以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図17は、本発明の第1実施の形態に係る遊技媒体演出装置10を示している。 図1は、遊技媒体演出装置10の斜視図であり、図2は正面図であり、図3は側面図である。図4は、遊技媒体演出装置10のカバー体11を外した状態を前方から観た斜視図であり、図5は後方から観た斜視図である。図6は、遊技媒体演出装置10の内部の一部を拡大して示す説明図である。図7は、遊技媒体演出装置10を遊技機島1に設置した状態を示す正面図である。
本実施の形態に係る遊技媒体演出装置10は、図7に示すように、複数の遊技機であるパチンコ機2を並設してなる遊技機島1において、隣り合うパチンコ機2同士の間に設置される。遊技媒体演出装置10は、パチンコ機2ごとに設けられた遊技媒体計数機である各台計数機4に対応して、各台計数機4ごとに計数された遊技客が獲得した遊技媒体であるパチンコ球と同等のパチンコ球を貯留する装置である。
パチンコ機2は、ハンドルの回転操作により遊技盤上にパチンコ球を打ち出して各種入賞を楽しむものであり、図示省略したが遊技盤上にある始動口に入賞すると、可変表示遊技が実行され、例えば識別情報がスクロール表示される。この表示結果が識別情報の予め定めた特定の組み合わせ(例えば「777」等)である大当たりに確定すると、大入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉する特賞状態が形成される。パチンコ機2には、カードの挿入によりパチンコ球を貸し出すための球貸し機3が付設されている。
遊技媒体演出装置10は、パチンコ機2ごとに球貸し機3の左隣にディスプレイとして配置され、各台計数機4にて計数されたパチンコ球を、遊技客が遊技を終了するまで表示して出玉感を演出する。かかる遊技媒体演出装置10は、パチンコ機2同士の間に設置され、透視可能なカバー体11で少なくとも正面側が覆われた内部空間のある貯留演出部12を主要部として有している。
図1〜図5に示すように、貯留演出部12はケース仕様であり、その内部空間の正面および両側面を覆うカバー体11と、このカバー体11を装着して内部空間を形成する演出部本体13とから構成される。演出部本体13は、内部空間の背面を仕切ると共に、遊技機島1に直接取り付けられる部位である。演出部本体13の内部には、カバー体11を着脱するためのロック機構等が内装されている。また、演出部本体13の上下端には、それぞれ前壁13aより前方へ延出したケース上部14およびケース下部15が一体に設けられている。
カバー体11は、塩化ビニルやアクリル等の透明な合成樹脂に代表される透明材質により、所定数量(1500個程度)のパチンコ球を貯留する玉箱を複数積み上げた状態を模した凹凸形状に形成されている。これにより、貯留演出部12内に導入されたパチンコ球は、前記玉箱を模した区画単位で貯留されている状態に見せることができる。透光性材質からなるカバー体11の両側後端縁には、金属製のフレーム11aが取り付けられて補強されている。
図5に示すように、フレーム11aの背面側には、カバー体11を演出部本体13に正面側より組み付けたとき、演出部本体13側に係脱する上下一対のストライカ11bが設けられている。演出部本体13の前壁13aには、図示省略したが各ストライカ11bに係脱する上下一対のフックが操作可能に設けられている。演出部本体13の後壁13bには、前記フックを操作する操作リンク13cが設けられており、この操作リンク13cを上下に動かすことで、前記フックをストライカ11bに係脱可能である。すなわち、カバー体11を演出部本体13に強固に取り付けたり、容易に取り外すことができる。
さらに、本実施の形態では、カバー体11の主要部分は、その正面に向かって左側の方がより前方へ迫り出し、正面視で左側から右側にかけて背面側に向かって傾斜し、カバー体11の前面が右側前方に着座する遊技客に見やすい角度に設定されている。かかる角度は、遊技媒体演出装置10がパチンコ機2ごとに左隣にディスプレイとして配置されることを意図したものである。もちろん、カバー体11の主要部分の前面側に傾斜を設けることなく、真正面に対向する矩形あるいは円形の断面形に形成しても良い。
カバー体11における前記玉箱を模した区画は、本実施の形態では8段に設けられており、1段ごとに約1500個のパチンコ球を貯留するスペースがあるとすると、合計1万2千個程度のパチンコ球の貯留が可能となる。なお、図7中においては、玉箱状の段の数は合計10個となっているが、このように段の数は適宜選択し得る設計事項であり、実際の玉箱をイメージできる程度であれば足りる。なお、本実施の形態では、便宜上1万2千個を貯留演出部12内の最大貯留量とする。
また、図4,図5に示すように、貯留演出部12内には、上方より導入されたパチンコ球を流下させる複数の誘導板16,16…が、それぞれ前記玉箱の区画を仕切る位置に配設されている。各誘導板16は、それぞれ後端縁が演出部本体13の前壁13aに支持され、前端縁が略水平に延びて内部空間内を仕切るように配置されている。詳しく言えば、各誘導板16は、それぞれ互い違いに左右一方に全体的に傾斜しており、かつ各誘導板16の上面は、中央付近にて若干折曲されており、その面上にてパチンコ球が中央寄りに集まりつつ左右一方に流下するようになっている。
さらに、各誘導板16には、その面上を流下するパチンコ球を下方へ落下させる開口部16aが開設されている。この開口部16aは、誘導板16の上面にある前記中央付近の折曲線上に沿って、その下流側に円孔として開設されている。すなわち、各誘導板16の開口部16aは、それぞれ上下に対向する他の誘導板16の開口部16aとは上下方向に重ならない位置に配置される。
これにより、図6中の矢印に示すように、貯留演出部12内に導入されたパチンコ球は、各誘導板16によって、上から下へと順に左右方向に交互に転がりながら落下することになる。ここで各誘導板16の開口部16aから落下しなかったパチンコ球は、さらにその下流側まで流下した後、誘導板16の一側端縁とカバー体11の内壁面との間にある隙間より、下方へ落下できるように設計されている。かかる隙間を、図6では半円形に示しているが、隙間の形状は単なる設計事項であり、パチンコ球が落下できるものであれば足りる。
また、図1に示すように、前記ケース上部14の前面壁には表示手段20が設けられている。この表示手段20は、後述する各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球の数量を、前記貯留演出部12内に入りきらない分も含めて表示するものである。詳しく言えば、表示手段20は、横長矩形状の枠内にて、その中央寄り内側に数多の単位発光体をマトリックス状に密に配置してなるドット表示部21と、該ドット表示部21の四辺周縁を取り囲むように配置して枠組状に発光させる発光表示部22とからなる。
ドット表示部21は、単位発光体として例えば赤色LEDを横64×縦16ドットに並べて構成し、各LEDの発光によって予め登録されている文字やドット表現可能な絵柄を表示するものである。かかるドット表示部21は、主として各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球の数量をデジタル表示する。一方、発光表示部22は、当該部分を囲む合成樹脂が複数色に面発光可能に構成したものであり、様々な場面の演出表現として発光する。これらドット表示部21および発光表示部22からなる表示手段20の表示形態は、後述する制御手段50によって制御される。
このような遊技媒体演出装置10は、各台計数機4、揚上装置40、その他の周辺機器と組み合わされて、全体としてパチンコ球の貯留演出システムを構成する。ここで先ず各台計数機4は、図7に示すように、パチンコ機2ごとに前方の天板1a上に載置される玉箱仕様に構成されている。このような各台計数機4は、既に一般的であるので詳細な説明は省略するが、玉箱部分に貯められたパチンコ球を底面にある排出口より遊技機島1内に排出するとき、パチンコ球を整列レーンで一列に整列させながらセンサで計数するものである。なお、各台計数機4は、球貸し機3とユニットして一体に組み合わされている。
図8において、各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球は、それぞれパチンコ機2ごとに設けられた揚上装置40によって揚送された後、前記貯留演出部12内に上方より導入される。揚上装置40は、図8,図9に示すように、その本体41より上方に延びてパチンコ球を1列に整列した状態で揚送するための揚上経路42を有している。ここで揚上経路42は、前記貯留演出部12のうち演出部本体13の内部を通るように配設されている。
詳しく言えば、揚上装置40の本体41は、前記各台計数機4から回収したパチンコ球を歯車外周の歯溝に保持して回転方向へ移動させながら必要に応じて研磨する歯車からなり、電動モータ41aによって回転駆動される。また、揚上経路42は、パイプ材からなり、前記本体41より順次繰り出されたパチンコ球を1列の状態で上方へ揚上するものである。かかる揚上装置40としては、具体的には例えば、本出願人が既に提案している特開2004−81634号公報に記載された発明等を利用すると良い。
また、図8,図9に示すように、揚上装置40の本体41は、遊技機島1におけるパチンコ機2同士の間の下部前方に配置されている。そして、本体41を収納するハウジング43は、前記貯留演出部12を載置する部位、すなわち天板1aを支持するための台座として構成されている。詳しく言えばハウジング43は、前記本体41をちょうど収納する大きさの台座部44と、該ハウジング43上に一体に固設され、その内部に一次貯留タンク45aが形成された架台部45とからなる。
ここでハウジング43の全高、すなわち台座部44と架台部45とを合わせた高さは、フロア面から遊技機島1の天板1aの下面までに合致するように設定されている。あるいは、ハウジング43の全高を少し低めに規格化しておき、架台部45の天井と天板1aの下面との間に高さ位置を調整可能な支持アジャスタを別途用意しても良い。何れにせよハウジング43によって、フロア上に遊技媒体演出装置10の重量を支える構成とする。ところで、台座部44内の一次貯留タンク45aは、前記各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球を一時的に貯留して、揚上装置40に受け渡すためのタンクである。
前述したように揚上経路42は、前記貯留演出部12の演出部本体13の内部を通り、図9に示すように、揚上経路42の上端口42aはケース上部14まで延びている。この上端口42aから出たパチンコ球は、図6に示すように、演出部本体13の前壁13a上端に開設された開口部12aから貯留演出部12内に導入される。一方、貯留演出部12の下部には、パチンコ球の排出機構が設けられており、貯留されているパチンコ球を随時排出することができるようになっている。
図4,図5に示すように、貯留演出部12の底面部をなすケース下部15の上面壁には、パチンコ球の排出口30に向かって傾斜する取込部15aが設けられている。この取込部15aの下方にある排出口30には、図10に示すように、パチンコ球を1個単位で排出可能な第1経路31と、一括で排出可能な第2経路32とが二股に分かれるように設けられている。ここで第1経路31の出口端31aは、パチンコ球1個が通過可能な横幅を有し、第2経路32の出口端32aは、パチンコ球4個が一列に並んだ状態で通過可能な横幅を有している。
第1経路31の上流側は、その通路壁の一部31bが変位可能に設けられている。この一部31bを、その内側に配設した詰除去ソレノイド33のプランジャ33aで叩いて変位ないし振動させることにより、当該部位に生じたパチンコ球の詰まりを解消できるように構成されている。また、第1経路31の上流側の通路にて、パチンコ球1個分より高い位置を横切るようにバー34が突設されている。かかるバー34は、パチンコ球が上下に多段状に重なったブリッジを崩すためのものである。
また、第1経路31の出口端31aには、パチンコ球の通過を制御する開閉機構が設けられており、同様に第2経路32の出口端32aにも開閉機構が設けられている。第1経路31の開閉機構は、出口端31aの上方に配設した1個排出ソレノイド35からなり、このソレノイド35のプランジャ35aの先端側が、そのまま出口端31aに出没することにより、パチンコ球1個分の通路を閉じたり開くように設定されている。1個排出ソレノイド35のプランジャ35aは、通常は下方へ突出した状態に保持されており、1個排出ソレノイド35の駆動によって没入し、出口端31aを開くように設定されている。
一方、第2経路32の開閉機構は、出口端32aの上方に配設した一括排出ソレノイド36とシャッター37とからなる。シャッター37は、第2経路32の出口端32aの上方にて、上下方向に摺動(開閉)可能に保持されている。一括排出ソレノイド36は、シャッター37のさらに上方に配設され、一括排出ソレノイド36のプランジャ36aの先端側がシャッター37に連結されている。一括排出ソレノイド36のプランジャ36aは、通常は下方へ突出した状態に保持されており、一括排出ソレノイド36の駆動によって没入し、それに伴いシャッター37が上方に移動して、出口端32aを開くように設定されている。なお、排出口30から排出されたパチンコ球は、遊技機島1の下部にあるアウトレールに回収される。
図7に示す遊技機島1には、前記パチンコ機2ごとにある揚上装置40とは別に、前記遊技媒体演出装置10の排出口30より排出され、前記アウトレールにより回収されたパチンコ球を揚送しながら研磨する研磨揚送装置(図示せず)が立設されている。かかる研磨揚送装置によって、各パチンコ機2で使用されたパチンコ球は島内にて集中的に回収されることになり、研磨揚送装置により揚送された研磨済みのパチンコ球は、遊技機島1の上部にある補給樋(図示せず)を流下しつつ、再び各パチンコ機2や球貸し機3に補給シュート(図示せず)を介して供給される。従って、前記揚上装置40には、特に研磨機能を付加する必要はなく、前述した揚上機能のみで足りる。
さらにまた、前記遊技媒体演出装置10は、その貯留演出部12内に対するパチンコ球の導入ないし排出を制御する制御手段50を有している。制御手段50は、前記各台計数機4から出力された計数結果、前記遊技媒体演出装置10の貯留演出部12内にパチンコ球を導入する経路上のパチンコ球の有無、貯留演出部12内に貯留されているパチンコ球の数量に関する各情報のうち少なくとも2つの情報に基づき、貯留演出部12内に対するパチンコ球の導入ないし排出を制御するものである。なお、制御手段50による詳しい制御については後述する。
図11は、制御手段50と、これに接続される各々の機器とを模式的に示すブロック図である。制御手段50は、具体的には、インターフェース、CPU、ROM、RAM等を具備したマイクロコンピュータからなる。制御手段50は、専用のケースに納められて、外部からのゴミの他、静電気や電気ノイズからも保護された状態で、図5に示す遊技媒体演出装置10の演出部本体13に内設されている。なお、演出部本体13の後壁13bには、制御手段50の電源スイッチ51やリセットスイッチ52が設けられている。
図11に示すように、制御手段50には、前記各台計数機4、前記表示手段20、前記排出口30にある各ソレノイド33,35,36、それに前記揚上装置40の動作等を制御する遊技機島1のコントローラ49の他、前記貯留演出部12内にパチンコ球を導入する経路上のパチンコ球の有無を検知する各センサ17等がそれぞれ信号線を介して接続されている。なお、各センサ17等は、例えば、被検知物であるパチンコ球との距離に応じて動作するフォトセンサ等の近接センサや、パチンコ球の接近を検知する磁気センサ等により構成される。
図6に示すように、前記貯留演出部12内の上部において、開口部12aの直ぐ下方には、貯留演出部12内がパチンコ球で満杯になった状態を検知する満杯球検知センサ17が設けられている。また、図10に示すように、前記排出口30内の最上流位置である第1経路31と第2経路32との分岐部分には、貯留演出部12内にパチンコ球が残留しているか検知する残留球検知センサ39が設けられている。また、前記第1経路31の出口端31aの通路壁には、第1経路31から排出されるパチンコ球の数を1個ずつ計数する排出球通過センサ38が設けられている。
また、図8,図9に示すように、前記一次貯留タンク45aの底部には、該一次貯留タンク45a内に前記各台計数機4からパチンコ球が流れてきたか検知する一次貯留球検知センサ46が設けられている。また、前記揚上装置40の本体41には、該本体41内にあるパチンコ球を検知する揚上装置球検知センサ47が設けられている。さらに、揚上経路42の途中には、該揚上経路42内をパチンコ球が移動しているか検知する揚上経路球検知センサ48が設けられている。
次に、遊技媒体演出装置10の作用について説明する。
図7において、遊技客は遊技を開始するに際し、カードを介して球貸し機3から所定数のパチンコ球を貸出球として受けとる。パチンコ機2では、ハンドルの回転操作により遊技盤上にパチンコ球が1個ずつ打ち出され、各種入賞口に入賞すると、予め決められた数量のパチンコ球が賞出球として払い出される。賞出球は、パチンコ機2ごとにある各台計数機4の玉箱部分に収められ、遊技客の所定操作に基づき各台計数機4によって計数される。
計数されたパチンコ球は、図9、図11において、先ずは一次貯留タンク45aに貯留される。そして、揚上装置40の駆動により揚上経路42を揚送されて、本発明の根幹をなす遊技媒体演出装置10の貯留演出部12内に導入される。このようなパチンコ球の流れにより、遊技客が各台計数機4により計数したパチンコ球は、揚上装置40によって一旦揚送されて、遊技媒体演出装置10の貯留演出部12内に導入される。図1〜図3に示すように、貯留演出部12は、その正面側および側面側が透視可能なカバー体11で覆われており、貯留演出部12内に導入されたパチンコ球は、カバー体11を通して目視可能な状態で貯留される。
このような遊技媒体演出装置10によれば、遊技客が獲得したパチンコ球の数量を、従来技術の如くランプ点灯やデジタル表示により間接的に表示するのではなく、あくまで実際のパチンコ球そのものを使って表示し、パチンコ球が貯まっている様子や出玉感をリアルに演出できる。これにより、遊技客本人がどの程度のパチンコ球を獲得しているのかを、リアルに実感できるだけでなく、他の遊技客が、その店舗、コース、当該パチンコ機2における出玉感を明確に把握することができ、遊技ホール全体の臨場感を高めると共に稼働率を高めることができる。
特にカバー体11は、図1〜図3に示すように、所定数量(約1500個)のパチンコ球を貯留する玉箱を8段に積み上げた状態を模した凹凸形状に形成されている。これにより、貯留演出部12内に導入されたパチンコ球を、前記玉箱の区画単位で貯留されている状態に見せることができ、実際の玉箱にパチンコ球を貯めて積み上げるようなイメージを惹起させることができる。本実施の形態では、玉箱1段ごとに約1500個のパチンコ球を貯留するスペースがあるので、合計1万2千個程度のパチンコ球の貯留が可能となる。
さらに、図4に示すように、貯留演出部12内には、複数の誘導板16がそれぞれ玉箱の区画を仕切る位置に上下に並べて配設されており、なおさら玉箱の区画を明確にすることができる。これにより、カバー体11を、その内部を仕切る各誘導板16と相俟って、複数の玉箱を積み上げた状態にいっそう似せることができ、遊技客は、どの玉箱相当の位置までパチンコ球が貯まっているのかを、一目で容易に把握することが可能となる。
図9において、揚上装置40の揚上経路42の上端口42aまで揚送されたパチンコ球は、図6に示すように、貯留演出部12にある演出部本体13の上端に開設された開口部12aから貯留演出部12内に導入される。この開口部12aから出たパチンコ球は、貯留演出部12内で上下に並ぶ各誘導板16上を流下し、各誘導板16にある開口部16aを主に通って順次下方へ落下する。各誘導板16の開口部16aは、それぞれ上下に対向する他の誘導板16の開口部16aとは上下方向に重ならない位置に配置されているので、パチンコ球が一気に下まで落ちる事態を防止することができる。
また、貯留演出部12内にてパチンコ球は、上から下に向かい各誘導板16にて順次方向を変えつつジクザグ状に落下することになり、このようなパチンコ球の落下する様子をも面白味のある演出とすることができる。また、パチンコ球が貯留演出部12の底まで一気に落ちる場合に生じる激しい落下音や衝撃も抑えることができる。しかも、各誘導板16によるパチンコ球の誘導により、前記玉箱の区画単位ごとにパチンコ球を均等にならした状態に貯留することが可能となる。
ところで、貯留演出部12のカバー体11の内側には、パチンコ球に付いていた手垢やタバコのヤニ等の汚れが転移して付着し、長期間使用した場合には、カバー体11の内側に汚れが蓄積してしまい、貯留演出部12内の視認性が悪い状況となる。ここでカバー体11は着脱自在に構成されているから、簡単に取り外して清掃することができる。カバー体11を取り外すには、図5において、操作リンク13cを上下に動かすことで、カバー体11側にあるストライカ11bからフック(図示せず)を外せば良い。カバー体11の装着時には、逆の動作を行うことになる。
また、本実施の形態では、図8、図9、図11に示すように、パチンコ機2ごとにある各台計数機4から前記貯留演出部12までのパチンコ球の揚送ルートは、パチンコ機2ごとに設けた揚上装置40によって確立している。これにより、遊技機島1内において各パチンコ機2にパチンコ球を補給樋から供給する補給システムの能力に大きな影響を及ぼすことなく、前記貯留演出部12内に導入するパチンコ球を安定して供給することが可能となる。
図9に示すように、揚上装置40は、パチンコ球を1列に整列した状態で揚送するための揚上経路42を有するが、この揚上経路42は、前記貯留演出部12のうち演出部本体13の内部を通るように配設している。これにより、遊技機島1内における限られたスペースを余計に侵食することなく、前記貯留演出部12内における余裕のあるスペースを有効に活用することができる。
また、揚上装置40の本体41は、遊技機島1におけるパチンコ機2同士の間の下部前方に配置し、揚上装置40の本体41を収納するハウジング43を、貯留演出部12を載置する部位を支持するための台座としている。詳しく言えばハウジング43は、前記本体41をちょうど収納する大きさの台座部44と、該ハウジング43上に一体に固設され、その内部に一次貯留タンク45aが形成された架台部45とからなる。
このように、揚上装置40のハウジング43を、遊技機島1の腰板より遊技客側正面前方に配置して、貯留演出部12を載置する天板の当該部位を底面側からフロア上に直に支える台座として活用する。これにより、各遊技媒体演出装置10の貯留演出部12内がパチンコ球で満杯になったとしても、その総重量を十分に支えるだけの支持強度を得ることができ、遊技機島1が傾いたり変形したりする事態を未然に防止することができる。
特に、架台部45内の空間は、前記一次貯留タンク45aとして有効に活用することができる。かかる一次貯留タンク45aによって、パチンコ球が計数された後に揚送されるのを待たずして、予め一次貯留タンク45a内にストックしておいたパチンコ球を、前記計数の開始と同時に迅速に貯留演出部12まで揚送することが可能となる。
詳しく言うと、各台計数機4によるパチンコ球の計数速度の方が、揚上装置40によるパチンコ球の揚送速度を上回っているため、例えばパチンコ機2で特賞状態が発生して多量のパチンコ球が一斉に計数された場合には、いったん一次貯留タンク45aにパチンコ球を貯めておき、揚上装置40への供給量を調整することができる。また、貯留演出部12内のパチンコ球を一斉に排出するとき等、揚上装置40による揚送が停止されている間にも、各台計数機4により計数されたパチンコ球を貯留することができる。
ところで、遊技媒体演出装置10における貯留演出部12内の容量は当然物理的な限界があるので、各台計数機4で計数されたパチンコ球が、必ずしも全て貯留演出部12内に一度に収まるとは限らない。そこで、各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球の数量は、貯留演出部12内に入りきらない分も含めて、表示手段20に表示することになる。表示手段20は、図1〜図3に示すように、ケース上部14の正面の見やすい位置に設けられている。
表示手段20によって、実際にパチンコ球を見せることの補足として、パチンコ球の数量をデジタル表示することで、遊技客にパチンコ球の数量をいっそう明確かつ容易に把握させることができる。表示手段20におけるパチンコ球の数量の表示は、制御手段50によって適宜制御できるものであり、遊技客が獲得したパチンコ球の全ての数量を、貯留演出部12内に入りきらない分も含めて表示する他、例えば、貯留演出部12内がパチンコ球で満杯になった場合だけ、該貯留演出部12内に入りきらない分のパチンコ球の数量だけを表示手段20に表示することもできる。
図1に示すように、表示手段20は、横長矩形状の枠内にて、その中央寄り内側に数多の単位発光体をマトリックス状に密に配置してなるドット表示部21と、該ドット表示部21の四辺周縁を取り囲むように配置して枠組状に発光させる発光表示部22とからなり、ドット表示部21内に遊技客の持ち球数をデジタル表示し、発光表示部22には、例えば持ち球数に応じて色彩を変化させる等と、様々な表示上の演出を行うことができる。
具体的には例えば、図17に示すように、設定1、設定2等と複数の表示バリエーションを用意しておくと良い。ここでドット表示部21には、貯留演出部12内に貯留されている分も含めた全ての持ち球数をデジタル表示し、増減する度に縦方向にスクロール表示させる。また、発光表示部22は、持ち球数の区分に応じて所定の色に発光させる。特に貯留演出部12の最大貯留量である1万2千個を境として、それ以上の持ち球数の表示に関しては、1万2千個未満の表示に比べて、目立つ特別な色彩を発光させたり、高速で点滅させたりする等、明らかな表示上の相違を演出するようにすると面白い。
次に、図12〜図16のフローチャートに沿って、制御手段50による遊技媒体演出装置10の貯留演出部12に対するパチンコ球の導入ないし排出の制御の詳細について説明する。
図12は、遊技客の持ち球数が貯留演出部12内の最大貯留量である1万2千個以内の場合の制御手段50による球演出処理を示すフローチャートである。かかる処理では、最初に制御手段50は、各台計数機4の電源が入っていないか、また、遊技媒体演出装置10の電源が投入されたか、あるいは、パチンコ機2による遊技が終了したか、をそれぞれ判断する(ステップS100)。
各台計数機4の電源が入っていない等、前記3項目のうち何れか一つでも該当する場合は(ステップS100;Y)、遊技が終了していると判断して、貯留演出部12内のパチンコ球の一括排出処理を行う(ステップS110)。この一括排出処理については後述する。前記3項目の全てに該当しない場合は(ステップS100;N)、遊技中であると判断して、当該時点における貯留演出部12内の演出球数が1万2千個未満であるか判断する(ステップS101)。また、前記一括排出処理(ステップS110)が終了した場合も、この演出球数の判断(ステップS101)に移行する。
貯留演出部12内の演出球数が1万2千個未満でない場合(ステップS101;N)、すなわち演出球数が1万2千個以上あれば、貯留演出部12内のパチンコ球の規定数排出処理を行う(ステップS120)。この規定数排出処理については後述する。一方、演出球数が1万2千個未満の場合は(ステップS101;Y)、当該時点における貯留演出部12内の演出球数が遊技客の持ち球数を超えているのか判断する(ステップS102)。また、貯留演出部12内の演出球数が1万2千個未満でない場合における前記規定数排出処理(ステップS120)が終了した場合も、演出球数と持ち球数の判断(ステップS102)に移行する。
ここで「演出球数」とは、貯留演出部12内に貯留されているパチンコ球の数量であり、揚上装置40により揚送された球数から排出口30より排出された球数を減算した値である。また「持ち球数」とは、遊技客が所有しているパチンコ球の数量であり、球貸し機3から受信した全ての球数、すなわち貸出球数と賞出球数を合算した値である。なお、貯留演出部12内の演出球数が1万2千個未満でない場合における前記規定数排出処理(ステップS120)では、要するに貯留演出部12内がパチンコ球で溢れるため、揚上装置40による揚送分を考慮して、その分だけ規定数として排出することになる。
貯留演出部12内の演出球数が遊技客の持ち球数を超えている場合にも(ステップS102;Y)、後述する規定数排出処理を行う(ステップS120)。一方、貯留演出部12内の演出球数が遊技客の持ち球数を超えていない場合は(ステップS102;N)、図12に示す本球演出処理を終了する。また、演出球数が持ち球数を超えていた場合における前記規定数排出処理(ステップS120)が終了した場合も、本球演出処理を終了する。なお、演出球数が持ち球数を超えていた場合における前記規定数排出処理(ステップS120)では、要するに遊技中に持ち球が減少した分だけ、規定数として排出することになる。
ところで、遊技客が貯留演出部12の最大貯留量を超えるパチンコ球を獲得した場合は、貯留演出部12にパチンコ球を揚送する揚上装置40の動作を停止して、貯留演出部12がパチンコ球で満杯にならないようにする必要がある。しかしながら、遊技客が遊技を継続して相当な数のパチンコ球を使用してしまった場合は、それに応じて貯留演出部12内からパチンコ球を減少させる必要があるが、各台計数機4から貯留演出部12内に至るパチンコ球の経路上の一次貯留タンク45aには、揚送し切れなかったパチンコ球が残留してしまう。
このような状況を回避するために、制御手段50による制御として、一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留している場合は、所定の設定球数(例えば100個)のパチンコ球を貯留演出部12から排出する。これにより、貯留演出部12内のパチンコ球の貯留量が減少して、その分だけ一次貯留タンク45aのパチンコ球を揚送することができる。
遊技客の持ち球数が1万2千個を超えている場合の制御手段50による球演出処理を、図13のフローチャートに示す。かかる処理では、前述した図12の場合と同様に、最初に制御手段50は、各台計数機4の電源が入っていないか、また、遊技媒体演出装置10の電源が投入されたか、あるいは、パチンコ機2による遊技が終了したか、をそれぞれ判断する(ステップS103)。
各台計数機4の電源が入っていない等、前記3項目のうち何れか一つでも該当する場合は(ステップS103;Y)、遊技が終了していると判断して、貯留演出部12内のパチンコ球の一括排出処理を行う(ステップS110)。一方、前記3項目の全てに該当しない場合は(ステップS103;N)、遊技中であると判断して、当該時点における遊技客の持ち球数が1万2千個未満であるか判断する(ステップS104)。また、前記一括排出処理(ステップS110)が終了した場合も、この持ち球数の判断(ステップS104)に移行する。
遊技客の持ち球数が1万2千個未満でない場合(ステップS101;N)、すなわち持ち球数が1万2千個以上あれば、一次貯留球検知センサ46がONであるか、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留しているか判断する(ステップS106)。ここで、一次貯留球検知センサ46がONでない、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留していない場合は(ステップS106;N)、図13に示した本球演出処理をそのまま終了する。一方、一次貯留球検知センサ46がONである、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留している場合は(ステップS106;Y)、前述した所定の設定球数(例えば100個)について規定数排出処理を行い(ステップS120)、その後に本球演出処理を終了する。
また、前述した遊技客の持ち球数の判断において、持ち球数が1万2千個未満の場合は(ステップS104;Y)、当該時点における貯留演出部12内の演出球数が遊技客の持ち球数を超えているのか判断する(ステップS105)。ここで、貯留演出部12内の演出球数が遊技客の持ち球数を超えている場合は(ステップS105;Y)、演出球数から持ち球数を減算した値の分だけ規定数排出処理を行い(ステップS120)、その後に本球演出処理を終了する。一方、演出球数が持ち球数を超えていない場合も(ステップS105;N)、図13に示した本球演出処理を終了する。
そして、制御手段50は、前述した図12、図13に示したフローチャート中において、貯留演出部12内に貯留されているパチンコ球を排出させる必要があると判断した場合は、排出する数量に応じて、前記排出口30にある第1経路31、第2経路32の何れかを使用してパチンコ球を排出するかを判断し、一方または両方を開放制御する。
図14は、制御手段50によるパチンコ球の一括排出処理を示すフローチャートである。かかる処理では、先ず一括排出開放を行う(ステップS110)。すなわち、図10において、一括排出ソレノイド36を駆動してシャッター37を上方に移動させて、第2経路32の出口端32aを開放する。次に1個排出開放も行う(ステップS111)。すなわち、図10において、1個排出ソレノイド35を駆動してそのプランジャ35aを上方に移動させて、第1経路31の出口端31aを開放する。
続いて、前記排出球通過センサ38について一定時間内に変化があるか、つまり排出球通過センサ38がONとなってパチンコ球の通過を検知できているのかを判断する(ステップS112)。ここで、排出球通過センサ38に一定時間内に変化がない場合は(ステップS112;Y)、第1経路31にパチンコ球が詰まっていると判断されることになり、図10に示す詰除去ソレノイド33を駆動して(ステップS116)、停止させる(ステップS117)。かかる動作は、予め定めた規定回数(例えば10回)を消化するまで繰り返す(ステップS118)。
図10において、詰除去ソレノイド33が駆動すると、そのプランジャ33aが第1経路31の通路壁の一部31bを叩いて変位ないし振動させる。かかる動作を規定回数だけ繰り返すことにより、第1経路31におけるパチンコ球の詰まりを解消することができる。なお、前記第2経路32では、一度に複数(4個)のパチンコ球が一列に並んだ状態で通過できるため、1個ずつパチンコ球を通過させる第1経路31のように球詰まりが生じる虞はない。
詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了した場合は(ステップS118;Y)、表示手段20に「排出エラー」である旨の表示を行い(ステップS119)、その後に後述する一括排出閉鎖(ステップS114)に移行する。一方、詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了しなかった場合は(ステップS118;N)、前述した排出球通過センサ38の判断において、排出球通過センサ38に一定時間内に変化があった場合(ステップS112;N)と同様に、今度は残留球検知センサ39の判断に移行する(ステップS113)。
残留球検知センサ39の判断において、残留球検知センサ39がOFFでない場合は(ステップS113;N)、前述した一括排出開放の処理(ステップS110)まで戻る。一方、残留球検知センサ39がOFFである場合は(ステップS113;Y)、一括排出閉鎖を行う(ステップS114)。すなわち、図10において、一括排出ソレノイド36の給電を停止して第2経路32の出口端32aを閉鎖する。次に1個排出閉鎖も行う(ステップS115)。すなわち、図10において、1個排出ソレノイド35の給電を停止して第1経路31の出口端31aを閉鎖する。以上の一括排出処理により、一度に多量のパチンコ球を効率良く排出することが可能となる。
図15は、制御手段50によるパチンコ球の規定数排出処理を示すフローチャートである。かかる処理では、先ず1個排出開放を行う(ステップS121)。すなわち、図10において、1個排出ソレノイド35を駆動してそのプランジャ35aを上方に移動させて、第1経路31の出口端31aを開放する。次に、前記排出球通過センサ38について一定時間内に変化があるか、つまり排出球通過センサ38がONとなってパチンコ球の通過を検知できているのか判断する(ステップS122)。
排出球通過センサ38に一定時間内に変化がない場合は(ステップS122;Y)、第1経路31にパチンコ球が詰まっていると判断されることになり、図10に示す詰除去ソレノイド33を駆動して(ステップS128)、停止させる(ステップS129)。かかる動作は、予め定めた規定回数(例えば10回)を消化するまで繰り返す(ステップS130)。詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了した場合は(ステップS130;Y)、表示手段20に「排出エラー」である旨の表示を行い(ステップS134)、続いて1個排出閉鎖(ステップS135)を行って、第1経路31の出口端31aを閉鎖した後、本規定数排出処理を終了する。
詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了しなかった場合は(ステップS130;N)、前述した排出球通過センサ38の判断において、排出球通過センサ38に一定時間内に変化があった場合(ステップS122;N)と同様に、今度は残留球検知センサ39からの出力に基づいて、規定数から5個分だけ減算した数のパチンコ球が排出されたかを判断する。すなわち、第1経路31からパチンコ球を排出している際に、排出したパチンコ球数が規定数の少し手前になった時点を判断することになる。
ここで、規定数から5個分だけ減算した数のパチンコ球が未だ排出されていない場合は(ステップS123;N)、前述した1個排出開放の処理(ステップS121)まで戻る。一方、規定数から5個分だけ減算した数のパチンコ球が排出された場合は(ステップS123;Y)、1個排出開放(ステップS124)ないし1個排出閉鎖(ステップS125)を行って、短時間の開放動作により1個ずつパチンコ球を正確な数だけ排出する。
かかる排出動作を規定回数だけ行った際に、前記排出球通過センサ38について一定時間内に変化があるか、つまり排出球通過センサ38がONとなってパチンコ球の通過を検知できているのかを判断する(ステップS126)。ここで、排出球通過センサ38に一定時間内に変化がない場合は(ステップS126;Y)、再び詰除去ソレノイド33を駆動して(ステップS131)、停止させる(ステップS132)。かかる動作を規定回数(例えば10回)だけ繰り返す(ステップS133)。
詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了した場合は(ステップS133;Y)、表示手段20に「排出エラー」である旨の表示を行い(ステップS134)、続いて1個排出閉鎖(ステップS135)を行って、本規定数排出処理を終了する。一方、詰除去ソレノイド33の動作が規定回数終了しなかった場合は(ステップS133;N)、残留球検知センサ39からの出力に基づいて、規定数のパチンコ球が排出されたかを判断する。ここで、規定数のパチンコ球が排出された場合は(ステップS127;Y)、本規定数排出処理を終了する。一方、規定数のパチンコ球が未だ排出されていない場合は(ステップS127;N)、前述した1個排出開放の処理(ステップS124)まで戻る。
以上のように、制御手段50は、各台計数機4から出力された計数結果、貯留演出部12内にパチンコ球を導入する経路上のパチンコ球の有無、貯留演出部12内に貯留されているパチンコ球の数量に関する各情報のうち少なくとも2つの情報に基づき、貯留演出部12に対するパチンコ球の導入ないし排出を制御する。このような制御により、貯留演出部12内を最適なパチンコ球の数量に保つことができる。
図16は、パチンコ球のリフト(揚送)処理を示すフローチャートである。かかる処理において揚上装置40の駆動は、制御手段50ではなくコントローラ49により実行される。本リフト処理では、先ず最初に各台計数機4の電源が入っていないかを判断する(ステップS140)。ここで各台計数機4の電源が入っていない場合は(ステップS140;Y)、揚上装置40の駆動を停止して(ステップS150)、本リフト処理を終了する。
各台計数機4の電源が入っている場合は(ステップS140;N)、一次貯留球検知センサ46がONであるか、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留しているか判断する(ステップS141)。ここで、一次貯留球検知センサ46がONでない、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留していない場合は(ステップS141;N)、本リフト処理をそのまま終了する。一方、一次貯留球検知センサ46がONである、すなわち一次貯留タンク45aにパチンコ球が残留している場合は(ステップS141;Y)、前記満杯球検知センサ17からの信号に基づき、貯留演出部12内がパチンコ球で満杯であるか判断する(ステップS142)。
貯留演出部12内がパチンコ球で満杯である場合は(ステップS142;Y)、揚上装置40の駆動を停止して(ステップS143)、一次貯留球検知センサ46と揚上装置球検知センサ47が共にOFFであるか、すなわち一次貯留タンク45aと揚上装置40内にパチンコ球が残留していないか判断する。ここで、一次貯留球検知センサ46と揚上装置球検知センサ47が共にOFFである場合、すなわち一次貯留タンク45aと揚上装置40内にパチンコ球が残留していない場合は(ステップS144;Y)、本リフト処理を終了する。一方、一次貯留球検知センサ46と揚上装置球検知センサ47の少なくとも一方がOFFでない場合、すなわち一次貯留タンク45aと揚上装置40の少なくとも一方の内にパチンコ球が残留している場合は(ステップS144;N)、前述した貯留演出部12内がパチンコ球で満杯であるかの判断(ステップS142)に戻る。
貯留演出部12内がパチンコ球で満杯でない場合は(ステップS142;N)、揚上装置40を駆動して(ステップS145)、前記揚上経路球検知センサ48について一定時間内に変化があるか、つまり揚上経路球検知センサ48がONとなって、揚上経路42におけるパチンコ球の通過を検知できているのか判断する(ステップS146)。ここで、排出球通過センサ38に一定時間内に変化がある場合は(ステップS146;N)、揚上経路42をパチンコ球が通過していると判断され、制御手段50によって「演出球数」が新たに更新された後(ステップS147)、本リフト処理を終了する。
排出球通過センサ38に一定時間内に変化がない場合は(ステップS146;Y)、揚上経路42をパチンコ球が通過していないと判断される。かかる場合には、揚上装置40の駆動が停止され(ステップS148)、揚上装置40に異常が生じた旨の表示がなされた後(ステップS149)、本リフト処理を終了する。
図18〜図20は、本発明の第2実施の形態を示している。
第2実施の形態に係る遊技媒体演出装置100は、前述した遊技媒体演出装置10と同様に、遊技機島1において隣り合うパチンコ機2同士の間に設置され、各台計数機4ごとに計数されたパチンコ球を貯留する装置であるが、特に貯留演出部120の構成が、前記遊技媒体演出装置10の貯留演出部12とは異なっている。遊技媒体演出装置100にパチンコ球を導入するシステムに関しては、図11に示したものと同様に揚上装置40等をそのまま適用すれば良く、第1実施の形態と共通する内容については重複した説明を省略する。
貯留演出部120は、その内部空間を全周方向に囲む円筒形に形成されたカバー体110と、該カバー体110を装着して内部空間を形成する演出部本体121とから構成されている。貯留演出部120内には、上方より導入されたパチンコ球を流下させるスクリュー130が配設されている。詳しく言えばスクリュー130は、シャフト部131の外周に沿って螺旋羽根132を取り付けてなる。
螺旋羽根132の外周縁は、カバー体110の内周面に近接しており、前記揚上装置40により揚送されたパチンコ球は、螺旋羽根132に沿って上方から下方へと螺旋状に流下する。なお、前記揚上装置40の揚上経路42を、スクリュー130のシャフト部131内に挿通させて、シャフト部131の上端口よりパチンコ球を出すように構成すると良い。なお、スクリュー130は特に回転させる必要はない。
貯留演出部120内に導入されたパチンコ球は、スクリュー130の上下に延びる軸方向に並ぶ螺旋羽根132間のピッチ単位で貯留されている状態に見せることになる。これにより、従来にも類例のないパチンコ球のリアルな貯留状態を演出することができる。カバー体110等は、演出部本体121に対して着脱自在に構成すると良い。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、遊技媒体としてパチンコ球を使用するパチンコ機の演出に限定されることはなく、パチンコ球を使用する他の遊技機の他、遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンの演出にも適用することができる。
また、前記遊技媒体演出装置10,100の貯留演出部12,120にパチンコ球を導入するシステムに関しては、パチンコ機2ごとに配設した揚上装置40を利用して構成したが、例えば各台計数機4で計数されたパチンコ球を導入するのではなく、これと同程度のパチンコ球を、遊技機島1の上部にある補給樋より直接供給するように構成することも考えられる。かかる供給方式では、そもそも各台計数機4の計数結果と同等のパチンコ球を確保することが困難という問題に鑑みて揚上装置40を用いたシステムを構築したわけであるが、計数結果と同数ではなく少ない数のパチンコ球を同程度と捉えて貯留演出部12,120に導入することもできる。
この場合には、貯留演出部12,120の内部空間をパチンコ機2間の狭いスペースに応じて細く少容量に形成すれば良い。また、前記補給樋に演出用のシュートをパチンコ機2ごとに1本増設して、該演出用のシュートより貯留演出部12,120内に、各台計数機4の計数結果より少ないパチンコ球を導入することになる。各台計数機4で計数されたパチンコ球は、そのままアウトレールに排出される。なお、貯留演出部12,120内を少容量に形成した場合には、例えば、内部空間を臨む背面板を鏡張りにする等、実際のパチンコ球を多く見せる工夫を付加すると良い。