JP5290733B2 - 光反射シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光反射性に優れた樹脂発泡体からなる光反射シート、およびその光反射シートを安価に製造する方法に関する。
近年の省エネ指向に伴い、光源の光を有効に利用するための光反射シートが蛍光灯、看板、液晶ディスプレイなどに用いられている。いずれも全光線反射率(以下、単に「反射率」という)が高い方がエネルギー面、コスト面ともに有利となるため、これまで反射率の高い光反射シートを得るための工夫がなされてきた。
一般に、光の反射は屈折率の異なる物質同士の界面で生じ、反射の強度は両物質の屈折率の差が増えるほど大きくなる。したがって、シートの反射率を高めるためには、屈折率差の大きい異物質の界面をシートの厚さ方向に多数並べればよい。このようにして反射率を高める方法の1つとして、樹脂に屈折率の大きいフィラーを混ぜるとともに発泡させ、樹脂とフィラーとの界面および樹脂と気泡との界面で反射を生じさせるという技術が公開されている。例えば、特許文献1では、樹脂に樹脂との屈折率差が1.0以上である無機充填材を加えた上で発泡させ、反射率の高いシートを得ている。
特許第4005123号公報
特許文献1の技術では、シート中の気泡の平均気泡径が50〜650μmという範囲に限定されている。50μmという下限より気泡を小さくすると、光の拡散効率が落ちるという理由からであるが、特許文献1の技術では気泡を小さくできないために、無機充填材を多く入れなければ反射率を高くすることができなかった。しかしながら、樹脂に無機充填材を大量に配合した場合、成形性が低下し、コストが増加するという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、光の拡散効率を維持しつつ、成形性がよく、かつ、光反射性に優れた樹脂発泡体からなる光反射シート、およびその光反射シートを安価に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前述した問題を解決するために鋭意検討を行った結果、樹脂に対し、樹脂の屈折率よりも1.0以上屈折率が高いフィラーAと、平均粒子径がフィラーAよりも小さいフィラーBとを所定量加え、かつ、フィラー全体のうちのフィラーAの割合を所定量とした場合、高い反射率の光反射シートを製造できることを見いだした。なお、平均粒子径は、JISZ8825(レーザー回折法)のX50に準拠して測定した値を意味する。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜()に示す光反射シート、および下記()に示す光反射シートの製造方法を提供する。
(1)樹脂発泡体からなる光反射シートであって、前記樹脂発泡体を得るための樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に対し、前記熱可塑性樹脂よりも屈折率が1.0以上高いフィラーAと、フィラーAよりも平均粒子径が小さく、平均粒子径が100nm以下であるフィラーBとが合計で熱可塑性樹脂、フィラーAおよびフィラーBの合計量の9〜15wt%配合されているとともに、フィラーAの配合量がフィラーAおよびフィラーBの合計量の25〜75wt%であることを特徴とする光反射シート。
(2)フィラーAが酸化チタンであることを特徴とする(1)の光反射シート。
(3)フィラーBが炭酸カルシウムであることを特徴とする(1)または(2)の光反射シート。
(4)フィラーAの平均粒子径が100〜500nmであることを特徴とする(1)〜(3)の光反射シート。
)(1)〜()の光反射シートの製造方法であって、前記樹脂組成物を多孔ダイを有する押出機から押し出して得た多条発泡体を圧縮してシート状に成形することを特徴とする光反射シートの製造方法。
本発明において、フィラーAは、樹脂とフィラーとの界面で光を反射させるとともに、光の隠蔽性を高める役割を担っている。光の隠蔽性を高めるためには、フィラーの粒子径は光の波長の半分程度の大きさでなければならないが、この制約が気泡を小さくしにくいという一因になっていた。そこで、フィラーAよりも平均粒子径の小さいフィラーBを加えれば、フィラーBは気泡核剤として働き、気泡を微細にすることができる。また、平均粒子径の小さいフィラーBは光の拡散を助けるので、光の拡散効率を低下させることもない。したがって、フィラーAとフィラーBを合わせて用いれば、フィラーAあるいはフィラーBを単独で用いたときよりも光の拡散効率が良く、反射率の高い光反射シートを得ることができる。また、フィラーBとしてフィラーAよりも安価な素材を用いれば、高い反射率の発泡シートを安価に製造することができる。
本発明に係る光反射シートは、光の拡散効率が高く、光反射性に優れている。また、本発明に係る光反射シートの製造方法によれば、本発明の光反射シートを安価に製造することができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明に係る光反射シートの反射率(全光線反射率)は、97%以上であることが望ましい。反射率が97%を下回ると、光反射シートとしての性能が劣るからである。ここでいう反射率とは、JIS−K7105の測定法Bに準拠して、分光光度計(例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、形式U−4100、標準白色板:酸化アルミニウム)を用いて550nmの波長において測定した反射率[%]のことである。
光反射シートの厚さは、0.5〜3.0mmであることが望ましい。光反射シートの厚さが0.5mmを下回ると、二次成形時にシートが破れやすくなり、3.0mmを上回ると、ハンドリングが悪くなったり設置場所が限定されたりするからである。二次成形性とハンドリングとのバランスを考えると、光反射シートの厚さは0.5〜2.0mmであることが好ましく、0.5〜1.0mmであればさらに好ましい。
光反射シートの発泡倍率は、1.5〜10倍であることが望ましい。発泡倍率が1.5倍を下回ると、十分な反射率が得られないだけでなく、材料のコストが増大し、発泡倍率が10倍を超えると、光反射シートの剛性が不足するからである。反射率、材料コスト、剛性のバランスを考慮すると、光反射シートの発泡倍率は2〜8倍であれば好ましく、2〜5倍であればさらに好ましい。ここでいう発泡倍率とは、発泡前の熱可塑性樹脂組成物の密度を、JIS K7112のA法(水中置換法)にしたがって電子天秤(例えば、メトラートレド社製、形式:AG204)で測定した発泡体の密度で割って求めた値である。
本発明において、光反射シートを構成する主たる樹脂成分は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等を挙げることができる。可視光域における吸収が少ない点から、ポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂が特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレンブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。さらに、上記各樹脂のシラン変性体、カルボン酸変性体等の変性体なども用いることができ、また、これらの樹脂は単独または2種以上の混合物として使用することができる。価格と耐熱性のバランスを考えると、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを公知の方法で単独重合させたものであれば特に限定されるものではない。ポリマー側鎖の立体規則性に特に限定はなく、アイソタクティック、シンジオタクティック、アタクティックポリプロピレンのいずれをも使用することができる。また、プロピレンホモポリマーだけでなく、プロピレンと非プロピレンモノマーとの共重合体であるプロピレンコポリマーを用いてもよい。プロピレンコポリマーには、プロピレンと、エチレン、炭素数3〜8のαオレフィン、および炭素数4〜10のジエン等からなる群から選ばれるオレフィンモノマーとのランダム、ブロック、およびグラフトコポリマーが含まれる。
ポリプロピレン系樹脂の溶融張力に特に限定はなく、汎用ポリプロピレンと高溶融張力ポリプロピレンのいずれを用いてもよい。ここでいう高溶融張力ポリプロピレンとは、キャピラリーレオメータ(例えば、株式会社東洋精機製作所製キャピログラフ1C)に直径2mm、ランド長8mm、流入角90°のダイをセットし、温度230℃、ピストン降下速度20mm/min、引き取り速度2m/minで溶融張力を測定したときの値が100mN以上のポリプロピレンのことをいう。これらのポリプロピレンは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(以下MFRという)は、0.1〜10g/10minの範囲であることが望ましい。MFRが0.1g/10minを下回ると、負荷が高すぎて押出が困難になりやすいし、MFRが10g/10minを上回ると、ダイの圧力を十分に高く保つことが困難になるからである。押出時の負荷とダイの圧力とのバランスを考えると、MFRは0.5〜8g/10minであれば好ましく、1〜5g/10minであればさらに好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210に規定される方法により、温度230℃、荷重2.16kg(条件コード名M)で測定した値である。
本発明で用いる樹脂組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤、染料、顔料、加工助剤、衝撃改質剤、充填剤などが添加されていてもよい。
本発明において、フィラーAとしては、樹脂の屈折率より1.0以上高い屈折率、より好ましくは1.0〜1.1高い屈折率を持つフィラーであれば特に限定されない。フィラーAとしては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウムなどの粒子単体、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも酸化チタン、特にルチル型の酸化チタンを用いると、安価に高い隠蔽性と反射率を持つ光反射シートが得られる。なお、上記無機粒子同士の凝集を防ぐため、無機粒子の表面をカップリング剤で処理してもよい。フィラーAの平均粒子径は、光の隠蔽性を高めるために100〜500nmであることが好ましく、200〜300nmであればさらに好ましい。
本発明において、フィラーBとしては、平均粒子径がフィラーAよりも小さく、100nm以下であれば特に限定されない。より好ましくは、フィラーBの平均粒子径は、フィラーAの平均粒子径の1/5〜1/20である。フィラーBとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪酸アルミニウム、カオリン、カオリナイト、クレイ、珪藻土、モンモリロナイトなどの粒子単体、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも炭酸カルシウムを用いると、安価に微細な気泡を持つ発泡シートが得られる。なお、上記無機粒子同士の凝集を防ぐため、無機粒子の表面をカップリング剤で処理してもよい。フィラーBの平均粒子径は、気泡微細化の効果を高めるために、50nm以下であればさらに好ましい。

本発明において、フィラーAとフィラーBとを合わせた割合は、熱可塑性樹脂とフィラーの合計質量に対して9〜15wt%、特に10〜13wt%であることが好ましい。フィラーの総量が熱可塑性樹脂とフィラーの合計質量に対して9wt%を下回ると、気泡の微細化効果が十分でなく、フィラーの総量が熱可塑性樹脂とフィラーの合計質量に対して15wt%を上回ると、ガス抜けが多く発生し、気泡が微細になったとしても発泡倍率が低いため反射率は低下するからである。
本発明において、フィラー全体のうちのフィラーAの割合は、フィラーAとフィラーBーの合計質量に対して25〜75wt%、特に50〜75wt%であることが好ましい。フィラー全体に対するフィラーAの量が25wt%を下回ると、屈折率の高いフィラーの減少により反射率が低下することとなり、フィラー全体に対するフィラーAの量が75wt%を上回ると、気泡の微細化不足により、やはり反射率が低下することとなるからである。
本発明において、発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤のいずれを用いてもよい。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム、ビステトラゾール・ジアンモニウム、ビステトラゾール・ピペラジン、5−フェニールテトラゾールなどを単体、あるいは適宜ブレンドして用いることができるが、これらに限られるものではない。また、これら化学発泡剤には、分解温度を調節するための分解助剤(尿素等)を加えてもよい。
物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、水、空気、アルゴン、ヘリウム、希ガス等の無機ガス、あるいはブタン、ペンタンなどの有機ガスを単体で、または混合して用いることができるが、これらに限られるものではない。製造時の安全性、樹脂への溶解度の高さなどを考慮すると二酸化炭素が望ましい。
発泡剤として二酸化炭素を用いた場合、樹脂組成物と二酸化炭素の混合物全体中の二酸化炭素の濃度は、3〜15wt%であることが好ましい。二酸化炭素の割合が3wt%を下回ると、十分な気泡数と発泡倍率が得られず、15wt%を上回ると、ガス抜けや破泡が多くなる結果、やはり十分な気泡数と発泡倍率が得られないからである。気泡数と発泡倍率とのバランスを考慮すると、二酸化炭素の濃度は3〜12wt%であれば好ましく、5〜10wt%であればさらに好ましい。ここでいうガス濃度とは、マスフローメータ(例えば、Oval社製のD006H−SS−200)で測定したガス流量[g/min]を吐出量[g/min]で割って100を乗じた値をいう。吐出量は、ダイから吐出された樹脂の質量を1分間測定する作業を2回行い、その平均値として算出する。
本発明の光反射シートの製造方法としては、樹脂組成物中に発泡剤を含浸させた後に減圧あるいは加熱することで発泡させる、いわゆるバッチ発泡法を用いてよいし、押出機から樹脂組成物と発泡剤の混合物を押し出すと同時に発泡させる、いわゆる押出発泡法を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
押出発泡法の場合、発泡剤は押出機に供給する前にあらかじめ樹脂組成物に練りこんでもよいし、押出機の側面に設けたノズルから溶融した樹脂組成物に供給してもよい。また、本発明の光反射シートを製造するための押出機は1台であってもよいし、押出機を2台直列に接続したタンデムシステムを用いてもよい。樹脂中へのガスの溶解時間を稼ぐとともに、樹脂温度を十分に下げるという観点からは、タンデムシステムが好ましい。ダイとしてはTダイ、サーキュラーダイ、多孔ダイなどを使用できるがこれらに限定されるものではない。
本発明の光反射シートの製造方法としては、樹脂組成物を多孔ダイを有する押出機から押し出して得た多条発泡体を圧縮してシート状に成形する方法を好ましく採用することができる。上記のようにダイに多孔ダイを用い、孔の断面形状を正円にした場合、その直径は0.3〜2.0mmであることが好ましい。孔の直径が0.3mmを下回ると、異物による詰まりが発生しやすくなるとともに、あまりにもダイ圧が高まり、押出不能に陥る恐れがあり、孔の直径が2.0mmを上回ると、ダイの圧力が低くなり、良好な気泡数と発泡倍率を維持できない可能性があるからである。異物による詰まり、ダイ圧および良好な発泡性とのバランスを考慮すると、各孔の直径は0.5〜1.5mmであることが好ましく、0.5〜1.0mmであればさらに好ましい。
ダイに多孔ダイを用いた場合、押出された多条発泡体を圧縮する方法としては、ダイ出口直後にスチールベルトや成形ロールを設けて連続的に押しつぶす方法のほか、金属板で上下から非連続的に圧縮する方法が挙げられるが、これらに限られるものではない。幅の広い光反射シートを得るためには、ダイを出た直後に圧縮すること、具体的には発泡体の幅が多孔ダイの流路幅の70%にまで収縮する前に圧縮することが好ましい。
本発明の光反射シートの片面あるいは両面には、必要に応じて光安定剤を含有する塗布層を設けてもよい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系、シュウ酸アニリド系などの有機系の光安定剤、あるいはゾルゲルなどの無機系の光安定剤を用いることができるが、これらに限られるものではない。
ここで、本発明に係る光反射シートの製造装置の一例を示すが、本発明光反射シートの製造装置は下記装置に限られるものではない。図1は上記製造装置の概略図である。図中1は押出機を示す。押出機1には、ホッパー2、ガス供給ポート3、多孔ダイ4が設置されている。また、図中5はガス供給ポート3に接続されたガス供給管、6はガス供給管5に接続された二酸化炭素ボンベ、7はガス供給管5に介装されたガス流量制御装置を示す。押出機1は、樹脂を完全に溶融させるとともに、ガスを樹脂中に均一に分散させる役割がある。押出機1には、単軸押出機単体を用いてもよいが、ダイ出口において樹脂を十分に冷却するために、押出機を二台直列につないだタンデム押出機を用いた方が望ましい。押出機(タンデム押出機の場合は1段目の押出機)のL/D(押し出しスクリューの長さ/径)は30以上であることが望ましい。
次に、図1を参照して、本発明に係る光反射シートの製造方法の一例を示すが、本発明の光反射シートの製造方法は下記方法に限られるものではない。まず、ドライブレンドした樹脂および添加剤の混合物(以下、単に樹脂という)を押出機1のホッパー2に供給する。樹脂は押出機1内のスクリューの回転に伴い押出機1のバレル内を溶融しながら前進していく。一方、押出機1のバレルの中程に設置されたガス供給ポート3において、ガス流量制御装置7で制御された所定量の二酸化炭素がガス供給管5から押出機1に供給される。溶融した樹脂とガスはガス供給ポート3で接触し、押出機1内の高い圧力によりガスは樹脂中に溶解していく。押出機1内で均質に混合された樹脂とガスとの混合物は、多孔ダイ4から押し出されると同時に発泡する。最後に、押し出された多条発泡体を成形機8で圧縮することにより、目的の光反射シート9を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
まず、表1に示すように、樹脂(ブロックポリプロピレン、屈折率1.6、MFR=1.8g/10min(230℃、2.16kgf)、以後PP1と呼ぶ。)に対し、フィラーA(ルチル型酸化チタン、屈折率2.74、平均粒子径300nm)7.5wt%と、フィラーB(炭酸カルシウム、平均粒子径20nm)2.5wt%とを加えたものをあらかじめマスターバッチとして用意した。次に、この樹脂組成物を40mm単軸押出機(池貝株式会社製FSM−40、L/D=34)のホッパーに供給し、押出機のバレルの中間に設けられたガス供給口から二酸化炭素を供給した。二酸化炭素の供給圧力は11MPaで固定した。押出機の温度は、ホッパーから押出機の中心部にかけて170〜190℃に設定し、その後段階的に温度を下げ、ダイの出口における樹脂温度が150〜160℃になるように設定した。ダイとして、図2に示したように、直径0.5mmの孔が水平方向に2mm間隔で18個あるいは17個並んだ層を1つの層としたときに、互いに隣接する層の孔同士が千鳥状に配列されるように層を5層配列したもの(層間隔は1.73mm)、すなわち上から18孔、17孔、18孔、17孔、18孔の合計88の孔を持つ多孔ダイを使用した。スクリューの回転数は40rpm、吐出量は約70g/min、二酸化炭素ガス流量は約6g/minにて押出発泡を行った。次に、押し出された発泡体をダイの出口直後に設置されたスチールベルト(ベルト間隔1mm)で圧縮することにより、光反射シートを得た。得られた光反射シートの反射率と発泡倍率は前述の方法で測定した。
(実施例2)
酸化チタンと炭酸カルシウムの配合率をそれぞれ5.0wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(実施例3)
酸化チタンの配合率を2.5wt%に、炭酸カルシウムの配合率を7.5wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(実施例4)
酸化チタンと炭酸カルシウムの配合率をそれぞれ6.25wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(実施例5)
酸化チタンと炭酸カルシウムの配合率をそれぞれ7.5wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例1)
酸化チタンの配合率を10wt%に変更し、炭酸カルシウムを配合しないこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例2)
酸化チタンを配合せず、炭酸カルシウムの配合率を10wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例3)
酸化チタンおよび炭酸カルシウムを配合せず、PP1のみを発泡させたこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例4)
酸化チタンと炭酸カルシウムの配合率をそれぞれ3.75wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例5)
酸化チタンと炭酸カルシウムの配合率をそれぞれ10wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例6)
酸化チタンの配合率を9.0wt%に、炭酸カルシウムの配合率を1.0wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
(比較例7)
酸化チタンの配合率を1.0wt%に、炭酸カルシウムの配合率を9.0wt%に変更したこと以外は、実施例1と同様な条件で光反射シートの作製および発泡体の調査を行った。
光反射シートの製造条件、物性の測定結果を表1に示す。表1より、フィラーAとフィラーBとを樹脂組成物全体の9〜15wt%配合するとともに、フィラーAの配合量をフィラー全体の25〜75wt%とした本発明の光反射シートは、97%以上という高い反射率を有することがわかる。これに対し、表2より、比較例の光反射シートは、いずれも反射率が97%を下回るものであった。
Figure 0005290733
Figure 0005290733
本発明に係る光反射シートの製造装置の一例を示す概略図である。 実施例で用いた多孔ダイを正面から見た概略図である。
符号の説明
1 押出機
2 ホッパー
3 ガス供給ポート
4 ダイ
5 ガス供給管
6 二酸化炭素ボンベ
7 ガス流量制御装置
8 成形機
9 光反射シート

Claims (5)

  1. 樹脂発泡体からなる光反射シートであって、前記樹脂発泡体を得るための樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に対し、前記熱可塑性樹脂よりも屈折率が1.0以上高いフィラーAと、フィラーAよりも平均粒子径が小さく、平均粒子径が100nm以下であるフィラーBとが合計で熱可塑性樹脂、フィラーAおよびフィラーBの合計量の9〜15wt%配合されているとともに、フィラーAの配合量がフィラーAおよびフィラーBの合計量の25〜75wt%であることを特徴とする光反射シート。
  2. フィラーAが酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の光反射シート。
  3. フィラーBが炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の光反射シート。
  4. フィラーAの平均粒子径が100〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光反射シート。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光反射シートの製造方法であって、前記樹脂組成物を多孔ダイを有する押出機から押し出して得た多条発泡体を圧縮してシート状に成形することを特徴とする光反射シートの製造方法。
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