JP5292542B2 - レゾルバステータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、レゾルバステータ構造に関し、特に、ステータ巻線の外周面の励磁巻線か出力巻線を網目状に巻付けることにより、ワニス処理をすることなく巻線時に発生した浮線の少なくとも固定を行うための新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種のレゾルバステータ構造としては、例えば、後述の特許文献1に開示された構成と同様の構成を図3及び図4として示すことができる。
図3及び図4において、符号1で示されるものは、その内周面1aから一体に内方へ突出する複数の突出磁極2を有する輪状ステータであり、この輪状ステータ1の両端面には、一対もしくは射出成形により一体に形成された輪状の輪状絶縁カバー3が設けられている。
前記輪状絶縁カバー3の内面側には、前記各突出磁極2に対応すると共に前記各突出磁極2の外周を覆うように絶縁突出舌片4が設けられている。
前記各突出磁極2には、前記輪状絶縁カバー3の各絶縁突出舌片4を介してステータ巻線5が巻付けられている。
前記ステータ巻線5は、励磁巻線5aと出力巻線5bとからなり、前記ステータ巻線5の端線は、前記輪状絶縁カバー3の一部に一体に外方へ突出して形成された端子保持部6の複数の端子7に接続されている。
前述のように、各突出磁極2に巻付けられたステータ巻線5には、巻付け時に発生した浮線の固定、保護を行うために、巻付け完了後にポッテングによってワニス8が塗布され、このワニス8によってステータ巻線5が固化され、浮線の固定等が行われている。
米国特許第6,750,577号明細書
従来のレゾルバステータ構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各突出磁極2に巻付けられたステータ巻線5の一部は、レゾルバの巻線工程中に浮線(図示せず)となり、この浮線が振動等により断線となり、レゾルバの機能が低下もしくは不能となることがあるため、この浮線を固定するためにワニス処理を行っていた。
また、このステータ巻線は、突出磁極への巻き方によっては、その外周面になるマグネットワイヤが、励磁巻線、出力巻線(1相出力又は2相出力)の何れかとなるが、この外周面となる巻線にワニスを塗布する場合、ワニス塗布後に、外観を肉眼で確認し、浮線が存在した場合には、この浮線を手直し作業で埋め込まなくてはならず、この作業には、多大の熟練を要し、コスト上も多大の負担となっていた。
また、ワニスをステータ巻線の外周に塗布する場合には、ワニスを塗布する設備及び乾燥する設備を必要とし、その設備投資額は多大のものであり、レゾルバのコストダウン及び量産化には大きい障害となっていた。
本発明によるレゾルバステータ構造は、輪状ステータの内周面又は外周面から内方又は外方へ向けて突出して形成された複数の突出磁極と、前記各突出磁極に対応する絶縁突出舌片を有し全体形状が輪状をなす輪状絶縁カバーと、前記各突出磁極に前記各絶縁突出舌片を介して巻付けられた励磁巻線及び出力巻線からなるステータ巻線と、を備え、前記ステータ巻線の外周面には、前記励磁巻線又は出力巻線の何れかの最終線を網目状に巻回し、ワニスが設けられてなく、前記ステータ巻線の一部の浮線の防止及び固定を行うようにしたレゾルバステータ構造において、記最終線は、前記突出磁極における突出長さ全体にわたって前記網目状に配設され、前記最終線は前記励磁巻線又は出力巻線と同じマグネットワイヤであり、前記各突出磁極に巻付けられる前記ステータ巻線の所定の必要とする総ターン数は前記網目状の前記最終線のターン数も含み、前記最終線のターン数は10〜100ターン数である構成である。
本発明によるレゾルバステータ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、輪状ステータの内周面又は外周面から内方又は外方へ向けて突出して形成された複数の突出磁極と、前記各突出磁極に対応する絶縁突出舌片を有し全体形状が輪状をなす輪状絶縁カバーと、前記各突出磁極に前記各絶縁突出舌片を介して巻付けられた励磁巻線及び出力巻線からなるステータ巻線と、を備え、前記ステータ巻線の外周面には、前記励磁巻線又は出力巻線の何れかの最終線を網目状に巻回し、ワニスが設けられてなく、前記ステータ巻線の一部の浮線の防止及び固定を行うようにしたレゾルバステータ構造において、記最終線は、前記突出磁極における突出長さ全体にわたって前記網目状に配設され、前記最終線は前記励磁巻線又は出力巻線と同じマグネットワイヤであり、前記各突出磁極に巻付けられる前記ステータ巻線の所定の必要とする総ターン数は前記網目状の前記最終線のターン数も含み、前記最終線のターン数は10〜100ターン数であることにより、前記ステータ巻線の外周面には、前記励磁巻線又は出力巻線を網目状に巻回し、ワニスが設けられていないことにより、ワニスを用いることなく浮線の固定等を行うことができる。
また、前記励磁巻線か出力巻線は、前記突出磁極における突出長さ全体にわたって前記網目状に配設されていることにより、巻線中に発生した浮線を完全に固定することができ、浮線の防止及び保護を得ることができる。
本発明によるレゾルバステータ構造を示す平面図である。 図1の断面図である。 従来構成の平面図である。 図3の断面図である。
本発明は、ステータ巻線の外周面に、励磁巻線か出力巻線を網目状に巻付けることにより、ワニス処理をすることなく巻線時に発生した浮線の少なくとも固定を行うようにしたレゾルバステータ構造を提供することを目的とする。
以下、図面と共に本発明によるレゾルバステータ構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、図3及び図4と同一又は同等部分については、同一符号を用いて説明する。
図1及び図2において、符号1で示されるものは、その内周面1aから一体に内方へ突出する複数の突出磁極2を有する輪状ステータであり、この輪状ステータ1の両端面には、予め成形された一対もしくは射出成形により一体にインサート成形で形成された輪状の輪状絶縁カバー3が設けられている。
前記輪状絶縁カバー3の内面側には、前記各突出磁極2に対応すると共に前記各突出磁極2の外周を覆うように絶縁突出舌片4が設けられている。
前記各突出磁極2には、前記輪状絶縁カバー3の各絶縁突出舌片4を介してステータ巻線5が巻付けられている。
前記ステータ巻線5は、励磁巻線5aと第1、第2相コイルからなる出力巻線5bとからなり、前記ステータ巻線5の端線10aは、最終的には、前記輪状絶縁カバー3の一部に一体に外方へ突出して形成された端子保持部6の複数の端子7に接続されている。
尚、このステータ巻線5は励磁巻線5aと出力巻線5bとからなるため、突出磁極2に巻回する順序により、ステータ巻線5の外周には、前記各巻線5a又は5bの何れかが位置することになるが、通常は、出力巻線5bの第1、第2相コイルの何れかの最終線10を図1の網目状としてステータ巻線5の外周面に巻付け、この最終線10の最後が端線10aとして端子7に巻付けられている。
前述のように、各突出磁極2に巻付けられたステータ巻線5の外周には、巻付け時に発生するステータ巻線5の浮線の少なくとも固定、さらには保護を従来用いていたワニス塗布を用いるのではなく、前記ステータ巻線5の外周の励磁巻線5a又は出力巻線5bの突出磁極2への巻付け方を図1のように網目状に巻付けることにより達成している。
尚、この網目状に巻付ける最終線10の部分は前述のように、各突出磁極2に巻付けるステータ巻線5の励磁巻線5a又は出力巻線5bの何れかの最終の最終線10を用いており、各突出磁極2に巻付けられるステータ巻線5の所定の必要とする巻数はこの網目状の最終線10の巻数も含まれている。
すなわち、各突出磁極2に巻かれるステータ巻線5の総ターン数は、この網目状の最終線10のターン数を含んでいる。従って、この最終線10は不要なダミー線ではない。この網目状に巻回される最終線10の巻数は、種々実験の結果、10〜100ターン数が好適であった。
前記最終線10は、前記励磁巻線5a又は出力巻線5bと同じマグネットワイヤであり、ステータ巻線5の外周面に対して、それまで巻線を行った自動巻線機(図示せず)によって連続動作で網目状に自動巻付けを行うことができる。
尚、前記ステータ巻線5の各巻線5a又は5bの巻き方によっては、突出磁極2の突出長さLに沿って区切られた状態となることもあるが、何れの場合もステータ巻線5の一部のみに巻付けた構成でも浮線防止(すなわち、固定)に効果があるが、前述のようにステータ巻線5の外周面全体、すなわち、前記突出長さL全体に最終線10が網目状に巻付けられた構成が浮線の防止、固定に最も効果的である。
尚、前述の形態では、インナロータ型のステータ構造について述べたが、前記輪状ステータ1の外周面1bに各突出磁極2を外方へ向けて突出させて構成した周知のアウタロータ型(図示せず)に対しても本発明が適用できうることは述べるまでもないことである。
本発明には、レゾルバステータに適用するだけではなく、同期モータ等にも適用可能である。
1 輪状ステータ
1a 内周面
1b 外周面
2 突出磁極
5 ステータ巻線
5a 励磁巻線
5b 出力巻線
6 端子保持部
7 端子
10 最終線

Claims (1)

  1. 輪状ステータ(1)の内周面(1a)又は外周面(1b)から内方又は外方へ向けて突出して形成された複数の突出磁極(2)と、前記各突出磁極(2)に対応する絶縁突出舌片(4)を有し全体形状が輪状をなす輪状絶縁カバー(3)と、前記各突出磁極(2)に前記各絶縁突出舌片(4)を介して巻付けられた励磁巻線(5a)及び出力巻線(5b)からなるステータ巻線(5)と、を備え、
    前記ステータ巻線(5)の外周面には、前記励磁巻線(5a)又は出力巻線(5b)の何れかの最終線(10)を網目状に巻回し、ワニスが設けられてなく、前記ステータ巻線(5)の一部の浮線の防止及び固定を行うようにしたレゾルバステータ構造において、
    記最終線(10)は、前記突出磁極(2)における突出長さ(L)全体にわたって前記網目状に配設され、前記最終線(10)は前記励磁巻線(5a)又は出力巻線(5b)と同じマグネットワイヤであり、前記各突出磁極(2)に巻付けられる前記ステータ巻線(5)の所定の必要とする総ターン数は前記網目状の前記最終線(10)のターン数も含み、前記最終線(10)のターン数は10〜100ターン数であることを特徴とするレゾルバステータ構造。
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