JP5409485B2 - インクジェット用記録材料並びにそれを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用記録材料並びにそれを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録液を記録媒体に吐出することにより記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方式、より詳しくは、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方式に用いられるインクジェット用記録材料並びにそれを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
一般に、インクジェット記録装置は、記録媒体を搬送しつつ、搬送中の記録媒体に記録ヘッドから記録液を吐出することにより記録媒体に画像を形成するものである。近年、インクジェット記録装置の高速処理化に伴い、記録媒体の搬送速度が高速化している。
記録媒体の搬送速度の高速化に起因して、記録液が記録媒体に浸透する前に、搬送方向下流に配置された排出ローラが画像に接触して画像が乱れるという問題、排出ローラに付着した記録液が記録媒体に再び付着して記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題が生じ得る。
特許文献1には、疎水性ポリマーが表面に塗工された記録媒体にインクを凝集させる処理液を付着させた後、インクを記録媒体に付着させ、かつ余分な溶媒を吸収ローラで除去することが記載されている。しかし、吸収ローラを備えることによりインクジェット記録装置の大型化を招く。また、吸収ローラの回動速度を記録媒体の搬送速度に一致させなければならず、さらなる高速処理化の支障となり得る。
特許文献2には、液体組成物を記録媒体に付着させた後にインクを記録媒体に付着させるか又はインクを記録媒体に付着させた後に液体組成物を記録媒体に付着させるインクジェット記録方式において、液体組成物の表面張力(γa)とインクの表面張力(γb)との関係が「1≦(γb/γa)≦4」であることが記載されている。しかし、記録媒体に吐出された液滴は振動しており、液滴の表面はまだ平衡状態に達していないので、液体組成物の表面張力とインクの表面張力との関係を一般的な静的表面張力を使って規定するだけでは不十分である。
特開2006−263984号公報(段落0084) 特開2000−34432号公報(段落0060、0064)
本発明は、たとえ記録媒体が高速で搬送されても、記録液が排出ローラに付着する問題ひいては排出ローラに付着した記録液が記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題を抑制することを課題とする。
すなわち、本発明の一局面は、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方式に用いられるインクジェット用記録材料であって、水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液と、水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液とを備え、前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット用記録材料である。
本発明の他の一局面は、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録装置であって、記録媒体の搬送経路上に、記録液を記録媒体に付着させるための記録液付着手段と、処理液を記録媒体に付着させるための処理液付着手段とが、記録媒体の搬送方向の上流側からこの順に配置され、前記記録液付着手段が、水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液を記録媒体に付着させ、前記処理液付着手段が、水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液を記録媒体に付着させ、前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット記録装置である。
前記インクジェット記録装置において、前記記録液付着手段及び前記処理液付着手段は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に延びるライン型ヘッドであることがインクジェット記録装置の高速処理化の観点から好ましい。
本発明のさらに他の一局面は、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方法であって、水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液を記録媒体に付着させ、水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液を記録媒体に付着させ、前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明に係るインクジェット用記録材料、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法によれば、たとえ記録媒体が高速で搬送されても、記録液が排出ローラに付着する問題ひいては排出ローラに付着した記録液が記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題が抑制され得るという効果が奏される。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。 前記インクジェット記録装置の記録液用ヘッドに設けられたドット形成部の拡大縦断面図である。 表面寿命と表面張力との関係を示すグラフである。 実施例に係る記録液の記録媒体に対する接触角の時間変化を示すグラフである。
近年、インクジェット記録技術は急速に進歩しており、画質面においては、例えば写真用紙を使用した場合、銀塩写真に匹敵する高精細な画質を得ることが可能となっている。一方、処理速度については、例えば記録液の吐出周期の短縮化や吐出速度の高速化、あるいは記録媒体の搬送方向と直交する方向に延び、多数のノズルから同時一斉に記録液を吐出するライン型ヘッドの使用等により、高速処理化が進んでいる。このような高速処理化に起因して、記録媒体に付着された記録液が記録媒体の内部に浸透する前に排出ローラと接触して排出ローラに付着するという問題が起こり得る。この問題は、インクジェット記録装置の処理速度が高速になるほど顕著化するため、特に高速・高画質を特長とするライン型ヘッド方式を採用したインクジェット記録装置において重要な問題となっている。
記録液が排出ローラに付着する問題を抑制する技術として、従来、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させることが知られている。ここで、処理液は、水及び樹脂を含有し、記録媒体に付着された記録液の上を樹脂被膜で覆って、記録液と排出ローラとの直接の接触を回避する目的で用いられる。その観点から、処理液は、オーバーコート液と称されることがある。
本発明者等は、前記の処理液(オーバーコート液)の機能が十分発揮されるためには、処理液の物性のみを検討するだけでは不十分で、処理液と記録液の物性を合わせて検討する必要があると考えた。そして、処理液が記録液の上に滴下されたときに処理液が記録液の液面全体に速やかに広がること(処理液がレベリング性に優れること)、処理液が記録媒体に付着されたときに樹脂被膜が速やかに生成すること(処理液が成膜性に優れること)、記録液が記録媒体に付着されたときに溶媒(水)が速やかに記録媒体に浸透すること(記録液が浸透乾燥性に優れること)が肝要であると考えるに至った。そして、これらの観点から研究・検討を重ねた結果、記録媒体に付着された記録液が排出ローラに付着する問題を満足に抑制できる処理液及び記録液の物性の範囲を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本実施形態に係るインクジェット用記録材料は、記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方式に用いられるものであって、水及び顔料を含有する記録液と、水及び樹脂を含有する処理液とを備えている。記録液は、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である。処理液は、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下である。処理液に含まれる前記樹脂は、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である。表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力をγとし、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mである。
本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、記録液及び処理液の表面張力として動的表面張力を採用する。記録媒体に吐出された記録液及び処理液の液滴は振動しており、液滴の表面はまだ液中の各成分が十分に拡散しておらず平衡状態に達していないからである。
図3に示すように、動的表面張力とは、一般に、液表面(気−液界面)が形成された直後の液表面が非平衡状態にあるときの表面張力をいう。液表面が形成されてからの経過時間が表面寿命であり、表面寿命が増大するに連れて液表面は記録液中の各成分が拡散して平衡状態に近づき、表面張力が低下していき、静的表面張力に収束する。静的表面張力とは、一般に、表面寿命が長く、液表面が平衡状態に達したときの表面張力をいう。吐出時は記録液及び処理液がマイクロ秒オーダーで振動していることから、記録液及び処理液の表面張力は表面寿命が短い動的表面張力を使って規定することが実際の状況に近くより適切であると考えられる。本実施形態において、「表面寿命が10msのとき」としたのは、動的表面張力を十分満足に精度よく測定できる最も短い表面寿命の1つだからである。
動的表面張力は、例えば、三洋貿易株式会社から「BP100」の商品名で商業的に入手し得るバブルプレッシャー動的表面張力計を用いて測定できる。この動的表面張力計は、液表面が形成されてからの経過時間(表面寿命)とそれに連れて変化する表面張力との関係を求めるものである。
本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力は47mN/m以下である。これにより、記録液が記録媒体に付着されたときに溶媒(水)が十分速やかに記録媒体に浸透するようになる(つまり記録液の浸透乾燥性が良好となる)。記録液の前記動的表面張力が47mN/mを超えると、記録液の浸透乾燥性が不足する可能性がある。この作用は、例えば、後述する実施例の表2に示されている。
本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力は49mN/m以下である。これにより、処理液が記録液の上に滴下されたときに処理液が記録液の液面全体に十分速やかに広がるようになる(つまり処理液のレベリング性が良好となる)。処理液の前記動的表面張力が49mN/mを超えると、処理液のレベリング性が不足する可能性がある。この作用は、例えば、後述する実施例の表5に示されている。
ここで、「処理液のレベリング性」とは、処理液が記録液の液面に対して濡れ性に優れ、欠陥(ピンホール)等のない平滑な塗膜を速やかに形成する性質というほどの意味である。
本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力をγとし、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mである。好ましくは、0≦γ−γ≦2mN/mである。つまり、本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力γは、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力γと同じか又はγよりも大きい値である。ただし、その差は、最大で、3mN/m、好ましくは、2mN/mである。γ<γであると、記録媒体に付着された記録液が排出ローラに付着する問題を満足に抑制できなくなる。また、γ−γ>3mN/mであっても、記録媒体に付着された記録液が排出ローラに付着する問題を満足に抑制できなくなる。この作用は、例えば、後述する実施例の表6に示されている。
本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、処理液に含まれる樹脂、つまり記録液の上を覆う被膜となる樹脂(被膜生成用樹脂)は、ウレタン−アクリル樹脂であって、ウレタン部のガラス転移温度は35℃以下、アクリル部のガラス転移温度は27℃以下である。これにより、処理液が記録媒体に付着されたときに樹脂被膜が十分速やかに生成するようになる(つまり処理液の成膜性が良好となる)。ウレタン−アクリル樹脂であっても、ウレタン部のガラス転移温度が35℃を超えたり、アクリル部のガラス転移温度が27℃を超えると、処理液の成膜性が不足する可能性がある。この作用は、例えば、後述する実施例の表3に示されている。
[インクジェット記録装置]
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、他の機器から伝送されてきた画像情報に基づき、記録液を用いて記録媒体Xに画像を形成するインクジェットプリンタである。
インクジェット記録装置1は、図示していない給紙カセットに例えばPPC用紙等の記録媒体Xを積層状態で収容する用紙収納部を備えている。記録媒体Xは、給紙ローラ2の回転によって最上位にあるものから1枚ずつ繰り出され、搬送ローラ対3…3によって用紙搬送部に供給される。
用紙搬送部は、一対のローラ間に水平に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト7を備えている。搬送ローラ対3…3によって供給された記録媒体Xは、搬送ベルト7の走行によって画像形成部に搬送される。
画像形成部は、搬送ベルト7の上方において、搬送ベルト7により搬送される記録媒体Xの幅と同じかそれ以上の長さを有する長尺なライン型ヘッド(記録液付着手段)5を備えている。このライン型ヘッド5は、記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に延びてインクジェット記録装置1に固定されている。このヘッド5は、記録液を収容し、後述するように、搬送ベルト7ないし記録媒体Xと対向する下面にドット形成部のノズルが多数配列されており、記録媒体Xの全幅に亘って記録液をノズルから同時一斉に吐出することにより、記録媒体Xに画像を高速で形成することができる。したがって、このインクジェット記録装置1は、高速・高画質を特長とするライン型ヘッド方式を採用したインクジェット記録装置であり、高速処理化に十分対応し得るものである。記録液用ヘッド5は、その下面(ノズル面)と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が約1mmになるように固定されている。
搬送ベルト7の上方において、記録液用ヘッド5よりも記録媒体Xの搬送方向の下流側に、処理液用の第2のライン型ヘッド(処理液付着手段)6が備えられている。この第2のライン型ヘッド6は、処理液を記録媒体Xに吐出して付着させるためのものである。この処理液用ヘッド6は記録液用ヘッド5とほぼ同様の構成である。すなわち、処理液用ヘッド6は、搬送ベルト7により搬送される記録媒体Xの幅と同じかそれ以上の長さを有する長尺なライン型ヘッドである。処理液用ヘッド6は、記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に延びてインクジェット記録装置1に固定されている。処理液用ヘッド6は、処理液を収容し、搬送ベルト7ないし記録媒体Xと対向する下面にノズルが多数配列されており、記録媒体Xの全幅に亘って処理液をノズルから同時一斉に吐出することにより、記録媒体Xに処理液を高速で付着させることができる。処理液用ヘッド6は、その下面(ノズル面)と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が約1mmになるように固定されている。
搬送ベルト7により搬送中の記録媒体Xに、記録液用ヘッド5によって記録液が付着され、その後、処理液用ヘッド6によって処理液が付着される。記録媒体Xは、その後も引き続き搬送ベルト7によって搬送され、搬送ベルト7の終端部で上下一対の排出ローラ8,8により搬送ベルト7から排出される。インクジェット記録装置1の高速処理化に起因して、記録媒体Xに付着された記録液が記録媒体Xの内部に浸透する前に排出ローラ(特に上側の排出ローラ)8と接触して排出ローラ8に付着する、という問題がここで起こり得る。
搬送ベルト7の上方において、記録液用ヘッド5よりも記録媒体Xの搬送方向の上流側に、搬送ベルト7により搬送される記録媒体Xの先端を検知するためのセンサ4が備えられている。このセンサ4の記録媒体Xの先端の検知時刻を基準として、記録液用ヘッド5に記録液吐出指令が出力され、処理液用ヘッド6に処理液吐出指令が出力される。
図2は、前記インクジェット記録装置1の記録液用ヘッド5に多数配列されたドット形成部50のうちの1つを拡大して示す縦断面図である。なお、処理液用ヘッド6もこれに準じて同様の構成を有するのでその説明は省略する。
このヘッド5は、記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に延びる長尺なライン型ヘッド5である。詳しくは図示しないが、このヘッド5は、3つのサブヘッド(分割ヘッド)が、記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に順に連結された構造を有している。そして、各サブヘッドは、その下面(ノズル面)に、平面視で台形状のノズル集合エリアが、記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に順に4つ(台形の上底と下底とが交互に逆向きになるように)配置された構造を有している。そして、各ノズル集合エリアにおいて、図2に示すドット形成部50及びノズル53が記録媒体Xの搬送方向に4列に並んでいる。同一列内の隣接するノズル53,53間のピッチを150dpiとし、隣接する列間でノズル53の位置を記録媒体Xの搬送方向と直交する方向に4分の1ピッチづつずらすことにより、600dpiの画像の形成が実現されている。ノズル集合エリアの1列当たりのドット形成部50及びノズル53の数を166個としているので、1つのノズル集合エリア全体(4列)では664個のノズル53が配列されている。したがって、ヘッド5の全体では、7968個(664個×4×3)のノズル53が設けられている。
ドット形成部50は、平面視で長円形状の加圧室52を備え、この加圧室52の一端部が、ノズル流路54を介して、ヘッド5の下面に形成されたノズル53と連通し、他端部が、絞り通路55を介して、記録液共通供給路56と連通している。ノズル53は、上側開口53bの径が下側開口53aの径よりも大きい逆円錐台形状である。
ドット形成部50は、加圧室52が形成された第1基板51aと、ノズル流路54の上部54a及び絞り通路55が形成された第2基板51bと、ノズル流路54の下部54b及び記録液共通供給路56が形成された第3基板51cと、ノズル53が形成された第4基板51dとが積層された構成である。積層された第1〜第4基板51a〜51dによって当該記録ヘッド5の基板51が提供されている。
基板51の上面には、共通電極57を内部に有する薄板状の圧電素子58と、各ドット形成部50の加圧室52に対応する個別電極59とが積層された構成の圧電アクチュエータACが備えられている。この圧電アクチュエータACの駆動によって加圧室52内のインクに圧力波が伝達され、この圧力波によってノズル流路54及びノズル53内のインクが振動して、記録液がノズル53の下側開口53aから記録媒体Xに向けて吐出される。
ここで、このドット形成部50の仕様に関し、好ましい具体的数値の1例を以下に示す。
・加圧室52の面積:0.2mm
・加圧室52の幅:200μm
・加圧室52の深さ:100μm
・ノズル53の長さ:30μm
・ノズル53の下側開口53aの半径:10μm
・ノズル流路54の直径:200μm
・ノズル流路54の長さ:800μm
・絞り通路55の直径:30μm
・絞り通路55の長さ:40μm
なお、図1に例示したインクジェット記録装置1は、単一の記録液用ヘッド5を有し、画像を単色で形成するものであったが、これに限らず、例えば、Y(イエロー)インク、M(マゼンタ)インク、C(シアン)インク、K(黒)インク毎に個別の記録液用ヘッド5を記録媒体Xの搬送方向に複数(4本)並べ、画像をフルカラーで形成するものでもよい。
また、インクジェット記録装置1は、所望の高速処理化が実現するのであれば、ライン型ヘッドではなく、ヘッドが記録媒体Xに対して走査するシリアル型ヘッドを備えるものでもよい。
また、処理液用ヘッド6を用いる代わりに、処理液付着手段の他の態様として、例えばロールコータ等を用いて処理液を記録媒体Xに塗布して付着させてもよい。
[インクジェット記録方法]
以上のような構成のインクジェット記録装置1を用い、記録液用ヘッド5に、後述する本実施形態に係る記録液を収容し、処理液用ヘッド6に、後述する本実施形態に係る処理液を収容することにより、搬送ベルト7により記録媒体Xを搬送しつつ、搬送中の記録媒体Xに記録液用ヘッド5から記録液を吐出して記録媒体Xに記録液を付着させ、その後、処理液用ヘッド6から処理液を吐出して記録媒体Xに処理液を付着させる、本実施形態に係るインクジェット記録方法を実施することができる。
[インクジェット用記録材料/記録液]
本実施形態に係るインクジェット用記録材料の記録液(インクジェット用インク)は、水、顔料、及び顔料を分散させるための樹脂(顔料分散用樹脂)等を含有する。その他、必要に応じて、湿潤剤、浸透促進剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整剤、防腐剤等の種々の添加剤を含有してもよい。そして、本実施形態に係る記録液は、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である。
本実施形態で使用可能な顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ベリノン・ベタリン等の有機顔料や、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料といった着色剤顔料成分、あるいは、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム等の体質顔料等が挙げられる。
より具体的に示すと、イエロー(Y)顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG),3,12(ジスアゾイエローAAA),13,14,17,23,24,34,35,37,42(黄色酸化鉄),53,55,74,81,83(ジスアゾイエローHR),95,97,98,100,101,104,108,109,110,117,120,128,138,150,153等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
マゼンタ(M)顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,5,17,22(ブリリアントファーストスカーレット),23,31,38,48:2(パーマネントレッド2B(Ba)),48:2(パーマネントレッド2B(Ca)),48:3(パーマネントレッド2B(Sr)),48:4(パーマネントレッド2B(Mn)),49:1,52:2,53:1,57:1(ブリリアントカーミン6B),60:1,63:1,63:2,64:1,81(ローダミン6Gレーキ),83,88,92,101(べんがら),104,105,106,108(カドミウムレッド),112,114,122(ジメチルキナクリドン),123,146,149,166,168,170,172,177,178,179,185,190,193,209,219等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シアン(C)顔料としては、C.I.ピグメントブルー1,2,15(銅フタロシアニンブルーR),15:1,15:2,15:3(フタロシアニンブルーG),15:4,15:6(フタロシアニンブルーE),16,17:1,56,60,63等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
黒(K)顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類や、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、あるいは、銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの顔料の記録液中の含有量は、その種類や使用目的等に応じて様々に変化するが、例えば、着色力と記録液の粘性(顔料の含有量が高くなるほど記録液の粘性が高くなって記録ヘッドのノズルから吐出され難くなる)とのバランスから、記録液中において0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
顔料の平均粒子径は、30〜300nmが好ましく、50〜150nmがより好ましく、100nm程度がさらに好ましい。顔料の平均粒子径は、例えば動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所社製の「LB−550」)や、粒度分布測定装置(シスメックス社製の「ゼータサイザーナノ」)等を用いて測定することができる。
本実施形態で使用可能な顔料分散用樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態では、顔料分散用樹脂は水溶性であり、記録液中に溶解している。本実施形態では、特に、スチレン−アクリル酸共重合体が好ましい。また、樹脂の酸価は150〜250の範囲が好ましい。酸価が過度に低いと、顔料分散性が低下し、顔料の微粒子化が困難となり、発色力・着色力が不足する。一方、酸価が過度に高いと、記録液の保存安定性が低下する。
これらの顔料分散用樹脂の記録液中の含有量は、一般に、0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1.0〜6質量%である。
本実施形態で記録液に使用可能な添加剤のうち、湿潤剤又は浸透促進剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、チオジグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールトリメチロールプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で記録液に使用可能なpH調整剤としては、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、コハク酸、炭酸等の酸及びその塩や、トリエタノールアミン等の塩基や、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で記録液に使用可能なレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で記録液に使用可能な消泡剤としては、例えば、シリコン系エマルション、ポリエーテル系変性シリコンエマルション、ポリオレフィン−ポリエーテル変性エマルション等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの添加剤の記録中における含有量は、その種類等に応じて様々に変化するが、例えば、記録液中においてそれぞれ0.1〜20質量%、好ましくは、1〜10質量%の範囲である。
記録液の粘度は、例えば振動式粘度計(エー・アンド・ディ社製の「SV−10」)等の粘度計を用いて測定することができる。
本実施形態に係る記録液は、以上の原料(水、顔料、顔料分散用樹脂、添加剤等)を、例えば湿式のメディア型分散機やプロペラ式撹拌機等を用いて(その他、ボールミル、サンドミル、ロールミル、アジテータ、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等も用いることができる)、十分に攪拌し、混ぜ合わせ、分散させた後、遠心分離や濾過することにより調製することができる。
湿式のメディア型分散機としては、例えば、メディア径が0.2〜1.0mmのジルコニアビーズを使用した場合でも、各メディアに最適な分散エネルギーを与える機構を備えた湿式分散機が好ましい。例えば、浅田鉄工社製の「ナノグレンミル」、三井鉱山社製の「MSCミル」、シンマルエンタープライゼス社製の「ダイノミル」等が好ましく使用可能である。そして、分散処理後の液を遠心分離して異物やゴミ等の粗大粒子を除去し、濾過して微小粒子を除去し、最終的に、本実施形態に係るインクジェット用記録材料の記録液を得ることができる。
なお、記録液を調製するために、予め、高濃度の顔料分散体(記録液中の顔料濃度の数倍の顔料濃度の液)を作製しておいてもよい。
本実施形態に係る記録液においては、顔料は、例えばスチレン−アクリル酸共重合体等で構成される顔料分散用樹脂で包まれている(顔料分散用樹脂が顔料の表面に付着している)。顔料の平均粒子径は、30〜300nm程度であり、このような顔料粒子が、顔料粒子間の静電反発力により安定して記録液中に分散している。ただし、記録液中に溶解している顔料分散用樹脂の全部が顔料に付着しているわけではなく、一部が顔料に付着せずに遊離している。
本実施形態に係る記録液においては、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である。これは、必要に応じて添加する、湿潤剤、浸透促進剤、pH調整剤、レベリング剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤等の種々の添加剤の種類や含有量を適宜調整することにより実現することができる。表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力を47mN/m以下とすることにより、記録液が記録媒体に付着されたときに溶媒(水)が十分速やかに記録媒体に浸透するようになる(記録液の浸透乾燥性が良好となる)。記録液の前記動的表面張力が47mN/mを超えると、記録液の浸透乾燥性が不足する可能性がある。
加えて、本実施形態に係る記録液は、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力をγとし、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mの関係、好ましくは、0≦γ−γ≦2mN/mの関係が成立するように調整される。
[インクジェット用記録材料/処理液]
本実施形態に係るインクジェット用記録材料の処理液(オーバーコート液)は、記録媒体に付着された記録液の上を樹脂被膜で覆うことにより、記録液と排出ローラとが直接接触することを回避するために用いられる。本実施形態に係る処理液は、水及び樹脂(被膜生成用樹脂)等を含有する。その他、必要に応じて、湿潤剤、浸透促進剤、pH調整剤、レベリング剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤等の種々の添加剤を含有してもよい。そして、本実施形態に係る処理液は、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下である。そして、被膜生成用樹脂は、ウレタン−アクリル樹脂であって、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のものである。
被膜生成用樹脂のガラス転移温度が、35℃以下あるいは27℃以下と、相対的に低いことにより、成膜性に優れる処理液が得られる。そのような観点からは、ウレタン部のガラス転移温度は、好ましくは、32℃以下、より好ましくは、27℃以下である。また、アクリル部のガラス転移温度は、好ましくは、24℃以下、より好ましくは、19℃以下である。
ただし、被膜生成用樹脂のガラス転移温度が過度に低いと、水分量が相対的に多い状態で樹脂被膜が生成し、樹脂被膜の乾燥性が低下する可能性がある。そのような観点からは、ウレタン部のガラス転移温度及びアクリル部のガラス転移温度は、いずれも、好ましくは、−16℃以上、より好ましくは、−12℃以上である。
本実施形態で使用可能なウレタン−アクリル樹脂のアクリル成分としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等の従来周知の種々のアクリル系モノマーの単独重合体(ホモポリマー)又は共重合体(コポリマー)が挙げられる。
アクリル部のガラス転移温度は、これらのアクリル系モノマーの種類やアクリル部の分子量等を適宜選定することにより調整することができる。ウレタン部についても同様である。
本実施形態で使用可能なウレタン−アクリル樹脂のウレタン成分としては、特に制限はなく、例えば、イソシアネート化合物としてのジイソシアネート化合物と、ポリオール化合物としてのジオール化合物とを反応させて得られる水溶性又は水分散性のポリウレタン樹脂を使用することができる。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ、ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール等が挙げられる。ここで、ポリエステルポリオールは、アジピン酸やセバシン酸等の酸の、エチレングリコールやプロピレングリコール等のエステルに、1,4−ブタンジオールや1,6−へキサンジオール等を付加した樹脂組成物である。
より詳しくは、前記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物;トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;又はこれらのジイソシアネート化合物の変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物等);等が挙げられる。必要に応じて、これらのジイソシアネート化合物のうちの1種を用いても又は2種以上を併用してもよい。
また、より詳しくは、前記ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドや、テトラヒドロフラン等の複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物等が挙げられ、そのようなジオール化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテル系ジオール;ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステル系ジオール;ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオール;又はポリカーボネート系ジオール;等が挙げられる。これらの中では、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオール、及びポリカーボネート系ジオールのうちの1種以上が好ましい。また、上記の他、カルボン酸基、スルホン酸基等の酸性基を有するジオール化合物も使用でき、その具体例としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等が挙げられる。これらの中では、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。必要に応じて、これらのジオール化合物のうちの1種を用いても又は2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る処理液においては、アクリル部により透明性に優れる樹脂被膜が生成する。この透明性に優れる樹脂被膜によって画像に光沢が付与され、美粧性に優れた画像が得られるという利点もある。さらに、被膜生成用樹脂のガラス転移温度が相対的に低いことにより、樹脂被膜に柔軟性や耐衝撃性が付与されるという利点もある。
本実施形態に係る処理液においては、ウレタン−アクリル樹脂をエマルションの形態で含有させることができる。その場合における処理液中のウレタン−アクリル樹脂エマルションの含有量は、好ましくは、5〜20質量%、より好ましくは、10〜15質量%である。処理液中のウレタン−アクリル樹脂の含有量が過度に少ないと、記録媒体に付着した記録液の被覆効果が不足し、ひいては記録液の排出ローラへの付着を十分に抑制できなくなる。逆に、処理液中のウレタン−アクリル樹脂の含有量が過度に多いと、成膜性と乾燥性とのバランスが崩れ、成膜性が相対的に向上し、乾燥性が相対的に低下する。
ウレタン−アクリル樹脂における、ウレタン部とアクリル部との質量比は、一般に、5:5が好ましいが、例えば成膜性と乾燥性のいずれを重視するかに応じて、1:9〜9:1、より好ましくは3:7〜7:3等の範囲内で任意に変更することができる。
本実施形態に係る処理液は、必要に応じて、湿潤剤、浸透促進剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整剤、防腐剤等の種々の添加剤を含有してもよい。また、記録媒体上で記録液を被覆するように生成した樹脂被膜の保護や、樹脂被膜の排出ローラに対する離型性を確保するために、例えばポリエチレンワックス等のワックス類を含有してもよい。
本実施形態で処理液に使用可能な添加剤のうち、湿潤剤又は浸透促進剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、チオジグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールトリメチロールプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で処理液に使用可能なpH調整剤としては、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、コハク酸、炭酸等の酸及びその塩や、トリエタノールアミン等の塩基や、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で処理液に使用可能なレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態で処理液に使用可能な消泡剤としては、例えば、シリコン系エマルション、ポリエーテル系変性シリコンエマルション、ポリオレフィン−ポリエーテル変性エマルション等が挙げられる。必要に応じて、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの添加剤の処理中における含有量は、その種類等に応じて様々に変化するが、例えば、処理液中においてそれぞれ0.1〜20質量%、好ましくは、1〜10質量%の範囲である。
処理液の粘度は、例えば振動式粘度計(エー・アンド・ディ社製の「SV−10」)等の粘度計を用いて測定することができる。
本実施形態に係る処理液は、以上の原料(水、ウレタン−アクリル樹脂、添加剤等)を、例えばプロペラ式撹拌機等を用いて、十分に攪拌し、混ぜ合わせ、分散させた後、遠心分離や濾過することにより調製することができる。
本実施形態に係る処理液の記録媒体に対する付着量は、処理液中の被膜生成用樹脂、つまりウレタン−アクリル樹脂の含有量等に応じて変化させてよいが、例えば、記録媒体1cm当たり処理液を0.1〜2.0mgの範囲内、好ましくは、0.3〜1.5mgの範囲内、より好ましくは、0.5〜1.2mgの範囲内で付着させる。処理液の付着量が過度に少ないと、記録媒体に付着した記録液の被覆効果が不足し、ひいては記録液の排出ローラへの付着を抑制できなくなる可能性がある。処理液の付着量が過度に多いと、コックリング(記録媒体の表面が凸凹した波打ち状になる現象)や、カール(記録媒体が曲成する現象)が起き易くなる。
本実施形態に係る処理液においては、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下である。これは、ウレタン−アクリル樹脂や、必要に応じて添加する、湿潤剤、浸透促進剤、pH調整剤、レベリング剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤等の種々の添加剤の種類や含有量を適宜調整することにより実現することができる。表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力を49mN/m以下とすることにより、処理液が記録液の上に滴下されたときに処理液が記録液の液面全体に十分速やかに広がるようになる(処理液のレベリング性が良好となる)。処理液の前記動的表面張力が49mN/mを超えると、処理液のレベリング性が不足する可能性がある。
加えて、本実施形態に係る処理液は、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力をγとし、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mの関係、好ましくは、0≦γ−γ≦2mN/mの関係が成立するように調整される。
また、本実施形態に係る処理液においては、被膜生成用樹脂であるウレタン−アクリル樹脂のウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下である。これにより、処理液が記録媒体に付着されたときに樹脂被膜が十分速やかに生成するようになる(処理液の成膜性が良好となる)。ウレタン−アクリル樹脂のウレタン部のガラス転移温度が35℃を超えたり、アクリル部のガラス転移温度が27℃を超えると、処理液の成膜性が不足する可能性がある。
そして、本実施形態に係るインクジェット用記録材料においては、記録液についての物性及び処理液についての物性が前記のように規定されることにより、処理液のレベリング性、処理液の成膜性、記録液の浸透乾燥性が優れるようになり、結果として、記録媒体に付着された記録液が排出ローラに付着する問題ひいては排出ローラに付着した記録液が記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題が満足に抑制されることとなる。
以下、本発明の実施例を説述することにより、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
[1.記録液の浸透乾燥性の確認]
(記録液の調製)
まず、表1に示す組成で、記録液の調製に用いる顔料分散体を作製した。
スチレン−アクリル樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体)は、水溶性の顔料分散用樹脂であり、BASF社製の「ジョンクリル683」(分子量:8000、酸価:160)を用いた。これは、水酸化カリウム(KOH)で当量に中和し、顔料分散体中に溶解させた。グリセリンは、湿潤剤又は浸透促進剤である。
これらの原料を、浅田鉄工社製の湿式メディア型分散機「ナノグレンミル」(ジルコニアビーズの直径は0.5mm:ビーズ径が小さいほど微粒子化が促進され、顔料への顔料分散用樹脂の付着度合いが強くなる。)を用いて、ベッセル内にセットし、分散処理後の顔料の平均粒子径が100nm程度となるように、十分に攪拌し、混ぜ合わせ、分散させた。分散処理後の液を遠心分離して粗大粒子を除去し、顔料分散体を得た。得られた顔料分散体をイオン交換水で1500倍に希釈し、得られた希釈液を粒度分布測定装置(シスメックス社製の「ゼータサイザーナノ」)を用いて測定したところ、顔料の平均粒子径は50〜150nmであった。
次に、得られた顔料分散体を用い、表2に示す組成で、記録液A〜Dを調製した。記録液中の顔料の含有量は5質量%、記録液中の顔料分散用樹脂の含有量は1.25質量%である。
「オルフィン(登録商標)E1010」は、レベリング剤であり、日信化学工業社製の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールジ(ポリオキシエチレン)エーテルである。
ヘキシレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール及び2−ピロリドンは、湿潤剤又は浸透促進剤である。
これらの原料を、セントラル科学貿易社製のプロペラ式撹拌機「ポリミックススターラーPX−SR90E」を用いて、500rpmの回転数で、60分間、常温で十分に撹拌し、混ぜ合わせ、分散させた。分散処理後の液を孔径5μmのフィルターで加圧濾過して微小粒子を除去することにより、記録液A〜Dを得た。
得られた記録液A〜Dを用いて以下の付着評価並びに静的表面張力及び動的表面張力の測定を行った。結果を表2に示す。
(付着評価)
記録液の記録媒体への浸透乾燥性を確認するため、記録液の付着評価を行った。すなわち、図1に示すインクジェット記録装置1(京セラミタ社製の実験機)の記録液用ヘッド5に記録液を充填し、ヘッド5のノズル面から出ている余剰液をワイプブレードで掻き取った。ヘッド5のノズル面と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が1mmになるようにヘッド5を固定した。記録媒体Xとして王子製紙社製のオフ用紙「OKH−J」を用い、この記録媒体Xに対して、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下、駆動周波数20kHzで、記録液を、ヘッド5から、最大濃度で、30mm×30mmの領域内に、均一に、10枚連続付着させて、ベタ画像を印刷した。印刷した記録媒体Xは排出ローラ8,8により搬送ベルト7から連続排出させた。記録液が上側の排出ローラ8の表面に付着していないか、及び記録媒体X(後続の記録媒体を含む)の印字部や非印字部に記録液が付着していないかを目視で観察し、次の基準で評価した。
・○:記録液が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着していない。
・△:記録液が排出ローラの表面には付着しているが記録媒体の印字部や非印字部には付着していない。
・×:記録液が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着している。
(静的表面張力)
協和界面科学株式会社から「CBVP−Z」の商品名で商業的に入手し得る表面張力計を用いて記録液の静的表面張力を測定した。
(動的表面張力)
三洋貿易株式会社から「BP100」の商品名で商業的に入手し得るバブルプレッシャー動的表面張力計を用いて記録液の動的表面張力を測定した。すなわち、この動的表面張力計を用いて、液表面が形成されてからの経過時間(表面寿命)とそれに連れて変化する表面張力との関係を求めた。測定条件としては、表面寿命10〜1000msの範囲で測定し、表面寿命が10msのときの動的表面張力を採用した。
(結果考察)
付着評価の結果から、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液A,Cは、それが47mN/mを超える記録液B,Dに比べて、記録媒体への浸透乾燥性に優れていた。これは、記録液Aは記録液Bよりも浸透促進剤(2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール)が余分に(0.5質量%)配合され、記録液Cは記録液Dよりも浸透促進剤(2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール)が余分に(0.5質量%)配合されていることが原因の1つと考えられる。
[2.処理液の成膜性の確認]
(処理液試験体の調製)
まず、表3に示す組成で、被膜生成用樹脂を選定するための処理液試験体を調製した。
用いた樹脂エマルションは次の通りである。
・アクリルエマルション:BASF社製の「ジョンクリル734」(Tg:30℃)
・ウレタンエマルション1:大成ファインケミカル社製の「WBR−2018」(Tg:20℃)
・ウレタンエマルション2:大成ファインケミカル社製の「WBR−2019」(Tg:45℃)
・ウレタン−アクリルエマルション1:大成ファインケミカル社製の「WBR−031U」(ウレタン/アクリル比:4/6、ウレタン部Tg:50℃、アクリル部Tg:76℃)
・ウレタン−アクリルエマルション2:大成ファインケミカル社製の「WBR−202U」(ウレタン/アクリル比:5/5、ウレタン部Tg:35℃、アクリル部Tg:27℃)
・ウレタン−アクリルエマルション3:大成ファインケミカル社製の「WBR−321U」(ウレタン/アクリル比:5/5、ウレタン部Tg:35℃、アクリル部Tg:−5℃)
得られた処理液試験体1〜6を用いて以下の付着評価を行った。結果を表3に示す。
(付着評価)
処理液試験体の成膜性を確認するため、処理液試験体の付着評価を行った。すなわち、図1に示すインクジェット記録装置1(京セラミタ社製の実験機)の処理液用ヘッド6に処理液試験体を充填し、ヘッド6のノズル面から出ている余剰液をワイプブレードで掻き取った。ヘッド6のノズル面と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が1mmになるようにヘッド6を固定した。記録媒体Xとして王子製紙社製のオフ用紙「OKH−J」を用い、この記録媒体Xに対して、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下、駆動周波数20kHzで、処理液試験体を、ヘッド6から、付着量が0.5mg/cmとなるように、30mm×30mmの領域内に、均一に、10枚連続付着させた。付着させた記録媒体Xは排出ローラ8,8により搬送ベルト7から連続排出させた。処理液試験体が上側の排出ローラ8の表面に付着していないか、及び記録媒体X(後続の記録媒体を含む)の印字部や非印字部に処理液試験体が付着していないかを目視で観察し、次の基準で評価した。
・○:処理液試験体が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着していない。
・△:処理液試験体が排出ローラの表面には付着しているが記録媒体の印字部や非印字部には付着していない。
・×:処理液試験体が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着している。
(結果考察)
付着評価の結果から、ウレタン−アクリルエマルション2を用いた処理液試験体5及びウレタン−アクリルエマルション3を用いた処理液試験体6が相対的に成膜性に優れ、柔軟性及び乾燥性が良好な樹脂被膜が生成したので、これらのうち、特に結果がより良好であったウレタン−アクリルエマルション2(WBR−202U)を処理液の被膜生成用樹脂に用いることに決定した。
[3.処理液のレベリング性の確認]
(処理液の調製)
まず、表4に示す組成で、処理液を調製した。
「サーフィノール」、「オルフィン(登録商標)」、「SNデフォーマー」は、レベリング剤又は消泡剤である。
これらの原料を、プロペラ式撹拌機を用いて、十分に攪拌し、混ぜ合わせ、分散させた後、ステンレスメッシュ(500ライン/インチ)で濾過することにより、処理液A〜Hを得た。
得られた処理液A〜H及び記録液A〜Dを用いて以下のレベリング性評価並びに静的表面張力及び動的表面張力の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
(レベリング性評価)
PPフィルム上にスポイドで記録液A〜Dを滴下して液溜まりを作成した後、この記録液の上にスポイドで処理液A〜Hを滴下したときの処理液A〜Hの挙動を目視で観察し、次の基準で評価した。
・○:処理液が記録液の上に滴下された直後に、処理液が記録液の液面全体に速やかに広がる。
・△:処理液が記録液の上に滴下された後に、処理液が記録液の液面全体に徐々に広がる。
・×:処理液が記録液の上に滴下されても、処理液が記録液の液面全体に広がらない。
(結果考察)
レベリング性評価の結果から、処理液の静的表面張力が記録液の静的表面張力より低くても処理液のレベリング性は必ずしも良くなかった。表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下である処理液D,E,G,Hは、それが49mN/mを超える処理液A,B,C,Fに比べて、レベリング性に優れていた。
[4.排出ローラに記録液が付着しないことの確認]
記録液A〜D及び処理液A〜Hを用いて以下の付着評価を行った。結果を表6に示す。
(付着評価)
図1に示すインクジェット記録装置1(京セラミタ社製の実験機)の記録液用ヘッド5に記録液を充填し、ヘッド5のノズル面から出ている余剰液をワイプブレードで掻き取った。ヘッド5のノズル面と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が1mmになるようにヘッド5を固定した。また、処理液用ヘッド6に処理液を充填し、ヘッド6のノズル面から出ている余剰液をワイプブレードで掻き取った。ヘッド6のノズル面と搬送ベルト7上の記録媒体Xとの距離が1mmになるようにヘッド6を固定した。記録媒体Xとして王子製紙社製のオフ用紙「OKH−J」を用い、この記録媒体Xに対して、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下、駆動周波数20kHzで、記録液を、ヘッド5から、最大濃度で、30mm×30mmの領域内に、均一に、10枚連続付着させて、ベタ画像を印刷した。同時に、駆動周波数20kHzで、処理液を、ヘッド6から、付着量が0.5mg/cmとなるように、前記領域内に、均一に、10枚連続付着させた。記録媒体Xは排出ローラ8,8により搬送ベルト7から連続排出させた。処理液又は記録液が上側の排出ローラ8の表面に付着していないか、及び記録媒体X(後続の記録媒体を含む)の印字部や非印字部に処理液又は記録液が付着していないかを目視で観察し、次の基準で評価した。
・○:処理液又は記録液が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着していない。
・△:処理液又は記録液が排出ローラの表面には付着しているが記録媒体の印字部や非印字部には付着していない。
・×:処理液又は記録液が排出ローラの表面にも記録媒体の印字部や非印字部にも付着している。
(結果考察)
付着評価の結果から、排出ローラに記録液(又は処理液)が付着する問題ひいては排出ローラに付着した記録液(又は処理液)が記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題は、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力をγとし、表面寿命が10msのときの処理液の動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mの関係、好ましくは、0≦γ−γ≦2mN/mの関係が成立する場合に良好に抑制されることが分かった。
[5.記録液の接触角と浸透性の確認]
以上の結果から、記録液の記録媒体への浸透性が不十分であると、処理液を用いても、排出ローラに記録液が付着する問題を満足に抑制することはできない。表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力は47mN/m以下である必要のあることが分かった。
記録媒体への浸透性は、下記のLucus−Washburnの式で表される。式1中、L:浸透距離、r:毛管半径、γ:記録液の表面張力、θ:記録液の記録媒体での接触角、η:記録液の粘度、t:時間である。
ここで、記録液の記録媒体での接触角(θ)により、cosθは、0〜1まで変化するため、この式の中で最も浸透性に対して感度が高い。そこで、データフィジックス社製の動的接触角計「OCA40micro」を用いて、浸透時の接触角を測定した。
(測定方法)
シリンジに備え付けられた針の先からサンプルを押し出し、針の先端に0.5〜1.0μLの液滴を作製した。この液滴を記録媒体の表面にタッチオフ法により付着させ、300fpsの取込速度で画像を取り込み、記録液A〜Dの接触角(θ)を測定した。結果を図4に示す。
(結果考察)
図4の結果から、タッチオフしてから0.5秒後の接触角が40°以下である必要がある。記録媒体の表面に対して接触角を低くするためには、表面寿命が10msのときの記録液の動的表面張力を低くすることにより達成できる。
[6.処理液の泡立ち性の確認]
(起泡力試験)
JIS K3362−1978に基いて処理液A〜Hの起泡力試験を行い、次の基準で評価した。結果を表7に示す。
試験直後
・○:泡高さが100mm以下
・×:泡高さが100mm超
5分後
・○:泡高さが50mm以下
・×:泡高さが50mm超
(結果考察)
処理液を処理液用ヘッド6ではなくロールコータ等を用いて塗布する場合、処理液の良好な成膜性を確保するためには、起泡力試験直後と5分後との両方を達成する必要がある。処理液A〜Hに使用されている界面活性剤(「サーフィノール」、「オルフィン(登録商標)」、「SNデフォーマー」)のHLBは、記録液A〜Dに使用されている界面活性剤(「オルフィン(登録商標)E1010」)のHLB以下である。一般に、水溶液にHLBが8以下の界面活性剤を使用すると、泡立ちが抑制される効果も得られる。処理液をローラ塗布する場合に、泡立ちが起きると、記録媒体の表面で成膜した樹脂被膜に泡が噛み込んで画像の不具合につながる。よって、処理液においてHLBが8以下の界面活性剤を使用することは、記録液と処理液との相性のみならず、処理液をローラ塗布する場合には特に好ましい推奨事項である。
以上、具体例を挙げて詳細に説明したように、本発明は、記録媒体がたとえ高速で搬送されても、記録液が排出ローラに付着する問題ひいては排出ローラに付着した記録液が記録媒体(後続の記録媒体を含む)を汚す(つまり記録媒体の印字部や非印字部を汚す)という問題が抑制され得るという顕著な利点を有するものである。
1 インクジェット記録装置
2 給紙ローラ
3 搬送ローラ
4 検知センサ
5 記録液用ヘッド(記録液付着手段)
6 処理液用ヘッド(処理液付着手段)
7 搬送ベルト
8 排出ローラ
X 記録媒体

Claims (4)

  1. 記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方式に用いられるインクジェット用記録材料であって、
    水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液と、
    水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液とを備え、
    前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット用記録材料。
  2. 記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録装置であって、
    記録媒体の搬送経路上に、記録液を記録媒体に付着させるための記録液付着手段と、処理液を記録媒体に付着させるための処理液付着手段とが、記録媒体の搬送方向の上流側からこの順に配置され、
    前記記録液付着手段が、水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液を記録媒体に付着させ、
    前記処理液付着手段が、水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液を記録媒体に付着させ、
    前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記記録液付着手段及び前記処理液付着手段は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に延びるライン型ヘッドであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 記録液を記録媒体に付着させた後、処理液を記録媒体に付着させるインクジェット記録方法であって、
    水及び顔料を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が47mN/m以下である記録液を記録媒体に付着させ、
    水及び樹脂を含有し、表面寿命が10msのときの動的表面張力が49mN/m以下であり、前記樹脂が、ウレタン部のガラス転移温度が35℃以下、アクリル部のガラス転移温度が27℃以下のウレタン−アクリル樹脂である処理液を記録媒体に付着させ、
    前記記録液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとし、前記処理液の表面寿命が10msのときの動的表面張力をγとしたときに、0≦γ−γ≦3mN/mであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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