JP5286144B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、トッププレート上の鍋の反りやズレを精度良く検出することができる誘導加熱調理器に関するものである。
特許文献1には、例えば要約書に記載されているように、「…仮反り量および仮負荷量の算出結果から、被加熱物の底の反り量および鍋内部の負荷量を確定する定量算出手段を設ける構成とすることで、直線的に実際の反り量と油量を算出し、特に揚げ物調理における鍋の反り判定および負荷量判定を定量的行うことができる…」ようにするため、「サーミスタの出力に基づき、温度勾配算出手段と温度差算出手段から算出された仮反り量および仮負荷量から定量算出手段、すなわち定数の異なる連続した算出式として実際の値を直線的に検出する」技術が開示されている。
特許文献2には、例えば要約書に記載されているように、「被加熱物の検知温度上昇勾配での被加熱物の反り判定において、温度検知手段の温度が高い状態での誤判定をなくす」ために、「被加熱物(鍋)底の反りに影響を受ける第1の温度検知手段と受けない第2の温度検知手段の温度差によって被加熱物の反りを判定する第1の反り検知動作で用いる閾値を温度差の加熱開始からの最小値により決定することで、加熱開始時のトッププレートの温度に応じた反り判定ができるため、前回の加熱状態に影響されない反り判定ができる」技術が開示されている。また、特許文献2の段落0017では、「第1の温度検知手段は、トッププレートの下面に接するように設けられた温度検知素子の第1のサーミスタの抵抗値の変化により、温度測定を行っている。第1の温度検知手段は、被加熱物の反りによる熱伝達の変化に影響を受ける。第2の温度検知手段は、トッププレートの下面に接するように設けられ、かつ第1のサーミスタと比べて加熱コイルの外周側に設けられた温度検知素子の第2のサーミスタの抵抗値の変化により、温度測定を行っている。第2の温度検知手段は、被加熱物の反りによる熱伝達の変化に影響を受けない。」と記載されている。
すなわち、引用文献1,2は、サーミスタが検出する被加熱物(鍋)の温度に基づいて鍋の反りを検出する技術を開示している。
また、特許文献3には、例えば要約書に記載されているように、「調理容器が温度検知手段上に載置されていない場合には加熱を開始せずに、調理容器の過加熱を防止できるようにすること」を目的として、「赤外線センサの受光したエネルギーより調理容器の温度を換算する加熱制御部(温度検出手段)と、トッププレートを介して調理容器に向けて光を放射する発光手段と、発光手段が放射した光を赤外線センサが受光することにより調理容器の有無を判別する調理容器検出手段と、調理容器検出手段によって調理容器が検出されなかった場合、調理容器の加熱を停止または加熱電力量を抑制するように制御を行うようにする」技術が開示されている。また、特許文献3の段落0025では、「… 図5において、発光手段を発光させたときの赤外線センサの出力と発光手段を発光させないときの赤外線センサの出力の差が△Vが所定の値以上であれば調理容器検出手段は調理容器があると判定し加熱制御部に伝える。… 調理容器検出手段は発光手段を発光させたときの赤外線センサの出力と発光手段を発光させないときの赤外線センサの出力の差△Vが所定の値を下回っているときは調理容器がないと判定し操作部に設けられた容器なし表示を点灯させ使用者に報知する。…」と記載されている。
すなわち、特許文献3は、赤外線センサの受光量に応じて鍋の有無を判定する技術を開示している。
特開2008−262722号公報 特開2006−318660号公報 特開2008−27730号公報
薄い鍋底の鍋を強火で加熱したときには、鍋底が過加熱され、加熱中に鍋底が変形するという問題がある。特許文献1,2に記載の技術は、温度センサとしてサーミスタを用いることで鍋が予め反りを有している場合に、その反りを考慮した加熱制御を実現するものである。しかしながら、サーミスタは鍋底の熱が伝熱したトッププレート下の温度を接触検出することで鍋底の温度を間接的に観測するものであるため、応答速度が良くないという特徴がある。すなわち、サーミスタは、鍋底の変形を素早く検出するセンサとしては適さないという問題がある。このため、特許文献1,2に記載の技術では、薄い鍋底の鍋を強火で加熱したときの鍋底変形を素早く検出することができず、過加熱に起因する鍋底変形を防止することも困難であった。
本発明の第一の目的は、過加熱による鍋変形を監視することで過加熱を防止し、適切な火力制御を行うことができる誘導加熱調理器を提供することである。
また、特許文献3には、「発光手段を発光させたときの赤外線センサの出力と発光手段を発光させないときの赤外線センサの出力の差が△Vが所定の値以上であれば調理容器検出手段は調理容器があると判定」すると記載されているが、このような赤外光の反射で鍋の有無を判定する手法では鍋の有無を判定ができない鍋(例えば、反射が極端に小さな鍋底の黒い鍋)も多く販売されているので、特許文献3の鍋有無判定方法は実用的ではないという問題がある。
本発明の第二の目的は、赤外線センサによる鍋底温度検出位置に鍋底が黒い鍋を置かれたときであっても、この検出位置からの鍋ズレを検出することができ、鍋ズレの修正を使用者に促すことで、赤外線センサによる鍋底温度検出を的確に行い、これによって適切な火力制御を行うことができる誘導加熱調理器を提供することである。
上記課題は、鍋を載置するトッププレートと、該トッププレートの下方に設けられ、内周側コイルと外周側コイルで構成され前記鍋を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給回路と、前記内周側コイルと外周側コイルの間隙の下方に設けられた赤外線センサモジュールと、該赤外線センサモジュールの出力に基づいて前記鍋の温度を算出する温度検出回路と、該温度検出回路の出力に基づいて前記高周波電力供給回路を制御する制御回路と、加熱の設定、操作を行う操作部と、通電の状態を表示する表示部と、具備しており、前記赤外線センサモジュールは、前記鍋が放射する赤外線量に応じた信号を出力するサーモパイルと、該サーモパイルから出力される信号を増幅するアンプと、を一体にした熱型赤外線検出回路と、前記鍋に向けて赤外線を照射する赤外線発光素子と、前記鍋で反射した赤外線を受光する赤外線受光素子と、を備えた反射率検出回路と、を隣接して配置したものであり、前記制御回路は、前記加熱コイルのインダクタンス値が閾値以上である場合に前記操作部の操作を受付け設定された火力で前記鍋の加熱を開始するとともに、前記熱型赤外線検出回路で前記鍋の温度上昇を観測できるときに通常の加熱を続行するように、前記加熱コイルを制御するものであり、前記反射率検出回路の出力電圧が閾値より大きいときは、前記鍋の鍋底の異常変形が無いと判断して通常の加熱を行い、前記反射率検出回路の出力電圧が閾値以下のときは、前記鍋の鍋底が異常変形したと判断して加熱を停止するか火力を弱める誘導加熱調理器によって解決される。
本発明によれば、適切な火力制御を実現する誘導加熱調理器を提供することができる。
一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図。 一実施例の誘導加熱調理器の加熱コイル上面図。 一実施例の誘導加熱調理器の加熱コイル下面図。 一実施例の誘導加熱調理器の断面図。 一実施例の誘導加熱調理器の鍋加熱制御システムの機能ブロック図、および、赤外線検出モジュールの断面図。 従来の誘導加熱調理器の加熱コイル上面図。 従来の誘導加熱調理器の加熱コイルによる鍋加熱分布図。 一実施例の誘導加熱調理器のセンサ位置模式図。 一実施例の誘導加熱調理器のセンサ位置模式図。 一実施例の誘導加熱調理器の加熱コイルによる鍋加熱分布図。 フライパン持ち上げ時の鍋距離を示す図。 各温度における黒体の放射エネルギー特性および一実施例のトッププレートの赤外線透過特性グラフ。 一実施例の赤外線センサモジュール407の断面図。 一実施例の制御方法を示すフローチャート。 鍋底温度と熱型赤外線検出回路の出力,反射率検出回路の出力の関係を示す図。 鍋底の異常変形を検出した後の加熱コイル制御を示す図。
以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は誘導加熱調理器の外観斜視図である。まず、図1において、1は誘導加熱調理器の本体である。2は耐熱性の高い結晶化ガラスよりなるトッププレートで、本体1の上面に水平に配置され、鉄等の磁性体又はアルミ等の非磁性体よりなる鍋501等の金属負荷を載置するものである。このトッププレート2は、4μm以下の波長の赤外線を透過し、それより長い波長の赤外線をカットする光学特性を有する。図12(a)にこの光学特性を示す。3a〜3cは本体1の上部に配置された3つの加熱部で、トッププレート2上に載置された鍋501を誘導加熱する加熱コイルを各々の下方に有するものである。31a〜31cは鍋底が放射した赤外線をトッププレート2の下方に透過する赤外線透過領域である。尚、ここでは加熱部を3つとしたが、加熱部は1つまたは2つであっても良い。4は吸気口で、本体1の後部において上方に向けて開口しており、本体1内部の加熱コイルおよび制御部(図示せず)に冷却風を取り入れるものである。5は排気口で、本体1の後部において上方に向けて開口しており、本体1内部を冷却した排気を排出するものである。本実施例では、吸気口4を本体1後部の右側に、排気口5を左側に配置している。6は本体1の前面左部に設けられたグリル加熱部である。7a〜7cは本体1の上面側に設けられた操作部で、加熱部3a〜3cの加熱の設定,操作を行うものである。8a〜8cはトッププレート2の前面側上部に設けられ、出力制御基板(図示せず)と連動して加熱部3a〜3cの通電の状態を表示する表示部である。
図2は加熱領域3aの下方にある加熱コイル200近傍の上面図である。加熱コイル200は、同心円状の間隙Gを挟んで同一平面上に設けられた内周側加熱コイル201と外周側加熱コイル202で構成されており、同一方向の電流が両コイルに流れるように、同一巻き方向に巻回して巻かれ、内周側加熱コイル201の巻き終わりが、外周側加熱コイル202の巻き始めとなるように同一巻き線で間隙Gを架橋している。そして内周側加熱コイル201の巻き始めと外周側加熱コイル202の巻き終わりが後述する高周波電力供給回路に接続される。
本実施例において、内周側加熱コイル201はコイル中心からの距離約30〜45mmに設けられているものとし、外周側加熱コイル202はコイル中心からの距離約55〜90mmに設けられているものとする。また、203は加熱コイル200を保持するコイルベース、204はコイル中心からの距離45〜55mmに設けられた赤外線センサモジュールの検出エリアで、鍋底から放射される赤外線を、後述する赤外線センサモジュール407に導くエリアである。なお、本実施例では赤外線センサモジュールの検出エリア204の大きさを直径約10mmとする。205〜208はトッププレート2の下面の温度を測定するサーミスタ(接触式温度センサ)である。
図3はコイルベース203の下面図である。図3において、301〜312は放射状に設けられたフェライトコアで、内周側加熱コイル201および外周側加熱コイル202で生じた磁界をトッププレート2上の鍋に効率的に入力するためのものである。なお、フェライトコア301と302の間のピッチは、赤外線センサモジュールの検出エリア204を設けるため、他のフェライトコアのピッチより大きくしてある。
図4は図1のA−A′面の本体断面図である。図4において、401は冷却ファン、402は冷却ファン401を駆動するモーター、403〜405は加熱コイル200に高周波電力を供給する高周波電力供給回路、406は冷却ファン401により吸引され加熱コイルを冷却する冷却風の流れを表す矢印、407は赤外線センサモジュールである。コイルベース203はバネ(図示せず)によりトッププレート2の下面に密着されている。
図5は、鍋加熱制御システムを示す機能ブロック図である。図5において、501は被加熱物である鍋、502は赤外線センサモジュール407とサーミスタ205〜208の出力に基づいて鍋501の温度を算出する温度検出回路、26は赤外線センサモジュール407の出力に基づいて鍋501の放射率を算出する放射率算出回路、503は温度検出回路502が算出した温度を放射率算出回路26の出力に基づいて補正し、補正した温度に応じて高周波電力供給回路405を制御し加熱コイル200に供給する電力を制御する制御回路である。また、508は、鍋501が放射する赤外線を下方の赤外線センサモジュール407に導くとともに、加熱コイル200から放射される赤外線が赤外線センサモジュール407に入射されるのを防ぐ導波管である。
次に、本実施例の動作を説明する。ユーザーがトッププレート2上に鍋501を置き、操作部7aを操作して加熱を開始すると、制御回路503が高周波電力供給回路405を制御して加熱コイル200に所定の電力を供給する。加熱コイル200に高周波電流が供給されると、加熱コイル200から誘導磁界が発せられ、トッププレート上の鍋に渦電流が発生し誘導加熱される。この誘導加熱によって鍋の温度が上昇し、鍋内の調理物が調理される。
一般に物体は、その温度に応じて自ら赤外線を放射する。この赤外線の強さは、物体の温度が上昇すればそれに伴って増大する。そのため、赤外線センサモジュールを用いて鍋が放射する赤外線量を測定すれば、鍋の温度を瞬時に計測できる。
ここで問題になるのは、加熱コイルを用いて誘導加熱を行うと、鍋底の温度が均一とならないため、赤外線センサモジュールを用いても鍋底の最高温度を正確に計測することができない場合がある。図6,図7を用いて、従来の誘導加熱調理器における赤外線センサによる温度計測を説明する。図6は従来の加熱コイル近傍の上面図であり、601はコイル中心から約36mm〜約88mmの距離で形成された一体化構成の加熱コイル、602はコイル中心から約15mmの位置に設けられた赤外線センサモジュールの検出エリアである。図7は、加熱コイル601を用いて、底の厚みが比較的薄いステンレス製鍋を高火力で加熱し、鍋底表面温度の最高点が約360℃(てんぷら油の発火温度)に達した時点での温度分布を、コイル中心からの距離10mmピッチで測定したものである。図7から分かるように、鍋底の最低温度は中心付近の約30℃であり、鍋底の最高温度はコイル中心からの距離50〜70mm付近の約350〜360℃である。つまり、最低温度と最高温度の温度差は約330度である。これは、一体化コイル601がドーナッツ形状をしており、このコイル上の磁束密度はコイル巻き幅の中心で最も大きく、内周および外周側で低くなるためである。このため加熱コイル巻き幅中央上の鍋の部分が最も渦電流が大きく、温度上昇が大きいが、加熱コイルがない中心部では、渦電流が小さいため、温度上昇が小さいためである。そして、コイル中心から約15mmの位置に設けられた従来の赤外線センサモジュールの検出エリア602では、約60℃という鍋底温度しか観測することができなかった。すなわち、最高温度と観測温度の温度差は約270℃にも達していた。
本実施例の誘導加熱調理器では、従来加熱コイルをほぼ巻き幅中央で二つに分割し、この間隙位置すなわち鍋底温度が最高になるコイル中心からの距離50〜70mm位置での鍋底温度を測定する。すなわち、図2に示すように、加熱コイルを内周側加熱コイル201と外周側加熱コイル202に分割し、コイル中心から50mmの距離に赤外線センサモジュールの検出エリア204を設けた。検出エリア204をコイル中心から50mmの距離に設けたのは、鍋底温度が最高になるコイル中心からの距離50〜70mm位置に含まれる位置であると同時に、図8に示すように、使用頻度の高い鍋のうち最も直径の小さい直径120mmの小径鍋を加熱するときであっても、鍋底が完全に赤外線センサモジュールの検出エリア204の上を覆うことができ、鍋底の温度を測定できる位置だからである。
図10は、加熱コイル200を用いて、底の厚みが比較的薄いステンレス製鍋を高火力で加熱し、鍋底表面温度の最高点が約360℃(てんぷら油の発火温度)に達した時点での温度分布を、コイル中心からの距離10mmピッチで測定したものである。図10から分かるように、鍋底の最低温度は中心付近の約50℃であり、鍋底の最高温度はコイル中心からの距離70mm付近の約360℃である。検出エリア204が設けられた、コイル中心から約50mmの位置で観測される鍋底温度は約320℃である。すなわち、本実施例の構成を用いれば、最高温度と観測温度の温度差をわずか約40℃にでき、観測温度に基づく火力制御も好適に行うことができる。
なお、図2に示す内周側加熱コイル201と外周側加熱コイル202の間隔Gが広いと、検出エリア204上の鍋底温度が低下するため、間隔Gは狭いほどよいが、間隔Gを狭くしすぎると検出エリアも狭くなり、鍋底から放射される赤外線を十分補足することができない。従って、間隔Gをある程度大きく10〜20mm程度に設定するのが望ましく、本実施例では間隔Gを15mmと定めた。
また、図3に示すように、検出エリア204隣のフェライトコア301の隣にサーミスタ205を設置し、サーミスタ205〜207で略正三角形を形成するようにサーミスタ206,207を配置し、この略正三角形の中心にサーミスタ208を配置した。これにより、図9に示すように、直径120mmの鍋底がコイル加熱範囲である直径200mmの円の範囲で移動しても、必ず鍋底の下に複数のサーミスタがあるので、鍋底の温度検知は可能となる。なお、鍋底の下に赤外線センサモジュールの検出エリア204上が無い場合は、高火力入力は行わず、比較的ゆっくりした加熱制御を行う。
また、図11に示すように、ユーザーがフライパン等を使って調理する場合、フライパン111を傾ける場合があるが、この場合、フライパン111の手前側(操作部側)を持ち上げる動作がほとんどである。本実施例では、赤外線センサモジュールの検出エリア204がコイル中心より操作部側の反対側にあるため、トッププレートとフライパン111の距離Hが短くなるので、多少の持ち上げ時でも正確に鍋底温度を測定できる。
次に、図13を用いて、赤外線センサモジュール407の詳細を説明する。図13(a)は、赤外線センサモジュール407近傍の断面図であり、図13(b)は、赤外線センサモジュール407を上方から見た平面図である。
図13(a)に示すように、赤外線センサモジュール407は、樹脂ケース16と、樹脂ケース16の上方に設けられた開口部14と、樹脂ケース16の外殻を、開口部14を除いて覆う防磁ケース13と、開口部14に設けられた窓材15と、樹脂ケース16の内部に設けられた熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132,プリント配線板27を備えている。
樹脂ケース16の開口部14は窓材15によって封鎖されているので、赤外線センサモジュール407内部の熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132には冷却風が直接当たることはない。すなわち、この構成により、冷却風が熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132に与える影響を低減している。
また、樹脂ケース16を熱伝導率の低い樹脂で構成することによって、赤外線センサモジュール407内部の温度が急激に変化するのを防止している。すなわち、この構成により、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132の温度が伝熱によって急変化するのを防止している。
さらに、高温となったトッププレート2,加熱コイル200などから発せられる昇温効果の高い波長の赤外線(4μm以上)をカットする光学特性を窓材15に持たせることによって、昇温効果の高い波長の赤外線が赤外線センサモジュール407内部に進入するのを防止している。すなわち、この構成により、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132の温度が昇温効果の高い波長の赤外線によって急変化するのを防止している。なお、本実施例では、トッププレート2の赤外線透過特性と窓材15の赤外線透過特性を同一とした。
さらに、防磁ケース13を非磁性体のアルミ製にすることによって、赤外線センサモジュール407内部に侵入する電磁気的ノイズを低減し、防磁ケース13が受ける輻射熱を放熱しやすい構成とした。
このような構成を採ることにより、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132は、冷却風,周辺温度の急激な変化,昇温効果の高い波長の赤外線の影響,電気的なノイズの悪影響を小さくすることができ、調理温度150から300℃の広い温度範囲において、精度の高い信号を出力することができ、鍋501の温度を正確に測定することができる。
次に、赤外線センサモジュール407における信号検出を説明する。鍋501の底面から放射される赤外線は、放射赤外線視野範囲である経路30(トッププレート2,導波管508,窓材15)を介して、熱型赤外線検出回路131に届く。また、反射率検出回路132が発光する赤外線は、経路29の往路(窓材15,導波管508,トッププレート2)を介して鍋501に届き、鍋501で反射した赤外線は、経路29の復路(トッププレート2,導波管508,窓材15)を介して反射率検出回路132に戻る。つまり、熱型赤外線検出回路131にも、反射率検出回路132にも、トッププレート2,窓材15の両方を経由した赤外線が届くことが分かる。
窓材15,赤外線透過部材507の赤外線透過特性は、トッププレート2と同一なので、鍋501が放射した赤外線のうち、トッププレート2を透過した短い波長の赤外線は、窓材15,赤外線透過部材507も透過する。一方、トッププレート2でカットされた長い波長の赤外線は、窓材15,赤外線透過部材507でもカットされる。窓材15には、鍋501からの伝熱で高温になったトッププレート2の下面から放射された赤外線も届くが、この赤外線の大部分は窓材15でカットされる長い波長の赤外線であるので、トッププレート2が放射する赤外線の大部分は窓材15でカットされる。すなわち、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132に届く赤外線にはトッププレート2が放射する赤外線の大部分が届かないので、トッププレート2が放射する赤外線に起因する、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132が出力信号の劣化を防止できる。
次に、熱型赤外線検出回路131を詳細に説明する。熱型赤外線検出回路131は、トッププレート2と同一の素材をレンズ形状に加工した赤外線透過部材507と、鍋501の底面から放射される赤外線を検知するサーモパイル12と、サーモパイル12の出力を増幅するアンプ21で構成されている。サーモパイル12に届く赤外線エネルギーは微弱であるが、サーモパイル12とアンプ21を一体化することで、サーモパイル12,アンプ21間での電磁気的ノイズ混入を低減できる。そして、ノイズの混入の少ない信号をアンプ21で5000〜10000倍に増幅した後に出力することで、S/N比の良い信号を熱型赤外線検出回路131から出力している。
ここで、サーモパイル12の原理について説明する。サーモパイル12は受光した赤外線のエネルギーに比例した電圧を出力するもので、熱電対を一点に集めたものである。このため、鍋の温度が上昇すると鍋底からの赤外線放射強度も強くなり、サーモパイル12が受光する赤外線エネルギー量が増え、サーモパイル12の出力信号電圧が高くなる。
図12(a)にプランクの分布則から算出される25から300℃の黒体温度の分光放射エネルギーを示す。この分光放射エネルギーを全波長域で積分すれば、全放射エネルギーWが求まり、これは温度(絶対温度)の4乗に比例する。これが(1)式のステファン・ボルツマンの法則である。
誘導加熱された鍋底は、黒体温度の全放射エネルギーWに鍋底の放射率εを乗じた全放射エネルギーを温度に応じて放出する。すなわち黒体温度の全放射エネルギーWと鍋底温度のそれ(W′=εσT4)との比が放射率εである。すなわち、サーモパイル12を用いて単位面積当たりの放射量Wを知ることができれば、式1に基づいて放射物体の絶対温度を算出できる。
W=(2π5κ4/15c23)×T4=σT4 (式1)
W:単位面積当たりの放射量(W/cm2・μm)
κ:ボルツマン定数=1.3807×10-23(W・s/K)
c:光速度=2.9979×1010(cm/s)
h:プランク定数=6.6261×10-34(W・s2
σ:ステファン・ボルツマン定数=5.6706×10-12(W/cm2・K4
T:放射物体の絶対温度(K)
次に、反射率検出回路132を詳細に説明する。反射率検出回路132は、赤外線発光素子19と赤外線受光素子20で構成されている。赤外線発光素子19は、例えば、発光波長930nmの赤外線LEDである。赤外線受光素子20は、例えば、ピーク感度波長が800nmであって、波長930nmにおける感度がピーク感度の80%のフォトトランジスタである。赤外線発光素子19が発光した赤外線は、経路29を通り、鍋501で反射し、赤外線受光素子20に戻る。赤外線受光素子20では、受光した赤外線量に比例した電圧が発生し、電圧値から受光した赤外線量を知ることができる。つまり、反射率検出回路132は、赤外線発光量と赤外線受光量の比から鍋501の反射率ρを検出することができる。なお、赤外線発光素子19の発光波長として930nmを採用したのは、トッププレート2,窓材15,赤外線透過部材507を透過する波長の赤外線であるとともに、鍋501が放射する赤外線にほとんど含まれない波長の赤外線だからである。図12(a)に各温度の黒体の分光放射エネルギー、同図(b)にトッププレート2の透過特性を示す。従って、赤外線受光素子20が受ける930nmの赤外線は鍋501で反射した赤外線であると判断でき、この赤外線に基づいて鍋501の反射率を正確に検出することができる。
ここで、反射率検出回路132が求めた反射率に基づいて放射率算出回路26が放射率を算出する方法を説明する。温度Tの金属物質の表面から放射される赤外線エネルギー(W=εσT4)の放射率εと表面の反射率ρの間にはキルヒホフの法則により式2が成立する(但し、透過率α=0とする)。すなわち、鍋501の反射率ρを知ることができれば、式2を変形した式3に基づいて、鍋501の放射率εを算出できることが分かる。
ε+ρ=1 (式2)
ε=1−ρ (式3)
放射率εが異なる場合、同じ温度であっても、放射する赤外線エネルギーが異なるので、熱型赤外線検出回路131内のサーモパイル12が検出した赤外線エネルギーからは鍋501の温度を一義的に求めることができないという問題がある。この問題を解消するため、制御回路503は、温度検出回路502が算出した鍋底の温度を、放射率算出回路26が算出した放射率εを用いて補正することで、反射率ρが異なる鍋501を用いたときであっても、適切に鍋底温度を検出する。従って、制御回路503は、放射率εを用いて補正した鍋底温度に基づいて加熱コイル200に供給する電力を好適に制御することができる。
また、図13(b)に示すように、熱型赤外線検出回路131に含まれるサーモパイル12と反射率検出回路132に含まれる赤外線発光素子19,赤外線受光素子20を同一のプリント配線板27上に隣接させて配置した。鍋底が汚れている場合は、同じ鍋であっても場所によって赤外線の反射率,放射率が大きく異なる。本実施例では同一のプリント配線板27上に熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132を設けたので、サーモパイル12が温度を観測した鍋底近傍の反射率と放射率を求めることができ、制御回路23はこの放射率を用いた適切な温度補正を行うことができる。また、プリント配線板27上の素子を位置調整する必要がないので、誘導加熱調理器の組立効率を高めることもできる。
以上で説明した、本実施例の誘導加熱調理器によれば、鍋底の最高温度近傍の温度を検出することができ、反射率に基づく検出温度の補正も適切に行うことができる。また鍋底温度検出と同時に反射率検出も行うことができる。そしてこの反射率検出を用いて、後述する過熱による鍋変形の検出も行うことができる。さらに、赤外線センサへの温度変化を低減できるとともに、電磁気的なノイズも低減し、正確に鍋温度を検出すること、すなわち正確に検出した温度を用いて加熱の制御を行うことができるので、上手に調理をすることが可能となる。
続いて、本実施例の誘導加熱調理器の具体的な制御を、図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施例では、使用者が加熱操作をスタートされたら、制御回路503は、一定周期例えば1秒ごとに、温度検出回路502を介して熱型赤外線検出回路131の出力及び放射率算出回路26を介して反射率検出回路132の出力を読み込み制御を行うとして説明する。
まず、操作部7aを操作して電源をONする(S1)。その後、制御回路503は、加熱コイルのインダクタンス値を監視し、インダクタンス値が閾値以上であるかを判断する(S2)。周知のようにコイル近傍に金属特に磁性体を配置するとコイルのインダクタンスは増加する。この原理で加熱コイル上に鍋が戴置されているかどうかをまず判断する。インダクタンス値が閾値より小さい場合には、鍋501が載置されておらずこれを誘導加熱できないと判断し(S3)、使用者が加熱操作をした場合であってもその命令を受け付けない(S4)。一方、インダクタンス値が所定の値より大きい場合は、鍋501が載置されていると判断し、加熱操作を受け付ける(S5)。
そして、使用者が実際に加熱操作をしたときには加熱コイル200に所定の電力を供給し鍋501に対する誘導加熱を開始する(S6)。
次に、熱型赤外線検出回路131内のサーモパイル12で鍋501の温度上昇が観測できるかを確認する(S7)。
サーモパイル12で温度上昇が観測できないときは、赤外線透過領域31a上に鍋が存在しない、つまり、鍋ズレが大きく鍋底温度をサーモパイル12で検出できないと判断できるので(S8)、表示部8aに鍋ズレが大きいこと、または、鍋位置の修正指示を表示し(S9)、使用者に鍋ズレの修正を促す。所定時間経過しても鍋ズレが修正されない場合は、鍋の過加熱を防止するため、加熱を停止するか、火力を弱める。一方、サーモパイル12で温度上昇が観測できるときは、赤外線透過領域31a上に鍋が存在する、つまり、鍋ズレが小さいと判断できるので(S8)、通常の加熱を続行する。このように鍋のズレの大きさを判断することで、過加熱を防止した適切な加熱制御を行うことができる。
なお、鍋ズレを判別するときに照度センサを使う方法も考えられるが、サーモパイル12を用いることで、次の利点がある。第一の利点として、本体1外部から赤外線透過領域31aを介して受光する光の有無を照度センサで検出し、その受光量が閾値以下のときに鍋501があると判断する方法と比較した場合の利点を説明する。このように照度センサを使うと、例えば夜間など、本体1の周囲が暗い環境であるときには、誤った判断をしてしまう場合がある。具体的には、明るい環境下(約1000ルクス)で、赤外線透過領域31a上に鍋501がないときの照度センサの出力電圧は5V(大)、鍋501があるときの出力電圧は0.1V以下(小)であるのに対し、暗い環境下(約50ルクス)では、鍋501がないときであっても、照度センサ(赤外線受光素子20)の出力電圧は0.1V(小)に留まる。つまり、出力電圧が小さい原因が、鍋501があるせいなのか、暗い環境のせいなのか、を適切に区別することができない。一方、鍋自身が放射する波長の赤外線の有無により鍋の有無を判断する本実施例の方式では、本体1外部の明るさにかかわらず、鍋の有無を正確に判断でき、鍋の有無に応じた適切な制御をすることができる。
第二の利点として、赤外線発光素子19が発光する赤外線の反射光を赤外線受光素子20が受光し、その受光量が閾値以上のときに鍋501があると判断する方法と比較した場合の利点を説明する。このように赤外線受光素子20を使うと、例えば鍋底が黒い鍋など、鍋底の反射率が低く赤外線受光素子20が受光する反射光量が少ないときには、鍋501がないと誤った判断をしてしまう場合がある。具体的には、赤外線透過領域31a上に鏡面処理された鍋501があるときの赤外線受光素子20の出力電圧は2V(大)であり、鍋501がないときの赤外線受光素子20の出力電圧は0.5V(小)であるのに対し、赤外線透過領域31a上に鍋底の黒い鍋501があるときの赤外線受光素子20の出力電圧は0.55V(小)に留まる。つまり、出力電圧が小さい原因が、鍋501がないせいなのか、鍋501の鍋底が黒い(反射率小=放射率大(赤外線の大部分を吸収してしまう))せいなのか、を適切に区別することができない。一方、鍋自身が放射する波長の赤外線の有無により鍋の有無を判断する本実施例の方式では、鍋底の状態にかかわらず、鍋の有無を正確に判断することができ、鍋の有無に応じた適切な制御をすることができる。
続いて、鍋底の変形の検出方法について説明する。まず、図15に、鍋底の薄い(例えば0.8mm)鍋501を加熱コイルに2kWの電力を供給して急激に加熱したときの、熱型赤外線検出回路131,反射率検出回路132が検出する信号の大きさと赤外線透過領域31aの真上の鍋底温度との関係を示す。ここに示すように、鍋底温度の上昇に伴い熱型赤外線検出回路131の出力電圧は増加するが、反射率検出回路132の出力電圧は低下する。図中破線で示すように厚手の鍋(例えば2mm)では反射率検出回路132の出力は加熱中に変化することはない。反射率検出回路132の出力電圧が低下する原因は、急激な加熱による鍋底の変形に伴い赤外線発光素子19が発光した赤外線のうち、赤外線受光素子20に戻る赤外線量が減るからであり、これを原因とする赤外線量の減少は鍋底変形の影響が直ちに反映されたものとなる。すなわち、反射率検出回路132の出力を観測することで、鍋底の変形を直ちに検出することができる。図15では、反射率検出回路132の出力電圧が0.8Vまで低下したときに鍋底の異常変形であると判断し、加熱を停止することで、変形した鍋の過加熱を防止している。
図15で説明した動作を、図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、反射率検出回路132の出力電圧が所定の閾値(例えば0.8V)まで低下したかを判断する(S11)。反射率検出回路132の出力電圧が閾値以下となった場合は、鍋底が異常変形したと判断し(S12)、加熱を停止する(S13)。なお、図16に示すように、加熱の停止の後、所定時間経過後に鍋底の変形が復帰した場合には、加熱コイル200に供給する電力を間欠的に制御するなどして鍋底温度を低く保つ保温動作を行う。そして、調理が終了するまでS11〜S13で説明した制御を続行する(S14)。一方、反射率検出回路132の出力電圧が閾値以下とならなかった場合は、鍋底の異常変形がないと判断し、通常加熱を続行する(S15)。そして、調理が終了するまでS11,S15で説明した制御を続行する(S16)。
図14のS13および図16では、鍋底の変形を検出したときに加熱を停止し、鍋変形が復帰したときに保温動作を開始したが、これに代え、鍋変形を検出したときに直ちに火力を弱め保温動作を開始しても良いし、鍋変形が復帰しないときには、加熱を強制的に停止し使用者に警告を発しても良い。
なお、鍋の反りを判別する方法として、サーミスタを用いる方法が知られているが、サーミスタは鍋底の温度をトッププレートを介して測定するものであるため、トッププレートの下面に熱が伝わる前に鍋底の温度を検出することができない。従って、サーミスタを用いて加熱による鍋底の異常変形を検出するのは、異常変形した後の長時間を過加熱状態に放置することに等しく、適切な温度制御を行っているとは言い難いのに対し、本実施例のように反射率検出回路132を用いると、鍋底の異常変形を直ちに判別することができ、異常変形を抑制するための適切な加熱制御を実現することが容易となる。
以上で説明した本実施例の誘導加熱調理器によれば、鍋の載置位置のズレや、加熱による鍋底の異常変形を正確に検出することができ、それに応じた適切な火力制御ができるので、鍋の過加熱を防止することができる。
なお、図14では、鍋の有無を判断するためのS2と、鍋の変形を判断するためのS11の両方を備えたフローチャートを説明したが、必ずしもこれらの両方の判断を行う必要はなく、鍋の有無を判断するS2に関連するステップを省略しても良いし、鍋の変形を判断するS11に関連するステップを省略しても良い。前者の場合は、鍋の変形に応じた適切な火力制御をすることができるし、後者の場合は、鍋の有無に応じた適切な火力制御をすることができる。
1 本体
2 トッププレート
3a〜3c 加熱部
4 吸気口
5 排気口
6 グリル加熱部
7 操作部
8 表示部
11 風路
12 サーモパイル
13 防磁ケース
14 開口部
15 窓材
16 樹脂ケース
17 サーミスタ
18 冷却風
19 赤外線発光素子
20 赤外線受光素子
21 アンプ
23,503 制御回路
26 放射率算出回路
27 プリント配線板
131 熱型赤外線検出回路
132 反射率検出回路
200 加熱コイル
201 内周側加熱コイル
202 外周側加熱コイル
203 コイルベース
205〜208 サーミスタ
301〜312 フェライトコア
403〜405 高周波電力供給回路
407 赤外線センサモジュール
501 鍋
502 温度検出回路
508 導波管

Claims (3)

  1. 鍋を載置するトッププレートと、
    該トッププレートの下方に設けられ、内周側コイルと外周側コイルで構成され前記鍋を加熱する加熱コイルと、
    該加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給回路と、
    前記内周側コイルと外周側コイルの間隙の下方に設けられた赤外線センサモジュールと、
    該赤外線センサモジュールの出力に基づいて前記鍋の温度を算出する温度検出回路と、
    該温度検出回路の出力に基づいて前記高周波電力供給回路を制御する制御回路と、
    加熱の設定、操作を行う操作部と、
    通電の状態を表示する表示部と、
    を具備しており、
    前記赤外線センサモジュールは、
    前記鍋が放射する赤外線量に応じた信号を出力するサーモパイルと、該サーモパイルから出力される信号を増幅するアンプと、を一体にした熱型赤外線検出回路と、
    前記鍋に向けて赤外線を照射する赤外線発光素子と、前記鍋で反射した赤外線を受光する赤外線受光素子と、を備えた反射率検出回路と、
    を隣接して配置したものであり、
    前記制御回路は、
    前記加熱コイルのインダクタンス値が閾値以上である場合に前記操作部の操作を受付け設定された火力で前記鍋の加熱を開始するとともに、前記熱型赤外線検出回路で前記鍋の温度上昇を観測できるときに通常の加熱を続行するように、前記加熱コイルを制御するものであり、
    前記反射率検出回路の出力電圧が閾値より大きいときは、前記鍋の鍋底の異常変形が無いと判断して通常の加熱を行い、
    前記反射率検出回路の出力電圧が閾値以下のときは、前記鍋の鍋底が異常変形したと判断して加熱を停止するか火力を弱めることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
    前記反射率検出回路の出力電圧が閾値以下となり、加熱を停止するか火力を弱めた後、
    前記反射率検出回路の出力電圧が閾値より大きくなったときには、通常の加熱を再開することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の誘導加熱調理器において、
    前記制御回路は、前記熱型赤外線検出回路で前記鍋の温度上昇を観測できないときには、前記鍋のズレが大きいと判断して前記表示部に、前記鍋のズレが大きいこと、または、鍋位置の修正指示を表示することを特徴とする誘導加熱調理器。
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