JP5284913B2 - エンジン制御装置、車両、及び、エンジン制御方法 - Google Patents

エンジン制御装置、車両、及び、エンジン制御方法 Download PDF

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本発明は、車両のエンジンの始動を制御する技術に関する。
エンジンを動力源として走行する車両は、エンジンを始動制御するエンジン制御装置を備えている。
エンジン制御装置は、ユーザによりスタータスイッチが操作された場合に、スタータモータを駆動させるスタータシステムを制御してエンジンをクランキング制御する。
スタータモータの駆動は、まず、ユーザによってスタータスイッチが操作され始動スイッチがオンされた場合に、スタータシステムがプランジャーのドライブレバーを制御して、非噛合状態となっているスタータモータの出力軸に備わるピニオンギヤとエンジンの出力軸に備わるリングギヤとを噛合状態にするとともに、スタータモータを回転制御することによって実行する。
ドライブレバーの制御は、ユーザによるスタータスイッチの操作により始動スイッチがオンにされ、車両が備えるバッテリからの電気をコイルへ流し、コイルと対抗する電磁石に磁性を発生させることによって実行する。これにより、磁性を帯びた電磁石がその作用によりドライブレバーをスタータモータの出力軸方向におけるスタータモータと反対方向へ移動させることができる。
スタータモータの出力軸に備わるピニオンギヤは、ドライブレバーと接続されており、ドライブレバーが制御されることによって、スタータモータの出力軸方向におけるスタータモータの反対方向へ移動し、スタータモータの反対方向に位置するエンジンの出力軸に備わるリングギヤと噛合する。
各ギヤを噛合状態にさせる際は異音が発生するが、この異音は各ギヤの歯が各ギヤの谷へスムーズに組み込まれる場合には小さくなる傾向にあり、各ギヤの谷へスムーズに入らずに一旦各ギヤの歯が当たった後にズレてから組み込まれる場合には大きくなる傾向にある。その異音の発生を抑制するには、各ギヤの歯が各ギヤの谷へスムーズに入るような状態、つまり、各ギヤが停止している状態で噛合させる必要がある。
例えば、特許文献1に、各ギヤが噛み合った後に、スタータモータを駆動させてその異音の発生を抑制させる技術が開示されている。つまり、コイルに電気を流してから各ギヤが噛合状態になる時間を経過後にスタータモータを駆動制御するので、各ギヤが回転していないタイミングで各ギヤを噛合状態にさせることができ、その異音の発生を小さくすることができる。
このような制御は、CPUなどの演算手段を構成に含むソフトウェア制御によって実現するのではなく、ソフトウェア制御よりも故障率が低いCPUなどの演算手段を構成に含まない論理回路などのハードウェア制御によって実現するほうが適している。理由は、エンジンの始動不良は他の機能不良と比べて、最も商品価値を下げるものの一つであるため極力そのような不良を発生させないようにしなければならないからである。
一方で、エンジン始動制御には、アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御がある。アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御とは、ユーザ操作によるスタータスイッチの操作により始動スイッチがオンにされてエンジンを始動してから、ユーザ操作によるイグニッションスイッチのオフ操作によりエンジンを停止するまでにおいて、車両の停車を検知するなどの条件を満たすとエンジンを停止し、その後にユーザのアクセル操作を検知するなどの条件を満たすとエンジンを始動するエンジン始動制御である。
アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御は、基本的に車両が一時停車する場合にエンジンを停止し、その後に車両が発車する場合にエンジンを始動するので、始動制御が頻繁に繰り返される傾向にある。
このようなアイドリングストップ機能によるエンジン始動制御は、エンジンの始動性を早めてユーザの利便性を向上させる必要があるが、スタータシステムのドライブレバーを作動させるコイルや電磁石は、その周辺温度が低ければ低いほど電磁石にドライブレバーを作動させる磁性が発生しにくいという特性を有するため、コイルに電気を流して各ギヤが噛合状態になる時間を経過後にスタータモータを駆動制御する際のその時間(遅延時間)を、コイルや電磁石の周辺温度が低い場合は周辺温度が高い場合よりも長くさせる必要がある。
この制御をハードウェア制御で実現しようとすると、その遅延時間をコイルや電磁石の周辺温度に応じて適宜変更することができないため、プランジャーの最低作動時間を保障する時間、つまり、温度が低い場合の遅延時間を設定することになり、温度が高い場合は温度が低い場合よりも遅延時間を短くできるにもかかわらず、温度が低い場合の遅延時間に基づいてスタータシステムを制御しなければならず、エンジンの始動性を向上させることができない。
従って、アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御は、検知したコイルや電磁石の周辺温度に応じた遅延時間を設定して、その異音の発生を防ぎつつ、温度が高い場合のエンジンの始動性を向上させるとともに、温度が低い場合のエンジンの始動を確実にすることができるソフトウェア制御によって実現するほうが適している。
そこで、ユーザによるスタータスイッチの操作により始動スイッチがオンにされエンジンを始動制御する場合は、ハードウェア制御に基づきエンジンを始動し、アイドリングストップ機能によりエンジンを始動制御する場合は、ソフトウェア制御に基づきエンジンを始動する構成を採用することが考えられる。
特開2004−11627号公報
しかし、前述したように、故障率の低いハードウェア制御部によるエンジンの始動制御をであっても故障が発生する虞はある。また、ソフトウェア制御部によるエンジン始動制御においても故障が発生する虞はある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ハードウェア制御部やソフトウェア制御部に故障が発生した場合にエンジンを始動させることができるエンジン始動制御技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、を備え、前記制御手段は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧とに基づいて前記第1スイッチのオフ固着異常を検知した場合は、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジン制御装置において、前記コイルの温度を検知する温度検知手段を備え、前記制御手段は、前記第2スイッチをオンして前記コイルへ電流を流してから前記温度に応じた時間を経過後に前記第3スイッチをオンにして前記スタータモータへ電流を流す。
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の何れかに記載のエンジン制御装置において、前記制御手段は、ユーザ操作により前記始動スイッチがオンにされた場合は、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧との電圧差が所定値以上の場合に、前記第1スイッチにオンする指示を行い、その際の前記電圧差が所定値以上の場合は、前記第2スイッチと前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載のエンジン制御装置において、前記制御手段は、前記第3スイッチにオンする指示を行い、その際に前記第2検知手段が検知する電圧が所定電圧以下を示す場合は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとをオンすることによって前記第3電流系統からの電気を前記第2電流系統へ導く。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載のエンジン制御装置において、前記遅延回路は、ユーザ操作により始動スイッチがオンにされた場合は、前記第1スイッチを制御して前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導き、前記制御手段により前記第2スイッチがオンされた場合は、前記第1スイッチをオフ状態にしてスタータモータへ導く電流を遮断する。
また、請求項6の発明は、車両であって、エンジンと、前記エンジンを始動するスタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルと、前記スタータモータと前記コイルとに電源から電流を導くことで、前記エンジンの始動を制御する請求項1ないし5の何れかに記載のエンジン制御装置と、を備える。
また、請求項7の発明は、スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御方法であって、前記車両は、前記電源から前記コイルへ導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、前記第2電流系統に介装される、第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、を備えるものであり、前記車両は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされて前記第2電流系統へ電気が流れた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧とに基づいて前記第1スイッチのオフ固着異常を検知するステップと、前記第1スイッチのオフ固着異常を検知する場合に、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御するステップを備える。
また、請求項8の発明は、スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、介装された始動スイッチがオン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、前記第2電流系統に介装される第3スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記第3スイッチをオンする指示を行い、その際の前記検知手段が検知する電圧が所定電圧以下を示す場合は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとをオンする。
また、請求項9の発明は、スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、を備え、前記制御手段は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧との差が所定値以上の場合は、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する。
請求項1から請求項9の発明によれば、ユーザ操作により始動スイッチがオンされた場合で、第1スイッチがオフ固着異常してスタータモータを駆動できない場合に、制御手段が第3スイッチを制御してスタータモータを駆動させるので、エンジンの始動不良を回避することができる。
また、特に請求項2の発明によれば、スタータモータの出力軸をエンジンへ接続させる時間を経過後にスタータモータへ電気を導く時間を、コイルの周辺温度に応じた時間にするので、その異音の発生を防ぎつつ、温度が高い場合のエンジンの始動性を向上させるとともに、温度が低い場合のエンジンの始動を確実にすることができる。
また、特に請求項3の発明によれば、第1スイッチの上流と下流の電圧差に基づいてオフ固着異常を推定し、オフ固着異常が推定された場合に、第1スイッチをオンする指示を行ってもなおその電圧差があればオフ固着異常を確定させるので、オフ固着異常判定の確実性が向上しフェールセーフ制御が確実に実行され、かつ、無駄に実行されることがない。
また、特に請求項4及び請求項8の発明によれば、制御手段が第3スイッチをオンにす指示を行い、その際に第3スイッチがオフ固着異常してスタータモータを駆動できない場合に、制御手段が第1スイッチと第2スイッチを制御してスタータモータを駆動させるので、エンジンの始動不良を回避することができる。
また、特に請求項5の発明によれば、ユーザ操作により始動スイッチがオンされた場合で、第1スイッチがオフ固着異常してスタータモータを駆動できない場合に、制御手段が第2スイッチと第3スイッチを制御してスタータモータを駆動させる際に発生する電気が遅延回路に回りこんで誤作動するのを防止することができる。
図1は、スタータシステムを説明する図である。 図2は、エンジン制御装置を説明するブロック図である。 図3は、エンジン制御装置を説明するブロック図である。 図4は、エンジン制御装置とスタータシステムを説明する回路図である。 図5は、エンジン制御を説明するフローチャート図である。 図6は、エンジン制御装置とスタータシステムを説明する回路図である。 図7は、エンジン制御を説明するフローチャート図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<実施の形態>
<第1の実施の形態>
<車両の構成>
第1の実施の形態の車両は、動力源となるエンジンを備える。エンジンは、スタータシステムにより始動されるとともにエンジン制御装置により制御される。スタータシステムは、スタータモータ、プランジャー、及び、それらを制御する回路、並びに、電子部品などから構成される。
<スタータシステム>
スタータシステムは、図1に示すように、スタータモータ5、プランジャー3、及び、それらを制御するコイル1、電磁石2、回路、並びに、電子部品などから構成される。
スタータモータ5の駆動は、スタータシステムが、ユーザによりスタータスイッチ12が操作され始動スイッチ30がオンされた場合にプランジャー3のドライブレバー4を制御して、非噛合状態となっているスタータモータ5の出力軸6に備わるピニオンギヤ7とエンジンの出力軸9に備わるリングギヤ8とを噛合状態にするとともに、スタータモータ5を回転制御することによって実行される。
ドライブレバー4の制御は、ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンにされ、車両が備える電源部からの電気をコイル1へ流し、コイル1と対抗する電磁石2に磁性を発生させることにより実行する。これにより、磁性を帯びた電磁石がその作用によりドライブレバー4をスタータモータ5の出力軸方向におけるスタータモータ5と反対方向へ移動させることができる。
スタータモータ5の出力軸6に備わるピニオンギヤ7は、ドライブレバー4と接続されており、ドライブレバー4が制御されることによって、スタータモータ5の出力軸方向におけるスタータモータ5と反対方向へ移動し、スタータモータ5の反対方向に位置するエンジンの出力軸9に備わるリングギヤ8と噛合する。
<エンジン制御装置>
エンジン制御装置は、CPUなどの電子部品を備え、車両の状態を検出するセンサなどからの入力値に基づいて、点火プラグ、インジェクタ、又は、スロットルなどのアクチュエータを制御するための制御値を演算し、その制御値をアクチュエータへ出力することによってエンジンを制御する。
<システムブロック図>
エンジン制御装置のブロック図を図5に基づいて説明する。
アイドリングストップ−ECU100Electronic Control Unit)は、演算部100a(例えば、CPU)、制御プログラムなどが記憶されている不揮発性記憶部100b(例えば、ROM)、演算の際のワーキングエリアとなる揮発性記憶部100c(例えば、RAM)、センサなどからの信号を入力したり、アクチュエータへ演算した結果を出力する入出力部(I/F)などの電子部品を実装した電子基板を備える。アイドリングストップ−ECUは主に後述するアイドリングストップ機能によるエンジン始動制御を担当する。
なお、ENG−ECU200も同様の電子基板を備え、主にエンジン始動後のエンジン制御を担当する。
アイドリングストップ−ECU100の演算部100aは、次の(A)〜(I)までのスイッチやセンサからの信号を入出力部により入力して、入力した信号と不揮発性記憶部100bに記憶されている制御プログラムとに基づいて後述する(L)及び(M)までのアクチュエータを制御するための制御値を演算する。
(A)車両を走行させるためのアクチュエータを電子制御する電子システムを起動、又は、終了させるためのメインリレーをオン又はオフにする、つまり、車両システムを起動、又は、終了させるためのイグニッションスイッチ11(IG−SW)。
(B)車両のアクセサリーを電子制御する電子システムを起動、又は、終了させるためのスイッチをオン又はオフするアクセサリースイッチ(ACC−SW)。
(C)スタータシステムを起動、又は、遮断させるための始動スイッチ30をオン又はオフするスタータスイッチ12(ST−SW)。このスタータスイッチはユーザが車両の運転席へ乗車して、車両のキーを所定の口へ挿し込み、キーを所定の位置まで回すことによりオンになる。
(D)車両の車速を検知する車速検知部13(車速センサ)。
(E)スタータモータ5のコイル1や電磁石2の周辺温度を検知する温度検知部14(温度センサ)。なお、温度検知部はコイル1や電磁石2の温度を検知するものであってもよい。つまり、電磁石の周辺にコイルが非接触にして巻かれているので、電磁石の温度、及び、コイルの周辺温度並びに電磁石の周辺温度は、コイルの温度と考えることができる。
(F)ユーザが車両の速度を加速させるためのアクセルの操作状態を検知するアクセル検知部15(アクセルセンサ)。
(G)ユーザが車両の速度を減速、又は、停車させるためのブレーキの操作状態を検知するブレーキ検知部16(ブレーキセンサ)。
(H)後述する電流系統における電圧を検知する電圧検知部41(電圧センサ)。
(I)後述する電流系統における電圧を検知する電圧検知部42(電圧センサ)。
アイドリングストップ−ECU100の演算部100aは、前記(A)〜(I)までのスイッチやセンサからの信号と不揮発性記憶部100bに記憶されている制御プログラムとに基づいて次の(L)及び(M)のアクチュエータを制御する制御値を演算し、演算した制御値を入出力部から出力する。
(L)前述したスタータシステムにおけるコイル1。
(M)前述したスタータシステムにおけるスタータモータ5。
エンジン−ECU200の演算部aは、次の(J)及び(K)のセンサからの信号を入出力部により入力して、入力した信号と不揮発性記憶部200bに記憶されている制御プログラムとに基づいて後述する(N)〜(P)までのアクチュエータを制御するための制御値を演算する。
(J)エンジンの回転速度を検知する、又は、エンジンをクランキング制御する際に点火プラグやインジェクタにより爆発させるべき気筒を検知するクランク角検知部17(クランク角センサ)。
(K)エンジンをクランキング制御する際に点火プラグやインジェクタにより爆発させるべき気筒を検知するカム角検知部18(カム角センサ)。
エンジン−ECU200の演算部200aは、前記(J)及び(K)のスイッチやセンサからの信号と不揮発性記憶部200bに記憶されている制御プログラムとに基づいて次の(N)〜(P)までのアクチュエータを制御する制御値を演算し、演算した制御値を入出力部から出力する。
(N)エンジンの気筒へ入り込んだ空気と燃料へ点火させる点火部19(点火プラグ)。
(O)エンジンの気筒へ爆発させる際に必要な燃料を噴射する燃料噴射部20(インジェクタ)。
(P)エンジンの気筒へ爆発させる際に必要な空気を吸入させる吸気部21(スロットル)。
アイドリングストップ−ECU100とエンジン−ECU200とは相互に入出力部において入力した信号や、演算結果を、両ECUを通信接続する通信部10や車載ネットワークにより出入力する。
なお、図6示すようにエンジン−ECU300において、上記(A)〜(K)の全てのスイッチやセンサからの信号が入力され、(L)〜(P)の全てのアクチュエータを制御するための制御値を演算して出力する構成であってもよい。
図5に示すアイドリングストップ−ECU100とENG−ECU200における機能を、図6に示すように1つのENG−ECU100において実現することが可能であるため、図5に示すアイドリングストップ−ECU100とENG−ECU200をまとめてエンジン制御装置300と考えることができる。
<始動スイッチオンによるエンジン始動制御>
(エンジン始動制御)
ユーザによりスタータスイッチ12が操作され始動スイッチ30がオンされた場合に、エンジンを始動する制御を説明する。
ユーザによりスタータスイッチ12が操作され始動スイッチ30がオンにされた場合は、ハードウェア制御によりスタータシステムが制御される。つまり、コイル1へ電気を流してプランジャー3を制御し、スタータモータ5のピニオンギヤ7をエンジンのリングギヤ8へ噛合させた後にスタータモータ5を駆動制御させる。
エンジン制御装置300の演算部300aは、ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンされた場合にエンジンをクランキング制御する。エンジン制御装置300の演算部300aは、クランキング制御を実行する際、エンジン回転数が所定回転数(1500rpm)に到達するまではエンジンのみで回転制御することができないため、スタータシステムにより駆動されたスタータモータ5にエンジンの回転を補助させている。
エンジンは4気筒の4サイクルエンジンである。エンジン制御装置300の演算部300aは、クランク角検知部17からの入力信号に基づいて、4気筒のうちピストンが上死点にある気筒を2つ判別する。判別した2つの気筒のうちカム角検知部18からの入力信号に基づいて点火や燃料噴射をする気筒を判別し、判別した気筒の点火部19や燃料噴射部20へ制御信号を出力して爆発させる。爆発させる気筒を判別した後は、クランク角検知部17からの入力信号と予め決められた順序に基づいて爆発させる気筒を決定し、決定した気筒を爆発させる制御を繰り返す。なお、エンジンは3気筒や6気筒でもよく、これらのエンジンのクランキング制御もクランク角検知部やカム角検知部からの入力信号に基づいて演算部が実行する。
ユーザがキーを所定の差込口へ差し込んで、差し込んだキーを手動でスタータスイッチ12の位置まで回し、ユーザがエンジン回転数が所定回転数まで達したことをエンジン音により判断して、そのキーをイグニッションスイッチ11のオンの位置へ戻す。これにより、始動スイッチ30がオンからオフになって、電源からスタータシステムへ流れていた電流が遮断され、スタータシステムが停止する。
(制御回路)
ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンにされて、エンジンを始動する制御回路を図4に基づいて説明する。
(電流系統A)
車両には、車両に備わる第1電源部である電源部31から接地部32へ電気を流す第1電流系統である電流系統Aが備わっており、電流系統Aにおいて電源側から始動スイッチ30とコイル1が備わっている。
ユーザがスタータスイッチ12を操作することによって、スタータシステムにおける始動スイッチ30がオンになる。始動スイッチ30がオンになると車両の電流系統Aにおいて電源部31から接地部32へ電気が流れる。
結果、コイル1へ電気が流れて前述したプランジャー3を制御してスタータモータ5のピニオンギヤ7がエンジンのリングギヤ8と噛合する。
(電流系統B)
次に、車両には、電流系統Aにおける始動スイッチ30とコイル1の間から分岐し、エンジン制御装置300内を経由して接地部33へ電気を流す第2電流系統である電流系統Bが備わっている。
エンジン制御装置300内の電流系統Bにおいて、オン又はオフすることによって、電流系統Aから電流系統Bへ流れる電流を遮断又は通電する第1スイッチであるスイッチ34(バイポーラトランジスタ)と、電流系統Aへ流れる電気を入力して、その入力から遅延させてスイッチ34をオンに制御する遅延回路とが備わっている。また、エンジン制御装置300を経由して接地部33へ電気を流す電流系統Bにおける、エンジン制御装置300から接地部33までの間にスタータモータ5が備わっている。
この構成によって、電流が電流系統Aへ流れた場合に電流系統Aから分岐して流れた電気が一旦エンジン制御装置300内へ流れ、エンジン制御装置300内の遅延回路がそのスイッチ34より下流の電気の流れを遅延させることができる。
結果、電流系統Aからの電気をその先の電流系統Bへ遅延させて流すことによって、スタータモータ5のピニオンギヤ7とエンジンのリングギヤ8が停止しているタイミングで両ギヤを噛合させた後にスタータモータ5を駆動させることができ、異音の発生を抑制させたエンジン始動制御を実現することができる。
<アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御>
アイドリングストップ機能によりエンジンを始動する制御を説明する。
アイドリングストップ機能とは、燃費を抑制するエンジン制御であって、ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンされてエンジンを始動してから、ユーザによるイグニッションスイッチ11がオフされてエンジンを停止するまでにおいて、車両が停車するなどの条件(エンジン停止条件)を満たすとエンジンを停止し、その後にユーザのアクセル操作を検知するなどの条件(エンジン始動条件)を満たすとエンジンを始動する制御をいう。
(エンジン停止制御)
エンジン制御装置300の演算部300aが以下の(1)〜(6)までの条件(エンジン停止条件)を満たすことによりエンジンを停止する。
(1)演算部300aが車速検知部13からの入力信号に基づいて、車速が0であると判断する場合。
(2)演算部300aがアクセル検知部15からの入力信号に基づいて、アクセルが操作されていないと判断する場合。
(3)演算部300aがブレーキ検知部16からの入力信号に基づいて、ブレーキが操作されていると判断する場合。
(4)演算部300aが変速段検知部からの入力信号に基づいて、変速段がドライブであると判断する場合。
(5)電源であるバッテリの容量検知部からの入力信号に基づいて、その容量が所定容量以上であると判断する場合。なお、他の制御装置がその判断をしてその判断結果を入力する場合でもよい。
(6)他の制御によりアイドル制御を維持しなければならない状態でない場合。
なお、アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御の条件は上記に限られず、アイドリングストップ機能の目的に合致する限りにおいて、種々の条件を付加するものであってもよく、上記条件の何れかを削除するものであってもよい。
演算部300aは上記条件を満たすことによってエンジンを停止制御する。アイドリングストップ機能によるエンジンの停止制御は、点火部19、燃料噴射部20、及び、吸気部21の制御を停止してエンジン回転数を0にすることによって実現する。
(エンジン始動制御)
エンジン制御装置300の演算部300aが以下の(7)〜(9)までの条件(エンジン始動条件)を満たすことにエンジンを始動する。
(7)演算部300aがアクセル検知部15からの入力信号に基づいて、アイドリングストップ状態からアクセル操作がされたと判断する場合。
(8)演算部300aがブレーキ検知部16からの入力信号に基づいて、ブレーキが操作されていないと判断する場合。
(9)演算部300aが変速段検知部からの入力信号に基づいて、変速段がドライブであると判断する場合。
なお、アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御の条件は上記に限られず、アイドリングストップ機能の目的に合致する限りにおいて、種々の条件を付加するものであってもよく、上記条件の何れかを削除するものであってもよい。
エンジン制御装置300の演算部300aは、制御回路と協働してスタータモータ5を駆動させ、クランク角検知部17からの入力信号に基づいてエンジン回転数が所定回転数まで達したことを判定すると、スタータモータ5の回転補助は不要であるため、スタータモータ5の駆動を停止させる。
(制御回路)
(電流系統C)
アイドリングストップ機能によりエンジンを始動する制御回路を図8に基づいて説明する。
エンジン制御装置300に備わる演算部300aが次に説明する制御回路と協働して前述するアイドリングストップ機能に基づいてエンジンを始動制御する。
車両には、エンジン制御装置300に備わる第2電源部である電源部38から、エンジン制御装置300に備わる電流系統Bにおける遅延回路35とスイッチ34の上流に接続し、この接続部下流の電流系統Bから接地部32へ電気を流す第3電流系統である電流系統Cが備わっている。電流系統Cは、その電源部38側はエンジン制御装置300に備わり、その接地部32側は車両に備わっている。また、電流系統Cの接地側にはスタータモータ5が備わっている。つまり、車両に備わる接地部32側の電流系統Cは電流系統Aや電流系統Bと併用することになる。
また、エンジン制御装置300に備わる電源部38側の電流系統Cには、オン又はオフすることによって、電源部38から接地部32へ流す電気を通電又は遮断する第2スイッチであるスイッチ39が備わっている。更に、電流系統Cにおけるスイッチ34とその接続部の間に電源部38へ電気を逆流させないためのダイオード36が備わっている。
エンジン制御装置300の演算部300aは、スイッチ39をオン又はオフすることによって、電源部38から接地部32へ電気を通電又は遮断し、電流系統Cにおけるコイル1への電気の流れを制御することができる。
電流系統Bにおける電気の流れを遅延させる遅延回路35は、電流系統Cにおけるスイッチ39とダイオード36の間から分岐した信号線と、電流系統Cにおけるダイオード36から下流に分岐した信号線を取り込み、始動スイッチ30がオンになって電流系統Bへ電気が流れたのか、演算部300aがスイッチ39をオンにして電流系統Bへ電気が流れたのかをモニタする。遅延回路35は、引き込まれたそのモニタ線からの信号により何れが電気を流しているのかを論理回路の作用により判断することができ、始動スイッチ30がオンになって電流系統Bへ電気が流れたと判断する場合は、スイッチ34の上流の電流系統Bへ電気が流れてから遅延させて、スイッチ34をオンにして接地部33へ電気を流し、スタータモータ5を駆動させ、演算部300aがスイッチ39をオンにして電流系統Bへ電気が流れたと判断する場合は、スイッチ34をオンせずにオフの状態を維持させる。
つまり、遅延回路35はユーザによりスタータスイッチ12が操作され始動スイッチ30がオンにされた場合のみ、コイル1へ電気を流し、コイル1へ電気を流してから遅延させてスタータモータ5を駆動させる。換言すると、アイドリングストップ機能により演算部300aがコイル1へ電気を流した際に遅延回路35へ電気が流れたとしても、演算部300aによってエンジンを始動制御するため遅延回路35によってスイッチ34をオンに制御することはない。
従って、電流系統Cを流れる電気が電流系統Bに流れて、遅延回路35へ流れ込まないようにするダイオードXは備えない。
遅延回路のこのような論理構成の詳細は後述する。
エンジン制御装置300に備わる演算部300aは、このような制御回路と協働して、エンジンの始動制御を実行する。演算部300aは、アイドリングストップ機能におけるエンジン始動条件が満たされたと判断すると、温度検知部からの入力値に基づいてコイル1へ電気を流してから温度に応じた時間経過後に(遅延させて)スタータモータを駆動させる、その温度に応じた時間を演算する。例えば、この演算は不揮発性記憶部300bに記憶されている温度と遅延させる時間のマップを参照する。演算部300aはスイッチ39をオンにしてから温度に応じた時間経過後にスイッチ40をオンにする。
(電流系統D)
エンジン制御装置300には、エンジン制御装置300に備わる電源部38から、エンジン制御装置300内の電流系統Bに備わるスイッチ34より下流へ接続し、車両の接地部33へ電気を流す第4電流系統である電流系統Dが備わっている。つまり、車両に備わる接地部33側の電流系統Dは電流系統Bと併用することになる。
また、電流系統Dには、オン又はオフすることによって電源部38から接地部33へ流す電気を通電又は遮断する第3スイッチであるスイッチ40が備わっている。更に、電流系統Dにおけるスイッチ40とその接続部の間に電源部38へ電気を逆流させないためのダイオード37が備わっている。
エンジン制御装置300の演算部300aは、スイッチ40をオン又はオフすることによって、電源部32から接地部33へ電気を通電又は遮断し、電流系統Dにおけるスタータモータ5への電気の流れを制御することができる。
なお、スイッチ34をバイポーラトランジスタとすれば、電流系統Dを流れる電気が電流系統Bに流れて、遅延回路35へ流れ込まないようにするダイオードYは備えない。スイッチ34をモストランジスタからバイポーラトランジスタにすることで電気の逆流は発生しないからである。
なお、スイッチ34をモストランジスタとすれば、逆流防止のダイオードをその付近に備えないかぎり電気が逆流してしまうが、遅延回路35が前述した機能を有するため電気が回り込んで遅延回路に入力されたとしてもスイッチ34を誤作動させることはない。
図6に示すとおり、電流系統Aと電流系統Cは各電流系統上流の電源部31と電源部38から同じ接地部32へ電気を流すものであるため、電流系統Aに備わる始動スイッチ30下流と電流系統Cに備わるスイッチ39下流において合流し、合流した下流の電流系統を併用するものである。
図6に示すとおり、電流系統Bと電流系統Dは各電流系統上流の電源部31と電源部38から同じ接地部33へ電気を流すものであるため、電流系統Bに備わるスイッチ34下流と電流系統Dに備わるスイッチ40下流において合流し、合流した下流の電流系統を併用するものである。
また、各電源部の大元は車両が備えるバッテリである。
(スタータモータの誤作動防止と最低作動電圧の確保)
ここで、通常は、2以上の電流系統を接続させる場合は、一方の電流系統に流れる電気が他方の電流系統へ回り込まないよう、かつ、所望する方向へ電気を流せるようにダイオードX及びダイオードYを設ける必要がある。
しかし、ダイオードは電流系統において所望する方向へ電気を流す場合であっても抵抗になるため、ダイオードを設けない場合よりも大きな電圧をかけて電気を流さなければならい。従って、各電源部の大元であるバッテリの蓄電容量が低下している場合や、温度が低くなってバッテリの放電能力が低下している場合には、ダイオードを設けない場合に作動していたスタータシステムが、ダイオードを設けたことによって作動しなくなってしまうという問題が発生する。つまり、最低作動電圧が高くなってしまう。
この問題を解消するために、ダイオードXとダイオードYを設けないようにすると、演算部aがアイドリングストップ機能によりエンジンの始動制御を実行する際に、電気が遅延回路へ流れ込んで、遅延回路が誤ってスタータモータを作動させてしまうという問題が発生する。
そこで、エンジン始動の際の最低作動電圧を低く確保し、かつ、このような誤作動を引き起こさないように前述した遅延回路を備える。
このような機能を有する遅延回路35を採用するため、ダイオードX、及び、ダイオードYの装備を省略して製造コストを低減することができるとともに、エンジン始動時の最低作動電圧を低くすることができる。
(遅延回路)
前述した機能を有する遅延回路35の詳細を図7に基づいて説明する。
エンジン制御装置300に備わる電流系統Bにおける、スイッチ34よりも上流に電気がながれたか否かを検知するために、その位置に抵抗T1を設けて、抵抗T1の両端を接続する2つの接続線を比較回路CP1へ接続する。2つの接続線には夫々抵抗T2とT3を備え、比較器CP1において電流を比較する際に適当な値となるように電流値を抑制する。2つの接続線のうち一方の接続線が比較器CP1のマイナス部へ接続される。一方の接続線は更に他端が接地された比較電圧値となる電源D2の一端が接続される。更に、その一端が延長してノット回路NT3へ接続され、ノット回路NT3はフリップフロップ回路FFのリセット部へ接続される。比較器CP1はチョッピング回路CHPと接続される。
つまり、電流系統Bへ電気が流れた場合は、一方の接続線に制御信号HIが流れてノット回路NT3において制御信号HIが制御信号LOWへ変換され、制御信号LOWがフリップフロップ回路FFのリセット部へ入力される。逆に、電流系統Bへ電気が流れない場合にはリセット部へ制御信号HIが入力される。
比較器CP1は、2つの接続線のうち他方の接続線がプラス部へ接続される。比較器CP1は、一方の接続線から入力される電流を基準電圧として、他方の接続線の電流とその基準電圧を比較する。比較器CP1は、プラス部へ入力される電圧がマイナス部へ入力される基準電圧を越える場合に、チョッピング回路CHPへ制御信号HIを出力する。チョッピング回路CHPはノット回路NT1へ接続する。
従って、この作用が電流系統Bにおける電圧が基準電圧を超えた場合に電流系統Bに電気が流れたものとし、スタータモータ5を制御する機能を担当している。
チョッピング回路CHPは、制御信号HIを所定の周期にチョッピングして出力する。これは、負荷ショート時の過電流によりスイッチ34が熱破壊することを防止するためである。
また、2つの接続線のうち比較器CP1のマイナス部へ入力される接続線から分岐する接続線が、比較器CP2のプラス部へ接続される。比較器CP2のマイナス部には他端が接地された比較電圧値となる電源D1の一端が接続される。
分岐した接続線には電流を適当な値となるように抑制する抵抗T4を備え、その下流に他端が接地されたコンデンサCDの一端が接続される。つまり、電流系統Bへ電気が流れた場合は、分岐した接続線へ電気が流れて抵抗T4により抑制されるとともに、コンデンサCDへ蓄積される。電気が蓄積されてコンデンサCDの蓄積容量を超えると電気が比較器CP2へ流れ出す。
比較器CP2は、プラス部へ入力されたた電気の電圧とマイナス部へ入力された基準電圧を比較する。比較器CP2はフリップフロップ回路FFと接続されており、比較器CP2は流れ出した電気の電圧が基準電圧を超えると制御信号HIをフリップフロップ回路FFへ出力する。
従って、この作用が電流系統Bにおける電気の流れを遅延させる機能の役割を果たしているといえる。
フリップフロップ回路FFは、前述したように、電流系統Bに電気が流れる場合はリセットされないので、比較器CP2から入力された制御信号HIが反転して制御信号LOWを、フリップフロップ回路FFと接続されるノア回路NR1へ出力する。
ノア回路NR1には、演算部300aがスイッチ39を制御するための制御線、つまり、演算部300aとスイッチ39を繋ぐ制御線から分岐した制御線が接続される。スタータスイッチ12を操作して始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行する場合、換言すると、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行しない場合は、ノア回路NR1へは制御信号LOWが入力される。逆に、スタータスイッチ12を操作して始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行しない場合、換言すると、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行する場合は、ノア回路NR1へは制御信号HIが入力される。
つまり、ノア回路NR1は、電流系統Bへ電気が流れる場合で、かつ、演算部300aが制御信号HIを出力しない場合、換言すると、スタータスイッチ12を操作して始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行する場合で、かつ、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行しない場合に、制御信号HIを出力する。
また、ノア回路NR1は、電流系統Bへ電気が流れる場合で、かつ、演算部300aが制御信号HIを出力する場合、換言すると、ユーザによりスタータスイッチ12を操作して始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行しない場合で、かつ、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行する場合に、制御信号LOWを出力する。
従って、この作用がユーザによりスタータスイッチ12を操作して始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行する場合と、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行する場合を判断する機能の役割を果たしている。
ノア回路NR1はノット回路NT2に接続し、ノット回路NT2はノア回路NR2へ接続する。ノア回路NR2はバッファ回路B1へ接続し、バッファ回路B1はスイッチ34へ接続する。ノア回路NR1が制御信号HIを出力するとノット回路NT2において反転してノア回路NR2へ制御信号LOWを出力する。逆に、ノア回路NR1が制御信号LOWを出力するとノット回路NT2において反転してノア回路NR2へ制御信号HIを出力する。
ノア回路NR2は、ノット回路NT1から制御信号LOWとノット回路NT2から制御信号LOWを入力する場合のみ、制御信号HIをバッファ回路B1へ出力するとともにスイッチ34をオンに制御する。
つまり、ノア回路NR2は、ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンにされてエンジン始動制御を実行する場合で、かつ、アイドリングストップ機能により演算部300aによりエンジン始動制御を実行しない場合、更に、チョッピング回路CHPが制御信号HIをチョッピングしたタイミングでのみ、制御信号HIをバッファ回路B1へ出力するとともにスイッチ34をオンに制御して、スタータモータ5を駆動させる。
このような構成を採用することにより、次のような効果が得られる。
コイル1へ通電させた後にスタータモータ5を駆動させるハードウェア制御とソフトウェア制御によりエンジン始動制御時の異音の発声を抑制することができる。
ユーザがスタータスイッチ12を操作した場合にソフトウェア制御よりも故障率の低いハードウェア制御によりスタータシステムを制御するため、ユーザがスタータスイッチ12を操作した場合の始動不良を防ぐことができる。
ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチがオンされエンジンを始動制御する場合は、ハードウェア制御に基づきエンジンを始動し、アイドリングストップ機能によりエンジンを始動制御する場合は、ソフトウェア制御に基づきエンジンを始動するため、アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御の場合のエンジンの始動性を早めることができるとともにエンジン始動の確実性を高めることができる。
ハードウェア制御によりエンジン始動を実行する際は、遅延回路35が前記電流の遅延機能を発揮し、ソフトウェア制御によりエンジン始動を実行する際は、遅延回路35が電流を遮断するため、エンジン始動の際の最低作動電圧を低く確保することができるとともにダイオード部品の装備を省略して製造コストを低減することができる。
<始動スイッチオンによるエンジン始動制御時のフェールセーフ制御>
ユーザによるスタータスイッチ12の操作により始動スイッチ30がオンにされエンジンを始動制御する場合に、スイッチ34がオフ固着異常となった場合は、スタータシステムのドライブレバー4を作動させてピニオンギヤ7をリングギヤ8に噛合させることができるがスタータモータ5を駆動させることはできない。
スイッチ34のオフ固着異常とは、遅延回路35によりスイッチ34をオンに制御する電気を流してもオンにならずオフのままであることをいう。
前述したように、エンジンの始動不良は他の機能不良と比べて、最も商品価値を下げるものの一つであるため、故障率が低いハードウェア制御によってそのエンジン始動制御を実現しその始動不良を防いでいる。しかし、ハードウェアであっても故障する虞はあり、特に、電気の流れを動的に制御するスイッチ34のような電子部品は、他の電子部品よりも故障率は高くなる傾向にある。
従って、スイッチ34の故障、中でもオフ固着異常が発生した場合のフェールセーフ制御をエンジン制御装置300の演算部300aにより実行し、エンジンの始動不良を防いでいる。このフェールセーフ制御を図5に基づいて説明する。
ユーザによりイグニッションスイッチ11がオンにされると、図5に示す制御が開始される。イグニッションスイッチ11がオンにされると、車両に備わるエンジン制御装置を含む電子制御装置に電源が投入されて起動する(STEP1)。
次に、演算部300aは、始動スイッチ30がオンにされて、電流系統Aにおいて電源部31からコイル1へ電気が流れた際のスイッチ34よりも上流の電圧値を検知する第1検知手段である検知部41からの信号に基づいて第1電圧値を算出する(STEP2)。検知部41は一端を接地部へ接地し他端を電流系統Cのダイオード36よりも下流に接続する。
なお、電流系統A及び電流系統Bに電気が流れた際のスイッチ34よりも上流の電圧値を検知できる箇所であれば、電流系統B又は電流系統Cの何れに備わってもよい。
次に、演算部300aは、始動スイッチ30がオンにされて、電流系統Aにおいて電源部31からコイル1へ電気が流れた際のスイッチ34よりも下流の電圧値を検知する第2検知手段である検知部42からの信号に基づいて第2電圧値を算出する(STEP3)。検知部42は一端を接地部へ接地し他端を電流系統Dのダイオード37よりも下流に接続する。
なお、電流系統A及び電流系統Bに電気が流れた際のスイッチ34よりも下流の電圧値を検知できる箇所であれば、電流系統B又は電流系統Dの何れに備わってもよい。
次に、演算部300aは算出した第1電圧値から第2電圧値を引いた値が所定値以上の場合には、スイッチ34よりも下流には電気が流れていない。つまり、スイッチ34が仮のオフ固着異常(オフ固着仮異常)であると判断しSTEP5へ移行する(STEP4にてYES)。一方、その引いた値が所定値未満の場合には、スイッチ34よりも下流へ電気が流れている。つまり、スイッチ34がオフ固着異常ではないと判断しリターンへ移行する(STEP4にてNO)。スイッチ34のオフ固着異常が判断されずリターンへ移行した場合は、図5に示すフェールセーフ制御を所定時間繰り返す。
演算部300aがスイッチ34のオフ固着仮異常を判断した場合は、スイッチ34をオンに制御する(STEP5)。
次に、演算部300aは検知部41からの信号に基づいて第1電圧値を算出する(STEP6)。
次に、演算部300aは検知部42からの信号に基づいて第2電圧値を算出する(STEP7)。
次に、演算部300aは算出した第1電圧値から第2電圧値を引いた値が所定値以上の場合には、スイッチ34がオフ固着異常(オフ固着本異常)であると判断しSTEP9へ移行する(STEP8にてYES)。一方、その引いた値が所定値未満の場合には、スイッチ34がオフ固着異常ではないと判断しリターンへ移行する(STEP8にてNO)。スイッチ34のオフ固着異常が判断されずリターンへ移行した場合は、所定時間図5に示すフェールセーフ制御を繰り返す。
演算部300aが、スイッチ34がオフ固着本異常であると判断した場合は、コイルの温度を検知する温度検知部14からの信号に基づいてコイルの温度を算出する(STEP9)。
次に、演算部300aは、算出したその温度と不揮発性記憶部300bに記憶されているコイルの温度と温度に応じた遅延時間のマップに基づいて温度に応じた時間(遅延時間)を決定する(STEP10)。
次に、演算部300aは、決定した温度に応じた時間(遅延時間)に基づいて、スイッチ40をオンに制御する(STEP11)。つまり、検知部41からの信号を受信してからその温度に応じた時間経過後にスイッチ40をオンに制御して、電源部38からの電気を接地部33へ流しスタータモータ5を駆動させる。
フェールセーフ制御を実行した場合は、演算部300aは図5に示す制御を所定時間繰り返さずに終了する。
このようなフェールセーフ制御を実行することにより、最も商品価値を下げるものの一つであるエンジンの始動不良の発生を防ぐことができる。
<アイドリングストップ機能によるエンジン始動制御時のフェールセーフ制御>
アイドリングストップ機能によりエンジンを始動制御する場合に、スイッチ40がオフ固着異常となった場合は、スタータシステムのドライブレバー4を作動させてピニオンギヤ7をリングギヤ8に噛合させることができるがスタータモータ5を駆動させることはできない。
アイドリングストップによるエンジン始動制御であっても、エンジン始動制御には変わりないためできるだけエンジン始動不良を防ぎたい。
従って、スイッチ40の故障、中でもオフ固着異常が発生した場合のフェールセーフ制御をエンジン制御装置300の演算部300aにより実行し、エンジンの始動不良を防いでいる。このフェールセーフ制御を図7に基づいて説明する。
アイドリングストップ機能によりエンジンが始動制御されると図7に示す制御が開始される。
まず、演算部300aは、スイッチ39をオンに制御する(STEP21)。
次に、演算部300aは、スイッチ40をオンに制御する(STEP22)。
次に、演算部300aは、スイッチ39をオンに制御して、電流系統Cにおいて電源部38からコイル1へ電気が流れた際のスイッチ39よりも下流の電圧値を検知する検知部41からの信号に基づいて第1電圧値を算出する(STEP23)。検知部41は一端を接地部へ接地し他端を電流系統Cのスイッチ39よりも下流に接続する。
なお、電流系統Cに電気が流れた際のスイッチ40よりも下流の電圧値を検知できる箇所であれば、電流系統B又は電流系統Cの何れに備わってもよい。
次に、演算部300aは、スイッチ40をオンにして、電流系統Dにおいて電源部38からスタータモータ5へ電気が流れた際のスイッチ40よりも下流の電圧値を検知する検知部42からの信号に基づいて第2電圧値を算出する(STEP24)。検知部42は一端を接地部へ接地し他端を電流系統Dのダイオード37よりも下流に接続する。
なお、電流系統Dに電気が流れた際のスイッチ40よりも下流の電圧値を検知できる箇所であれば、電流系統B又は電流系統Dの何れに備わってもよい。
次に、演算部300aは算出した第1電圧値から第2電圧値を引いた値が所定値以上の場合には、スイッチ40よりも下流には電気が流れていない。つまり、スイッチ40が仮のオフ固着異常(オフ固着仮異常)であると判断しSTEP26へ移行する(STEP25にてYES)。一方、その引いた値が所定値未満の場合には、スイッチ40よりも下流へ電気が流れている。つまり、スイッチ40がオフ固着異常ではないと判断しリターンへ移行する(STEP25にてNO)。スイッチ40のオフ固着異常が判断されずリターンへ移行した場合は、図5に示すフェールセーフ制御を所定時間繰り返す。
演算部300aがスイッチ34のオフ固着仮異常を判断した場合は、第3スイッチであるスイッチ40をオンに制御する(STEP26)。
次に、演算部300aは検知部41からの信号に基づいて第1電圧値を算出する(STEP27)。
次に、演算部300aは検知部42からの信号に基づいて第2電圧値を算出する(STEP28)。
次に、演算部300aは算出した第1電圧値から第2電圧値を引いた値が所定値以上の場合には、スイッチ40がオフ固着異常(オフ固着本異常)であると判断しSTEP30へ移行する(STEP29にてYES)。一方、その引いた値が所定値未満の場合には、スイッチ34がオフ固着異常ではないと判断しリターンへ移行する(STEP29にてNO)。スイッチ40のオフ固着異常が判断されずリターンへ移行した場合は、図5に示すフェールセーフ制御を所定時間繰り返す。
演算部300aが、スイッチ40がオフ固着本異常であると判断した場合は、コイル1の温度を検知する温度検知部14からの信号に基づいてコイル1の温度を算出する(STEP30)。
次に、演算部300aは、算出したその温度と不揮発性記憶部300bに記憶されている温度と遅延させる時間のマップに基づいて温度に応じた時間(遅延時間)を決定する(STEP31)。
次に、演算部300aは、決定した温度に応じた時間(遅延時間)に基づいて、スイッチ39とスイッチ34をオンに制御する(STEP32)。つまり、スイッチ39をオンにしてからその温度に応じた時間経過後にスイッチ39とスイッチ34をオンに制御して、電源部38からの電気を接地部33へ流しスタータモータ5を駆動させる。
フェールセーフ制御を実行した場合は、演算部300aは図5に示す制御を所定時間繰り返さずに終了する。
このようなフェールセーフ制御を実行することにより、最も商品価値を下げるものの一つであるエンジンの始動不良の発生を防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
1 コイル
2 電磁石
5 スタータモータ
7 ピニオンギヤ
8 リングギヤ
11 イグニッションスイッチ
12 スタータスイッチ
14 温度検知部
30 始動スイッチ
35 遅延回路
300 エンジン制御装置

Claims (9)

  1. スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、
    前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、
    前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、
    前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、
    前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、
    前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、
    前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、
    前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧とに基づいて前記第1スイッチのオフ固着異常を検知した場合は、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
    前記コイルの温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2スイッチをオンして前記コイルへ電流を流してから前記温度に応じた時間を経過後に前記第3スイッチをオンにして前記スタータモータへ電流を流すことを特徴とするエンジン制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2の何れかに記載のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、ユーザ操作により前記始動スイッチがオンにされた場合は、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧との電圧差が所定値以上の場合に、前記第1スイッチにオンする指示を行い、その際の前記電圧差が所定値以上の場合は、前記第2スイッチと前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記第3スイッチにオンする指示を行い、その際に前記第2検知手段が検知する電圧が所定電圧以下の場合は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとをオンすることによって前記第3電流系統からの電気を前記第2電流系統へ導く
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジン制御装置において、
    前記遅延回路は、ユーザ操作により始動スイッチがオンにされた場合は、前記第1スイッチを制御して前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導き、前記制御手段により前記第2スイッチがオンされた場合は、前記第1スイッチをオフ状態にしてスタータモータへ導く電流を遮断する
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  6. エンジンと、
    前記エンジンを始動するスタータモータと、
    前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルと、
    前記スタータモータと前記コイルとに電源から電流を導くことで、前記エンジンの始動を制御する請求項1ないし5の何れかに記載のエンジン制御装置と、
    を備えることを特徴とする車両。
  7. スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御方法であって、
    前記車両は、前記電源から前記コイルへ導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、前記第2電流系統に介装される、第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、を備えるものであり、
    前記車両は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされて前記第2電流系統へ電気が流れた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧とに基づいて前記第1スイッチのオフ固着異常を検知するステップと、
    前記第1スイッチのオフ固着異常を検知する場合に、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御するステップを
    備えることを特徴とするエンジン制御方法。
  8. スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、
    介装された始動スイッチがオン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、
    前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、
    前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、
    前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、
    前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、
    前記第2電流系統に介装される第3スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第3スイッチにオンする指示を行い、その際の前記検知手段が検知した電圧が所定電圧以下の場合は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとをオンする
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  9. スタータモータと、前記スタータモータの出力軸のエンジンへの接続状態を変更するコイルとへ電源から電流を導くことで、車両のエンジンの始動を制御するエンジン制御装置であって、
    前記電源から前記コイルへ電流を導く第1電流系統から分岐して前記スタータモータへ電流を導く第2電流系統に介装され、オン又はオフすることによって前記第1電流系統からスタータモータへ導く電流を通電又は遮断させる第1スイッチと、
    前記第1スイッチを制御して、前記コイルへ電流が導かれてから遅延させてスタータモータへ電流を導く遅延回路と、
    前記電源から前記コイルへ電流を導く第3電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記コイルへ導く電流を通電又は遮断させる第2スイッチと、
    前記電源から前記スタータモータへ電流を導く第4電流系統に介装される、オン又はオフすることによって前記電源から前記スタータモータへ電流を通電又は遮断させる第3スイッチと、
    前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御してエンジン始動制御を実行する制御手段と、
    前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記電源側の電圧を検知する第1検知手段と、
    前記第2電流系統に介装される第1スイッチより前記スタータモータ側の電圧を検知する第2検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、ユーザ操作により前記第1電流系統に介装される始動スイッチがオンにされた場合に、前記第1検知手段が検知する電圧と前記第2検知手段が検知する電圧との差が所定値以上の場合は、前記第3スイッチを制御してエンジンを始動制御する
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
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