JP5290913B2 - 遠心式送風機のケーシング成形装置 - Google Patents

遠心式送風機のケーシング成形装置 Download PDF

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本発明は遠心式送風機のケーシング成形装置に係り、詳しくは、背板の両側縁にシーミング溝を形成し、そのシーミング溝に側板の周縁を嵌め、その溝を左右から圧してケーシングを非溶接で組み立てることができるようにした成形装置に関するものである。
図18に示す遠心式送風機は、プラント設備中の例えば燃焼装置に多量の空気を供給するために使用される。吸込口41から取り入れられた空気は、設置台42aに載せられたモータ42により回転される図示しない遠心羽根によって加圧され、吐出口4aからダクトを介するなどして送り出される。この遠心式送風機で大量の送風が必要とされる場合、羽根車の直径は1.5メートルになることが珍しくない。その場合、ベルマウス状の吸込口を支える手前の側板2a、羽根車とモータとを仕切る向う側の側板2bの両者間に配置され、渦巻状の空間を覆うべく側板の周縁に固定される背板3の展開長さは5メートル近くにもなる。
渦巻室5を形成するケーシング4は、図19の(a)に示されるように、側板2a,2bの周縁に背板3bの側縁を突き合わせ、渦巻状面板に裁断されている側板の縁部に沿うように溶接して製作される。このような突き合わせ溶接で形成されるケーシングの例が、特開2000−9087の図7に記載されている。連続したビード43を形成する溶接は渦巻室5の気密を保つので、500mmAq程度の耐圧性は簡単に発揮させることができる。
この程度の圧力に耐える側板や背板の厚みは、例えば1.6ないし2.3ミリメートルもあれば充分である。ところが、送風量が多くなると側板の直径のみならず背板の幅も大きくせざるを得ず、薄くて広い鉄板をケーシングに適用すると、溶接による局部的な加熱が背板や側板を変形させる。歪の少ないケーシングにするには板金作業による手直しが欠かせない。側板のサイズや作業環境によって変形の程度は違ってくるので、手直しは熟練工に委ねねばならずまた製作工数の増大も招く。
溶接歪の発生を回避しようとすると、側板に背板を常温で取りつけねばならない。かみあわせ接合は母材の塑性変形に頼るだけであるので好適であると言える。特開2004−218622の図3には、図19の(b)に示したように、側板2cの周縁にシーミング溝6Aを予め成形しておき、背板3cの側縁を折り曲げて形成したフランジ44を嵌めてシーミングすることが開示されている。
渦巻状輪郭を持つ側板の周縁を折って予めシーミング溝を形成することになるので、溝にはしわが入りやすい。平板の段階にある背板の側縁にフランジを立てることは容易であるが、側板2cのシーミング溝成形工程と背板3cのフランジ成形工程とは互いに独立するから、工数が増えることは否めない。すなわち、一つの成形装置によって平板状態から渦巻状のケーシングを実質的に連続処理して成形することができないから、それぞれを成形する装置ならびにそれらの間を輸送する装置も必要であり、設備費は高くつき設置面積も広く確保せねばならなくなる。
加えて、側板におけるシーミング溝にしわが入ると、背板のフランジを挟んでシーミングしても気密度の高いかみあわせは期待しがたい。結局、化学的材料に頼るシール処理が必要となる。上記した特開2004−218622の図9には、このようなことを回避するのに都合のよいシーミング機構が開示されている。これは、図19の(c)に示すように、側板2の周縁は曲げ加工されず、背板3の側縁のみにシーミング溝6,6が形成される。
ケーシング4は、図20の下部の三点の部品を準備して嵌めあわせれば、上部に表されたように組み上げることができる。背板3は、図21に示すように、シーミング溝6(誇張表示が各断面に対応して描かれている)を側縁に形成して全体が渦巻状に曲げられたものとなっていればよい。しかし、このような形状の背板が成形できたとしても、各シーミング溝に側板を嵌めてケーシングとして組み立てようとすると、常時保形のための専用治具が必要となる。この治具は側板の直径や背板の幅にふさわしいものでなければならないから、サイズの異なるケーシングを製作しようとすると、その都度サイズに適した治具を幾つも準備する必要に迫られる。
特開2000−9087 特開2004−218622
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ケーシングが大型化しても側板や背板に部分的な変形をきたすことなく成形できること、背板にシーミング溝を形成する工程と側板をかみあわせ接合する工程とを一つの装置上で実質的に連続させて成形設備のコンパクト化が図られること、サイズの異なるケーシングごとの保形治具の準備は可及的に排除できることを実現した遠心式送風機のケーシング成形装置を提供することである。
本発明は、図20に示した渦巻状縁部2Aと直線状縁部2Bとが連なった周縁を備えて対向する二枚の側板2に、その周縁を取り巻くように背板3を固定することにより、羽根車のための渦巻室5が形成される遠心式送風機のケーシング成形装置に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、水平な姿勢で供給される帯状プレート20の両側縁に背板3として必要とされる断面U字形をなすシーミング溝6(図3を参照)を成形するとともに、そのワークを送り出す長手方向に並ぶ幾つかの成形ロール7と、最終段の成形ロール7から出た直後のシーミング溝6に側板2の渦巻状縁部2Aが嵌められた状態(図5を参照)で、そのシーミング溝6を乗載する第一支持手段10と、その第一支持手段上にあるシーミング溝6に嵌められた側板2の縁部を溝底に付勢しておく押さえローラ9と、その押さえローラ9の直下に位置して側板2の縁部が嵌められたシーミング溝6を側方から押圧して変形させ、背板3の側縁を側板2の周縁に固定するシームローラ8(図3も参照)と、渦巻状縁部2Aのシーミングを終えた後の直線状縁部2Bに背板3をシーミングするため前進したワークを乗載する第二支持手段11と、直線状縁部2Bをシーミングするため、シームローラ8により第二支持手段11上で前進するワークの速度に合わせて押さえローラ9を前進させるアクチュエータ16とを備えたことである。
押さえローラ9は、図1に示すように、シームローラ8の直上空間に配置されるように揺動可能アーム18に軸承される。その揺動可能アームには、側板2の倒れ防止用ローラ17を取りつけておくとよい。
図3に示す帯状プレート20の両側縁に対応して配置された二群のうちの一方の群の成形ロール7、第一支持手段10、押さえローラ9、シームローラ8、第二支持手段11、アクチュエータ16が一つの可動支持架台13に装着される。これは、他方の群に対して離接動可能(その可動支持架台13が横行可能)となっている(図2を参照)。
シームローラ8Mは台形断面を有し(図14(e)を参照)、押さえローラ9により変形した側板2(板面から少し偏位した位置での押さえ力により反りが発生する)を矯正できるようにしている。
本発明によれば、シーミング溝を乗載する第一支持手段とその上方に配置される押さえローラおよびシーミング溝を左右から挟む位置のシームローラとが設けられるので、最終段の成形ロールから出た直後のシーミング溝を支持し、これに嵌められた側板の縁部を溝底に確実に付勢した状態でシームローラによりかみあわせ接合ができる。そして、後続のシーミング溝を背板に成形しながら第一支持手段上に順次送り出すことが可能である。
渦巻状縁部のシーミングを終えた後に前進したワークを乗載する第二支持手段と前進するワークの速度に合わせて押さえローラを前進させるアクチュエータとが設けられているから、第二支持手段上においてもシーミング溝に嵌められた側板の縁部は溝底に依然として確実に付勢された状態に保たれる。側板の直線状縁部はシーミングされた渦巻状縁部に連続してシームローラによりシーミングされることになる。
溶接ビードが形成されることはないから、溶接による熱歪の無いプレス加工ケーシングを可能にする。側板や背板が熱変形をきたすことはなく、背板にシーミング溝を形成する工程と側板をかみあわせ接合する工程とを一つの装置上で実質的に連続させることができる。成形設備はシーミング溝の成形する機械的手段とこれに続くシーミング処理手段とを備えるにすぎないから、設備の小型化や占有面積の狭小化が図られる。ケーシングのサイズが異なってもワークごとに保形用の治具を準備しておくなどといったことは特に必要でなくなる。
押さえローラを揺動可能なアームで軸承しておけば、シームローラの直上空間に配置され、側板の周縁が背板のシーミング溝底にしっかり押しつけられた状態で気密度の高いシーミングを施すことができる。
揺動可能アームに側板の倒れ防止用ローラを取りつけておけば、押さえローラを所望する位置に配するだけで、倒れ防止用ローラを側板にあてがうことができる。ローラを長くしておけば側板のサイズに関係なく機能させることができる。
帯状プレートの両側縁に対応して配置された二群のうちの一方の群の成形ロール、第一支持手段、押さえローラ、シームローラ、第二支持手段、アクチュエータが一つの可動架台に装着される。この可動架台が横行可能となっていれば、幅寸法の異なる背板にも、その両側縁にシーミング溝を同時に成形できる。かつ、その溝に側板をかみあわせ接合し、一つの成形装置で所望幅のケーシングを一連の処理により成形することができる。
シームローラを台形断面としておき、押さえローラにより変形した側板を矯正できるようにしておけば、側板が薄いうえにその板面から偏位した位置で押さえローラが作用することに原因して発生する側板の反りをシームローラで矯正することができる。
本発明に係る遠心式送風機のケーシング成形装置の全体正面図。 図1のII−II線矢視であって、成形装置の前面図。 成形装置による成形概念説明図。 側板の周縁に順次背板のシーミング溝をかみあわせ接合している工程図。 側板の開口縁に押さえローラを配するとともに倒れ防止用ローラを側板にあてがった作業図。 押さえローラを上下方向に変位させる機構の動作説明図。 押さえローラを左右方向に変位させる機構の動作説明図。 成形装置におけるシーミング溝の成形原理図。 整流ベーン付き背板とする場合のシーミング直前作業説明図。 シーミング溝に側板の渦巻状縁部始点部を嵌めた作業説明図。 渦巻状縁部の約90度分をシーミングした作業図。 シームローラ近傍における背板支持概念図。 図12中における各矢視図。 押さえローラによる側板の押さえ態様と側板の反りの発生および矯正の説明図。 側板の大径開口にリング状レールを取りつけるときの説明で、(a)は(d)の左側面図、(b)は(d)の右側面図、(c)は治具装着の準備図、(d)は治具を側板に装着した状態図。 側板の小径開口にリング状レールを取りつけるときの説明で、(a)は開口の大きさが異なる片吸込み送風機用側板の一対斜視図、(b)は(e)の左側面図、(c)は(e)の右側面図、(d)は治具装着の準備図、(e)は治具を側板に装着した状態図。 整流ベーンのない背板の場合のシーミング直前作業説明図。 本発明が適用される送風機の一例の斜視図。 ケーシングを形成するため側板に背板を取りつける態様図。 ケーシングの分解図。 背板の斜視図。
以下に、本発明に係る遠心式送風機のケーシング成形装置を、その実施の形態を表した図面をもとに詳細に説明する。図1は遠心式送風機のケーシングを成形する装置1の全体図で、図18のX−X線矢視である図19の(c)に示したように、対向する二枚の側板2の周縁を取り巻くように背板3をシーミングにより固定されるケーシング4に適用される。ケーシングは羽根車のための渦巻室5を形成するものであり、それに使用される側板2の周囲は、図20に示した渦巻状縁部2Aが大部分を占め、吐出口4aに向かう箇所で直線状縁部2Bとなって連なった周縁を形成する。これは、側板2と背板3との一体化を溶接ビードによらず、溶接熱歪を生じさせることのない非溶接ケーシングで実現しようとするものである。
この成形装置における主たる成形手段は、図3に示したシーミング溝6を形成させる成形ロール7と、シーミング溝を介して側板を背板にかみあわせ接合するシームローラ8である。シーミングを確実なものにするために図4(a)に示すように側板2をシーミング溝底に圧しつける押さえローラ9も備えられ、これらが作用しあってケーシング4(図20を参照)が成形されるようになっている。これらに加えて、側板2の渦巻状縁部2Aをまさにシーミングしようとするシーミング溝6を支持する第一支持ローラ10と、図4(d)に示す渦巻状縁部2Aのシーミング後に直線状縁部2Bをシーミングするためにワークを直線移動させる間支持しておく第二支持ローラ11とが、それぞれ第一支持手段、第二支持手段として設けられる。
シーミング溝6は、図21に示したように背板3の両縁部に形成されるが、その成形工程とそれに続くシーミング工程とは同時であるが縁部ごとに行われる。そのため、一つの縁部に作用する図1に示す成形ロール7、シームローラ8、押さえローラ9、第一支持ローラ10、第二支持ローラ11が図3に示すように一つの群をなし(図3では押さえローラ9を図示せず)、これらが図2に示す支持架台12に装着される。そして、他の縁部に作用する成形ロール7、シームローラ8、押さえローラ9、第一支持ローラ10、第二支持ローラ11が他の群をなして支持架台13にも装着される。なお、一方の架台12は固定されるが、支持架台13は成形装置上で横行可能とされ、幅の異なる寸法の背板3であっても、それに合わせてシーミング溝の形成とシーミング処理ができるように、固定支持架台12に対して離接させることができるようになっている(図3および図2中の矢印14を参照)。
側板2の渦巻状縁部2Aをシーミングするとき、図4の(a)ないし(c)に示すように、押さえローラ9は上下動が許容される。なお、各図中の二点鎖線による表示の側板2は、実線表示の側板2が90度前にあったときの状態の姿勢である。直線状縁部2Bをシーミングするときには押さえローラ9を(d)の矢印15のように前進させることが必要であり、そのためのアクチュエータとしての図1に示す直線運動用シリンダ(油圧シリンダ)16も設置される。また、側板2の渦巻状縁部2Aのシーミング中に未シーミング部2m(図4の(c)を参照)がばたついたり倒れかけるのを防止しておくため、図5のように側方から側板2に接触する倒れ防止用ローラ17が設けられる。
押さえローラ9と倒れ防止用ローラ17とは上下および左右に揺動可能なアーム18ごとに装着される。図1に示すように、この揺動可能アーム18とこのアームを前後進させる上記した油圧シリンダ16も前記した群ごとのアームキャリア1A(図2も参照)に設置される。そして、図1のごとくアームキャリアに搭載の支持コラム1Bに俯仰用シリンダ19が支承され、図6に示すごとく、その作動ロッド19aの先端が揺動可能なアーム18に連結される。側板2にあてがう倒れ防止用ローラ17は長くしておけば、側板のサイズに関係なく機能させることができる。なお、図6中の符号18aは、シリンダ等を無負荷にした状態で作業員が押さえローラ9等を所望する位置に運ぶべく、揺動可能アーム18を動かすためのグリップである。
以上は全体概略であり、以下個々に詳しく述べる。成形ロール7は図1に示すようにワークを送り出す長手方向に並ぶ例えば8組の上下ロールからなり、図3に示すようにシーミング溝6を成形するとともに背板3を矢印3Mの方向へ送り出すように機能する。図8中には上ロール7Uの下半分と下ロール7Lの上半分をかみ合わせているカリバーの変化が表されている。上流側では背板3の縁部を浅く変形させ、下流側では徐々に深く変形させることにより、水平な姿勢で供給される帯状プレート20の両側縁に背板3として必要とされる断面U字形のシーミング溝6が形成される。
成形ロール7は、図1から分かるように、最上流側の二組が電動機21から駆動ギヤ22に伝動された動力で回転するが、三番目以降の成形ロール7は、上流側の下ロールの回転を伝達する同調ギヤ23を介して駆動される。上下のロールは図2に示すように各ロール軸に取りつけたギヤ24,25を噛み合わせて同速度で回転される。したがって、成形ロール7は一斉に帯状プレート20を前進させながらシーミング溝を形成する。なお、図8のように、帯状プレート20の先頭部分でシーミング溝6が完成されていても、後続の部分ではシーミング溝が成形中の状態におかれる。
これは成形ロール7が帯状プレート20の全長にわたってシーミング溝6を完成させるまで、成形中の摩擦力で帯状プレートを前進させることができるようにするためである。これによって、成形中の背板3は、シーミング溝6が完成された箇所をシームローラ8に向けて押し出す(図3を参照)。シームローラ8もシーミングした部分を送り出すように作用するから、図4の(a)のごとく、渦巻状縁部2Aを有し回転のみが許容された側板2の周縁はシーミングした背板3を持ち上げる。結局、渦巻状縁部2Aにシーミングされた背板3は、成形ロール7による押し出しによって側板2を取り巻くようになる。
第一支持ローラ10は、最終段の成形ロール7から出た直後のシーミング溝6を乗載するものである。もちろん、このシーミング溝6に渦巻状縁部2Aが嵌められた側板2を押さえローラ9により溝底に押しつけても、シーミング溝6が沈まないように支持する。この状態でシームローラ8が側板2の周縁を接線方向に送り出しながら背板3の側縁を側板2の周縁に固定することになるから、シーミング溝6は回転のみが許容されている側板2の周縁をたどる。完成したシーミング溝6が側板2とシーミングされても帯状プレート20にシーミング溝6の未完部分があるかぎり、成形ロールは後続するシーミング溝6の成形と背板3の押し出しを続け、それを図4の(b)にも示すように第一支持ローラ10に乗載させる。
押さえローラ9は、図4にあるように、第一支持ローラ10上にあるシーミング溝6に嵌められた側板2の縁部を溝底に常時付勢しておくもので、図5からも分かるように、揺動可能アーム18によってシームローラ8の直上に配される。この押さえローラ9による付勢力が強いとシームローラ8によってシーミングされている最中の渦巻状縁部2Aは、常に側板2の最下点にあることになる。シーミングの済んだシーミング溝6は図11や図4に示すように渦巻状縁部2Aとともに回転しながら上昇し、結局はシーミング溝6が渦巻状縁部を確実に取り巻く。
この付勢力が弱くて渦巻状縁部2Aがシーミング溝底から浮くことにでもなれば、シームローラ8の位置におけるシーミング部は側板2を挟みきれず、遂にはシーミング溝6が側板2から外れることになる。それゆえ、押さえローラ9は極めて重要な役目を果たす。このように、押さえローラ9をシームローラ8の直上空間もしくはその近傍に配置できると、側板2の周縁が背板3のシーミング溝底にしっかり押しつけられた状態で気密度の高いシーミングを施すことができる。ちなみに、揺動可能アーム18のシームローラ直上配置後は、図7に示す横振れ抑えシリンダ26が左右方向の振れを止める。
上記したシームローラ8は図5に示すように押さえローラ9の直下に位置して側板2の縁部が嵌められたシーミング溝6を両側方から押圧して変形させ、背板3の側縁を側板2の周縁に固定するものである。図12はシームローラ8の近傍を表しているが、それぞれの矢視が図13に取り出されている。(a)はシーミング直前の状態を示し、左右各一対のシームローラ8の間に第一支持ローラ10で支持されたシーミング溝6とそれに嵌められた側板2が配置される。各対におけるシームローラ8のうち内側のローラ8Bは図示しない支持架台上で不動の位置をとる。外側ローラ8Aは(b)中の黒矢印27のようにシーミング溝6に対して図示しない油圧シリンダによって離接可能である。この変位はシーミング溝6を側方から圧してかみあわせ接合力を生み出す。
外側ローラ8Aは変位するだけでなく図13の(c)のように垂直軸回りに駆動され、遊動する内側ローラ8Bと協働してシーミング溝6に側板2をシーミングしながら送り出す。このシームローラ8のシーミング溝6との接触面は滑らかな円筒面でもよいが、図12の(b)に示すように、ローレット8aを施しておいてもよい。シーミング面に小さな凹凸を幾つも生じさせることになるので、多数の点による加圧は実質的に接触面圧を高めてかみあわせ接合力を上げることになる。
第二支持ローラ11は、図4(d)に示すように、渦巻状縁部2Aのシーミングを終えた後の直線状縁部2Bに背板3をシーミングするため前進したワークを乗載するもので、(c)から(d)へ移行する過程で背板3を支持する。直線状縁部2Bのシーミングは側板2の最下点が水平に連続するので、側板2は回転しようがなく、結局はワークが直進する。この直線状縁部2Bのシーミングは吐出口4aの相当箇所手前まで続けられる。この第二支持ローラ11は図13の(d)に示されるようにシーミング溝6を支えるのではなく、その内側の背板3の腹面を支持する。シームローラを通過した後のワークの移動中の方向安定を図るためである。したがって、図10や図11の段階では第二支持ローラ11は何も支持していない。
ところで、図4の(c)の状態では、シーミング溝6の形成された背板3は、最終段の成形ロール7から出てしまっている。成形ロール7による背板3の送り出し作用は消失するが、シームローラ8によるシーミングはワークを前進させる。シームローラ8を出て、ワークが第二支持ローラ11に乗った状態になると、前進力を失って停止する(図4の(d)を参照)。この停止までは、押さえローラ9による側板2のシーミング溝6への押しつけは欠かせないが、図4の(a)から(c)で分かるように上下動しかしない押さえローラ9を、(c)から(d)への移行の段階では水平方向に動かさねばならない。そのために、油圧シリンダ16(図1を参照)によって押さえローラ9を装着した揺動可能アーム18を前進させるようにしている。その速度は、シームローラ8により第二支持手段10上を前進するワークの速度に合わせておくことは言うまでもないが、多少の不一致は許される。
以上述べた構成をもとにして、成形装置の運転手順を説明する。まず、製作するケーシング4の幅に見合うように図2中の仮想線で示す可動支持架台13をスクリューロッド28の回転によって固定支持架台12に近づけ、成形ロール7の対向間隔を調節する。図8に示す帯状プレート20を図1のローラベッド29に載せ、幅決めローラ30によってパスライン31に合わせる。電動機21を駆動して成形ロール7を回転させ、帯状プレート20を前進させながらシーミング溝6を形成する(図3を参照)。第一支持ローラ10に載った帯状プレート20の先端がシームローラ8に到達すると(図3の状態)、成形ロール7の回転を停止させる。いま述べようとする例は、図18に示したような整流ベーン32を持つケーシング4を対象とする。この整流ベーンは、羽根車によって加圧された空気の渦巻室5から吐出口4aへの流れの乱れを少なくしておくためのものである。
図9に示すように、整流ベーン32が帯状プレート20の先端に点溶接34で仮づけされる。次に、図10のごとく、側板2をシーミング溝6に配置する。そして、渦巻状縁部2Aの始点となる部分をシーミング溝6の底に到るように嵌める。側板2は吸込口のための大きな孔があけられているが単なる薄い一枚の鉄板にすぎないので、シーミングが始まるまでの姿勢を維持させるため、シーミング溝6と接触している箇所に点溶接34を施し仮止めされる。整流ベーン32との接触部にも幾つかの点溶接34が施される。他のシーミング溝6における側板2にも同様の処理が施される。
次に、図5に示したグリップ18aを掴んで誘導し、押さえローラ9を側板2に設けられた丸い開口の縁部35に乗載して、側板2を押し下げる(図14の(a)を参照)。なお、押さえローラ9を側板2の丸い開口の薄い縁部35に載せるわけにいかない場合、図14と図15に示した例えばリング状レール36aを持つ治具37Aを使用すればよい。これは、側板表面押さえ36Aと側板への固定用の係止爪36bとよりなり、これによって側板2を補強する。そして、開口の縁部35にほぼ相当する部位であるL(図14を参照)だけ偏位した位置のレール36aに押さえローラ9を載せるようにすればよい。
ところで、図14の(e)においては、シームローラ8Mを台形断面すなわち円錐台状として、押さえローラ9により変形した側板2(1.6mmといった薄い側板の場合、板面から偏位した位置での押さえ力により反りが発生する)を矯正できるようにしている。すなわち、押さえローラ9の作用点が側板2からずれると図14の(d)のように反り38が発生する。これでは、シーミングされたあとのワークにその反りを残す。それを回避すべく図14の(f)のような変形を与えて、逆反り39による側板2の面内変形を矯正しようとするものである。
以上は図18に示した片吸込み形の送風機を例にして述べたが、両吸込み形の送風機にも適用することができる。上記した図14は、両吸込み形用の側板2の変形を説明していることが分かる。図15は片吸込み形の一方であれ両吸込み形の両方であれ、大径開口40Lに押さえローラ9を適用した態様を示している。図16は片吸込み形を対象としているので、側板2の一方が小径開口40Sとなっている。この場合に押さえローラ9を開口に直接配置するのは不可能であるから、それを可能にする回転用ハンドル36cのついた側板裏面押さえ36Bを備える治具37Bが(b),(c),(d)に記載された構成で採用される。(e)はそれを装着した状態を示す。
ちなみに、図9は整流ベーン32が帯状プレート20の先端に取りつけられるとして説明した。しかし、整流ベーンが採用されない送風機においては、図17のように整流ベーンの溶接作業を飛ばして次の工程に進められる。また、第一支持手段および第二支持手段を第一支持ローラ10や第二支持ローラ11と例示したが、これらの手段は上記説明からして、背板を支持しかつ移動を可能にするスキッドといったものに代替させることも差し支えない。
以上詳細に述べたが、最終段の成形ロールから出た直後のシーミング溝を支持し、これに嵌められた側板の縁部を溝底に確実に付勢した状態でシームローラによりかみあわせ接合ができ、かつ後続のシーミング溝を背板に成形しながら第一支持手段上に順次送り出すことができる。第二支持手段上においてもシーミング溝に嵌められた側板の縁部は溝底に依然として確実に付勢された状態に保たれ、側板の直線状縁部はシーミングされた渦巻状縁部に連続してシームローラによりシーミングされる。
溶接ビードが形成されないから、溶接による熱歪の無いプレス加工ケーシングが実現される。背板にシーミング溝を形成する工程と側板をかみあわせ接合する工程とを一つの装置上で実質的に連続させることができる。成形設備はシーミング溝の成形する機械的手段とこれに連続するシーミング処理手段とを備えるにすぎないから、設備の小型化や占有面積の狭小化が可能となる。ケーシングのサイズが異なってもワークごとに保形用の治具を準備しておくなどといったことも特に必要でなくなる。
帯状プレートの両側縁に対応して配置された二群のうちの一方の群の成形ロール、第一支持手段、押さえローラ、シームローラ、第二支持手段、アクチュエータが一つの可動支持架台に装着され、この可動支持架台が横行可能となっているから、幅寸法の異なる背板にも、その両側縁にシーミング溝を成形でき、かつその溝に側板をかみあわせ接合して、一つの成形装置で、所望幅のケーシングを成形することができる。
1…成形装置、2…側板、2A…渦巻状縁部、2B…直線状縁部、3…背板、4…ケーシング、5…渦巻室、6…シーミング溝、7…成形ロール、8,8M…シームローラ、9…押さえローラ、10…第一支持ローラ(第一支持手段)、11…第二支持ローラ(第二支持手段)、12…支持架台(固定支持架台)、13…支持架台(可動支持架台)、16…アクチュエータ(直線運動用シリンダ、油圧シリンダ)、17…倒れ防止用ローラ、18…揺動可能アーム、19…俯仰用シリンダ、20…帯状プレート、38…反り、39…逆反り。

Claims (5)

  1. 渦巻状縁部と直線状縁部とが連なった周縁を備えて対向する二枚の側板に、その周縁を取り巻くように背板を固定することにより、羽根車のための渦巻室が形成される遠心式送風機のケーシング成形装置において、
    水平な姿勢で供給される帯状プレートの両側縁に背板として必要とされる断面U字形をなすシーミング溝を成形するとともに、該ワークを送り出す長手方向に並ぶ幾つかの成形ロールと、
    最終段の成形ロールから出た直後のシーミング溝に側板の渦巻状縁部が嵌められた状態で該シーミング溝を乗載する第一支持手段と、
    該第一支持手段上にあるシーミング溝に嵌められた側板の縁部を溝底に付勢しておく押さえローラと、
    該押さえローラの直下に位置して側板の縁部が嵌められたシーミング溝を側方から押圧して変形させ、背板の側縁を側板の周縁に固定するシームローラと、
    前記渦巻状縁部のシーミングを終えた後の直線状縁部に背板をシーミングするため前進したワークを乗載する第二支持手段と、
    直線状縁部をシーミングするため、シームローラにより第二支持手段上を前進するワークの速度に合わせて前記押さえローラを前進させるアクチュエータとを備えたことを特徴とする遠心式送風機のケーシング成形装置。
  2. 前記押さえローラは、前記シームローラの直上空間に配置されるように揺動可能なアームに軸承されていることを特徴とする請求項1に記載された遠心式送風機のケーシング成形装置。
  3. 前記揺動可能アームには、側板の倒れ防止用ローラが取りつけられていることを特徴とする請求項2に記載された遠心式送風機のケーシング成形装置。
  4. 前記帯状プレートの両側縁に対応して配置された二群のうちの一方の群の成形ロール、第一支持手段、押さえローラ、シームローラ、第二支持手段、アクチュエータが一つの可動架台に装着され、他方の群に対して離接動可能となっていることを特徴とする請求項1に記載された遠心式送風機のケーシング成形装置。
  5. 前記シームローラは台形断面を有し、前記押さえローラにより変形した側板を矯正できるようにしていることを特徴とする請求項1に記載された遠心式送風機のケーシング成形装置。
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