JP2015124349A - 水性塗料用組成物、二液硬化型水性塗料キットおよび物品 - Google Patents

水性塗料用組成物、二液硬化型水性塗料キットおよび物品 Download PDF

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Abstract

【課題】実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を形成できる水性塗料用組成物を得る。
【解決手段】含フッ素重合体(A)が水性媒体に分散または溶解された水性塗料用組成物であって、前記含フッ素重合体(A)が、フルオロオレフィン(a1)に基づく構成単位(α1)と、水酸基およびカルボキシ基の少なくとも一方を有し、フッ素原子を有しない単量体(a2)に基づく構成単位(α2)、ならびに、フッ素原子および架橋性基を有さず、側鎖の末端にアルキル基または脂環式基を有する単量体(a3)に基づく構成単位(α3)を有し、ガラス転移温度が45℃以上である、水性塗料用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性塗料用組成物、二液硬化型水性塗料キットおよび物品に関する。
水性塗料用組成物は、溶剤系塗料用組成物に比べて有機溶媒の使用量を低減できることから、資源環境保護に対応した塗料として有用である。
水性塗料用組成物としては、例えば、溶液重合法により得られた含フッ素重合体が水性媒体に分散された水性塗料用組成物が知られている(例えば、特許文献1、2)。該含フッ素重合体としては、例えば、フルオロオレフィン(クロロトリフルオロエチレン等)に基づく構成単位と、水酸基を有する単量体(ヒドロキシブチルビニルエーテル等)に基づく構成単位と、カルボキシ基を有する単量体(クロトン酸等)に基づく構成単位と、反応性官能基を有しない単量体(エチルビニルエーテル等)に基づく構成単位を有する含フッ素重合体が挙げられる。
特許文献1、2の水性塗料用組成物は、有機溶媒の含有量が少なくても貯蔵安定性に優れており、充分な耐水性を有する塗膜を形成できる。
国際公開第2007/125970号 国際公開第2008/035779号
水性塗料用組成物を塗装して塗膜を形成する際には、塗膜表面がべたつきにくく、また塗膜表面に傷が付きにくい塗膜を形成することを要求されることが多い。そのため、高い硬度を有し、表面がべたつきにくく、また傷が付きにくい塗膜を、特許文献1、2の水性塗料用組成物に比べて安定して形成できる水性塗料用組成物を得ることは重要である。
本発明は、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を形成できる水性塗料用組成物の提供を目的とする。また、本発明は、前記水性塗料用組成物を備えた二液硬化型水性塗料キット、および前記水性塗料用組成物を用いて形成した塗膜を有する物品の提供を目的とする。
前記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]含フッ素重合体(A)が水性媒体に分散または溶解された水性塗料用組成物であって、
前記含フッ素重合体(A)が、フルオロオレフィン(a1)に基づく構成単位(α1)と、水酸基およびカルボキシ基の少なくとも一方を有し、フッ素原子を有しない単量体(a2)に基づく構成単位(α2)、ならびに、フッ素原子および架橋性基を有さず、側鎖の末端にアルキル基または脂環式基を有する単量体(a3)に基づく構成単位(α3)を有し、ガラス転移温度が45℃以上である、水性塗料用組成物。
[2]前記含フッ素重合体(A)が、下式(1)で表される構成単位(α11)と、下式(2)で表される構成単位(α21)と、下式(3)で表される構成単位(α22)と、下式(4)で表される構成単位(α31)とを有する含フッ素重合体(A1)である、前記[1]の水性塗料用組成物。
−CFX−CX− ・・・(1)
Figure 2015124349
(ただし、式(1)中、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y〜Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、またはフッ素原子である。)である。
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、aは0〜8の整数であり、bは0または1である。
式(3)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜12の2価の脂環式基であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、cは0〜8の整数であり、dは0または1である。
式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数4〜12の1価の脂環式基であり、eは0〜8の整数であり、fは0または1である。)
[3]前記含フッ素重合体(A)が、前記構成単位(α11)と、前記構成単位(α21)と、下式(5)で表される構成単位(α23)と、前記構成単位(α31)とを有する含フッ素重合体(A2)である、前記[1]の水性塗料用組成物。
−CFX−CX− ・・・(1)
Figure 2015124349
(ただし、式(5)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子または−COOR10(R10は水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)である。)であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、Qは炭素数1〜16のアルキレン基または炭素数4〜16の2価の脂環式基であり、gは0または1であり、hは0または1であり、iは0または1であり、jは0または1である。)
[4]前記構成単位(α3)として、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位を有し、当該構成単位の全構成単位に対する割合が30モル%以上である、前記[1]〜[3]のいずれかの水性塗料用組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかの水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する硬化剤と、を備える二液硬化型水性塗料キット。
[6]被塗装物と、前記[1]〜[4]のいずれかの水性塗料用組成物により該被塗装物上に形成された塗膜と、を有する物品。
本発明の水性塗料用組成物は、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を形成できる。
また、本発明の二液硬化型水性塗料キットは、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を形成できる。
また、本発明の物品は、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を有している。
本明細書においては、単量体が重合することで直接形成される繰り返し単位と、単量体の重合によって形成される繰り返し単位の一部を化学変換することで得られる繰り返し単位とを総称して「構成単位」という。
本明細書において、単量体は、重合性の二重結合を有する化合物を表す。
本明細書において、架橋性基とは、架橋性基同士、または硬化剤と反応して架橋構造を形成する基を意味する。架橋性基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基、アルコキシシリル基、イソシアネート基等が挙げられる。
本明細書において、含フッ素重合体が有するカルボキシ基は塩を形成していてもよい。カルボキシ基が塩を形成するとは、カルボキシ基が塩基性化合物と反応してイオン結合を形成していることを意味する。例えば、−COOと、該−COOと塩を形成するカチオンからなる基である。
本明細書においては、水性媒体とは、水のみ、または、水と少量の有機溶媒からなる媒体を意味する。水性媒体における有機溶媒の含有量は、水性塗料用組成物の全質量に対して0〜10質量%である。0質量%であるとは、有機溶媒を全く含まないか、含んでいたとしても検出限界以下であることを意味する。前記有機溶媒の含有量の上限値は、10質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、0.5質量%が特に好ましく、0.3質量%が最も好ましい。
≪水性塗料用組成物≫
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素重合体(A)が水性媒体に分散または溶解された水性塗料用組成物である。また、本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素重合体(A)以外の樹脂(C)、その他の成分(D)を含有してもよい。
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素重合体(A)が水性媒体中での安定性に優れることから、有機溶媒が少量でも、有機溶媒を全く含まなくても、良好な貯蔵安定性を長期間にわたって発揮する。
<含フッ素重合体(A)>
含フッ素重合体(A)は、下記構成単位(α1)〜(α3)を有し、ガラス転移温度が45℃以上の含フッ素重合体である。また、含フッ素重合体(A)は、構成単位(α1)〜(α3)に加えて、構成単位(α1)〜(α3)以外の他の構成単位(α4)を有していてもよい。
(α1)フルオロオレフィン(a1)に基づく構成単位、
(α2)水酸基およびカルボキシ基の少なくとも一方を有し、フッ素原子を有しない単量体(a2)に基づく構成単位、
(α3)フッ素原子および架橋性基を有さず、側鎖の末端にアルキル基または脂環式基を有する単量体(a3)に基づく構成単位。
含フッ素重合体(A)のガラス転移温度は、45℃以上である。これにより、本発明の水性塗料用組成物を用いて形成される塗膜が高硬度となり、表面がべたつきにくく、また傷が付きにくくなる。
含フッ素重合体(A)のガラス転移温度の下限値は、より高硬度な塗膜を形成しやすい点から、45℃が好ましく、50℃がより好ましい。また、含フッ素重合体(A)のガラス転移温度の上限値は、造膜性の点から、70℃が好ましく、60℃がより好ましい。
なお、含フッ素重合体(A)のガラス転移温度は、示差走査熱量測定により測定される。
含フッ素重合体(A)としては、塗膜の耐水性、水性塗料用組成物の貯蔵安定性の点から、以下に説明する各構成単位を有する含フッ素重合体(A1)と含フッ素重合体(A2)が好ましい。
含フッ素重合体(A)としては、含フッ素重合体(A1)のみを使用してもよく、含フッ素重合体(A2)のみを使用してもよく、含フッ素重合体(A1)および含フッ素重合体(A2)の両方を使用してもよい。また、含フッ素重合体(A)として、含フッ素重合体(A1)および含フッ素重合体(A2)以外の含フッ素重合体(A3)を使用してもよい。
[含フッ素重合体(A1)]
含フッ素重合体(A1)は、構成単位(α1)として下式(1)で表される構成単位(α11)と、構成単位(α2)として下式(2)で表される構成単位(α21)および下式(3)で表される構成単位(α22)と、構成単位(α3)として下式(4)で表される構成単位(α31)と、を有する含フッ素重合体である。
含フッ素重合体(A1)は、他の構成単位(α4)を有していてもよい。
−CFX−CX− ・・・(1)
Figure 2015124349
ただし、前記式(1)中、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y〜Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、またはフッ素原子である。)である。
前記式(2)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、aは0〜8の整数であり、bは0または1である。
前記式(3)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜12の2価の脂環式基であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、cは0〜8の整数であり、dは0または1である。
前記式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数4〜12の1価の脂環式基であり、eは0〜8の整数であり、fは0または1である。
(構成単位(α1))
構成単位(α11)のXとしては、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい点から、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
としては、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい点から、フッ素原子が好ましい。
としては、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい点から、フッ素原子が好ましい。
が−CYである場合、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい点から、Y〜Yは塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
構成単位(α11)は、フルオロオレフィン(a1)であるCFX=CXを重合することで形成される。フルオロオレフィン(a1)の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
CF=CF、CClF=CF、CHCl=CF、CCl=CF、CClF=CClF、CHF=CCl、CH=CClF、CCl=CClF、CH=CF等のフルオロエチレン類、
CFClCF=CF、CFCCl=CF、CFCF=CFCl、CFClCCl=CF、CFClCF=CFCl、CFClCF=CF、CFCCl=CClF、CFCCl=CCl、CClFCF=CCl、CClCF=CF、CFClCCl=CCl、CFClCCl=CCl、CFCF=CHCl、CClFCF=CHCl、CHCCl=CHCl、CHFCCl=CCl、CFClCH=CCl、CFClCCl=CHCl、CClCF=CHCl、CFCF=CF等のフルオロプロペン類。
なかでも、耐候性に優れた塗膜を形成しやすい点から、構成単位(α11)としては、CF=CF、CClF=CFを重合して形成される構成単位が好ましい。
構成単位(α1)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
(構成単位(α2))
構成単位(α21):
構成単位(α21)のRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Qとしては、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数6〜20の2価の脂環式基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基がより好ましく、エチレン基、ブチレン基がさらに好ましい。
aは、0〜8の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
bは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
構成単位(α21)としては、例えば、単量体(a2)として下式(a21)で表される単量体(a21)を重合することで形成される構成単位が挙げられる。式(a21)におけるR、Q、aおよびbは、式(2)と同じである。
Figure 2015124349
単量体(a21)としては、水酸基を有するビニルエーテル、水酸基を有するビニルエステル、水酸基を有するアリルエーテル、水酸基を有するアリルエステル等が挙げられる。具体的には、ヒドロキシアルキルビニルエーテル(2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、4−ヒドロキシブチルビニルエステルが好ましく、重合性および架橋性が良好な点から、ヒドロキシアルキルビニルエーテルがより好ましい。
構成単位(α21)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
構成単位(α22):
構成単位(α22)のRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Qとしては、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数6〜20の2価の脂環式基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基がより好ましく、エチレン基、ブチレン基がさらに好ましい。
のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Qとしては、炭素数1〜8のアルキレン基または炭素数6〜12の2価の脂環式基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基がより好ましく、エチレン基、ブチレン基がさらに好ましい。
としては、−NHZが好ましい。
〜Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基が好ましい。
cは、0〜8の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
dは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
含フッ素重合体(A1)においては、全構成単位(α22)における少なくとも一部の構成単位(α22)のRが−NHZである。
含フッ素重合体(A1)における全構成単位(α22)に対する、Rが−NHZである構成単位(α22)の割合は、水性塗料化した場合の安定性の点から、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましい。
構成単位(α22)としては、構成単位(α21)の水酸基に、カルボキシ基を2つ有する二塩基性酸から得られる二塩基性酸無水物を反応させることで、構成単位(α21)の一部が変換されて形成される構成単位が好ましい。二塩基性酸無水物については、水性塗料用組成物の製造方法の項で説明する。
なお、構成単位(α22)は、例えば、単量体(a21)と二塩基性酸無水物を反応させることで得られた単量体を重合することで形成した構成単位であってもよい。
構成単位(α22)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
(構成単位(α3))
構成単位(α31):
構成単位(α31)のRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Rとしては、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数6〜12のシクロアルキル基が好ましく、エチル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
eは、0〜8の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
fは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
構成単位(α31)としては、例えば、単量体(a3)として、下式(a31)で表される単量体(a31)を重合することで形成される構成単位が挙げられる。式(a31)におけるR、R、eおよびfは、式(4)と同じである。
Figure 2015124349
単量体(a31)としては、例えば、アルキルビニルエーテル(エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等)、シクロアルキルビニルエーテル(シクロヘキシルビニルエーテル)、酢酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。
なかでも、単量体(a31)としては、含フッ素重合体(A1)のガラス転移温度が高くなりやすく、高硬度な塗膜が得られやすい点では、シクロアルキルビニルエーテルが好ましく、シクロヘキシルビニルエーテルが特に好ましい。
また、構成単位(α11)との交互共重合性が良好で、含フッ素重合体(A1)のガラス転移温度を調整しやすい点から、エチルビニルエーテルも好ましい。
構成単位(α3)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
(構成単位(α4))
含フッ素重合体(A1)は、構成単位(α1)〜(α3)以外の構成単位(α4)を有していてもよい。
構成単位(α4)としては、例えば、エチレン性単量体(エチレン、プロピレン等)に基づく構成単位等が挙げられる。また、構成単位(α4)としては、アルコキシシリル基を有する単量体(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)、アミノ基を有する単量体(アミノプロピルビニルエーテル等)、イソシアネート基を有する単量体(2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等)、エポキシ基を有する単量体(グリシジルビニルエーテル等)等に基づく構成単位が挙げられる。
構成単位(α4)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
(各構成単位の割合)
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する構成単位(α1)の割合は、40〜60モル%が好ましく、45〜55モル%がより好ましい。構成単位(α1)の割合が下限値以上であれば、優れた耐候性を有する塗膜を形成しやすい。構成単位(α1)の割合が上限値以下であれば、塗膜の透明性が保たれる。
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する構成単位(α21)の割合は、4〜30モル%が好ましく、8〜25モル%がより好ましい。構成単位(α21)の割合が下限値以上であれば、充分な架橋密度の塗膜を形成しやすい。構成単位(α21)の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する構成単位(α22)の割合は、0.4〜7モル%が好ましく、1.4〜6モル%がより好ましい。構成単位(α22)の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体(A1)の水性媒体への分散性が良好になる。
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する構成単位(α3)の割合は、3〜50モル%が好ましく、20〜45モル%がより好ましい。構成単位(α3)の割合が下限値以上であれば、充分な架橋密度の塗膜を形成しやすい。構成単位(α3)の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A1)は、構成単位(α31)として、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位を有することが好ましく、シクロヘキシルビニルエーテルに基づく構成単位を有することが特に好ましい。
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位の割合は、30モル%以上が好ましく、32〜48モル%がより好ましく、35〜45モル%がさらに好ましい。前記構成単位の割合が下限値以上であれば、含フッ素重合体(A1)のガラス転移温度が高くなりやすく、高硬度な塗膜を形成しやすい。前記構成単位の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A1)中の全構成単位に対する構成単位(α4)の割合は、20モル%以下が好ましい。
含フッ素重合体(A1)の特に好ましい組成は、構成単位(α11)が45〜55モル%、構成単位(α21)が8〜25モル%、構成単位(α22)が1.4〜6モル%、構成単位(α31)が30〜45モル%(構成単位(α11)、構成単位(α21)、構成単位(α22)および構成単位(α31)の合計が100モル%)で、かつ構成単位(α31)であるシクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位が30モル%以上である。
[含フッ素重合体(A2)]
含フッ素重合体(A2)は、構成単位(α1)として前記構成単位(α11)と、構成単位(α2)として前記構成単位(α21)および下式(5)で表される構成単位(α23)と、構成単位(α3)として前記構成単位(α31)と、を有する含フッ素重合体である。含フッ素重合体(A2)における構成単位(α11)、構成単位(α21)および構成単位(α31)は、含フッ素重合体(A1)で挙げた構成単位(α11)、構成単位(α21)および構成単位(α31)と同じである。
含フッ素重合体(A2)は、他の構成単位(α4)を有していてもよい。
Figure 2015124349
ただし、前記式(5)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子または−COOR10(R10は水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)である。)であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、Qは炭素数1〜16のアルキレン基または炭素数4〜16の2価の脂環式基であり、gは0または1であり、hは0または1であり、iは0または1であり、jは0または1である。
(構成単位(α2))
構成単位(α23):
構成単位(α23)のRとしては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子または−COOHが好ましい。
としては、−NHZが好ましい。
〜Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基が好ましい。
のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Qとしては、炭素数1〜16のアルキレン基または炭素数6〜16の2価の脂環式基が好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、シクロヘキサンジメチレン基がより好ましく、ブチレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、シクロヘキサンジメチレン基がさらに好ましい。
gは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
hは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
iは、0または1が好ましく、0がより好ましい。
jは、0または1が好ましく、1がより好ましい。
構成単位(α23)としては、例えば、単量体(a2)として、下式(a23)で表される単量体(a23)を重合し、形成される構成単位の側鎖の末端のカルボキシ基の少なくとも一部に塩を形成させた構成単位が挙げられる。式(a23)におけるR〜R、Q、g〜jは、式(5)と同じである。
また、構成単位(α23)としては、単量体(a23)の末端のカルボキシ基に塩を形成させた単量体を重合して形成される構成単位であってもよい。
Figure 2015124349
単量体(a23)としては、例えば、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸または10−ウンデセン酸、3―アリルオキシプロピオン酸、アリルオキシ吉草酸、アジピン酸モノビニル、クロトン酸ビニル、コハク酸モノビニル、マレイン酸等が挙げられる。
なかでも、単量体(a23)としては、入手の容易さ、共重合の容易さの観点から、10−ウンデセン酸、3−アリルオキシプロピオン酸が好ましい。
構成単位(α23)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
含フッ素重合体(A2)においては、全構成単位(α23)における少なくとも一部の構成単位(α23)のRが−NHZである。
含フッ素重合体(A2)における全構成単位(α23)に対する、Rが−NHZである構成単位(α23)の割合は、水性塗料の安定性の点から、60〜100モル%が好ましく、65〜100モル%がより好ましい。
(各構成単位の割合)
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する構成単位(α1)の割合は、40〜60モル%が好ましく、45〜55モル%がより好ましい。構成単位(α1)の割合が下限値以上であれば、優れた耐候性を有する塗膜を形成しやすい。構成単位(α1)の割合が上限値以下であれば、塗膜の透明性が保たれる。
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する構成単位(α21)の割合は、4〜30モル%が好ましく、8〜25モル%がより好ましい。構成単位(α21)の割合が下限値以上であれば、充分な架橋密度の塗膜を形成しやすい。構成単位(α21)の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する構成単位(α23)の割合は、0.4モル%以上4モル%未満が好ましく、0.4〜3.9モル%がより好ましく、1.4〜3.9モル%がさらに好ましく、2.0〜3.9モル%が特に好ましい。構成単位(α23)の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体(A2)の分散性が向上し、貯蔵安定性に優れた水性塗料用組成物となりやすく、耐水性に優れた塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する構成単位(α3)の割合は、3〜50モル%が好ましく、20〜40モル%がより好ましい。構成単位(α3)の割合が下限値以上であれば、充分な架橋密度の塗膜を形成しやすい。構成単位(α3)の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A2)は、構成単位(α31)として、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位を有することが好ましく、シクロヘキシルビニルエーテルに基づく構成単位を有することが特に好ましい。
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位の割合は、30モル%以上が好ましく、32〜48モル%がより好ましく、35〜45モル%がさらに好ましい。前記構成単位の割合が下限値以上であれば、含フッ素重合体(A1)のガラス転移温度が高くなりやすく、高硬度な塗膜を形成しやすい。前記構成単位の割合が上限値以下であれば、良好な耐水性を有する塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A2)中の全構成単位に対する構成単位(α4)の割合は、20モル%以下が好ましい。
含フッ素重合体(A2)の特に好ましい組成は、構成単位(α11)が45〜55モル%、構成単位(α21)が8〜25モル%、構成単位(α23)が1.4モル%以上4モル%未満、構成単位(α31)が30〜45モル%(構成単位(α11)、構成単位(α21)、構成単位(α23)および構成単位(α31)の合計が100モル%)で、かつ構成単位(α31)であるシクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位が30モル%以上である。
含フッ素重合体(A2)の数平均分子量は、3,000〜200,000が好ましい。含フッ素重合体(A2)の数平均分子量が前記範囲内であれば、塗装性が良好になり、また耐候性および外観に優れた塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体(A2)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜4.0が好ましい。これにより、貯蔵安定性が良好になり、特に水性塗料用組成物がゲル化しにくくなる。
[含フッ素重合体(A3)]
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素重合体(A1)および含フッ素重合体(A2)以外の含フッ素重合体(A3)を含んでもよい。
含フッ素重合体(A3)としては、例えば、構成単位(α11)と構成単位(α31)を有し、構成単位(α2)として構成単位(α21)のみを有する含フッ素重合体、構成単位(α11)と構成単位(α31)を有し、構成単位(α2)として構成単位(α22)のみを有する含フッ素重合体、構成単位(α11)と構成単位(α31)を有し、構成単位(α2)として構成単位(α23)のみを有する含フッ素重合体、構成単位(α11)と構成単位(α31)を有し、構成単位(α2)として構成単位(α21)および下式(6)で表される構成単位(α24)を有する含フッ素重合体等が挙げられる。
Figure 2015124349
ただし、式(6)中のR11は水素原子またはメチル基であり、R12は水素原子、−NHZ101112(Z11〜Z12はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)、または炭素数1〜4のアルキル基を有するアルコキシカルボニル基であり、R13は水素原子、−NHZ131415(Z13〜Z15はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)である。
構成単位(α24):
構成単位(α24)としては、例えば、単量体(a2)として、下式(a24)で表される単量体(a24)を重合し、形成される構成単位の側鎖のカルボキシ基の少なくとも一部に塩を形成させた構成単位が挙げられる。式(a24)におけるR11およびR12は、式(6)と同じである。
また、構成単位(α24)としては、単量体(a24)の末端のカルボキシ基に塩を形成させた単量体を重合して形成される構成単位であってもよい。
Figure 2015124349
単量体(a24)としては、例えば、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モノアルキルエステルが挙げられる。
構成単位(α24)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
含フッ素重合体(A3)が構成単位(α24)を有する場合、含フッ素重合体(A3)中の全構成単位に対する構成単位(α24)の割合は、0.4モル%以上4モル%未満が好ましく、0.4〜3.9モル%がより好ましく、1.4〜3.9モル%がさらに好ましく、2.0〜3.9モル%が特に好ましい。構成単位(α24)の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体(A3)の分散性が向上し、貯蔵安定性に優れた水性塗料用組成物となりやすく、耐水性に優れた塗膜を形成しやすい。
<水性媒体>
水性媒体は、水のみ、または、水と少量の有機溶媒からなる媒体である。
水性媒体が有機溶媒を含む態様としては、例えば、含フッ素重合体(A)を得る際に用いられる有機溶媒が残留する態様が挙げられる。
水性媒体が有機溶媒を含む場合、有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノールが好ましい。
<樹脂(C)>
本発明の水性塗料用組成物は、含フッ素重合体(A)以外の樹脂(C)を含有してもよい。
樹脂(C)としては、フッ素系合成樹脂(ただし、含フッ素重合体(A)を除く。)、フェノール系合成樹脂、アルキド系合成樹脂、メラミン系合成樹脂、ユリア系合成樹脂、ビニル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂、ポリエステル系合成樹脂、ポリウレタン系合成樹脂、アクリル系合成樹脂等が挙げられる。
樹脂(C)としては、フッ素系合成樹脂(ただし、含フッ素重合体(A)を除く。)が好ましい。フッ素系合成樹脂としては、特許第2955336号公報に記載のフルオロオレフィンに基づく構成単位、および親水性部位を有するマクロモノマーに基づく構成単位を必須構成成分とする含フッ素重合体が挙げられる。
なお、親水性部位とは、親水性基を有する部位、または親水性の結合を有する部位、およびこれらの組み合せからなる部位を意味する。また、マクロモノマーとは一方の末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーを意味する。
また、樹脂(C)としては、耐候性の点では、アクリル系合成樹脂を含むことも好ましい。
<他の成分(D)>
本発明の水性塗料用組成物は、他の成分(D)を含有してもよい。
他の成分(D)としては、造膜助剤、表面調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤等が挙げられる。
造膜助剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタジオールモノ(2−メチルプロパネート)、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。造膜助剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
表面調整剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が挙げられる。表面調整剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
増粘剤としては、例えば、ポリウレタン系会合性増粘剤等が挙げられる。増粘剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
紫外線吸収剤としては、公知の種々のものが使用でき、例えば、透明塗料として、上塗り塗装で用いる場合に適した紫外線吸収剤等が挙げられる。具体的には、以下の化合物が挙げられる。
サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、アデカ・アーガス社製の製品名「T−57」等の高分子量変性品等のベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、チバ・ガイギー社製の製品名「チヌビン900」、「チヌビン1130」等の高分子量変性品等のベンゾトリアゾール類;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;2,2’−チオビス(4−オクチルフェノレート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケル錯塩等のニッケル錯塩;p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤;およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等。
紫外線吸収剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
光安定剤としては、例えば、アデカアーガス社製のMARK LA 57、62、63、67、68、チバ・ガイギー社製のチヌビン622LDのようなヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。光安定剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
消泡剤としては、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミンおよび脂肪族アミイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物等が挙げられる。
消泡剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
また、塗膜の光沢を調整する必要がある場合は、常用の無機または有機のツヤ消剤を添加してもよい。また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、もしくはこれらを複合化した顔料または染料等の着色剤を添加してもよい。
また、水性塗料用組成物の安定性を高めるために、塗膜の耐水性、耐候性を損なわない範囲で乳化剤等の安定剤を添加してもよい。乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好ましい。アニオン性乳化剤とノニオン性乳化剤は、いずれか一方のみを使用してもよく、それらを併用してもよい。
ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーが好ましい。
アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が好ましい。
<各成分の割合>
本発明の水性塗料用組成物(100質量%)中の含フッ素重合体(A)の含有量は、3〜50質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。含フッ素重合体(A)の含有量が下限値以上であれば、充分な耐水性を有し、高硬度な塗膜を形成しやすい。含フッ素重合体(A)の含有量が上限値以下であれば、塗料の分散安定性が保たれる。
本発明の水性塗料用組成物における合成樹脂の全量、すなわち含フッ素重合体(A)と樹脂(C)の合計に対する含フッ素重合体(A)の割合は、10〜100質量%が好ましく、55〜100質量%がより好ましい。前記含フッ素重合体(A)の割合が100質量%であるとは、本が発明の水性塗料用組成が樹脂(C)を含まないことを意味する。前記含フッ素重合体(A)の割合が下限値以上であれば、耐侯性に優れた塗膜が得られる。
水性塗料用組成物における合成樹脂の固形分濃度、すなわち含フッ素重合体(A)と樹脂(C)の合計の固形分濃度は、3〜50質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
本発明の水性塗料用組成物(100質量%)における造膜助剤と水性媒体の有機溶媒の合計の含有量は、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
また、本発明の水性塗料用組成物における造膜助剤の含有量は、合成樹脂の固形分100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
本発明の水性塗料用組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が下限値以上であれば、耐光性が良好な塗膜を形成しやすい。また、紫外線吸収剤の含有量が上限値を超えると、その効果が飽和してほとんど変化しなくなる。
本発明の水性塗料用組成物におけるノニオン性乳化剤の含有量は、合成樹脂の固形分100質量部に対して、0〜3質量部が好ましい。
本発明の水性塗料用組成物におけるアニオン性乳化剤の含有量は、合成樹脂の固形分100質量部に対して、0〜1質量部が好ましい。
<水性塗料用組成物の製造方法>
以下、本発明の水性塗料用組成物の製造方法として、下記方法(X)および方法(Y)について説明する。なお、本発明の水性塗料用組成物の製造方法は、方法(X)および方法(Y)には限定されない。
(X)含フッ素重合体(A1)を含む水性塗料用組成物の製造方法。
(Y)含フッ素重合体(A2)を含む水性塗料用組成物の製造方法。
[方法(X)]
方法(X)としては、例えば、下記の重合工程、エステル化工程、中和工程および溶媒除去工程を有する方法が挙げられる。
重合工程:フルオロオレフィン(a1)、単量体(a21)および単量体(a31)を含み、必要に応じて用いる単量体(a4)を含む単量体混合物を重合して含フッ素重合体(B1)を得る。
エステル化工程:得られた含フッ素重合体(B1)と二塩基性酸無水物とを有機溶媒中で反応させて、構成単位(α21)の水酸基の一部をエステル化してカルボキシ基を導入する。
中和工程:塩基性化合物と水を加えて前記カルボキシ基の少なくとも一部を中和する。
溶媒除去工程:有機溶媒を除去する。
(重合工程)
フルオロオレフィン(a1)、単量体(a21)および単量体(a31)を含み、必要に応じて用いる単量体(a4)を含む単量体混合物を重合する。方法(X)の重合は、溶液重合が好ましい。溶液重合により得た含フッ素重合体(A)は、乳化重合を利用する場合に比べて、水性塗料用組成物において含フッ素重合体(A)同士が融着しやすく、均一な塗膜を形成しやすい。
具体的な重合方法としては、重合触媒の存在下または非存在下、かつ塩基性化合物の存在下、有機溶媒中で前記単量体混合物に重合開始源を作用させてアルカリ条件下で共重合させることが好ましい。重合開始源としては、重合開始剤、電離性放射線等が挙げられる。
これにより、構成単位(α11)、構成単位(α21)および構成単位(α31)を有する含フッ素重合体(B1)が得られる。
重合開始剤としては、例えば、パーオキシエステル型過酸化物(t−ブチルパーオキシアセテート等)、ジアルキルパーオキシジカーボネート(ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等)、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、重合条件に応じて設定すればよく、単量体混合物の全量(100質量部)に対して、0.05〜0.5質量部が好ましい。
塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であってもよく、無機塩基性化合物であってもよい。
有機塩基性化合物としては、アルキルアミン類(トリエチルアミン等)、アルキルホスフィン類(トリエチルホスフィン等)が好ましい。無機塩基性化合物としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または酸化物(炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化マグネシウム等)が好ましい。
塩基性化合物の使用量は、単量体混合物の全量(100質量部)に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
有機溶媒としては、溶液重合に通常使用される有機溶媒が使用でき、アルコール類、エステル類、ケトン類、1個以上のフッ素原子を有する飽和ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類(キシレン等)が好ましい。
重合反応の温度は10℃〜90℃が好ましい。
重合反応の圧力は、0〜100kg/cm・Gが好ましく、1〜50kg/cm・Gがより好ましい。
含フッ素重合体(B1)における構成単位(α21)の割合は、含フッ素重合体(A1)における構成単位(α21)と構成単位(α22)の割合の合計に等しい。
含フッ素重合体(B1)の組成は、構成単位(α11)が40〜60モル%、構成単位(α21)が4.4〜37モル%、構成単位(α31)が3〜50モル%、構成単位(α4)が0〜20モル%(ただし、構成単位(α11)、構成単位(α21)、構成単位(α31)および構成単位(α4)の合計が100モル%である。)であることが好ましい。
含フッ素重合体(B1)の固有粘度は、0.05〜2.0dL/gが好ましい。連鎖移動定数の比較的大きい有機溶媒を使用することや、適宜の連鎖移動剤の共存下で反応させることにより、固有粘度を前記範囲に抑えることができる。
含フッ素重合体(B1)の数平均分子量は、3,000〜200,000が好ましい。含フッ素重合体(B1)の数平均分子量が下限値以上であれば、耐候性に優れた塗膜を形成しやすくなる。含フッ素重合体(B1)の数平均分子量が上限値以下であれば、外観が良好な塗膜を形成しやすくなる。
(エステル化工程)
有機溶媒中で、含フッ素重合体(B1)に、二塩基性酸無水物を反応させることにより、含フッ素重合体(B1)の構成単位(α21)における水酸基の一部をエステル化してカルボキシ基を導入する。
二塩基性酸無水物としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸が好ましい。
二塩基性酸無水物の使用量は、目的の含フッ素重合体(A1)における構成単位(α21)と構成単位(α22)の割合に応じて適宜調整すればよい。
エステル化工程に用いる有機溶媒としては、含フッ素重合体(B1)および二塩基性酸無水物の溶解性等を勘案して適宜選定すればよく、例えば、以下の化合物が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ペンタノール等のアルコール類;
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、第2級ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;
プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体;
エチレングリコールエチルエーテルアセテート;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等。
なお、重合工程で用いた有機溶媒が充分に残留していれば、エステル化工程において新たに有機溶媒を添加する必要はない。
エステル化工程では、エステル化反応を促進する触媒を併用してもよい。
触媒としては、例えば、カルボン酸金属塩、水酸化アルカリ、アルカリ金属炭酸塩、4級アンモニウム塩、3級アミンが挙げられる。なかでも、3級アミン(トリエチルアミン等)好ましい。
エステル化反応の反応温度は、室温〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
反応時間は、数10分から数時間程度が好ましい。
方法(X)では、得られる含フッ素重合体(A1)における構成単位(α21)と構成単位(α22)の割合は、エステル化前の水酸基価と、エステル化後の酸価から確認できる。エステル化前の水酸基価が20〜150mgKOH/gであり、エステル化反応後の酸価が2〜35mgKOH/gであれば、エステル化後の構成単位(α21)が4〜30モル%で、構成単位(α22)の割合が0.4〜7モル%であると確認できる。
(中和工程)
エステル化工程後の反応液に、塩基性化合物と水とを加え、エステル化工程で導入されたカルボキシ基の少なくとも一部を該塩基性化合物で中和し、構成単位(α22)を形成する。
塩基性化合物と水は、同時に加えてもよく、別々に加えてもよく、一部を同時に加えて残りを別々に加えてもよい。塩基性化合物と水を別々に加える場合は、塩基性化合物と水のいずれを先に加えてもよい。塩基性化合物と水を同時に加える場合は、塩基性化合物の水溶液とすることが好ましい。なかでも、塩基性化合物を加えた後に水を加える方法と、塩基性化合物の水溶液を加える方法が好ましい。
中和工程の反応は、塩基性化合物と水を室温で数10分撹拌しながら加えれば、充分に進行する。
中和工程で加える水の量は、溶液中の含フッ素重合体の固形分濃度が好ましくは3〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%となるようにすることが好ましい。
中和工程で用いる塩基性化合物としては、塗膜中に塩基性化合物が残留しにくくなることから、沸点が200℃以下の化合物が好ましい。
該塩基性化合物としては、アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン等の1級、2級または3級のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類;エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミン類;ピペラジン、モルホリン、ピラジン、ピリジン等が挙げられる。
なお、重合工程で用いた塩基性化合物が充分に残留していれば、中和工程において新たに有機溶媒を添加する必要はない。この場合は、水のみを加えればよい。
(溶媒除去工程)
中和工程の後、有機溶媒を除去する。これにより、含フッ素重合体(A1)を含み、有機溶媒が全質量に対して10質量%以下である水性塗料用組成物が得られる。溶媒除去工程で除去すべき有機溶媒は、重合工程およびエステル化工程で用いた有機溶媒が残留したものである。
有機溶媒を除去する方法としては、特に限定されず、減圧留去等が挙げられる。
方法(X)では、溶媒除去工程の後に、さらに水を加えて固形分濃度を調整してもよい。
本発明の水性塗料用組成物が樹脂(C)および他の成分(D)を含有する場合、それらを添加する時期は、溶媒除去工程の後が好ましい。乳化剤を添加する場合は、水を加えた後に乳化剤を添加することが好ましい。
[方法(Y)]
方法(Y)としては、例えば、下記の重合工程、中和工程および溶媒除去工程を有する方法が挙げられる。
重合工程:フルオロオレフィン(a1)、単量体(a21)、単量体(a23)および単量体(a31)を含み、必要に応じて単量体(a4)を含む単量体混合物を重合して含フッ素重合体(B2)を得る。
中和工程:得られた含フッ素重合体(B2)におけるカルボキシ基の少なくとも一部を中和する。
水添加工程:水を加える。
溶媒除去工程:有機溶媒を除去する。
(重合工程)
方法(Y)における重合工程は、フルオロオレフィン(a1)、単量体(a21)、単量体(a23)および単量体(a31)を含み、必要に応じて単量体(a4)を含む単量体混合物を用いる以外は、方法(X)の重合工程と同様に行える。方法(Y)の重合は、溶液重合が好ましい。
重合工程では、構成単位(α11)と、構成単位(α21)と、構成単位(α23)におけるカルボキシ基の全部が塩を形成していない構成単位(α23’)と、構成単位(α31)を有する含フッ素重合体(B2)が得られる。
含フッ素重合体(B2)の組成は、構成単位(α11)が40〜60モル%、構成単位(α21)が4〜30モル%、構成単位(α23’)が0.4モル%以上4モル%未満、構成単位(α31)が3〜50モル%、構成単位(α4)が0〜20モル%(ただし、構成単位(α11)、構成単位(α21)、構成単位(α23’)、構成単位(α31)および構成単位(α4)の合計が100モル%である。)であることが好ましい。
含フッ素重合体(B1)における各構成単位の割合は重合工程以降も通常は保持され、構成単位(α23’)の割合は、得られる含フッ素重合体(A2)の構成単位(α23)の割合と同じになる。
(中和工程)
含フッ素重合体(B2)を含む反応溶液に、塩基性化合物を加え、含フッ素重合体(B2)中のカルボキシル基の一部または全部を該塩基性化合物で中和し、構成単位(α23)を形成する。
塩基性化合物は、単独で加えてもよく、塩基性化合物水溶液として加えてもよい。
塩基性化合物、または塩基性化合物水溶液を、室温で数10分、撹拌しながら加えることで中和反応が充分に進行する。
方法(Y)の中和工程で使用する塩基性化合物としては、例えば、方法(X)の中和工程で挙げた塩基性化合物が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、目的の、全構成単位(α23)に対する、Rが−NHZである構成単位(α23)の割合に応じて適宜設定すればよい。
(水添加工程)
中和工程において塩基性化合物水溶液を用いた場合には、必ずしもさらに水を加える必要はない。方法(Y)では、中和工程で塩基性化合物水溶液を加え、その後にさらに水を加えることが好ましい。
加える水の量は、含フッ素重合体(A2)の固形分濃度が、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%となる量とすることが好ましい。
(溶媒除去工程)
方法(Y)の溶媒除去工程は、方法(X)の溶媒除去工程と同様に行える。
方法(Y)では、溶媒除去工程の後に、さらに水を加えて固形分濃度を調整してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の水性塗料用組成物にあっては、ガラス転移温度が45℃以上の特定の含フッ素重合体(A)を含むため、実用上充分な耐水性を有するうえ、高硬度でべたつきにくく、傷がつきにくい塗膜を形成できる。
≪二液硬化型水性塗料キット≫
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、本発明の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを、それぞれ独立して備えたキットである。本発明の二液硬化型水性塗料キットは、使用時に、水性塗料用組成物と硬化剤とを混合した後に使用される。
硬化剤を適宜選択することで、常温乾燥でも架橋が可能であり、この場合は水性塗料用組成物と硬化剤と混合して塗布するのみで塗膜を形成できる。架橋に加熱が必要な場合は、塗布後に加熱焼き付けすることにより塗膜を形成できる。
<硬化剤>
硬化剤としては、水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有し、水に溶解または分散する硬化剤が使用できる。
該硬化剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂等が挙げられる。特に、耐候性、機械的性質に優れた塗膜を形成しやすい点から、イソシアネート系化合物が好ましい。
硬化剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
イソシアネート系化合物としては、機械的に水に分散させることができるものか、または自己乳化性のポリイソシアネート化合物が好ましい。自己乳化性のポリイソシアネート化合物とは、乳化剤を使用せずに水に乳化分散可能な化合物のことである。
機械的に水に分散させるポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル等の芳香族ポリイソシアネート類;ビス−(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類;クルードトリレンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネートなどのクルードポリイソシアネート類;カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオール変性ヘキサメチレンジイソシアネート等の変性ポリイソシアネート類が挙げられる。
これらのポリイソシアネート類は、ビューレット型、イソシアヌレート環型、ウレトジオン型等の2量体または3量体になっているものでもよく、またブロック化剤を用いてイソシアネート基をブロック化したブロックポリイソシアネート類であってもよい。ブロック化剤としては、アルコール類、フェノール類、カプロラクタム類、オキシム類、活性メチレン化合物類等の公知のブロック化剤が挙げられる。ブロックポリイソシアネート類は、通常140℃以上でないと硬化しない。そのため、140℃未満で硬化を行う場合には、ブロック化されていないポリイソシアネート類を使用することが好ましい。
これらのポリイソシアネート類は、1種でもよく、2種以上でもよい。
これらのポリイソシアネート類を機械的に水性塗料用組成物と混合して分散させる際には、乳化剤を添加することにより、より安定な分散体が得られる。乳化剤としては、公知の乳化剤を特に制限なく使用できる。ただし、イオン性、特に活性水素原子を有するものは、分散時に反応して増粘したり分散性が低下したりするため、非イオン性乳化剤、特にポリオキシエチレン鎖を有する乳化剤が好ましい。
自己乳化性のポリイソシアネート化合物としては、前記したポリイソシアネート類に親水性のポリオキシアルキレン類を反応させたプレポリマー等が挙げられる。
前記親水性のポリオキシアルキレン類としては、イソシアネート基に対して反応性を有する反応性基を少なくとも1個有する、分子量が200〜4000のポリオキシアルキレン類が好ましく、分子量が300〜1500のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールが特に好ましい。分子量が前記下限値以上であれば、自己乳化性が良好である。前記分子量が上限値以下であれば、水中安定性が良好になり、また結晶性が高くなりすぎないため、低温下での貯蔵安定性が良好になる。
ポリオキシアルキレン類におけるオキシアルキレン鎖としては、その全部または多くがオキシエチレン基であるものが親水性の面から好ましい。
ポリイソシアネート類と、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンモノオールとの反応は、第3級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、第3級アルキルホスフィン類、金属アルキルアセトネート類、有機酸金属塩類等の触媒の存在下に、必要に応じて助触媒を用いて100℃以下で行うことができる。
この反応では、残存イソシアネート基の量が10〜24質量%、好ましくは15〜22質量%となるように調整することが好適である。残存イソシアネート基の量が下限値以上であれば、含フッ素重合体(A)との良好な反応性が得られやすく、またイソシアネート化合物の使用量がより少なくなるため、塗膜の耐候性に与える悪影響を小さくできる。残存イソシアネート基の量が上限値以下であれば、水性塗料用組成物と混合した際に安定な乳化液を形成しやすい。
前記した自己乳化性のイソシアネート化合物の具体例としては、特公平4−15270号公報に記載されているもの等が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、メチルエーテル化、ブチルエーテル化、イソブチルエーテル化などのアルキルエーテル化されたメラミン樹脂が挙げられる。なかでも、水溶性の点から、少なくとも一部がメチルエーテル化されたメラミン樹脂が好ましい。
<水性塗料用組成物と硬化剤の割合>
二液硬化型水性塗料キットにおける本発明の水性塗料用組成物と硬化剤との質量比は、不揮発分の組成において、50〜95:5〜50が好ましく、75〜95:5〜25がより好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の二液硬化型水性塗料キットにあっては、本発明の水性塗料用組成物を用いているため、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を形成できる。
≪物品≫
本発明の物品は、被塗装物と、本発明の水性塗料用組成物により該被塗装物上に形成された塗膜と、を有する。
<被塗装物>
被塗装物としては、特に限定されず、自動車、船舶、鉄道車両、飛行機等の輸送用機器、工場、発電所等の設備、建築物等が挙げられる。
<物品の製造方法>
本発明の物品の製造方法としては、本発明の水性塗料用組成物を用いる以外は、公知の方法を採用できる。例えば、本発明の水性塗料用組成物と硬化剤を混合して被塗装物の表面に塗布し、乾燥または加熱する方法が挙げられる。
塗装方法としては、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコート、フローコート等の方法が挙げられる。
また、塗装には、前記した本発明の二液硬化型水性塗料キットを用いてもよく、硬化剤としてブロックポリイソシアネート類を用いる場合等は該ブロックポリイソシアネート類と本発明の水性塗料用組成物が予め混合された一液型の塗料を用いてもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の物品は、本発明の水性塗料用組成物を用いているため、実用上充分な耐水性を有し、かつ高硬度な塗膜を有している。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[含フッ素重合体の組成]
含フッ素重合体の組成は、H−NMRにより分析した。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定により、冷却速度10℃/分の条件で測定した。
[水酸基価]
水酸基価は、JIS K 1557−1(2007年度版)に準じて測定した。
[酸価]
酸価は、JIS K 5601−2−1(酸価(滴定法))に準拠して測定した。
[鉛筆硬度]
酸化チタン(ディポン社製Tipure R−706)の210質量部、顔料分散剤Disperbyk190(ビックケミー社製、顔料に親和性のある共重合物、酸価10mgKOH/g)の21質量部、消泡剤デヒドラン1620(コグニス社製)の4.5質量部、イオン交換水の64.5質量部、ガラスビーズの300質量部を混合し、分散機を用いて分散し、ガラスビーズを濾過により除去して顔料組成物Iを調製した。
各例で得られた水性塗料用組成物100質量部に、顔料組成物Iの28.5質量部と、表面調整剤BYK−348(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)の0.7質量部と、増粘剤ベルモドール2150(アクゾノーベル社製)の0.26質量部と、水分散型イソシアネート硬化剤バイヒジュール3100(住化バイエル社製)の13質量部と、を添加した。次いで、この液を、スレート板にアクリル系エマルション下塗り材を塗装した試験体にスプレー塗装し、室温(23℃)で2週間乾燥させて塗膜を形成した。その後、塗膜の鉛筆硬度を、JIS K 5600に準じて測定した。
[実施例1]
内容積2500mLのステンレス製撹拌機付き耐圧反応器にキシレンの590g、エタノールの170g、単量体(a31)であるエチルビニルエーテル(EVE)の70g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の385g、単量体(a21)であるヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の122g、炭酸カリウムの11gおよびパーブチルピバレード(PBPV)の3.5gを仕込み、窒素による脱気により液中の溶存酸素を除去した。次に、フルオロオレフィン(a1)であるクロロトリフルオロエチレン(CClF=CF、CTFE)の620gを導入して徐々に昇温し、温度65℃に維持しながら反応を続けた。10時間後、反応器を冷却して反応を停止した。反応液を室温まで冷却した後、未反応の単量体をパージし、珪藻土で濾過して固形物を除去した。次に、キシレンとエタノールを減圧留去により除去し、表1に示す組成の含フッ素重合体(B1−1)を得た。
得られた含フッ素重合体(B1−1)を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させて固形分60質量%のワニスを得た。このワニス300質量部に、無水コハク酸の20質量%アセトン溶液の16.1質量部、および触媒としてトリエチルアミンの0.072質量部を加え、70℃で6時間反応させてエステル化した。反応液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水コハク酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm−1)およびエステル(1735cm−1)の吸収が観測された。エステル化後の含フッ素重合体の酸価は10.5mgKOH/g、水酸基価は40.1mgKOH/gであった。この酸価と水酸基価の値によれば、HBVEの構成単位10.1モル%の内、約2.1モル%がエステル化されたこととなる。
次に、エステル化後の反応液に、トリエチルアミンの3.24質量部を加え、室温(23℃)で20分撹拌してカルボキシ基の一部を中和し、次いでイオン交換水の180部を徐々に加えた。これにより、エステル化されカルボキシ基が導入された構成単位を全て中和した。
その後、アセトンおよびメチルエチルケトンを減圧留去した。さらにイオン交換水の約90質量部を加えて、含フッ素重合体(A1−1)を含む固形分濃度40質量%の水性塗料用組成物を得た。
[実施例2]
CTFE、EVE、CHVEおよびHBVEの仕込み量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして含フッ素重合体(B1−2)を得た。また、含フッ素重合体(B1−2)を用い、ワニスの使用量、無水コハク酸のアセトン溶液の使用量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、含フッ素重合体(A1−2)を含む固形分濃度40質量%の水性塗料用組成物を得た。
[比較例1]
CTFE、EVE、CHVEおよびHBVEの仕込み量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして含フッ素重合体(B3)を得た。また、含フッ素重合体(B3)を用い、ワニスの使用量、無水コハク酸のアセトン溶液の使用量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、含フッ素重合体(A’−1)を含む固形分濃度40質量%の水性塗料用組成物を得た。
実施例および比較例における含フッ素重合体(B1)の製造時の仕込み量、含フッ素重合体(B1)の組成、ワニスの使用量、無水コハク酸のアセトン溶液の使用量、エステル化後の酸価および水酸基価、ならびに、これらの値から求めた含フッ素重合体(A1)の組成を表1に示す。
Figure 2015124349
表1に示すように、ガラス転移温度が45℃以上の特定の含フッ素重合体(A)を含む実施例1、2の水性塗料用組成物を用いて形成した塗膜は、硬度が高かった。
一方、ガラス転移温度が45℃未満の含フッ素重合体(A’−1)を含む比較例1の水性塗料用組成物を用いて形成した塗膜は、実施例1、2に比べて硬度が低かった。

Claims (6)

  1. 含フッ素重合体(A)が水性媒体に分散または溶解された水性塗料用組成物であって、
    前記含フッ素重合体(A)が、フルオロオレフィン(a1)に基づく構成単位(α1)と、水酸基およびカルボキシ基の少なくとも一方を有し、フッ素原子を有しない単量体(a2)に基づく構成単位(α2)、ならびに、フッ素原子および架橋性基を有さず、側鎖の末端にアルキル基または脂環式基を有する単量体(a3)に基づく構成単位(α3)を有し、ガラス転移温度が45℃以上である、水性塗料用組成物。
  2. 前記含フッ素重合体(A)が、下式(1)で表される構成単位(α11)と、下式(2)で表される構成単位(α21)と、下式(3)で表される構成単位(α22)と、下式(4)で表される構成単位(α31)とを有する含フッ素重合体(A1)である、請求項1に記載の水性塗料用組成物。
    −CFX−CX− ・・・(1)
    Figure 2015124349
    (ただし、式(1)中、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y〜Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、またはフッ素原子である。)である。
    式(2)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、aは0〜8の整数であり、bは0または1である。
    式(3)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜12の2価の脂環式基であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、cは0〜8の整数であり、dは0または1である。
    式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数4〜12の1価の脂環式基であり、eは0〜8の整数であり、fは0または1である。)
  3. 前記含フッ素重合体(A)が、下式(1)で表される構成単位(α11)と、下式(2)で表される構成単位(α21)と、下式(5)で表される構成単位(α23)と、下式(4)で表される構成単位(α31)とを有する含フッ素重合体(A2)である、請求項1に記載の水性塗料用組成物。
    −CFX−CX− ・・・(1)
    Figure 2015124349
    (ただし、式(1)中、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y〜Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、またはフッ素原子である。)である。
    式(2)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20の2価の脂環式基であり、aは0〜8の整数であり、bは0または1である。
    式(5)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子または−COOR10(R10は水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)である。)であり、Rは水素原子または−NHZ(Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であり、Rの少なくとも一部は−NHZであり、Qは炭素数1〜16のアルキレン基または炭素数4〜16の2価の脂環式基であり、gは0または1であり、hは0または1であり、iは0または1であり、jは0または1である。
    式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数4〜12の1価の脂環式基であり、eは0〜8の整数であり、fは0または1である。)
  4. 前記構成単位(α3)として、シクロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位を有し、当該構成単位の全構成単位に対する割合が30モル%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物と、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基を有する硬化剤と、を備える二液硬化型水性塗料キット。
  6. 被塗装物と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物により該被塗装物上に形成された塗膜と、を有する物品。
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