JP2009013299A - 水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キット - Google Patents
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Abstract
【課題】含フッ素共重合体を含有し、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、着色しにくく、耐水性にも優れた塗膜を形成できる水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キットの提供。
【解決手段】合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体を得る工程、またはフルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備える水性塗料用組成物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体を得る工程、またはフルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備える水性塗料用組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、架橋性の含フッ素共重合体を含む水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キットに関する。
近年、自然環境保護のため、有機溶媒排出による地球温暖化や光化学スモッグ等の公害が問題とされ、排出規制が実施されつつある。特に欧州では規制が先行しており、日本においても2006年に大気汚染防止法が改訂されて、法的な排出規制が開始されている。
このような法的規制に対応すべく、塗料分野においても水系塗料用組成物の開発が注目されている。
水性塗料用組成物としては、従来から、アルキド系、アクリル系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、エポキシ系等の各種合成樹脂を水に分散または溶解させた水性塗料用組成物が知られている。
この合成樹脂として、または合成樹脂の一部として、水酸基を備える架橋性の含フッ素共重合体を用いた水性塗料用組成物が、耐候性に優れることから広く用いられている。
このような法的規制に対応すべく、塗料分野においても水系塗料用組成物の開発が注目されている。
水性塗料用組成物としては、従来から、アルキド系、アクリル系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、エポキシ系等の各種合成樹脂を水に分散または溶解させた水性塗料用組成物が知られている。
この合成樹脂として、または合成樹脂の一部として、水酸基を備える架橋性の含フッ素共重合体を用いた水性塗料用組成物が、耐候性に優れることから広く用いられている。
これまで、含フッ素共重合体を含有する水性塗料用組成物の製造方法としては、様々な方法が提案されている。たとえば、フルオロオレフィンおよび親水性部位を有するマクロモノマーを特定の乳化剤を用いて乳化重合する方法(特許文献1)、含フッ素共重合体の水に対する親和性を高めるため、水酸基の一部を有機溶媒中でエステル化してカルボキシ基を導入し、さらに、そのカルボキシ基の一部または全部を塩基性化合物で中和する方法(特許文献2)等が知られている。
なお、水性塗料用組成物ではなく、溶剤型塗料用組成物等に用いられる含フッ素共重合体を製造する方法の一つとして、ハイドロタルサイト類の存在下で重合を行う方法(特許文献3)や、重合後にハイドロタルサイト類と接触させる方法(特許文献4)が提案されている。
特開平6−65336号公報
特開昭62−143915号公報
特開平1−229011号公報
特開平1−197510号公報
なお、水性塗料用組成物ではなく、溶剤型塗料用組成物等に用いられる含フッ素共重合体を製造する方法の一つとして、ハイドロタルサイト類の存在下で重合を行う方法(特許文献3)や、重合後にハイドロタルサイト類と接触させる方法(特許文献4)が提案されている。
しかし、従来の含フッ素共重合体を含む水性塗料用組成物は、該水性塗料用組成物中に含まれる有機溶媒の含有量が少なくなると、貯蔵安定性が低下したり、形成される塗膜の耐水性が良くない、該塗膜が着色しやすい等の問題が生じる傾向がある。
たとえば特許文献1記載の方法により得られる含フッ素共重合体を用いる場合、低溶剤量のエマルション塗料とすることはできるが、該エマルション塗料は造膜性が劣っており、また、残存する乳化剤のために耐水性、密着性に劣る問題がある。
特許文献2の方法により得られる含フッ素共重合体の水分散液または水溶液中には、カルボキシ基を導入する工程で用いる有機溶媒が大量に残留しているが、この残留している有機溶媒を除去してしまうと、貯蔵安定性が低下して経時により沈降してしまう傾向がある。また、該含フッ素共重合体は着色しやすく、そのため、該含フッ素共重合体を用いた水性塗料用組成物や、その塗膜も着色しやすい。これは、重合時に重合安定化剤としてアミン類を使用しているためであると考えられる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、含フッ素共重合体を含有し、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、着色しにくく、耐水性にも優れた塗膜を形成できる水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キットを提供する。
たとえば特許文献1記載の方法により得られる含フッ素共重合体を用いる場合、低溶剤量のエマルション塗料とすることはできるが、該エマルション塗料は造膜性が劣っており、また、残存する乳化剤のために耐水性、密着性に劣る問題がある。
特許文献2の方法により得られる含フッ素共重合体の水分散液または水溶液中には、カルボキシ基を導入する工程で用いる有機溶媒が大量に残留しているが、この残留している有機溶媒を除去してしまうと、貯蔵安定性が低下して経時により沈降してしまう傾向がある。また、該含フッ素共重合体は着色しやすく、そのため、該含フッ素共重合体を用いた水性塗料用組成物や、その塗膜も着色しやすい。これは、重合時に重合安定化剤としてアミン類を使用しているためであると考えられる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、含フッ素共重合体を含有し、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、着色しにくく、耐水性にも優れた塗膜を形成できる水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キットを提供する。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、水に分散または溶解させる合成樹脂として、ハイドロタルサイト類を用いて得られる含フッ素共重合体を用いることにより前記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。
[2] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。
[3] 前記フルオロオレフィンと共重合可能な単量体が、水酸基含有単量体および/またはカルボキシ基含有単量体を含む[1]または[2]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[4] 前記含フッ素共重合体が、酸価が5〜40mgKOH/g、および/または水酸基価が20〜150mgKOH/gの含フッ素共重合体である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[5] さらに、前記含フッ素共重合体以外の他の合成樹脂のエマルションを混合する工程を備える[1]〜[4]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[6] 前記他の合成樹脂が、フッ素樹脂またはアクリル系樹脂である[5]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[7] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物であって、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法によって製造されることを特徴とする水性塗料用組成物。
[8] 当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下の有機溶媒を含有するか、または有機溶媒を含まない[7]に記載の水性塗料用組成物。
[9] [7]または[8]に記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤とを有する二液硬化型水性塗料キット。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。
[2] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。
[3] 前記フルオロオレフィンと共重合可能な単量体が、水酸基含有単量体および/またはカルボキシ基含有単量体を含む[1]または[2]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[4] 前記含フッ素共重合体が、酸価が5〜40mgKOH/g、および/または水酸基価が20〜150mgKOH/gの含フッ素共重合体である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[5] さらに、前記含フッ素共重合体以外の他の合成樹脂のエマルションを混合する工程を備える[1]〜[4]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[6] 前記他の合成樹脂が、フッ素樹脂またはアクリル系樹脂である[5]に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
[7] 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物であって、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法によって製造されることを特徴とする水性塗料用組成物。
[8] 当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下の有機溶媒を含有するか、または有機溶媒を含まない[7]に記載の水性塗料用組成物。
[9] [7]または[8]に記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤とを有する二液硬化型水性塗料キット。
本発明によれば、含フッ素共重合体を含有し、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、着色しにくく、耐水性にも優れた塗膜を形成できる水性塗料用組成物およびその製造方法、ならびに二液硬化型水性塗料キットを提供できる。
本発明の水性塗料用組成物の製造方法により製造される水性塗料用組成物は、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れる。そのため、本発明の製造方法によれば、有機溶媒の含有量を低くして環境に対する負荷が小さい水性塗料用組成物を得ることができる。
また、含フッ素共重合体が着色しにくいことから、本発明の水性塗料用組成物の製造方法により製造される水性塗料用組成物は、望まない着色の少ないものである。
また、本発明の二液硬化型水性塗料キットは、前記水性塗料用組成物を含むことから、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、望まない着色が少ない。そのため、環境に対する負荷が小さく、かつ取扱性に優れ、望まない着色の少ない塗膜を生成し得る。該塗膜は、耐水性にも優れる。
本発明の水性塗料用組成物の製造方法により製造される水性塗料用組成物は、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れる。そのため、本発明の製造方法によれば、有機溶媒の含有量を低くして環境に対する負荷が小さい水性塗料用組成物を得ることができる。
また、含フッ素共重合体が着色しにくいことから、本発明の水性塗料用組成物の製造方法により製造される水性塗料用組成物は、望まない着色の少ないものである。
また、本発明の二液硬化型水性塗料キットは、前記水性塗料用組成物を含むことから、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、望まない着色が少ない。そのため、環境に対する負荷が小さく、かつ取扱性に優れ、望まない着色の少ない塗膜を生成し得る。該塗膜は、耐水性にも優れる。
≪水性塗料用組成物の製造方法≫
本発明の製造方法は、合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体(以下、含フッ素共重合体(A1)ということがある。)を得る工程、またはフルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(以下、含フッ素共重合体(A2)ということがある。)を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備える。
本発明の製造方法は、合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体(以下、含フッ素共重合体(A1)ということがある。)を得る工程、またはフルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(以下、含フッ素共重合体(A2)ということがある。)を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備える。
本発明の製造方法の好ましい実施形態として、たとえば、下記重合工程(1)または重合工程(2)と、水添加工程と、溶媒除去工程とを備える方法が挙げられる。
重合工程(1):フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、ハイドロタルサイト類の存在下で、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合して含フッ素共重合体(A1)の有機溶媒溶液を得る工程。
重合工程(2):フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(A2)の有機溶媒溶液を得る工程。
水添加工程:前記重合工程(1)または(2)で得られた含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合し、含フッ素共重合体(A1)または(A2)を水に分散または溶解させる工程。
溶媒除去工程:有機溶媒を除去する工程。
以下、各工程についてより詳細に説明する。
重合工程(1):フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、ハイドロタルサイト類の存在下で、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合して含フッ素共重合体(A1)の有機溶媒溶液を得る工程。
重合工程(2):フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(A2)の有機溶媒溶液を得る工程。
水添加工程:前記重合工程(1)または(2)で得られた含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合し、含フッ素共重合体(A1)または(A2)を水に分散または溶解させる工程。
溶媒除去工程:有機溶媒を除去する工程。
以下、各工程についてより詳細に説明する。
[重合工程(1)]
重合工程(1)では、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、ハイドロタルサイト類の存在下で、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合して含フッ素共重合体(A1)を得る。
重合工程(1)では、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、ハイドロタルサイト類の存在下で、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合して含フッ素共重合体(A1)を得る。
前記フルオロオレフィンとしては、下式(a1)で表されるフルオロオレフィン(a1)が挙げられる。
CFX1=CX2X3 …(a1)
[式(a1)中、X1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、X3は塩素原子、フッ素原子または−CY1Y2Y3(Y1、Y2、Y3はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
CFX1=CX2X3 …(a1)
[式(a1)中、X1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、X3は塩素原子、フッ素原子または−CY1Y2Y3(Y1、Y2、Y3はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
フルオロオレフィン(a1)の具体例としては、たとえば下記のフルオロエチレン類、フルオロプロペン類等を挙げることができる。
CF2=CF2、CClF=CF2、CHCl=CF2、CCl2=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CClF等のフルオロエチレン類。
CF2ClCF=CF2、CF3CCl=CF2、CF3CF=CFCl、CF2ClCCl=CF2、CF2ClCF=CFCl、CFCl2CF=CF2、CF3CCl=CClF、CF3CCl=CCl2、CClF2CF=CCl2、CCl3CF=CF2、CF2ClCCl=CCl2、CFCl2CCl=CCl2、CF3CF=CHCl、CClF2CF=CHCl、CH3CCl=CHCl、CHF2CCl=CCl2、CF2ClCH=CCl2、CF2ClCCl=CHCl、CCl3CF=CHCl等のフルオロプロペン類。
これらの中で、CF2=CF2、CClF=CF2が、形成される塗膜の耐候性に優れるため好ましい。
CF2=CF2、CClF=CF2、CHCl=CF2、CCl2=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CClF等のフルオロエチレン類。
CF2ClCF=CF2、CF3CCl=CF2、CF3CF=CFCl、CF2ClCCl=CF2、CF2ClCF=CFCl、CFCl2CF=CF2、CF3CCl=CClF、CF3CCl=CCl2、CClF2CF=CCl2、CCl3CF=CF2、CF2ClCCl=CCl2、CFCl2CCl=CCl2、CF3CF=CHCl、CClF2CF=CHCl、CH3CCl=CHCl、CHF2CCl=CCl2、CF2ClCH=CCl2、CF2ClCCl=CHCl、CCl3CF=CHCl等のフルオロプロペン類。
これらの中で、CF2=CF2、CClF=CF2が、形成される塗膜の耐候性に優れるため好ましい。
フルオロオレフィンの使用量としては、特に限定されないが、得られる含フッ素共重合体(A1)中の、フルオロオレフィンに由来する構造単位の割合が、含フッ素共重合体(A1)の構造単位全体に対し、40〜60モル%となる量が好ましく、45〜55モル%がより好ましい。フルオロオレフィンに由来する構造単位の割合が上記範囲であると、充分な耐候性を有する良好な膜を形成し得る。
フルオロオレフィンと共重合可能な単量体は、前記フルオロオレフィンと共重合可能なものであればよく、特に限定されない。
本発明においては、フルオロオレフィンと共重合可能な単量体として、水酸基含有単量体および/またはカルボキシ基含有単量体を含むことが好ましい。これにより、含フッ素共重合体(A1)が、水酸基および/またはカルボキシ基を有するものとなる。かかる含フッ素共重合体は、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤と組み合わせて二液硬化型水性塗料キットとして使用するのに好適なものとなる。また、カルボキシ基を有する含フッ素共重合体は、カルボキシ基を中和することにより、乳化剤を使用せずとも水への溶解性または分散性に優れた重合体へ変性することができる。
本発明においては、フルオロオレフィンと共重合可能な単量体として、水酸基含有単量体および/またはカルボキシ基含有単量体を含むことが好ましい。これにより、含フッ素共重合体(A1)が、水酸基および/またはカルボキシ基を有するものとなる。かかる含フッ素共重合体は、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤と組み合わせて二液硬化型水性塗料キットとして使用するのに好適なものとなる。また、カルボキシ基を有する含フッ素共重合体は、カルボキシ基を中和することにより、乳化剤を使用せずとも水への溶解性または分散性に優れた重合体へ変性することができる。
上記の点から、含フッ素共重合体(A1)は、酸価が5〜40mgKOH/g、および/または水酸基価が20〜150mgKOH/gの含フッ素共重合体であることが好ましい。
前記酸価は、8〜20mgKOH/gがより好ましい。
前記水酸基価は、40〜120mgKOH/gがより好ましい。
前記酸価は、8〜20mgKOH/gがより好ましい。
前記水酸基価は、40〜120mgKOH/gがより好ましい。
フルオロオレフィンと共重合可能な単量体として好ましいものとしては、たとえば、下式(a2)で表される単量体(a2)(アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリルエーテル、アルキルアリルエステルなど)、下式(a3)で表される単量体(a3)(水酸基含有ビニルエーテル、水酸基含有ビニルエステル、水酸基含有アリルエーテル、水酸基含有アリルエステルなど)、下式(a4)で表される単量体(a4)(不飽和カルボン酸など)等が例示される。
単量体(a2)としては、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられ、これらの中から所望の塗膜物性(硬度、光沢、顔料分散性など)に応じた単量体が適宜選択される。
単量体(a2)としては、エチルビニルエーテルおよび/またはシクロヘキシルビニルエーテルが、フルオロオレフィン(a1)との交互共重合性がよく、含フッ素共重合体のガラス転位温度を調整しやすいので、好ましい。
単量体(a2)としては、エチルビニルエーテルおよび/またはシクロヘキシルビニルエーテルが、フルオロオレフィン(a1)との交互共重合性がよく、含フッ素共重合体のガラス転位温度を調整しやすいので、好ましい。
単量体(a2)の使用量は、特に限定されないが、含フッ素共重合体(A1)中の、単量体(a2)に由来する構造単位(以下、構造単位(a2)という。)の割合が、含フッ素共重合体(A1)の構造単位全体に対し、3〜50モル%となる量が好ましく、25〜40モル%となる量がより好ましい。
単量体(a3)としては、2−ヒドロキシアルキルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、4−ヒドロキシプチルビニルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、重合性、架橋性などから、ヒドロキシアルキルビニルエーテルが好ましい。
単量体(a3)の使用量は、特に限定されないが、含フッ素共重合体(A1)中の、単量体(a3)に由来する構造単位(以下、構造単位(a3)という。)の割合が、含フッ素共重合体(A1)の構造単位全体に対し、4〜30モル%となる量が好ましく、8〜25モル%となる量がより好ましい。構造単位(a3)の割合が上記範囲の下限以上であると、架橋をした際、架橋密度が高くなる。また、構造単位(a3)の割合が上記範囲の上限以下であると、塗膜にしたときの耐水性が向上する。
単量体(a4)としては、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸または10−ウンデセン酸、3―アリルオキシプロピオン酸、アリルオキシ吉草酸、アジピン酸モノビニル、クロトン酸ビニル、こはく酸モノビニルなど、およびそれらの塩が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さ、前記フルオロオレフィン(a1)、単量体(a2)、単量体(a3)などとの共重合性の観点から、10−ウンデセン酸、3―アリルオキシプロピオン酸、およびそれらの塩が好ましい。
単量体(a4)の使用量は、特に限定されないが、含フッ素共重合体(A1)中の、単量体(a4)に由来する構造単位(以下、構造単位(a4)という。)の割合が、含フッ素共重合体(A1)の構造単位全体に対し、0〜8モル%となる量が好ましく、0〜5モル%となる量がより好ましい。構造単位(a4)の割合が上記範囲であると、水に分散または溶解した際の安定性に優れる。
本発明においては、フルオロオレフィンとして前記フルオロオレフィン(a1)を用い、フルオロオレフィンと共重合可能な単量体として、単量体(a2)、単量体(a3)および単量体(a4)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
すなわち、含フッ素共重合体(A1)が、フルオロオレフィン(a1)に由来する構造単位と、単量体(a2)に由来する構造単位(a2)、単量体(a3)に由来する構造単位(a3)および単量体(a4)に由来する構造単位(a4)からなる群から選択される少なくとも1種の構造単位とを有することが好ましい。
特に、含フッ素共重合体(A1)が、構造単位(a1)、構造単位(a2)、構造単位(a3)および構造単位(a4)をすべて有することが好ましい。
すなわち、含フッ素共重合体(A1)が、フルオロオレフィン(a1)に由来する構造単位と、単量体(a2)に由来する構造単位(a2)、単量体(a3)に由来する構造単位(a3)および単量体(a4)に由来する構造単位(a4)からなる群から選択される少なくとも1種の構造単位とを有することが好ましい。
特に、含フッ素共重合体(A1)が、構造単位(a1)、構造単位(a2)、構造単位(a3)および構造単位(a4)をすべて有することが好ましい。
ハイドロタルサイト類は、2価の金属および3価の金属の水酸化物の塩(以下、複塩という。)であり、一般に、下式(h1)で表される。
M2+ xM3+ y(OH)2x+2yAy/n・zH2O …(h1)
[式(h1)中、M2+は2価の金属であり、M3+は3価の金属であり、Aはアニオンであり、nは前記アニオンの価数であり、zは水和数である。]
M2+ xM3+ y(OH)2x+2yAy/n・zH2O …(h1)
[式(h1)中、M2+は2価の金属であり、M3+は3価の金属であり、Aはアニオンであり、nは前記アニオンの価数であり、zは水和数である。]
M2+としては、マグネシウム、マンガン、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル、銅、亜鉛等が挙げられ、マグネシウムが好ましい。
M3+としては、アルミニウム、鉄(III)、クロム、コバルト(III)、インジウム等が挙げられ、アルミニウムが好ましい。
nは1〜3が好ましい。
Aとしては、たとえば、CO3 2−、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3CO2 −、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等が挙げられ、CO3 2−が好ましい。
M3+としては、アルミニウム、鉄(III)、クロム、コバルト(III)、インジウム等が挙げられ、アルミニウムが好ましい。
nは1〜3が好ましい。
Aとしては、たとえば、CO3 2−、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3CO2 −、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等が挙げられ、CO3 2−が好ましい。
本発明において用いるハイドロタルサイト類は、マグネシウムおよびアルミニウムの複塩が好ましく、特に、前記式(h1)中のxが6であり、yが2であり、AがCO3 2−である化合物(たとえばMg6Al2(OH)16CO3・4H2O)が好ましい。
ハイドロタルサイト類は、たとえば協和化学(株)製のキョーワード500SH、キョーワード2000等の市販のものが利用できる。
ラジカル重合時のハイドロタルサイト類の使用量は、共重合されるべき単量体全量に対して、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
ハイドロタルサイト類は、たとえば協和化学(株)製のキョーワード500SH、キョーワード2000等の市販のものが利用できる。
ラジカル重合時のハイドロタルサイト類の使用量は、共重合されるべき単量体全量に対して、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
本実施形態において、ラジカル重合は、有機溶媒を用いた溶液重合により実施される。
ここで用いる有機溶媒(重合溶媒)としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、1個以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キシレンなどの芳香族炭化水素などを使用することが好ましい。これらのうち、水溶化の簡便さから、ケトン類が好ましく、特にメチルエチルケトンが好ましい。
ここで用いる有機溶媒(重合溶媒)としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、1個以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キシレンなどの芳香族炭化水素などを使用することが好ましい。これらのうち、水溶化の簡便さから、ケトン類が好ましく、特にメチルエチルケトンが好ましい。
ラジカル重合は、重合開始剤の存在下で実施される。
重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
重合開始剤の使用量は、使用する重合開始剤の種類、重合反応条件(反応温度、反応圧力)等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、共重合されるべき単量体全量に対して、0.05〜0.5質量%程度が採用される。
重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
重合開始剤の使用量は、使用する重合開始剤の種類、重合反応条件(反応温度、反応圧力)等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、共重合されるべき単量体全量に対して、0.05〜0.5質量%程度が採用される。
ラジカル重合においては、連鎖移動剤を併用してもよい。連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、使用する連鎖移動剤の種類、重合反応条件(反応温度、反応圧力)等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、共重合されるべき単量体全量に対して、
0.1〜40質量%程度が採用される。
連鎖移動剤の使用量は、使用する連鎖移動剤の種類、重合反応条件(反応温度、反応圧力)等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、共重合されるべき単量体全量に対して、
0.1〜40質量%程度が採用される。
ラジカル重合の反応温度は、10℃〜90℃が好ましい。また、反応圧力は、0〜100kg/cm2・Gが好ましく、1〜50kg/cm2・Gがより好ましい。
ラジカル重合後、得られる反応液(含フッ素共重合体(A1)の有機溶媒溶液)から、ハイドロタルサイト類を除去することが好ましい。ハイドロタルサイト類は、一般的な固液分離方法、たとえばろ過により除去できる。
[重合工程(2)]
重合工程(2)では、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(A2)を得る。
重合工程(2)では、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒を用いた溶液重合によりラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体(A2)を得る。
フルオロオレフィン、該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、それらの単量体の使用量も前記第一の製造方法と同様であってよい。
また、本実施形態において、ラジカル重合は、重合工程(1)と同様、有機溶媒を用いた溶液重合により実施される。
ここで用いる有機溶媒(重合溶媒)としては、前記第一の製造方法で重合溶媒として挙げたものと同様のものが挙げられる。
ラジカル重合の重合方法は、前記第一の製造方法におけるラジカル重合方法と同様であってよい。ただし、本実施形態においては、ラジカル重合を、必ずしもハイドロタルサイト類の存在下で行う必要はなく、ハイドロタルサイト類の不存在下で行ってもよい。
ここで用いる有機溶媒(重合溶媒)としては、前記第一の製造方法で重合溶媒として挙げたものと同様のものが挙げられる。
ラジカル重合の重合方法は、前記第一の製造方法におけるラジカル重合方法と同様であってよい。ただし、本実施形態においては、ラジカル重合を、必ずしもハイドロタルサイト類の存在下で行う必要はなく、ハイドロタルサイト類の不存在下で行ってもよい。
次に、上記ラジカル重合で得られる含フッ素共重合体にハイドロタルサイト類を接触させることにより含フッ素共重合体(A2)を得る。
ハイドロタルサイト類としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、ハイドロタルサイト類の使用量も前記第一の製造方法と同様であってよい。
含フッ素共重合体にハイドロタルサイト類を接触させる方法としては、特に限定されない。たとえば上記溶液重合により得られる反応液(含フッ素共重合体の有機溶剤溶液)中にハイドロタルサイト類を添加し、所定の時間、撹拌等を行うことにより、含フッ素共重合体とハイドロタルサイト類とを接触させることができる。
ハイドロタルサイト類と含フッ素共重合体との接触時間は、10〜180分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
また、このときの温度(接触温度)は、10〜60℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
ハイドロタルサイト類としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、ハイドロタルサイト類の使用量も前記第一の製造方法と同様であってよい。
含フッ素共重合体にハイドロタルサイト類を接触させる方法としては、特に限定されない。たとえば上記溶液重合により得られる反応液(含フッ素共重合体の有機溶剤溶液)中にハイドロタルサイト類を添加し、所定の時間、撹拌等を行うことにより、含フッ素共重合体とハイドロタルサイト類とを接触させることができる。
ハイドロタルサイト類と含フッ素共重合体との接触時間は、10〜180分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
また、このときの温度(接触温度)は、10〜60℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
上記ハイドロタルサイト類との接触後、得られる反応液(含フッ素共重合体(A2)の有機溶媒溶液)から、ハイドロタルサイト類を除去することが好ましい。ハイドロタルサイト類は、一般的な固液分離方法、たとえばろ過により除去できる。
上記重合工程(1)および(2)は、ハイドロタルサイト類を使用する点で共通する。フルオロエチレンおよび該フルオロエチレンと共重合可能な単量体とのラジカル重合時、または重合後にハイドロタルサイト類を使用することによって、得られる含フッ素共重合体が着色しにくいものとなり、また、該含フッ素共重合体を合成樹脂として水に分散または溶解させた水性塗料用組成物とした際に、該水性塗料用組成物が、有機溶媒の含有量が低くても貯蔵安定性に優れ、かつ着色しにくいものとなる。そのため、該水性塗料用組成物を用いて形成される塗膜は、着色しにくく、さらに、耐水性にも優れている。
かかる効果が得られる理由としては、定かではないが、重合反応により副生する遊離酸を、ハイドロタルサイト類が吸着することが考えられる。
かかる効果が得られる理由としては、定かではないが、重合反応により副生する遊離酸を、ハイドロタルサイト類が吸着することが考えられる。
なお、本発明において、フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体をラジカル重合させる際の重合方法としては、上述した溶液重合に限定されず、乳化重合などの公知の重合法のなかから適宜選択すればよい。ただし、本発明においては、ラジカル重合を、有機溶媒の存在下で行う必要があり、特に、一般的に溶液重合で得られる共重合体から調整した塗料の塗膜物性は、乳化重合で得られる共重合体から調整した塗料の塗膜物性より優れるため、上述したように、溶液重合により行うことが好ましい。
上記重合工程(1)または(2)により得られる含フッ素共重合体(A1)または(A2)は、固有粘度が0.05〜2.0dL/gであることが好ましい。該固有粘度は、重合圧力、重合時の溶媒と単量体の質量比、連鎖移動剤の使用などの重合処方の調整により、前記範囲とすることができる。
また、含フッ素共重合体(A1)または(A2)は、分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、ポリスチレン換算の数平均分子量)が、3000〜200000の範囲内であることが好ましい。分子量が3000以上であると、塗膜にした場合の耐水性、耐候性、強度などが向上する。分子量が200000以下であると、塗装性が向上し、塗膜外観も良好である。
また、含フッ素共重合体(A1)または(A2)は、分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、ポリスチレン換算の数平均分子量)が、3000〜200000の範囲内であることが好ましい。分子量が3000以上であると、塗膜にした場合の耐水性、耐候性、強度などが向上する。分子量が200000以下であると、塗装性が向上し、塗膜外観も良好である。
本発明において、含フッ素共重合体(A1)または(A2)は、水に溶解または水に分散させるために、少なくとも一部が中和されたカルボキシ基を有することが好ましい。
少なくとも一部が中和されたカルボキシ基を有する含フッ素共重合体は、たとえば、上記重合工程(1)または(2)により、カルボキシ基が導入された含フッ素共重合体(カルボキシ基含有含フッ素共重合体)を得、該カルボキシ基含有含フッ素共重合体中のカルボキシ基の少なくとも一部を中和することによって得られる。
カルボキシ基含有含フッ素共重合体は、たとえば、前記フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体として、前記単量体(a4)等のカルボキシ基含有単量体を使用することによって得られる。
また、前記フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体として、前記単量体(a3)等の水酸基含有単量体を使用して水酸基を導入し、得られた水酸基含有含フッ素共重合体中の水酸基を酸変性することによっても、カルボキシ基含有含フッ素共重合体が得られる。
少なくとも一部が中和されたカルボキシ基を有する含フッ素共重合体は、たとえば、上記重合工程(1)または(2)により、カルボキシ基が導入された含フッ素共重合体(カルボキシ基含有含フッ素共重合体)を得、該カルボキシ基含有含フッ素共重合体中のカルボキシ基の少なくとも一部を中和することによって得られる。
カルボキシ基含有含フッ素共重合体は、たとえば、前記フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体として、前記単量体(a4)等のカルボキシ基含有単量体を使用することによって得られる。
また、前記フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体として、前記単量体(a3)等の水酸基含有単量体を使用して水酸基を導入し、得られた水酸基含有含フッ素共重合体中の水酸基を酸変性することによっても、カルボキシ基含有含フッ素共重合体が得られる。
酸変性は、水酸基含有含フッ素共重合体に、有機溶媒中で二塩基性酸無水物を反応させ、水酸基の一部をエステル化することにより実施できる。これにより、カルボキシ基が導入される。
二塩基性酸無水物としては無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis −4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸等が好ましく採用される。
反応させる二塩基性酸無水物の量は、最終的に得られる含フッ素共重合体の酸価が5〜40mgKOH/gとなる量が好ましく、8〜20mgKOH/gとなる量がより好ましい。酸価が5〜40mgKOH/gであると水への分散または溶解が容易で、またその水溶液の安定性が良好である。
二塩基性酸無水物としては無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis −4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸等が好ましく採用される。
反応させる二塩基性酸無水物の量は、最終的に得られる含フッ素共重合体の酸価が5〜40mgKOH/gとなる量が好ましく、8〜20mgKOH/gとなる量がより好ましい。酸価が5〜40mgKOH/gであると水への分散または溶解が容易で、またその水溶液の安定性が良好である。
エステル化に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ペンタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、第2級ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物などが挙げられる。これらの有機溶媒は、酸変性させる水酸基含有含フッ素共重合体および二塩基性酸無水物の溶解性などを勘案して適宜選定される。
なお、ラジカル重合時に用いた有機溶媒が充分に残留していれば、酸変性時に新たに有機溶媒を添加する必要はない。
なお、ラジカル重合時に用いた有機溶媒が充分に残留していれば、酸変性時に新たに有機溶媒を添加する必要はない。
エステル化工程では、触媒を併用することが可能である。かかる触媒としては、カルボン酸金属塩、水酸化アルカリ、アルカリ金属炭酸塩、4級アンモニウム塩、3級アミンが用いられるが好ましくはトリエチルアミンなどの3級アミンが挙げられる。
エステル化工程の反応温度は、室温〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。反応時間は数10分から数時間程度である。
エステル化工程の反応温度は、室温〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。反応時間は数10分から数時間程度である。
カルボキシ基含有含フッ素共重合体中のカルボキシ基の少なくとも一部を中和する方法としては、カルボキシ基含有含フッ素共重合体に塩基性化合物を接触させる方法が挙げられる。
中和に用いる塩基性化合物は、塗膜中に塩基性化合物が残留しにくいことから、沸点が200℃以下であることが好ましい。
かかる塩基性化合物としては、アンモニア、あるいはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、等の1級、2級ないし3級のアルキルアミン類;モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよびジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類;エチレンイミンおよびプロピレンイミン等のアルキレンイミン類;ピペラジン、モルホリン、ピラジンおよびピリジン等が挙げられる。
中和反応は、たとえば、塩基性化合物または塩基性化合物の水溶液を、カルボキシ基含有含フッ素共重合体が溶解した有機溶媒に対して、室温で数10分攪拌しながら加えれば、充分に進行する。
カルボキシ基含有含フッ素共重合体中のカルボキシ基のうち、塩基性化合物で中和する割合は、特に限定されないが、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。
中和に用いる塩基性化合物は、塗膜中に塩基性化合物が残留しにくいことから、沸点が200℃以下であることが好ましい。
かかる塩基性化合物としては、アンモニア、あるいはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、等の1級、2級ないし3級のアルキルアミン類;モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよびジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類;エチレンイミンおよびプロピレンイミン等のアルキレンイミン類;ピペラジン、モルホリン、ピラジンおよびピリジン等が挙げられる。
中和反応は、たとえば、塩基性化合物または塩基性化合物の水溶液を、カルボキシ基含有含フッ素共重合体が溶解した有機溶媒に対して、室温で数10分攪拌しながら加えれば、充分に進行する。
カルボキシ基含有含フッ素共重合体中のカルボキシ基のうち、塩基性化合物で中和する割合は、特に限定されないが、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。
[水添加工程)]
次に、上述のようにして得られる含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合し、含フッ素共重合体(A1)または(A2)を水に分散または溶解させる。これにより、含フッ素共重合体(A1)または(A2)が水に分散または溶解している水性液(以下、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液ということがある。)が得られる。
含フッ素共重合体(A1)または(A2)がカルボキシ基を含有する場合は、該含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合することにより、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液が得られる。
また、含フッ素共重合体(A1)または(A2)がカルボキシ基を含有するか否かに関わらず、たとえば、該含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液を、乳化剤を用いて水に分散させる方法、撹拌等により機械的に水に分散させる方法等により、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液が得られる。
含フッ素共重合体(A1)または(A2)を分散または溶解させる水の量は、最終的に得られる水性塗料用組成物中の含フッ素共重合体(A1)または(A2)の固形分濃度が、3〜50質量%となる量が好ましい。
次に、上述のようにして得られる含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合し、含フッ素共重合体(A1)または(A2)を水に分散または溶解させる。これにより、含フッ素共重合体(A1)または(A2)が水に分散または溶解している水性液(以下、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液ということがある。)が得られる。
含フッ素共重合体(A1)または(A2)がカルボキシ基を含有する場合は、該含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液と水とを混合することにより、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液が得られる。
また、含フッ素共重合体(A1)または(A2)がカルボキシ基を含有するか否かに関わらず、たとえば、該含フッ素共重合体(A1)または(A2)の有機溶媒溶液を、乳化剤を用いて水に分散させる方法、撹拌等により機械的に水に分散させる方法等により、含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液が得られる。
含フッ素共重合体(A1)または(A2)を分散または溶解させる水の量は、最終的に得られる水性塗料用組成物中の含フッ素共重合体(A1)または(A2)の固形分濃度が、3〜50質量%となる量が好ましい。
[溶媒除去工程]
水添加工程で得られる含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液中には有機溶媒が残存しているため、本工程では、該有機溶媒を除去する。前記水添加工程および溶媒除去工程を行うことにより、有機溶媒が水で置換され、有機溶媒含量が少ない水性塗料用組成物が得られる。
ここで除去される有機溶媒としては、ラジカル重合の重合溶媒として用いられる有機溶媒、酸変性の際に用いられる有機溶媒等が挙げられる。
有機溶媒の除去は、減圧留去等の公知の方法により行うことができる。
本工程では、最終的に得られる水性塗料用組成物が、有機溶媒を含まないか、または含有する有機溶媒の量が、当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下となるように、有機溶媒を除去することが好ましい。
水添加工程で得られる含フッ素共重合体(A1)または(A2)の水性液中には有機溶媒が残存しているため、本工程では、該有機溶媒を除去する。前記水添加工程および溶媒除去工程を行うことにより、有機溶媒が水で置換され、有機溶媒含量が少ない水性塗料用組成物が得られる。
ここで除去される有機溶媒としては、ラジカル重合の重合溶媒として用いられる有機溶媒、酸変性の際に用いられる有機溶媒等が挙げられる。
有機溶媒の除去は、減圧留去等の公知の方法により行うことができる。
本工程では、最終的に得られる水性塗料用組成物が、有機溶媒を含まないか、または含有する有機溶媒の量が、当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下となるように、有機溶媒を除去することが好ましい。
上述のようにして得られる水性塗料用組成物は、合成樹脂が水に分散または溶解しているものであって、該合成樹脂として含フッ素共重合体(A1)または(A2)を含有するものである。
該水性塗料用組成物において、水に分散または溶解している合成樹脂中に占める含フッ素共重合体(A1)または(A2)の比率は、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。含フッ素共重合体(A1)または(A2)の比率が10質量%以上であることにより、耐候性に優れる水性塗料用組成物とすることができる。
該水性塗料用組成物において、水に分散または溶解している合成樹脂中に占める含フッ素共重合体(A1)または(A2)の比率は、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。含フッ素共重合体(A1)または(A2)の比率が10質量%以上であることにより、耐候性に優れる水性塗料用組成物とすることができる。
本発明の水性塗料用組成物には、合成樹脂として、含フッ素共重合体(A1)または(A2)以外の他の合成樹脂を配合してもよい。
この場合、該他の合成樹脂は、該他の合成樹脂が水に分散したエマルションとして添加されることが好ましい。
すなわち、本発明の製造方法は、さらに、前記含フッ素共重合体(A1)または(A2)以外の他の合成樹脂のエマルションを混合する工程を備えることが好ましい。
他の合成樹脂としては、フッ素系、フェノール系、アルキド系、メラミン系、ユリア系、ビニル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの合成樹脂が挙げられる。
本発明においては、特に、他の合成樹脂として、フッ素系の合成樹脂を含むことが好ましい。
フッ素系の合成樹脂としては、前記含フッ素共重合体(A1)または(A2)に該当せず、水中で分散してエマルションを形成するものであれば特に限定されない。具体例としては、たとえば、特許2955336に記載のフルオロオレフィンに基づく重合した単位および親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
ここで、親水性部位とは、親水性基を有する部位、または親水性の結合を有する部位、およびこれらの組合せからなる部位を意味する。また、マクロモノマーとは片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
また、他の合成樹脂として、耐候性の観点からアクリル系の合成樹脂を含むことが好ましい。
これら他の合成樹脂のエマルションとしては、市販のものが利用できる。具体的には、旭硝子株式会社製塗料用フッ素樹脂ルミフロンFE4400、三菱レイヨン社製アクリル樹脂LX1030等が挙げられる。
他の合成樹脂のエマルションの配合量としては、該水性塗料用組成物において、水に分散または溶解している合成樹脂中、該他の合成樹脂の比率が0〜90質量%となる量が好ましく、0〜70質量%となる量がより好ましい。
この場合、該他の合成樹脂は、該他の合成樹脂が水に分散したエマルションとして添加されることが好ましい。
すなわち、本発明の製造方法は、さらに、前記含フッ素共重合体(A1)または(A2)以外の他の合成樹脂のエマルションを混合する工程を備えることが好ましい。
他の合成樹脂としては、フッ素系、フェノール系、アルキド系、メラミン系、ユリア系、ビニル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの合成樹脂が挙げられる。
本発明においては、特に、他の合成樹脂として、フッ素系の合成樹脂を含むことが好ましい。
フッ素系の合成樹脂としては、前記含フッ素共重合体(A1)または(A2)に該当せず、水中で分散してエマルションを形成するものであれば特に限定されない。具体例としては、たとえば、特許2955336に記載のフルオロオレフィンに基づく重合した単位および親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
ここで、親水性部位とは、親水性基を有する部位、または親水性の結合を有する部位、およびこれらの組合せからなる部位を意味する。また、マクロモノマーとは片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーのことをいう。
また、他の合成樹脂として、耐候性の観点からアクリル系の合成樹脂を含むことが好ましい。
これら他の合成樹脂のエマルションとしては、市販のものが利用できる。具体的には、旭硝子株式会社製塗料用フッ素樹脂ルミフロンFE4400、三菱レイヨン社製アクリル樹脂LX1030等が挙げられる。
他の合成樹脂のエマルションの配合量としては、該水性塗料用組成物において、水に分散または溶解している合成樹脂中、該他の合成樹脂の比率が0〜90質量%となる量が好ましく、0〜70質量%となる量がより好ましい。
本発明の水性塗料用組成物において、水に分散または溶解している合成樹脂の合計の固形分濃度は、3〜50質量%であることが好ましく、20〜50質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
本発明の水性塗料用組成物には、さらに、造膜助剤、表面調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤等の添加剤を適宜配合することが好ましい。
造膜助剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタジオールモノ(2−メチルプロパネート)、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
表面調整剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が好ましく挙げられる。
増粘剤としては、ポリウレタン系会合性増粘剤等が好ましく挙げられる。
造膜助剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタジオールモノ(2−メチルプロパネート)、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
表面調整剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が好ましく挙げられる。
増粘剤としては、ポリウレタン系会合性増粘剤等が好ましく挙げられる。
紫外線吸収剤としては、公知の種々のものが使用できる。特に透明塗料として上塗り塗装で用いる場合に適した紫外線吸収剤としては、
サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノンの他、アデカ・アーガス社よりT−57として販売されるような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールの他、チバ・ガイギー社よりチヌビン900、1130として販売されるような高分子量変性品等のベンゾトリアゾール類;
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;
2,2’−チオビス(4−オクチルフェノレート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケル錯塩等のニッケル錯塩;
p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤基およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、これらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて用いることもできる。
紫外線吸収剤は、合成樹脂の固形分濃度100質量部あたり0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる場合においては、耐光性の改良効果が充分に得られず、また、多すぎる場合には、その効果が飽和してしまい、適当とはいえない。
サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノンの他、アデカ・アーガス社よりT−57として販売されるような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールの他、チバ・ガイギー社よりチヌビン900、1130として販売されるような高分子量変性品等のベンゾトリアゾール類;
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;
2,2’−チオビス(4−オクチルフェノレート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケル錯塩等のニッケル錯塩;
p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤基およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、これらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて用いることもできる。
紫外線吸収剤は、合成樹脂の固形分濃度100質量部あたり0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる場合においては、耐光性の改良効果が充分に得られず、また、多すぎる場合には、その効果が飽和してしまい、適当とはいえない。
光安定剤としては、三共製のサノールLS765、アデカアーガス社のMARK LA 57,62,63,67,68、チバ・ガイギー社のチヌビン622LDのようなヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として紫外線吸収剤と組み合わせて用いることもできる。
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミンおよび脂肪族アミイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミンおよび脂肪族アミイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。
より安定性を高めるために、乳化剤などの安定剤を添加してもよい。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好ましく、それらを併用してもよい。
ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー等が好ましい。
ノニオン性乳化剤の添加量は適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0.05〜10重量部が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が好ましい。
アニオン性乳化剤の添加量についても適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0.01〜2重量部が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好ましく、それらを併用してもよい。
ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー等が好ましい。
ノニオン性乳化剤の添加量は適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0.05〜10重量部が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が好ましい。
アニオン性乳化剤の添加量についても適宜選択でき、合成樹脂の固形分100質量部あたり0.01〜2重量部が好ましい。
なお、塗膜の光沢を調整する必要がある場合は、常用の無機または有機のツヤ消剤を添加すればよい。
また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、およびこれらを複合化した顔料もしくは染料等の着色材を分散もしくは混合添加すればよい。
また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、およびこれらを複合化した顔料もしくは染料等の着色材を分散もしくは混合添加すればよい。
≪水性塗料用組成物≫
本発明の水性塗料用組成物は、合成樹脂が水に分散または溶解しているものであって、前記第一の製造方法または第二の製造方法により製造されるものである。
つまり、本発明の水性塗料用組成物は、前記合成樹脂として、含フッ素共重合体(A1)または含フッ素共重合体(A2)を含有し、必要に応じて他の合成樹脂を含有するものである。
本発明の水性塗料用組成物は、合成樹脂が水に分散または溶解しているものであって、前記第一の製造方法または第二の製造方法により製造されるものである。
つまり、本発明の水性塗料用組成物は、前記合成樹脂として、含フッ素共重合体(A1)または含フッ素共重合体(A2)を含有し、必要に応じて他の合成樹脂を含有するものである。
本発明の水性塗料用組成物は、当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下の有機溶媒を含有するか、または有機溶媒を含まないことが好ましい。これにより、当該水性塗料用組成物が、環境に対する負荷が小さいものとなる。
当該水性塗料用組成物中の有機溶媒の量は、たとえば前記溶媒除去工程で説明したように、減圧留去等の公知の方法によって有機溶媒を除去することにより調節できる。
当該水性塗料用組成物中の有機溶媒の量は、たとえば前記溶媒除去工程で説明したように、減圧留去等の公知の方法によって有機溶媒を除去することにより調節できる。
≪二液硬化型水性塗料キット≫
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、前記本発明の水性塗料用組成物と硬化剤とを有している。
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、水性塗料用組成物と硬化剤とを混合して使用される。
本発明の二液硬化型水性塗料キットにおいては、硬化剤の選択により、常温乾燥でも架橋が可能であり、水性塗料用組成物と硬化剤とを塗布することにより塗膜を形成できる。架橋に加熱が必要な場合は、加熱焼き付けすることにより塗膜を形成できる。
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、前記本発明の水性塗料用組成物と硬化剤とを有している。
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、水性塗料用組成物と硬化剤とを混合して使用される。
本発明の二液硬化型水性塗料キットにおいては、硬化剤の選択により、常温乾燥でも架橋が可能であり、水性塗料用組成物と硬化剤とを塗布することにより塗膜を形成できる。架橋に加熱が必要な場合は、加熱焼き付けすることにより塗膜を形成できる。
硬化剤は、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤である。
かかる硬化剤としては、イソシアネート系化合物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂などが挙げられる。特にイソシアネート系化合物が、耐候性、機械的性質に優れた塗膜が得られやすいため好ましい。
かかる硬化剤としては、イソシアネート系化合物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂などが挙げられる。特にイソシアネート系化合物が、耐候性、機械的性質に優れた塗膜が得られやすいため好ましい。
イソシアネート系化合物としては、機械的に水に分散させるもの、または自己乳化性のポリイソシアネート化合物が好ましい。自己乳化性のポリイソシアネート化合物とは、乳化剤なしに水に乳化分散可能な化合物のことである。
機械的に水に分散させるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニルなどの芳香族ポリイソシアネート類、ビス−(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート類、クルードトリレンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネートなどのクルードポリイソシアネート類、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ヘキサメチレンジイソシアネートなどの変性ポリイソシアネート類が挙げられる。
これらのポリイソシアネート類は、ビューレット型、イソシアヌレート環型、ウレトジオン型により、2量体または3量体になっているものであってもよく、イソシアネート基をブロック化剤と反応させたブロックポリイソシアネート類であってもよい。
ブロック化剤としては、アルコール類、フェノール類、カプロラクタム類、オキシム類、活性メチレン化合物類などが挙げられる。
ブロックポリイソシアネート類は、通常140℃以上でないと硬化しないため、それより低い温度で本発明の二液硬化型水性塗料キットを硬化させる場合には、ブロック化されていないポリイソシアネート類を使用することが好ましい。
以上のポリイソシアネート類は、2種以上併用してもよい。
機械的に水に分散させるポリイソシアネート類は、比較的低粘度のものが好ましい。
ブロック化剤としては、アルコール類、フェノール類、カプロラクタム類、オキシム類、活性メチレン化合物類などが挙げられる。
ブロックポリイソシアネート類は、通常140℃以上でないと硬化しないため、それより低い温度で本発明の二液硬化型水性塗料キットを硬化させる場合には、ブロック化されていないポリイソシアネート類を使用することが好ましい。
以上のポリイソシアネート類は、2種以上併用してもよい。
機械的に水に分散させるポリイソシアネート類は、比較的低粘度のものが好ましい。
これらのポリイソシアネート類は、機械的に水に分散させたものが使用されるが、この分散の際に乳化剤を添加することにより安定な分散体が得られる。
ここで使用する乳化剤としては、公知のものが特に限定なく使用されるが、イオン性、特に、活性水素原子を有するものは、分散時に反応して、増粘する、または、分散性が低下するため好ましくない。非イオン性乳化剤、特にポリオキシエチレン鎖を有する乳化剤が好ましい。
ここで使用する乳化剤としては、公知のものが特に限定なく使用されるが、イオン性、特に、活性水素原子を有するものは、分散時に反応して、増粘する、または、分散性が低下するため好ましくない。非イオン性乳化剤、特にポリオキシエチレン鎖を有する乳化剤が好ましい。
自己乳化性のポリイソシアネート化合物としては、上記のごときポリイソシアネート類に親水性のポリオキシアルキレン類を反応せしめたプレポリマーなどが例示される。
ここで、反応に供する親水性のポリオキシアルキレン類としては、イソシアネート反応性基を少なくとも1個有する、分子量200〜4000の範囲のものが好ましく使用される。特に好ましくは300〜1500の範囲のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールである。分子量の小さいものは自己乳化性が充分に達成されず、分子量の高いものは、自己乳化性は良好であるが、水中安定性が悪くなり、また、結晶性が高くなるため、低温性での貯蔵安定性が低下し、濁りが発生する。
ポリオキシアルキレン類におけるオキシアルキレン鎖としては、その全部または多くがオキシエチレン基であるものが親水性の面から好ましい。
ここで、反応に供する親水性のポリオキシアルキレン類としては、イソシアネート反応性基を少なくとも1個有する、分子量200〜4000の範囲のものが好ましく使用される。特に好ましくは300〜1500の範囲のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールである。分子量の小さいものは自己乳化性が充分に達成されず、分子量の高いものは、自己乳化性は良好であるが、水中安定性が悪くなり、また、結晶性が高くなるため、低温性での貯蔵安定性が低下し、濁りが発生する。
ポリオキシアルキレン類におけるオキシアルキレン鎖としては、その全部または多くがオキシエチレン基であるものが親水性の面から好ましい。
この、ポリイソシアネート類とポリオキシアルキレングリコール類の反応は、3級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、3級アルキルホスフィン類、金属アルキルアセトネート類、有機酸金属塩類等の触媒の存在下に、必要に応じ、助触媒の存在下に100℃以下で行いうる。
また、この反応に際して、残存イソシアネート基の量が10〜24質量%となるように調整することが好ましい。残存イソシアネート基の量が10質量%よりも少ないと、含フッ素共重合体との反応性が低下することがあり好ましくない。また、充分な架橋度を達成するために多量のイソシアネート化合物が必要となるため、塗膜の耐候性に悪い影響を与えることがあり好ましくない。残存イソシアネート基の量が多すぎると安定な乳化液が形成されにくいため好ましくない。
上記のような自己乳化性のイソシアネート化合物は、特公平4−15270号公報などに記載されている。また、住化バイエル社製バイヒジュール3100、BASF社製バソナットHW100等が市販されている。
また、この反応に際して、残存イソシアネート基の量が10〜24質量%となるように調整することが好ましい。残存イソシアネート基の量が10質量%よりも少ないと、含フッ素共重合体との反応性が低下することがあり好ましくない。また、充分な架橋度を達成するために多量のイソシアネート化合物が必要となるため、塗膜の耐候性に悪い影響を与えることがあり好ましくない。残存イソシアネート基の量が多すぎると安定な乳化液が形成されにくいため好ましくない。
上記のような自己乳化性のイソシアネート化合物は、特公平4−15270号公報などに記載されている。また、住化バイエル社製バイヒジュール3100、BASF社製バソナットHW100等が市販されている。
イソシアネート化合物の粘度が本発明の水性塗料用組成物の粘度より高く、分散しにくい場合には、イソシアネート化合物と反応しにくい有機溶媒でイソシアネート化合物を希釈し、粘度を落とした後に用いることもできる。
希釈溶媒としては、メトキシプロピルアセテート、3メトキシブチルアセテートなどが好ましく用いられる。
希釈溶媒としては、メトキシプロピルアセテート、3メトキシブチルアセテートなどが好ましく用いられる。
硬化剤として用いられるメラミン樹脂としては、メチルエーテル化、ブチルエーテル化、イソブチルエーテル化などのアルキルエーテル化されたメラミン樹脂が挙げられ、水溶性の面から、少なくとも一部がメチルエーテル化されたメラミン樹脂が好ましい。
二液硬化型水性塗料キットにおける本発明の水性塗料用組成物と硬化剤との質量比は、不揮発分の組成において、水性塗料用組成物:硬化剤=50〜95質量%:5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例中の部は、特にことわりのない限り質量部を示すものである。
実施例中の部は、特にことわりのない限り質量部を示すものである。
<合成例1>
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、エチルビニルエーテル(EVE)の10.8部、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の16.7部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の15.4部、10−ウンデセン酸(UDA)の4.9部、メチルエチルケトン(MEK)の67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部、キョーワード500SH(協和化学工業株式会社製のハイドロタルサイト類(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O))の2部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の52.2部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージおよびろ過後、サノールLS765(三共製の光安定剤)の0.3部を加え、固形分60.3質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1.1×104であった。また、酸価は15mgKOH/gであった。
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、エチルビニルエーテル(EVE)の10.8部、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の16.7部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の15.4部、10−ウンデセン酸(UDA)の4.9部、メチルエチルケトン(MEK)の67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部、キョーワード500SH(協和化学工業株式会社製のハイドロタルサイト類(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O))の2部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の52.2部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージおよびろ過後、サノールLS765(三共製の光安定剤)の0.3部を加え、固形分60.3質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1.1×104であった。また、酸価は15mgKOH/gであった。
次に、重合した含フッ素共重合体のワニス167部に、トリエチルアミンの1.85部を加え(中和)、室温で30分間攪拌しながらイオン交換水の150部を徐々に加えた(水添加)。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の2質量%未満になるまで減圧留去(溶媒除去)し、固形分濃度40質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水性液の総質量に対して、0.4質量%であった。なお、水性液中の残存溶剤量の測定には、島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14Bを使用した(以下の合成例においても同じである。)。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の2質量%未満になるまで減圧留去(溶媒除去)し、固形分濃度40質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水性液の総質量に対して、0.4質量%であった。なお、水性液中の残存溶剤量の測定には、島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14Bを使用した(以下の合成例においても同じである。)。
<合成例2>
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、EVEの3.1部、CHVEの26.9部、HBVEの19.8部、MEKの67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部、キョーワード500SHの2部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、CTFEの50.3部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージおよびろ過後、サノールLS765の0.3部を加え、固形分60.2質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mnは1.1×104であった。
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、EVEの3.1部、CHVEの26.9部、HBVEの19.8部、MEKの67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部、キョーワード500SHの2部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、CTFEの50.3部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージおよびろ過後、サノールLS765の0.3部を加え、固形分60.2質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mnは1.1×104であった。
このワニス166部に、無水こはく酸の2.7部、及び触媒としてトリエチルアミンの0.072部を加え、70℃で6時間反応させた(エステル化)。反応液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm−1)およびエステル(1735cm−1)の吸収が観測された。
エステル化後の含フッ素共重合体の酸価は16mgKOH/gであった。
エステル化後の含フッ素共重合体の酸価は16mgKOH/gであった。
次に、エステル化後の含フッ素共重合体に、トリエチルアミンの1.9部を加え、室温で20分攪拌してカルボン酸の一部を中和し、イオン交換水の145部を徐々に加えた。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の1質量%未満になるまで減圧留去し、固形分濃度40.8質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の1質量%未満になるまで減圧留去し、固形分濃度40.8質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
<合成例3>
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、EVEの3.1部、CHVEの26.9部、HBVEの19.8部、MEKの67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、テトラフルオロエチレン(TFE)の50.3部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージ後、サノール365の0.3部、KW−500SHの2部を加え、室温で30分攪拌した。続いてろ過を行い、固形分60.3質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mnは1.0×104であった。
内容積250ccのステンレス製撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2・G)に、EVEの3.1部、CHVEの26.9部、HBVEの19.8部、MEKの67部、t−ブチルパーオキシピバレートの0.6部を仕込み、冷却脱気により溶存空気を除去した後に、テトラフルオロエチレン(TFE)の50.3部を仕込み、50℃で24時間反応を行った。残圧パージ後、サノール365の0.3部、KW−500SHの2部を加え、室温で30分攪拌した。続いてろ過を行い、固形分60.3質量%の含フッ素重合体のワニスを得た。
得られたワニス中の含フッ素重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mnは1.0×104であった。
このワニス166部に、無水こはく酸の1.8部、及び触媒としてトリエチルアミンの0.05部を加え、70℃で6時間反応(エステル化)させた。反応液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm−1)およびエステル(1735cm−1)の吸収が観測された。
エステル化後の含フッ素共重合体の酸価は10mgKOH/gであった。
エステル化後の含フッ素共重合体の酸価は10mgKOH/gであった。
次に、エステル化後の含フッ素共重合体に、トリエチルアミンの1.3部を加え、室温で20分攪拌してカルボン酸の一部を中和し、イオン交換水の145部を徐々に加えた。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の1質量%未満になるまで減圧留去し、固形分濃度40.5質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
最後に、MEKを、その合計量が、含フッ素共重合体固形分の1質量%未満になるまで減圧留去し、固形分濃度40.5質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
<比較合成例1>
重合の仕込みにおいてKW−500SHを使用せず、その代わりに、トリエチルアミンの0.5部を使用した以外は合成例1と同様に重合を行い、含フッ素重合体のワニスを得た。該含フッ素重合体のMnは1.1×104であり、酸価は15mgKOH/gであった。
次に、合成例1と同様に中和、水添加、溶媒除去を行い、固形分濃度40.1質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.2質量%であった。
重合の仕込みにおいてKW−500SHを使用せず、その代わりに、トリエチルアミンの0.5部を使用した以外は合成例1と同様に重合を行い、含フッ素重合体のワニスを得た。該含フッ素重合体のMnは1.1×104であり、酸価は15mgKOH/gであった。
次に、合成例1と同様に中和、水添加、溶媒除去を行い、固形分濃度40.1質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.2質量%であった。
<比較合成例2>
重合の仕込みにおいてKW−500SHを使用せず、その代わりに、炭酸カリウムの1.3部を使用した以外は合成例1と同様に重合を行い、含フッ素重合体のワニスを得た。該含フッ素重合体のMnは1.1×104であり、酸価は9mgKOH/gであった。
次に、合成例1と同様に中和、水添加、溶媒除去を行い、固形分濃度40.1質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
重合の仕込みにおいてKW−500SHを使用せず、その代わりに、炭酸カリウムの1.3部を使用した以外は合成例1と同様に重合を行い、含フッ素重合体のワニスを得た。該含フッ素重合体のMnは1.1×104であり、酸価は9mgKOH/gであった。
次に、合成例1と同様に中和、水添加、溶媒除去を行い、固形分濃度40.1質量%の含フッ素重合体の水溶液を得た。
得られた水溶液中の残存溶剤量を測定したところ、水溶液の総質量に対して、0.3質量%であった。
<実施例1〜3、比較例1、2>
合成例1〜3および比較合成例1,2で得た含フッ素重合体の水溶液100質量部に、それぞれ、以下に示すDEAの1.5質量部、BYK348の0.5質量部、BYK080の1.0質量部、サノールLS765の0.5質量部、チヌビン1130の3質量部を添加し、攪拌混合して水性塗料用組成物(A)とした。該水性塗料用組成物(A)の100質量部にバイヒジュール3100の11質量部を添加し、攪拌混合した。これを、クロメート処理アルミにスプレー塗装し、室温で2週間乾燥させた。
DEA:造膜助剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)。
バイヒジュール3100:住化バイエルウレタン株式会社製 水分散型ポリイソシアネート。
BYK348:ケミー製表面調整剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)。
BYK080:ケミー製消泡剤(シリコン系消泡剤)。
チヌビン1130:チバガイギー製紫外線吸収剤(メチル−3−(3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物)。
バイヒジュール3100:住化バイエル製水分散型イソシアネート。
合成例1〜3および比較合成例1,2で得た含フッ素重合体の水溶液100質量部に、それぞれ、以下に示すDEAの1.5質量部、BYK348の0.5質量部、BYK080の1.0質量部、サノールLS765の0.5質量部、チヌビン1130の3質量部を添加し、攪拌混合して水性塗料用組成物(A)とした。該水性塗料用組成物(A)の100質量部にバイヒジュール3100の11質量部を添加し、攪拌混合した。これを、クロメート処理アルミにスプレー塗装し、室温で2週間乾燥させた。
DEA:造膜助剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)。
バイヒジュール3100:住化バイエルウレタン株式会社製 水分散型ポリイソシアネート。
BYK348:ケミー製表面調整剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)。
BYK080:ケミー製消泡剤(シリコン系消泡剤)。
チヌビン1130:チバガイギー製紫外線吸収剤(メチル−3−(3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物)。
バイヒジュール3100:住化バイエル製水分散型イソシアネート。
乾燥後、得られた塗膜について、下記評価方法で着色と耐水性を評価した。その結果を表1に示す。
<着色> 外観を目視により観察した。
<耐水性> 沸騰させたイオン交換水に塗膜を2時間浸漬したのち取り出し、外観を目視により観察した。
また、硬化剤のみを添加しない状態(水性塗料用組成物(A))での貯蔵安定性を下記評価方法で評価した。その結果を表1に示す。
<貯蔵安定性> 水性塗料用組成物(A)を50℃で4週間保持した後の状態を目視により観察した。
<着色> 外観を目視により観察した。
<耐水性> 沸騰させたイオン交換水に塗膜を2時間浸漬したのち取り出し、外観を目視により観察した。
また、硬化剤のみを添加しない状態(水性塗料用組成物(A))での貯蔵安定性を下記評価方法で評価した。その結果を表1に示す。
<貯蔵安定性> 水性塗料用組成物(A)を50℃で4週間保持した後の状態を目視により観察した。
表1に示すように、合成例1〜3で製造した含フッ素共重合体を用いた実施例1〜3の二液硬化型水性塗料キットを用いて形成した塗膜は、着色が見られず、耐水性も良好であった。また、合成例1〜3で製造した含フッ素共重合体を含む水性塗料用組成物の貯蔵安定性も良好であった。
Claims (9)
- 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒およびハイドロタルサイト類の存在下でラジカル重合して含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。 - 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物の製造方法であって、
フルオロオレフィンおよび該フルオロオレフィンと共重合可能な少なくとも1種の単量体を、有機溶媒の存在下でラジカル重合した後、ハイドロタルサイト類を接触させて含フッ素共重合体を得る工程と、有機溶媒を水に置換する工程とを備えることを特徴とする水性塗料用組成物の製造方法。 - 前記フルオロオレフィンと共重合可能な単量体が、水酸基含有単量体および/またはカルボキシ基含有単量体を含む請求項1または2に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
- 前記含フッ素共重合体が、酸価が5〜40mgKOH/g、および/または水酸基価が20〜150mgKOH/gの含フッ素共重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
- さらに、前記含フッ素共重合体以外の他の合成樹脂のエマルションを混合する工程を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
- 前記他の合成樹脂が、フッ素樹脂またはアクリル系樹脂である請求項5に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
- 合成樹脂が水に分散または溶解している水性塗料用組成物であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法によって製造されることを特徴とする水性塗料用組成物。
- 当該水性塗料用組成物の全質量に対して10質量%以下の有機溶媒を含有するか、または有機溶媒を含まない請求項7に記載の水性塗料用組成物。
- 請求項7または8に記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する水溶性または水分散型の硬化剤とを有する二液硬化型水性塗料キット。
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-
2007
- 2007-07-05 JP JP2007177192A patent/JP2009013299A/ja not_active Withdrawn
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