JP5285644B2 - 過電流保護回路、スイッチングレギュレータ、スイッチングアンプ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されているスイッチングレギュレータでは、スイッチングレギュレータのドライバトランジスタの出力電圧を基準電圧と比較し、ドライバトランジスタの出力電圧が基準電圧を下回った場合に過電流が発生したと判断し、ドライバトランジスタをオフしている。特許文献1に記載されたスイッチングレギュレータは、MOSトランジスタのオン抵抗の電源電圧や温度に対するばらつき、あるいはMOSトランジスタの製造上のばらつきによって検出電圧がばらつく。このため、過電流の検出精度を充分高めることができないという課題があった。
さらに、特許文献1に記載された発明、特許文献2に記載された発明のいずれにあっても、過電流の発生を検出するために設定された基準値が固定されている。しかしながら、過電流保護回路を様々な被保護回路に適用する場合、過電流であると判定される電流のしきい値(以降、基準電流値と記す)は被保護回路に供給される電源電圧値によって相違する。この点を、以下に説明する。
本発明は、このような点に鑑みて行われたものであって、被保護回路の出力レベル(電源電圧)に応じて適正な基準電流値を設定し、被保護回路の最大出力レベルの動作を確保しながら、中、低レベルのショートをも確実に検出して被保護回路を停止させることにより、被保護回路の動作を阻害することなく、被保護回路を保護できる過電流保護回路、スイッチングレギュレータ、スイッチングアンプを提供することを目的とするものである。
請求項3に記載の過電流保護回路は、請求項1または2のいずれか1項において、前記電流・電圧変換手段は、前記基準電流がソース、ドレイン間に流される基準電圧生成MOSトランジスタ(例えば、図2に示したPMOSトランジスタ43、図3に示したNMOSトランジスタ430)であることを特徴とする。
請求項5に記載のスイッチングレギュレータは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の過電流保護回路を備えることを特徴とする。
請求項6に記載のスイッチングアンプは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の過電流保護回路を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、電流・電圧変換手段として被保護回路と同じMOSトランジスタを用いているので、被保護回路の温度特性に合わせて基準電流を変換した基準電圧値を設定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、高出力の動作が阻害されることなく、被保護回路を保護できるスイッチングレギュレータを提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、高出力の動作が阻害されることなく、被保護回路を保護できるスイッチングアンプを提供することができる。
図1は、本実施形態の過電流保護回路と被保護回路とを含む回路の全体を示した図である。図示した回路は、駆動回路1と、この駆動回路1によって駆動される被保護回路2と、被保護回路2に過電流が発生したことを検出し、駆動回路1に通知する過電流検出回路3を含んでいる。被保護回路2は、スイッチング回路を構成するPMOSトランジスタ21、NMOSトランジスタ22を有し、被保護回路2に接続される負荷を動作させるために間欠的にスイッチオン、オフを繰り返す。
(1)PMOS用検出回路の構成
図2は、図1に示したPMOS用検出回路31をより詳細に説明するための図である。PMOS用検出回路31は、過電流検出部4、制御部5、電流発生部6によって構成されている。過電流検出部4、制御部5、電流発生部6は、いずれも被保護回路2の正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとに接続されている。
電流発生部6は、電流源61、NMOSトランジスタ62、63を有し、一定の電流値の電流を生成する。なお、本実施形態では、電流発生部6によって発生される一定の値の電流を定電流Irefと記す。
インバータ53は、PMOSトランジスタ51に印加されるゲート電圧を反転させてPMOSトランジスタ52に印加する。
図3は、図1に示したNMOS用保護回路32をより詳細に説明するための図である。図3において、図2に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
NMOS用保護回路32は、過電流検出部40、制御部50、電流発生部60によって構成されている。過電流検出部40、制御部50、電流発生部60は、いずれも被保護回路2の正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとに接続されている。
電流発生部60は、電流源61、PMOSトランジスタ620、630を有し、定電流Irefを生成する。
図4は、NMOSトランジスタ46のチャネル長変調効果を説明するための図である。図4において、縦軸はソース、ドレイン間に流れる電流Idsnを示している。また、横軸は、NMOSトランジスタ46のソース、ドレイン間にかかる電圧Vdsnを示している。図中に示すp1は正電源電圧VDDが2.5Vのときの電流Idsn、p2は電源電圧VDDが3.6Vのときの電流Idsn、p3は正電源電圧VDDが5.2Vのときの電流Idsnである。
このような本実施形態によれば、被保護回路の正電源電圧VDDが大きい場合には比較的大きな電流の発生を許容して被保護回路を最大出力で動作させることができる。また、被保護回路の正電源電圧VDDが小さい場合には比較的小さな電流の発生を確実に検出し、ハーフショートから被保護回路を確実に保護することができる。
図5(a)〜(j)は、図1、図2に示したPMOS用検出回路31、NMOS用検出回路32の動作を説明するための図である。図5(a)は図1に示したドライバ回路13によって印加されるPMOSトランジスタ21のゲート電圧(PGATE)を示している。過電流が検出されると、PGATEがハイレベルになり(図5(a)中に矢線で示す)、PMOSトランジスタ21が停止される。
また、図5(b)は図1に示したドライバ回路13によって印加されるNMOSトランジスタ22のゲート電圧(NGATE)を示している。過電流が検出されると、NGATEがローレベルになり(図5(b)中に矢線で示す)、NMOSトランジスタ22が停止される。
図5(g)は、図2に示したNMOSトランジスタ22の観測電圧VMON_Nを示している。NMOSトランジスタ22の観測電圧VMON_Nが、図5(f)に示す基準電圧VREF_Nに達すると、過電流が発生したと判定される。図5(h)は図1に示した過電流状態信号DETPを示し、図5(i)は図1に示した過電流状態信号DETNを示している。図5(j)は、ラッチ回路33、34をリセットするリセット信号RSTを示す。図5(j)によれば、ラッチ回路33、34の信号の保持状態は、リセット信号RSTの遷移のタイミングでリセットされることが分かる。
図6(a)、(b)は、以上説明した本実施形態の過電流保護回路によって得られる効果を説明するための図である。図6(a)は、PMOSトランジスタ21のPGATE、ノードOUTに出力される電圧値を示している。図6(a)の縦軸は基準電流を示し、横軸は被保護回路の電源電圧を示している。
電源電圧が2.5V(横軸にdで示す)に対応する基準電流値はIdである。電源電圧が3.6V(横軸にeで示す)に対応する基準電流値はIeである。電源電圧が5.2V(横軸にfで示す)に対応する基準電流値はIfである。
本実施形態によれば、電源電圧に応じて基準電流を設定することができるので、比較的高い電源電圧が適用される場合にも、出力制限されることなく最大出力で被保護回路を動作させることができる。また、比較的低い電源電圧が適用される場合にも、ハーフショートのような低レベルのショートから被保護回路を保護することができる。
図7(a)、(b)は、以上述べた本実施形態の過電流保護回路が適用された機器を示した図である。図7(a)は、被保護回路であるPMOSトランジスタ21、NMOSトランジスタ22を含むスイッチングアンプ72を示している。本実施形態のPMOS用検出回路31、NMOS用検出回路32は、スイッチングアンプ72に含まれるPMOSトランジスタ21、NMOSトランジスタ22の保護回路に適用されている。また、スイッチングアンプ72は、スピーカ71と接続されて、スピーカ71を駆動している。
また、本適用例では、電源電圧の電圧値の増加対して基準電流も増加の関係にあったが、目的に応じて検出した基準電流値を演算して、電源電圧の電圧値の増加に対して基準電流値を減少の関係などに設定してもよい。
2 被保護回路
3 過電流検出回路
4、40 過電流検出部
5、50 制御部
6、60 電流発生部
11 PWM回路
12、35 ゲート回路
13 ドライバ回路
21、42、43、51、52、420、460、620、630 PMOSトランジスタ
22、44、45、46、47、62、63、430、510、520 NMOSトランジスタ
31 PMOS用検出回路
32 NMOS用検出回路
33、34 ラッチ回路
41 比較器
53 インバータ
61 電流源
72 スイッチングアンプ
73 スイッチングレギュレータ
Claims (6)
- 任意の電圧値の電源電圧が供給されて動作する被保護回路を保護する過電流保護回路であって、
前記被保護回路に供給されている電源電圧の電圧値に追従して変化する基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
前記被保護回路に流れている電流によって変化する電圧値を、前記基準電圧と比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記被保護回路の動作を停止させる動作停止手段と、
を備え、
前記基準電圧生成手段は、
一定の電流を生成する定電流生成手段と、
前記定電流生成手段が生成した前記定電流がミラーされる基準電流生成MOSトランジスタと、
前記基準電流生成MOSトランジスタによって生成された基準電流を電圧に変換して前記基準電圧を生成する電流・電圧変換手段と、を備え、
前記基準電流生成MOSトランジスタは、ソース、ドレイン間電圧が電源電圧の電圧値に追従して変化することを特徴とする過電流保護回路。 - 前記基準電流生成MOSトランジスタは、前記被保護回路の電源電圧に対応する電圧値がソース、ドレイン間に印加され、前記定電流生成手段によって生成された前記定電流を前記ソース、ドレイン間に流すことにより、前記電源電圧に応じた値の基準電流を生成することを特徴とする請求項1に記載の過電流保護回路。
- 前記電流・電圧変換手段は、前記基準電流がソース、ドレイン間に流される基準電圧生成MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1または2に記載の過電流保護回路。
- 前記動作停止手段は、前記被保護回路を駆動するドライバに対し、前記被保護回路を停止するように指示する保護信号の出力を保持するラッチ回路を含み、
前記ラッチ回路は、その保持状態が所定周期でリセットされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の過電流保護回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過電流保護回路を備えることを特徴とするスイッチングレギュレータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過電流保護回路を備えることを特徴とするスイッチングアンプ。
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