記単位(1)、前記単位(2)、前記単位(3)、およびカルボキシル基が結合したモノマーに基づく重合単位(4−3)を含む含フッ素共重合体(B)を得て、つぎに、塩基性化合物を加えて含フッ素共重合体(B)中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和する工程、水を加える工程、および有機溶媒を除去する工程を順に行うことを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[9]単位(1)が前記式(a1)で表される単位であり、単位(2)が前記式(a2)で表される単位であり、単位(3)が前記式(a3)で表される単位であり、単位(4−3)が下式(a4−3)で表される単位である[8]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または−COOHであり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基、sは0または1である。]
[10]含フッ素共重合体(B)が、単位(1)の40〜60モル%、単位(2)の3〜50モル%、単位(3)の4〜30モル%、単位(4−3)の1.4〜3.9モル%、ならびに単位(1)、単位(2)、単位(3)、単位(4−3)以外の単位(5)の0〜20モル%を含む[8]または[9]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[11]塩基性化合物で中和する工程および水を加える工程を、塩基性化合物を水溶液として加える工程として行う、または、塩基性化合物で中和する工程を、塩基性化合物の水溶液を用いて中和する工程として行う、[8]〜[10]のいずれかに記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[12][1]〜[7]のいずれかに記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤とが、それぞれ独立に存在してなる二液硬化型水性塗料キット。
本発明の水性塗料用組成物は、有機溶媒の含有量が低く環境に対する負荷が小さく、また、有機溶媒の含有量を少なくしても、重合体の分子量増加およびゲル化が抑制され、分散安定性が良好であり、貯蔵安定性に優れる。また本発明の水性塗料用組成物は、透水性・耐水性も良好な塗膜を提供する。
さらに、本発明の水性塗料用組成物は、上記性能を発揮し、かつ取扱がしやすい二液硬化型水性塗料キットを提供する。
≪水性塗料用組成物≫
<含フッ素共重合体(A)>
本明細書においては、重合体を構成する構成繰り返し単位を「単位」と略記する。本発明における単位は、モノマーを重合させることにより直接得られる繰り返し単位(重合単位)であっても、繰り返し単位を化学変換することにより得られる単位であってもよい。
また、式(a1)で表される単位を「単位(a1)」のようにも記す。他の式で表される化合物についても同様に記す。下式(b1)で表される単量体を、「単量体(b1)」のようにも記す。
本発明の水性塗料用組成物(以下、「組成物」ともいうことがある。)は、含フッ素共重合体(A)を必須成分として含む。含フッ素共重合体(A)は、組成物中にその一部または全部が分散した状態で含まれるのが好ましい。含フッ素共重合体(A)の一部が分散している場合、残部は溶解した状態で含まれるのが好ましい。
含フッ素共重合体(A)は、下記単位(1)〜(4)を必須単位として含む。
単位(1):フルオロオレフィンの繰返し単位。
単位(2):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、該単位にはヒドロキシ基および/または塩を形成していてもよいカルボキシル基、は結合していない。
単位(3):ヒドロキシ基が結合したビニルモノマーまたはヒドロキシ基が結合したアリルモノマーの繰り返し単位であり、該単位には、塩を形成していてもよいカルボキシル基は結合していない。
単位(4):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、かつ、一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基が結合した繰返し単位。
それぞれの単位の例としては、塗料用組成物中に含ませる含フッ素共重合体における公知の単位が挙げられる。単位(2)〜(4)におけるビニルモノマーはビニルエーテルモノマーが好ましく、アリルモノマーはアリルエーテルモノマーが好ましい。
含フッ素共重合体(A)は単位(1)〜(4)のみからなる共重合体であっても、単位(1)〜(4)以外の単位(単位(5)と記す)を含む共重合体であってもよい。
含フッ素共重合体(A)は、単位(1)を40〜60モル%、単位(2)を3〜50モル%、単位(3)を4〜30モル%、単位(4)を0.4モル%以上でありかつ4モル%未満含み、かつ単位(1)、単位(2)、単位(3)、および単位(4)以外の単位(5)を0〜20モル%含む共重合体であるのが好ましい。モル%は、含フッ素共重合体(A)の単位全体に対する割合であり、各単位のモル%の合計は100モル%である。
単位(1)としては式(a1)で表される単位、単位(2)としては式(a2)で表される単位、単位(3)としては、式(a3)で表される単位、単位(4)としては、式(a4−1)で表される単位、が好ましい。
単位(a1)は、下式(a1)で表される。
−CFX−CX− (a1)
[ただし、式(a1)中のXおよびXは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
単位(a1)としては、下記モノマーを重合させた単位等を挙げることができる。
CF=CF、CClF=CF、CHCl=CF、CCl=CF、CClF=CClF、CHF=CCl、CH=CClF、CCl=CClF、CH=CF等のフルオロエチレン。
CFClCF=CF、CFCCl=CF、CFCF=CFCl、CFClCCl=CF、CFClCF=CFCl、CFClCF=CF、CFCCl=CClF、CFCCl=CCl、CClFCF=CCl、CClCF=CF、CFClCCl=CCl、CFClCCl=CCl、CFCF=CHCl、CClFCF=CHCl、CHCCl=CHCl、CHFCCl=CCl、CFClCH=CCl、CFClCCl=CHCl、CClCF=CHCl、CFCF=CF等のフルオロプロペン類。
これらの中で、CF=CF、CClF=CFが、塗膜の耐候性が優れるため好ましい。
単位(1)の割合が上記範囲にあると、充分な耐候性が得られ、ポリマーのガラス転移温度が高くなりすぎず、結晶性が現れない等の理由から良好な塗膜が得られる。
単位(1)の割合は、45〜55モル%が特に好ましい。
単位(a2)は、下式(a2)で表される。該単位は、アルキルビニルエーテルおよび/またはアルキルビニルエステル、アルキルアリルエーテル、アルキルアリルエステル単位などを重合させた単位である。
Figure 0005293183
[ただし、式(a2)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数4〜10の1価の脂環式炭化水素基であり、jは0または1、kは0または1である。]
単位(a2)としては、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、吉相酸ビニル、ピバリン酸ビニル、等を重合させた単位が挙げられ、これらの中から所望の塗膜物性(硬度、光沢、顔料分散性など)に応じた単位が適宜選択される。
これらの中で、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどが、単位(a1)を形成するモノマーとの交互共重合性がよく、樹脂のガラス転位温度を調整しやすいので、好ましい。単位(2)の割合は、20〜40モル%が特に好ましい。
単位(a3)は、下式(a3)で表される。該単位は、水酸基含有ビニルエーテル、水酸基含有ビニルエステル、水酸基含有アリルエーテル、水酸基含有アリルエステル等を重合させた単位である。
Figure 0005293183
[ただし、式(a3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基であり、mは0または1、nは0または1である。]
単位(a3)としては、2−ヒドロキシアルキルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、4−ヒドロキシプチルビニルエステルを重合させた単位が好ましく、重合性、架橋性などからヒドロキシアルキルビニルエーテルが特に好ましい。
単位(a3)の割合は、4〜30モル%が好ましく、8〜25モル%が特に好ましい。単位(a3)の割合が該割合にある場合には、架橋密度を高くできる、耐水性を向上させる等の利点がある。
単位(a4−1)は、下式(a4−1)で表される。
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−1)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、−COORは一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基であり、Rは水素原子または−COOR(Rは前述と同様)であり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式基、sは0または1である。]
カルボキシル塩基とは、カルボキシル基(−COOH)が、塩基との間でイオン結合を形成してなる基であり、カルボキシル基の第4級アンモニウム塩基が好ましい。
単位(a4−1)としては、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸または10−ウンデセン酸、3―アリルオキシプロピオン酸、アリルオキシ吉草酸、アジピン酸モノビニル、クロトン酸ビニル、こはく酸モノビニル、マレイン酸等から選ばれる末端不飽和カルボン酸を重合させた単位において、該単位中のカルボキシル基の一部または全部が塩を形成してなる単位、または末端不飽和カルボン酸の一部または全部を塩として重合させて形成してなる単位、が好ましい。末端不飽和カルボン酸としては、入手の容易さ、共重合し易い等の観点から、10−ウンデセン酸、3―アリルオキシプロピオン酸が好ましい。
式(a4−1)中の−COORは、一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基である。含フッ素共重合体(A)に存在するカルボキシル基とカルボキシル塩基の総量に対して、カルボキシル塩基の割合は、60モル%以上が好ましく、65モル%以上が特に好ましい。
−COOR中のRは、塩の形成に用いたアミンの種類により適宜変更されうる。アミンの例は、後述する。本発明においては、−COOR部分は、−COO・(NHZ)となっているのが好ましい。ここで、NHZは第4級アンモニウムを示し、1種であっても2種以上であってもよい。Z、Z、Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基を示す。
単位(4a−1)以外の単位(4)としては、下式(a4−2)で表される単位が好ましい。
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−2)中の−COORは一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基であり、−COORは、−COORと同様の基、または、アルコキシカルボニル基であり、かつ、アルキル基部分が炭素原子数1〜4のアルキル基である基であり、Rは水素原子またはメチル基である。]
単位(a4−2)としては、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸モノアルキルエステルおよびその塩を重合させた単位が例示される。
単位(4)の割合は、0.4モル%以上でありかつ4モル%未満であり、0.4〜3.9モル%が好ましく、1.4〜3.9モル%が特に好ましく、2.0〜3.9モル%がとりわけ好ましい。
単位(4)の割合が上記範囲にある場合には、含フッ素共重合体(A)の分散性、および組成物の安定性が向上する。さらに、含フッ素共重合体(A)から形成される塗膜の耐水性および透水性が格段に向上する。
本発明の含フッ素共重合体(A)が任意に含む単位(5)としては、エチレンの重合単位が例示される。含フッ素共重合体(A)は、単位(5)を含まない共重合体であるのが好ましい。すなわち、含フッ素共重合体(A)は、単位(1)、単位(2)、単位(3)、および単位(4)からなる共重合体が好ましく、単位(a1)、単位(a2)、単位(a3)、および単位(a4−1)からなる共重合体が好ましい。
含フッ素共重合体(A)の特に好ましい構成は、単位(a1)が45〜55モル%、単位(a2)が14〜45.6モル%、単位(a3)が8〜25モル%、単位(a4−1)および/または単位(a4−2)が1.4モル%以上でありかつ4モル%未満、単位(a5)が0モル%(すなわち、単位(a5)は存在しない)である。
含フッ素共重合体(A)は、溶液重合により得られた共重合体である。溶液重合の方法は、水性塗料用組成物の製造方法の説明中に記載する。本発明の含フッ素共重合体(A)および含フッ素共重合体(B)を乳化重合で得ることは、乳化剤を多用する必要があることから不利である。溶液重合により得た含フッ素共重合体(A)は、塗料組成物として塗装した際、水に分散したあとも分散粒子同士が融着しやすく、均一な膜を形成する利点を有する。一方乳化重合で得られる水分散粒子は融着し難く均一な膜を形成し難い。
含フッ素共重合体(A)は、水性塗料用組成物中に含まれる合成樹脂の全量に対して10〜100質量%とするのが好ましく、55〜100質量%がより好ましい。100%とは、後述する他の合成樹脂(C)が含まれないことを意味する。含フッ素共重合体(A)の比率が55質量%以上であることにより、耐候性に優れる水性塗料用組成物とすることができる。
また、含フッ素共重合体(A)の数平均分子量は3000〜200000の範囲が好ましい。分子量を該範囲とすることにより、塗膜の耐候性が向上する、塗装性が向上する、塗膜外観も向上する等の利点がある。分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜4.0である場合には、本発明の性能が発揮され、ゲル化が特に防止され安定性が高くなる利点を有する。
<水性媒体>
本発明の水性塗料用組成物は、水性媒体を含む。水性媒体とは、水のみ、または、水と少量の有機溶媒からなる媒体である。有機溶媒の含有量は組成物の全質量に対して0〜1質量%である。0質量%であるとは、有機溶媒を全く含まないか、含んでいたとしても検出限界以下であることを意味する。有機溶媒の含有量の上限は、組成物中に1質量%であり、0.5質量%が好ましく、0.3質量%がとりわけ好ましい。本発明の含フッ素共重合体(A)は、水性媒体中での安定性に優れることから、有機溶媒を含ませない、または含ませたとしても少量含ませるだけで、良好な安定性を長期間にわたって発揮する。
有機溶媒は、任意に添加する必要はない。組成物が有機溶媒を含む場合としては、後述の含フッ素共重合体(B)の重合過程で用いられる有機溶媒が残留する場合が挙げられる。 有機溶媒の例としては、水溶性の有機溶媒が好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノールなどが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素共重合体(A)以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、含フッ素共重合体(A)以外の合成樹脂(C)が挙げられる。合成樹脂(C)は、含フッ素共重合体(A)と共に水に分散または溶解していてもよい。合成樹脂(C)としては、フッ素系、フェノール系、アルキド系、メラミン系、ユリア系、ビニル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの合成樹脂が挙げられる。
合成樹脂(C)は、フッ素系の合成樹脂を含むことが好ましい。フッ素系の合成樹脂としては、特許2955336号公報に記載のフルオロオレフィンに基づく重合した単位および親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
ここで、親水性部位とは、親水性基を有する部位、または親水性の結合を有する部位、およびこれらの組合せからなる部位を意味する。また、マクロモノマーとは片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
合成樹脂(C)は、また、耐候性の観点からアクリル系の合成樹脂を含むことが好ましい。
合成樹脂(C)を含ませる場合の量は、水性塗料用組成物中に0超〜20質量%とするのが好ましく、10〜20質量%とするのがより好ましい。合成樹脂(C)を含ませる場合には、含フッ素共重合体(A)を含む組成物を調製したあとで、合成樹脂(C)を添加して撹拌することにより組成物中に含ませることが好ましい。合成樹脂(C)の固形分濃度は、3〜50質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
本発明の水性塗料用組成物は、造膜助剤、表面調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤等の添加剤を適宜含有することが好ましい。
造膜助剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタジオールモノ(2−メチルプロパネート)、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
表面調整剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が好ましく挙げられる。
増粘剤としては、ポリウレタン系会合性増粘剤等が好ましく挙げられる。
紫外線吸収剤としては、公知の種々のものが使用できる。特に透明塗料として上塗り塗装で用いる場合に適した紫外線吸収剤としては、
サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、アデカ・アーガス社よりT−57として販売されるような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、チバ・ガイギー社よりチヌビン900、1130として販売されるような高分子量変性品等のベンゾトリアゾール類;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;2,2’−チオビス(4−オクチルフェノレート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケル錯塩等のニッケル錯塩;p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤;およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、これらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて用いることもできる。
紫外線吸収剤は、合成樹脂の固形分濃度100質量部あたり0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる場合においては、耐光性の改良効果が充分に得られず、また、多すぎる場合には、その効果が飽和してしまい、適当とはいえない。
光安定剤としてはアデカアーガス社製のMARK LA 57、62、63、67、68、チバ・ガイギー社製のチヌビン622LDのようなヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として紫外線吸収剤と組み合わせて用いることもできる。
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミンおよび脂肪族アミイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。
なお、塗膜の光沢を調整する必要がある場合は、常用の無機または有機のツヤ消剤を添加すればよい。また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、およびこれらを複合化した顔料もしくは染料等の着色材を分散もしくは混合添加すればよい。
より安定性を高めるために、塗膜の耐水性、耐候性を損なわない範囲で乳化剤などの安定剤を添加してもよい。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好ましく、それらを併用してもよい。
ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー等が好ましい。
ノニオン性乳化剤の添加量は適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0〜3重量部が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が好ましい。
アニオン性乳化剤の添加量についても適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0〜1重量部が好ましい。
乳化剤の添加時期は、後述する水を加える工程のあとが好ましい。
≪水性塗料用組成物の製造方法≫
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素共重合体(B)に、塩基性化合物を加えて含フッ素共重合体(B)中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和する工程、水を加える工程、および有機溶媒を除去する工程を順に行うことにより製造するのが好ましい。
含フッ素共重合体(B)は、単位(1)、単位(2)、単位(3)、および単位(4−3)を有し、任意の単位(5)を有していてもよい共重合体である。
含フッ素共重合体(B)としては、単位(a1)、単位(a2)、単位(a3)、および単位(a4−3)を有し、任意の単位(a5)を有していてもよい共重合体であるのが好ましい。
ここで、単位(4−3)とは、カルボキシル基が結合した単位であり、該カルボキシル基は塩を形成していない。好ましい単位(4−3)は、下式(a4−3)で表される。
含フッ素共重合体(B)における各単位の割合は、単位(1)が40〜60モル%、単位(2)が3〜50モル%、単位(3)が4〜30モル%、および単位(a4−3)が0.4モル%以上でありかつ4モル%未満であるのが好ましく、単位(5)は0〜20モル%であるのが好ましい。各単位の割合は、含フッ素共重合体(B)を前記の製造方法に付した場合において通常は保持され、単位(4−3)の割合は、単位(4)の割合と同じになる。
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または−COOHであり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基、sは0または1である。]
上記以外の単位(4)の例としては、下式(a4−4)で表される単位が挙げられる。
Figure 0005293183
[ただし、式(a4−4)中のRは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基である。]
含フッ素共重合体(B)は有機溶媒中での共重合反応により得る。共重合反応は、フルオロオレフィン(B1)と、ビニルモノマーまたはアリルモノマー(B2)と、ヒドロキシ基が結合したビニルモノマーまたはヒドロキシ基が結合したアリルモノマー(B3)と、カルボキシル基が結合したビニルモノマーまたはアリルモノマー(B4)とを共重合反応させることにより行うのが好ましい。また必要に応じて他のモノマー(B5)を共重合反応に用いてもよい。
ただし、モノマー(B2)には、ヒドロキシ基および/またはカルボキシ基は結合していない。モノマー(B3)には、カルボキシ基は結合していない。
含フッ素共重合体(B)の製造例としては、下式(b1)で表される単量体、下式(b2)で表される単量体、下式(b3)で表される単量体、下式(b4−1)で表される単量体、並びに任意のその他の単量体を、有機溶媒中で共重合させることにより得る例が挙げられる。また単位(4−2)を得たい場合には、下式(b4−2)で表される単量体を用いるのが好ましい。ただし、これらの式中の記号は前記と同じ意味である。
CFX=CX (b1)
Figure 0005293183
Figure 0005293183
Figure 0005293183
Figure 0005293183
共重合は、重合触媒の共存下、あるいは非共存下に、重合開始剤あるいは電離性放射線などの重合開始源を作用せしめて、塩基性化合物の存在下で行う。
重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシアセテートのごときパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートのごときジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
塩基性化合物としては、有機塩基性化合物、無機塩基性化合物の中から広範囲に選択可能である。有機塩基性化合物では、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアルキルアミン類、トリエチルホスフィンなどのアルキルホスフィン類などが好ましい。
無機塩基性化合物では、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物もしくは酸化物、ハイドロタルサイト類が好ましい。ハイドロタルサイト類としてはマグネシウムとアルミニウムの複塩が好ましい。
重合開始剤の使用量は、種類、共重合反応条件に応じて適宜変更可能であるが、通常は共重合されるべき単量体全量に対して、0.05〜1.5質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
塩基性化合物の使用量は、共重合されるべき単量体全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。
上記共重合反応としては、溶液重合を採用する。重合溶媒としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、1個以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キシレンなどの芳香族炭化水素などを使用することが好ましく、特に水溶性の有機溶媒が好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノールなどがとりわけ好ましい。
共重合反応の反応温度は10℃〜90℃が好ましく、35〜70℃がより好ましい。また、反応圧力は、0〜100kg/cm・Gが好ましく、1〜50kg/cm・Gがより好ましい。
含フッ素共重合体(B)の固有粘度は、0.05〜2.0dL/gであることが好ましく、0.05〜1.00dL/gであることがより好ましい。連鎖移動定数の比較的大きい反応溶媒を使用することや、適宜の連鎖移動剤の共存下で反応をさせることにより、固有粘度を前記範囲に抑えることができる。
含フッ素共重合体(B)の数平均分子量は3000〜200000の範囲が好ましい。分子量を該範囲とすることにより、塗膜の耐候性が向上する、塗装性が向上する、塗膜外観も向上する等の利点がある。
<中和工程>
中和工程は、溶液重合を行って得た含フッ素共重合体(B)の有機溶媒溶液に塩基性化合物を加え、含フッ素共重合体(B)中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和してカルボキシル塩基を形成させる工程である。
中和工程は、含フッ素共重合体(B)が溶解した有機溶媒に、塩基性化合物または塩基性化合物の水溶液を、室温で数10分、撹拌しながら加えることによるのが好ましい。
塩基性化合物の量は、塩基に変換したいカルボンキシル基の量に応じて適宜変更しうる。
中和工程の次に水を加える工程を行う。塩基性化合物の水溶液を用いた場合には、次工程の水を加える工程は実施しても実施しなくてもよい。このうち、中和工程に塩基性化合物の水溶液を用い、かつ水を加える工程を行うのが好ましい。水の量は、含フッ素共重合体(B)の固形分濃度が、3〜50質量%となる量が好ましく、20〜45質量%となる量がより好ましい。
中和工程で用いる塩基性化合物は、塗膜中に塩基性化合物が残留しにくくなることから、沸点が200℃以下である化合物から選択することが好ましい。
かかる塩基性化合物としては、アンモニア、あるいはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、等の第1級、第2級ないし第3級のアルキルアミン類;モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよびジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類;エチレンイミンおよびプロピレンイミン等のアルキレンイミン類;ピペラジン、モルホリン、ピラジンおよびピリジン等が挙げられる。
これらのうち、塩基性化合物としては、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、ジアミン類が好ましい。
<溶媒除去工程>
溶媒除去工程では、有機溶媒を除去する。これにより、有機溶媒が全質量に対して1質量%以下である本発明の水性塗料用組成物が得られる。溶媒の除去は、減圧留去により行うことができる。
≪二液硬化型水性塗料キット≫
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、前記本発明の水性塗料用組成物と硬化剤とが、それぞれ独立して存在してなる。本発明の二液硬化型水性塗料キットは、使用時に、水性塗料用組成物と硬化剤とを混合した後に使用される。
硬化剤の選択により、常温乾燥でも架橋が可能であり、水性塗料用組成物と硬化剤とを塗布することにより塗膜を形成できる。架橋に加熱が必要な場合は、加熱焼き付けすることにより塗膜を形成できる。
硬化剤は、水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤である。
硬化剤としては、イソシアネート系化合物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂などが挙げられる。特にイソシアネート系化合物が耐候性、機械的性質に優れた塗膜が得られやすいため好ましい。
イソシアネート系化合物としては、機械的に水に分散させたもの、または自己乳化性のポリイソシアネート化合物が好ましい。自己乳化性のポリイソシアネート化合物とは、乳化剤なしに水に乳化分散可能な化合物のことである。
機械的に水に分散させるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニルなどの芳香族ポリイソシアネート類;ビス−(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート類;クルードトリレンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネートなどのクルードポリイソシアネート類;カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ヘキサメチレンジイソシアネートなどの変性ポリイソシアネート類が挙げられる。
これらのポリイソシアネート類はビューレット型、イソシアヌレート環型、ウレトジオン型により、2量体または3量体になっているもの、またはイソシアネート基をブロック化剤と反応させたブロックポリイソシアネート類であってもよい。ブロック化剤としては、アルコール類、フェノール類、カプロラクタム類、オキシム類、活性メチレン化合物類などが挙げられる。以上のポリイソシアネート類は、2種以上併用してもよい。
これらのポリイソシアネート類は、機械的に水に分散させたものが使用されるが、この分散の際に乳化剤を添加することにより安定な分散体が得られる。機械的に水に分散させるポリイソシアネート類は、比較的低粘度のものが好ましい。ここで使用する乳化剤としては、公知のものが特に限定なく使用されるが、イオン性、特に、活性水素原子を有するものは、分散時に反応して、増粘する、または、分散性が低下するため好ましくない。非イオン性乳化剤、特にポリオキシエチレン鎖を有する乳化剤が好ましい。
ブロックポリイソシアネート類は、通常140℃以上でないと硬化しないため、それより低い温度で硬化させる場合にはブロック化されていないポリイソシアネート類を使用することが好ましい。
また、自己乳化性のポリイソシアネート化合物としては、上記のごときポリイソシアネート類に親水性のポリオキシアルキレン類を反応せしめたプレポリマーなどが例示される。ここで反応に供する親水性のポリオキシアルキレン類としては、イソシアネート反応性基を少なくとも1個有する、分子量200〜4000の範囲のものが好ましく使用される。特に好ましくは300〜1500の範囲のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールである。分子量の小さいものは自己乳化性が充分に達成されず、分子量の大きいものは、自己乳化性は良好であるが、水中安定性が悪くなり、また、結晶性が高くなるため、低温性での貯蔵安定性が低下し、濁りが発生する。ポリオキシアルキレン類におけるオキシアルキレン鎖としては、その全部または多くがオキシエチレン基であるものが親水性の面から好ましい。
この、ポリイソシアネート類とポリオキシアルキレングリコール類の反応は、第3級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、第3級アルキルホスフィン類、金属アルキルアセトネート類、有機酸金属塩類等の触媒の存在下に、必要に応じ助触媒の存在下に100℃以下で行いうる。また、この反応に際して、残存イソシアネート基の量が10〜24質量%、好ましくは15〜22質量%となるように調整することが好適である。
残存イソシアネート基の量が少ないと含フッ素共重合体との反応性が低下することがあり好ましくない。また、充分な架橋度を達成するために多量のイソシアネート化合物が必要となるため、塗膜の耐候性に悪い影響を与えることがあり好ましくない。残存イソシアネート基の量が多すぎると安定な乳化液が形成されにくいため好ましくない。このような自己乳化性のイソシアネート化合物は特公平4−15270号公報などに記載されている。
メラミン樹脂としては、メチルエーテル化、ブチルエーテル化、イソブチルエーテル化などのアルキルエーテル化されたメラミン樹脂が挙げられ、水溶性の面から、少なくとも一部がメチルエーテル化されたメラミン樹脂が好ましい。
二液硬化型水性塗料キットにおける本発明の水性塗料用組成物と硬化剤との質量比は、不揮発分の組成において、50〜95質量%:5〜50質量%であることが好ましく、75〜95質量%:5〜25質量%であることがより好ましい。
以下に本発明を実施例に従って詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されない。実施例中の部は、特にことわりのない限り質量部を示す。ただし、例1〜7および例10〜15は本発明の実施例であり、例8および11は本発明の参考例であり、比較例1〜8は本発明の比較例である。
≪水性塗料用組成物の安定性評価≫
合成例1〜9の方法で、含フッ素共重合体が水に分散または溶解している水性液を合成した。なお、合成例1〜6および合成例9の合成樹脂は、本発明の含フッ素共重合体(A)に該当する。また、合成例7、8の合成樹脂は、単位の割合において含フッ素共重合体(A)とは異なる共重合体である。
<合成例1>
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm・G)にエチルビニルエーテル(EVE)の10.8部、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の16.7部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の15.4部、10−ウンデセン酸(UDA)の4.9部、メチルアルコール(MeOH)の30部、メチルエチルケトン(MEK)の37部、ターシャリーブチルペルオキシピバレートの0.6部、ジメチルエタノールアミン(DMAE)の0.36部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の52.2部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージおよびろ過後、固形分 60.4質量%の含フッ素共重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素共重合体の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算の数平均でMn=1.1×10であり、酸価は15mgKOH/gであった。
この酸価の値により、ワニスを構成する含フッ素共重合体が、UDA由来の単位を約3モル%含むことが確認された。
次に、重合した含フッ素共重合体のワニス167部に、トリエチルアミンの1.85部を加え室温で30分撹拌しUDA由来の単位におけるカルボキシル基の70%を中和し、イオン交換水の150部を徐々に加えた。これにより、UDA由来の単位、約3モル%の内、約2.1モル%を中和した。
最後に、残留する溶剤であるMeOHおよびMEKの合計量が、含フッ素共重合体固形分の2質量%未満になるまで減圧留去した。さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度40質量%に調整し合成例1の水性液を得た。水性液中の残存溶剤量を測定したところ0.4質量%であった。なお、水性液中の残存溶剤量の測定には、島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−14Bを使用した(以下の合成例においても同様である。)。
合成例1の重合時の原料比率(質量部)、中和前の分子量Mn、酸価、および水酸基価、中和時に使用したトリエチレンアミンの比率(ワニス167部に対する質量部)、減圧留去後の残存溶剤量、並びに得られた水性液中の合成樹脂の単位比率を表1に示す。
表1において、MAはマレイン酸を、CAはクロトン酸を各々示す。キョーワード500SHは協和化学工業社製の酸吸着剤(無機塩基性化合物)である。
また、(a1)はCTFE由来の単位のモル%を、(a2)はEVE由来の単位とCHVE由来の単位の合計モル%を、(a3)はHBVE由来の単位のモル%を、(a4)−aはUDA、MA、またはCA由来の単位のうち、カルボキシル基が中和されていないもののモル%を、(a4)−bはUDA、MA、またはCA由来の単位のうち、カルボキシル基が中和されてカルボキシル塩基を形成したもののモル%を各々示す。
なお、表1における水酸基価は、(使用したHBVEのモル比率)×5の値とした。
また、水溶液中の合成樹脂の構造単位比率は、重合時の原料比率(重量部)をモル換算した値とした。ただし、(a4)−aと(a−4)−bの比率は、中和前の酸価と中和に要したトリエチルアミンの量から計算して求めた値とした。
<合成例2>
モノマー量、溶剤量、その他添加剤の種類と量、およびトリエチルアミンの使用量を表1に記載の量に変更し、重合後溶媒として用いたEtOHの50質量%をMEKに溶剤置換し、溶剤の留去において残留する溶剤の合計量が、含フッ素共重合体固形分の15質量部になるまで減圧留去したことの他は、合成例1と同様にして合成例2の水性液を得た。
<合成例3、4、6、9>
モノマー量、溶剤量、その他添加剤の種類と量、およびトリエチルアミンの使用量を表1に記載の量に変更した他は、合成例1と同様にして合成例3、4、6、9の水性液を得た。
<合成例5、8>
モノマー量、溶剤量、その他添加剤の種類と量、およびトリエチルアミンの使用量を表1に記載の量に変更すると共に、溶剤の留去において残留する溶剤の合計量が、含フッ素共重合体固形分の15質量部になるまで減圧留去した他は、合成例1と同様にして合成例5、8の水性液を得た。
<合成例7>
モノマー量、溶剤量、その他添加剤の種類と量、およびトリエチルアミンの使用量を表1に記載の量に変更し、重合後溶媒として用いたEtOHの約50質量%をMEKに溶剤置換した他は、合成例1と同様にして合成例7の水性液を得た。
合成例2〜9の重合時の原料比率(質量部)、中和前の分子量Mn、酸価、および水酸基価、中和時に使用したトリエチレンアミンの比率(ワニス167部に対する質量部)、並びに得られた水性液中の残存溶剤量の測定値および合成樹脂の単位比率を、合成例1と同様に、表1に示す。
Figure 0005293183
<合成例10>
内容積2000ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm・G)にエチルビニルエーテル(EVE)の27.3部、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の47.7部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の49.8部、10−ウンデセン酸(UDA)の45部、メチルアルコール(MeOH)の415部、メチルエチルケトン(MEK)の277部、ジメチルエタノールアミンの4.5部を仕込み、液体窒素にて冷却して固化脱気により溶存空気を除去し、続いてクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の153部を仕込み撹拌開始し、50℃に昇温した。50℃に昇温した時点の圧力は0.3MPaであった。ターシャリーブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液3.0部を添加することにより反応を開始させた。重合開始後、約8時間かけてCTFEの343部、EVEの64部、CHVEの111部、HBVEの106部、ターシャリーブチルペルオキシピバレート50質量%キシレン溶液の17部を連続的に添加した。連続添加終了後16時間、50℃で撹拌を続けた。冷却および残圧をパージした後、ヒドロキノンモノメチルエーテルの0.1部を添加し、ろ過後、固形分 59.5質量%の含フッ素共重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素共重合体の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算の数平均でMn=0.9×10であり、酸価は16mgKOH/gであった。この酸価の値により、ワニスを構成する含フッ素共重合体が、UDA由来の単位を約3モル%含むことが確認された。
次に、重合した含フッ素共重合体のワニス167部に、トリエチルアミンの1.85部を加え室温で30分撹拌しUDA由来の単位におけるカルボキシル基の70%を中和し、イオン交換水の150部を徐々に加えた。これにより、UDA由来の単位、約3モル%の内、約2.1モル%を中和した。
最後に、残留する溶剤であるMeOHおよびMEKの合計量が、含フッ素共重合体固形分の0.5質量部未満になるまで減圧留去した。さらにイオン交換水150部加えて、固形分濃度40質量%に調整し合成例9の水性液を得た。水性液中の残存溶剤量を測定すると0.5質量%であった。
合成例1〜8と同様にして求めた合成例9の水性液中の合成樹脂の単位比率(モル%)は、(a1):(a2):(a3):(a4)−a:(a4)−b=50:30:17:0.9:2.1である。
<例1〜6、比較例1〜4>
合成例1〜10の水性液100質量部を50℃のオーブンで2週間および4週間保持して貯蔵安定性を確認した結果を表2に示す。Mn変化率は、50℃保持後の分子量Mnの値を初期のMn(表1記載)で割った値を示す。Mnの増加は、ゲル化またはゲル化の兆候を意味する。
Figure 0005293183
表2に示すように、合成例1、3、4、6、9、10の水性液を用いた例1〜6では、50℃のオーブンで2週間および4週間保持しても沈降・凝集等の外観に変化はなく、分子量変化が小さく、貯蔵安定性に優れることが確認できた。一方、合成例7の水性液を用いた比較例1では沈降が見られた。また、合成例8の水性液を用いた比較例2では、分子量の増大がみられた。比較例3、4では50℃4週間の保持で沈降がみられた。
≪塗膜の耐水性評価≫
<例7〜13、比較例5、6>
合成例1〜9の100質量部に、DEA,BYK348,BYK080、サノールLS765の表3に示す量を添加、攪拌混合し、塗料を作成した。塗料中の残存溶剤量を表3中に示す。これにバイヒジュール3100の表3に示す量を加え攪拌混合した。これを、スレート板にアクリル系エマルション下塗り材を塗装した試験体にスプレー塗装し、室温で2週間乾燥させた後、耐水性を評価した。また、下塗り材を塗装しないスレート板に直接スプレー塗装し同様に室温で2週間乾燥させた後、透水性を評価した。ただし、例8および11は残存有機溶媒量が1質量%を超える例であり、参考例である。
表3における各添加物の名称は、各々以下の化合物を示す。また、表3中の数値は、特に断りのない限り質量部である。
DEA:造膜助剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)
バイヒジュール3100:住化バイエルウレタン社製 水分散型ポリイソシアネート
BYK348:ケミー社製 表面調整剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
BYK080:ケミー社製 消泡剤(シリコン系消泡剤)
サノールLS765:三共社製の光安定剤
チヌビン1130:チバガイギー社製 紫外線吸収剤(メチル−3−(3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾ−ル−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト−ポリエチレングリコ−ル(分子量300)との縮合物)
<耐水性>
例7〜13、比較例5、6の試験体を室温にてイオン交換水に2週間浸漬し外観変化を観察した。結果を表3に示す。評価結果におけるブリスター(Blistering)とは、塗膜と基材の間に気泡が発生し外観が損なわれている状態を示す。
<透水性>
例7〜13、比較例5、6の試験体について、JIS K 5400に記載の方法で透水量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005293183
表3に示すように、合成例1〜6、合成例9を用いた例7〜13では、耐水性試験の結果変化がなく、透水量も僅かであった。したがって、本発明の二液硬化型水性塗料キットによれば、耐水性に優れた塗膜が形成できることが確認できた。
<合成例11> 顔料分散液の調製
酸化チタン顔料CR−90(石原産業社製)の60部、ディスロールH−14N分散剤(日本乳化剤社製)の2.9 部、FSアンチフォーム013B消泡剤(ダウコーニング社製)の0.2部、イオン交換水の38部、ガラスビーズの100部を混合し、グレンミフレ分散機を用い分散し、ガラスビーズを濾過して顔料分散液を調製した。
<合成例12>
イオン交換水の192.9部に日本乳化剤社製の乳化剤ニューコール707SFの20.0部、2−エチルヘキシルアクリレートの204部、スチレンの195.8部、アクリル酸の8.2部を加えてホモミキサーを用いて乳化したものに、過硫酸アンモニウムの2.04部を加えた後、ガラス容器中で窒素ガスの加圧脱気を行った液をD液とする。
撹拌機付の1リットルガラス反応容器にイオン交換水の200部を入れ、窒素ガスで加圧脱気を行ない80℃に昇温した。これに3.5時間かけてチューブポンプで623.24部のD液を滴下した。その後、過硫酸アンモニウム10質量%水溶液の1部を加え2.5時間80〜85℃で熟成させた。その後30℃以下に冷却し28質量%アンモニア水で中和して固形分濃度50質量%の水性分散体を得た。
<合成例13>
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm・G)にエチルビニルエーテル(EVE)の7.9部、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の21.7部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の6.4部、式 CH=CHO(CH(OCHCHOH(Mn700)で表される親水性マクロモノマーの6.9部、乳化剤(日本乳化剤社製:Nー1110)の3部、イオン交換水の115部、炭酸カリウムの0.4部、過硫酸アンモニウムの0.07部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の52.2部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージ後、固形分50.6質量%の含フッ素共重合体の水性分散体を得た。
<例14〜15、比較例7、8>
表4に示す配合にて塗料配合を行い、フィルムアプリケーターを用いてアルミニウム板に乾燥塗膜40μmになるよう塗布し、80℃にて1時間乾燥させ試験片を得た。この試験片について光沢および耐候性の評価を行った。その結果を表4に示す。耐候性の評価はQUV試験1000時間後に著しく光沢が低下したものを×、光沢の低下があまり見られないものを○とした。
なお、光沢、耐候性の評価は、日本電色工業株式会社製のハンディー光沢計PG−1Mにより行った。
表4における各添加物の名称は、以下に示す他は表3と同じである。また、表4中の数値は、特に断りのない限り質量部である。
バソナットHW100:BASF社製 水分散型イソシアネート
Figure 0005293183
本発明の水性塗料用組成物は、有機溶媒の含有量が低く環境に対する負荷が小さく、また、重合体の分子量増加およびゲル化が抑制され、分散安定性に優れることから、貯蔵安定性に優れ、透水性・耐水性も良好な塗膜を得ることに好適であり、産業上極めて有用である。さらに、該組成物を用いて、上記性能を発揮し、かつ取扱がしやすい二液硬化型水性塗料キットを提供できる。

なお、2006年9月22日に出願された日本特許出願2006−257053号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. 溶液重合法により得られた含フッ素共重合体(A)を水性媒体に分散して得られた組成物であり、下記単位(1)〜(4)を含む共重合体であって単位(4)の割合が繰返し単位総数に対して1.4〜3.9モル%である含フッ素共重合体(A)、および水性媒体を含み、該組成物中に含まれる有機溶媒量が0〜0.5質量%であり、ノニオン性乳化剤が樹脂固形分100質量部あたり0〜3重量部であり、アニオン性乳化剤が樹脂固形分100質量部あたり0〜1重量部であることを特徴とする水性塗料用組成物。
    単位(1):フルオロオレフィンの繰返し単位。
    単位(2):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、該単位にはヒドロキシ基および/または塩を形成していてもよいカルボキシル基、は結合していない。
    単位(3):ヒドロキシ基が結合したビニルモノマーまたはヒドロキシ基が結合したアリルモノマーの繰り返し単位であり、該単位には、塩を形成していてもよいカルボキシル基は結合していない。
    単位(4):ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位であり、かつ、一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基が結合した繰返し単位。
  2. 単位(1)が下式(a1)で表される単位であり、単位(2)が下式(a2)で表される単位であり、単位(3)が下式(a3)で表される単位であり、単位(4)が下式(a4−1)で表される単位である請求項1に記載の水性塗料用組成物。
    −CFX−CX− (a1)
    [ただし、式(a1)中のXおよびXは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
    Figure 0005293183
    [ただし、式(a2)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数4〜10の1価の脂環式炭化水素基であり、jは0または1、kは0または1である。]
    Figure 0005293183
    [ただし、式(a3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基であり、mは0または1、nは0または1である。]
    Figure 0005293183
    [ただし、式(a4−1)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、−COORは一部がカルボキシル基であってもよいカルボキシル塩基、Rは水素原子または−COOR(−COORは前述と同様)であり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基、sは0または1である。]
  3. 含フッ素共重合体(A)が、単位(1)を40〜60モル%、単位(2)を3〜50モル%、単位(3)を4〜30モル%、単位(4)を1.4〜3.9モル%含み、かつ単位(1)、単位(2)、単位(3)、および単位(4)以外の単位(5)を0〜20モル%含む請求項1または2に記載の水性塗料用組成物。
  4. 含フッ素共重合体(A)に存在するカルボキシル基とカルボキシル塩基の総量に対して、カルボキシル塩基の割合が60モル%以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  5. カルボキシル塩基が、カルボキシル基の第4級アンモニウム塩基である請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  6. 水性媒体が、水のみ、または水と有機溶媒とからなる請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  7. 含フッ素共重合体(A)の一部または全部が、組成物中に分散してなる請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  8. 有機溶媒中での共重合反応により、前記単位(1)、前記単位(2)、前記単位(3)、およびカルボキシル基が結合したモノマーに基づく重合単位(4−3)を含む含フッ素共重合体(B)を得て、つぎに、塩基性化合物を加えて含フッ素共重合体(B)中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和する工程、水を加える工程、および有機溶媒を除去する工程を順に行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  9. 単位(1)が前記式(a1)で表される単位であり、単位(2)が前記式(a2)で表される単位であり、単位(3)が前記式(a3)で表される単位であり、単位(4−3)が下式(a4−3)で表される単位である請求項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
    Figure 0005293183
    [ただし、式(a4−3)中のRは水素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または−COOHであり、pは0または1、rは0または1、qは0または1、Rは炭素原子数1〜15のアルキレン基または炭素原子数4〜10の2価の脂環式炭化水素基、sは0または1である。]
  10. 含フッ素共重合体(B)が、単位(1)の40〜60モル%、単位(2)の3〜50モル%、単位(3)の4〜30モル%、単位(4−3)の1.4〜3.9モル%、ならびに単位(1)、単位(2)、単位(3)、単位(4−3)以外の単位(5)の0〜20モル%を含む請求項またはに記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  11. 塩基性化合物で中和する工程および水を加える工程を、塩基性化合物を水溶液として加える工程として行う、または、塩基性化合物で中和する工程を、塩基性化合物の水溶液を用いて中和する工程として行う請求項8〜10のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤とが、それぞれ独立に存在してなる二液硬化型水性塗料キット。
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