JP5286247B2 - インクジェット記録用処理液、該処理液を用いるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
本発明に係るインクジェット記録用オーバーコート液(処理液)は、先に記録媒体に付着したインクの表面を樹脂被膜で被覆するためのものであり、基本的構成として、ガラス転移温度が40℃以上かつ70℃以下のアクリル樹脂(高Tg樹脂)のエマルションと、ガラス転移温度が−20℃以上かつ30℃以下のアクリル樹脂(低Tg樹脂)のエマルションとを含有する。また、薄片状の無機フィラーが添加されている。その場合に、これらの2つのアクリル樹脂のガラス転移温度の差は、20℃以上かつ70℃以下に設定されている。また、前記エマルションに含まれる前記アクリル樹脂のオーバーコート液全体における含有率は、5〜10質量%であることが好ましい。前記薄片状無機フィラーのオーバーコート液全体における含有率は、2〜35質量%であることが好ましい。
本発明で使用可能なインクは、従来より、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置に使用されているインクジェット記録用インクを特に制限なく用いることができる。そのようなインクは、少なくとも水及び着色剤を含む。その他、必要に応じて、着色剤である顔料を分散させるための高分子分散剤、湿潤剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
次に、本発明のオーバーコート液を用いて本発明のインクジェット記録方法を実行するのに好適なインクジェット記録装置の具体的構成の1例を説明する。
・加圧室52の面積:0.2mm2
・加圧室52の幅:200μm
・加圧室52の深さ:100μm
・ノズル53の長さ:30μm
・ノズル53の下側開口53aの半径:10μm
・ノズル流路54の直径:200μm
・ノズル流路54の長さ:800μm
・絞り通路55の直径:30μm
・絞り通路55の長さ:40μm
以上のような構成のインクジェット記録装置1を用い、ヒータ付き給紙カセット9に記録媒体Xを収容し、記録ヘッド5にインクを収容し、吐出用ヘッド6に本発明のオーバーコート液を収容することにより、記録媒体Xを印字前に予め加温しておき、加温した記録媒体Xを搬送ベルト7によって搬送しつつ、該記録媒体Xの記録面に、インクを記録ヘッド5から吐出して付着させ、その後、該記録媒体Xの記録面に、インクを2種類のアクリル樹脂と薄片状の無機フィラーとを含有する被膜で被覆するためのオーバーコート液を吐出用ヘッド6から吐出して付着させるインクジェット記録方法を実行することができる。
表1に示す配合(質量%)で、実施例1〜8及び比較例1〜4のオーバーコート液(処理液)を調製した。すなわち、イオン交換水に、原料を添加し、セントラル科学貿易社製のプロペラ式撹拌機「ポリミックススターラーPX−SR90E」を用いて、500rpmの回転数で、30分間、常温で十分に撹拌し、混合した後、孔径5μmのフィルターで加圧濾過して微小粒子を除去することにより、インクジェット記録用オーバーコート液(処理液)を得た。
・高Tg樹脂エマルション:BASFジャパン社製のアクリルエマルション「ジョンクリルJDX−6500」
・低Tg樹脂エマルション:BASFジャパン社製のアクリルエマルション「ジョンクリルPDX−6102B」
・薄片状マイカ:山口雲母工業所社製の工業用乾式粉砕雲母粉「SJシリーズ」の「SJ−005」
・薄片状タルク:日本タルク社製の「MICRO ACE(登録商標)シリーズ」の「SG−95」
・粒状カオリン:竹原化学工業社製の「カオリンクレー」
・レベリング剤:エアプロダクツ社製の「サーフィノール465」
・ポリエチレンワックス:三井化学社製の「ケミパール」
・消泡剤:サンノプコ社製のポリエーテル変性シリコンエマルション「デフォーマー1312」
セイコーエプソン社製の「フォトブラックICBK39A」を準備した。
図1及び図2に示した構造のインクジェット記録装置1(京セラミタ社製の実験機)の記録ヘッド5に前記インクを収容し、オーバーコート液吐出用ヘッド6に前記オーバーコート液を収容した。各ヘッド5,6のノズル下面から出ている余剰液をワイプブレードで掻き取った。各ヘッド5,6のノズル面と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が1mmになるように各ヘッド5,6の位置を調整して各ヘッド5,6を固定した。記録媒体XとしてA4サイズのPPC用紙(富士ゼロックス社製の「V938」)を用い、ヒータ付き給紙カセット9に積層状態で収容した。ヒータの加温温度を80℃に設定し、記録媒体Xをカセット9に収容してから6時間経過した後、該記録媒体Xに対して、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下、30mm×30mmの領域に、インクを記録ヘッド5から最大濃度で均一に付着させ、その後、同領域に、オーバーコート液を吐出用ヘッド6から記録媒体1cm2当たり0.8mgの量で均一に付着させて、10枚連続印刷した。印刷速度は、駆動周波数26.7kHz(200枚/分)の超高速印刷モードで行った。
インク及び/又はオーバーコート液が排出ローラ8の表面に付着していないかどうか、及び記録媒体Xの非印字部にインクが付着していないかどうかを、目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、表1において、参考例1は、オーバーコート液を使用せず、かつ用紙の予備加温を実行したもの、参考例2は、オーバーコート液を使用せず、かつ用紙の予備加温を実行しなかったものである。
○:排出ローラ8の表面にも、記録媒体Xの非印字部にも、インク及び/又はオーバーコート液の汚れがない。
△:排出ローラ8の表面にはインク及び/又はオーバーコート液の汚れがあるが、記録媒体Xの非印字部にはインク及び/又はオーバーコート液の汚れがない。
×:排出ローラ8の表面にも、記録媒体Xの非印字部にも、インク及び/又はオーバーコート液の汚れがある。
堀場製作所社製の光沢計「グロスチェッカIG−320」を用い、記録媒体Xの印字部(インクを付着させた記録媒体の部分)の光沢度と非印字部の光沢度とを測定し、その差を求めて、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:光沢度の差が10以上である。
△:光沢度の差が10未満かつ5以上である。
×:光沢度の差が5未満である。
5 ライン型インクジェット記録ヘッド(インク付着手段)
6 オーバーコート液吐出用ヘッド(処理液付着手段)
7 搬送ベルト
8 排出ローラ
9 ヒータ付き給紙カセット(加温手段)
X 記録媒体
Claims (7)
- 記録媒体にインクを付着させた後、該インクを樹脂被膜で被覆するための処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方法に用いる処理液であって、ガラス転移温度が40〜70℃のアクリル樹脂のエマルションと、ガラス転移温度が−20〜30℃のアクリル樹脂のエマルションと、薄片状の無機フィラーとを含有するインクジェット記録用処理液。
- 前記エマルションに含まれる前記アクリル樹脂の処理液全体における総含有量が5〜10質量%である請求項1に記載のインクジェット記録用処理液。
- 前記2つのアクリル樹脂のガラス転移温度の差が20〜70℃である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用処理液。
- 前記無機フィラーの処理液全体における総含有量が2〜35質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用処理液。
- 記録媒体にインクを付着させた後、該インクを樹脂被膜で被覆するための処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方法であって、記録媒体を印字前に予め加温すると共に、ガラス転移温度が40〜70℃のアクリル樹脂のエマルションと、ガラス転移温度が−20〜30℃のアクリル樹脂のエマルションと、薄片状の無機フィラーとを含有する処理液を用いるインクジェット記録方法。
- 記録媒体にインクを付着させた後、該インクを樹脂被膜で被覆するための処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録装置であって、記録媒体の搬送経路上に、記録媒体にインクを付着させるためのインク付着手段と、記録媒体に処理液を付着させるための処理液付着手段とが、記録媒体の搬送方向の上流側からこの順に配置され、前記処理液付着手段が、ガラス転移温度が40〜70℃のアクリル樹脂のエマルションと、ガラス転移温度が−20〜30℃のアクリル樹脂のエマルションと、薄片状の無機フィラーとを含有する処理液を用いると共に、記録媒体を印字前に予め加温する加温手段がインク付着手段よりも記録媒体の搬送方向の上流側に備えられているインクジェット記録装置。
- 前記インク付着手段は、ライン型インクジェット記録ヘッドである請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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