JP2016059669A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変入賞装置において少ないスペースでも開口寸法を十分に確保することができて良好な入賞感を得ることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技球が入球し難い閉状態と、遊技球M3が入球し易い開状態との間で変移し得る開閉部材63を有する可変入賞装置32を備え、可変入賞装置32が、開閉部材63とは別に、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態と、遊技球M4を入球させるように案内し易い案内状態との間で変移し得る案内部材64を有する構成とする。
【選択図】 図12

Description

本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置の大型化にともない、遊技盤の盤面におけるその他の役物等を配置するスペースが減少していく傾向にある。
特開2013−267454号公報
この傾向により、大入賞口と称される可変入賞装置も小型化されてきており、このため、遊技球が入賞し難く、また入賞しても入賞したという実感ないし爽快感(以下、このような感覚を「入賞感」とも称す)も得難くなっていて、これにより遊技者のストレスを増大させることとなっているという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、可変入賞装置において少ないスペースでも開口寸法を十分に確保することができて良好な入賞感を得ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
遊技球が入球し難い閉状態と、遊技球が入球し易い開状態との間で変移し得る開閉部材を有する可変入賞装置を備え、
前記可変入賞装置が、前記開閉部材とは別に、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態と、遊技球を入球させるように案内し易い案内状態との間で変移し得る案内部材を有することを特徴とする。
本発明によれば、可変入賞装置において少ないスペースでも開口寸法を十分に確保することができて良好な入賞感を得ることができる。
パチンコ機の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の正面側の斜視図。 図1のパチンコ機の前面枠の斜視図。 遊技盤の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の背面の構成を示す分解斜視図。 図4の遊技盤の背面側の斜視図。 図4の遊技盤の背面図。 パチンコ機の電気的構成の一例を示すブロック図。 第1実施形態に係る可変入賞装置の斜視図。 第1実施形態に係る可変入賞装置における駆動機構および連動機構の配設状況を示す部分断面図。 第1実施形態に係る可変入賞装置の動作前の状況を示す正面図。 第1実施形態に係る可変入賞装置の動作後の状況を示す正面図。 第2実施形態に係る可変入賞装置の動作前の状況を示す正面図。 第2実施形態に係る可変入賞装置の動作後の状況を示す正面図。 第2実施形態に係る案内部材の斜視図。 第3実施形態に係る可変入賞装置の動作前の状況を示す斜視図。 第3実施形態に係る可変入賞装置の動作後の状況を示す斜視図。 第3実施形態に係る規制手段およびその動作状況を示す部分断面図。 変更態様(2)に係る案内部材の動作状況を示す正面図。 変更態様(4)に係る可変入賞装置の動作を示すフローチャート。 変更態様(8)に係る開閉部材およびその動作状況を示す平面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図5参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)と一対の開閉羽根60とを備える始動入賞装置33、通過口を備える作動入賞装置34(スルーゲートで構成)、主表示ユニット371、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。これらの一般入賞装置、可変入賞装置32、始動入賞装置33、作動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる(入らない)閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、上始動口33aの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置、可変入賞装置32および始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
主表示ユニット371は、後述する主制御装置261が直接的に制御する表示装置ユニットであり、右側辺が上下に直線状に延び、該右側辺の下端から左側辺が遊技領域の右上部に沿って弧状に内側へ湾曲しながら左上へ延びて、全体としてやや上下に長い概略三角形の正面形状を有し、前後に遊技球の直径よりやや大きい程度の厚みを有する立体状の外形を有する部品となっている。主表示ユニット371は、遊技盤30の前面における右上部にネジ固定されている。主表示ユニット371における左上の上面部は左下方へやや下傾するように形成され、その中央部は、遊技球の最大飛翔部分に対応する外レール52の先端部に近接し、この部位の上に、ゴム板よりなる返しゴム371Rが取り付けられている。この返しゴム371Rにより、所定以上の勢いで発射された遊技球が当たって跳ね返されるようになっている。主表示ユニット371の前面部には、左上端近傍から下端部の近傍まで左側辺に沿って弧状に延びる正面形状を有して内奥側へ段状に凹入する表示部371Mが形成されている。
上記表示部371Mには、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置、第2特別図柄保留表示装置、普通図柄表示装置、普通図柄保留表示装置および状態報知用表示装置が配置されている。第1特別図柄表示装置は、上始動口33aへの遊技球の入賞を契機に変動表示される第1特別図柄を表示するものであり、第2特別図柄表示装置は、下始動口33bへの遊技球の入賞を契機に変動表示される第2特別図柄を表示するものである。なお、各特別図柄は、上記第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置において同時に変動表示されることがなく入賞順に従って順次行われるため、装飾図柄表示装置42においては共通の装飾図柄によって特別図柄に対応する表示が行われるようになっている。第1特別図柄保留表示装置は、第1特別図柄の保留数を表示するものであり、第2特別図柄保留表示装置は、第2特別図柄の保留数を表示するものである。これら第1特別図柄保留表示装置および第2特別図柄保留表示装置はそれぞれ、複数個のLEDで構成され、このうちの一部あるいは全部を点灯又は点滅させることにより最大で4個までの保留数を表示するようになっている。なお、センターフレーム43の下部には、2色の発光が可能な合計4個のランプよりなる保留ランプ800aが装飾図柄表示装置42の下辺に沿って配列されており、この保留ランプ800aによって表示される装飾図柄の保留数は、遊技状態(後述するサポート状態か否か)に応じて、上記第1特別図柄保留表示装置および第2特別図柄保留表示装置のうち何れかが表示する保留数と対応するようになっている。普通図柄表示装置は、作動入賞装置34における通過口への遊技球の入賞を契機に変動表示される普通図柄を表示するものであり、2個のLEDで構成され、一方のLEDのみを点灯させることで外れを表示し、両方を点灯させることで当りを表示するようになっている。普通図柄保留表示装置は、普通図柄の保留数を表示するものであり、複数個のLEDで構成され、このうちの一部あるいは全部を点灯又は点滅させることにより最大で4個までの保留数を表示するようになっている。状態報知用表示装置は、遊技状態の種別を表示するものであり、複数個のLEDで構成されている。これらのLEDがそれぞれ消灯、点灯、点滅の何れかに変化し、全消灯を除く多数通りの組み合わせによって、1.通常遊技状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が低確率であり、サポート状態ではない)、2.時短状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が低確率であり、サポート状態)、3.潜伏高確率状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が高確率であり、サポート状態ではない)、4.高確率状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が高確率であり、サポート状態)、及び5.大当たり状態の何れかを表示するようになっており、大当たり状態を表示するのに際してはその大当たりの最大ラウンド数によって異なる表示が行われる。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄(装飾図柄)が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。遊技球が始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっているが、この保留ランプ800aが表示する保留回数は、装飾図柄表示装置42の一部(具体的には右下部)にも表示される。この保留表示は、保留数に対応する数のキャラクタ画像が並列的に表示されるものである。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。
また、図4に示すように、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)と主表示ユニット371の斜辺とにより略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
さらに、遊技盤30の右側縁部には、側端レール50Sが配設されている。側端レール50Sは、内レール51および外レール52とは別体として構成され、また内レール51および外レール52からは間隔を置いて独立に配置されているが、外レール52とおおよそ同一の円周上に位置して遊技領域の右端部を区画しており、即ちレールユニット50の一部(右端部)を構成している。この側端レール50Sの構成および取付構造については後述する。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図5はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の裏カバー(保護カバー)等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および裏カバー(保護カバー)も上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす裏カバー部(保護カバー部)354とを有する。裏カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物表示制御装置45を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。裏カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、裏カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、主表示ユニット371(第1特別図柄保留表示装置、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄保留表示装置、第2特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、普通図柄保留表示装置、状態報知用表示装置)や、その他図示しない入賞検知スイッチ群や不正検知スイッチ群などが接続されている。なお、装飾図柄保留表示装置800(保留ランプ800a)は、サブ制御装置262に従属する表示制御装置45に接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として2個の特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、単一の装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置で行われる特別図柄の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、8個のLEDセグメントの点灯パターンの変化によりそれぞれ表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞を契機としてその入賞順に基づいて第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の何れかで開始され、所定時間後に停止する。具体的には、対応する側の特別図柄表示装置の点灯状態を中止する全消灯処理を行った後、所定の順番で各LEDセグメントを順次点灯させる切替処理を実行することで変動を開始させ、後述する停止パターン選択カウンタC3の値によって決定された変動表示時間が経過すると上述の切替処理を中断して全消灯処理を行い、後述する大当たり乱数カウンタC1及び大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて決定された態様によって各LEDセグメントを点灯させるようになっており、大当たり抽選における外れ結果を表示する場合にはドット状の1個のLEDセグメントのみを点灯表示させる一方、大当たり結果を表示する場合には、大当たり後に高確率遊技状態を発生させる当選であるか否かによって異なる数字を「8」の字状に並ぶ7個のLEDセグメントを用いて点灯表示する。なお、一方の特別図柄表示装置が変動表示状態である期間において他方の特別図柄表示装置は変動表示を行わず、最後に変動表示された際に停止表示した図柄の点灯表示を継続した状態とされる。遊技球が始動入賞装置33の上始動口33a及び下始動口33bに入賞した回数はそれぞれ最大4回まで保留され、それらの保留回数は、上始動口33aへの入賞に対応する保留数については第1特別図柄保留表示装置及び装飾図柄表示装置42の所定領域にてそれぞれ表示され、下始動口33bへの入賞に対応する保留数については第2特別図柄保留表示装置及び装飾図柄表示装置42の所定領域にて表示されるようになっており、加えて、装飾図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて、遊技状態に応じて、上始動口33aへの入賞に対応する保留回数又は下始動口33bへの入賞に対応する保留回数が点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。なお、遊技状態がサポート状態(一対の開閉羽根60が通常より開放し易く且つ開放時間が通常よりも長い状態)を含まない状態である場合においては装飾図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて上始動口33aへの入賞に対応する保留回数が赤色の発光で点灯表示される一方、遊技状態がサポート状態を含む状態である場合においては装飾図柄表示装置800の保留ランプ800aにて下始動口33bへの入賞に対応する保留回数が点灯表示されるようになっている。
次いで、普通図柄表示装置において行われる普通図柄の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、上述した2個のLEDを交互に点灯させることにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が作動入賞装置34の通過口を通過することを条件として開始され、所定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、両方のLEDを点灯状態で停止させた場合に始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(一対の開閉羽根60が開放される)よう構成されている。遊技球が作動入賞装置34の通過口を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置にて点灯表示されるようになっている。
(電源投入時)
パチンコ機10の電源立ち上げ時には、動作確認および電源投入報知として、スピーカ、装飾図柄表示装置42の液晶画面、枠に配置された各種LED、遊技盤30に配置された各種LED等の各部が所定時間(本実施形態では30秒間)に亘って予め定められた動作をするように設定されている。このため、これら各部が正常に機能するか否かを目視確認できる。このとき、パチンコ機10に不正な改変が加えられたりしていないか否かも併せて確認できる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア0が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア0に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア0に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア0に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア1が設けられており、これらの各エリアには、作動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が作動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア1に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成)
本第1実施形態のパチンコ機10においては、前述の通り、図4に示すように、遊技盤30に可変入賞装置32が配置されている。該可変入賞装置32は、図9に示すように、取付基板62と、開閉部材63と、案内部材64とを主要素として構成されている。
取付基板62は、可変入賞装置32を遊技盤30に固定するための取付ベースとして機能するもので、横長の長方形状のプレートであって内側の大部分が横長の長方形状に開口して入球開口が形成されたフレーム状の板状部材となっており、4隅部で遊技盤30の盤面にネジF1により固定されるようになっている。
開閉部材63は、横長の長方形状のプレートとなっており、取付基板62の入球開口を覆うように配置されている。図10に示すように、開閉部材63は、両側端面における下端近傍から両側へそれぞれ水平に延出する回転軸65で取付基板62に対して回動自在に軸支され、これにより、図10に矢印A1で示すように下端縁を中心として前方へ90°近く傾倒するように開放させて開状態とし、また開状態から起立させ元の位置へ戻して閉状態とするように変移させ得るようになっている。
上記開閉部材63の変移(開閉)は以下のような駆動機構によりなされるようになっている。即ち、図10に示すように、回転軸65に第1ギア66が固定され、該第1ギア66には後方から第2ギア67が噛み合うように連動連結され、さらに該第2ギア67には後方から第3ギア68が噛み合うように連動連結されている。第3ギア68はソレノイドにより回転駆動されるようになっている(図示せず)。さらにまた、上記駆動機構には以下のような連動機構が付設されている。即ち、図10に示すように、第3ギア68に同軸となるように第1かさ歯車69が固定され、該第1かさ歯車69には第2かさ歯車70が噛み合うように連動連結され、該第2かさ歯車70は前後方向に延びるガイド回転軸71に固定されている。なお、図10に示すように、取付基板62において、開閉部材63の下端よりすぐ上の高さ位置には、入球開口72の下端縁が位置している。
ガイド回転軸71は、図9に示すように、取付基板62から前方へやや長く延出し、この延出部に案内部材64が固定されている。案内部材64は、下端部が丸く上端へ向けて楔状に先鋭化する正面形状を有し、遊技球1球よりやや大きい程度の幅で前後方向に延びる翼形の立体状に成形された部材となっている。ガイド回転軸71は、案内部材64の下端部における内側近傍の位置に、後方から前端まで挿通され固定されている。案内部材64は、開閉部材63の側端に沿って、間に若干の隙間をおいてすぐ近接するようにして、取付基板62の下端近傍の位置から上端近傍の位置まで延びる直立体勢となるように配置される。
案内部材64は、駆動機構および連動機構も含め、開閉部材63の両側にそれぞれ左右対称となるように配設されている。従って、駆動機構により開閉部材63を変移(開閉)させると、これと連動して両側の案内部材64が変移(開閉)するようになっている。
(第1実施形態における動作)
以下、本第1実施形態に係る可変入賞装置32の動作を順次説明する。
<閉状態/非案内状態>
特別遊技状態へ移行していない間には、図11に示すように、開閉部材63は、直立するように起立して入球開口72を閉塞するように覆う体勢に保持され、遊技球はほぼ入球し得ない状態(少なくとも入球し難い状態)となっている。即ち、遊技球が入球し難い閉状態にある。またこのとき、両側の案内部材64はそれぞれ、内側面が開閉部材63の両側端縁に沿って上下に垂直に延びるように直立する体勢に保持されている。この体勢では、例えば図11に矢印A2で示すように、上方から流下してきた遊技球M1を内側面で撥ね返したり、あるいは矢印A3で示すように、上方から流下してきた遊技球M2を外側面に沿って両側へ案内したりといった程度であれば、遊技球の流路に影響を及ぼすこともある。しかしながら、上述の通り開閉部材63が閉状態にあるため、上記遊技球M1、M2を含め、可変入賞装置32の位置を流下していく遊技球はいずれも、このあとアウト口36から球排出路へと排球されていくことに変わりはない。即ち、このとき両側の案内部材64は、いずれにせよ遊技球を入球させるように案内することはないため、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態にあるということもできる。
また、開閉部材63および案内部材64は、上述のようにそれぞれ閉状態および非案内状態にあるときにはいずれも、図11に示すように、横幅L1、縦幅(高さ)L2の取付基板62の外形内に納まる体勢となっている。
<開放動作>
特別遊技状態へ移行すると、駆動機構が作動状態とされて、図12に示すように、開閉部材63が閉状態から開状態へと変移して開放され、またこれに連動して、両側の案内部材64が非案内状態から案内状態へと変移して拡開される。
このとき、開閉部材63は上述の通り前方へ90°近く傾倒するように開放され、例えば図12に矢印A4で示すように、上方から流下してきた遊技球M3を後側面上で受けて後方へ転動させて入球開口72内へ入球するよう案内する。即ち、開閉部材63は遊技球が入球し易い開状態にある。一方、両側の案内部材64はそれぞれ両側へおよそ82°程度回動するように拡開され、例えば図12に矢印A5で示すように、上方から流下してきた遊技球M4を内側面上で受けて可変入賞装置32の中央側へ転動させ、開閉部材63の後側面上へと案内して入球開口72内へ入球させる。即ち、両側の案内部材64は遊技球を入球させるように案内し易い案内状態にある。
なお、開閉部材63は、開状態にあるときに遊技球M3、M4が後方の入球開口72内へ案内されやすくなるよう、後側面が少なくとも後方へ(例えば10°程度)下傾するように構成されている。このように開状態で後側面が後方へ下傾する構成となっていればよく、例えば、前側面は開状態で水平状態となるように(即ち開閉部材が後側面のみ傾斜する側面視台形状となるように)構成されていてもよい。
両側の案内部材64が上述のように案内状態にあるときには、図12に示すようにそれぞれの先端部が取付基板62の両側端よりも外側へはみ出す体勢となる。即ち、一方の案内部材64の先端と他方の案内部材64の先端との距離(以下、「最大拡開距離」とも称す)L3が、取付基板62の横幅L1より大となっている。このように案内状態にある両案内部材64の最大拡開距離L3は、ここでは可変入賞装置の最大開口寸法として規定されている135mmに等しくなるように設定されている。案内状態にある両案内部材64の最大拡開距離L3は、上方から流下してきた遊技球を受けて入球開口72内へ入球させるよう案内し得る部分の最大幅であるから、これが本第1実施形態に係る可変入賞装置32の最大開口寸法となっているということができる。
即ち、本第1実施形態に係る可変入賞装置32においては、案内状態にある両案内部材64の最大拡開距離L3として、規定の最大開口寸法135mmが確保されながら、取付基板62の横幅L1はこの135mmよりも小幅となるように抑えられている。換言すれば、可変入賞装置32が比較的に小幅のスペースに配置し得るようコンパクトに構成されていながら、両案内部材64が案内状態に変移することにより開口寸法が十分に(最大限に)確保されるようになっているのである。
より厳密に言えば、可変入賞装置32を構成するには、遊技盤30の盤面へネジF1により固定するためのネジ固定スペースを確保する必要から、取付基板62が、大入賞口としての入球開口72よりも大面積とならざるを得ない。即ち、少なくとも、ネジ固定スペースを有する取付基板62を配置し得るスペースを確保する必要がある。そこで、取付基板62の横幅L1を規定の最大開口寸法135mmよりも小幅としながら、両案内部材64のみを拡開して取付基板62よりも外側へはみ出させる構成とすることで、この両案内部材64が外側へはみ出して動作する領域を除いた両側のスペースS1のぶんだけ占有スペースが節減されているということができる。
<閉止動作>
前述したように所定時間(例えば30秒)が経過し又は所定個数(例えば10個)が入賞すると、駆動機構が非作動状態とされて、開閉部材63が開状態から閉状態へと復帰するように変移して再び閉じ、またこれに連動して、両側の案内部材64が案内状態から非案内状態へと復帰するように変移して、図11に示す開放動作以前の状態に復帰する。
このとき、ちょうど開閉部材63が閉止していく途上で遊技球が入り込んでくると、開閉部材63が入球開口72の周縁部との間に当該遊技球を挟み込むこと(球噛み)が起こり得るが、本第1実施形態に係る可変入賞装置32においては、上方からだけでなく側方からも遊技球が入り込んでくるので、より球噛みが起こりやすい。このため、例えば、上述の所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞の直前のタイミング(例えば28秒の経過又は8個の入賞)で、先に両側の案内部材64が案内状態から非案内状態へと復帰するように変移する構成としてもよく、これによれば、側方からの遊技球による球噛みを起こり難くすることができる。
(第1実施形態の作用)
第1実施形態によれば、遊技球が入球し難い閉状態と、遊技球が入球し易い開状態との間で変移し得る開閉部材63を有する可変入賞装置32を備え、上記可変入賞装置32が、上記開閉部材63とは別に、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態と、遊技球を入球させるように案内し易い案内状態との間で変移し得る案内部材64を有する構成となっているので、可変入賞装置32が比較的に少ないスペースに配置し得るようコンパクトに構成されていながら、案内部材64を案内状態に変移させることにより、開口寸法に相当する最大拡開距離L3が十分に確保されるようになっている。換言すれば、可変入賞装置32において、少ないスペースでも、開口寸法に相当する最大拡開距離L3が十分に確保されるようになっている。従って、良好な入賞感を得ることができる。
また、上記可変入賞装置32を取付位置に取り付けるための取付基板62を備え、上記案内部材64が、少なくとも一部すなわち先端部が上記取付基板64よりも外側へはみ出すようにして案内状態に変移し得るようになっているので、案内状態にある案内部材64で開口寸法に相当する最大拡開距離L3を十分に確保しながら、取付基板64はこれよりも小さい寸法となるようにコンパクト化されている。
また、上記開閉部材63が、前後方向に移動するようにして閉状態と開状態との間で変移し得る部材であり、上記案内部材64が、上記開閉部材63の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置されている。
一般に、開閉部材が前後方向に移動して開閉する部材である場合、該開閉部材の横幅方向の開口寸法は一定であるが、第1実施形態に係る可変入賞装置32の構成によれば、開閉部材63の少なくとも一方側で案内部材64が案内状態に変移することにより、そのぶん、上記可変入賞装置32の開口寸法が拡大されるようになっている。
さらに、上記案内部材64が、上記開閉部材63の左右両側に配置されているので、可変入賞装置32の開口寸法が効果的に拡大されるようになっている。
また、上記開閉部材63と上記案内部材64とが共通の駆動源であるソレノイドにより変移するように構成され、これにより上記案内部材64が上記開閉部材63と連動して変移し得る構成となっているので、そのぶん構成が簡略化されている。
(他の実施形態)
次いで、第1実施形態と少なくとも一部の構成を異にする他の実施形態について説明する。以下の記述および対応する図面において、第1実施形態の場合と同様の部位ないし部材には同一の符合を付し、その説明は必要な場合を除き基本的に省略する。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る可変入賞装置73は、図13〜図15に示すように、案内部材74の形状が、第1実施形態に係る案内部材64の場合と異なるものとなっている。第2実施形態に係る案内部材74は、図15に示すように、下端部が丸く上端へ向けて楔状に先鋭化する正面形状を有し、遊技球1球よりやや大きい程度の幅で前後方向に延びる翼形の立体状に成形された部材となっている点では、第1実施形態に係る案内部材64と同様の形状を有するものとなっている。しかし第2実施形態に係る案内部材74の場合、図13および図15に示すように、非案内状態において、外側面(図15では左側面)が略垂直に上下に延びるようになっており、該外側面の上端から内側へ折り返すようにして内側下方へ、水平線に対しおよそ63°程度の角度で傾斜するようにやや長く延び、さらにその下端から外側下方へ傾斜するようにやや短く延びて下端部の丸状部に連続する形状となっている。即ち、非案内状態において内側へ正面視略山括弧形状をなして膨出する膨出部74Sが形成され、該膨出部74Sの上側にやや長く延びる案内斜面74Gが形成された形状となっている。
膨出部74Sの下端のすぐ下方の位置には、ガイド回転軸75が後方から前端まで挿通され固定されている。ガイド回転軸75は、開閉部材63の左下隅部および右下隅部の下方の位置、即ち、高さ位置においては開閉部材63の下端より若干下方であって、左右位置においては開閉部材63の両端より若干内方の位置に配設されている。従って、図13に示すように、第1実施形態に係る案内部材64の場合よりも、第2実施形態に係る案内部材74のほうが内側寄りの位置に配置されている。このとき、開閉部材63(および入球開口72)は第1実施形態の場合と同寸同形状となるように形成されており、従って第2実施形態においては、案内部材74が上述のように内側寄りに配置されるのにともない、取付基板76の横幅L4が、第1実施形態に係る取付基板62の横幅L1よりも短くなるよう成形されている。ただし、ガイド回転軸75が上述のように開閉部材63の下方に配置されるのにともない、取付基板76の縦幅(高さ)L5が、第1実施形態に係る取付基板62の縦幅(高さ)L2よりも大となっている。即ち、縦幅(高さ)方向における省スペースの観点では第1実施形態のほうが第2実施形態よりも有利となっている一方、横幅方向における省スペースの観点では第2実施形態のほうが第1実施形態よりも有利となっている。
(第2実施形態における動作)
以下、本第2実施形態に係る可変入賞装置73の動作を順次説明する。
<閉状態/非案内状態>
特別遊技状態へ移行していない間には、図13に示すように、開閉部材63は、第1実施形態の場合と同様の閉状態にある。一方このとき、同図に示すように、両側の案内部材74はそれぞれ、基本的に第1実施形態の場合と同様の非案内状態にあるが、両案内部材74の膨出部74Sがそれぞれ、開閉部材63の左下隅部および右下隅部の前へ迫り出すような体勢となっている。即ち、開閉部材63の前側面に、前方から膨出部74Sが後側面で対向するようにして覆い被さるような体勢となっている。この体勢では、開閉部材63は前方へ移動するようにして開状態へ変移しようとしても案内部材74の膨出部74Sに拘って動くことが困難となっている。従って例えば、外部から不正具を進入させて閉状態にある開閉部材63に係止させて不正にこじ開けようとしても、上述のように案内部材74の膨出部74Sにより規制されて開閉部材63の開閉が困難となっている。即ち、案内部材74が、開閉部材63を閉状態から動き難いように規制し得る規制手段として膨出部74Sを有するものとなっている。
またこのとき、非案内状態にある案内部材74は、第1実施形態の場合と同様、図13に示すように横幅L4、縦幅(高さ)L5の取付基板76の外形内に納まる体勢となっている。
<開放動作>
特別遊技状態へ移行すると、第1実施形態の場合と同様にして、図14に示すように、開閉部材63が閉状態から開状態へと変移して開放され、またこれに連動して、両側の案内部材74が非案内状態から案内状態へと変移して拡開される。
このとき、第1実施形態に係る案内部材64が案内状態にあるときの内側面と同様に、本第2実施形態に係る案内部材74の案内斜面74Gが、水平線に対しおよそ8°程度の角度で内側へ下傾する体勢となる。ただし、案内部材74の案内斜面74Gは、上述の通り非案内状態のときに垂直ではなくすでに水平線に対しおよそ63°程度の角度で内側へ下傾する体勢となっていたので、その回動量は、第1実施形態に係る案内部材64の場合のおよそ82°程度に対し、およそ55°程度とやや少なくなっている。
この拡開状態においては、第1実施形態の場合と同様、例えば図14に矢印A6で示すように、上方から流下してきた遊技球M5を案内斜面74G上で受けて可変入賞装置73の中央側へ転動させ、開閉部材63の後側面上へと案内して入球開口72内へ入球させる。即ち、両側の案内部材74は、第1実施形態に係る案内部材64の場合と同様、遊技球を入球させるように案内し易い案内状態にある。
このように両側の案内部材74が非案内状態から案内状態へと変移すると、図14に示すように、両案内部材74の膨出部74Sがそれぞれ、開閉部材63の前方の位置から両側へ退避し、これにより開閉部材63の前方のスペースが開放されて移動を遮るものがない状態となる。従って、第1実施形態の場合と同様に、前方へ90°近く傾倒するように開放され、例えば図14に矢印A7で示すように、上方から流下してきた遊技球M6を入球開口72内へ入球するよう案内し易い開状態へと変移することができる。
両側の案内部材74が上述のように案内状態にあるとき、最大拡開距離L3は、第1実施形態に係る案内部材64の最大拡開距離L3と同じく、可変入賞装置の最大開口寸法として規定されている135mmに等しくなるように設定されている。本第2実施形態に係る案内部材74は上述の通り第1実施形態に係る案内部材64の場合よりも内側寄りの位置に配置されているが、第1実施形態に係る案内部材64よりも長さが大となるように成形されることによって、上記135mmの最大拡開距離L3が確保されるように設定されている。
一方、本第2実施形態においては、上述の通り、取付基板76の横幅L4が、第1実施形態に係る取付基板62の横幅L1よりも短くなっているので、そのぶん、上記最大拡開距離L3との差は大きくなっている。即ち、第1実施形態の場合と同じく最大拡開距離L3として規定の最大開口寸法135mmが確保されながら、本第2実施形態に係る取付基板76は、第1実施形態に係る取付基板62よりもいっそう横幅において小幅となるようにコンパクトに構成されている。換言すれば、両案内部材74が取付基板76よりも外側へはみ出して動作する領域を除いた両側のスペースの幅が、第1実施形態に係る両案内部材64の場合の両側のスペースS1の幅よりも大きい構成、即ち第1実施形態の場合よりも占有スペースが大幅に節減される構成となっている。
<閉止動作>
この後、第1実施形態の場合と同様に、所定時間の経過又は所定個数の入賞に応じて、開閉部材63が開状態から閉状態へと復帰するように変移して再び閉じ、またこれに連動して、両側の案内部材74が案内状態から非案内状態へと復帰するように変移して、図13に示す開放動作以前の状態に復帰する。
このとき、大当たりが複数ラウンドある場合には、例えば、最初のラウンドの開始時に上述のように開閉部材63が開状態となるように変移するとともに両側の案内部材74が案内状態となるように変移した後、途中のラウンドでは開閉部材63のみが変移して開閉するとともに両側の案内部材74は変移せずに案内状態を維持し、最終ラウンドの終了時に上述のように開閉部材63が閉状態となるように変移するとともに両側の案内部材74が非案内状態となるように変移する、という動作態様としてもよい。
(第2実施形態の作用)
第2実施形態に係る可変入賞装置73によれば、第1実施形態に係る可変入賞装置32の場合と同様の作用に加えて、以下のような作用が得られる。
即ち、上記案内部材74が、上記開閉部材63を閉状態から動き難いように規制し得る規制手段として膨出部74Sを有する構成となっている。
一般に、閉状態にある開閉部材は、例えば外部から進入させた不正具を引っ掛けてこじ開けることにより入球可能な状態とするといった不正行為がなされることがあるが、第2実施形態に係る可変入賞装置73の構成によれば、開閉部材63が閉状態から動き難いように規制手段すなわち膨出部74Sで規制されることにより、このような不正行為が効果的に抑止されるようになっている。
また、上記開閉部材63が、閉状態から前方へ移動するようにして開状態へ変移し得る部材であり、上記案内部材74が、上記規制手段として、非案内状態にあるときには、閉状態にある上記開閉部材63の前側に位置して該開閉部材63の前方への移動を規制し得る一方、案内状態へ変移するとともに、上記開閉部材63の移動範囲外に出て規制を解除し得る規制面すなわち膨出部74Sの後側面を有するので、規制面として膨出部74Sの後側面を設けるという簡潔な構成により、案内部材74の変移にともない、開閉部材63の開状態への変移の規制および規制の解除を効果的に行うことが可能な構成となっている。
また、上記案内部材74が、非案内状態にあるときに上記開閉部材63のほうへ向けて膨出するとともに、案内状態にあるときに上記開閉部材63のほうへ下傾して遊技球M5を上記開閉部材63のほうへ案内し易い案内斜面74Gを構成する正面視略山括弧形状の膨出部74Sを有し、上記膨出部74Sの少なくとも一部すなわち後側面が上記規制面となっているので、案内部材74において遊技球を案内する膨出部74Sに規制面を設けることで、例えば別に専用の規制片を形成するような構成に比して、構成が簡潔となっている。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る可変入賞装置77は、図16に示すように、受球ベース78と、開閉部材80と、案内部材81とを主要素として構成されている。
受球ベース78は、全体的に遊技球1球よりやや大きい程度の前後幅を有し、略角柱形状をなして左右に長く延び、その両端部には正面視略台形状の立体をなして上方へ延びる側部78Sが一体的に形成された立体状の部材となっており、遊技盤83の盤面上に、前方へ突出するように固定されている。両側部78Sの上面はそれぞれ、後述する非案内状態のときの案内部材81の下面形状に沿った形状となるように成形されている。両側部78S間の中間部における上面は内奥側(遊技盤83側)へやや下傾する導球斜面78Rとなっている。両側部78S間の中間部の内奥に位置する遊技盤83には入球開口84が配設されている。
開閉部材80は、可変入賞装置77の左右方向中央における上部の位置から、両側へそれぞれ水平線に対しおよそ20°程度の角度で下傾するように延び、全体として正面視山形状となるように中央で屈曲する形状を有する切妻屋根形状の板状部材となっており、両端はそれぞれさらに垂直に下方へやや短く延びて垂下片80Pを形成している。遊技盤83には開閉部材80の正面形状に対応する形状のスリットが形成されており(図示せず)、開閉部材80は該スリットに前後に突出するように挿通され、閉状態では遊技盤83の盤面から遊技球1球よりやや大きい程度の前後幅だけ前方へ突出するように保持されている。遊技盤83の裏側にはソレノイドを駆動源とする駆動機構が配設されており(図示せず)、これにより開閉部材80が上記スリットを通して前後にスライド移動するように構成されている。
案内部材81は、基端部が丸く先端部へ向けて楔状に先鋭化する正面形状を有し、遊技球1球よりやや大きい程度の幅で前後方向に延びる翼形の立体状に成形された部材となっている点では、第1実施形態に係る案内部材64ないし第2実施形態に係る案内部材74と同様の形状を有するものとなっている。しかし第3実施形態に係る案内部材81は、全体的にやや薄く、基端部の厚みが先端部の厚みより若干大きい程度となっている。基端部は前後方向に延びる円柱状をなして他の部位よりもやや一方面側(図16では下面側)へ膨出する形状となっており、開閉部材80の垂下片80Pの外側にすぐ隣接するように配置されている。基端部の軸部には、ガイド回転軸85が後方から前端まで挿通され固定されている。ガイド回転軸85は、駆動機構により回転駆動されるようになっている(図示せず)。
両案内部材81はそれぞれ、非案内状態では、図16に示すように上面が開閉部材80の上面と同一面をなすように、両側へ下傾する体勢となっている。上述の通り、この非案内状態にある案内部材81の下面形状に対応するように、受球ベース78における両側部78Sの上面が成形されている。即ち、両側部78Sの上面における内側上端部は、案内部材81の基端部の円柱形状に対応して、正面視円弧状に凹入するように切欠いた形状に成形され、この切欠部から外側上端までは、案内部材81の下面に沿って両側へ下傾する斜面をなすように成形されている。
このとき、開閉部材80の両垂下片80Pにおける前後方向中央部には、下端縁から上方へ矩形状に凹入する係合凹部80Rが形成され、一方、両案内部材81の基端部における前後方向中央部には、非案内状態にあるときに周面から内側方向(可変入賞装置77の中央に向かう方向)へほぼ水平に延出する角柱状の係合突起81Pが一体的に形成されており、図18に示すように、係合突起81Pが下方から係合凹部80R内に嵌入することにより、開閉部材80が前後方向に移動しないように規制されるようになっている。即ち、案内部材81の係合突起81Pが、開閉部材80を閉状態から動き難いように規制し得る規制手段となっている。
(第3実施形態における動作)
以下、本第3実施形態に係る可変入賞装置77の動作を順次説明する。
<閉状態/非案内状態>
特別遊技状態へ移行していない間には、図16に示すように、開閉部材80は、上述の通り遊技盤83の盤面から遊技球1球よりやや大きい程度の前後幅だけ前方へ突出して閉状態となっている。一方、両側の案内部材81はそれぞれ、上述の通り、開閉部材80に連続する斜面をなすように、両側へ下傾して非案内状態となっており、このとき係合突起81Pが係合凹部80Rに係合して開閉部材80を移動困難となるように規制している。この状態では、例えば図16に矢印A8で示すように、可変入賞装置77の上に流下してきた遊技球M7は、開閉部材80上を右下方または左下方に流下し、案内部材81上を経て、可変入賞装置77の右下方または左下方へと落下していくか、あるいは流下の途上で開閉部材80ないし案内部材81から前方へと落下していく(図示省略)。
<開放動作>
特別遊技状態へ移行すると、図17に示すように、両案内部材81がそれぞれ、ガイド回転軸85で回転駆動されることにより両側へ跳ね上がるようにして、水平線に対しおよそ20°程度の角度で上傾する斜面をなす体勢となる。一方、この両案内部材81の回動にともない、図18に鎖線で示すように、両案内部材81の係合突起81Pが開閉部材80の係合凹部80Rから下方へ離脱して係合が解除され、開閉部材80が移動可能となって駆動機構により後方へスライド移動し、図17に示すように、遊技盤83の盤面より後方へ全体がすっかり納まるまで退避する。これにより、可変入賞装置77の上部が開放され、例えば図17に矢印A9で示すように、上方から流下してきた遊技球M8を導球斜面78R上で受けて後方へ転動させて入球開口84内へ入球するよう案内する。即ち、開閉部材80は遊技球が入球し易い開状態にある。
一方、両案内部材81はそれぞれ上述の通り両側へ上傾する斜面をなす体勢となっているので、例えば図17に矢印A10で示すように、上方から流下してきた遊技球M9を受けて可変入賞装置77の中央側へ転動させ、導球斜面78R上へと案内して入球開口84内へ入球させる。即ち、両案内部材81は遊技球を入球させるように案内し易い案内状態にある。
なお、図18に示すように、受球ベース78の側部78Sにおいて、内側上端縁の稜線部における前後方向中央部には、案内部材81の係合突起81Pを受容し得る退避凹部78Bが形成されており、図17における左上の案内部材81においても表れているように、開閉部材80の係合凹部80Rから下方へ離脱した案内部材81の係合突起81Pが退避凹部78B内に嵌入することができ、これにより、案内部材81が阻止されることなく回動して案内状態へ移行することができるようになっている。
両案内部材81の最大拡開距離は本第3実施形態においても135mmに等しくなるように設定されており、入球開口84の横幅はこれよりも小となっている。換言すれば、両案内部材81を案内状態に変移させることにより、入球開口84の横幅よりも大きい十分な最大開口寸法が確保されるようになっている。
<閉止動作>
この後、第1実施形態および第2実施形態の場合と同様に、所定時間の経過又は所定個数の入賞に応じて、開閉部材80が前方へスライド移動し、遊技盤83の盤面から遊技球1球よりやや大きい程度の前後幅だけ前方へ突出するまで進出して、再び閉状態となる。一方、この開閉部材80のスライド移動にともない、係合凹部80Rが両案内部材81の係合突起81Pの位置まで復帰し、両案内部材81が回転軸85で回転駆動されて先端を降下させ、両側へ下傾するとともに、係合突起81Pが開閉部材80の係合凹部80Rに下方から嵌入し係合して、図16に示す非案内状態へ復帰する。
(第3実施形態の作用)
第3実施形態に係る可変入賞装置77によれば、第1実施形態に係る可変入賞装置32ないし第2実施形態に係る可変入賞装置73の場合と同様に、案内部材81を案内状態に変移させることにより、十分な最大開口寸法が確保されるようになっているとともに、例えば単一タイプの開閉部材のみを備える可変入賞装置に比して、遊技球を入球開口84へ案内する態様に変化が付与されるようになっている。従って、良好な入賞感を得ることができる。
(その他の変更態様)
(1)第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77のいずれにおいても、案内部材64、74、81が、開閉部材63、80の左右両側に配置されていたが、案内部材を開閉部材の左右両側のうちのいずれか一方側のみに配置した構成としてもよい。この構成は、例えば、右打ち機と称されるパチンコ機のように専ら遊技領域の一方側を遊技球が流下するタイプのパチンコ機等に好適に適用することができる。即ち、このようなタイプのパチンコ機においては、遊技球が専ら一方側から可変入賞装置に流下してくるため、他方側においては案内部材を配設してもあまり有用でなく、従って一方側のみに案内部材を配設したほうが構成を簡略化できる。
(2)第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77のいずれにおいても、案内部材64、74、81を専ら外側へ拡開して最大拡開距離を確保する構成となっていたが、これとあわせて、あるいはこれにかえて、案内部材を内側へ閉じて拡開距離を狭め得る構成としてもよい。図19はこのような構成の一例を示す模式図である。
図19に示す可変入賞装置86は、基本的に第1実施形態に係る可変入賞装置32と同様の構成となっており、開閉部材63が開状態にあるとともに案内部材87が案内状態にあるときには、同様に図19に矢印A11で示すように上方から流下してきた遊技球M10を入球開口72内へ入球するよう案内することができ、最大拡開距離L3も135mmが確保されるようになっているが、図19に鎖線で示すように、内側へ傾倒して入球開口72の右上隅部および左上隅部の前にさしかかるように回動し得るようにも構成されている。またこのため、案内部材87のガイド回転軸88は、案内部材87の傾倒が開閉部材63に拘って阻止されるのを避けるため、第1実施形態に係るガイド回転軸71よりもやや上方に配設されている。
即ち、開閉部材63が開状態にあるときに、所定の契機に応じて案内部材87が、内側面が垂直に立った非案内状態のときの体勢に比しておよそ40°程度内側へ傾倒するように回動して、入球開口72の両端部の前を遮る体勢となる。従って、例えば図19に矢印A12で示すように、上方から入球開口72の両端部の辺りに流下してきた遊技球M11が案内部材87の外側面に案内されて可変入賞装置86の右下方ないし左下方へと流下していく。このとき、一方の案内部材87の先端と他方の案内部材87の先端との距離(以下、「最小拡開距離」とも称す)L6が、入球開口72の横幅よりも小となっている。
即ち、このときの案内部材87は、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態にあるともいえるが、むしろ、入球可能な領域を狭めて遊技球を入球させないように案内し易い入球阻止状態にあるということもできる。内側面が垂直ないしこれに近い体勢で立った非案内状態のときには、前述の通り、例えば図11に矢印A2で示すように、上方から流下してきた遊技球M1を内側面で撥ね返して入球可能な領域のほうへ案内することもあり、この場合には入球開口72に側壁が付設されているに等しい。しかし本変更態様(2)に係る案内部材87のように入球開口72のほうへ実質的に傾倒する体勢となると、遊技球を内側面で撥ね返して入球開口72のほうへ案内することは困難であり、この場合には入球開口72に障壁が付設されてその入賞しやすさが低減されているに等しい。このように、案内部材87が遊技球を入賞領域のほうへ案内することが殆どなく、実質的に入賞しやすさを減じる一方となるのは、内側面が垂直に立ったときの体勢に比しておよそ20°程度以上(さらには例えば30°程度以上あるいは50°程度以上)内側へ傾倒した体勢にあるときである。
本変更態様(2)に係る可変入賞装置86によれば、例えば、特別遊技状態へ移行してから最初の所定時間(例えば10秒間)が経過した時点で大量の遊技球が入賞した場合に、これに続く中間の所定時間(例えば10秒間)は両案内部材87を内側へ傾倒させて入賞を抑制し、この間に入賞球が少数であれば残りの所定時間(例えば5秒間)は再び両案内部材87を案内状態に戻して入賞を促進し、これにより所定数の遊技球を入賞させる時間をなるべく一定に近づけるようにする、等といった制御パターンも可能となる。
また、例えば、開閉部材63が閉状態にあるときに、両案内部材87を内側へ傾倒させて入球開口72の右上隅部および左上隅部の前にさしかかった体勢に維持するようにすれば、該両案内部材87により規制されて開閉部材63の開閉が困難となる。即ち、両案内部材87が、開閉部材63を閉状態から動き難いように規制し得る規制手段としても機能することができ、これにより不正行為を抑止することができることとなる。
(3)第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77のいずれにおいても、開閉部材63、80の開閉動作と案内部材64、74、81の回動動作とは一斉に行われる構成となっていたが、例えば、両者の動作のうちのいずれか一方または両方が選択的に行われる構成とし、これにより可変入賞装置における入賞しやすさを変えることができるようにてもよい。即ち、第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77の場合のように両者の動作をあわせて行う動作パターンだけでなく、例えば案内部材は非案内状態ないし案内状態を維持したままで開閉部材のみを開閉動作させるような動作パターンや、開閉部材が開状態となっている間に案内部材のみを開閉動作させるような動作パターン等も設定するようにしてもよく、これにより動作パターンを多様化することができる。
この場合、規制手段を設けた構成とすると、規制を解除しない限り開閉部材の開閉動作のみを個別に行うことが困難となるので、例えば第1実施形態に係る可変入賞装置32のように規制手段のない構成や、あるいは、第3実施形態に係る可変入賞装置77において規制手段である係合突起81Pおよび係合凹部80Rを設けないようにした構成とすることが望ましい。
パチンコ機においては、例えば、大当たり期待度に合わせて4種類のリーチ種別(リーチ変動パターン)が設定されている。より具体的には、例えば、始動入賞装置(始動口)への入球タイミングに基づいて大当り乱数の抽選が行われ、この抽選の結果に応じて装飾図柄表示装置に表示する図柄の変動表示等といった演出内容が決定される。図柄の変動表示には、リーチを含むものと含まないものとがあり、リーチを含むものとしては例えば、ノーマルリーチ(大当たりとなる確率が低確率であるリーチ状態)、スーパーリーチ(大当たりとなる確率が中確率であるリーチ状態)、スペシャルリーチ(大当たりとなる確率が高確率であるリーチ状態)、プレミアムリーチ(大当たりとなる確率が100%であるリーチ状態)等のリーチの種別が設定される。
これらのリーチの種別によって、例えば、
a)ノーマルリーチまたはスーパーリーチの場合、案内部材は非案内状態を維持したままで開閉部材のみを開状態とする
b)スペシャルリーチまたはプレミアムリーチの場合、開閉部材を開状態とするとともに案内部材を案内状態とする
といった2種類の動作パターンを設定することが可能である。
このように、内部抽選の結果、大当たりとなる確率がより高いリーチ種別となった場合b)には、案内状態とした案内部材によって可変入賞装置の最大開口寸法が確保され、一方、大当たりとなる確率がより低いリーチ種別となった場合a)には、可変入賞装置の開口寸法がより小さく抑えられる。即ち、大当たり期待度の高さに応じて、これらの動作パターンa)、b)のいずれかが選択されるように制御され、これにより、可変入賞装置における入賞しやすさに差が設けられ、さらに、装飾図柄表示装置による図柄の変動表示等だけでなく、実物の案内部材の動作によって視覚的にも差異が強調されて入賞感に変化が付与される。
また、パチンコ機においては、例えば大当たりに、付加価値としてとしてその後の大当り当選確率がより高確率となる確変大当り、抽選後の変動表示時間が短縮された時短大当り等の種別が設定されているので、この種別によって、例えば、
a)時短大当りの場合、案内部材は非案内状態を維持したままで開閉部材のみを開状態とする
b)確変大当りの場合、開閉部材を開状態とするとともに案内部材を案内状態とする
といった2種類の動作パターンを設定することも可能であり、これによっても入賞感に変化を付与することができる。
(4)第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77のいずれにおいても、開閉部材63、80の開閉動作と案内部材64、74、81の回動動作とは基本的に同一の契機に応じて同期的に行われる構成となっていた。換言すれば、開閉部材63、80の開状態と閉状態との間の変移すなわち開閉動作と、案内部材64、74、81の案内状態と非案内状態との間の変移すなわち開閉動作とが、基本的に同じ契機で一斉に行われる構成となっていた。しかしながら例えば、両者の開閉動作を異なる契機に応じてずらして行うようにしてもよい。
この場合も、上述の変更態様(3)の場合と同様に、規制手段を設けない構成とすればよい。
以下、図20を参照して、本変更態様(4)に係る可変入賞装置の動作の一例について説明する。この例においては、最大30秒の経過または遊技球9個の入賞が1ラウンドとして設定されている。
特別遊技状態へ移行すると、まず、開閉部材が閉状態から開状態へと変移して開放される(S101)。このとき、案内部材は引き続き非案内状態に維持される。ついで、開閉部材が開状態へ変移してから10秒が経過したか否かが判断され(S102)、まだ10秒が経過していない場合は(S102:No)、遊技球が9個入賞したか否かが判断される(S103)。遊技球が9個入賞している場合には(S103:Yes)、開閉部材が開状態から閉状態へと復帰するように変移して閉止され(S104)、S103の処理において遊技球が9個入賞していない場合には(S103:No)、遊技球が9個入賞するまでS103の処理を繰り返す。
S102の処理において10秒が経過している場合は(S102:Yes)、入賞した遊技球が4個以下であるか否かが判断される(S105)。入賞した遊技球が4個以下である場合は(S105:Yes)、案内部材が非案内状態から案内状態へと変移して拡開される(S106)。ついで、遊技球が9個入賞したか否かが判断される(S107)。遊技球が9個入賞していない場合には(S107:No)、開閉部材が開状態へ変移してから30秒が経過したか否かが判断され(S108)、まだ30秒が経過していない場合は(S108:No)、30秒が経過するまでS108の処理を繰り返す。
S108の処理において30秒が経過している場合は(S108:Yes)、開閉部材が開状態から閉状態へと復帰するように変移して閉止されるとともに、案内部材が案内状態から非案内状態へと復帰するように変移して閉止する(S109)。一方、S107の処理において遊技球が9個入賞している場合にも(S107:Yes)、S109の閉止処理へ移行する。
S105の処理において入賞した遊技球が4個より多い場合は(S105:No)、開閉部材が開状態へ変移してから15秒が経過したか否かが判断され(S110)、15秒が経過している場合は(S110:Yes)、入賞した遊技球が6個以下であるか否かが判断される(S111)。入賞した遊技球が6個以下である場合は(S111:Yes)、案内部材が非案内状態から案内状態へと変移して拡開される(S106)。S111の処理において入賞した遊技球が6個より多い場合は(S111:No)、開閉部材が開状態へ変移してから20秒が経過したか否かが判断され(S112)、20秒が経過している場合は(S112:Yes)、入賞した遊技球が8個以下であるか否かが判断される(S113)。入賞した遊技球が8個以下である場合は(S113:Yes)、案内部材が非案内状態から案内状態へと変移して拡開される(S106)。S113の処理において入賞した遊技球が8個より多い場合は(S113:No)、遊技球が9個入賞したか否かが判断される(S114)。遊技球が9個入賞している場合には(S114:Yes)、開閉部材が開状態から閉状態へと復帰するように変移して閉止される(S115)。S114の処理において遊技球が9個入賞していない場合には(S114:No)、開閉部材が開状態へ変移してから30秒が経過したか否かが判断され(S116)、まだ30秒が経過していない場合は(S116:No)、30秒が経過するまでS116の処理を繰り返す。S116の処理において30秒が経過している場合は(S116:Yes)、S115の閉止処理へ移行する。
以上のように、この例においては、特別遊技状態へ移行するとまず開閉部材のみが開放され、10秒経過時点、15秒経過時点および20秒経過時点の各時点で、入賞球数が各時点における規定の個数に達しているか否かが判断され、いずれかの時点で規定数に達していないと判断された場合には案内部材が拡開されるように制御される。即ち、入賞のペースが遅い場合には入賞が促進されるように制御される。これにより、入賞のペースが遅い場合に、これを上げて適正なペースに補正することができ、従って所定数(9個)の遊技球が入賞するまでの時間をなるべく所定時間(30秒)に近づけることができる。
(5)上記変更態様(4)に係る可変入賞装置において、さらに例えば、入賞球数がいずれかの時点で規定数を超えている、即ち入賞のペースが速いと判断された場合には、上述の変更態様(2)に従って案内部材を内側へ傾倒させて入賞しやすさを抑制する、という制御をあわせて行うようにすれば、入賞のペースが遅い場合に加えて、入賞のペースが速い場合にもこれを落として適正なペースに補正することができ、従って所定数の遊技球が入賞するまでの時間をより効果的に調整することができる。
(6)第1実施形態に係る可変入賞装置32においては、開閉部材63の開閉動作と案内部材64の開閉動作とが、同一のソレノイドを駆動源として、連動機構により連動して同時に駆動される構成となっていたが、開閉部材の開閉動作と案内部材の開閉動作とをそれぞれ別個の駆動源により独立して行うようにしてもよい。特に、上述の変更態様(3)〜(5)のように両者の動作のうちのいずれか一方または両方を選択的に行う構成とする場合には、同一の駆動源によりいずれか一方のみを駆動しようとすると他方の動作を規制する機構を設ける必要があるため駆動機構が複雑となるが、両者をそれぞれ別個の駆動源により駆動する構成とすると駆動機構を複雑化させずにすむという利点がある。
(7)第1実施形態〜第3実施形態に係る可変入賞装置32、73、77のいずれにおいても、両側の案内部材64、74、81が同時に一斉に開閉動作するようになっていたが、例えば、両者のうちのいずれか一方または両方を選択的に行い得るようにし、これにより入賞しやすさをより多様に変えることができる構成としてもよい。
(8)第1実施形態および第2実施形態に係る可変入賞装置32、73においては、側方の案内部材64、74から遊技球M4、M5が中央の開閉部材63の後側面上へと案内されていく構成となっていたが、この場合、遊技球M4、M5の勢いが強すぎると、開閉部材63上を一方端から他方端へと通過して入球開口72へ正しく案内されない惧れもある。そこで、例えば図21に示すように、開閉部材89の後側面上に、遊技球M12、M13を入球開口90の方へ案内する案内リブ91を配設することが望ましい。
同図に示す案内リブ91は、右側リブ91Rおよび左側リブ91Lより構成され、それぞれ開閉部材89の後側面上における中央部に、前端近傍から後端近傍まで延びるように一体的に形成されている。右側リブ91Rおよび左側リブ91Lはそれぞれ、前端から後端へかけて、やや右方寄りおよび左方寄りの位置から中央へむけて傾斜していくように延びており、全体として、同図に示すように平面視概略逆V字形状をなして後方へ収斂していくような形状となっている。
例えば同図に矢印A13、A14で示すように、開閉部材89の後側面上を側方から中央へ転動してきた遊技球M12、M13は、右側リブ91Rないし左側リブ91Lにより後方へ案内されて入球開口90へ入球することとなる。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段A1として、
遊技球が入球し難い閉状態と、遊技球が入球し易い開状態との間で変移し得る開閉部材を有する可変入賞装置を備え、
前記可変入賞装置が、前記開閉部材とは別に、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態と、遊技球を入球させるように案内し易い案内状態との間で変移し得る案内部材を有することを特徴とする。
なお本発明において、「入球し難い」と「入球し易い」、「案内し難い」と「案内し易い」といった場合の「〜し難い」と「〜し易い」という1対の表現は、難易度が相対的に異なる2つの状態を意味し、従って例えば「〜し易い」と「より〜し易い」という1対の表現に言い換えることもできる。
上記手段A1の構成によれば、可変入賞装置を比較的に少ないスペースに配置し得るようコンパクトに構成しても、案内部材を案内状態に変移させることにより、開口寸法を十分に確保することができる。換言すれば、可変入賞装置において少ないスペースでも開口寸法を十分に確保することができる。従って、良好な入賞感を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記可変入賞装置を取付位置に取り付けるための取付基板を備え、
前記案内部材が、少なくとも一部が前記取付基板よりも外側へはみ出すようにして案内状態に変移し得ることを特徴とする。
上記手段A2の構成によれば、案内状態にある案内部材で開口寸法を十分に確保しながら、取付基板はこれよりも小さい寸法となるようにコンパクト化することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A3として、手段A1または手段A2の遊技機において、
前記開閉部材が、前後方向に移動するようにして閉状態と開状態との間で変移し得る部材であり、
前記案内部材が、前記開閉部材の左右両側のうちの少なくとも一方側に配置されていることを特徴とする。
開閉部材が前後方向に移動して開閉する部材である場合、該開閉部材の横幅方向の開口寸法は一定であるが、上記手段A3の構成によれば、開閉部材の少なくとも一方側で案内部材が案内状態に変移することにより、そのぶん、上記開閉部材の横幅方向の開口寸法を拡大することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A4として、手段A3の遊技機において、
前記案内部材が、前記開閉部材の左右両側に配置されていることを特徴とする。
上記手段A4の構成によれば、開閉部材の横幅方向の開口寸法を効果的に拡大することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A5として、手段A3の遊技機において、
前記案内部材が、前記開閉部材の左右両側のうちのいずれか一方側のみに配置されていることを特徴とする。
上記手段A5の構成によれば、例えば、右打ち機と称されるパチンコ機のように専ら遊技領域の一方側を遊技球が流下するタイプのパチンコ機等に好適に適用することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A6として、手段A1から手段A5のいずれかの遊技機において、
前記案内部材が、前記開閉部材と連動して変移し得ることを特徴とする。
上記手段A6の構成によれば、開閉部材と案内部材とを共通の駆動源により変移させる構成とすることができるので、そのぶん構成を簡略化することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A7として、手段A1から手段A6のいずれかの遊技機において、
前記開閉部材の変移および前記案内部材の変移のうちのいずれか一方または両方が選択的に行われるようになっていることを特徴とする。
上記手段A7の構成によれば、可変入賞装置における入賞しやすさを変えることができ、また動作パターンを多様化することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A8として、手段A7の遊技機において、
前記開閉部材が閉状態から開状態へ変移し、このあと所定時間の経過後に入賞球数に応じて前記案内部材を変移させるか否かが判断されるようになっていることを特徴とする。
上記手段A8の構成によれば、所定時間経過後の入賞球数に応じて、案内部材の変移により入賞しやすさが変えられることとなり、これにより入賞のペースを補正することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、手段A1から手段A6のいずれかの遊技機において、
前記案内部材が、前記開閉部材を閉状態から動き難いように規制し得る規制手段を有することを特徴とする。
閉状態にある開閉部材は、例えば外部から進入させた不正具を引っ掛けてこじ開けることにより入球可能な状態とするといった不正行為がなされることがある。そこで、上記手段B1の構成によれば、開閉部材を閉状態から動き難いように規制手段で規制することにより、このような不正行為を効果的に抑止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段B1の遊技機において、
前記開閉部材が、閉状態から前方へ移動するようにして開状態へ変移し得る部材であり、
前記案内部材が、前記規制手段として、非案内状態にあるときには、閉状態にある前記開閉部材の前側に位置して該前記開閉部材の前方への移動を規制し得る一方、案内状態へ変移するとともに、前記開閉部材の移動範囲外に出て規制を解除し得る規制面を有することを特徴とする。
上記手段B2の構成によれば、規制面を設けるという簡潔な構成により、案内部材の変移にともない、開閉部材の開状態への変移の規制および規制の解除を効果的に行うことが可能な構成とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段B2の遊技機において、
前記案内部材が、非案内状態にあるときに前記開閉部材のほうへ向けて膨出するとともに、案内状態にあるときに前記開閉部材のほうへ下傾して遊技球を前記開閉部材のほうへ案内し易い案内斜面を構成し得る形状の膨出部を有し、前記膨出部の少なくとも一部が前記規制面となっていることを特徴とする。
上記手段B3の構成によれば、案内部材において遊技球を案内する膨出部に規制面を設けることで、例えば別に専用の規制片を形成するような構成に比して、構成を簡潔とすることができる。
本発明は、パチンコ機等の遊技機に好適に実施することができる。
32:可変入賞装置
63:開閉部材
64:案内部材
M3、M4:遊技球

Claims (1)

  1. 遊技球が入球し難い閉状態と、遊技球が入球し易い開状態との間で変移し得る開閉部材を有する可変入賞装置を備え、
    前記可変入賞装置が、前記開閉部材とは別に、遊技球を入球させるように案内し難い非案内状態と、遊技球を入球させるように案内し易い案内状態との間で変移し得る案内部材を有することを特徴とする遊技機。
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