JP5287972B2 - エレベーターの乗場アナウンス装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベーターの乗場アナウンス装置に関するものである。
従来におけるエレベーターの乗場アナウンス装置においては、複数階床にサービスする複数のエレベーターを有し、発生した乗場呼びに応答するエレベーターの割当てを行う群管理エレベーターにおいて、案内表示装置により割当てられたエレベーターを乗場に案内表示するとともに、各階の乗場に音声案内装置を設け、割当てられたエレベーターの識別方法(すなわち、前記案内表示装置による割当てエレベーターの表示方法であり、例えば、前記案内表示装置を案内表示灯とし、この案内表示灯の点灯色を上昇用割当てと下降用割当てとで異なる色とした場合に、このエレベーター運転方向と点灯色との対応関係についての案内)を案内放送(アナウンス)するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来において、エレベーターの運転形態(例えば通常運転や特定階の優先呼びであるVIP運転等)の切替わりや、強制通過等の案内をアナウンスによって乗場待ち客にも知らせるエレベーターの乗場アナウンス装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。これは、走行制御部がある運転形態に切替えて(例えば通常運転からVIP運転へと切替えて)エレベーターを運転する場合に、アナウンスモード判定指令部がその切替えられた運転形態に対応するアナウンスモードを選択して出力し、これを受けた音声合成部が対応するアナウンスメッセージを合成し、同時にスピーカ切替部が前記アナウンスモード判定指令部からのアナウンスモードに対応して出力するスピーカをその設置場所に応じて選択して切替えて前記音声合成部が合成したアナウンスメッセージを出力するものである。こうして、エレベーターの運転形態の切替えに応じて、案内を必要する特定階の乗場等を選択してそこにいる利用者に対してアナウンスが行われる。
日本特開昭62−269869号公報 日本特開平07−315706号公報
一般にエレベーターにおいては、ある一定規模より大きい地震が発生すると、安全確認等のため運転が休止される。また、その後の確認運転等により、エレベーターの運転に支障がないことが確認されると、そのエレベーターは自動的に運転が復帰されるものが多い。ここで、複数台のエレベーターをグループとして管理して利用者の利用状況に応じて効率的に運動制御する群管理エレベーターにおいては、利用者に対してサービス提供が不可能になるのは当該グループに属する全てのエレベーターが休止した場合である一方、当該グループに属するエレベーターのうち少なくとも1台が休止せずに運転可能又は運転復帰した状態であれば利用者に対してサービス提供が可能であるという特殊な事情がある。
しかしながら、前記した特許文献に示された従来におけるエレベーターの乗場アナウンス装置のいずれにおいても、群管理エレベーターにおいて地震等が発生して運転休止状態となった場合については考慮されていないため、前述した群管理エレベーター特有の事情や乗場呼び待ちをしている利用者の位置等を考慮した適切な運転休止アナウンスをすることができないという課題がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、群管理エレベーターにおいて、地震発生時等にエレベーターを運転休止とした場合に、乗場の利用者に対して適切なアナウンスをすることができるエレベーターの乗場アナウンス装置を得るものである。
この発明に係るエレベーターの乗場アナウンス装置に関しては、複数台のエレベーターをグループとして管理を行い、前記複数台のエレベーターを複数の階床に配車する群管理エレベーターにおいて、前記複数台のエレベーターのそれぞれの各階床の乗場に設けられ、前記乗場にいる利用者に対して音声案内を行う音声案内用スピーカと、一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、前記一のグループに属するエレベーターの前記乗場に設けられた前記音声案内スピーカに、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせる群管理装置と、前記一のグループに属する複数台のエレベーターの中から、音声案内を行う1つのエレベーターの号機を順次選択して音声案内対象号機として決定する音声案内号機決定手段と、を備え、前記群管理装置は、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、前記音声案内対象号機の前記乗場に設けられた前記音声案内スピーカに、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせる構成とする。
この発明に係るエレベーターの乗場アナウンス装置においては、地震発生時等にエレベーターを運転休止とした場合に、乗場の利用者に対して適切なアナウンスをすることができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1及び実施の形態2に係るエレベーターの乗場アナウンス装置の全体構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベーターの乗場アナウンス装置の動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベーターの乗場アナウンス装置の動作を示すフロー図である。
符号の説明
1a 1号機乗りかご
1b 2号機乗りかご
2a 1号機釣合い重り
2b 2号機釣合い重り
3a 1号機主索
3b 2号機主索
4a 1号機巻上機
4b 2号機巻上機
5a 1号機乗場
5b 2号機乗場
6a 1号機音声案内用スピーカ
6b 2号機音声案内用スピーカ
7a 1号機の号機制御盤
7b 2号機の号機制御盤
8 乗場呼びボタン
9 群管理装置
10 乗場呼びボタン操作階検出手段
11 音声案内階決定手段
12 音声案内号機決定手段
13 休止案内強制選択手段
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベーターの乗場アナウンス装置の全体構成を示す説明図、図2はエレベーターの乗場アナウンス装置の動作を示すフロー図である。なお、ここでは、群管理エレベーターにおけるある1つのグループ(以下「当該グループ」という)に属する複数台のエレベーターの台数を、説明の便宜上2台であるとし、各エレベーターの号機をそれぞれ1号機、2号機と呼ぶことにする。
図において1aは1号機エレベーターの昇降路(図示せず)内に昇降自在に配置された1号機乗りかごであり、この1号機昇降路内には1号機釣合い重り2aも昇降自在に配置されている。そして、この1号機乗りかご1aの上端部には1号機主索3aの一端部が接続されており、この1号機主索3aは、1号機昇降路の上方に設けられた図示しない機械室内に設置された、当該エレベーターの運転を駆動する1号機巻上機4aの駆動シーブに巻き掛けられた上で、その他端部が前記1号機釣合い重り2aの上端部に接続されている。
こうして、前記1号機乗りかご1a及び前記1号機釣合い重り2aは前記1号機主索3aにより接続されて、つるべ状に吊持されている。
また、前記1号機乗りかご1aが停止する各階床に設けられた1号機乗場5aのそれぞれには、この乗場にいる利用者に対して必要なアナウンスを報知するための1号機音声案内用スピーカ6aが設置されている。
この1号機エレベーターの運転全般は、1号機の号機制御盤7aにより後述する群管理装置9からの情報に基づいて制御されている。
前記1号機巻上機4aはこの1号機の号機制御盤7aに接続されており、前記1号機巻上機4aによる前記1号機乗りかご1aの走行の駆動は、前記1号機の号機制御盤7aの制御の下で行われる。また、各階の前記1号機乗場5aに設けられた前記1号機音声案内用スピーカ6aも前記1号機の号機制御盤7aに接続されており、群管理装置9から情報に基づいて発せられる前記1号機の号機制御盤7aからの指令に従って、前記1号機音声案内用スピーカ6aによるアナウンスが行われる。
当該グループに属する2号機エレベーターについても、その構成は前述した1号機エレベーターの構成と同様である。
すなわち、2号機乗りかご1b及び2号機釣合い重り2bは2号機主索3bにより接続されて、2号機昇降路内につるべ状かつ昇降自在に吊持されており、この2号機主索3bは前記2号機昇降路上方に設けられた図示しない機械室内に設置された2号機巻上機4bの駆動シーブに巻き掛けられている。
そして、各階の2号機乗場5bには2号機音声案内用スピーカ6bが設置されており、この2号機音声案内用スピーカ6bは、群管理装置9からの情報に基づいて2号機エレベーターの運転全般の制御を行う2号機の号機制御盤7bからの指令に従ってアナウンスを行う。また、前記2号機巻上機4bは、前記2号機の号機制御盤7bの制御の下で、前記2号機乗りかご1bの走行を駆動する。
当該グループに属するいずれかのエレベーター号機の各階の乗場には、この当該グループに対する乗場呼び登録を行うための乗場呼びボタン8が設置されている。つまり、これらの乗場呼びボタン8は当該グループに属するエレベーター号機において共用されており、これらの乗場呼びボタン8が設置される号機は、当該グループに属する号機であればいずれでもよく、ここでは1号機の各階乗場に設置したとする。
すなわち、各階の前記1号機乗場5aには、利用者が押下することにより当該グループに対する乗場呼び登録を行うための乗場呼びボタン8が設置されている。そして、これらの乗場呼びボタン8は前記1号機の号機制御盤7aに接続されており、利用者によりこれらの乗場呼びボタン8が操作されると、その操作に関する情報が前記1号機の号機制御盤7aへと送信される。
なお、前記乗場呼びボタン8は、上端階及び下端階を除き、上方向乗場呼びを登録するための上方向ボタン及び下方向乗場呼びを登録するための下方向ボタンからなり、上端階または下端階においてはこれらのいずれか一方のみからなる。
当該グループにおける呼び登録に応答するエレベーターの割当て管理等の群管理は、群管理装置9により行われる。この群管理装置9は、当該グループに属する前記1号機の号機制御盤7a及び前記2号機の号機制御盤7bと接続されており、これらの前記1号機の号機制御盤7a及び前記2号機の号機制御盤7bを通じてエレベーターの運転状況や前記乗場呼びボタン8といった操作盤の操作状況等に関する情報を取得し、これらの情報を元にして割当て号機の決定やこの決定に基づく各号機制御盤に対する運転指令の出力等を行う。
そして、前記1号機の号機制御盤7a及び前記2号機の号機制御盤7bの各号機制御盤は、前記群管理装置9からの運転指令に基づいて、それぞれの号機のエレベーターの運転制御を行う。
また、前記群管理装置9は、当該グループにおいて設けられた図示しない地震感知器により所定規模以上の地震発生が感知されて当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、乗場の利用者に対してその旨をアナウンスすべく制御を行う。
このアナウンスを行うために、前記群管理装置9内部には、乗場呼びボタン操作階検出手段10が設けられている。この乗場呼びボタン操作階検出手段10は、1号機の各階乗場に設けられた前記乗場呼びボタン8の操作状況について前記1号機の号機制御盤7aを介して監視しており、前記乗場呼びボタン8が利用者により操作されたこと及び当該操作のなされた前記乗場呼びボタン8が設置されている階床がどの階床であるかの検出を行う。
この検出結果は、同じく前記群管理装置9内部に設けられた音声案内階決定手段11へと出力される。
前記音声案内階決定手段11は、前記乗場呼びボタン操作階検出手段10から出力された情報に基づいて、利用者により操作された前記乗場呼びボタン8が設置されている階床を、エレベーターが休止した旨の音声案内を行う対象となる階床として設定するものである。
そして、前記群管理装置9内部に設けられた音声案内号機決定手段12は、エレベーターが休止した旨の音声案内を行う対象となる号機を、所定の規則に基づいて決定するものである。
ここで、この所定の規則とは、当該グループに属するエレベーターがNを自然数としてN台、すなわち、1号機、2号機から順にN号機まである場合に、音声案内対象号機をこの号機の順に1台ずつ順番に替えていくというものである。
ここでは具体的に例えば、前回、今回操作された階床と同じ階床の前記乗場呼びボタン8が操作された時に、音声案内を行った号機が1号機である場合には今回の音声案内対象号機を次の2号機とし、前回、今回操作された階床と同じ階床の前記乗場呼びボタン8が操作された時に、音声案内を行った号機が2号機である場合には今回の音声案内対象号機を次の3号機とする。そして、このようにして(N−1)号機の次はN号機となり、N号機まできた場合には次の音声案内対象号機は最初の1号機へと戻るように構成する。
なお、ここでは当該グループに属するエレベーターの台数は2台(すなわちN=2)としているため、1号機の次は2号機であり、2号機の次は1号機と交互に音声案内の対象号機となる。
前記音声案内号機決定手段12は、前回にエレベーターが休止した旨の音声案内を実施した号機を記憶しておき、この記憶した号機に基づいて次の号機を今回音声案内の実施をする号機として決定し、音声案内実施後にこの実施した号機を次回の音声案内対象号機決定のために記憶しておく。
なお、図1中の休止案内強制選択手段13は、後述する実施の形態2において必要なものであり、ここで説明している実施の形態1においては設ける必要のないものである。
この実施の形態にあっては、乗場アナウンス装置は図2に示す一連のフローに従って動作する。
まず、前記地震感知器により所定規模以上の地震発生が感知されると、当該グループに属する全てのエレベーターに対して地震感知器信号が入力され(ステップS1)、この地震感知信号の入力を受けた当該グループに属する全てのエレベーターは、地震時管制運転へと移行して運転休止となり、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止となるとステップS3へと移行する(ステップS2)。
なお、ここで、このステップS2は、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止となったことを検出する運転休止検出手段を構成している。
そして、ステップS3において、前記群管理装置9の前記乗場呼びボタン操作階検出手段10は、各階の前記乗場呼びボタン8のいずれかが利用者により操作されたか否かについて確認を行う。この確認において、利用者によりいずれかの前記乗場呼びボタン8が操作されたことが確認された場合には、前記乗場呼びボタン操作階検出手段10は、利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床に関する情報を前記音声案内階決定手段11へと出力して次のステップS4へと移行する。
一方、利用者によりいずれかの前記乗場呼びボタン8が操作されたことが確認されない場合には、利用者による前記乗場呼びボタン8の操作が検出されるまで、このステップS3の確認が繰り返される。
ステップS4においては、前記乗場呼びボタン操作階検出手段10から出力された、利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床に関する情報に基づいて、前記群管理装置9の前記音声案内階決定手段11が、この利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床を、音声案内を行う階床として決定する。
そして、続くステップS5において、前記音声案内号機決定手段12は自身に記憶されている情報に基づいて、前回に休止の旨の音声案内が行われたエレベーター号機が1号機であるか否かについて確認を行う。
この確認において、前回音声案内が行われたエレベーター号機が1号機であることが確認された場合にはステップS6へと移り、前記音声案内号機決定手段12は、2号機を音声案内対象号機に決定して、前記2号機の号機制御盤7bへとエレベーターが休止している旨の音声案内を行うように休止案内指令を出力する。
そして、この休止案内指令を受けた前記2号機の号機制御盤7bは、ステップS4において前記音声案内階決定手段11により決定した音声案内を行う対象の階床に設置された前記2号機音声案内用スピーカ6bに対して、当該グループに属する全てのエレベーターが地震発生により運転休止である旨をアナウンスするように指令を出す。
一方、ステップS5の確認において、前回音声案内が行われたエレベーター号機が1号機でないことが確認された場合、すなわち、前回音声案内が行われたエレベーター号機が2号機であることが確認された場合にはステップS7へと移り、前記音声案内号機決定手段12は、1号機を音声案内対象号機に決定して、前記1号機の号機制御盤7aへとエレベーターが休止している旨の音声案内を行うように休止案内指令を出力する。
そして、この休止案内指令を受けた前記1号機の号機制御盤7aは、ステップS4において前記音声案内階決定手段11により決定した音声案内を行う対象の階床に設置された前記1号機音声案内用スピーカ6aに対して、当該グループに属する全てのエレベーターが地震発生により運転休止である旨をアナウンスするように指令を出す。
以上のように構成されたエレベーターの乗場アナウンス装置においては、運転休止検出手段により一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となったことを検出し、この検出がなされた場合に、この一のグループに属するエレベーターの乗場に設けられた音声案内スピーカに、この一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることで、群管理エレベーターにおいて地震発生時等にエレベーターを運転休止とした場合に、乗場の利用者に対して適切なアナウンスをすることができる。
また、乗場呼びボタンが操作されたこと及び当該操作のなされた乗場呼びボタンが設けられた階床を乗場呼びボタン操作階検出手段により検出し、この乗場呼びボタン操作階検出手段により検出された当該操作のなされた乗場呼びボタンが設けられた階床を、音声案内階決定手段が音声案内対象階床として決定し、一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に乗場ボタン操作階検出手段により乗場呼びボタンが操作されたことが検出されると、この一のグループに属するエレベーターの音声案内対象階床の乗場に設けられた音声案内スピーカに、この一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることで、乗場の利用者が運転休止されたグループのエレベーターを利用しようとしているという適切なタイミングにおいて、当該利用者のいる階床の乗場のみに向けて運転休止アナウンスをすることができる。
そして、群管理エレベーターにおいては、一のグループに対する乗場呼びボタンが共用されていることが多いため、乗場呼びボタンを操作した利用者がどの号機を利用しようとしているのか不明であるところ、音声案内号機決定手段によってこの一のグループに属する複数台のエレベーターの中から音声案内を行う1つのエレベーターの号機を順次選択して音声案内対象号機として決定し、この一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、音声案内対象号機の乗場に設けられた音声案内スピーカに、この一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることにより、乗場の利用者に対して確実に運転休止アナウンスをすることができる。
実施の形態2.
図1及び図3は、この発明の実施の形態2に係るもので、図1はエレベーターの乗場アナウンス装置の全体構成を示す説明図、図3はエレベーターの乗場アナウンス装置の動作を示すフロー図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成に加えて、地震発生時の地震時管制運転のように当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止する場合のみならず、例えば、保守作業において当該乗場アナウンス装置の動作確認を行う時等のために、予め定めた休止案内強制選択条件、例えば保守作業員等により所定の操作が行われる、が成立した場合に強制的に当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを行うようにしたものである。
すなわち、前記群管理装置9の内部には、所定の休止案内強制選択条件が成立したか否かについて判断を行い、前記休止案内強制選択条件が成立した場合には、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを強制的に行わせる休止案内強制選択手段13が設けられており、他の構成は実施の形態1と同様である。
ここで、前記休止案内強制選択条件について、例えば、保守作業時について説明する。
定期点検等において当該乗場アナウンス装置の保守作業を実施する場合、保守作業後に当該乗場アナウンス装置が正常に動作するかの確認が必要となることがある。このような場合には、実施の形態1で説明したような地震時管制運転により当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止しているという状況ではないが、当該乗場アナウンス装置により適切に乗場アナウンスが行われるか確認するため、実際に動作させてみることが必要である。
そこで、当該グループに属するエレベーターが運転休止状態であるか否かに係わらず、強制的に当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを行わせるための条件が前記休止案内強制選択条件であり、ここでは、例えば、保守作業員等により当該グループに属するエレベーターに対して所定の操作が行われた場合とする。そして、さらにここで、この所定の操作として例えば1階に設置された前記乗場呼びボタン8の前記上方向ボタン及び前記下方向ボタンの両方を同時に所定時間長押しするという操作とする(なお、前記建物には当該エレベーターが停止する地下階があるとしている)。
前記休止案内強制選択手段13は、前記所定の操作がなされた場合に、前記休止案内強制選択条件が成立したと判断し、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを強制的に行わせる。
なお、前記休止案内強制選択条件は、より複雑な条件、例えば、再び保守作業時を採り上げると、保守作業時においては対象エレベーターは通常運転モードとは異なる保守作業時専用の保守作業モードとされることが一般に多いという事情を考慮して、当該エレベーターが保守作業モードかつ前記所定の操作がなされた場合、とすることも可能である。
この実施の形態にあっては、乗場アナウンス装置は図3に示す一連のフローに従って動作する。
まず、ステップS11において、前記群管理装置9の前記休止案内強制選択手段13は、前記休止案内強制選択条件が成立したか否かについて確認を行う。すなわち、具体的には、保守作業員等により当該グループに属するエレベーターに対して所定の操作、つまり、1階に設置された前記乗場呼びボタン8の上方向ボタン及び下方向ボタンの両方を同時に所定時間長押しするという操作がなされたか否かについて確認を行う。
このステップS11の確認において、前記休止案内強制選択条件が成立したことが確認された場合には、動作はステップS12へと移行する。
一方、前記休止案内強制選択条件が成立したことが確認されない場合には、前記休止案内強制選択条件が成立したことが確認されるまで、ステップS11の確認が繰り返される。
ステップS12においては、前記群管理装置9の前記乗場呼びボタン操作階検出手段10は、各階の前記乗場呼びボタン8のいずれかが利用者により操作されたか否かについて確認を行う。この確認において、利用者によりいずれかの前記乗場呼びボタン8が操作されたことが確認された場合には、前記乗場呼びボタン操作階検出手段10は、利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床に関する情報を前記音声案内階決定手段11へと出力して次のステップS13へと移行する。
一方、利用者によりいずれかの前記乗場呼びボタン8が操作されたことが確認されない場合には、利用者による前記乗場呼びボタン8の操作が検出されるまで、このステップS12の確認が繰り返される。
ステップS13においては、前記乗場呼びボタン操作階検出手段10から出力された、利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床に関する情報に基づいて、前記群管理装置9の前記音声案内階決定手段11が、この利用者により操作された前記乗場呼びボタン8がある階床を、音声案内を行う階床として決定する。
そして、続くステップS14において、前記音声案内号機決定手段12は自身に記憶されている情報に基づいて、前回に休止の旨の音声案内が行われたエレベーター号機が1号機であるか否かについて確認を行う。
この確認において、前回音声案内が行われたエレベーター号機が1号機であることが確認された場合にはステップS15へと移り、前記音声案内号機決定手段12は、2号機を音声案内対象号機に決定して、前記2号機の号機制御盤7bへとエレベーターが休止している旨の音声案内を行うように休止案内指令を出力する。
そして、この休止案内指令を受けた前記2号機の号機制御盤7bは、ステップS13において前記音声案内階決定手段11により決定した音声案内を行う対象の階床に設置された前記2号機音声案内用スピーカ6bに対して、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止である旨をアナウンスするように指令を出す。
一方、ステップS14の確認において、前回音声案内が行われたエレベーター号機が1号機でないことが確認された場合、すなわち、前回音声案内が行われたエレベーター号機が2号機であることが確認された場合にはステップS16へと移り、前記音声案内号機決定手段12は、1号機を音声案内対象号機に決定して、前記1号機の号機制御盤7aへとエレベーターが休止している旨の音声案内を行うように休止案内指令を出力する。
そして、この休止案内指令を受けた前記1号機の号機制御盤7aは、ステップS13において前記音声案内階決定手段11により決定した音声案内を行う対象の階床に設置された前記1号機音声案内用スピーカ6aに対して、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止である旨をアナウンスするように指令を出す。
なお、以上は、保守作業時における動作確認等のため音声案内を強制選択する場合の例について述べたが、他の例として、火災発生時において、火災発生が火災報知機等により検出された後、当該エレベーターの管理者等が所定の操作を行った場合に、強制的に当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを行うようにすることも考えられる。
すなわち、当該グループに属するエレベーターが据付けられた建物の各階には、火災発生を検出する図示しない火災報知機や煙感知器等の火災検出手段が設置されており、これらの火災検知器手段により火災発生が検出された場合には、当該グループに属するエレベーターはいわゆる火災時管制運転に切替わる。また、前記火災検出手段による火災発生検出情報は、当該建物内の図示しない防災センターにも報知されるように構成されている。
そして、この火災時管制運転においては、当該グループに属するエレベーターは、火災発生が検出されておらず安全に避難、救出が可能である救出階とその他の階との間の往復運転が行われる。
当該グループに属する全てのエレベーター号機において、前記救出階における救出が完了すると、管理者や責任者等により当該グループに属するエレベーターに対して所定の操作が行われる。ここでは、この所定の操作として例えば1階に設置された前記乗場呼びボタン8の上方向ボタン及び下方向ボタンの両方を同時に所定時間長押しするという操作とする。
この場合においては、前記休止案内強制選択手段13は、火災発生検出後に前記所定の操作がなされた場合に、前記休止案内強制選択条件が成立したと判断し、当該グループに属する全てのエレベーターが運転休止した旨のアナウンスを強制的に行わせる。
従って、この場合、図3のフロー図におけるステップS11は、具体的には、前記火災検出手段により火災発生が検出され、当該グループに属する全てのエレベーター号機について前記救出階における救出作業が完了し、管理者や責任者等により当該グループに属するエレベーターに対して所定の操作、つまり、1階に設置された前記乗場呼びボタン8の上方向ボタン及び下方向ボタンの両方を同時に所定時間長押しするという操作がなされたか否かについて確認を行うこととなる。他の動作ステップについては、前述の保守作業時の場合と同様である。
以上のように構成されたエレベーターの乗場アナウンス装置においては、実施の形態1と同様の効果を奏することができるのに加えて、一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となっていない場合であっても、休止案内強制選択手段により予め定めた休止案内強制選択条件が成立したことが検出されると、この一のグループに属するエレベーターの乗場に設けられた音声案内スピーカに、この一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることで、例えば、保守作業時等に当該乗場アナウンス装置が正常に動作するかの確認が必要となった場合において、当該一のグループに属するエレベーターが運転休止状態であるか否かに係わらず当該乗場アナウンス装置を動作させることができるため便宜である。
また、他の例として、火災発生時において救出が完了した後等、利用者にエレベーターを使用させたくない状況下において、乗場の利用者に対して適切な音声案内を行うことが可能である。
この発明は、エレベーターが運転休止した場合に乗場の利用者に対してその旨のアナウンスを行うエレベーターの乗場アナウンス装置に利用できる。

Claims (2)

  1. 複数台のエレベーターをグループとして管理を行い、前記複数台のエレベーターを複数の階床に配車する群管理エレベーターにおいて、
    前記複数台のエレベーターのそれぞれの各階床の乗場に設けられ、前記乗場にいる利用者に対して音声案内を行う音声案内用スピーカと、
    一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、前記一のグループに属するエレベーターの前記乗場に設けられた前記音声案内スピーカに、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせる群管理装置と、
    前記一のグループに属する複数台のエレベーターの中から、音声案内を行う1つのエレベーターの号機を順次選択して音声案内対象号機として決定する音声案内号機決定手段と、を備え、
    前記群管理装置は、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、前記音声案内対象号機の前記乗場に設けられた前記音声案内スピーカに、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることを特徴とするエレベーターの乗場アナウンス装置。
  2. 前記一のグループに属する複数台のエレベーターのうち少なくとも1つのエレベーターの各階床の前記乗場に設けられ、前記一のグループに対して乗場呼びを登録するための乗場呼びボタンと、
    前記乗場呼びボタンが操作されたこと及び当該操作のなされた前記乗場呼びボタンが設けられた階床を検出する乗場呼びボタン操作階検出手段と、
    前記乗場呼びボタン操作階検出手段により検出された当該操作のなされた前記乗場呼びボタンが設けられた階床を、音声案内対象階床として決定する音声案内階決定手段と、を備え、
    前記群管理装置は、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった場合に、前記乗場ボタン操作階検出手段により前記乗場呼びボタンが操作されたことが検出されると、前記一のグループに属するエレベーターの前記音声案内対象階床の前記乗場に設けられた前記音声案内スピーカに、前記一のグループに属する全てのエレベーターが運転休止となった旨の音声案内を行わせることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの乗場アナウンス装置。
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