JP5288697B2 - 半導体基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板用研磨液組成物、該半導体基板用研磨液組成物を用いる半導体基板の研磨方法及び該研磨方法による研磨工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
半導体基板用研磨液は、製造設備や輸送のコストを低減するために、高濃度品として製造され、使用時に所定濃度まで希釈されて使用されることが望ましいが、高濃度であるほど凝集・沈降しやすくなるため、より分散安定性に優れた研磨液が求められている。
特に、かかる研磨液で研磨材として広く用いられているセリア(酸化セリウム)粒子は、その比重が約7.3g/cm3と大きいため、もともと沈降しやすい。さらに平坦化性能を付与するために加えられる添加剤が、セリア粒子の凝集を促進させ、沈降を加速して、分散安定性を低下させる傾向がある。その結果、研磨液の供給配管中での沈降やフィルターの目詰まりが発生し、スクラッチを増加させる原因となっている。
セリア粒子を沈降しにくくする技術として、添加剤にポリアクリル酸系共重合体を選択することが知られている(特許文献1)。しかしながら、この研磨液では、共重合体の添加量がわずかであるため、凹凸段差のある被研磨面を研磨した場合、凸部だけでなく凹部の研磨が進行するため、ディッシングが発生し、平坦な半導体基板を得ることができない。
一方、近年の半導体分野においては、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレジストの露光の際の焦点深度が浅くなり、より一層の表面平坦性が望まれている。又、高集積化・微細化が進むと、研磨した後のウェハ表面上の欠陥(ディフェクトともいう)の存在により回路の切断等が発生して良品チップの歩留まりが低下するため、ディフェクトの低減もより一層要求される。
かかる半導体基板の製造プロセス、例えば、配線形成工程や埋め込み素子分離工程にお
いて、基板上には配線あるいは埋め込み用の溝の形成により、種々の幅を有する微細な凹
凸が多数存在しており、この凹凸段差を平坦化すること及びディフェクトを低減することが要求されている。
この基板表面上の凹凸段差を研磨する場合、研磨材のみを含む研磨液を用いると、凸部は速やかに研磨されるが、同時に凹部も研磨されていくために、実質的に両者が平坦になるまでには、時間がかかる上に、被研磨面の部材を相当量研磨する必要があるという課題があった。
以上の課題に対して、従来技術では、アスパラギン酸などの低分子添加剤を添加することにより平坦化能の向上を試みている(例えば、特許文献2)。
特開2000−17195号公報 特開2001−7059号公報
しかしながら、前記特許文献2記載の研磨液組成物では、前述のセリア粒子の分散安定性が十分でなく、有効な改善策が提示されていない。本発明の課題は、セリア粒子の分散安定性にすぐれ、品質が安定した高濃度品が製造可能で、希釈して用いた場合に凸部の選択研磨性能を付与し、凹凸パターンの密度あるいはサイズの影響を受けにくい、即ち、パターン依存性の少ない高度な平坦化を少ない研磨量で速やかに達成でき、かつ、研磨後のディフェクトを低減できる半導体基板用研磨液組成物、該半導体基板用研磨液組成物を用いる半導体基板の研磨方法、ならびに該研磨方法による研磨工程を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、
[1] ジヒドロキシエチルグリシン、セリア粒子、分散剤及び水系媒体を含有する半導体基板用研磨液組成物であって、該研磨液組成物中のセリア粒子の含有量が2〜22重量%、分散剤の含有量が0.001〜1.0重量%である半導体基板用研磨液組成物、
[2] ジヒドロキシエチルグリシン、セリア粒子、分散剤及び水系媒体が配合されて得られる半導体基板用研磨液組成物であって、該研磨液組成物中、セリア粒子が2〜22重量%、分散剤が0.001〜1.0重量%および水系媒体が配合されて得られる半導体基板用研磨液組成物、
[3] 前記[1]または[2]記載の半導体基板用研磨液組成物を希釈した液を、被研磨基板1cm当たり0.01〜10g/分の供給速度で該基板に供給する工程を含む半導体基板の研磨方法、及び
[4] 前記[3]記載の研磨方法により被研磨基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法、
に関する。
本発明により、セリア粒子の分散安定性にすぐれ、品質が安定した高濃度品が製造可能で、希釈して用いた場合に凸部の選択研磨性能を付与し、凹凸パターンの密度あるいはサイズの影響を受けにくい、即ち、パターン依存性の少ない高度な平坦化を少ない研磨量で速やかに達成でき、研磨後のディフェクトを低減できる半導体基板用研磨液組成物、該半導体基板用研磨液組成物を用いる半導体基板の研磨方法、ならびに該研磨方法による研磨工程を有する半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の半導体基板用研磨液組成物(以下、単に「研磨液組成物」と称することがある)は、前記のように、ジヒドロキシエチルグリシン、セリア粒子、分散剤及び水系媒体を含有する半導体基板用研磨液組成物であって、該研磨液組成物中のセリア粒子の含有量が2〜22重量%、分散剤の含有量が0.001〜1.0重量%である研磨液組成物である。本発明が、かかる構成を有することにより、セリア粒子の分散安定性にすぐれ、品質が安定した高濃度品が製造可能で、希釈して用いた場合に凸部の選択研磨性能を付与し、凹凸パターンの密度あるいはサイズの影響を受けにくい、即ち、パターン依存性の少ない高度な平坦化を少ない研磨量で速やかに達成できるという効果が奏される。
〔メカニズム〕
本発明の研磨液組成物が、高い平坦化性能を示し、かつセリア粒子の分散安定性に優れる理由は、セリア粒子及びジヒドロキシエチルグリシンが共存することにより、以下のようなメカニズムが起こっているためと推定される。
ジヒドロキシエチルグリシンは、分子内にアニオン基、カチオン基、ノニオン基がバランスよく存在するため、セリア粒子に吸着しても粒子のゼータ電位や親水性を大きく低下させることがなく、また、分散剤の効果に影響を与えにくいと推定される。さらに高分子化合物のようなセリア粒子間の架橋効果もないため、高濃度に添加した場合でもセリア粒子の分散安定性に優れると推定される。
一方、研磨液組成物を半導体基板に供した場合、ジヒドロキシエチルグリシンが、セリア粒子表面及び/又は被研磨膜表面に吸着し皮膜を形成する。表面に形成された皮膜は、セリア粒子の被研磨膜表面への作用を阻害し、研磨の進行を抑制する。ところが、高い研磨荷重が加わると、ジヒドロキシエチルグリシンの吸着皮膜が破断して、セリア粒子が被研磨膜表面に作用できるため研磨が進行する。従って凹凸段差を有する被研磨膜を研磨する場合、凸部には局部的に高い研磨荷重が働くため、吸着膜が破断して研磨が進行し、反対に凹部は局部的に荷重が低く、吸着皮膜に保護され研磨が進行しない。従って凸部のみが選択的に研磨され効率的に凹凸段差の低減が進行する。
さらに、研磨が進行し、凹凸段差が減少すると凸部と凹部にかかる局部荷重は設定荷重に近づいていく。そこで予め設定荷重では研磨がほとんど進行しないような条件を設定しておくことで、凹凸段差解消後(平坦化後)は研磨がほとんど進行しなくなるという特徴的な研磨特性(凸部/平坦化後研磨選択比)を発現させることができる。
その結果、少ない研磨量でパターン依存性の少ない高度な平坦化が速やかに達成できるという優れた効果が発現する。この効果は半導体基板の表面の膜に少なくともケイ素を含む場合、特に酸化ケイ素を含む場合に顕著である。
(1)研磨液組成物
〔セリア粒子〕
本発明に用いられるセリア粒子としては、例えば種々の合成法により調製されるセリア粒子が挙げられる。この合成法としては、焼成法、水熱合成法、塩・触媒法、気相法(PSV法)等が挙げられ、中でも、研磨速度の観点から、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩等のセリウム化合物を焼成し、酸化セリウム(セリア)を得る焼成法が好ましい。
セリア粒子の体積平均粒子径としては、研磨速度の観点から30nm以上が好ましく、また、セリア粒子の水系媒体中での分散安定性・沈降分離防止の観点から1000nm以下が好ましい。セリア粒子の体積平均粒子径は、30〜1000nmが好ましく、40〜500nmがより好ましく、50〜160nmが更に好ましく、50〜140nmが更により好ましい。なお、体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布計(堀場製作所製 LA−920)で超音波分散しながら希釈した状態で測定した体積基準のメジアン径である。
また、セリア粒子の平均一次粒子径(結晶子サイズ)としては、研磨速度の観点から、5nm以上が好ましく、また、研磨面における傷の発生を抑える観点から、100nm以下が好ましい。前記セリア粒子の平均一次粒子径は、5〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましく、20〜40nmが更に好ましい。なお、セリア粒子の平均一次粒子径の測定法としては、BET法で求めた比表面積から粒子形状を球状と仮定して求める方法やX線回折法が挙げられる。
研磨液組成物中のセリア粒子の含有量としては、製造・輸送コストの観点から2重量%以上であり、また、セリア粒子の水系媒体中での分散安定性・沈降分離防止の観点から、
22重量%以下である。従って、前記含有量は2〜22重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2.5〜12重量%、さらに好ましくは3〜10重量%、さらにより好ましくは3〜8重量%である。
使用時において希釈された場合の研磨液組成物中のセリア粒子の含有量としては、研磨速度の観点から、0.1重量%以上が好ましく、0.2重量%以上がより好ましく、0.4重量%以上がさらに好ましく、0.5重量%以上がさらにより好ましい。また、セリア粒子の水系媒体中での分散安定性やコストの観点から、前記含有量は、8重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、4重量%以下がさらに好ましく、3重量%以下がさらにより好ましい。従って、使用時における前記含有量は0.1〜8重量%が好ましく、0.2〜5重量%がより好ましく、0.4〜4重量%がさらに好ましく、0.5〜3重量%がさらにより好ましい。
〔ジヒドロキシエチルグリシン〕
研磨液組成物中のジヒドロキシエチルグリシンの含有量としては、製造・輸送コストの観点から0.4重量%以上が好ましく、また、セリア粒子の水系媒体中での分散安定性・沈降分離防止の観点から、40重量%以下が好ましい。従って前記含有量は、好ましくは0.4〜40重量%、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%、さらにより好ましくは3〜12重量%である。
使用時において希釈された場合の研磨液組成物中のジヒドロキシエチルグリシンの含有量としては、平坦化性能の観点から、0.2重量%以上が好ましく、10重量%以下が好ましい。従って前記含有量は0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましく、1〜6重量%がさらに好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有することができるが、平坦化性能の観点から、ジヒドロキシエチルグリシンの含有量は、本発明の研磨液組成物から水系媒体とセリア粒子とを除く成分中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上が更に好ましく、97重量%以上がより更に好ましい。さらにジヒドロキシエチルグリシンの含有量は99.98重量%以下が好ましく、99.97重量%以下がより好ましい。従って前記含有量は、好ましくは80〜99.98重量%、より好ましくは90〜99.98重量%、さらに好ましくは95〜99.98重量%、さらにより好ましくは97〜99.97重量%である。
〔ジヒドロキシエチルグリシンとセリア粒子含有量比(重量比)〕
本発明の研磨液組成物において、前記ジヒドロキシエチルグリシン/セリア粒子の含有量比(重量比)は、ディッシング防止及びディフェクト低減の観点から、1/5以上が好ましく、1/4以上がより好ましく、1/3以上がさらに好ましい。また、平坦化速度の観点から、15/1以下が好ましく、12/1以下がより好ましく、10/1以下がさらに好ましい。
従って、ジヒドロキシエチルグリシン/セリア粒子の含有量比(重量比)は、1/5〜15/1が好ましく、1/4〜12/1がより好ましく、1/3〜10/1がさらに好ましい。
〔分散剤〕
分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、あるいは、アクリル酸共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体(プルロニック類)等の高分子分散剤等が挙げられる。中でも、分散効果の観点から、アクリル酸共重合体、特にポリアクリル酸又はその塩が好ましく、その重量平均分子量としては1000〜10000が好ましく、1000〜6000がより好ましい。ここで、前記の重量平均分子量は、以下のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定された値である。
<GPC条件>
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー(社)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
標準物質:ポリアクリル酸換算
また、研磨液組成物中の分散剤の含有量は、適度な分散効果を得る観点から、0.001〜1.0重量%であり、0.003〜0.3重量%が好ましく、0.005〜0.1重量%がより好ましい。
使用時において希釈された場合の研磨液組成物中の分散剤の含有量は、分散効果の観点から0.0005〜0.5重量%が好ましく、0.001〜0.1重量%がさらに好ましい。
なお、分散効果の観点から、アクリル酸共重合体の好ましい塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、水溶性アミン塩、カリウム塩等が、より好ましくはアンモニウム塩が挙げられる。
〔水系媒体〕
本発明において、水系媒体とは、水、及び水と混合することが可能な溶媒(アルコール等)と水との混合媒体をいう。水系媒体としては、イオン交換水等の水を用いることが好ましい。
研磨液組成物中の水系媒体の含有量としては、研磨速度を向上する観点及びセリア粒子の水系媒体中での分散安定性・沈降分離防止の観点から、60〜97.599重量%が好ましく、70〜96重量%がより好ましい。
使用時において希釈された場合の研磨液組成物中の水系媒体の含有量としては、研磨速度を向上する観点及びセリア粒子の水系媒体中での分散安定性・沈降分離防止の観点から、80〜99.6995重量%が好ましく、85〜99重量%がより好ましい。
〔研磨液組成物の調製方法〕
本発明の研磨液組成物は、前記のセリア粒子、ジヒドロキシエチルグリシン、分散剤、及び所望により後述の任意成分を水系媒体に配合することにより調製することができる。中でも配合時のセリア粒子の分散安定性の観点から、予めセリア粒子、又はセリア粒子と分散剤、を含む水分散体(セリアスラリー)を調製し、このセリアスラリーとジヒドロキシエチルグリシンを溶解した水溶液とを混合撹拌する方法が好ましい。また、セリアスラリー及びジヒドロキシエチルグリシン水溶液を混合する前にそれぞれ設定pHに予め調製しておいてから混合する方法、あるいは混合後に設定pHに調製する方法を用いることができる。
〔セリアスラリーの調製〕
セリアスラリーは、分散処理を行うことで調製することができる。分散処理としては、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル等の攪拌機で分散する方法が挙げられる。また、セリア粒子の分散性の観点から、分散処理の際に、前記の分散剤を併用することが好ましい。なお、セリアスラリーのpHは、3〜10に調整されることが好ましい。
前記のようにして得られたセリアスラリーを次いで粗大粒子除去することが好ましい。この粗大粒子を除去する方法としては、例えば、分散処理後の遠心分離法やフィルターろ過法が挙げられる。
また、ジヒドロキシエチルグリシンを溶解した水溶液のpHは、3〜10に調整されることが好ましい。
〔任意成分〕
また、本発明の研磨液組成物には、任意成分(添加剤)として、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ−)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、次亜塩素酸塩等の防腐剤を混合してもよい。また、過酸化物又は過マンガン酸、クロム酸、硝酸、ペルオキソ酸もしくはそれらの塩等の酸化剤を混合することができる。加えて、ジヒドロキシエチルグリシン以外のキレート剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、β−アラニン二酢酸(β−ADA)、α−アラニン二酢酸(α−ADA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンニコハク酸(EDDS)、イミノジ酢酸(IDA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HEIDA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3−PDTA)、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、4−アミノ酪酸、アルギニン、フタル酸等を本発明の効果を損なわない範囲で混合することができる。これらの任意成分は、前記セリアスラリー、ジヒドロキシエチルグリシン水溶液のいずれに混合してもよい。
以上の任意成分は、本発明の効果を損なわない範囲で添加できるが、かかる任意成分の量としては、研磨液組成物中において0.001〜1.0重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。
〔研磨液組成物のpH〕
以上のような方法で得られる本発明の研磨液組成物のpH範囲としては、研磨速度の観点から、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、4.5〜7が更に好ましく、5〜7が更に好ましく、5.8〜6.5が更に好ましい。
前記の研磨液組成物のpHは、pH調整剤により調整することができる。pH調整剤としては、アンモニア、水酸化カリウム、水溶性有機アミン、四級アンモニウムハイドロオキサイド等の塩基性物質、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸及び酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸等の酸性物質が挙げられる。
本発明の研磨液組成物は、希釈して使用されることが好ましい。希釈倍率としては、製造・輸送コストの観点から、1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上がさらに好ましく、4倍以上がさらに好ましく、また、研磨速度の観点から、20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下がさらに好ましく、8倍以下がさらに好ましい。従って、本発明の研磨液組成物の使用時の希釈倍率としては1.5〜20倍が好ましく、2〜15倍がより好ましく、2〜10倍がさらに好ましく、2〜8倍がさらに好ましい。
希釈方法としては、本発明の研磨液組成物に所定量の水系媒体を加え、撹拌混合する方法を用いることができる。さらに具体的には、研磨前に本発明の研磨液組成物をタンクにとり、それに所定量の水系媒体を加え撹拌混合する方法や、研磨中に本発明の研磨液とは別に水系媒体を加える方法を用いることができる。
〔半導体基板〕
本発明の研磨液組成物は、半導体基板の研磨に用いられる。
本発明における半導体基板について、詳細は後述するが、その材質としては、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられるが、効率的な平坦化発現の観点から中でも基板表面にケイ素を含み凹凸段差形状を有する膜が形成されたものが好適である。ケイ素を含む膜としては、TEOS(Tetraethoxysilane)、石英、ガラス等の酸化ケイ素、BPSG(Boro-Phospho-Silicate Glass)、PSG(Phospho-Silicate Glass)等のリン、ホウ素等の元素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリシリコン等が挙げられる。特に、二酸化ケイ素を主成分とする被研磨膜を有する半導体基板を研磨する際に本発明の研磨液組成物を用いた場合、効率的に平坦化が実現できる。
BPSGやPSGのようにリン、ホウ素等の元素がドープされた酸化ケイ素の場合、平坦化性能の発現には通常の酸化ケイ素膜に比べ、より多くの添加剤の添加が必要となる。しかし、添加剤が高濃度であるほど塩析効果等により、セリア粒子が凝集・沈降しやすくなるため、より分散安定性に優れた本発明の研磨液組成物がより好適に用いられる。
中でも、本発明の研磨液組成物は、50〜2000nm、好ましくは100〜1500nmの凹凸段差形状を有する半導体基板を平坦化する目的で行う研磨に好適である。凹凸段差はプロファイル測定装置(例えばKLA−Tencor社製、商品名:HRP−100)により求めることができる。
本発明の「凹凸段差形状」とは、半導体基板の表面に少なくともケイ素を含む膜が凹凸の段差を生じた状態にパターンニングされたものをいう。例えば、前記の膜を有する半導体基板としてはシリコン基板上に、窒化ケイ素をCVD(Chemical vapor deposition)法で製膜後、エッチングして、パターンニングし、さらに、HDP−TEOS(High-density plasma tetraethoxysilane)酸化珪素を製膜した際に形成される凹凸段差状にパターンニングされたものが挙げられる。同様にシリコン基板をエッチングして、パターニングし、さらにその上にBPSG(Boro-Phospho-Silicate Glass)を製膜した際に形成される凹凸段差状にパターンニングされたものが挙げられる。これらの場合、先にエッチングした際のパターニングの深さが半導体基板表面のケイ素を含む膜の「凹凸段差形状」に反映される。後述の実施例では、窒化ケイ素をCVD法で製膜後または、BPSG(Boro-Phospho-Silicate Glass)を製膜する前にエッチングしているが、このエッチングした際のパターンニングの深さが各半導体基板の表面のケイ素を含む膜の「凹凸段差形状」に反映される。
特に、凹凸段差が同一の部材からなる場合、本発明の研磨液組成物は、凸部を速やかに研磨して平坦化することができるという優れた効果が発現される。
(2)研磨方法
本発明の研磨方法としては、前記の研磨液組成物を希釈した液を、被研磨基板1cm当たり0.01〜10g/分の供給速度で該基板に供給する工程を含む半導体基板の研磨方法が挙げられる。
〔研磨液組成物供給速度〕
研磨液組成物(希釈液)の供給速度は、被研磨基板1cm当たり、高い研磨速度を維持し、短時間で平坦化する観点から、0.01g/分以上、好ましくは0.1g/分以上であり、また、経済性の観点と廃液処理の観点から、10g/分以下、好ましくは5g/分以下である。従って、該供給速度は、0.01〜10g/分、好ましくは0.1〜5g/分である。
〔研磨荷重〕
研磨荷重としては、研磨速度の観点から、好ましくは5kPa以上、より好ましくは10kPa以上であり、また、被研磨面の平坦化及び傷抑制の観点から、好ましくは100kPa以下、より好ましくは70kPa以下、さらに好ましくは50kPa以下である。従って研磨荷重は、好ましくは5〜100kPa、より好ましくは10〜70kPa、さらに好ましくは10〜50kPaである。
研磨液組成物を希釈した液としては、例えば前記の好ましい希釈倍率で前記の研磨液組成物を希釈した液を用いればよい。
本発明の研磨液組成物(希釈液)を用いる半導体基板の研磨装置としては、特に制限はなく、半導体基板に代表される被研磨物を保持する治具と研磨布(研磨パッド)を備える研磨装置が用いられる。該研磨装置を用いる研磨方法の具体例としては、研磨布として、有機高分子系の発泡体、無発泡体、不織布状の研磨布等を張り付けた定盤に、上記被研磨物を保持する治具を押しつけ、あるいは、研磨布を張り付けた定盤に、上記被研磨物を挟み込み、本発明の研磨液組成物を被研磨物表面に供給し、一定の圧力(荷重)を加えながら定盤や被研磨物を動かすことにより被研磨物表面を研磨する方法が挙げられる。
なお、前記研磨液組成物の供給量、研磨荷重以外の研磨条件については特に限定はない。
(3)半導体装置の製造方法
メモリーIC、ロジックIC、あるいはシステムLSI等の半導体装置は、一般に、シリコンを代表とする単結晶基板(ウェハ)上に酸化ケイ素等の絶縁膜を形成しその上に金属電極を配してトランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオード、容量等の素子を形成する工程、前記素子間を金属配線化する配線工程、前記工程を経て得られる基板をチップ化する工程を含む。また、金属電極を配するとは、ウェハ上に絶縁膜等の薄膜を形成しリソグラフィーによりパターニングする、さらに不純物を拡散してp型及び/又はn型領域を形成する等の工程を経て金属電極を形成する場合を含む。絶縁膜素子形成工程及び/又は配線工程には、具体的には、埋め込み素子分離工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等が含まれる。ここに、前記素子を形成する工程及び/又は素子間を金属配線化する工程で得られる素子又は素子と配線が結合するウェハを半導体基板という。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記の研磨液組成物(希釈液)を用いて半導体基板を研磨する工程を有する方法である。その例としては、前記の研磨方法により被研磨基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法が挙げられる。
なお、研磨パッド等の研磨条件については、前記の研磨方法と同じものであればよい。
具体的には、凹凸段差形状のある半導体基板の上方にケイ素を含む薄膜を形成する工程と、該薄膜を研磨する研磨工程とを備え、上記研磨工程においてセリア粒子とジヒドロキシエチルグリシン及び分散剤を含有する研磨液組成物を研磨パッド表面に供給して、凹凸段差形状のある該薄膜表面をCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)により平坦化することからなる方法が挙げられ、このような工程として、埋め込み素子分離工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等があるが、特に埋め込み素子分離工程、層間絶縁膜平坦化工程に適しており、メモリーIC、ロジックIC、あるいはシステムLSI等の半導体装置の製造に好適に用いられる。
実施例1〜7及び比較例1〜10
1.分散安定性評価
表2記載の所定量のジヒドロキシエチルグリシン(キレスト社製、キレストGA)、アスパラギン酸(和光純薬工業社製)、エチレンジアミン四酢酸(同仁化学社製、4H)、ニトリロトリ酢酸(キレスト社製、キレストNT)、フタル酸(キシダ化学社製)又はポリアクリル酸(アンモニア中和度65mol%、分子量6000、固形分40重量%)にイオン交換水を加えて混合溶解した。該溶液に撹拌状態で、さらに表2記載の所定量のセリアの水分散体(セリア固形分40重量%、セリア粒子の平均粒子径125nm、セリア粒子の結晶子サイズ28nm、分散剤として分子量6000のポリアクリル酸アンモニウム塩を0.1重量%を含有)を加え、アンモニア水(アンモニア28重量%)(富山薬品工業社製)によりpH6.0〜6.3に調整し、実施例1〜7及び比較例1〜10の研磨液組成物を得た。なお、セリア粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布計(堀場製作所製 LA−920)で測定した体積基準のメジアン径である。
このようにして調製した研磨液組成物を用い、以下の条件でセリア粒子径の測定及び分散性試験を行った。
〈研磨液組成物中のセリア粒子径測定〉
高濃度状態の研磨液組成物におけるセリア粒子の凝集レベルの指標として、調製後、1日放置した研磨液組成物中のセリア粒子径を測定した。具体的には、マイクロトラック粒度測定装置 UPA−150(日機装社製)を用い、測定直前に前記研磨液組成物を振とうし、十分に分散させてから測定を行った。測定条件は、セリア比重を7.3とし、測定時間2分で、連続して3回繰り返し測定を行った。セリア粒子径は、体積平均粒径のメジアン径(D50)の値とした。
<分散性試験>
各研磨液組成物100mlをマグネチックスターラーで10分間撹拌後、共栓付比色管(直径29mm、容量100ml)中で室温(20〜25℃)で静置し、一定時間経過後(1日後、3日後、7日後)のセリア粒子の沈降による上澄み液の分離状態より分散安定性を判定した。判定基準を表1に、結果を表2に示す。
Figure 0005288697
Figure 0005288697
<分散性試験結果>
表2の結果の通り、実施例1〜7及び比較例2の研磨液組成物は、研磨液組成物中のセリア粒子径が小さいことから、凝集はみられず、また、良好な分散安定性を示す。一方、比較例1および3〜5、7〜10の研磨液組成物は、研磨液組成物中のセリア粒子径が大きいことから、凝集がみられ、また、分散安定性に問題があった。また、比較例6の研磨液組成物は、不溶物が存在した。
2.平坦化性能の評価(1)
さらに、上記の研磨液組成物をイオン交換水で希釈した希釈品を用いて、以下の条件で研磨試験を行った。
<研磨試験(1)>
1.研磨条件
研磨試験機 :片面研磨機(品番:LP−541、ラップマスターSFT製、定盤径 540mm)
研磨パッド :IC-1000/Sub400(ニッタ・ハース社製)
定盤回転数 :60rpm
ヘッド回転数:62rpm(回転方向は定盤と同じ)
研磨荷重 :40kPa
研磨液供給量:200ml/min( 0.6g/cm・min)
被研磨基板 :CMP特性評価用市販パターンウエハであるSematech864(シリコン基板上に膜厚170nmの窒化ケイ素をCVD(Chemical vapor deposition)法で製膜後、エッチングで500nmの深さにパターンニングされた基板上に厚さ600nmのHDP−TEOS(High-density plasma tetraethoxysilane)酸化珪素膜を形成したもの)又は、BPSG膜パターンウエハ(370nmの深さにパターンニング(Sematech864と同じ形状)されたシリコン基板上に厚さ1000nmのBPSG膜を形成したもの)
上記研磨条件で、2分間研磨を行った後、Sematech864又はBPSG膜パターンウエハの残存膜厚を測定することで評価した。具体的には、D20、D50、D80パターン部(D20:凸部幅20μm/凹部幅80μmのLine&Spaceパターン、D50:凸部幅50μm/凹部幅50μmのLine&Spaceパターン、D80:凸部幅80μm/凹部幅20μmのLine&Spaceパターン)の残存膜厚を測定し、さらにこれら残存膜厚の値からStep Height(凹凸段差)を算出する。ここで、用語Line&Spaceとは、ICの配線構造などで、ライン状(線状)のパターンが繰り返し並んでいる箇所における、線状パターン幅(ライン)と線状パターン間の間隔(スペース)をワンセットにしたものをいい、用語配線ピッチとは、配線のラインとスペースを合わせた寸法をいう。
Sematech864: Step Height=凸部残存膜厚(HDP膜+SiN膜)+Si段差−凹部残存膜厚
BPSG膜パターンウエハ: Step Height=凸部残存膜厚+Si段差−凹部残存膜厚
ここで、Si段差とは、シリコンウエハ上にパターン形成された凹部の深さを表す。
今回評価に用いたウエハのSi段差は、Sematech864で330nm、BPSG膜パターンウエハで370nmである。なお、残存膜厚の測定は光干渉式膜厚計(大日本スクリーン製造(株)製、商品名:VM−1000)を用いた。判定基準を表3に、結果を表4に示す。
Figure 0005288697
Figure 0005288697
<平坦化性能評価結果(1)>
Sematech864:実施例1希釈品では窒化ケイ素膜上の凸部HDP膜は消失しており、窒化ケイ素膜の研磨量もわずかである。さらに凹部のHDP残存膜厚のD20とD80のパターン間での差が150nm以内という、パターン依存性が小さく良好な平坦化性能が得られた。また、比較例1および3の希釈品でも、実施例1の希釈品と同様に良好な平坦化表面が得られた。ただし、比較例3希釈品では、研磨速度の低下により、2分間の研磨では凸部HDP膜が残存し目標とする平坦化が完了せず、研磨時間を5分間に延長する必要があった。一方、比較例2希釈品では、凸部HDP膜は消失しているが、その下の窒化ケイ素膜の研磨も進行しD20パターン部では窒化ケイ素膜が消失した。さらに凹部のHDP残存膜厚の差もD20とD80のパターン間で250nm以上であったことから、パターン依存性が大きく良好な平坦化性能は得られなかった。
BPSG膜パターンウエハ:実施例2の希釈品ではD20、D50、D80各パターンでのStep Heightは30nm以内となり、さらに凹部残存膜厚もD20とD80のパターン間でその差が100nm以内とパターン依存性が小さく良好な平坦化性能が得られた。比較例4の希釈品では、凹部残存膜厚のD20とD80のパターン間でその差が100nm以内とパターン依存性に優れるものの、D80パターンでStep Heightが137nmとなり段差が解消しなかった。一方、比較例2希釈品では2分間の研磨で凸部のBPSG膜が全て消失したため、研磨時間を1分に短縮したが、D20パターンでは凸部BPSG膜が消失した。さらに凹部残存膜厚もD20とD80のパターンの間でその差が200nm以上とパターン依存性が大きく、良好な平坦化性能は得られなかった。
3.平坦化性能の評価(2)
実施例7、2及び比較例10の研磨液組成物を、イオン交換水で表5に記載した希釈倍率で希釈した希釈品(希釈後の組成を表5に記載)を用いて、以下の条件で研磨試験(2)を行なった。
<研磨試験(2)>
1.研磨条件
研磨試験機 :片面研磨機(品番:EPO222D、荏原製作所社製)
研磨パッド :IC-1000/Sub400(ニッタ・ハース社製)
定盤回転数 :100rpm
ヘッド回転数:107rpm(回転方向は定盤と同じ)
研磨荷重 :30kPa
研磨液供給量:200ml/min( 0.6g/cm・min)
被研磨基板 :CMP特性評価用市販パターンウエハであるSematech864(シリコン基板上に膜厚150nmの窒化ケイ素をCVD法で製膜後、エッチングで500nmの深さにパターンニングされた基板上に厚さ550nmのHDP−TEOS酸化珪素膜を形成したもの)又は、BPSG膜パターンウエハ(350nmの深さにパターンニングされたシリコン基板上に厚さ1000nmのBPSG膜を形成したもの)
研磨時間は、パターンウエハと研磨パッドの間の摩擦係数変化を定盤の駆動モーター電流を測定することでおよび研磨終点を検出することで測定し、研磨液ごとに決定した。
平坦化性能は、Sematech864又はBPSG膜パターンウエハの残存膜厚を測定することで評価した。具体的には、P25、P50、P100、P250、P500パターン部(P25:凸部幅12.5μm/凹部幅12.5μmのLine&Spaceパターン、P50:凸部幅25μm/凹部幅25μmのLine&Spaceパターン、P100:凸部幅50μm/凹部幅50μmのLine&Spaceパターン、P250:凸部幅125μm/凹部幅125μmのLine&Spaceパターン、P500:凸部幅250μm/凹部幅250μmのLine&Spaceパターン)の残存膜厚を測定し、さらにこれら残存膜厚の値からStep Height(凹凸段差)を算出する。
Sematech864: Step Height=凸部残存膜厚(HDP膜+SiN膜)+Si段差−凹部残存膜厚
BPSG膜パターンウエハ: Step Height=凸部残存膜厚+Si段差−凹部残存膜厚
ここで、Si段差とは、シリコンウエハ上にパターン形成された凹部の深さを表す。
今回評価に用いたウエハのSi段差は、Sematech864で350nm、BPSG膜パターンウエハで350nmである。なお、残存膜厚の測定は光干渉式膜厚計(KLAテンコール社製、商品名:Aset F5x)を用いた。各パターンのStep Heightの測定結果を表5に示す。
Figure 0005288697
<平坦化性能評価結果(2)>
実施例7希釈品および実施例2希釈品は比較例10希釈品に比べ、いずれのパターンにおいてもStep Heightの値は小さくなっており、平坦化性能が優れることがわかった。
4.ディフェクトの評価
さらに実施例7、2及び比較例10の研磨液組成物の希釈品(表5に記載)で、平坦化性能評価(2)と同様に研磨試験を行った。ただし、被研磨基板には熱酸化膜のブランケットウエハを使用した。60秒間研磨を行った後、過酸化水素(2%)を用い、ロールブラシで60秒洗浄を行った。ディフェクトはレーザー式欠陥検査装置(KLAテンコール社製、商品名:サーフスキャンSP1)を用い、ブランケットウエハ全面1枚あたりの数とサイズを求めた。なお、測定方法はウエハ表面にレーザーを照射し反射光の強度と角度から、ディフェクトの数とサイズを換算している。
表6にディフェクト数の結果を示す。
Figure 0005288697
<ディフェクト評価結果>
検査装置のレシピの設定上最も現実的と考えられる0.14μm以上レベルでのディフェクト数は比較例10の希釈品に対して実施例7、2の希釈品の方が、少なく性能に優れることがわかった。
以上より、本発明の研磨液組成物は、高濃度状態における優れた分散安定性とパターン依存性のない高度な平坦化、及び研磨後のディフェクト低減を達成できることがわかる。
本発明の半導体基板用研磨液組成物は、例えば、埋め込み素子分離工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等に用いられ、特に埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜平坦化工程に適しており、メモリーIC、ロジックIC、あるいはシステムLSI等の半導体装置の製造に好適に用いられる。

Claims (12)

  1. ジヒドロキシエチルグリシン、体積平均粒子径が30〜500nmのセリア粒子、分散剤及び水系媒体を含有する半導体基板用研磨液組成物であって、該研磨液組成物中のセリア粒子の含有量が2〜22重量%、分散剤の含有量が0.001〜1.0重量%であり、該ジヒドロキシエチルグリシンと該セリア粒子の含有量比(ジヒドロキシエチルグリシン/セリア粒子)が1/5〜15/1(重量比)である、半導体基板用研磨液組成物。
  2. ジヒドロキシエチルグリシン、体積平均粒子径が30〜500nmのセリア粒子、分散剤及び水系媒体が配合されて得られる半導体基板用研磨液組成物であって、該研磨液組成物中の該ジヒドロキシエチルグリシンと該セリア粒子の含有量比(ジヒドロキシエチルグリシン/セリア粒子)が1/5〜15/1(重量比)であり、該研磨液組成物中、セリア粒子が2〜22重量%、分散剤が0.001〜1.0重量%および水系媒体が配合されて得られる半導体基板用研磨液組成物。
  3. 前記ジヒドロキシエチルグリシンと前記セリア粒子の含有量比(ジヒドロキシエチルグリシン/セリア粒子)が1/5〜1/1.15(重量比)である、請求項1又は2記載の半導体基板用研磨液組成物。
  4. 水系媒体とセリア粒子とを除く成分中のジヒドロキシエチルグリシンの含有量が80〜99.98重量%である請求項1〜3いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物。
  5. ジヒドロキシエチルグリシンの半導体基板用研磨液組成物中の含有量が0.4〜40重量%である請求項1〜いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物。
  6. 水系媒体の半導体基板用研磨液組成物中の含有量が60〜97.599重量%である請求項1〜いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物。
  7. 分散剤が、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体の塩およびエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物。
  8. 半導体基板が、その表面に少なくともケイ素を含み50〜2000nmの凹凸段差形状を有する膜が形成されてなるものである請求項1〜いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物。
  9. 請求項1〜いずれか記載の半導体基板用研磨液組成物を希釈した液を、被研磨基板1cm2当たり0.01〜10g/分の供給速度で該基板に供給する工程を含む半導体基板の研磨方法。
  10. 5〜100kPaの研磨荷重で研磨パッドを押し当てて被研磨基板を研磨する請求項記載の半導体基板の研磨方法。
  11. 請求項又は10記載の研磨方法により被研磨基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法。
  12. 単結晶基板上に絶縁膜を形成しその上に金属電極を配する素子形成工程、前記素子間を金属配線化する配線工程、前記工程を経て得られる基板をチップ化する工程を含む半導体装置の製造方法であって、素子形成工程及び/又は配線工程で請求項又は10記載の研磨方法により被研磨基板を研磨する工程を有する半導体装置の製造方法。
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