JP5291646B2 - コケ緑化基盤 - Google Patents
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Description
また、特許文献5には、繊維が絡み合ったマットに土壌を吹きつけ、この土壌でコケを育成する壁面緑化工法が開示されている。
また、特許文献6には、セラミックス基盤上に土壌を載せて、植物を植栽する植物育成マットが開示されている。このようなセラミックス基盤は、例えば、特許文献7に開示されたセラミックス焼結体などで形成されている。
また、特許文献5および特許文献6に示すように土壌を使用するものは、雑草などが侵入しやすく、雑草によりコケが衰退してしまうことがあった。また、土壌の飛散を防ぐために周り縁を設けるなどの対策が必要であると共に、飛散した土壌の清掃などの維持管理が大変であった。
本発明では、凸部は、珪藻土由来のマイクロ気孔と人工的に生成させたミリメートルサイズのトンネル構造孔隙とが相互に連結された二元構造の気孔を持つセラミックス焼結体から形成されていることにより、凸部の保水力を高めることができ、凸部に保水された水をコケへ供給することができる。
本発明では、前記凸部はステンレス鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等の高耐食性鋼板で形成されていることにより、凸部の加工が行いやすいと共に、凸部が腐食しにくく、長期にわたって使用することができる。
本発明では、凸部は、光および熱を反射する反射塗料が上面に塗布されていることにより、凸部およびセラミックス基盤が高温となることを防ぐことができる。また、コケが日射を好む場合、凸部から反射された光をコケへ当てることができる。
本発明では、セラミックス基盤は、凸部の延在方向に直交する方向へ傾斜していて、傾斜しているセラミックス基盤の上側の端部には、前記セラミックス基盤に給水する給水機構が設けられていることにより、セラミックス基盤に給水機構より給水された水を傾斜の上方から下方に移動させてセラミックス基盤全体に水を行き渡らせる事ができる。また、セラミックス基盤は、凸部の延在方向に直交する方向へ傾斜していることにより、コケが下方に流されることを防ぐことができる。
図1(a)、(b)に示すように、本実施の形態によるコケ緑化基盤1は、ビルなどの建築物の屋上11に設置されている。
コケ緑化基盤1は、多孔質のセラミックス焼結体からなる板状のセラミックス基盤2と、セラミックス基盤2の一方の面から突出した複数の凸部3と、複数の凸部3間に設けられたコケ4と、セラミックス基盤2に給水を行う潅水チューブ(給水機構)5とから概略構成される。
例えば、セラミックス基盤2および凸部3は、共に25mm程の厚さに形成されていて、凹部6の幅は10〜100mm程に形成されている。
凸部3の上面には、日射や熱を反射させる高反射塗料7が塗布されている。
また、所定の厚さの板状に形成されたセラミックス焼結体は、その面方向を上下方向として設置され上方から給水されると、給水された水を吸収し、許容保水量を超えた水を、主に側面から排出し下面からはほとんど排出しない構造である。
コケ4は、セラミックス基盤2および凸部3が保水している水分を吸収して育成される。
凹部6の長さ方向の一方の端部には、コケ4の流出を防ぐ縁部8(図1(a)参照)が形成されている。なお、凹部6の長さ方向の端部には、縁部8が設けられていなくてもよく、両方の端部に縁部8が設けられていてもよい。
まず、セラミックス基盤2の上面に互いに間隔Dをあけて凸部3を配列する。
そして、凸部3が設置されたセラミックス基盤2を、凸部3の幅W方向が、屋上11の水勾配の方向と同じとなるように屋上11の水勾配に沿って配設する。なお、屋上11の水勾配が15°を超える場合は、屋上11とコケ緑化基盤1との間に角度を調整するスペーサーなどを設けて、コケ緑化基盤1の傾斜が15°を超えないように調整することが好ましい。これは、セラミックス基盤2および凸部3に保水された水が傾斜によって側方から排出されることを防ぐためである。、
続いて、セラミックス基盤2の傾斜の上側に潅水チューブ5を設置する。この潅水チューブ5は、常にセラミックス基盤2へ給水を行う必要はなく、必要に応じて給水を行えばよい。セラミックス基盤2に供給された水は、セラミックス基盤2に保水され、この水分を吸収してコケ4が育成される。
なお、潅水チューブ5は、例えば乾燥時期のみに設置し常時設置しなくてもよい。
続いて、セラミックス基盤2上の凹部6にコケ4を植栽する。このとき、コケ4を植栽したシートなどを凹部6に設置してもよい。
第一の実施の形態によるコケ緑化基盤1によれば、セラミックス基盤2が保水性を有するため、セラミックス基盤2に含まれる水分を吸収してコケ4が育成することができる。
また、セラミックス基盤2は、二元構造の気孔を持つセラミックス焼結体から形成されているので、従来のセラミックス焼結体よりも保水性が高く、コケ緑化基盤1への給水のメンテナンスを軽減することができる。
また、セラミックス基盤2および凸部3は、その面方向を上下方向として設置され上方から給水されると給水された水を吸収し許容保水量を超えた水を主に側面から排出し下面からはほとんど排出しない構造のセラミックス焼結体で形成されているので、セラミックス基盤2に給水された水をセラミックス基盤2全体に均一に行き渡らせることができる。また、凸部3に吸収され許容保水量を超えた水は、凸部3の側面から排出されるので、凹部6に流入してコケ4に給水することができる。
また、従来のような土壌にコケ4を植栽する構成と比べて、土壌を必要としないので、飛散した土壌を回収する必要がなく、また土壌の流出をふせぐ回り縁などの施工が必要ないと共に、コケ4以外の雑草などが侵入することを防ぐことができる。
また、凸部3の上面には、高反射塗料7が塗布されていることにより、熱や日光を反射しコケ緑化基盤1の温度を低下させることができ環境改善を図ることができる。
また、コケ4は凹部6内に配設されて、高さが凹部6の深さよりも低いので、コケ緑化基盤1に、人が載った場合にも、人に踏まれることがなく、コケ4を凹部6内に良好に維持することができるので、コケ緑化基盤1の施工やメンテナンスなどの作業が行いやすい。
また、凸部3とコケ4とが交互に配列したデザインであるので、デザイン性を高めることができる。
図2(a)、(b)に示すように、第二の実施の形態によるコケ緑化基盤21は、板状のセラミックス基盤2の上にステンレス鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等の高耐食性鋼板で形成された凸部22が形成されている。
この凸部22は、第一の実施の形態の凸部3(図1参照)と同様に帯状に形成されており、複数の凸部22が延在方向に直交する方向へ互いに間隔をあけて設けられている。隣り合う凸部22間に形成された凹部23にはコケ4が配設されている。
コケ緑化基盤31は、折版屋根32の上部側に突出する凸部32aに固定金具33で固定されている。
第三の実施の形態では、設置する屋根の形状に関わらずコケ緑化基盤31を設置できることがわかる。
例えば、上述した実施の形態では、コケ緑化基盤1、21の凸部3、22の上面に高反射塗料7を塗布しているが、高反射塗料7を塗布しない構造としても良い。
また、上述した第一の実施の形態では、セラミックス基盤2に凸部3を接着しているが、セラミックス基盤2の一部を削って複数の凹部6を形成し、この凹部6間を凸部3としてもよく、セラミックス基盤2と凸部3とを一体に成形してもよい。
また、上述した第二の実施の形態では、凸部22の上面が傾斜しているが、凸部22の上面は傾斜していなくてもよい。
また、本実施の形態では、コケ緑化基盤1、21、31に潅水チューブ5が設けられているが、潅水チューブ5を設けないコケ緑化基盤としてもよい。
2 セラミックス基盤
3、22 凸部
4 コケ
5 潅水チューブ(給水機構)
6、23 凹部
7 高反射塗料(反射塗料)
Claims (5)
- 珪藻土およびバイオマスケイク由来のマイクロ気孔と人工的に生成させたミリメートルサイズのトンネル構造孔隙とが相互に連結された二元構造の気孔を持つセラミックス焼結体からなるセラミックス基盤と、
前記セラミックス基盤から突出し帯状で延在方向に直交する方向へ互いに間隔をあけて複数配列された凸部と、
隣り合う前記凸部間に配設されたコケとを備えることを特徴とするコケ緑化基盤。 - 前記凸部は、珪藻土およびバイオマスケイク由来のマイクロ気孔と人工的に生成させたミリメートルサイズのトンネル構造孔隙とが相互に連結された二元構造の気孔を持つセラミックス焼結体から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコケ緑化基盤。
- 前記凸部は、ステンレス鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等の高耐食性鋼板で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコケ緑化基盤。
- 前記凸部は、光および熱を反射する反射塗料が上面に塗布されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコケ緑化基盤。
- 前記セラミックス基盤は、前記凸部の延在方向に直交する方向へ傾斜していて、傾斜している前記セラミックス基盤の上側の端部には、前記セラミックス基盤に給水する給水機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコケ緑化基盤。
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