JP5284748B2 - 蛍光標示材、及び蛍光標示材を用いた路面標示構造 - Google Patents

蛍光標示材、及び蛍光標示材を用いた路面標示構造 Download PDF

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Description

本発明は、路面、空港滑走路などの舗装上に施工される路面標示の視認性を向上させるために、路面標示に用いる蛍光標示材に関する。なお、本願における路面標示とは、道路面に施す標示に限定されず、空港滑走路や、アスファルト舗装、コンクリート舗装等の舗装面に施す誘導線、区画線等の標示、路肩の壁面や縁石等に施す標示を指す。

従来、路面標示の夜間における視認性を向上させるための標示材の技術として、特開平10−105100号公報、特開2000−7952号公報等で開示されている技術、昼間における視認性を向上させるための標示材の技術として、特表2003−528171号公報で開示されている技術があった。
特開平10−105100号公報 特開2000−7952号公報 特表2003−528171号公報
特許文献1として示す特開2001−48586号公報には、再帰反射特性及び散乱反射特性に似優れ、雨天時、夜間での視認性にすぐれたガラスビーズの発明が開示されている。
特許文献2として示す特開2000−7952号公報には、蓄光型蛍光体粉末を含有し、昼間の蓄光によって夜間に自発光することによって、夜間の視認性を向上させたガラスビーズの発明が開示されている。
特許文献3として示す特表2003−528171号公報には、チオキサントン、ペリレン、ペリレンイミド、キサンテン化合物、およびその混合物からなる群より選択される蛍光染料と、ポリカーボネート、ポリエステル、およびその混合物からなる群より選択されるポリマーマトリックスを含有した蛍光顔料の発明、前記蛍光染料と前記ポリマーマトリックスの混合物からなる蛍光顔料を、蛍光顔料の一部がバインダー表面に見えるようにバインダー内又はバインダー上に配置した蛍光物品の発明、及び前記蛍光物品を製造する方法の発明が開示されている。
しかし、前記した特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、以下のような課題を抱えていた。
特許文献1に示されたような再帰反射特性を有する標示材は、光が入射した方向に光を返す特性を有するものである。従って、路面標示に使用した場合、夜間においては、標示材が配置された路面標示が照明等の光源からの光に照らされると、光源の方向に光を反射する。そのため、光が反射された方向、即ち、路面標示部と光源を結ぶ直線上又はその直線付近から、前記標示部を観測したときの視認性は良好であるが、観測位置が前記直線上から離れている場合における視認性は十分ではなかった。
特許文献2に示されたガラスビーズは、蓄光型蛍光体粉末によって自発光するものであって、路面標示に使用した場合、夜間に、標示部に照明等の光源からの光が照射されない場合においては、昼間や光が照射されたときに蓄光したガラスビーズが発光することによって標示部が視認できるが、蓄光型の蛍光体は、発光される光の輝度が小さく、標示部に光が照射されたときに、標示部の視認性を向上させるには十分なものではなかった。
特許文献3に示された蛍光顔料は、所望の用途に応じて任意のサイズ及び形状の粒子でよいとされており、用途として、路面標示に使用する方法が記載されているが、任意のサイズ及び形状では、夜間において路面標示が照明などの光源からの光に照らされたときに、該路面標示の広範囲の観測位置における視認性が十分とは言えなかった。また、特許文献3に示された蛍光顔料、アクリル系塗料との密着性が十分ではないため、路面標示としてアクリル系樹脂を結合材とする塗料を塗布した後、該塗料が未乾燥のうちに、前記蛍光顔料を塗料上に塗布して、該塗料が乾燥した塗膜に前記蛍光顔料を固着させた場合、蛍光顔料の塗膜に対する固着力が十分ではなかった。
また、特許文献3に示された蛍光顔料は、昼間における視認性に優れたものであっても、夜間において、照明等の光源からの光が照射された場合おける視認性については考慮されていなかった。
本発明では、夜間において路面標示が照明などの光源からの光に照らされたときに、該路面標示が広範囲の観測位置において視認性に優れたものとするために、路面標示の表層に配置する蛍光標示材、及び該蛍光標示材を用いた路面標示の標示構造を提供することを目的としている。
この出願の請求項1に記載の発明は、路面標示の表層に配置される蛍光標示材であって、該蛍光標示材は合成樹脂と蛍光色素とを含有する透明体であり、該蛍光標示材は表面に3以上の面を有し、且つ該蛍光標示材が外接する最小の球の体積を100としたときの該蛍光標示材の体積が10〜60である形状であることを要旨としている。
この出願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蛍光標示材において、蛍光色素がペリレン系色素であることを要旨としている。
この出願の請求項3に記載の発明は、路面、空港滑走路などの舗装上に施工される路面標示の構造であって、塗膜の表層に、請求項1又は2に記載の蛍光標示材が固着していること特徴とする路面標示構造である。
この出願の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の路面標示構造において、前記蛍光標示材が含有する合成樹脂がアクリル樹脂であって、前記塗膜がアクリル系合成樹脂を結合材とする塗料の塗膜であることを要旨としている。
この出願の請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の路面標示構造において、前記蛍光標示材の一部が塗膜に埋没しており、塗膜に固着した蛍光標示材の全数の70%以上の蛍光標示材において、該蛍光標示材の表面積100とした場合に、蛍光標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積が15〜50であることを要旨としている。
請求項1に記載の発明によれば、夜間において照明などの光源に照らされた路面標示が広範囲の観測位置において視認性に優れる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、耐候性に優れた蛍光標示材が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、夜間において路面標示が照明などの光源に照らされたときに、該路面標示が広範囲の観測位置において視認性に優れた路面標示構造が得られる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、塗膜と蛍光標示材の固着力に優れた路面標示構造が得られる。
請求項5及に記載の発明によれば、請求項3又は4の発明の効果に加え、特に視認性に優れた路面標示構造が得られる。
以下、本発明の蛍光標示材1について、図1〜2に基づいて詳細に説明する。
本発明の蛍光標示材1の一例を図1に示す。図1に示された蛍光標示材1は、合成樹脂としてのアクリル樹脂と、蛍光色素としてのペリレン系色素とからなる円柱形の透明体であって、蛍光色素の含有量は、蛍光標示材1中に0.04質量%である。該蛍光標示材1は、底面の直径/高さの比が1/1.2の円柱形であって、蛍光標示材1の表面は、平面A2、曲面3、及び平面B4の3つの面で構成されており、図2に示すように、蛍光標示材1に外接する仮想の球うちで最小の球5の体積を100とした場合の蛍光標示材1の体積(以下、この数値をV/V(S)という)は47である。なお、V/V(S)は、蛍光標示材1の体積を蛍光標示材1に外接する仮想の球うちで最小の球5の体積で除して得た数値に100を乗じて算出する。
前記蛍光標示材1は、路面標示の表層に配置して用いるものであって、照射された光を吸収して蛍光に変えて再放出する性質を持つ。蛍光とは、ある種の物質が光エネルギーを吸収して励起状態となり、基底状態にもどるときに発する光であり、発せられる光は、周囲の色彩より明度が高く鮮やかな色彩であるため、人間の視覚にうったえる力が強く目立って見える。従って、合成樹脂と蛍光色素とが含有された蛍光標示材1は視認性に優れたものとなる。
以下に蛍光標示材1の形成成分である合成樹脂及び蛍光色素について説明する。
前記合成樹脂とは、アクリル樹脂に限定されるものではなく、透明性の高い合成樹脂であれば用いることができる。メタクリル樹脂、ABS樹脂等のアクリル樹脂以外の合成樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記合成樹脂のうち、蛍光標示材1にはアクリル樹脂を用いることが好ましい。合成樹脂としてアクリル樹脂を用いることによって、耐久性、耐候性に優れた蛍光標示材1が得られる。また、アクリル樹脂は合成樹脂の中でも光透過度が大きく、透明度が高いため、蛍光標示材1に照射された光の多くが蛍光標示材1内部の蛍光色素に到達し、蛍光となって再放出されることとなり、透明度の低い合成樹脂を用いる場合に比べて蛍光の放出効率が優れる。
前記蛍光色素としては、ペリレン系色素以外にも、ローダミン系色素、シアニン系色素、ピリジン系色素、ピラジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、ナフタルイミド系色素、スチルベン系色素などを用いることが出来る。なお、本願における蛍光色素とは、光が照射された時にだけ蛍光を発する色素又は染料を指し、蓄光顔料のように光の照射を停止した後も発光するものは含まない。前記蛍光色素は透明性の高い合成樹脂中に練り込んで用いる。
前記蛍光色素の中でも蛍光標示材1に用いる蛍光色素としては、蛍光色素を含有した蛍光標示材1が400nm以上の波長の可視光領域の光を吸収して蛍光を放出する性質を持つような色素を選択することが好ましい。蛍光標示材1が400nm以上の波長の可視光によって蛍光を放出するものであれば、該蛍光標示材1は、紫外線の放射量を抑えた水銀灯や蛍光灯による照明光や紫外線量の少ない照明光によっても蛍光を発することができる。
これに対して、400nm以上未満の波長の紫外線のみを吸収して蛍光を放出する蛍光標示材1を発光させるには、蛍光標示材1を発光させるのに十分な紫外線を放射する水銀灯や蛍光灯、又は紫外線ランプ等の紫外線を多く発生する照明によって光を照射する必要がある。400nm以上の波長の可視光領域の光を吸収して蛍光を放出する蛍光標示材1に含有される蛍光色素としては、例えば、ペリレン系色素、ローダミン系色素、シアニン系色素、ピリジン系色素、ピラジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素などがあげられる。それらの中でも、高輝度性、高耐候性、高耐熱性が優れている点から、蛍光色素としてペリレン系色素を用いることが好ましい。
前記ペリレン系色素とは、ペリレン又はその誘導体をいう。ペリレン誘導体としては、例えば、ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ジメチルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド、ペリレン −3,4−ジカルボン酸イミド−9−スルホン酸またはその塩、アルキルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド、9−シアノ置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸モノイミド、テトラアロキシペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ポリイミドなどのペリレン−3,4−カルボン酸イミド類、1,7―ジアリールチオ置換ペリレン−3,4,9,10―テトラカルボン酸、1,7−二置換ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、1,7−二置換ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド、1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸などの1,7−ペリレン −3,4,9,10−テトラカルボン酸類、ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド などが挙げられる。上記ペリレン系色素の中でも、蛍光標示材1に用いる色素としては、好ましくは、ペリレン−3,4−カルボン酸イミド類、1,7−ペリレン −3,4,9,10−テトラカルボン酸類であり、より好ましくはペリレン−3,4−カルボン酸イミド類である。
前記蛍光色素の含有量は特に限定されるものではないが、蛍光標示材1中に0.005〜3質量%含有されていることが好ましく、0.01〜0.5質量%含有されていることがより好ましい。前記蛍光色素の含有量が0.005質量%未満の含有量では蛍光標示材1の視認性が十分とは言えない。また、前記含有量が3質量%を超えて含有している場合には蛍光が減少して蛍光標示材1の視認性が低下する。また、前記蛍光色素の含有量が0.01〜0.5質量%であれば、蛍光標示材1の視認性がより優れる。
次に、蛍光標示材1の形状について説明する。
前記蛍光標示材1の形状は、表面に3以上の面を有し、且つV/V(S)が10〜60である形状であることが好ましく、より好ましくは15〜40である形状である。ここでの面とは、平面、曲面、及び略平面であって、蛍光標示材1表面において入角部及び/又は出角部によって囲まれた領域のことをいう。なお、一般に入角部又は出角部とは平面と平面の出合った角を指すが、本発明では、曲面と曲面の出合った角、及び曲面と平面の出合った角も入角部又は出角部と呼ぶこととする。
蛍光標示材1が、3以上の面を有し、且つV/V(S)が10〜60の形状であることによって、蛍光標示材1は十分な強度を備えたものとなり、且つ路面標示の表層に複数の蛍光標示材1を不規則に配置した場合に、それらの蛍光標示材1の面が様々な方向を向くため、路面標示に一方向から照射した光に対して、複数の蛍光標示材1が様々な方向に蛍光を放出し、該路面標示は広範囲の観察位置において視認性に優れたものとなる。
蛍光標示材1において、V/V(S)が10未満である場合には、蛍光標示材1は十分な強度が得られずに外力によって破損し易くなる。また、V/V(S)が15以上である場合には、路面標示の表層に蛍光標示材1を配置するために蛍光標示材1を路面標示上に散布する場合に、該蛍光標示材1が分散(辞書:物事がばらばらに分かれ散ること。また、分け散らすこと。「―して宿泊する」)し易いため、蛍光標示材1の散布が容易に行うことができる。また、V/V(S)が60以下である形状であると、その蛍光標示材1と同体積であってV/V(S)が60を超える形状の蛍光標示材1を用いた場合と比べて、蛍光標示材1の表面積に対して前記塗膜に接している部分の面積の割合が小さい蛍光標示材1が多くなるため、視認性に優れた路面標示が得られる。より好ましいのは、V/V(S)が40以下である場合である。
前記蛍光標示材1は、押出成形、射出成形、注形成形などで成形することができるが、成形方法は特に限定されるものではない。
以上のように構成された蛍光標示材1は、路面標示の表層に配置されるものであって、図3に示すような路面標示構造6を形成することができる。図3に示す路面標示構造6は、路面舗装8の上に形成された路面標示であって、路面舗装8上に塗膜7が形成され、該塗膜7の表層に蛍光表示材1がランダムに配置されたものである。
(第1実施形態)本発明人は、アクリル樹脂とペリレン系蛍光色素を含有した円柱形(底面の直径2mm、高さ3mm)の蛍光標示材1を作製した。なお、前記ペリレン系蛍光色素の含有量は前記蛍光標示材1中に0.02質量%であった。また、路面標示を形成するために、塗料としての水系塗料と塗装機としてのエアレス塗装機とを準備した。なお、前記水系塗料は、結合材としてのアクリル系合成樹脂エマルション(固形分50質量%)100質量部、白色顔料としての酸化チタン30質量部、充填材としての炭酸カルシウム150質量部、界面活性剤、増粘剤等の添加剤10質量部を混合攪拌したものであった。
次に、コンクリート舗装上に、エアレス塗装機を使って前記水系塗料を幅約30cmで長さ10mのライン状に吹付けて塗布して、前記水系塗料が未乾燥のうちに、水系塗料上に前記蛍光標示材1を散布した。なお、前記水系塗料の塗布量は0.33L/m、蛍光標示材1の散布量は0.26kg/mであった。
その後、前記水系塗料が乾燥して塗膜7を形成することで、コンクリート舗装上に、塗膜7と該塗膜7の表層に配置された蛍光標示材1とからなる路面標示構造6を得た。該路面標示構造6においては、蛍光標示材1は塗膜7に固着しており、蛍光標示材1の一部が塗膜7に埋没していた。このとき、塗膜7に固着した蛍光標示材1の全数の70%以上の蛍光標示材1において、各蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接している部分の表面積は、各蛍光標示材1の表面積全体の30〜40%であった。
次に、前記路面標示構造6からなる路面標示から水平方向に10m離れた高さ12mの位置に水銀ランプを備えた投光機を設置し、夜間、路面標示に投光機によって光を照射し、路面標示から水平方向に30m離れた位置に停止した航空機のコックピットから路面標示を目視で観察した。
観察の結果、前記路面標示の視認性は良好であった。また、前記路面標示を間近で観察したところ、蛍光標示材1の表面積に対して前記塗膜7に接している部分の面積の割合が小さい蛍光標示材1ほど視認性に優れている傾向があり、例えば、蛍光標示材1の表面の全表面積のうち58%が塗膜と接している蛍光標示材1より、蛍光標示材1の表面の全表面積のうち28%が塗膜と接している蛍光標示材1の方が明るく見えた。
第1実施形態の詳細について以下に説明する。
前記水系塗料において、前記結合材は、アクリル樹脂を水に分散させたアクリル系合成樹脂エマルションに限らず、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂を単独又は共重合したものを水に分散させたものなどを用いることができる。また、前記白色顔料としては、酸化チタンに限らず、例えば、亜鉛華、リトポン、鉛白などを用いることができる。また、前記充填材としては、炭酸カルシウムに限らず、例えば、珪砂、タルク、カオリンクレー、ホワイトカーボン、酸化カルシウムなどを用いることができる。また、前記添加剤は通常の塗料に用いるものを任意に設定することができ、例えば、分散剤、湿潤剤等の界面活性剤、メチルセルロース、HEC、ポリアクリル酸、ベントナイト等の増粘剤、カドニウム赤、べんがら、トルイジンレッド、黄鉛、鉄黄、チタン黄、ファストイエロー、アントラキノンイエロー、ベンジジンイエロー、酸化クロム、フタロシアニングリーン、紺青、群青、フタロンシアニンブルー、カーボンブラック、鉄墨、黒鉛等の無機・有機顔料、及び消泡剤などを用いることができる。また、水系塗料は、前記白色顔料や前記充填材を含有しないクリヤー塗料であってもよい。
また、前記塗料としては、水系塗料に限定されず、加熱溶融型の路面標示用塗料、溶剤型路面標示塗料などの溶剤系塗料、無溶剤系塗料などを用いることができ、その中でも、水系塗料、無溶剤系塗料を用いることが好ましい。加熱溶融型の路面標示用塗料を用いる場合には、塗料を塗装した直後に蛍光標示材1を散布した場合に、蛍光標示材1が加熱溶融型塗料の熱によって軟化・融解することによって、蛍光標示材1の散布前の形状が損なわれるおそれがある。また、溶剤系塗料を用いる場合には、蛍光標示材1が溶剤系塗料に含有されている有機溶剤によって軟化・溶解することによって、蛍光標示材1の散布前の形状が損なわれるおそれがある。また、作業者の安全性や周辺環境への影響を考慮すると、水系塗料を用いることがより好ましい。また、水系塗料の中でも、アクリル系水系塗料を用いることによって、塗料により形成される塗膜7の耐久性、耐候性に優れた路面標示構造を得ることができる。
また、路面標示の表層に前記蛍光標示材を配置する方法としては、塗料に固着させる方法に限定されず、例えば、セメント、石膏などの無機結合材を含有する路面標示を形成する際に、該路面標示の硬化前に前記蛍光標示材を散布して、該路面標示の硬化によって蛍光標示材を固着させる方法や、既存の路面標示に接着剤又は粘着材などを用いて貼り付ける方法などがある。
前記水系塗料としてアクリル系水系塗料を用いる場合には、蛍光標示材1は、アクリル樹脂を含有するものであることが好ましい。蛍光標示材1がアクリル樹脂を含有することにより、塗料の結合材としてアクリル系合成樹脂エマルションを用いた場合に、塗膜7と蛍光標示材1との密着が良好なものとなる。
また、前記路面標示構造6においては、アクリル系水系塗料とアクリル樹脂を含有する蛍光標示材1を用いる場合に限らず、塗膜7の結合材として用いる合成樹脂の組成と蛍光標示材1に用いる樹脂の組成とが同じであることが好ましい。塗膜7の結合材として用いる合成樹脂の組成と蛍光標示材に用いる樹脂の組成とが同じであることによって、塗膜7と蛍光標示材1との密着が強固なものになる。
前記塗料の塗布方法は、エアレス塗装機による吹付け塗装に限定されず、ローラー、ハケ、スプレー等の一般に用いられる塗装機や塗装器具を使って塗布すればよいが、路面には凹凸がある場合が多く、凹部に塗り残しがないように塗装できる点においてスプレー塗装が適している。また、塗料の塗布量は、路面標示としての塗膜の耐久性や、塗料に固着する蛍光標示材1の形状やサイズなどを考慮して任意に設定することができる。前記塗布量は、好ましくは、0.08〜1.00L/mである。塗布量が1.00L/m以下であれば、路面標示の厚みが適当なものとなり、蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接する部分の面積が適度なものとなる。また、塗布量が0.08L/m以上で蛍光標示材1を塗膜7に十分に固着させることができる。より好ましい塗布量は、0.10〜0.60L/mである。
前記蛍光標示材1の散布方法としては、手動で散布してもよく、散布装置などを使用して自動で散布してもよい。また、前記蛍光標示材1の散布量は、蛍光標示材1の形状、サイズ、及び、路面標示又は道路標識の施工部位や設置場所において必要とされる視認性などの諸条件を考慮して任意に設定することができる。好ましくは、路面上に施工された路面標示において、蛍光標示材が配置されている部分の面積が路面標示全体の面積の30%以上であり、このとき路面標示は十分な視認性がある。また、より好ましくは、路面上に施工された路面標示において、蛍光標示材が配置されている部分の面積が路面標示全体の面積の50%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。
また、上記した路面標示構造6では、蛍光標示材1は塗膜7に該蛍光標示材1の一部が埋没して固着しているが、その固着の状態が視認性に影響する。合成樹脂製の蛍光標示材1は、塗膜7の結合材となる合成樹脂との屈折率の差が小さく、蛍光標示材1内の光が塗膜7に吸収されやすいため、該蛍光標示材1の表面のうち塗膜7に接している部分の割合が大きいと視認性が低下する。そのため、蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接する部分の割合が小さいほど視認性に優れたものとなる。よって、塗膜7に固着した蛍光標示材1の全数の80%以上の蛍光標示材1において、塗膜7に固着した蛍光標示材1の表面積を100とした場合に、蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接している部分の面積は15〜50であることが好ましく、20〜40であることがより好ましい。塗膜7に固着した蛍光標示材1の表面積を100とした場合に、蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接している部分の面積が50を超える場合には、蛍光標示材1の視認性が十分でない。逆に、塗膜7に固着した蛍光標示材1の表面積を100とした場合に、蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接している部分の面積が15未満である場合には、蛍光標示材1の塗膜7への固着力が十分ではない。
また、前記蛍光標示材1の大きさは、目開き5.6mmのふるいを通過し、目開き0.25mmのふるいを通過しない大きさであることが好ましく、蛍光標示材1の大きさは、目開き4.0mmのふるいを通過し、目開き0.85mmのふるいを通過しない大きさであることがより好ましい。これによって、塗膜7の表面に固着する蛍光標示材1が塗膜7に適度に接したものとなる。
前記の蛍光標示材1及び路面標示構造6は、空港用の路面標示に用いることが好ましい。航空機は、コックピットの近傍に、路面を照らす照明等の発光装置を備えていない場合が多い。そこで、夜間において、コックピットから路面標示を観測する場合、観測者は、滑走路灯や投光機などによって観測者とは別方向から照らされた路面標示を見ることになる。このため、再帰反射性を有する標示材を路面標示の表層に配置すると、滑走路灯や投光機などにより照射された光を、滑走路灯や投光機の方向に反射するため、路面標示表層部に再帰反射性を有する標示材を配置したとしても、コックピットから見た路面標示の視認性が十分ではない。しかし、本願発明の蛍光標示材1を路面標示の表層に配置すれば、該蛍光標示材1は一定の方向に光を発するものではなく、広範囲の観測位置において良好な視認性が得られるため、コックピットから観測した路面標示の視認性を向上させることができる。
(第2実施形態)本発明人は、ポリカーボネートとペリレン系色素を含有した円筒形(底面の直径約2mm、高さ約3mm)の蛍光標示材1を作製した。なお、前記ペリレン系蛍光色素の含有量は前記蛍光標示材1中に0.04質量%であった。また、路面標示を形成するために、塗料としての水系塗料と塗装機としてのエアレス塗装機とを準備した。なお、前記水系塗料は、アクリル系合成樹脂エマルション(固形分45質量%)100質量部、酸化チタン20質量部、炭酸カルシウム160質量部、界面活性剤、増粘剤等の添加剤8質量部を混合攪拌したものであった。
次に、コンクリート舗装上に、エアレス塗装機を使って前記水系塗料を幅約30cmで長さ10mのライン状に吹付けて塗布して、前記水系塗料が未乾燥のうちに、水系塗料上に前記蛍光標示材1を散布した。なお、前記水系塗料の塗布量は0.30L/m、蛍光標示材1の散布量は0.20kg/mであった。
その後、前記水系塗料が乾燥して塗膜7を形成することで、コンクリート舗装上に、塗膜7と該塗膜7の表層に配置された蛍光標示材1とからなる路面標示構造6を得た。該路面標示構造6においては、蛍光標示材1は塗膜7に固着しており、蛍光標示材1の一部が塗膜7に埋没していた。このとき、塗膜7に固着した蛍光標示材1の全数の70%以上の蛍光標示材1において、各蛍光標示材1の表面のうち塗膜7と接している部分の表面積は、各蛍光標示材1の表面積全体の25〜40%であった。
次に、前記路面標示構造6からなる路面標示から水平方向に約10m離れた高さ12mの位置に水銀ランプを備えた投光機を設置し、夜間、路面標示に投光機によって光を照射し、路面標示から水平方向に約30m離れた位置に停止した航空機のコックピットから路面標示を目視で観察した。
観察の結果、前記路面標示の視認性は良好であった。また、前記路面標示を間近で観察したところ、蛍光標示材1の表面積に対して前記塗膜7に接している部分の面積の割合が小さい蛍光標示材1ほど視認性に優れている傾向があり、例えば、蛍光標示材1の表面の全表面積のうち47%が塗膜と接している蛍光標示材1より、蛍光標示材1の表面の全表面積のうち23%が塗膜と接している蛍光標示材1の方が明るく見えた。
また、本発明は以下のように実施することもできる。
本発明人は、アクリル樹脂とペリレン系蛍光色素を含有した図4〜8の形状の蛍光標示材1、アクリル樹脂とローダミン系色素を含有した図4〜8の形状の蛍光標示材1、ポリプロピレン樹脂とピリジン系色素を含有した図4〜8の形状の蛍光標示材1を作製した。なお、前記各蛍光色素の含有量は蛍光標示材1中に0.05質量%であった。また、前記蛍光標示材1は、目開き5.6mmのふるいを通過し、目開き0.25mmのふるいを通過しない大きさであった。
図4に示す蛍光標示材1の形状は、該蛍光標示材の表面が1つの曲面と2つの平面からなり、V/V(S)は42である。
図5に示す蛍光標示材1の形状は、該蛍光標示材の表面が1つの曲面と2つの平面からなり、V/V(S)は46である。
図6に示す蛍光標示材1の形状は、該蛍光標示材の表面が1つの曲面と4つの平面からなり、V/V(S)は36である。
図7に示す蛍光標示材1の形状は、該蛍光標示材の表面が6つの平面からなり、V/V(S)は51である。
図8に示す蛍光標示材1の形状は、該蛍光標示材の表面が8つの平面からなり、V/V(S)は48である。
次に、前記した第1実施形態と同様の方法で各蛍光標示材1を用いた路面標示をそれぞれ作製した。
次に、各路面標示の視認性を以下の手順で確認した。
路面標示から水平方向に3m離れた高さ3mの位置に水銀ランプを備えた投光機を設置し、夜間、路面標示に投光機によって光を照射し、路面標示から水平方向に10m離れた位置に立って路面標示を目視で観察した。その結果、図4〜8の形状のいずれの蛍光標示材1を用いた路面標示も視認性は良好であった。
また、本発明人は、アクリル樹脂とナフタルイミド系蛍光色素を含有した図4〜8の形状の蛍光標示材1を作製した。なお、前記ナフタルイミド系蛍光色素の含有量は蛍光標示材1中に0.1質量%であった。また、前記蛍光標示材1は、目開き5.6mmのふるいを通過し、目開き0.25mmのふるいを通過しない大きさであった。
次に、前記した第1実施形態と同様の方法で各蛍光標示材1を用いた路面標示をそれぞれ作製した。
次に、各路面標示の視認性を以下の手順で確認した。
路面標示から3m離れた高さ3mの位置に紫外線ランプを備えた投光機を設置し、夜間、路面標示に投光機によって光を照射し、路面標示から10m離れた位置に立って路面標示を目視で観察した。その結果、図4〜8の形状のいずれの蛍光標示材1を用いた路面標示も視認性は良好であった。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示す。
30cm×30cm×厚さ5cmのコンクリート平板の表面(30cm×30cmの面)全面に、下記の実施例、及び比較例に示す仕様で路面標示構造を形成した試験体を作製した。試験体は、各仕様につき1枚ずつ作製し、路面標示の視認性、標示材と塗膜の固着力、及び標示材の強度の評価を実施した。
実施例及び比較例では、表1及び表2に示す標示材を用いた。なお、表1及び表2中のペリレン系色素(1)とはペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドであり、ペリレン系色素(2)とはペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドであり、ペリレン系色素(3)とはテトラアロキシペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ポリイミドである。
また、図9に示された標示材の形状は、該標示材の表面が1つの曲面と2つの平面からなり、V/V(S)は73であり、目開き2.8mmのふるいを通過し、目開き2mmのふるいを通過しない大きさ。
また、図10に示された標示材の形状は、該標示材の表面が1つの曲面と1つの平面からなり、V/V(S)は30であり、目開き2.8mmのふるいを通過し、目開き2mmのふるいを通過しない大きさ。
また、実施例及び比較例では、路面標示用の塗料として、結合材としてのアクリル系合成樹脂エマルション(固形分50質量%)100質量部、白色顔料としての酸化チタン50質量部、充填材としての炭酸カルシウム120質量部、界面活性剤、増粘剤等の添加剤8質量部を混合攪拌して製造された水性路面標示塗料を用いた。
Figure 0005284748
Figure 0005284748
(実施例1)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Bを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Bの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の90%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例2)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Cを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Cの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の76%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例3)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Dを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Dの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の79%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例4)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Eを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Eの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の80%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例5)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Fを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Fの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の81%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例6)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Gを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.10L/m、標示材Gの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の76%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例7)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Hを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.50L/m、標示材Hの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の89%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例8)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Bを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.45L/m、標示材Bの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の83%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の40〜50%の範囲であった。
(実施例9)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Bを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.11L/m、標示材Bの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の73%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の15〜20%の範囲であった。
(実施例10)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Bを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.50L/m、標示材Bの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の84%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の52〜65%の範囲であった。
(比較例1)実施例1に記載の水性路面標示塗料を塗布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/mであった。
(比較例2)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Aを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Aの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の82%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(比較例3)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Iを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Iの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の71%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(比較例4)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Jを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Jの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の83%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(比較例5)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Kを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Kの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の75%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(比較例6)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Lを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Lの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の92%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例11)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Mを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Mの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の85%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(比較例7)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に再帰反射材として粒径約1mmの球形のガラスビーズを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、ガラスビーズの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した各ガラスビーズの表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の45〜60%の範囲であった。
(実施例12)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Nを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Nの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の88%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例13)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Oを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Oの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の85%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
(実施例14)水性路面標示塗料を塗布し、該水性路面標示塗料の乾燥前に、水性路面標示塗料上に標示材Pを散布した。なお、水性路面標示塗料の塗布量は0.33L/m、標示材Pの散布量は0.26kg/mであった。また、塗膜に固着した標示材の全数の91%の標示材において、各標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積は、表面積全体の20〜40%の範囲であった。
前記のように作製した実施例1〜14、及び比較例1〜7の試験体の視認性と標示材の固着力とを評価した。
視認性の評価は以下の手順で行った。
試験体の路面標示を施工した面が垂直となり、且つ試験体の中心が観測者の目の高さと同一となるように試験体を設置した。なお、前期試験体の中心とは、試験体の路面標示構造を施工した面の重心位置のことを言う。更に、試験体の路面標示構造を施工した面の正面で試験体の中心から水平方向に10m離れた位置に水銀ランプを備えた投光機を設置した。
夜間に、前記のように設置した試験体に投光機によって光を照射し、以下に示す観測位置から観測者が目視によって試験体を観察し、試験体の視認性を評価した。
観測位置A:試験体の中心から水平方向に10m離れており、且つ、投光機から水平方向に50cm離れた位置。
観測位置B:試験体の中心から水平方向に10m離れており、且つ、試験体の中心と投光機を結ぶ直線と試験体の中心と観測者の目を結ぶ直線が45度の角度をなす位置。
観測位置C:試験体の中心から水平方向に10m離れており、且つ、試験体の中心と投光機を結ぶ直線と試験体の中心と観測者の目を結ぶ直線が80度の角度をなす位置。
視認性は、比較例1の視認性を基準として、以下のように評価した。
◎:比較例1と比較して視認性が極めて向上しているもの
○:比較例1と比較して視認性が向上しているもの
×:比較例1と比較して視認性が同等以下のもの
標示材の強度、及び標示材の塗膜への固着力の評価は以下の手順で行った。
試験体の路面標示を施工した面が水平になるように設置し、試験体の上を乗用車(本田技研工業社製ステップワゴン)で走行した。試験体上を100回走行した後、試験体の表面を観察し、路面標示材の剥離の有無、及び路面標示材の破損の有無を観察した。
標示材の強度は、以下のように評価した。
○:標示材の破損がない。
△:塗膜に固着している標示材の5%未満の数の標示材が破損。
×:塗膜に固着している標示材の5%以上の数の標示材が破損。
標示材の塗膜への固着力は、以下のように評価した。
○:塗膜から剥落した標示材がない
△:剥落した標示材の数が10個未満
×:剥落した標示材の数が10個以上
実施例1〜11、及び比較例1〜7の試験体の視認性、標示材の強度、及び標示材の塗膜への固着力を評価した結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005284748
Figure 0005284748
評価の結果、実施例1〜14の路面標示構造は、広範囲の観測位置において視認性に優れたものであって、また、実施例1〜14の路面標示構造に用いた標示材は十分な強度を備えていた。
本発明の蛍光標示材の一例を示す斜視図である。 本発明の蛍光標示材の一例とその蛍光標示材に外接する最小の球を表した斜図である。 舗装上に形成された本発明の路面標示構造の断面の概略を表した模式図である。 本発明の蛍光標示材の一例を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 本発明の蛍光標示材の一例を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 本発明の蛍光標示材の一例を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 本発明の蛍光標示材の一例を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 本発明の蛍光標示材の一例を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 比較例として試験した蛍光標示材を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。 比較例として試験した蛍光標示材を示す(a)正面立面図、(b)右立面図、(c)平面図である。
符号の説明
1 蛍光標示材
2 蛍光標示材の表面を形成する平面A
3 蛍光標示材の表面を形成する曲面
4 蛍光標示材の表面を形成する平面B
5 蛍光標示材に外接する仮想の球
6 路面標示構造
7 塗膜
8 路面舗装

Claims (5)

  1. 路面標示の表層に配置される蛍光標示材であって、該蛍光標示材は合成樹脂と蛍光色素とを含有する透明体であり、該蛍光標示材は表面に3以上の面を有し、且つ該蛍光標示材が外接する最小の球の体積を100としたときの該蛍光標示材の体積が10〜60である形状であることを特徴とする蛍光標示材。
  2. 前記蛍光色素がペリレン系色素であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光標示材。
  3. 路面、空港滑走路などの舗装上に施工される路面標示の構造であって、合成樹脂を結合材とする塗膜の表層に、請求項1又は2に記載の蛍光標示材が固着していること特徴とする路面標示構造。
  4. 前記蛍光標示材が含有する合成樹脂がアクリル樹脂であって、前記塗膜がアクリル系合成樹脂を結合材とする塗料の塗膜であることを特徴とする請求項3に記載の路面標示構造。
  5. 前記蛍光標示材の一部が塗膜に埋没しており、塗膜に固着した蛍光標示材の全数の70%以上の蛍光標示材において、該蛍光標示材の表面積100とした場合に、該蛍光標示材の表面のうち塗膜と接している部分の面積が15〜50であることを特徴とする請求項3又は4に記載の路面標示構造。
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