JP5288583B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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本発明は、レーザ光を非晶質半導体膜に照射して多結晶化するレーザアニール装置及びレーザアニール方法に関する。
半導体、液晶の分野では、薄膜トランジスタ(TFT)の製造工程において、キャリアの移動度を向上させるため、基板上に形成されたアモルファスシリコン膜(以下、a−Si膜という)にレーザビームを照射し、溶融、固化させて再結晶化させることにより多結晶シリコンを形成するレーザアニールが行われている。
このレーザアニールは、大面積の基板に対するアニール処理を効率的に実施するために、断面が細長い長方形状ビーム、つまり線状ビームに加工したレーザ光を、基板上のa−Si膜に対して線状ビームの短軸方向に相対的に移動させながら照射する。
このようなレーザアニールのレーザ光源として、従来は主にエキシマレーザが用いられているが、近年、YAG、YLF、YVO等の固体レーザの基本波を可視領域に波長変換して利用するレーザアニール装置が注目されている(例えば下記特許文献1〜3を参照)。このように固体レーザが用いられるのは、エキシマレーザよりもコスト面、メンテナンス面で有利だからである。
また、多結晶シリコンや結晶シリコンのデバイスにおいても、不純物の活性化等のプロセスに、固体レーザの波長変換光が利用できると注目されている。
固体レーザの可視光を用いたレーザアニール装置では、線状ビームの長軸方向についてはエネルギー分布を均一化するが、線状ビームの短軸方向については加工せずに元々のビームがもつガウシアン形状のエネルギー分布を利用して、半導体膜の結晶を膜の面方向に成長させることにより(これを一方向成長という)、大粒径の結晶粒を得ることができる。
しかしながら、一方向成長のために結晶粒に異方性を生じ、また、レーザパルスの1ショット毎のエネルギーのばらつきが成長距離に影響するために、等方的で均一な結晶粒を作製することが困難である。このため、トランジスタ特性が不均一になるという問題がある。
また、可視領域光のシリコン膜に対する吸収係数が低いため、固体レーザの可視領域光を用いたレーザアニールでは、入射レーザ光エネルギーの利用効率は低く、結晶化に多くのエネルギーが必要となり、処理能力が低いという問題がある。
また、レーザ光を低エネルギー密度で照射してガウシアン形状のエネルギー分布の勾配を緩やかにし、一方向成長距離を抑制することにより、固体レーザを用いつつ等方的で均一な結晶粒を得ることができる。しかしながら、このように低エネルギー密度の照射を行うと、処理能力が益々低下するという問題がある。
上述した問題を解決するため、本出願人は、コスト面及びメンテナンス面で有利な固体レーザを用いつつ、等方的で均一な結晶粒を得ることができ、且つ処理能力を高めることができるレーザアニール方法を開発し、特願2006−148337として出願した。以下、特願2006−148337を「先行出願」という。
図6を参照して、先行出願に係るレーザアニール方法を説明する。
図6(A)は従来技術の短軸方向のエネルギー分布を示している。この分布において、例えば、ピークエネルギーが450mJ/cm、半値幅が50μmであるとした場合、短軸方向の有効エネルギー領域の幅は8μmとなる。ここで「有効エネルギー」とは、レーザ照射によって結晶粒の増大に寄与し得るエネルギー密度をいう。
一方、先行出願に係るレーザアニール方法では、図6(B)に示すように、短軸方向のエネルギー分布を均一化しフラットトップ形状に変形させたレーザ光を非晶質半導体膜に照射する。
先行出願に係るレーザアニール方法によれば、短軸方向のエネルギー分布をフラットトップ形状に変形させるので、同一の投入パワーであってもガウシアン形状と比べて有効エネルギー領域を増大させることができる。加工前において図6(A)のようなエネルギー分布であった場合は、(B)のようにフラットトップ形状に変形させることにより、有効エネルギー領域を理論上50μmに増大させることができる。
したがって、非晶質半導体膜に照射される有効エネルギー範囲も広くなり、その分、基板の搬送速度を速めることができる。また、線状ビームの短軸方向のエネルギー分布が均一化されるため、結晶の一方向成長が起こらないので、等方的かつ均一な結晶粒を製作することができる。
特開2004−342954号公報 特開2004−63924号公報 特開2003−347237号公報
上述したように、レーザアニールでは、大面積の基板に対するアニール処理を効率的に実施するために、レーザ光を線状ビームに加工してa−Si膜に照射する。一度で多くの面積を処理するためには、ビームの長軸方向寸法をなるべく伸ばす必要がある。また、長軸方向寸法を伸ばしつつ、アニールに必要なエネルギー密度を確保するためには、短軸方向寸法をできるだけ小さくすることが求められる。現在使用されている固体レーザを利用したレーザアニール装置では、10〜100μm程度まで短軸方向寸法をレンズ系で絞っている。
高出力レーザは、様々な発振モードを持つため、短軸方向寸法を数十μmまで絞ると、そのエネルギー分布においてガウシアン形状の影響が大きくなる。そのために上述した先行出願の技術を用いて短軸方向のエネルギー分布を均一化しても、図7(A)のような理想的なフラットトップ形状はできずに、図7(B)に示すように、裾部にガウシアン形状に起因した急峻な傾斜が発生する。理想的なフラットトップ形状によれば図7(A)の右側に示すように等方的な結晶粒が得られるが、裾部に急峻な傾斜が発生したエネルギー分布では、その傾斜によるエネルギー勾配により上述した一方向成長が起き、図7(B)の右側に示すように等方的ではなく短軸方向に長い結晶粒が形成される。このため、トランジスタの特性が揃わないという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、固体レーザを用いながらも、線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を、傾斜した裾部がない理想的なフラットトップ形状に変形するができ、これにより、等方的で均一な結晶粒を得ることができるレーザアニール装置及びレーザアニール方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のレーザアニール装置及びレーザアニール方法は、以下の手段を採用する。
本発明は、非晶質半導体膜の表面において線状ビームに集光したレーザ光を非晶質半導体膜に対して前記線状ビームの短軸方向に相対的に移動させながら照射することにより前記非晶質半導体膜を多結晶化するレーザアニール装置であって、前記レーザ光を発振する固体レーザ光源と、前記線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化する短軸用ホモジナイザと、前記エネルギー分布を均一化した前記レーザ光の一部を遮蔽して前記短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去する遮蔽機構と、を備えることを特徴とする
また、本発明は、非晶質半導体膜の表面において線状ビームに集光したレーザ光を非晶質半導体膜に対して前記線状ビームの短軸方向に相対的に移動させながら照射することにより前記非晶質半導体膜を多結晶化するレーザアニール方法であって、固体レーザ光源からレーザ光を発振し、前記線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化し、前記エネルギー分布を均一化した前記レーザ光の一部を遮蔽して前記短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去する、ことを特徴とする。
上記の本発明の装置及び方法によれば、レーザ光の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去するので、傾斜した裾部のない理想的なフラットトップ形状を実現することができる。
したがって、結晶成長プロセスにおいて一方向成長が起こらないので、等方的で均一な結晶粒が得られる。また、非晶質半導体膜に照射される有効エネルギー領域を増大させることができるので、その分、基板の搬送速度の高速化が可能となり、レーザアニールの処理能力が向上する。
また、上記のレーザアニール装置において、前記レーザ光の光路の途中位置に前記短軸方向に係る結像面が設定されており、前記遮蔽機構は前記結像面またはその光軸方向前後近傍の位置に配置されている。
このように、レーザ光の光路の途中位置に短軸方向に係る結像面が設定されている場合は、その結像面またはその光軸方向前後近傍の位置に上記の遮蔽機構を設置することにより、エネルギー分布の両裾部を除去することができる。特に結像面の位置に正確に設置することにより、切断部のエネルギー分布形状をぼかすことなく両裾部を除去できる。
また、上記のレーザアニール装置において、前記遮蔽機構は前記非晶質半導体膜の表面に近接して配置されている。
このように非晶質半導体膜の表面に近接して遮蔽機構を設置した場合でも、エネルギー分布の両裾部を除去することができる。この場合、切断部のエネルギー分布形状がボケないように、遮蔽機構をできるだけ非晶質半導体膜の表面に近づけることが好ましい。
また、上記のレーザアニール装置において、前記遮蔽機構は、前記レーザ光が透過可能な光透過部材と、該光透過部材に成膜され入射する前記レーザ光のうち前記エネルギー分布の前記両裾部に対応する部分を遮蔽するマスクとからなる。
このように遮蔽機構が遮蔽板から構成されるので、簡単な機械的構成によってエネルギー分布における傾斜した両裾部を容易に除去することができる。
また、上記のレーザアニール装置において、前記遮蔽機構は、入射する前記レーザ光のうち前記エネルギー分布の前記両裾部に対応する部分を遮蔽する遮蔽板からなる。
上記の構成によれば、マスクの形成にあたりフォトリソグラフィ等によってレーザ光を通過させる隙間を精密に設定することができるので、短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を精度よく除去することができる。また、マスクは膜状であり薄いので、切断部のエネルギー分布形状をぼかすことなく両裾部を除去できる。
本発明によれば、固体レーザを用いながらも、線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を、傾斜した裾部がない理想的なフラットトップ形状に変形するができ、これにより、等方的で均一な結晶粒を得ることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
[第1実施形態]
図1A及び図1Bは、本発明の第1実施形態にかかるレーザアニール装置10の概略構成を示す図である。
このレーザアニール装置10は、非晶質半導体膜の表面において線状ビームに集光したレーザ光1を非晶質半導体膜に対して線状ビームの短軸方向に相対的に移動させながら照射することにより非晶質半導体膜を多結晶化する装置である。図1Aでは上下方向が線状ビームの長軸方向であり、図1Bでは上下方向が線状ビームの短軸方向である。
レーザアニール装置10は、レーザ光1を発振する固体レーザ光源12と、固体レーザ光源12から発振されたレーザ光1を非晶質半導体膜の表面において線状ビームに整形するビーム整形光学系13と、非晶質半導体膜が形成された基板3を載せる基板ステージ5とを備える。なお、図1Aでは、ビーム整形光学系13のうち長軸方向に作用する光学系のみを示している。図1Bでは、ビーム整形光学系13のうち短軸方向に作用する光学系のみを示している。
基板3は、無アルカリガラスなどのガラス基板であり、プラズマCVD法、スパッタ法などの成膜法により上記ガラス基板上に例えばSiO2膜が成膜され、その上に非晶質半導体膜として例えばa−Si膜が成膜される。
固体レーザ光源12の種類は特に限定されないが、Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:ガラスレーザ、Yb:YAGレーザ、Yb:YLFレーザ、Yb:YVOレーザ、Yb:ガラスレーザのいずれかを用いるのが良い。これらの固体レーザは信頼性が高く、安定したレーザエネルギーの利用を高い効率で実現することができる。シリコン膜に対しては、330nm〜800nmの可視光領域において吸収係数が高いため、固体レーザ光源12としては、上記のYAGレーザ、YLFレーザ、YVOレーザ、ガラスレーザの第2又は第3高調波のレーザ光1を出射するものが好適である。レーザ光1は、パルス光、連続光のいずれであってもよい。
ビーム整形光学系13は、レーザ光源12からのレーザ光1を長軸方向及び短軸方向に拡大するビームエキスパンダ14、線状ビームの長軸方向のエネルギー分布を均一化する長軸用ホモジナイザ20、及び線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化する短軸用ホモジナイザ25を備えている。
一構成例として示したビームエキスパンダ14は、凹球面レンズ15と凸球面レンズ16とからなり、凹球面レンズ15で入射するレーザ光1を長軸方向及び短軸方向に拡大し、所定の広がり角で拡大されたレーザ光1を凸球面レンズ16で平行光に戻す。
図1Aに示すように、長軸用ホモジナイザ20は、入射するレーザ光1を長軸方向に複数に分割する長軸用シリンドリカルレンズアレイ21と、長軸方向に複数に分割されたレーザ光1を長軸方向に重ね合わせる長軸用コンデンサレンズ22とからなる。
図1Bに示すように、短軸用ホモジナイザ25は、入射するレーザ光1を短軸方向に複数に分割する短軸用シリンドリカルレンズアレイ26と、短軸方向に複数に分割されたレーザ光1を短軸方向に重ね合わせる短軸用コンデンサレンズ27とを有する。この短軸用コンデンサレンズ27によって図中破線で示した結像面の位置で短軸方向の像(以下、「短軸像」という)が結像される。
図1Bに示すように、ビーム整形光学系13は、さらに、上記の結像面における短軸像を所定倍率で縮小して基板3上の非晶質半導体膜の表面に転写する像転写光学系28を有する。図1Bに示した構成例では、像転写光学系28は2つのシリンドリカルレンズ29,30から構成されている。
上記のように構成されたビーム整形光学系13により、固体レーザ光源12から出射されたレーザ光1が線状ビームに整形されて非晶質半導体膜に照射される。非晶質半導体膜に照射される線状ビームの長軸方向の長さは、例えば数10mm〜100mm程度とすることができ、短軸方向の長さは、例えば数10μm〜100μm程度とすることができる。
また、レーザ光1は、長軸用ホモジナイザ20により線状ビームの長軸方向のエネルギー分布が均一化され、短軸用ホモジナイザ25により線状ビームの短軸方向のエネルギー分布が均一化され、長軸方向、短軸方向ともにエネルギー分布がガウシアン形状からフラットトップ形状に変形される。
基板3は、基板ステージ5により保持され線状ビームの短軸方向に搬送される。基板ステージ5の移動により基板3上の非晶質半導体膜に対して線状ビームを短軸方向に相対的に走査することができる。
なお、上記とは逆に、基板3の位置を固定し、レーザ光1の照射位置を移動させることにより、上記のレーザ光1の走査を行うようにしてもよい。
図1Bに示すように、レーザアニール装置10は、さらに、短軸方向のエネルギー分布を均一化したレーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去する遮蔽機構32を備える。
上記の如く構成されたレーザアニール装置10は、固体レーザ光源12からレーザ光1を発振し、線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化し、エネルギー分布を均一化したレーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去する。
図2は、非晶質半導体膜に照射されるレーザ光1の短軸方向のエネルギー分布を示している。上述したように、短軸方向寸法を数10μm程度まで絞った場合、そのままではフラット部aの両側に傾斜が急峻な裾部b(破線部分)が発生するが、本発明では両裾部bを除去するので、図2の実線で示すように、短軸方向のエネルギー分布を理想的なフラットトップ形状とすることができる。
本発明のレーザアニール方法は、上記のレーザアニール装置10の動作方法を方法の発明として捉えたものである。すなわち、本発明のレーザアニール方法は、非晶質半導体膜の表面において線状ビームに集光したレーザ光1を非晶質半導体膜に対して線状ビームの短軸方向に相対的に移動させながら照射することにより非晶質半導体膜を多結晶化するレーザアニール方法であって、固体レーザ光源12からレーザ光1を発振し、線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化し、エネルギー分布を均一化したレーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部を除去する、ことを特徴とする。
上記のレーザアニール装置10及びレーザアニール方法によれば、レーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部bを除去するので、傾斜した裾部bのない理想的なフラットトップ形状を実現することができる。
したがって、結晶成長プロセスにおいて一方向成長が起こらないので、等方的で均一な結晶粒が得られる。また、非晶質半導体膜に照射される有効エネルギー領域を増大させることができるので、その分、基板3の搬送速度の高速化が可能となり、レーザアニールの処理能力が向上する。
図1Bに示すように、レーザ光1の光路の途中位置に短軸方向に係る結像面が設定されている場合は、その結像面に上記の遮蔽機構32を設置することにより、エネルギー分布の両裾部bを除去することができる。遮蔽機構32を結像面に設置することにより、切断部のエネルギー分布形状をぼかすことなく両裾部bを除去できる。ただし、結晶粒の等方性に関して品質上許容できる範囲内であれば、遮蔽機構32は結像面の光軸方向前後近傍の位置に設置されてもよい。「結像面の光軸方向前後近傍」の範囲は、例えば、結像面の光軸方向前後10mm以内が好ましく、同5mm以内がより好ましい。
なお、図1Bに示した構成例では短軸方向に係る結像面は1つのみ存在するが、短軸方向に係る結像面が光軸方向に複数存在する場合は、いずれかの結像面に遮蔽機構32が配置されればよい。
また、遮蔽機構32は、上記の結像面の位置に代えて、図3に示すように非晶質半導体膜の表面に近接して設置されてもよく、この場合でも短軸方向のエネルギー分布の両裾部bを除去することができる。この場合、切断部のエネルギー分布形状がボケないように、遮蔽機構32をできるだけ非晶質半導体膜の表面に近づけることが好ましい。具体的には、遮蔽機構32と非晶質半導体膜の表面の距離dは、数mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい。
図4Aは、上記の遮蔽機構32の第1構成例を示す正面図である。第1構成例の遮蔽機構32は、入射するレーザ光1のうち短軸方向のエネルギー分布の両裾部bに対応する部分を遮蔽する遮蔽板33からなる。図4Aに示した構成例では、2枚の遮蔽板33がレーザ光1を通過させる所定の隙間を挟んで配置され外枠34に固定されているが、一枚の遮蔽板33に上記の隙間に相当する長孔を形成してもよい。
このように遮蔽機構32が遮蔽板33から構成されるので、簡単な機械的構成によってエネルギー分布における傾斜した両裾部bを容易に除去することができる。
また、2枚の遮蔽板33で構成する場合は各遮蔽板33の先端(上記の隙間側の端部)を鋭利に形成するのが好ましく、一枚の遮蔽板33に長穴を形成する場合は穴を囲む内縁部を鋭利に形成するのが好ましい。この構成により、切断部のエネルギー分布形状をぼかすことなく両裾部bを除去できる。
図4Bは、遮蔽機構32の第2構成例を示す正面図である。第2構成例の遮蔽機構32は、レーザ光1が透過可能な光透過部材35と、光透過部材35に成膜され入射するレーザ光1のうち短軸方向のエネルギー分布の両裾部bに対応する部分を遮蔽するマスク36とからなる。上記の光透過部材35としては光学ガラスが好適である。マスク36はクロムやタングステンなどの金属膜であるのが好ましい。このような金属膜は、CVD法、スパッタ法、蒸着法などの成膜法及びフォトリソグラフィ等により光透過部材35の表面に形成することができる。
上記の第2構成例によれば、マスク36の形成にあたりフォトリソグラフィ等によってレーザ光1を通過させる隙間を精密に設定することができるので、短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部bを精度よく除去することができる。また、マスク36は膜状であり薄いので、切断部のエネルギー分布形状をぼかすことなく両裾部bを除去できる。
[第2実施形態]
図5A及び図5Bは、本発明の第2実施形態にかかるレーザアニール装置10の概略構成を示す図である。図5Aでは上下方向が線状ビームの長軸方向であり、図5Bでは上下方向が線状ビームの短軸方向である。
図5Aに示すように、第2実施形態における長軸用ホモジナイザ20は、入射するレーザ光1を長軸方向に複数に分割する光導波路38と、光導波路38の出射口の長軸像を所定の倍率で拡大して非晶質半導体膜の表面で長軸方向に重ね合わせる長軸用端面転写光学系40とからなる。光導波路38は長軸方向に間隔をおいて対向する反射面38a,38bを有する。光導波路38は、短軸用ホモジナイザ25の一構成要素でもある。また、光導波路38の入側には、レーザ光1を光導波路38に導く導入用レンズ39が配置されている。導入用レンズ39は、長軸方向と短軸方向とで共通である。
本実施形態の長軸用ホモジナイザ20によっても線状ビームの長軸方向のエネルギー分布を均一化することができる。
図5Bに示すように、第2実施形態における短軸用ホモジナイザ25は、入射するレーザ光1を短軸方向に複数に分割する光導波路38と、光導波路38の出射口の短軸像を所定の倍率で結像面に縮小投影する短軸用端面転写光学系43とからなる。本実施形態の短軸用ホモジナイザ25によっても線状ビームの短軸方向のエネルギー分布を均一化することができる。
本実施形態のレーザアニール装置10は、第1実施形態と同様に、短軸方向のエネルギー分布を均一化したレーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部bを除去する遮蔽機構32を備える。遮蔽機構32の配置位置及び構成は、第1実施形態と同様である。また、本実施形態のその他の部分の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態によっても、レーザ光1の一部を遮蔽して短軸方向のエネルギー分布における傾斜した両裾部bを除去するので、傾斜した裾部bのない理想的なフラットトップ形状を実現することができる。
したがって、結晶成長プロセスにおいて一方向成長が起こらないので、等方的で均一な結晶粒が得られる。また、非晶質半導体膜に照射される有効エネルギー領域を増大させることができるので、その分、基板3の搬送速度の高速化が可能となり、レーザアニールの処理能力が向上する。
なお、長軸用ホモジナイザ20と短軸用ホモジナイザ25は、上述した第1実施形態及び第2実施形態において説明したものに限られず、その他周知の光学系を用いてエネルギー分布を均一化する手段であってもよい。例えば、長軸用ホモジナイザ20及び/又は短軸用ホモジナイザ25は、回折光学素子を含む光学系であってもよい。回折光学素子についての詳細な説明は省略するが、例えば、特開2005−217209号公報などに開示されている。回折光学素子は、石英などの基板にフォトエッチング工程などにより微細な段差を形成し、それぞれの段差部分を透過するレーザ光が形成する回折パターンを結像面(基板表面)で所望のエネルギー分布が得られるように作製する。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の第1実施形態に係るレーザアニール装置の全体概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るレーザアニール装置の全体概略構成を示す別の図である。 本発明の作用効果を説明する図である。 本発明における遮蔽機構の設置位置を説明する図である。 上記遮蔽機構の第1構成例を示す図である。 上記遮蔽機構の第2構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザアニール装置の全体概略構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザアニール装置の全体概略構成を示す別の図である。 先行出願(特願2006−148337)に係るレーザアニール方法を説明する図である。 先行出願に係るレーザアニール方法の問題点を説明する図である。
符号の説明
1 レーザ光
3 基板
5 基板ステージ
10 レーザアニール装置
12 固体レーザ光源
13 ビーム整形光学系
14 ビームエキスパンダ
15 凹球面レンズ
16 凸球面レンズ
20 長軸用ホモジナイザ
21 長軸用シリンドリカルレンズアレイ
22 長軸用コンデンサレンズ
25 短軸用ホモジナイザ
26 短軸用シリンドリカルレンズアレイ
27 短軸用コンデンサレンズ
28 像転写光学系
29,30,41,42,45,46 シリンドリカルレンズ
32 遮蔽機構
33 遮蔽板
34 外枠
35 光透過部材
36 マスク
38 光導波路
39 導入用レンズ
40 長軸用端面転写光学系
43 短軸用端面転写光学系

Claims (3)

  1. 線状ビームを半導体膜に照射する半導体装置の作製方法であって、
    前記線状ビームの短軸方向において、
    レーザ光源から出射された光を第1の凹球面レンズに入射して拡大し、
    前記第1の凹球面レンズから出射された光を第1の凸球面レンズに入射して平行光にし、
    前記第1の凸球面レンズから出射された光をシリンドリカルレンズアレイに入射して光のエネルギー密度を均一にし、
    前記シリンドリカルレンズアレイから出射された光を第1の凸シリンドリカルレンズに入射して集光し、
    前記第1の凸シリンドリカルレンズで集光された光の結像面で遮蔽機構により光の両裾部を遮蔽し、
    前記遮蔽機構により両裾部が遮蔽された光を第2の凸シリンドリカルレンズに入射して、平行光にし、
    前記第2の凸シリンドリカルレンズから出射された光を第3の凸シリンドリカルレンズにより光を集光し、前記半導体膜をアニールすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項において、
    前記レーザ光源は、Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:ガラスレーザ、Yb:YAGレーザ、Yb:YLFレーザ、Yb:YVO4レーザまたはYb:ガラスレーザであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項またはにおいて、
    前記半導体膜は非晶質半導体膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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