上述したように、従来の回転電機においては、軸受箱3,4から潤滑油が上記(a)〜(d)で示すような経路で流出してしまうことから次のような課題がある。
(1) 前述したブレーキドラムやブレーキディスク13を使用したブレーキシステムに回転電機を適用した場合、潤滑剤の油分が回転機外周に流出して摺動部へ油分が付着すると、適正なブレーキ制動力が作用せず、誤動作の要因となるおそれがある。
(2) 速度センサに回転電機を適用した場合、潤滑剤の油分が回転機外周に流出して速度センサのローラ14の摺動面に付着すると、適正な速度フィードバックが得られず、正常な速度制御が不可能となる。その結果、当該速度センタを使用しているシステム全体が正常な動作ができないという不具合が発生する。
(3) 回転電機から潤滑剤の油分が外気へ流出した場合、周辺機器や周囲環境の汚染の要因となる。
(4) 回転電機から潤滑剤の油分が周囲の制御盤などへ飛散・付着した場合、他システムへの誤動作を誘発する要因となる。
(5) 油分流出を防止するため、軸貫通部にラビリンス構造などの対策を設けることも考えられるが、この構造では、各部品の加工精度を向上させる必要があり、回転電機の製作費用・リードタイム増加などの要因となる。
(6) ラビリンス構造は、構成が複雑であるばかりでなく、ラビリンスを構成するための寸法が必要であり、回転電機の大形化の要因となり、特に、回転電機の内部軸貫通部の場合、その影響が大きい。
(7) ラビリンス構造の他に、オイルシール構造をとる場合がある。オイルシールの摺動部は、高周波焼入れなどによる硬度向上が必要であり、製作費用・リードタイム増加などの要因となる。また、オイルシールの定期的な交換が必要であり、保守・点検の費用・時間などが必要である。またリップ部への微小な粉塵などが混入した場合、適正なシール効果が得られない場合がある。また、摺動部の粉塵による磨耗などにより、軸側の磨耗や経年的な損傷を引き起こし、回転電機の短寿命化の要因となる。
(8) 一般的な軸受箱の開口窓7,8の形状は、楕円穴が多い。この場合、開口窓7,8にラビリンス構造などの加工を施すことが非常に困難である。機械加工を行う場合、精巧な製造技術を要し、かつ寸法・精度が不安定になりやすいだけでなく、コスト・製造時間を多大に必要である。
(9) 軸受箱は、鋳物または鋳鋼などで成形する場合が多い。前述の加工を施さない場合は、形状誤差が大きく、品質のバラツキが多い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は軸受の潤滑剤の油分を回転電機外部への流出を防止することを可能にした回転電機の油漏れ防止構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明は、回転子を固定子外周に設けた外転形回転電機において、軸受箱に回転電機の内気と外気を通気させるために設けた開口窓にブッシュを配置し、ブッシュ端面を軸受箱内部端面より突出させ凸部構成したことを特徴とする。
本構成とすると軸受の油分が流出した場合、軸受箱内面から前記凸部へ油分が進行し凸部にて、油を弾き飛ぶ。このことにより。油分が回転電機外部へ流出することが防止することが可能となる。
軸受の油分が外部へ流出しないことから、ブレーキの摺動部への油分の付着が防止できる。このことから適正なブレーキ制動力が安定して得られ、品質の向上と保守・点検の省力化が図れる。速度センサのローラ摺動部も同様である。
また、周辺機器や周囲環境の汚染も防止でき、他システムの誤動作防止にもなる。回転電機の構成においては、軸受周辺の油漏れを軸受箱開口部周辺(ブッシュ部)にて防止することができることから軸受周辺部の構成簡素化ができる。従って、構成の簡素化による回転電機全体の小形化が可能な上、オイルシールなどの採用をする必要がなくなる。このことにより、回転電機の製作費用・リードタイムの短縮のみならず、保守・点検も簡素化できる。また、オイルシール構成における回転電機の短寿命化を抑制でき、即ち、回転電機の長寿命化が可能となる。
軸受箱の開口部が楕円であってもブッシュの形状変化の容易性や伸縮により、精巧な製造技術を持たなくとも同様な効果が得られる。また、軸受箱の形状誤差の吸収も可能である。
また、開発時において、ブッシュを設定していなくても前述の取り付けに関する自由度が高いことから設計変更することなく、本構成を適用することができ仕様の自由度も拡大できる。
ブッシュをゴム以外の鋼材で構成することもでき、ゴム製における劣化要素が回避できる。また、打ち抜き板金などでも製造が可能となり、生産性向上も図れる。ブッシュをゴム以外のプラスチックで構成することもでき、より軽量化・生産性の向上が図れる。ブッシュの素材等は、軸受箱の構成・生産数量など様々な用途・条件によって、好ましい材料や製造方法を選択することができる。
また、本発明の一態様は、回転電機の外側に位置する箇所のブッシュ端面に鍔部を設けたことを特徴とする。これによりブッシュの位置決めも容易となり、より品質の向上が得られる。
また、本発明の一態様は、ブッシュ端面を軸受箱内部端面と同一面または、引込ませたことを特徴とする。この場合、油の弾き飛ばし力が若干低くなる場合があるが、油分をブッシュ内に留め置き、回転電機内への油分の流出を防止することができる。また、内面側に凸部がないことから回転電機内の空間を広くすることができる。
また、本発明の一態様は、ブッシュ端面でかつ、軸受箱内部側において、回転電機外周に位置する側を内周側より突出させたことを特徴とする。この場合は、回転電機内周部に弾き飛ばした油を外周側へ進行しないように構成することができる。
また、本発明の一態様は、ブッシュ端面でかつ、軸受箱内部側において、回転電機内周に位置する側を外周側より突出させたことを特徴とする。この場合は、回転電機内周部での弾き飛ばす油分量を増加することができ、外周への油分進行を防止することができる。回転電機の外周側と内周側のどちらをより突出させるかは、周辺部品の構成、回転速度の仕様などから適正な方を選択することができる。
また、本発明の一態様は、ブッシュ内周を軸受箱内部から外部にかけて小さくなるように傾斜させたことを特徴とする。この態様によれば、万一、凸部から進行した油分を外部へ流出しにくくすることができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周を軸受箱内部から外部にかけて大きくなるように傾斜させたことを特徴とする。この場合、凸部の厚さを厚くすることから、凸部の剛性向上ができ、ゴム製などの場合による配置後の成形誤差を防止することができる。また、外気を吸気する場合、風の流速を高くすることができ、回転電機の温度上昇を低く抑えることができ、回転電機の小形化が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周形状において、軸受箱内部を小さく、外部側を大きくなるように段差を設けたことを特徴とする。この場合は、万一、凸部から進行した油分を外部へ流出しにくくすることができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周形状において、軸受箱内部を大きく、外部側を小さくなるように段差を設けたことを特徴とする。この場合は、凸部の厚さを厚くすることから凸部の剛性向上ができ、ゴム製などの場合による配置後の成形誤差を防止することができる。また、外気を吸気する場合、風の流速を高くすることができ、回転電機の温度上昇を低く抑えることができ、回転電機の小形化が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に1本以上の溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、万一、凸部から進行した油分を更にブッシュ内に弾き飛ばし、外部へ流出しにくくすることができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に1個以上のばねを設けたことを特徴とする。この態様によれば、ゴム製などの場合による配置後の成形誤差を防止することができる。また、回転時のブッシュ抜け止め防止も合わせて可能となる。
本発明の一態様は、ブッシュ内部に1個以上のばねを設けたことを特徴とする。この態様によれば、ばねの錆などによる劣化を防止することができ、より長寿命化や保守・点検の改善を可能とする。
本発明の一態様は、ブッシュ端面でかつ、軸受箱外部側において、1個以上の突起を設けたことを特徴とする。この態様によれば、万一、油分が外部へ進行した場合においても回転電機の外周部へ流出することが防止でき、ブレーキや速度センサの摺動部への油分流出防止が可能となり、システム上の品質の向上が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に1個以上の突起を設けたことを特徴とする。この態様によれば、万一、ブッシュ内へ流出した油分をブッシュ内にて弾き飛ばすことができ、品質の向上が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に1個以上の突起を設け、その突起に1本以上の溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、角部を増加させることができ、油分弾き飛ばし力の増加ができ、より品質の向上が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に設けた溝が1本以上の溝付突起において、回転電機内部側を外部側より小さくしたことを特徴とする。この態様によれば、内部から外部へつれ、弾き飛ばし力の増加ができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に設けた溝が1本以上の溝付突起において、回転電機内部側を外部側より大きくしたことを特徴とする。この態様によれば、内部の弾き飛ばし力の増加を行い、その先の少量の油分に対しても油漏れ対策ができる。回転電機の内部側と外部側のどちらをより大きくするかは、回転電機の仕様により選択することができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周に1個以上の突起を設け、その突起に回転電機の内部側に位置する方向に1以上の溝を設けた特徴とする。この態様によれば、ブッシュ表面を伝った油分をより確実に外部へ流出防止ができる。
本発明の一態様は、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ端面に鍔部を設けたことを特徴とする。この態様によれば、回転によるブッシュの抜け止め力が増加することができる。また、ブッシュ内周部からはなれた箇所において、油分弾きができ、品質の向上も図れる。
本発明の一態様は、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ端面の鍔部に樋を設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分がブッシュ内面へ回り込むことを防止でき、品質の向上が図れる。
本発明の一態様は、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ端面の鍔部に溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュ内面への油分回り込み防止ができるだけでなく、油分の溜めができ、周辺への油分流出防止が強化できる。
本発明の一態様は、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ端面の鍔部の軸受箱との接合面に溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、より一層、油溜め効果の強化ができるだけでなく、ブッシュ組み込み後の固定も強化することができる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、ブッシュを2以上分割したことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュの組み込みが容易になるだけでなく、ブッシュ単品でも小形化ができる。
本発明の一態様は、回転電機内部側のブッシュの鍔部内でかつ軸受箱との接合面にフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分を回転電機内への流出防止ができ、油漏れに対する品質のみならず、回転電機の品質向上ができる。
本発明の一態様は、回転電機内部側のブッシュの鍔部内にフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分の弾き飛ばし効果と油分吸収の2点の効果が同時に可能となる。
本発明の一態様は、軸受箱開口窓とブッシュ接合部にフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分を回転電機内への流出防止ができ、油漏れに対する品質のみならず、回転電機の品質向上ができる。
本発明の一態様は、ブッシュに配置した油吸収材の外周に位置する箇所までブッシュの鍔部を設けたことを特徴とする。この態様によれば、更に、油分吸収剤の保持力の強化ができ、より一層の品質向上が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周部に1個以上のフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、万一、ブッシュ内に進行した油分を確実に外部へ流出することを防止することができる。
本発明の一態様は、ブッシュ内周部に1個以上のフェルトなどの油吸収材を設け、かつ前述の油吸収材配置部のブッシュ開口を回転電機内部側としたことを特徴とする。この態様によれば、油分吸収性と油分吸収剤の保持力の強化が図れる。
本発明の一態様は、軸受箱開口窓とブッシュ接合部でかつ軸受箱開口部の回転電機外側に位置する箇所にフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油分流出の防止ができる。
本発明の一態様は、回転電機外部側のブッシュの鍔部内でかつ軸受箱との接合面にフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分吸収剤の交換が容易にでき保守・点検の簡素化および劣化防止が図れる。
本発明の一態様は、回転電機外部側のブッシュの鍔部内でかつ軸受箱との接合面にフェルトなどの油吸収材を設け、前述の鍔部を油吸収材の外周まで設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュ内周から流出した油分を確実に吸収できるだけでなく、油分吸収剤の交換が容易となり、保守・点検の簡素化および劣化防止が図れる。
本発明の一態様は、ブッシュ外周と軸受箱開口部の間に1個以上のフェルトなどの油吸収材を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油分流出の防止が期待できる。また、ブッシュ内周を伝う油に対しても外部流出防止ができ、ブッシュの薄肉化も可能となる。
本発明の一態様は、ブッシュ外周に1個以上の溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。
本発明の一態様は、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ端面に溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュ形状の簡素化と共に、油溜め効果が得られる。
本発明の一態様は、ブッシュ外周に溝を設け、回転電機の内側から前記溝に通じるようにスリット溝を1ヶ所以上設けたことを特徴とする。この態様によれば、油分をより油溜め部へ誘導することができる。
本発明の一態様は、回転電機の外側に位置する箇所に設けたブッシュ端面の鍔部の軸受箱との接合面に溝を設けたことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。また、溜まった油の回収がしやすくなる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、ブッシュの開口部を塞ぎ、その塞ぎ面に通風穴を数箇所設けたことを特徴とする。この構成とすることにより、ブッシュ内を通過する油分を外部へ流出することを防止でき、かつ回転電機の冷却性を損なわない構成が得られる。
本発明の一態様は、ブッシュ開口部の塞ぎ面を別体で構成したことを特徴とする。この構成とすることにより、塞ぎ部の可変ができる。その結果、塞ぎ部の設計自由度が増加し、様々な仕様に対応できるようになる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを一体で成形したことを特徴とする。この態様によれば、開口窓間の油分に対しても油漏れ防止ができる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを一体で成形し、回転電機外側に配置し、かつその外周を軸受箱外周より大きくしたことを特徴とする。この態様によれば、軸受箱内から回転電機内部を伝わった油分だけではく、回転電機外部からの油分に対しても、ブレーキまたは速度センサにおけるローラ部の摺動面を保護することができ、品質の向上が図れる。また、ブッシュ取り付け時間の短縮も図れる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを取り付ける軸受箱の開口窓に突起を設けたことを特徴とする。この態様によれば、軸受箱においても油弾き効果が得られ、より品質の向上が図れる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを取り付ける軸受箱の開口窓に、溝を設けフェルトなどの油吸収材を配置したことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油分流出の防止ができる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを取り付ける軸受箱の開口窓に、溝を設けたことを特徴とする。この構成とすることにより、ブッシュと軸受箱間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、ブッシュと軸受箱の開口窓の接合面に、シール剤を塗布・充填したことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ脱落防止もできる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、ブッシュの外周に溝を設け、その溝内と軸受箱の接合面の間に、シール剤を充填したことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ脱落防止もできる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ端面に鍔部を設け、その鍔部に溝を設けた構成において、前記溝内にシール剤を充填したこととを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ脱落防止もできる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、回転電機の外側に位置する箇所のブッシュ端面に鍔部を設け、その鍔部に溝を設けた構成において、前記溝内にシール剤を充填したこととを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ脱落防止もできる。
本発明の一態様は、開口窓にブッシュを設ける構造に対し、各ブッシュを取り付ける軸受箱の開口窓に、溝を設けシール剤を充填したことを特徴とする。この態様によれば、ブッシュと軸受箱間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ脱落防止もできる。
なお、本発明の各態様を適宜組み合わせることにより、各態様の持つ効果が相乗効果を生み、より一層、油漏れ防止効果を高めることができる。
また、本発明の一態様として、前述した各態様の構成上の特徴を軸受箱の外周に設けた開口窓に適用すること、外枠に設けた開口窓に適用することも考えられる。この構成により、各態様と同等の効果が得られる。
なお、本発明の各態様は、回転子内転形の回転電機に適用することも可能である。
また、本発明は、開口部が回転しない場合においても、ブッシュを設けることにより凸部により、油分流出防止ができる。
本発明は、エレベータ用巻上機や、その他の一般産業用や車輌用の回転電機に使用しても効果が得られる。特に、エレベータに代表される巻上機には、ブレーキおよび速度センサーが使用され本発明の効果が絶大である。
上記構成の本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、軸受の潤滑剤の油分を回転電機外部への流出を防止することにより、回転電機の誤動作を防止し、システム全体の誤動作ができることから事故発生を抑制することができる。また、油分を外部へ流出しないため、周辺機器や周囲環境の汚染を抑制でき、周囲のシステムへの誤動作を抑制することができる。更に、構造の簡素化ができることからコスト低減・製作リードタイムの短縮ができ、回転電機小形化・省スペース化および保守・点検などのメンテナンス費用の縮小も可能である。また、粉塵などの周囲環境からの影響も受けにくく、長寿命な回転電機を提供することができる。
〈第1の実施形態〉
図1は本発明の第1の実施形態である回転電機の上部断面を含む正面図である。なお、図58に示した従来技術と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略し、以下の説明では、従来技術と異なる構成部分のみについて説明する。
第1の実施形態では、回転子を固定子外周に設けた外転形回転電機において、軸受箱3.4に回転電機の内気と外気を通気させるために設けた開口窓7,8にゴム製のブッシュ18を配置している。図2は図1の矢印Bで示す方向から開口窓8を見た図である。また、ブッシュ18の機内側の端面は軸受箱内部端面より突出させて凸部18aを構成している。
上記構成では、軸受5,6の油分が流出した場合、軸受箱3,4内面から凸部18aへ油分が進行するが、凸部18aにて、油が弾き飛ばされる。
このことにより、油分が回転電機外部へ流出することが防止できる。軸受5,6の油分が外部へ流出しないことから、例えば、ブレーキディスク13(図58参照)の摺動部への油分の付着が防止できる。これにより適正なブレーキ制動力が安定して得られ、品質の向上と保守・点検の省力化が図れる。また、図58に示した速度センサのローラ14における摺動部についても同様である。
また、周辺機器や周囲環境の汚染も防止でき、他システムの誤動作防止にもなる。
回転電機の構成においては、軸受5,6周辺の油漏れを軸受箱開口窓7,8周辺(ブッシュ18部分)にて防止することができるため、軸受周辺部の構成簡素化が期待できる。従って、構成の簡素化による回転電機全体の小形化が可能な上、オイルシールなどを採用する必要がなくなる。
これにより、回転電機の製作費用・リードタイムが短縮するばかりでなく、保守・点検も簡素化できる。また、オイルシール構成における回転電機の短寿命化を抑制でき、即ち回転電機の長寿命化が可能となる。
さらに、軸受箱3,4の開口窓7,8が楕円であってもブッシュの形状変化の容易性や伸縮により開口窓7,8へのブッシュ18の装着が容易であり、精巧な製造技術を持たなくとも同様な効果が得られる。また、軸受箱の形状誤差の吸収も可能である。
また、開発時において、ブッシュ18を設定していなくても前述の取り付けに関する自由度が高いことから設計変更することなく、本構成を適用することができ、仕様の自由度も拡大できる。
〈第2の実施形態〉
本発明の第2の実施形態について、図3を参照して説明する。なお、図3において第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略し、図1と異なる構成のみ説明する。また、図3以下に示す各図においては、基本的にブッシュが装着された開口窓7,8の上半分のみを図示することとする。
図3に示す第2の実施形態では、回転電機の外側に位置する箇所のブッシュ18端面に鍔部18Aを設けたことを特徴としている。
この実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の作用・効果が得られるだけでなくブッシュ18の位置決めも容易となり、より一層の品質向上が期待できる。
〈第3の実施形態〉
本発明の第3の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4に示す第3の実施形態では、ブッシュ19をゴム以外の鋼材やプラスチック等の材料で構成したことを特徴とする。第3の実施形態の場合もブッシュ19の機内側の端面は軸受箱内部端面より突出させて凸部19aを構成している。材料としては、軸受箱の構成・生産数量など様々な用途・条件によって好ましい材料・製造方法を選択することができる。
この実施形態によれば、ブッシュ19が鋼材やプラスチック構成されているので、ゴム製における劣化要素が回避できる。また、打ち抜き板金などでも製造が可能となり、生産性向上も図れる。プラスチックで構成することで、より軽量化・生産性の向上が図れる。
〈第4の実施形態〉
本発明の第4の実施形態について、図5を参照して説明する。
図5において、ブッシュ20をゴム以外の鋼材やプラスチックで構成構成すると共に、回転電機の外側に位置する箇所のブッシュ20端面に鍔部20Aを設けたことを特徴としている。20aは凸部を示す。作用効果としては、第2、第3の実施形態と同様である。
〈第5の実施形態〉
本発明の第5の実施形態について、図6を参照して説明する。
図6においては、ブッシュ21の機内側端面21aを軸受箱3,4内部端面と同一面または、引込ませたことを特徴とする。この場合、前述の第1の実施形態よりも油の弾き飛ばし力が若干低くなる場合があるが、油分をブッシュ内に留め置き、回転電機内への油分の流出を防止することができる。また、凸部がないことから回転電機内の空間を広くすることができる。
〈第6の実施形態〉
本発明の第6の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7において、ブッシュ22の機内側端面のうち、回転電機外周に位置する端面22aを回転電機内周に位置する端面22bより突出させたことを特徴とする。
この場合は、回転電機内周部に弾き飛ばした油を外周側へ進行しないように構成することができる。
なお、内周側端面22bは軸受箱3,4内部端面と同一面または、引込ませても良い。
〈第7の実施形態〉
本発明の第7の実施形態について、図8を参照して説明する。
図8において、ブッシュ23の機内側端面のうち、回転電機内周に位置する端面23bを回転電機外周に位置する端面23aより突出させたことを特徴とする。
この場合は、回転電機内周部での弾き飛ばす油分量を増加することができ、外周への油分進行を防止することができる。
なお、外周側端面23aは軸受箱3,4内部端面と同一面または、引込ませても良い。
以上、第6の実施形態、第7の実施形態の適用は、周辺部品の構成、回転速度の仕様などから適正な方を選択することができる。
〈第8の実施形態〉
本発明の第8の実施形態について、図9を参照して説明する。
図9においては、ブッシュ24内周を軸受箱内部側端面の凸部24aから外部にかけて大きくなるように傾斜させたことを特徴とする。
この実施形態によれば、凸部24aから進行した油分を外部へ流出しにくくできる。
〈第9の実施形態〉
本発明の第9の実施形態について、図10を参照して説明する。
図10において、ブッシュ25内周を軸受箱内部から外部にかけて小さくなるように傾斜させたことを特徴とする。
この実施形態によれば、凸部25aの厚さを厚くすることから、凸部25aの剛性向上が期待でき、ゴム製などの場合による配置後の成形誤差を防止することができる。
また、外気を吸気する場合、風の流速を高くすることができ、回転電機の温度上昇を低く抑えることができ、回転電機の小形化が図れる。
〈第10の実施形態〉
本発明の第10の実施形態について、図11を参照して説明する。
図11において、ブッシュ26内周形状において、軸受箱内部を小さく、外部側を大きくなるように段差26cを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、万一、凸部26aから進行した油分は、段差26cによって外部へ流出するのを阻止することができる。
〈第11の実施形態〉
本発明の第11の実施形態について、図12を参照して説明する。
図12において、ブッシュ27内周形状において、軸受箱内部を大きく、外部側を小さくなるように段差27cを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、凸部27aの厚さを厚くすることから、凸部27aの剛性向上ができ、ゴム製などの場合による配置後の成形誤差を防止することができる。
また、外気を吸気する場合、風の流速を高くすることができ、回転電機の温度上昇を低く抑えることができ、回転電機の小形化が図れる。
〈第12の実施形態〉
本発明の第12の実施形態について、図13を参照して説明する。
図13において、ブッシュ28の内周全域に渡って周方向に1本以上の溝28Aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、万一、凸部28aから進行した油分を更に溝28Aに溜めることで、ブッシュ内に弾き飛ばし、外部へ流出しにくくすることができる。
〈第13の実施形態〉
本発明の第13の実施形態について、図14を参照して説明する。
図14において、ブッシュ29内周全域に渡って周方向に1個以上のリング状のばね30を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ29がゴム製などの場合、ブッシュ29を配置後の成形誤差を防止することができる。また回転時のブッシュ29の抜け止め防止も合わせて可能となる。
〈第14の実施形態〉
本発明の第14の実施形態について、図15を参照して説明する。
図15において、ブッシュ31内部の周方向に1個以上のリング状のばね32を埋設させたことを特徴とする。この実施形態によれば、第13の実施形態と同様の作用効果を得られるだけでなくばね32の錆などによる劣化を防止することができ、より長寿命化や保守・点検の改善を可能とする。
〈第15の実施形態〉
本発明の第15の実施形態について、図16を参照して説明する。
図16において、ブッシュ33端面で、かつ軸受箱外部側において、1個以上の突起33Aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、万一、油分が外部へ進行した場合においても、回転電機の外周部へ流出することが防止でき、ブレーキディスク13や速度センサのローラ14摺動部への油分流出防止が可能となり、システム上の品質の向上が図れる。
〈第16の実施形態〉
本発明の第16の実施形態について、図17を参照して説明する。
図17において、ブッシュ34内周に1個以上の突起34Aを設けたことを特徴とする。この実施形態によれば、万一、ブッシュ34内へ流出した油分をブッシュ34内にて弾き飛ばすことができ、品質の向上が図れる。
〈第17の実施形態〉
本発明の第17の実施形態について、図18を参照して説明する。
図18においては、前述した第16の実施形態の構成に対し、ブッシュ35内周面に1個以上の突起35Aを設け、その突起に1本以上の溝35aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、第16の実施形態よりも角部の増加ができ、油分弾き飛ばし力の増加ができ、より品質の向上が図れる。
〈第18の実施形態〉
本発明の第18の実施形態について、図19を参照して説明する。
図19においては、前述した第17の実施形態の構造に対し、ブッシュ36内周面に溝36aが1本以上形成された溝付突起36A,36Bにおいて、回転電機内部側36Aを外部側36Bより小さくしたことを特徴とする。
この実施形態によれば、内部から外部へつれ、弾き飛ばし力の増加ができる。
〈第19の実施形態〉
本発明の第19の実施形態について、図20を参照して説明する。
図20においては前述の第17の実施形態の構造に対し、ブッシュ37内周面に設けた溝37a1本以上形成された溝付突起37A,37Bにおいて、回転電機内部側37Aを外部側37Bより大きくしたことを特徴とする。
この実施形態によれば、内部の弾き飛ばし力の増加を行い、その先の少量の油分に対しても油漏れ対策ができる。
第18の実施形態と第19の実施形態の選択は、回転電機の仕様により選択することができる。
〈第20の実施形態〉
本発明の第20の実施形態について、図21を参照して説明する。
図21においては前述した第17の実施形態の構造に対し、ブッシュ38内周に1個以上の突起38Aを設け、その突起に回転電機の内部側に位置する方向に1以上の溝38aを設けた特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ表面を伝った油分をより確実に外部へ流出防止ができる。
〈第21の実施形態〉
本発明の第21の実施形態について、図22を参照して説明する。
図22において、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ39端面に、鍔部39Aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、回転によるブッシュ39の抜け止め力が増加することができる。また、ブッシュ39内周部からはなれた箇所において、油分弾きができ、品質の向上も図れる。
〈第22の実施形態〉
本発明の第22の実施形態について、図23を参照して説明する。
図23において、前述した第21の実施形態の構造に対し、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ40端面の鍔部40Aに樋40aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、油分がブッシュ内面へ回り込むことを防止でき、品質の向上が図れる。
〈第23の実施形態〉
本発明の第23の実施形態について、図24を参照して説明する。
図24において、前述した第21の実施形態の構造に対し、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ41端面の鍔部41Aに溝41aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ内面への油分回り込み防止ができるだけでなく、油分の溜めができ、周辺への油分流出防止が強化できる。
〈第24の実施形態〉
本発明の第24の実施形態について、図25を参照して説明する。
図25において、前述した第21の実施形態の構造に対し、回転電機の内側に位置する箇所に設けたブッシュ42端面の鍔部42Aの軸受箱3,4との接合面に溝42aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、前述の第23の実施形態よりも油溜め効果の強化ができるだけでなく、ブッシュ42の組み込み後の固定も強化することができる。
〈第25の実施形態〉
本発明の第25の実施形態について、図26を参照して説明する。
図26において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュを設ける構造に対し、ブッシュを43,44のように2以上分割したことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュの組み込みが容易になるだけでなく、ブッシュ43,44単品の小形化ができる。
〈第26の実施形態〉
本発明の第26の実施形態について、図27を参照して説明する。
図27において、前述した第21の実施形態の構造に対し、回転電機内部側のブッシュ45の鍔部45A内でかつ軸受箱3,4との接合面にフェルトなどの油吸収材46を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、油分を回転電機内への流出防止ができ、油漏れに対する品質のみならず、回転電機の品質向上ができる。
〈第27の実施形態〉
本発明の第27の実施形態について、図28を参照して説明する。
図28は第1の実施形態と異なる点を示しており、その他の構成は図1と同一である。
図28において、前述した第21の実施形態の構造に対し、回転電機内部側のブッシュ47の鍔部47A内にフェルトなどの油吸収材48を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、油分の弾き飛ばし効果と油分吸収の2点の効果が同時に可能となる。
〈第28の実施形態〉
本発明の第28の実施形態について、図29を参照して説明する。
図29において前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、軸受箱3,4の開口窓7,8とブッシュ49接合部にフェルトなどの油吸収材50を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、油分を回転電機内への流出防止ができ、油漏れに対する品質のみならず、回転電機の品質向上ができる。
〈第29の実施形態〉
本発明の第29の実施形態について、図30を参照して説明する。
図30において、前述した第27の実施形態の構造に対し、ブッシュ51に配置した油吸収材52の外周に位置する箇所までブッシュの鍔部51Aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、第27の実施形態の効果が得られ、更に、油分吸収剤の保持力の強化ができ、より品質向上が図れる。
〈第30の実施形態〉
本発明の第30の実施形態について、図31を参照して説明する。
図31において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、ブッシュ53内周部に1個以上のフェルトなどの油吸収材54を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、万一、ブッシュ53内に進行した油分を確実に外部へ流出することを防止することができる。
〈第31の実施形態〉
本発明の第31の実施形態について、図32を参照して説明する。
図32において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、ブッシュ55内周部に1個以上のフェルトなどの油吸収材56を設け、かつ前述の油吸収材56配置部のブッシュ開口55Aを回転電機内部側としたことを特徴とする。
この実施形態によれば、第30の実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、油分吸収性と油分吸収剤の保持力の強化が図れる。
〈第32の実施形態〉
本発明の第32の実施形態について、図33を参照して説明する。
図33において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、軸受箱3,4の開口窓7,8とブッシュ57接合部でかつ軸受箱3,4の開口窓7,8の回転電機外側に位置する箇所にフェルトなどの油吸収材58を設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ58と軸受箱3,4間の油分流出の防止ができる。
〈第33の実施形態〉
本発明の第33の実施形態について、図34を参照して説明する。
図34において、前述した第2の実施形態の構造に対し、回転電機外部側のブッシュ59の鍔部59A内でかつ軸受箱との接合面にフェルトなどの油吸収材60を設けたことを特徴とする。この実施形態によれば、第32の実施形態と同様の効果と共に、油分吸収剤の交換が容易にでき保守・点検の簡素化および劣化防止が図れる。
〈第34の実施形態〉
本発明の第34の実施形態について、図35を参照して説明する。
図35において、前述した第2の実施形態の構造に対し、回転電機外部側のブッシュ61の鍔部61A内でかつ軸受箱3,4との接合面にフェルトなどの油吸収材62を設け、前述の鍔部61Aを油吸収材62の外周まで設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ内周から流出した油分を確実に吸収できるだけでなく第33の実施形態と同様に油分吸収剤の交換が容易となり、保守・点検の簡素化および劣化防止が図れる。
〈第35の実施形態〉
本発明の第35の実施形態について、図36を参照して説明する。
図36において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、ブッシュ63外周の周方向に渡って設けられた溝63Aと軸受箱3,4の開口窓7,8との間に1個以上のフェルトなどの油吸収材64を充填したことを特徴とする。
この実施形態によれば、第32の実施形態と同様にブッシュ63と軸受箱3,4間の油分流出の防止ができる。更に、第32の実施形態に対し、ブッシュ63内周を伝う油に対しても外部流出防止ができ、ブッシュ63の薄肉化も可能となる。
〈第36の実施形態〉
本発明の第36の実施形態について、図37を参照して説明する。
図37において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、ブッシュ65外周に1個以上の溝65aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ65と軸受箱3,4間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。
〈第37の実施形態〉
本発明の第37の実施形態について、図38を参照して説明する。
図38において、前述した第1〜4の実施形態のいずれか構造に対し、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ66端面に溝66aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ66の形状の簡素化と共に、外部に漏れ出た油を溝66aに溜める油溜め効果が得られる。
〈第38の実施形態〉
本発明の第38の実施形態について、図39を参照して説明する。
図39において、前述した第36の実施形態の構造に対し、ブッシュ67の外周に溝67aを設け、回転電機の内側から前記溝67aに通じるようにスリット溝67Aを1ヶ所以上設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、油分をより油溜め部へ誘導することができる。
〈第39の実施形態〉
本発明の第39の実施形態について、図40を参照して説明する。
図40において、前述した第2の実施形態の構造に対し、回転電機の外側に位置する箇所に設けたブッシュ68端面の鍔部68Aの軸受箱3,4との接合面に溝68aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ68と軸受箱3,4間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。また、溜まった油の回収がしやすくなる。
〈第40の実施形態〉
本発明の第40の実施形態について、図41を参照して説明する。
図41において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュ69を設ける構造に対し、ブッシュ69の開口部を塞ぎ、その塞ぎ面に通風穴69Aを数箇所設けたことを特徴とする。
この構成とすることにより、ブッシュ内を通過する油分を外部へ流出することを防止でき、かつ回転電機の冷却性を損なわない構成が得られる。
〈第41の実施形態〉
本発明の第41の実施形態について、図42を参照して説明する。
図42において、前述した第40の実施形態に対し、ブッシュ70開口部の塞ぎ面を別体網71で構成したことを特徴とする。
この構成とすることにより、塞ぎ面の可変ができる。その結果、塞ぎ面の設計自由度が増加し、様々な仕様に対応できるようになる。
〈第42の実施形態〉
本発明の第42の実施形態について、図43を参照して説明する。
図43において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュ72を設ける構造に対し、図44に示すように、各ブッシュ72が一体形成されてリング状に成形されて成ることを特徴とする。
この実施形態によれば、開口窓間の油分に対しても油漏れ防止ができる。
〈第43の実施形態〉
本発明の第43の実施形態について、図45を参照して説明する。
図44において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュ73を設ける構造に対し、図46に示すように、各ブッシュ73を一体で成形し、回転電機外側に配置し かつその外周を軸受箱外周より大きくしたことを特徴とする。
この実施形態によれば、軸受箱内から回転電機内部を伝わった油分だけではく、回転電機外部からの油分に対しても、ブレーキディスク13または速度センサーローラ部14の摺動面を保護することができ、品質の向上が図れる。また、ブッシュ73の取り付け時間の短縮も図れる。
〈第44の実施形態〉
本発明の第44の実施形態について、図47を参照して説明する。
図45において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュ74を設ける構造に対し、各ブッシュ74を取り付ける軸受箱3,4の開口窓に突起75a、76aを設けたことを特徴とする。
この実施形態によれば、軸受箱においても油弾き効果が得られ、より品質の向上が図れる。
〈第45の実施形態〉
本発明の第45の実施形態について、図48を参照して説明する。
図46において、前述した第1〜4の実施形態に代表される開口窓7,8にブッシュ77を設ける構造に対し、各ブッシュ77を取り付ける軸受箱3,4の開口窓7,8に、溝3A、4Aを設けフェルトなどの油吸収材78を配置したことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ77と軸受箱3,4間の油分流出の防止ができる。
〈第46の実施形態〉
本発明の第46の実施形態について、図49を参照して説明する。
図49において、前述した第1〜4実施形態に代表される構造において、各ブッシュ79を取り付ける軸受箱3,4の開口窓7,8の内周面に周方向に溝3B、4Bを設けたことを特徴とする。
この構成とすることにより、ブッシュ79と軸受箱3,4間に油溜めを設けることができ、油分吸収剤の使用が不要となり、組立性・保守・点検の簡素化が図れる。
〈第47の実施形態〉
本発明の第47の実施形態について、図50を参照して説明する。
図50において、前述した第1〜4実施形態に代表される構造において、ブッシュ80と軸受箱3,4の開口窓7,8の接合面に、シール剤81を塗布・充填したことを特徴とする。
この実施形態によれば、ブッシュ80と軸受箱3,4間の油漏れ防止効果の強化が図れるだけでなくブッシュ18の脱落防止もできる。
〈第48の実施形態〉
本発明の第48の実施形態について、図51を参照して説明する。
図51において、前述した第1〜4の実施形態に代表される造において、ブッシュ82の外周に溝82Aを設け、その溝82A内と軸受箱3,4の接合面の間に、シール剤81を充填したことを特徴とする。
この実施形態によれば、第47の実施形態と同様の効果が得られる。
〈第49の実施形態〉
本発明の第49の実施形態について、図52を参照して説明する。
図50において、前述した第1〜4の実施形態に代表されるに構造において、回転電機の内側に位置する箇所のブッシュ83端面に鍔部83Aを設け、その鍔部83Aに溝83aを設けた構成において、前記溝84内にシール剤を充填したこととを特徴とする。
この実施形態によれば、第47の実施形態と同様の効果が得られる。
〈第50の実施形態〉
本発明の第50の実施形態について、図53を参照して説明する。
図53において、前述した第1〜4の実施形態に代表される構造に対し、回転電機の外側に位置する箇所のブッシュ84端面に鍔部84Aを設け、その鍔部84Aに溝84aを設けた構成において、前記溝84a内にシール剤を充填したこととを特徴とする。
この実施形態によれば、第49の実施形態と同様の効果が得られる。
〈第51の実施形態〉
本発明の第51の実施形態について、図54を参照して説明する。
図54において、前述した第1〜4の実施形態に代表される構造に対し、各ブッシュ18を取り付ける軸受箱3,4の開口窓7,8に、溝3C、4Cを設けシール剤を充填したことを特徴とする。
なお、図示しないが、前述した第1〜51の実施形態における構成上の特徴を用途により組み合わせることによって、相乗効果を生み、更なる油漏れ防止効果を期待することができる。
〈第52の実施形態〉
本発明の第52の実施形態について、図55を参照して説明する。
図55において、前述した第1〜51実施形態の構造上の特徴を軸受箱93、94の外周に設けた開口窓85に適用したことを特徴とする。
この構成としても第1〜第51実施形態と同等の効果が得られる。
〈第53の実施形態〉
本発明の第53の実施形態について、図56を参照して説明する。
図56において、前述した第1の実施形態〜第52の実施形態の構成上の特徴を外枠86にブッシュ87を設けた開口窓87Aに適用したことを特徴とする。
この構成として第1〜第52実施形態と同等の効果が得られる。
〈第54の実施形態〉
本発明の第54の実施形態について、図57を参照して説明する。
図57において、前述した第1の実施形態〜第53の実施形態の構成上の特徴を回転子内転形の回転電機に適用したことを特徴とする。
本発明は、開口部が回転しない場合においても、ブッシュ88を設けることにより凸部により、油分流出防止ができる。
〈更に他の実施形態〉
なお、本発明の更に他の実施形態として、図示しないが前述した第1の実施形態〜55の実施形態の構成上の特徴をエレベータ用巻上機に適用することができる。
また、本発明の適用範囲は、特に用途を限定しておらず、一般産業用や車輌用の回転電機に使用しても効果が得られる。
特に、エレベータに代表される巻上機には、ブレーキおよび速度センサが使用され本発明の効果が絶大である。