JP5285640B2 - エレベータ - Google Patents

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本発明は、エレベータの運転効率を向上させる技術に係り、特に、エレベータの群管理システムサービスに関する。
従来、エレベータの乗りかごを建屋への出入口階(例.ロビー階又は1階)などで待機させる際に、乗客の乗場呼ボタンの操作によりドアが開き、乗客が乗りかご内へ乗り込み操作盤の行先階呼ボタンを操作し、一定時間を経過、或いは乗りかご内の閉ボタンを操作すると、ドアが閉じて行先階(サービス階)へ運転する。
しかし、まだ乗りかご内が空いているにも関わらず、かご内の乗客による閉ボタン操作により、理想的な乗車人数より少ない人数にて運転してしまい、混雑時には出入口階とサービス階との頻繁な往復運転となり、運転効率低下と乗場での長待ちにより乗客へ不快感を招いた。
また、出入口階などで混雑時にドア閉扉中にも関わらず、乗場で乗客による頻繁な乗場呼びボタンの操作によりドア再開扉を頻繁に繰り返してしまうと、ドア開閉の繰り返しにより、乗りかごの運転を開始できないため、運転効率低下と長待ちによりにより乗りかご内の乗客へ不快感を招いた。
かご内の閉ボタン操作と乗場呼びボタン操作によってドア開閉の繰り返しによる運転効率の低下を防止する従来技術として、例えば、特許文献1には、集中的な昇り方向の交通需要(アップピーク)を予測し、このアップピーク運転中においてはかご内の戸閉ボタンを無効にする旨のエレベータ群管理制御装置が開示されている。
特開平11−222372号公報
しかしながら、上記の特許文献1に示すように、混雑が予想される時間帯(例えば、出勤時の時間帯)でドア閉ボタンを無効とすると、混雑が予想されるその時間帯内において必ず混雑する訳ではないという事情があり、混雑予想の時間帯で常時、かご内の閉ボタンを無効とするのは、運転効率上で不便性がある。
また、一般的なエレベータの運行管理システムにおいては、かご内の閉ボタン規制の判定(閉ボタンを操作したときにドア閉扉をしないか否かの判定)が採用されていないため、混雑予想の時間帯において、乗りかご内が空いていて乗場が混雑していない場合に、かご内の閉ボタンを無効とするのは運転効率上不便性がある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
乗りかごに設けられた、ドアと、前記ドアを開く開ボタンと、前記ドアを閉じる閉ボタンと、行先階呼びボタンと、各ボタンに付設された応答ランプと、乗場に設けられた乗場呼びボタンと、前記乗場呼びボタンに付設された応答ランプと、エレベータの運行管理を制御する制御盤と、を備え、建屋の出入口階で待機した乗りかご内の前記行先階呼びボタンの操作によるサービス開始に際し、他号機の接近の有無を判定し、前記開ボタンの操作又は前記乗場呼びボタンの操作により前記ドアを再開扉し、前記閉ボタンの操作又はドア開扉完了後の一定時間経過の制御によりドア閉扉する群管理システムをもつエレベータであって、ドア開扉中に前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を検知するとともにドア閉扉中に前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を検知して前記ドア再閉扉と前記ドア再開扉の繰り返し回数を検知し、他号機のエレベータの接近が有りと判定した場合に、前記繰り返し回数に拘わらず、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にする構成とする。
また、乗りかごに設けられた、ドアと、前記ドアを開く開ボタンと、前記ドアを閉じる閉ボタンと、行先階呼びボタンと、各ボタンに付設された応答ランプと、乗場に設けられた乗場呼びボタンと、前記乗場呼びボタンに付設された応答ランプと、エレベータの運行管理を制御する制御盤と、を備え、建屋の出入口階で待機した乗りかご内の前記行先階呼びボタンの操作によるサービス開始に際し、他号機の接近の有無を判定し、前記開ボタンの操作又は前記乗場呼びボタンの操作により前記ドアを再開扉し、前記閉ボタンの操作又はドア開扉完了後の一定時間経過の制御によりドア閉扉する群管理システムをもつエレベータであって、ドア開扉中に前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を検知するとともにドア閉扉中に前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を検知して前記ドア再閉扉と前記ドア再開扉の繰り返し回数を検知し、他号機のエレベータの接近が無いと判定した場合に、前記繰り返し回数が規定値を超えたとき、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にする構成とする。
また、前記エレベータにおいて、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にするのに加えて、ドア閉扉中の前記開ボタンの操作によるドア再開扉を無効にする構成とする。さらに、前記乗場呼びボタンと前記閉ボタンにそれぞれ付設された応答ランプは、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉が無効になったとき及び前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉が無効になったときに、前記乗場呼びボタンの押圧操作及び前記閉ボタンの押圧操作によって点灯せず非点灯のままであり、前記非点灯によって前記乗場呼びボタンのドア再開扉の無効及び前記閉ボタンのドア再閉扉の無効を報知、案内する構成とし、これによって、各応答ランプは、各ボタンの押圧操作に対応する本来の操作応答の機能に加えて、上述した無効の報知機能を兼用するものである。
本発明によれば、乗りかご内が空いていて乗場側が混雑時に、乗りかごの出入口階と行先階(サービス階)との頻繁な往復運転を解消し、かご内客と乗場客における長待ちの不快感を解消できる。
また、かご内の閉ボタンと乗場呼びボタンの機能を特定の条件下で無効にすると云う閉ボタンと呼びボタンの規制について、その規制したことの報知、案内を、それぞれのボタンに付設する応答ランプの消灯によって実行することで、安価で且つ簡便なサービスを提供することができる。
本発明の実施形態に係るエレベータの全体構成を示す図である。 本実施形態に係るエレベータにおける具体的な構成要素を示す図である。 本実施形態に係るエレベータの動作手順を表すフローチャートである。
本発明の実施形態に係るエレベータについて、図1〜図3を参照しながら以下説明する。図1と図2において、1は主ロープ、2は乗りかご、3は吊り合い錘、4はコンペンロープ、5は巻上機、6は制御盤、7は中央演算処理装置、8は乗場操作盤、9は乗場呼びボタンと応答ランプ、10は操作盤、11は行先階呼びボタンと応答ランプ、12は開ボタンと応答ランプ、13は閉ボタンと応答ランプ、14はドア、をそれぞれ表す。
図1と図2において、乗りかご2と釣合い錘3を主ロープ1で繋ぎ、巻上機5で主ロープ1を駆動して乗りかごを昇降させる。さらに、乗りかご2と釣合い錘3は、主ロープ1と対称的に図示するように、コンペンロープ4によって接続されている。図1は、巻上機5にて駆動する2台のエレベータにおける群管理システムサービス対応の構成を示している。
また、図2はエレベータ1台当たりの具体的構成を示し、図1に示したエレベータの出入口階には乗場操作盤8が設置され(各階にも当然に乗場操作盤8は設置されている)、この乗場操作盤8には、乗場呼びボタン9と、この呼びボタン9の操作に伴って点灯するボタン付設の応答ランプと、が備えられている。また、乗りかご2には操作盤10が取り付けられ、この操作盤10には、各階に対応した行先階呼びボタン11と、開ボタン12と、閉ボタン13と、各ボタン11,12,13の操作に伴って点灯するボタン付設の応答ランプと、が備えられている。
さらに、エレベータには、これらボタン9,11,12,13の操作を検知判定し、ドア14の開閉と運転サービスを知らせる応答ランプの点灯モードの動作指令とを行う制御盤6が備えられている。また、制御盤6内には、後述する図3の動作手順を示す動作フローチャートを指令する中央演算処理装置7が格納されている。
本実施形態の特徴を表すエレベータの処理手順について、図3を参照しながら以下説明する。まず、建屋の出入口階で乗りかご2がサービス開始時に、ドア14の開閉回数をt=0とセットした上で(ステップ1)、ドア開扉中にかご内の乗客による閉ボタン13の操作を検知し(ステップ2)、この検知によって制御盤6の制御によるドア14の閉扉中に、乗場呼びボタン9の操作が検知されると(ステップ3)、判定回数をt=t+1とする。すなわち、ドア開扉中の閉ボタン操作とドア閉扉中の乗場呼びボタン操作を1サイクルとしてそのサイクルの繰り返し回数を1つずつ加算する(ステップ4)。
さらに、群管理システムサービスのエレベータにおいて、他号機の接近有無を判定し(ステップ5)、接近と判定したときには(ステップ5でNo)、接近中の他号機をそれ程待ち時間なく利用できるので、ドア14閉扉中の乗場呼びボタン9によるドア14再開扉の動作を無効とするとともに、ドア開扉中の閉ボタン13の操作によるドア再閉扉を無効にし(ステップ12)、さらに、ドア14閉扉中のかご内の開ボタン12によるドア14の再開扉を無効とし(ステップ13)、ドア14を閉扉して(ステップ8)、走行開始してサービスを始める(ステップ9)。
翻って、他号機の接近有無を判定において接近がないと判断した場合には(ステップ5でYes)、ドア14が開閉した回数を判定回数tにより判定し、任意に定めた判定回数xを超える場合には(ステップ6でNoを経てステップ11)、乗りかごが混雑とみなし、ドア14閉扉中の乗場呼びボタン9の操作によるドア14再開扉の動作を無効にするとともにドア開扉中の閉ボタン13の操作によるドア再閉扉を無効にし(ステップ12)、それぞれのボタン9,13に付設の応答ランプを無効とする。さらに、ステップ13の動作も実行される。
応答ランプについてさらに説明すると、乗場呼びボタン9を押すと通常動作では付設の応答ランプが点灯するが、乗場呼びボタン9操作による当該操作の無効のときには応答ランプが点灯しない。当該点灯しないことによって、乗場呼びボタン9による操作が無効になったことが操作者に報知、案内されることになる。なお、ステップ5での判定でNoの場合のステップ12の乗場呼びボタン9によるドア再開扉の無効のとき及び閉ボタン13によるドア再閉扉の無効のときも、それぞれの応答ランプによる報知、案内が同様にされる。さらに、ステップ11を経たステップ12におけるドア再開扉とドア再閉扉の無効とともに、ドア14閉扉中の開ボタン12の操作によるドア14再開扉と当該開ボタン12の応答ランプを無効(点灯させない)とする。なお、乗場呼びボタン9は、通常動作時においては、これを押圧すると応答ランプは点灯し、かごが当該階に到着するまで点灯を続け、かご内の閉ボタン13は通常動作時においては、これを押圧すると応答ランプは点灯し、ドアが全閉になると消灯するように制御されている。
また、繰り返し回数tが任意に定めた判定回数x以下(t≦x)の場合には(ステップ6でYes)、ドア14開扉の完了後に所定時間の経過を検知すれば(ステップ7)、ドア閉扉して(ステップ8)サービス開始となるので、乗りかご内が空いていて乗場側が混雑時に、乗りかごの出入口階とサービス階との頻繁な往復運転でのかご客と乗場客の長待ちを解消するとともに、応答ランプの押圧時の非点灯によって閉ボタン及び呼びボタンの動作規制の報知、案内ができる。
ステップ7において、ドア開扉完了後の所定時間経過の検知は、制御盤7内の中央演算処理装置7で所定時間の経過検知が行われるが、所定時間の具体的な一例を挙げると、出入口階では、ドア開扉完了後5秒と設定し、それ以外の階では2秒が設定され、乗場呼びボタンでは3秒が設定され、それぞれ設定された秒時間が経過するとドア開扉状態からドア閉じ動作が開始する。
なお、かご内の閉ボタン13と乗場呼びボタン9による操作を無効にした場合、すなわちボタン13,9のボタン規制をした場合に、当該ボタン13,9に付設する応答ランプの非点灯に代えて、別設の専用ボタンを点灯させることで無効を報知、案内してもよい。また、エレベータ2台の場合の群管理システムで説明したが、1台又は複数台の場合でも同様に対応可能である。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るエレベータの特徴は、端的に云えば、ドア開扉中にかご内の閉ボタンの操作とドア閉扉中に乗場呼びボタンの操作の繰り返し回数検知を行い、同一バンク内で他のエレベータの接近があると判定した場合に、上記の繰り返し回数に無関係に、ドア閉扉中の乗場呼びボタン操作によるドア再開扉を無効にするとともにドア開扉中の閉ボタン操作によるドア再閉扉を無効にし、さらに、ドア閉扉中のかご内の開ボタン操作によるドア再開扉を無効にし、さらに、同一バンク内で他のエレベータの接近がないと判定した場合に、上記の繰り返し回数が所定値(例えば、2回又は3回)を超えれば、乗場呼びボタンと閉ボタン、並びに開ボタンの操作を無効とし、繰り返し回数が所定値以下であれば、図3に示すステップ6〜ステップ9に示すような通常の動作を行う。上述の動作において、乗場呼びボタンと閉ボタンと開ボタンの操作を無効にした場合には(中央演算処理装置によって当該ボタンを押圧操作してもその操作に対応したドア開扉・閉扉の動作をさせないように制御する)、それらのボタンを押圧しても当該ボタンに付設した応答ランプを点灯させないことで、操作の無効を報知、案内するものである。
1 主ロープ
2 乗りかご
3 吊り合い錘
4 コンペンロープ
5 巻上機
6 制御盤
7 中央演算処理装置
8 乗場操作盤
9 乗場呼びボタンと応答ランプ
10 操作盤
11 行先階呼びボタンと応答ランプ
12 開ボタンと応答ランプ
13 閉ボタンと応答ランプ
14 ドア

Claims (6)

  1. 乗りかごに設けられた、ドアと、前記ドアを開く開ボタンと、前記ドアを閉じる閉ボタンと、行先階呼びボタンと、各ボタンに付設された応答ランプと、乗場に設けられた乗場呼びボタンと、前記乗場呼びボタンに付設された応答ランプと、エレベータの運行管理を制御する制御盤と、を備え、建屋の出入口階で待機した乗りかご内の前記行先階呼びボタンの操作によるサービス開始に際し、他号機の接近の有無を判定し、前記開ボタンの操作又は前記乗場呼びボタンの操作により前記ドアを再開扉し、前記閉ボタンの操作又はドア開扉完了後の一定時間経過の制御によりドア閉扉する群管理システムをもつエレベータであって、
    ドア開扉中に前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を検知するとともにドア閉扉中に前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を検知して前記ドア再閉扉と前記ドア再開扉の繰り返し回数を検知し、
    他号機のエレベータの接近が有りと判定した場合に、前記繰り返し回数に拘わらず、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にする
    ことを特徴とするエレベータ。
  2. 乗りかごに設けられた、ドアと、前記ドアを開く開ボタンと、前記ドアを閉じる閉ボタンと、行先階呼びボタンと、各ボタンに付設された応答ランプと、乗場に設けられた乗場呼びボタンと、前記乗場呼びボタンに付設された応答ランプと、エレベータの運行管理を制御する制御盤と、を備え、建屋の出入口階で待機した乗りかご内の前記行先階呼びボタンの操作によるサービス開始に際し、他号機の接近の有無を判定し、前記開ボタンの操作又は前記乗場呼びボタンの操作により前記ドアを再開扉し、前記閉ボタンの操作又はドア開扉完了後の一定時間経過の制御によりドア閉扉する群管理システムをもつエレベータであって、
    ドア開扉中に前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を検知するとともにドア閉扉中に前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を検知して前記ドア再閉扉と前記ドア再開扉の繰り返し回数を検知し、
    他号機のエレベータの接近が無いと判定した場合に、前記繰り返し回数が規定値を超えたとき、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にする
    ことを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1または2において、
    前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉を無効にするとともに前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉を無効にするのに加えて、ドア閉扉中の前記開ボタンの操作によるドア再開扉を無効にする
    ことを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1または2において、
    前記乗場呼びボタンと前記閉ボタンにそれぞれ付設された応答ランプは、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉が無効になったとき及び前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉が無効になったときに、前記乗場呼びボタンの押圧操作及び前記閉ボタンの押圧操作によって点灯せず非点灯のままであり、前記非点灯によって前記乗場呼びボタンのドア再開扉の無効及び前記閉ボタンのドア再閉扉の無効を報知、案内する
    ことを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項3において、
    前記乗場呼びボタン、前記閉ボタン及び前記開ボタンにそれぞれ付設された応答ランプは、前記乗場呼びボタンの操作によるドア再開扉が無効になったとき、前記閉ボタンの操作によるドア再閉扉が無効になったとき、及び前記開ボタンの操作によるドア再開扉が無効になったとき、前記乗場呼びボタンの押圧操作、前記閉ボタンの押圧操作及び前記開ボタンの押圧操作によって点灯せず非点灯のままであり、前記非点灯によって前記乗場呼びボタンのドア再開扉の無効、前記閉ボタンのドア再閉扉の無効及び前記開ボタンのドア再開扉の無効を報知、案内する
    ことを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項2において、
    前記繰り返し回数が規定値以下のときは、ドア開扉完了後に所定時間の経過を検知し、当該検知によってドア閉扉した後に乗りかごの走行開始を行う
    ことを特徴とするエレベータ。
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