以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABSアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図6参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4および図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動入賞装置33、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置371A、普通図柄表示装置371B、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。これらの一般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第2の始動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置は、第1の始動入賞装置33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置は第2の始動入賞装置34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置は、後にも言及する表示装置371Aにおける第1表示部の9個のLEDセグメントで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置は、後述する表示装置371B内に配置された普通図柄用の2個のランプ(以下、第1ランプおよび第2ランプとも称す)を備えている。この実施例では、普通図柄用の第1ランプは、その外観形状は「○」形状となっている一方、第2ランプは、第1ランプの右側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置は、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過する毎に例えば第1および第2ランプによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、第1および第2ランプが交互に光り、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、第1および第2ランプは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の裏カバー(保護カバー)等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および裏カバー(保護カバー)も上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす裏カバー部(保護カバー部)354とを有する。裏カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。裏カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、裏カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置は上記したように9個のLEDセグメントで構成されており、普通図柄表示装置は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個のLEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4および図5参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成1)
上記パチンコ機10は、操作手段である遊技球発射ハンドル(以下、「操作ハンドル」と称す)18における戻し力の増大を軽減する減殺機構が設けられた構成となっている。図10ないし図15はそれぞれ、操作ハンドル18の正面図、背面図、左前側から視た斜視図、右前側から視た斜視図、右後側から視た斜視図および左後側から視た斜視図である。
操作ハンドル18は、図10ないし図15に示すように、筒状に延びる基軸部601の一方端部に、環状のダイヤル602が回転可能に取り付けられた構成となっている。
基軸部601は、図11ないし図18に示すように、概略縦長の楕円状の断面形状を有する筒状体であって、一方端面部が開放されるとともに、他方端面部が端面壁603(図18参照)によりほぼ閉塞され、該端面壁603辺りの位置で周壁が径方向に外側にやや拡大し、この拡大部の周縁からやや短く周壁が延びて、拡径部604が形成されている。これにより、基軸部601は、ほぼ全体として、一方端部が傘状に拡径した概略きのこ形状(ないしリベット形状)となっている。基軸部601内部には、内周面に沿って複数の螺入部605(図11、図14および図15参照)が形成されており、該螺入部605にネジを螺入するようにして基軸部601の開放側端部が図1に示すようにパチンコ機10における前記下皿ユニット13の前面部に固定されるようになっている。なお、基軸部601はこのように開放側端部がパチンコ機10の前面部に取り付けられるので、該開放側端部が基軸部601の後側端部、その反対側である拡径部604形成側端部が前側端部である。また、基軸部601は例えば図11に示すように概略楕円状の断面形状を縦にするようにして取り付けられ、図示における上下方向(および左右方向)と取付状態での上下方向(および左右方向)とは一致している。
図18に示すように、基軸部601の端面壁603の中央には軸挿通孔607が設けられるとともに、端面壁603における左下端部の1箇所および右上端部の周方向に隣り合う2箇所の計3箇所に、円柱状に延び内部にネジ挿通孔を有するネジ挿通部608がそれぞれ突設されている。上記右上端部の2箇所のネジ挿通部608の間には、これらネジ挿通部608と平行に円柱状に延びる第1バネ挿通軸部637が突設されている。
図10ないし図18に示すように、基軸部601の拡径部604における外周の左端より若干下方の位置から突出するようにして、ストップボタン616が配置されている。このストップボタン616は、図18に示すように、拡径部604の中心付近で回動可能に支持されてほぼ径方向に沿って外方へレバー状に延び、先端が概略槌の頭部形状をなして拡径部604の外周縁から突出し、付勢手段(図示せず)により時計回り方向(即ち先端を上方へ引き上げる方向)に付勢された構成となっており、外力が加えられていない状態では、付勢力により先端が上方へ引き上げられて遊技球の発射が許可されるオン状態に保持され、一方、先端を下方へ押し下げるように反時計回り方向に外力を加える(押圧する)と、遊技球の発射が禁止されるオフ状態となるようになっている。ダイヤル602の後側面には後方に突出する係合突起が一体的に形成されてストップボタン616の若干上方を横切るように延出しており(図示せず)、操作ハンドル18を操作していない初期状態では、後述するようにダイヤル602が反時計回り方向に付勢されているので、ストップボタン616が上記係合突起により上方から押圧されてオフ状態に保持され、ダイヤル602を時計回り方向に回すと上記係合突起による押圧から解放されてオン状態となり、以降、ダイヤル602を回した状態にあっても手動でストップボタン616を押圧することにより任意にオフ状態とすることができる。また、図11および図18に示すように、基軸部601において軸挿通孔607の下方の位置には可変抵抗器617が配置され、該可変抵抗器617は前記発射制御装置312に接続されている。
図16ないし図18に示すように、基軸部601における軸挿通孔607には、軸部材618が軸支されている。軸部材618は、回動軸618Aの中間部に、概略円板状の基体部618Sが一体的に成形され、該基体部618Sの後側面にはギア部(図示せず)が形成されていて、軸部材618の回転が可変抵抗器617のギア617Gに伝達されるようになっている。
ダイヤル602は、図19に示すように、基軸部601における拡径部604の外径より僅かに大きい径を有する環状の周壁形状をなすリム部602Rと、該リム部602Rの外径より小さい外径を有し中央に軸挿通孔602Fが穿設された正面視概略円形のボス部602Bとを有し、リム部602Rの外周面における上端よりやや右寄り(図19では左寄り)、左端よりやや上寄りおよび右端の3箇所にそれぞれ正面視概略三角形状の指掛突起602Pが一体的に形成され、各指掛突起602Pにおける左側面は、正面視概略S字形状をなすように湾曲しながらリム部602Rの外周面からほぼ径方向に立ち上がる形状を有する指掛面602Eとなっている。ボス部602Bは右端の位置および左端よりやや下寄りの位置でそれぞれリム部602Rと一体的に連続する形状となっており、したがって、ボス部602Bとリム部602Rとの間に、左右の連続部分で上下2つに分割されボス部602Bおよびリム部602Rの周方向に沿って延びる円弧状の貫通溝部602Gが形成されている。また、リム部602Rの内周面に沿って、左端よりやや下寄りの位置から反時計回り(図19では時計回り)に上端よりやや右寄りの位置にかけて、リム部602Rの内周面との間に一定の間隔を保持しながら正面視円弧状に延びるリブ602Mが一体的に形成され、該リブ602Mの左端部は外側に折り返されてリム部602Rに連続している。
ダイヤル602のボス部602Bには、軸挿通孔602Fに回動軸618Aを挿通するようにして前記軸部材618が後側から嵌着され、ネジにより固定されるようになっている(この固定状況は図示省略)。この状態で、ダイヤル602の貫通溝部602Gに前記基軸部601のネジ挿通部608を挿通しながら、前記基軸部601の軸挿通孔607に軸部材618の回動軸618Aが挿入される。これにより、ダイヤル602が基軸部601に対し所定の角度範囲内で自在に回転し得るように支持されるようになっている。このとき、ダイヤル602の貫通溝部602Gが両端で基軸部601のネジ挿通部608に当ってダイヤル602の回動が規制されるため、上記所定の角度範囲は、このようにダイヤル602の回動がネジ挿通部608により規制される範囲すなわち可動範囲のことである。またこのとき、ダイヤル602は、基軸部601における拡径部604の周縁にリム部602Rが外側から嵌合した状態で回転し、したがってその移動方向が拡径部604の周方向に規制されるようになっている。
ダイヤル602の前側からは、キャップ619が取り付けられる。キャップ619は、図12ないし図15にも示すように、ほぼ半球状(ないし椀状)の形状を有し、前面部(外面部)には装飾が施され、内側には、前記基軸部601の3本のネジ挿通部608に対応する位置に、内部にネジ穴を有する円柱形状の螺入部がそれぞれ形成された構成となっている(図示せず)。基軸部601の拡径部604の後方からネジ挿通部608にネジを挿入してキャップ619の螺入部に螺入することにより、キャップ619が基軸部601に固定され、これによりダイヤル602が脱離不能に保持される。
ダイヤル602の前面側には、図20に示すように、ねじりコイルばね620が装着されている。上述の通り、ダイヤル602におけるボス部602Bの軸挿通孔602Fには回動軸618Aが挿通されるとともに、貫通溝部602Gには基軸部601のネジ挿通部608が挿通されているので、回動軸618Aの先端部と、ネジ挿通部608の間に並行して延びる第1バネ挿通軸部637とが、ダイヤル602におけるボス部602Bより前方へ突出している。また、2つの貫通溝部602Gの間には、ボス部602Bとリム部602Rとの架橋部(連続部)が左右1対形成されているが、このうちの右側の架橋部には、第2バネ挿通軸部621が前方へ突出するように一体的に形成されている。ねじりコイルばね620は、鋼線よりなり、巻数6で、両アーム620F、620Mの先端が円環状に折曲された構成となっており、両アーム620F、620Mおよびコイル620Cで構成される谷状部分で回動軸618Aを側方(径方向外側)から包囲する(挟み込む)ようにして、ダイヤル602におけるボス部602Bの前面上に配置され、両アーム620F、620Mの円環状の先端部がそれぞれ第1バネ挿通軸部637および第2バネ挿通軸部621に外嵌されて回動自在に枢着され固定されている。このとき、ねじりコイルばね620は、上述の通り両アーム620F、620Mの先端で第1バネ挿通軸部637および第2バネ挿通軸部621に支持されてそれ以外の部位は支持も固定もされておらず、したがって、両アーム620F、620Mの先端で第1バネ挿通軸部637および第2バネ挿通軸部621により拘束されるのみであって、基本的にコイル620Cは拘束されない体勢で保持されている。
なお、ねじりコイルばね620は、平面方向において移動可能に支持されていればよく、奥行方向については移動が規制されるようにして支持されていてもいなくてもよい。本実施形態においては、ねじりコイルばね620が、ダイヤル602におけるボス部602Bの前面とキャップ619との間に挟まれるようにして配置され、これにより前後方向(奥行方向)の移動が規制されるようにして支持されているが、前方および後方のうちの少なくとも一方への移動が規制されない構成としてもよい。
ダイヤル602を操作していない初期状態においては、図20に示すように、ねじりコイルばね620が第1バネ挿通軸部637と第2バネ挿通軸部621とを最大限に引き寄せるように付勢し、このねじりコイルばね620の付勢力により、ダイヤル602が反時計回り方向に最大限まで回転した位置で保持されるようになっている。このとき、ねじりコイルばね620におけるコイル620Cの中心と両アーム620F、620Mの先端とを結ぶ2線分のなす角度(たわみ角)α1は27°となっている。この初期状態において両アーム620F、620Mはなお互いに近寄る方向すなわち閉じる方向に弾性を作用させており、したがってねじりコイルばね620が変形していないとき(取付位置に取り付けられておらず外力が加えられていない自由状態)の巻角度は、初期状態におけるたわみ角α1(=27°)よりも小となっている。またこのとき、ダイヤル602は、貫通溝部602Gが一方端で基軸部601のネジ挿通部608に当たることにより、これ以上反時計回り方向に回動し得ないように規制されていて、ねじりコイルばね620の両アーム620F、620Mは、回動軸618Aの周面との間に僅かに余裕(隙間)を有した状態に保持されており、したがってこれら両アーム620F、620Mと回動軸618Aとの間には力は作用していない。
またこのとき、上述の通りねじりコイルばね620がダイヤル602を反時計回り方向に付勢した状態で初期位置に保持しているので、この付勢力により、ダイヤル602がストップボタン616を図20(b)の矢印A1に示すように反時計回り方向に押圧してオフ状態に保持するようになっている。
以下、操作ハンドル18の操作に伴うダイヤル602およびねじりコイルばね620の状況の推移を、図20ないし図24に基づいて順次説明する。
(1)操作前の初期状態では、上述の通り、図20に示すようにダイヤル602が反時計回り方向に最大限に回転した初期位置にあり、前記ねじりコイルばね620の付勢力により、ストップボタン616を押圧してオフ状態としながら、この初期位置に保持されている。この初期位置では、前記3箇所の指掛突起602Pが上端よりやや右寄り、左端よりやや上寄りおよび右端にそれぞれ位置している。
このとき、ねじりコイルばね620は、上述の通り両アーム620F、620Mおよびコイル620Cで構成される谷状部分で回動軸618Aを側方から包囲するようにして配置されており、したがってコイル620Cが回動軸618Aの周面に側方から(左方よりやや下方から)外接した体勢となっている。またこのとき、上述の通りねじりコイルばね620のたわみ角α1は27°である。
(2)まず、ダイヤル602を初期位置から前記ねじりコイルばね620の付勢力に抗して図20(b)の矢印A2に示す時計回り方向に回していくと、ストップボタン616を押圧から解放してオン状態としながら、第2バネ挿通軸部621が周方向に沿って第1バネ挿通軸部637から離隔していき、これにともなって、第2バネ挿通軸部621に枢着されたアーム(移動側のアーム)620Mが、第1バネ挿通軸部637に枢着されたアーム(固定側のアーム)620Fから離隔するようにして、両アーム620F、620Mが拡開していくとともに、コイル620Cが、図21(b)の矢印A3に示すように第1バネ挿通軸部637を中心とする円周方向に沿って時計回り方向に移動し、回動軸618Aの周面から離隔していく。この途上で、図21に示すように、ダイヤル602を初期位置から時計回り方向に30°回した位置においては、ねじりコイルばね620のたわみ角α2は46°で、初期位置におけるたわみ角α1=27°から19°の増大となっており、コイル620Cは回動軸618Aの周面から左方に若干の距離をおいて離隔している。
(3)さらに、引き続きダイヤル602を図21(b)および図22(b)の矢印A4、A5に示すように時計回り方向に回していき、図22および図23に示すように、ダイヤル602を初期位置から時計回り方向に60°および100°回した位置においては、ねじりコイルばね620のたわみ角α3、α4はそれぞれ62°、79°で、初期位置におけるたわみ角α1=27°からそれぞれ35°、52°の増大となっており、コイル620Cは回動軸618Aの周面から、第1バネ挿通軸部637を中心とする円周方向に沿って左上方へ、間隔を次第に増大させながらさらに離隔している。
(4)さらに、引き続きダイヤル602を図23(b)の矢印A6に示すように時計回り方向に回して、図24に示すように、ダイヤル602を初期位置から時計回り方向に117°回すと、ダイヤル602は限界位置に達し、これ以上は時計回り方向に回すことは不可能となる。この限界位置においては、ねじりコイルばね620のたわみ角α5は84°で、初期位置におけるたわみ角α1=27°から57°の増大となっており、コイル620Cは回動軸618Aの周面から左上方(左方より約40°上方の方向)に距離をおいて離隔し、回動軸618Aよりも、ダイヤル602の最外周部を構成するリム部602Rのほうにより近接する位置に達している。
ねじりコイルばね620は、操作ハンドル18の操作にともなって如上の挙動を示すが、このときねじりコイルばね620が作用する様態を、図25ないし図27に基づいて以下さらに説明する。
(1)初期状態においては、図25に示すように、前述の通りねじりコイルばね620のコイル620Cが回動軸618Aの周面にほぼ外接した体勢となっている(即ち隙間をあけて配置されている)ので、コイル中心O12が回動軸618Aの中心(以下、「ダイヤル中心」とも称す)O11から側方へややずれている。コイル620Cは回動軸618Aの周面に外接していても、若干の隙間をあけて配置されていてもよいが、いずれにしてもコイル中心O12はダイヤル中心O11から側方へややずれている。このとき、ねじりコイルばね620は、前述の通り、初期位置に規制された状態で、両アーム620F、620Mがなお互いに近寄る方向すなわち閉じる方向に弾性を作用させているので、第2バネ挿通軸部621には、第1バネ挿通軸部637の方へ引き寄せられるように(即ち第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向に沿って)弾性力(付勢力)E1が作用しているが、コイル中心O12はダイヤル中心O11に対してまだ比較的に近接した位置にあってこれらのずれもまだ比較的に小さいので、上記付勢力E1の方向は、第2バネ挿通軸部621の回転方向(即ちダイヤル中心O11を中心とする円周方向)からまだあまり大きくは逸脱しておらず、したがって該付勢力E1は、該付勢力E1によりダイヤル602を初期位置に戻す方向(反時計回り方向)に働く回転力すなわち戻し力F1に比較的に近い状態にある。換言すれば、上記付勢力E1が、それ自体として、ダイヤル602を初期位置に戻す方向に作用するのに近い状態にある。
(2)ダイヤル602を可動範囲の中間点付近まで、即ち初期位置から時計回り方向に60°回した時点においては、図26に示すように、第2バネ挿通軸部621もダイヤル中心O11を中心とする円周方向に沿って初期位置から時計回り方向に60°周回した位置にくるが、これにともなって、第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向が、初期位置のときに比して、ダイヤル中心O11を中心とする円周方向から内側に(ダイヤル中心O11の方へ向かって)より大きくずれている。このときにも、引き続き、第2バネ挿通軸部621に作用する付勢力E3は第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向に沿って作用し、一方、第2バネ挿通軸部621に作用する戻し力F3は、ダイヤル中心O11を中心とする円周方向に沿って、即ち回転半径r11に垂直に反時計回り方向にかかるから、付勢力E3の方向と戻し力F3の方向とが上述の通りより大きくずれることで、付勢力E3に対する戻し力F3の割合がそのぶん小さくなる。換言すれば、付勢力E3が、初期位置のときに比して、より高い割合で弱められた戻し力F3として、ダイヤル602を初期位置に戻す方向に作用するようになっている。
またこのとき、ねじりコイルばね620は、コイル620Cが枢支された状態すなわちコイル中心O12が一点に固定された状態で両アーム620F、620Mが拡開するのではなく、コイル620Cも移動しながら両アーム620F、620Mが拡開していくので、ダイヤル602の回転量に対して両アーム620F、620Mの拡開量も小さくなっており、ダイヤル602の回転角60°に対して、たわみ角α3の初期位置からの増大は前述の通り35°と、およそ半分程度となっている。
(3)ダイヤル602を限界位置まで、即ち初期位置から時計回り方向に117°回した時点においては、図27に示すように、第2バネ挿通軸部621がダイヤル中心O11を中心とする円周方向に沿って初期位置から時計回り方向に117°周回した位置、即ち第1バネ挿通軸部637に対しては時計回り方向に180°近い角度距離をおいた位置にきて、第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線がダイヤル中心O11に近接するようになるが、これにともなって、この第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向が、ダイヤル中心O11を中心とする円周方向から内側に(ダイヤル中心O11の方へ向かって)さらに大きくずれている。これにともなって、付勢力E5も戻し力F5に対してさらに大きく内側に向くようになっている。したがって、図27に示すように、付勢力E5に対する戻し力F5の割合もさらに大幅に小さくなっている。このとき、ねじりコイルばね620のたわみ角α5がさらに増大して最大となっているため、それだけ付勢力E5自体も比例的に増大しているが、上述のように付勢力E5に対する戻し力F5の割合がさらに大幅に小さくなることで、戻し力F5はここまでの回転途上におけるよりもむしろ減少している。
またこのとき、ダイヤル602の回転角117°に対して、たわみ角α5の初期位置からの増大は前述の通り57°と、やはり半分程度となっている。
ここで、仮に、例えば図28に示すように、上記操作ハンドル18において、上記ねじりコイルばね620を、コイル622Cを回動軸618Aに外嵌して回動自在に枢支するようにした以外は全て同様の構成としたねじりコイルばね622にかえたとした場合には、ダイヤル602を回していくほど、ねじりコイルばね622が作用する様態は大きく異なる。初期状態では、前記実施形態の場合でも第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向とダイヤル中心O11を中心とする円周方向とのずれがまだ比較的に小さいことから、上記のようにねじりコイルばね620の配置構成をかえることによる違いはまださほど大きくないが、前記実施形態の場合には、前述の通りダイヤル602を回していくにつれて第2バネ挿通軸部621から第1バネ挿通軸部637へ延びる直線の方向とダイヤル中心O11を中心とする円周方向とのずれが次第に増大していくので、違いがより顕著となる。即ち、コイル622Cを回動軸618Aに枢支したねじりコイルばね622の場合には、ダイヤル602の回転量に関わらず、付勢力の方向も常に戻し力の方向に一致して付勢力がそのまま戻し力として作用し、またたわみ角も常にダイヤル602の回転量と同じだけ増大する。図28に示すように、ダイヤル602を限界位置まで、即ち初期位置から時計回り方向に117°回した時点においては、ねじりコイルばね622のたわみ角α50は157°で、一方、初期位置におけるたわみ角はこの構成の場合には第1バネ挿通軸部637と第2バネ挿通軸部621との角度位置の差に一致して40°となる(図示せず)から、117°の増大となってダイヤル602の回転量と一致し、前記実施形態の場合(たわみ角α5の増大57°)に比しておよそ2倍程度の増大となっている。また、このようにたわみ角α50がダイヤル602の回転量と一致して増大していることから、この限界位置での付勢力E50も、ダイヤル602の回転量に比例して増大しており、前記実施形態の場合の最大付勢力E5の2倍程度となっていて、しかもこの付勢力E50がそのまま戻し力として作用するようになっているのである。
以上の通り、前記実施形態においては、付勢手段であるねじりコイルばね620を、上述のように付勢力が弱まった状態で戻し力として作用するとともにたわみ角の増大も半減するような特定の様態で配設することによって、戻し力の増大を軽減させる減殺機構が構成されており、これにより、可動部であるダイヤル602を操作位置に保持しておくための力が軽減されるようになっている。
(特徴構成1による作用)
上記パチンコ機10は、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として操作ハンドル18を備え、該操作ハンドル18は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部であるダイヤル602と、該ダイヤル602を初期位置側へ(即ち反時計回り方向へ)付勢する付勢手段であるねじりコイルばね620とを有する構成において、上記ダイヤル602を初期位置から操作位置側へ移動させていくにつれて、該ダイヤル602を初期位置に戻す方向(反時計回り方向)に働く力の増大を軽減させる減殺機構を備える構成となっている。
上記構成によれば、付勢手段として適宜な付勢力を有するねじりコイルばね620を用いることにより、操作ハンドル18において初動時に必要な程度の戻し力(即ちストップボタン616を十分に押圧してオフ状態に保持し得る程度の戻し力)F1を確保した上で、これ以降に戻し力F1が増大しようとしても、この戻し力F1の必要以上の増大が減殺機構によって軽減され、これにより、ダイヤル602を操作位置に保持しておくための力が軽減されるようになっている。
また、可動部であるダイヤル602が支点を中心に回動する構成を有し、上記ダイヤル602を初期位置から操作位置側へ(即ち時計回り方向に)回動させていくにつれて、付勢手段であるねじりコイルばね620による付勢力E1、E3、E5の方向が、ダイヤル602を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力F1、F3、F5の方向から次第に離隔していくように、ねじりコイルばね620を操作ハンドル18に配設することにより上記減殺機構が構成されているので、ねじりコイルばね620による付勢力E1、E3、E5の方向が、ダイヤル602を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力F1、F3、F5の方向から次第に離隔していくことにより、ねじりコイルばね620による付勢力E1、E3、E5に対して発現する戻し力F1、F3、F5の割合も次第に低減していくようになっている。したがって、ねじりコイルばね620による付勢力E1、E3、E5が増大しても、発現する戻し力F1、F3、F5の増大は効果的に軽減させることが可能な減殺機構が実現されており、また、ねじりコイルばね620を特定の様態で配設することで減殺機構が構成されているので、部材点数を増大させることもなく、簡単な構成により減殺機構が実現されている。
また、操作手段である操作ハンドル18が、基軸部601にダイヤル602が回動可能に支持された構成を有し、付勢手段が、基軸部601およびダイヤル602に両端をそれぞれ支持された弾性体すなわちねじりコイルばね620で構成されているので、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構が簡単な構成によって得られている。
また、弾性体がねじりコイルばね620で構成され、該ねじりコイルばね620が、そのコイル中心O12がダイヤル602の回動軸618Aから外れた状態で配設されている。従来、弾性体としてのねじりコイルばねを可動部の回動軸に枢支するようにして配設した構成が一般的であるが、この構成では、可動部を回動させるにつれて戻し力が比例的に増大する。これに対し、上記パチンコ機10のようにねじりコイルばね610のコイル中心O12がダイヤル602の回動軸618Aから外れた構成とすれば、ダイヤル602を回動させるにつれて付勢力E1、E3、E5の方向が戻し力F1、F3、F5の方向から次第に離隔していくようになるとともに、たわみ角α1〜α5の増大も低減される。したがって、ねじりコイルばね610のコイル中心O12をダイヤル602の回動軸618Aから外れるように配設するという簡単な構成によって、戻し力F1、F3、F5の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構が容易に実現されている。
(特徴構成2)
上記パチンコ機10においては、上記操作ハンドル18の場合と同様の減殺機構が、可動部品である可動役物としてのウキ動作ユニット400にも設けられている。ウキ動作ユニット400は、演出効果を高めるための可動役物であり、図4および図5に示すように、可変表示装置ユニット35における装飾図柄表示装置42の右方に配置されている。
可変表示装置ユニット35は、遊技領域の中央部に配置され、遊技領域内の大きな面積を占める大型の役物となっており、電動役物ユニットあるいはセンター役物とも称される。この可変表示装置ユニット35は、表示部として装飾図柄表示装置42を中央に備え、該装飾図柄表示装置42の上辺部、下辺部、左辺部および右辺部をセンターフレーム43で包囲するようにして構成されている。センターフレーム43は、装飾図柄表示装置42が配置される概略横長の長方形状の開口を内側に包含する枠状の部材となっていて、右側部は下方に延出してその先端部に前述の一般入賞口31のうちの1つが形成されており、全体として正面視概略「9」の字形状のやや不規則な外形を有している。また、外周にはネジ孔を有するフランジが設けられており、木ネジ等により遊技盤30上に前方側から固定されるようになっている。
ウキ動作ユニット400は、図29に示すように、上下にやや長い直方体状(四角柱状)の透明樹脂よりなる陳列箱401に、可動体であるウキ410と、該ウキ410を駆動する駆動ユニット407とが配置された構成となっている。
陳列箱401は、高さ方向中央よりやや上方の位置を境界として上下2領域に区画され、上方の領域402Cは全体的に透明樹脂のままとされ、下方の領域402Bは全体的に透明な青(水色)に着色されていて、上方の領域402Cが水面上の空間を、下方の領域402Bが水中を、これら上下両領域402C、402Bの水平な境界線402Mが水面を、それぞれ模したものとなっている。
駆動ユニット407は、陳列箱401における底面上の中央付近に配置固定されラック407Rを備える直方体状の本体部407Mと、駆動軸407Dとを有して構成されている。ラック407Rは、本体部407Mの上面壁における右前端部に、上下に出入可能に垂直に支持されており、下部の左側面には後述の駆動軸407Dのピニオン407Pに噛み合う歯(図示せず)が形成されていて、上端には、垂直に延びる鋼製の柄411を介してウキ410が連結固定されている。該ウキ410は、操作前の初期状態では、膨出部が境界線402Mのあたりにくるように、陳列箱401の中央にほぼ垂直な体勢に保持され、これにより、水面に浮遊している状況が模式的に表現されるようになっている。駆動軸407Dは、本体部407Mから、陳列箱401の後側壁を貫通して後方へ延出するようにして回動自在に枢支され、後端には駆動手段であるモータ408(図5参照)が連動するよう連結されて図29の矢印A7に示すように正面視時計回り方向に回転駆動されるようになっており、前端にはピニオン407Pが固定されていて、本体部407Mの内部で前記ラック407Rの歯に左方から噛み合って連動するように連結されている。駆動軸407Dは後述するように反時計回り方向に付勢されており、上述のようにモータ408により時計回り方向に一定角度だけ回転駆動された後、付勢力により初期位置に復帰するようになっており、この駆動軸407Dの回転方向に沿った往復動が、上記ラック407Rとピニオン407Pとにより、図29の矢印A8に示すような前記柄411の長さ方向に沿った上下動に変換されて伝達されるようになっている。
ウキ動作ユニット400は、図4および図5に示すように、センターフレーム43の右辺部に内側から嵌着するようにして取り付けられ、中央の装飾図柄表示装置42とともに前方へ露出するように配置される。前述の通り、駆動軸407Dの後端にはモータ408が連動連結され、該モータ408は図5に示すように遊技盤30の裏面側に配置固定されている。ウキ動作ユニット400の前面における上端部および下端部には上部装飾板409Tおよび下部装飾板409Bがそれぞれ前側に配置され、これによりウキ動作ユニット400の上端部および下端部、特に下部の駆動ユニット407が前方から隠蔽されるようになっている。
駆動ユニット407における本体部407Mの内部では、図30に示すように、本体部407Mにおける後側壁407Bの内面に沿ってねじりコイルばね412が配置されている。本体部407Mの後側壁407Bの内面における中央の右上方には、内方(前方)へ円柱状に延びる第3バネ挿通軸部407Eが突設されている。本体部407Mの後側壁407Bの中央部には、前記駆動軸407Dが前後に貫通して回動自在に枢支されている。該駆動軸407Dには、本体部407Mの後側壁407Bの内面に接する位置に、径方向に右方へ延びるアーム片407Aが取付固定され、該アーム片407Aの先端部には、前方へ円柱状に延びる第4バネ挿通軸部407Fが突設されている。ねじりコイルばね412は、前記操作ハンドル18のねじりコイルばね620と同様の構成を有し、両アーム412F、412Mおよびコイル412Cで構成される谷状部分で駆動軸407Dを側方(径方向外側)から包囲する(挟み込む)ようにして、本体部407Mにおける後側壁407Bの内面上に配置され、両アーム412F、412Mの円環状の先端部がそれぞれ第3バネ挿通軸部407Eおよび第4バネ挿通軸部407Fに外嵌されて回動自在に枢着され固定されている。このとき、ねじりコイルばね412は、前記操作ハンドル18のねじりコイルばね620と同様に、両アーム412F、412Mの先端で第3バネ挿通軸部407Eおよび第4バネ挿通軸部407Fに支持されてそれ以外の部位は支持も固定もされておらず、基本的にコイル412Cは拘束されない体勢で保持されている。
なお、ねじりコイルばね412は、前記操作ハンドル18のねじりコイルばね620と同様に、平面方向において移動可能に支持されていればよく、奥行方向については移動が規制されるようにして支持されていてもいなくてもよい。本実施形態においては、ねじりコイルばね412が、本体部407Mにおける後側壁407Bの内面に沿って配置され、これにより後方(奥行方向)の移動が規制されるようにして支持されているが、前方への移動も規制されるようにしてもよく、また、前方および後方のうちの少なくとも一方への移動が規制されない構成としてもよい。
上記ねじりコイルばね412、駆動軸407D、第3バネ挿通軸部407Eおよび第4バネ挿通軸部407Fの位置関係は、前記操作ハンドル18におけるねじりコイルばね620、回動軸618A、第1バネ挿通軸部637および第2バネ挿通軸部621の位置関係と同様となっている。したがって、駆動軸407Dをモータ408により図30の矢印A7に示すように正面視時計回り方向に回転駆動すると、これにともなってねじりコイルばね412は前記操作ハンドル18におけるねじりコイルばね620の場合と同様の挙動および作用を示す。即ち、ねじりコイルばね412を前記操作ハンドル18におけるねじりコイルばね620の場合と同様の様態で配設することによって、同様の減殺機構が構成されている。なおこのため、駆動軸407Dの回転にともなってねじりコイルばね412が作用する様態については説明を省略する。
なお、上記ねじりコイルばね412のコイル412Cは、前記操作ハンドル18におけるねじりコイルばね620の場合と同様に、初期位置において駆動軸407Dの周面に対しやや隙間をあけてほぼ外接している(コイル412Cが駆動軸407Dの周面に外接していても、若干の隙間をあけて配置されていてもよい)ので、モータ408による駆動力が少なくて済むようになっている。なお、駆動軸407Dの初期位置は、モータ408により制御するようにしてもよく、あるいは、例えば本体部407Mにおける後側壁407Bの内面の適宜位置にストッパとして突起部を設け、駆動軸407Dのアーム片407Aか、または第4バネ挿通軸部407Fに先端部が外嵌されたねじりコイルばね412のアーム412Mが該突起部に当接して初期位置に保持されるようにしたり、駆動軸407Dに径方向に延出する別のアームを設けてこのアームが該突起部に当接して初期位置に保持されるようにしたりするといったように、初期位置を決める適宜な手段を設けるようにしてもよい。
上記構成においては、駆動軸407Dをモータ408により時計回り方向に回転駆動するにつれて戻し力が増大しようとするが、この戻し力の増大が減殺機構によって軽減される。これにより、駆動手段として出力が必要以上には大きくないモータ408が用いられており、そのぶんコストも抑制された構成となっている。
上記のように駆動軸407Dを時計回り方向に回転駆動すると、駆動ユニット407におけるラック407Rが下方にスライド移動し、これにともない、柄411を介してウキ410が下方へ引っ張られる。これにより、ウキ410が沈み込む状況が模式的に表現される。
駆動軸407Dが時計回り方向に限界位置まで回転し、ラック407Rにより柄411を介してウキ410が最大限に下方まで引っ張られると、この後は、ねじりコイルばね412の付勢力によって、駆動軸407Dが反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するとともに、ラック407Rが上方にスライド移動し、これにともない、柄411を介してウキ410が上方に引き上げられて初期状態に復帰する。これにより、ウキ410が水面まで浮揚して戻る状況が模式的に表現される。
この復帰動作においては、上述の通り戻し力の増大が減殺機構によって軽減されるようになっているので、そのぶん復帰動作も緩やかになされ、これによりウキ410が比較的ゆっくりと浮き上がっていく動作が表出される。このとき、仮に、ばねによる戻し力が軽減されずに比例的に増大していく構成となっていると、増大した戻し力により強く弾き返されるようにして駆動軸407Dが初期位置に復帰することとなり、これにともないウキ410が急激に浮き上がる動作となって、復帰動作が無味で単調となる。
(特徴構成2による作用)
上記パチンコ機10は、一部が可動に構成された可動部品であるウキ動作ユニット400を備え、該ウキ動作ユニット400は、初期位置から一方向(即ち正面視時計回り方向A7)に移動し得る可動部である駆動軸407Dと、該駆動軸407Dを初期位置側へ(即ち反時計回り方向に)付勢する付勢手段であるねじりコイルばね412とを有する構成において、上記駆動軸407Dを初期位置から一方向(即ち正面視時計回り方向A7)に移動させていくにつれて、該駆動軸407Dを初期位置に戻す方向に働く力すなわち戻し力の増大を軽減させる減殺機構を備える構成となっている。
上記構成により、駆動軸407Dを初期位置から一方向(即ち正面視時計回り方向A7)に移動させていくにつれて戻し力が増大しようとしても、この戻し力の必要以上の増大が減殺機構によって軽減されるようになっている。また、戻し力の増大が軽減されることで、駆動軸407Dが緩やかに初期位置に復帰するようになっており、これにより復帰動作に変化が付与されている。
また、上記可動部品であるウキ動作ユニット400が、演出効果を高めるための可動役物であり、可動部である駆動軸407Dを駆動するための駆動手段としてモータ408を備えるので、戻し力の必要以上の増大が減殺機構によって軽減されることにより、駆動手段であるモータ408に必要以上に大きな出力が要求されることもない構成となっている。また、復帰動作に変化が付与されていることで、可動役物としての演出効果が向上している。
また、可動部である駆動軸407Dが支点を中心に回動する構成を有し、上記駆動軸407Dを初期位置から一方向(即ち正面視時計回り方向A7)に回動させていくにつれて、付勢手段であるねじりコイルばね412による付勢力の方向が、駆動軸407Dを初期位置に戻す回転力すなわち戻し力の方向から次第に離隔していくように、ねじりコイルばね412をウキ動作ユニット400(の駆動ユニット407)に配設することにより減殺機構が構成されているので、ねじりコイルばね412による付勢力の方向が、可動部を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力の方向から次第に離隔していくことにより、ねじりコイルばね412による付勢力に対して発現する戻し力の割合も次第に低減していくようになっている。したがって、ねじりコイルばね412による付勢力が増大しても、発現する戻し力の増大は効果的に軽減させることが可能な減殺機構が実現されており、また、ねじりコイルばね412を特定の様態で配設することで減殺機構が構成されているので、部材点数を増大させることもなく、簡単な構成により減殺機構が実現されている。
また、ウキ動作ユニット400が、基体部である駆動ユニット407の本体部407Mに可動部である駆動軸407Dが回動可能に支持された構成を有し、付勢手段が、本体部407Mの第3バネ挿通軸部407Eおよび駆動軸407Dの第4バネ挿通軸部407Fに両端をそれぞれ支持された弾性体であるねじりコイルばね412で構成されているので、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構が簡単な構成によって得られている。
また、上記弾性体がねじりコイルばね412で構成され、該ねじりコイルばね412が、そのコイル中心が可動部の回動軸すなわち駆動軸407Dから外れた状態で配設されている。例えば、弾性体としてのねじりコイルばねを可動部の回動軸に枢支するようにして配設した構成も考えられるが、この構成では、可動部を回動させるにつれて戻し力が比例的に増大する。これに対し、上記パチンコ機10のようにねじりコイルばね412のコイル中心が駆動軸407Dから外れた構成によれば、駆動軸407Dを回動させるにつれて付勢力の方向が戻し力の方向から次第に離隔していくようになるとともに、たわみ角の増大も低減される。したがって、ねじりコイルばね412のコイル中心を駆動軸407Dから外れるように配設するという簡単な構成によって、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構が容易に実現されている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、付勢手段としてねじりコイルばね620、412が用いられていたが、これにかえて例えば引張コイルばねを用いるようにしてもよく、これによれば、ねじりコイルばね620、412の場合と同様に、例えば前記実施形態の第1バネ挿通軸部637および第2バネ挿通軸部621、または第3バネ挿通軸部407Eおよび第4バネ挿通軸部407Fに両端をそれぞれ支持させるようにして装着することができる。この場合、付勢力の方向は常に引張コイルばねの中心線方向(即ち、第1バネ挿通軸部637と第2バネ挿通軸部621と、または第3バネ挿通軸部407Eと第4バネ挿通軸部407Fとを結ぶ直線方向)となるので、これによっても、付勢力の方向が、可動部を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力の方向から次第に離隔していくようにすることができる。
(2)前記実施形態においては、ねじりコイルばね620、412を特定の様態で配設することで減殺機構が構成されていたが、例えばこれにかえて、あるいはこれとあわせて、可動部を初期位置から操作位置側へ移動させていくにつれて、該可動部を初期位置に戻す方向に働く力すなわち戻し力に抗する方向に抵抗力を増大させ得る抵抗力増大手段を設けることによって減殺機構を構成するようにしてもよい。この構成によれば、戻し力の増大をより効果的に軽減させることができる。
より具体的には、例えば操作手段が、基体部に可動部が移動可能に支持された構成を有するものである場合、抵抗力増大手段として、基体部と可動部との間の摩擦抵抗を増大させ得るように構成されたものとすることができ、この構成によれば、簡単な構成により、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な抵抗力増大手段とすることができる。このような抵抗力増大手段としては、例えば、基体部および可動部の一方に、移動方向に沿って次第に粗さが増大する粗面部を設け、他方に、該粗面部に圧接しながら移動する接触部を設けるようにしたもの等が可能である。
(3)前記実施形態においては、可動部が、回転動作するダイヤル602ないし駆動軸407Dとなっていたが、可動部としては、例えば支点を中心に回動するレバーや、さらには、スライド動作するもの等であってもよい。
(4)前記実施形態のウキ動作ユニット400においては、専用の駆動手段であるモータ408により可動部が駆動される構成となっていたが、例えば駆動手段として、ウキ動作ユニット400とは別の可動部品の駆動手段として設置されているモータ、ソレノイド等を兼用するようにしてもよく、これによればさらにコストを低減することができる。
(5)前記実施形態のウキ動作ユニット400においては、鋼製の柄411によりウキ410が支持されていたが、このように剛性を有するもの以外にも、例えば適度な可撓性を有する材料で柄を構成し、上下動にともなってこの柄が前後左右に揺動するようにしてもよく、これによれば動作にさらに変化を付与することができる。
(6)また、前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる内容をいずれも開示している。
遊技機のうち、例えば、パチンコ球を使用するパチンコ機の場合には、操作手段として操作ハンドルを備え、遊技者がこの操作ハンドルを操作する操作量に応じて遊技球の発射強度が変化し、これにより遊技内容が変化するように構成されているのが一般的である。
上記操作ハンドルは通常、遊技者の手動操作により初期位置から任意の操作位置まで回動する「ダイヤル」とも称される環状の部材を備え、このダイヤルは内部に付勢手段としてばね(通常はねじりコイルばね)が内蔵されて初期位置側へ付勢されており、操作位置で手を離すとこのダイヤルが初期位置に復帰するように構成されている。遊技者は、遊技を開始するときにはダイヤルを初期位置から操作位置まで回動させ、以降、この操作位置を調節することにより遊技球の発射強度を加減しながら遊技を進めることとなる(例えば特開2008−132213号公報参照)。
上記構成においては、ダイヤルを初期位置から操作位置側へ回動させていくにつれ、ばねの弾性力によりダイヤルを初期位置に戻す方向に働く回転力(以下、「戻し力」とも称す)が比例的に増大していくため、遊技者がこの戻し力に抗してダイヤルを操作位置に長時間保持しておくほど、ダイヤルを保持する手の疲労が大となりやすい。
そこで、固有の弾性力がより小さいばねを用いることも考えられる。しかしながら、これによれば、戻し力が不十分となってダイヤルが初期位置に復帰する途上で止まってしまいやすくなるという問題がある。また、操作ハンドルには通常、停止用操作手段としてストップボタンが設けられており、このストップボタンは、手動により操作することもできるが、手動操作しない場合でも、ダイヤルが初期位置にあるときにはその戻し力により押圧されて必ずオフするようになっているため、弾性力が小さいばねを用いると、初期位置でストップボタンが正しく押圧されなくなることともなりやすい。このため、この初期位置からダイヤルを回動させ始める際(初動時)に、ストップボタンを十分に押圧し得る程度の一定以上の戻し力が不可避的に必要となっており、これ以降は、初期位置に復帰し得る程度の最低限度の戻し力さえあればよいが、ばねの弾性により、ダイヤルを操作位置まで回動させると必要以上に戻し力が増大する構成とならざるを得なかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、操作ハンドルの初動時において必要な戻し力を確保しつつ、ダイヤルを操作位置に保持しておくための力を軽減することができて安楽に遊技を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、手段A1として、
遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部を初期位置から操作位置側へ移動させていくにつれて、該可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大を軽減させる減殺機構を備えることを特徴とする。
本発明において、「可動部」には、環状のダイヤルの他、支点を中心に回動するレバーや、さらには、スライド動作するもの等のように、初期位置と操作位置との間を移動し得るものであれば任意のものが含まれる。
上記手段A1の構成によれば、付勢手段の付勢力を適宜に設定することにより、操作手段において初動時に必要な程度の戻し力を確保したとして、これ以降に戻し力が増大しようとしても、この戻し力の必要以上の増大が減殺機構によって軽減され、これにより、可動部を操作位置に保持しておくための力が軽減される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記可動部が支点を中心に回動する構成を有し、
前記可動部を初期位置から操作位置側へ回動させていくにつれて、前記付勢手段による付勢力の方向が、該可動部を初期位置に戻す回転力の方向から次第に離隔していくように、該付勢手段を前記操作手段に配設することにより前記減殺機構が構成されていることを特徴とする。
上記手段A2の構成によれば、付勢手段による付勢力の方向が、可動部を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力の方向から次第に離隔していくことにより、付勢手段による付勢力に対して発現する戻し力の割合も次第に低減していくこととなる。したがって、付勢手段による付勢力が増大しても、発現する戻し力の増大は効果的に軽減させることが可能な減殺機構を実現することができ、また、付勢手段を特定の様態で配設することで減殺機構が構成されるので、部材点数を増大させることもなく、簡単な構成により減殺機構を実現することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A3として、手段A2の遊技機において、
前記操作手段が、基軸部に前記可動部が回動可能に支持された構成を有し、
前記付勢手段が、前記基軸部および前記可動部に両端をそれぞれ支持された弾性体で構成されていることを特徴とする。
上記手段A3の構成によれば、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構を簡単な構成によって得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A4として、手段A3の遊技機において、
前記弾性体がねじりコイルばねで構成され、該ねじりコイルばねが、そのコイル中心が前記可動部の回動軸から外れた状態で配設されていることを特徴とする。
従来、弾性体としてのねじりコイルばねを可動部の回動軸に枢支するようにして配設した構成が一般的であるが、この構成では、可動部を回動させるにつれて戻し力が比例的に増大する。これに対し、上記手段A4のようにねじりコイルばねのコイル中心が可動部の回動軸から外れた構成とすれば、可動部を回動させるにつれて付勢力の方向が戻し力の方向から次第に離隔していくようになるとともに、たわみ角の増大も低減される。したがって、ねじりコイルばねのコイル中心を可動部の回動軸から外れるように配設するという簡単な構成によって、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構を容易に実現することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A5として、手段A1から手段A4のいずれかの遊技機において、
前記減殺機構が、前記可動部を初期位置から操作位置側へ移動させていくにつれて、該可動部を初期位置に戻す方向に働く力に抗する方向に抵抗力を増大させ得る抵抗力増大手段を備えることを特徴とする。
上記手段A5の構成によれば、可動部を初期位置から操作位置側へ移動させていくにつれて該可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大をより効果的に軽減させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A6として、手段A5の遊技機において、
前記操作手段が、基体部に前記可動部が移動可能に支持された構成を有し、
前記抵抗力増大手段が、前記基体部と前記可動部との間の摩擦抵抗を増大させ得るように構成されていることを特徴とする。
上記手段A6の構成によれば、簡単な構成により、可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大を効果的に軽減させることが可能な抵抗力増大手段を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、
少なくとも一部が可動に構成された可動部品を備え、該可動部品は、初期位置から一方向に移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部を初期位置から一方向に移動させていくにつれて、該可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大を軽減させる減殺機構を備えることを特徴とする。
本発明において、「可動部」には、支点を中心に回動するものや、さらには、スライド動作するもの等のように、初期位置から一方向に移動し得るものであれば任意のものが含まれる。
上記手段B1の構成によれば、可動部を初期位置から一方向に移動させていくにつれて戻し力が増大しようとしても、この戻し力の必要以上の増大が減殺機構によって軽減される。また、戻し力の増大が軽減されることで、例えば可動部を緩やかに初期位置に復帰するように動作させることも可能となり、これにより復帰動作に変化を付与することもできる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段B1の遊技機において、
前記可動部品が、演出効果を高めるための可動役物であり、
前記可動部を駆動するための駆動手段を備えることを特徴とする。
本発明において、「駆動手段」には、モータやソレノイド等がいずれも含まれる。
上記手段B2の構成によれば、戻し力の必要以上の増大が減殺機構によって軽減されることにより、駆動手段に必要以上に大きな出力が要求されるといったこともない。また、復帰動作に変化を付与することで、可動役物としての演出効果を向上させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段B1または手段B2の遊技機において、
前記可動部が支点を中心に回動する構成を有し、
前記可動部を初期位置から一方向に回動させていくにつれて、前記付勢手段による付勢力の方向が、該可動部を初期位置に戻す回転力の方向から次第に離隔していくように、該付勢手段を前記可動部品に配設することにより前記減殺機構が構成されていることを特徴とする。
上記手段B3の構成によれば、付勢手段による付勢力の方向が、可動部を初期位置に戻す回転力すなわち戻し力の方向から次第に離隔していくことにより、付勢手段による付勢力に対して発現する戻し力の割合も次第に低減していくこととなる。したがって、付勢手段による付勢力が増大しても、発現する戻し力の増大は効果的に軽減させることが可能な減殺機構を実現することができ、また、付勢手段を特定の様態で配設することで減殺機構が構成されるので、部材点数を増大させることもなく、簡単な構成により減殺機構を実現することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B4として、手段B3の遊技機において、
前記可動部品が、基軸部に前記可動部が回動可能に支持された構成を有し、
前記付勢手段が、前記基軸部および前記可動部に両端をそれぞれ支持された弾性体で構成されていることを特徴とする。
上記手段B4の構成によれば、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構を簡単な構成によって得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B5として、手段B4の遊技機において、
前記弾性体がねじりコイルばねで構成され、該ねじりコイルばねが、そのコイル中心が前記可動部の回動軸から外れた状態で配設されていることを特徴とする。
例えば、弾性体としてのねじりコイルばねを可動部の回動軸に枢支するようにして配設した構成も考えられるが、この構成では、可動部を回動させるにつれて戻し力が比例的に増大する。これに対し、上記手段B5のようにねじりコイルばねのコイル中心が可動部の回動軸から外れた構成とすれば、可動部を回動させるにつれて付勢力の方向が戻し力の方向から次第に離隔していくようになるとともに、たわみ角の増大も低減される。したがって、ねじりコイルばねのコイル中心を可動部の回動軸から外れるように配設するという簡単な構成によって、戻し力の増大を効果的に軽減させることが可能な減殺機構を容易に実現することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B6として、手段B1から手段B5のいずれかの遊技機において、
前記減殺機構が、前記可動部を初期位置から一方向に移動させていくにつれて、該可動部を初期位置に戻す方向に働く力に抗する方向に抵抗力を増大させ得る抵抗力増大手段を備えることを特徴とする。
上記手段B6の構成によれば、可動部を初期位置から一方向に移動させていくにつれて該可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大をより効果的に軽減させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B7として、手段B6の遊技機において、
前記可動部品が、基体部に前記可動部が移動可能に支持された構成を有し、
前記抵抗力増大手段が、前記基体部と前記可動部との間の摩擦抵抗を増大させ得るように構成されていることを特徴とする。
上記手段B7の構成によれば、簡単な構成により、可動部を初期位置に戻す方向に働く力の増大を効果的に軽減させることが可能な抵抗力増大手段を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C1として、手段A1から手段A6ならびに手段B1から手段B7のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
手段A1から手段A6のいずれかの構成を有するパチンコ機にあっては、操作手段における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、操作手段の初動時において必要な戻し力を確保しつつ、可動部を操作位置に保持しておくための力を軽減することができ、したがって安楽に遊技を行うことが可能なパチンコ機が得られる。
また、手段B1から手段B7のいずれかの構成を有するパチンコ機にあっては、可動部品における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、戻し力の増大を軽減するのに加えて復帰動作に変化を付与することも可能なパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C2として、手段A1から手段A6ならびに手段B1から手段B7のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
手段A1から手段A6のいずれかの構成を有するスロット機にあっては、操作手段における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、操作手段の初動時において必要な戻し力を確保しつつ、可動部を操作位置に保持しておくための力を軽減することができ、したがって安楽に遊技を行うことが可能なスロット機が得られる。
また、手段B1から手段B7のいずれかの構成を有するスロット機にあっては、可動部品における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、戻し力の増大を軽減するのに加えて復帰動作に変化を付与することも可能なスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C3として、手段A1から手段A6ならびに手段B1から手段B7のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
手段A1から手段A6のいずれかの構成を有する、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、操作手段における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、操作手段の初動時において必要な戻し力を確保しつつ、可動部を操作位置に保持しておくための力を軽減することができ、したがって安楽に遊技を行うことが可能な、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
また、手段B1から手段B7のいずれかの構成を有する、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、可動部品における戻し力の増大を軽減する減殺機構を設けたことによって、戻し力の増大を軽減するのに加えて復帰動作に変化を付与することも可能な、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。