図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
前面ドア2の正面には、略垂直面のパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされる(即ち、貯留される)か、ゲームを行うために消費される。また、台座部4の左側には、押圧操作により、クレジットされているメダルのうち一のゲームを行うために消費されるメダルの枚数(以下「投入枚数」という)を選択するための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押圧操作により、投入枚数として「1」が選択される。2−BETスイッチ12は、1回の押圧操作により、投入枚数として「2」が選択される。最大BETスイッチ13は、1回の押圧操作により、投入枚数として「3」が選択される。
これらのBETスイッチ11〜13が押圧操作されることで、表示ラインが有効化される(詳しくは後述する)。BETスイッチ11〜13の押圧操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作を、以下「投入操作」という。また、BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、液晶表示装置131(後述の図4参照)に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押圧操作により切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、後述の図2に示す表示窓21L,21C,21R内での図柄の変動を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。図柄の変動を開始するために遊技者が行うスタートレバー6の操作を、以下「開始操作」という。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止するための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(即ち、単位遊技)は、基本的に、開始操作が行われることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
なお、実施例では、後述の一般遊技状態では、投入枚数が「1」から「3」のうちいずれの場合でも開始操作が有効となるが、後述のRB遊技状態では、投入枚数が「1」の場合にのみ開始操作が有効となる。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(即ち、停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述の図4に示す停止スイッチ7LS,7CS,7RSが配置されている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの押圧操作(即ち、停止操作)を検知する。
図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナスゲーム(例えば、後述のレギュラーボーナスゲーム)において、当該ボーナスゲームに関する情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、投入枚数に応じて点灯する。
1−BETランプ17aは、投入枚数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ17bは、投入枚数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ17cは、投入枚数が3枚のときに点灯する。払出表示部18及びクレジット表示部19は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、表示窓21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様(即ち、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に、表示窓21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せの態様)、及び後述の液晶表示装置131の動作により変化するようになっている。
表示窓21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、演出のための種々の表示を行う。
表示窓21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。実施例では、前述のBETスイッチ11〜13を遊技者が押圧操作すること又はメダル投入口10に遊技者がメダルを投入することを条件に、5本の表示ライン8a〜8eが有効化される(有効化された表示ラインを、以下「有効ライン」と記載する)。
ここで、各表示窓21L,21C,21Rには、夫々縦方向(即ち、垂直方向)に3箇所(即ち、上段、中段、下段)の図柄表示領域が設けられている。すなわち、左リール上段、左リール中段、左リール下段、中リール上段、中リール中段、中リール下段、右リール上段、右リール中段、右リール下段の合計9箇所の図柄表示領域が設けられている。各表示窓21L,21C,21Rにおける図柄の変動が停止した場合には、各表示窓21L,21C,21Rに設けられた図柄表示領域の各々に図柄が停止して表示される。各表示ライン8a〜8eは、各表示窓21L,21C,21R内の図柄表示領域を結んでいる。
表示窓21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各表示窓21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された表示窓21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、表示窓21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。この演出表示領域23は、内部当籤役としてボーナス(即ち、後述のRB1及びRB2)が決定されたことを確定的に報知する画像の表示、ゲームの興趣を増大させるための演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等を表示する。なお、演出表示領域23の下方の領域では、後述のレギュラーボーナスゲームで行われる設定報知演出に関する情報が表示される。
固定表示部2cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部2cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
図3は、各リール3L,3C,3Rの外周面上に表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバーが付されている。各図柄とコードナンバーとの対応関係の情報は、図柄配置テーブル(図示せず)として後述のROM32に格納されている。コードナンバーは、リール3L,3C,3Rの外周面上における図柄の位置(即ち、図柄位置)を識別するための情報である。
各リール3L,3C,3R上には、「青7(図柄91)」、「赤7(図柄92)」、「BAR(図柄93)」、「ベル(図柄94)」、「スイカ(図柄95)」、「チェリー(図柄96)」、「リプレイ(図柄97)」、及び「ブランク(図柄98)」の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図3の矢印方向に移動するように回転する。
ここで、「ブランク」は、基本的に、遊技者に対する利益の付与に直接関係のない図柄である。すなわち、「ブランク」がいずれかの有効ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、後述のボーナスゲームの作動などの利益が遊技者に付与されることはない。
実施例では、内部当籤役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、RB1、及びRB2が設けられている。ここで、RB1及びRB2を総称して、以下「(レギュラーボーナス)RB」という。また、チェリー、ベル、及びスイカを総称して以下「小役」という。
実施例の遊技状態は、基本的に、一般遊技状態と、ボーナスゲームであるレギュラーボーナス遊技状態(以下「RB遊技状態」と略記する)とがある。遊技状態は、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理(後述の図16)において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否かなどにより区別される状態である。
RB遊技状態では、遊技を行うために用いた単位遊技価値(例えば、一のゲームを行うために消費されたメダル1枚)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値は一般遊技状態よりも大きい。したがって、ボーナスゲーム(例えば、レギュラーボーナスゲーム)は、上記期待値が一般遊技状態よりも大きい遊技状態(例えば、RB遊技状態)により構成される期間であるといえる。
レギュラーボーナスゲームは、RBに対応する図柄の組合せ(即ち、「赤7−赤7−赤7」又は「青7−青7−青7」)が有効ラインに沿って表示されることを条件に作動し、12回のゲームが行われること又は小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された回数が「8」となることを条件に当該レギュラーボーナスゲームが終了する。
図4は、遊技機1の動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(即ち、アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御信号に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数値の抽出を行うための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、ROM32、及びRAM33を含む。
CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムを実行して、ゲームの進行に関する処理を行うと共に、各アクチュエータの動作を直接的または間接的に制御する。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、乱数を発生するための乱数発生器36及び、発生した乱数から乱数値を抽出するためのサンプリング回路37とが接続されている。なお、CPU31により乱数の発生及び乱数値の抽出を実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、予備的に使用するために残しておくことも可能である。
ROM32は、CPU31が実行するプログラム(例えば、後述の図15〜図25)や固定的なデータを記憶する。ROM32には、例えば、内部当籤役を決定するために、乱数値抽出手段(例えば、サンプリング回路37)により抽出される乱数値が属する数値範囲を内部当籤役に応じて規定する内部抽籤テーブル(後述の図6)などが記憶される。また、副制御回路72へ送信するための各種制御信号等が格納されている。なお、主制御回路71から副制御回路72へコマンドや情報等が送信されることはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するために使用される。RAM33には、例えば、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態などの情報等が格納される。持越役は、内部抽籤処理(後述の図16)において決定された内部当籤役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該図柄の組合せを識別するための情報である。
図4の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー40と、リール3L,3C,3Rを回転させるステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rへ駆動パルスを出力することによりステッピングモータ49L,49C,49Rの回転動作を制御するモータ駆動回路39、ホッパー40の動作を制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cの点灯及び消灯を制御するランプ駆動回路45、及び表示部(即ち、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19など)による表示を制御する表示部駆動回路48がCPU31に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御信号を発生するためにマイクロコンピュータ30へ送信される入力信号を発生するための手段として、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、ゲームの開始を指令するための遊技開始指令信号を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて図柄の変動の停止を指令するための停止指令信号を発生する。
リール位置検出回路50は、リール3L,3C,3Rに設けられたリール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの回転位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより計数された値(即ち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された値に達した時、メダルの払出完了を検知するための信号を発生する。
また、CPU31は、リセットスイッチ26からのリセット信号を入力する。また、CPU31は、設定用鍵型スイッチ27からの入力信号に基づいて、設定値を決定する処理を実行する。
図4の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで、乱数発生器36が発生する乱数から1個の乱数値を抽出する。こうして抽出された乱数値は、RAM33に設けられた乱数値格納領域に格納され、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブル(後述の図6)などに基づいて内部当籤役などを決定するために参照される。
リール3L,3C,3Rは、ステッピングモータ49L,49C,49Rに駆動パルスが所定の回数(例えば、336回)出力されることにより1回転する。ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に出力された駆動パルスの数は、駆動パルスの計数値としてRAM33の所定の領域に書き込まれる。
他方、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られる。このリセットパルスがリール位置検出回路50を介してCPU31に入力されると、RAM33に格納される駆動パルスの計数値が「0」に更新される。これにより、駆動パルスの計数値は、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応したものとなる。
また、ROM32に格納されている上記図柄配置テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために用いられる。この図柄配置テーブルでは、リセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、コードナンバーの各々に対応する図柄を示す情報である図柄の識別子とが対応づけられている。
また、ROM32内には、図柄組合せテーブル(後述の図8)が格納されている。図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの回転を停止する制御を行う際に、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の後述の表示役及び遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出枚数)の決定を行うために参照される。
上記乱数値の抽出に基づく内部抽籤処理(後述の図16)により内部当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる入力信号、及び決定された停止テーブル(図示せず)に基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行うための信号をモータ駆動回路39に送る。
入賞が成立すれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図5を参照して、内部抽籤テーブル(後述の図6)及び抽籤回数を決定するための内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽籤テーブル(後述の図6)及び抽籤回数の情報を備えている。一般遊技状態の場合は、一般遊技状態用の内部抽籤テーブル(後述の図6の(1))が選択され、基本的に、抽籤回数として「6」が決定される(後述の図16のステップS21)。RB遊技状態の場合は、RB遊技状態用の内部抽籤テーブル(後述の図6の(2))が選択され、抽籤回数として「3」が決定される。
抽籤回数は、内部当籤役を決定するために必要な処理をする回数である。抽籤回数は、具体的には、乱数値が所定の範囲(後述の図6で説明する当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲)内か否かを判別する回数である。ただし、一般遊技状態は、持越役のない通常区間と持越役がある持越区間とから構成されるが、持越区間の場合には、「6」と決定された抽籤回数が「4」に変更される(後述の図16のステップS23)。
図6を参照して、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理(後述の図16)において用いられる内部抽籤テーブルについて説明する。
図6の(1)は、一般遊技状態において用いられる一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図6の(2)は、RB遊技状態において用いられるRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、投入枚数及び当籤番号毎に、抽出された乱数値が属する数値範囲を下限値及び上限値により示した情報を備えている。ここで、後述するように当籤番号は内部当籤役に対応するので、内部抽籤テーブルは、抽出された乱数値が属する数値範囲を内部当籤役に応じて規定している。
内部抽籤テーブルに基づく当籤番号の決定では、内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)により決定された抽籤回数と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が「0」になるまで、「0」〜「65535」の範囲の乱数から抽出された乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する。乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある場合、対応する当籤番号に当籤(即ち、決定)となる。そして、当籤した当籤番号、及び内部当籤役決定テーブル(後述の図7)に基づいて内部当籤役が決定される。
すなわち、内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理、内部抽籤テーブル、主制御回路71、CPU31)は、乱数値抽出手段により抽出された乱数値が内部抽選テーブルにより規定される数値範囲に属するか否かの判別を行い、当該判別の結果に基づいて内部当籤役を決定する。
例えば、一般遊技状態において投入枚数が「3」の場合に抽出された乱数値が「400」のときは、当籤番号「6」から降順に、当籤番号が「0」になるまで、この乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲にあるか否かが判断される。
そして、この乱数値は、当籤番号「1」に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲(即ち、「0」〜「599」)にあることが判明する。また、この乱数値は、当籤番号「1」以外の当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲にはないことが判明する。したがって、この場合には、当籤番号「1」で当籤となり、内部当籤役決定テーブル(後述の図7)に基づいて、内部当籤役としてチェリーが決定される。
なお、当籤番号が「0」になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により示される数値範囲内になかった場合、当籤番号は「0」となり、内部当籤役としてハズレが決定される。実施例では、ハズレは、遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し)と対応付けられた内部当籤役ではない。また、ハズレに対応する図柄の組合せは、予め設けられた内部当籤役に対応する図柄の組合せとは別の任意の図柄の組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄の組合せは設けられていないものとする。
また、内部抽籤テーブルは、当籤する(即ち、決定される)可能性のある内部当籤役に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が、当該内部当籤役とは別の内部当籤役に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲と重複するように設定されていることから、一の乱数値により複数の内部当籤役が決定されることがある。すなわち、内部抽籤テーブルは、特定の内部当籤役が決定される乱数値の属する数値範囲を、所定の内部当籤役が決定される乱数値の属する数値範囲と少なくとも一部分が重複するように規定している。
例えば、一般遊技状態において、投入枚数「3」の場合には、当籤番号「6」に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲は「479」〜「678」であり、当籤番号「1」に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲は「0」〜「599」である。これら2つの数値範囲は、「479」〜「599」の数値範囲において重複する。
したがって、例えば、一般遊技状態において投入枚数「3」のときに抽出された乱数値が「500」である場合には、この乱数値は、この「479」〜「599」の数値範囲に含まれるので、当籤番号「1」及び「6」で当籤となり、内部当籤役決定テーブル(後述の図7)に基づいて、内部当籤役としてチェリー及びRB1の両方が決定される。すなわち、チェリーは、一の乱数値によりボーナスと共に決定される(即ち、同時に当籤する)場合のある小役(以下、「同時当籤役」という)である。実施例では、チェリー及びスイカは同時当籤役である。
ここで、持越区間では、抽籤回数が「4」になるので、当籤番号「5」及び「6」が決定される場合がない。したがって、持越区間では、内部当籤役決定テーブル(後述の図7)に基づいて、RB1及びRB2が内部当籤役として決定される場合はない。
図7を参照して、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定するための内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、当籤番号と当籤番号に対応する内部当籤役の情報とを備えている。内部当籤役の情報は(即ち、フラグ)は、8桁の2進数の情報であり、内部当籤役を識別するために内部当籤役の夫々に対応して設けられている。
当籤番号が「0」の場合には、内部当籤役としてハズレ(即ち、内部当籤役として「00000000」)が決定される。当籤番号が「1」の場合には、内部当籤役としてチェリー(即ち、内部当籤役として「00000001」)が決定される。当籤番号が「2」の場合には、内部当籤役としてベル(即ち、内部当籤役として「00000010」)が決定される。
当籤番号が「3」の場合には、内部当籤役としてスイカ(即ち、内部当籤役「00000100」)が決定される。当籤番号が「4」の場合には、内部当籤役としてリプレイ(即ち、内部当籤役「00001000」)が決定される。当籤番号が「5」の場合には、内部当籤役としてRB2(即ち、内部当籤役「00010000」)が決定される。当籤番号が「6」の場合には、内部当籤役としてRB1(即ち、内部当籤役「00100000」)が決定される。
図8を参照して、リール3L,3C,3Rの停止制御、表示役の決定、及び決定された表示役に対応する払出枚数の決定に用いられる図柄組合せテーブルについて説明する。
図8の(1)は、第3停止操作が行われた後に表示役の決定及び決定された表示役に対応する払出枚数の決定に用いられる図柄組合せテーブルを示す。
図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄表示領域の各々に停止して表示される図柄の組合せを識別するための8桁の2進数の情報である表示役と、表示役に対応して遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出枚数、遊技状態の作動)とを規定している。
有効ラインに沿って「チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せが表示されると、チェリー(即ち、表示役「00000001」)が表示役になり、4枚のメダルが払出される。ここで、「ANY」は、任意の図柄を示す。有効ラインに沿って「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが表示されると、ベル(即ち、表示役「00000010」)が表示役になり、15枚のメダルが払出される。
有効ラインに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄の組合せが表示されると、スイカ(即ち、表示役「00000100」)が表示役になり、8枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組合せが表示されると、リプレイ(即ち、表示役「00001000」)が表示役になり、メダルが自動投入される。すなわち、表示役がリプレイとなったゲームの次のゲームでは、遊技者による投入操作によらずに投入枚数が「3」になり、メダルを消費することなく次のゲームにおいて開始操作を行うことができる。
有効ラインに沿って「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが表示されると、RB1(即ち、表示役「00100000」)が表示役になり、レギュラーボーナスゲームが作動する。有効ラインに沿って「青7−青7−青7」の図柄の組合せが表示されると、RB2(即ち、表示役「00010000」)が表示役になり、レギュラーボーナスゲームが作動する。エンドコードは、図柄組合せテーブルには、この図柄組合せテーブルに基づいて行われる表示役及び払出枚数を決定する処理の終了が許容されていることを示す情報であるエンドコードが格納されている。
図8の(2)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始してから当該回転を停止する制御が行われるまでの間に、後述の擬似表示役の予想を行うために用いられる停止制御用図柄組合せテーブルを示す。
停止制御用図柄組合せテーブルは、基本的に、図柄組合せテーブルと同様のデータ構造を持つ。ただし、停止制御用図柄組合せテーブルでは、図柄組合せテーブルと異なり、メダルの払出枚数は規定されていない。また、停止制御用図柄組合せテーブルでは、チェリーに対応する図柄の組合せとして「チェリー−ANY−ANY」ではなく「チェリー−チェリー−チェリー」が規定されている。
このような停止制御用図柄組合せテーブルと後述の図柄格納領域に格納されている図柄の組合せとが比較される(後述する図19のステップS75の処理)ことにより、内部当籤役としてチェリーが決定されたにもかかわらず、左リール上段、左リール中段、又は左リール下段のうちいずれかの図柄表示領域にチェリーが表示されなかった場合(即ち、「チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せの表示が実現できない場合)であっても、第3停止操作により中リール3C又は右リール3Rが停止すると、これらリールに対応する図柄表示領域にチェリーの図柄を表示することが可能となる。
図9を参照して、後述のRB作動時処理において参照されるボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、後述のRB作動時処理においてオンに更新すべき作動中フラグの情報と、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに格納される値の情報とを備えている。作動中フラグは、作動している遊技状態(即ち、現在の遊技状態)を識別するための情報であり、RB遊技状態が作動しているか否かを識別するためのRB作動中フラグがある。
遊技可能回数カウンタは、RB遊技状態において行うことが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、遊技可能回数)を識別するためのカウンタである。入賞可能回数カウンタは、RB遊技状態において小役に対応する図柄の組み合わせが表示されることが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、入賞可能回数)を識別するためのカウンタである。
RB作動時処理(後述の図25のステップS142の処理)では、ボーナス作動時テーブルに基づいて、RB作動中フラグがオンに更新され、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに初期値としてそれぞれ「12」及び「8」が格納される。
図10を参照して、内部当籤役格納領域及び持越役格納領域について説明する。
図10の(1)は、内部当籤役の情報を格納(即ち、記憶)するための内部当籤役格納領域を示す。8ビットからなる内部当籤役格納領域において、ビット0は、チェリーに対応する格納領域である。ビット1は、ベルに対応する格納領域である。ビット2は、スイカに対応する格納領域である。ビット3は、リプレイに対応する格納領域である。ビット4は、RB2に対応する格納領域である。ビット5は、RB1に対応する格納領域である。ビット6及びビット7は、未使用の格納領域である。
ここで、内部当籤役格納領域では、内部当籤役に対応するビットが「1」となる。例えば、内部当籤役格納領域に「00000010」が格納されているとき(ビット1が「1」のとき)は、内部当籤役はベルである。なお、表示役の情報が格納される表示役格納領域については図示を省略するが、この表示役格納領域は、内部当籤役格納領域と同様のデータ構造を有している。
図10の(2)は、持越役の情報を格納するための持越役格納領域を示す。8ビットからなる持越役格納領域において、ビット4は、RB2に対応する格納領域である。ビット5は、RB1に対応する格納領域である。ビット0、ビット1、ビット2、ビット3、ビット6、及びビット7は、未使用の格納領域である。
例えば、持越役がある持越区間の場合には、持越役格納領域のRB1又はRB2に対応するビット4又はビット5に「1」が格納される(即ち、持越役格納領域に「00010000」又は「00100000」格納される)。また、持越区間ではない場合には、持越役格納領域のRB1又はRB2に対応するビット4及びビット5に「0」が格納される(即ち、持越役格納領域に「00000000」が格納される)。
図11を参照して、図柄格納領域及び図柄の識別子一覧について説明する。
図柄格納領域は、各リール3L,3C,3Rの特定の図柄位置について、当該図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cに位置する場合に、各表示ライン8a〜8eに沿って表示される図柄の組合せを示す情報を格納する。具体的には、この図柄格納領域は、各リール3L,3C,3Rの特定の図柄位置について、当該図柄位置に対応する図柄がセンターラインに位置する場合に、表示ライン8a〜8eの夫々が結ぶ図柄表示領域の夫々に位置する図柄の種別に対応する識別子が格納される。
例えば、各リール3L,3C,3Rの図柄位置「00」に対応する図柄がセンターライン8cに位置する場合には、左リール中段、中リール中段、及び右リール中段の全ての図柄表示領域には、「赤7」の図柄が位置する。したがって、この場合には、図11に示すように、図柄格納領域のセンターライン8cに対応する領域には、左リール中段、中リール中段、及び右リール中段の全ての図柄表示領域に対応する領域に、「赤7」の図柄を示す識別子である「00000001」が格納される。
次に、図11の図柄の識別子一覧を参照して、図柄格納領域に格納される識別子と図柄の種別との対応について説明する。
「ブランク」の図柄に対応する識別子は「00001000」である。「リプレイ」の図柄に対応する識別子は、「00000111」である。「チェリー」の図柄に対応する識別子は「00000110」である。「スイカ」の図柄に対応する識別子は「00000101」である。「ベル」の図柄に対応する識別子は、「00000100」である。「BAR」の図柄に対応する識別子は、「00000011」である。「赤7」の図柄に対応する識別子は、「00000010」である。「青7」の図柄に対応する識別子は、「00000001」である。
なお、回転しているリールがある場合には、基本的に、図柄格納領域には、当該リールに対応する図柄表示領域に対応する領域に、識別子として「11111111」が格納される。
図12を参照して、優先順位チェック処理(後述の図21)において後述の優先引込ステータスを決定するために参照される引込優先順位テーブルについて説明する。
引込優先順位テーブルは、内部当籤役に対応する図柄の組合せの引込みの優先順位、及び当該優先順位に対応する引込データの情報を備えている。実施例では、引込優先順位テーブルに基づいてリール3L,3C,3Rの停止制御が行われる。本実施例の引込優先順位テーブルは、リプレイに最も高い優先順位を付し、次いでRB1及びRB2、そして小役の順序となるような優先順位を規定している。
「引込み」(或いは、引込)は、基本的に、有効ラインが結ぶ図柄表示領域(以下「有効図柄表示領域」という)に、最大の滑り駒数の範囲内で引込み対象役に対応する図柄の組合せを構成する図柄(以下「引込み対象図柄」という)を表示するように、停止制御の対象であるリール(即ち、停止操作が行われた停止ボタンに対応するリール)を停止させることをいう。
ここで、滑り駒数は、対応する停止ボタンが押圧操作された後の図柄の移動量である。また、実施例では、全てのリール3L,3C,3Rについて最大の滑り駒数が「4」である。引込み対象役は、有効ラインに沿って並べようとする図柄の組合せに対応する内部当籤役である。
ただし、第2停止操作、第3停止操作の場合において、今回の停止操作に対応する引込み対象図柄とともに引込み対象役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効図柄表示領域に表示されている場合、その有効図柄表示領域を結ぶ有効ラインにより結ばれる表示窓21L,21C,21R内の有効図柄表示領域に引込み対象図柄を表示することを「引込み」という。
優先引込ステータスは、基本的に、引込みの優先順位を識別するための情報である。引込データは、引込みの優先順位に対応する内部当籤役を識別するための情報であり、引込みの優先順位の夫々に対応して設けられる。
優先順位「1」に対応する引込データ(即ち、「00001000」)は、リプレイに対応する。優先順位「2」に対応する引込データ(即ち、「00110000」)は、RB1及びRB2に対応する。優先順位「3」に対応する引込データ(即ち、「00000001」)は、チェリー、ベル、及びスイカに対応する。
引込優先順位テーブルに基づいて優先引込ステータスを決定する処理では、優先順位「1」から昇順に、全ての優先順位について、優先順位に対応する引込データと、内部当籤役格納領域のデータと、表示役格納領域のデータとの論理積のデータを構成するビットの全てが「0」であるか否かの判別が行われる。次に、論理積のデータを構成するビットのうちいずれかが「0」ではないと判別された場合には、現在の優先順位に対応する優先引込ステータスを取得し、既に取得されている優先引込ステータスとの論理和をとる処理が行われる。
ここで、優先順位に対応する引込データと、内部当籤役格納領域のデータと、表示役格納領域のデータとの論理積のデータを構成するビットのいずれかが「0」ではない場合には、これら3つのデータにおいて共通して「1」のビットがある。即ち、表示役格納領域のデータに対応する表示役のうちいずれかが、内部当籤役格納領域のデータに対応する内部当籤役及び引込データに対応する内部当籤役に含まれることが判明する。
例えば、内部当籤役がRB1及びチェリー(即ち、内部当籤役格納領域のデータが「00100001」)であり、表示役がチェリー(即ち、表示役格納領域のデータが「00000001」)である場合には、初めに、優先順位「1」に対応する引込データ「00001000」と、内部当籤役格納領域のデータと、表示役格納領域のデータとの論理積が計算される。この計算結果は、「00000000」である。次に、優先順位「2」に対応する引込データ「00110000」、内部当籤役格納領域のデータ及び表示役格納領域のデータの論理積が計算される。この計算結果は、「000000000」である。
続けて、優先順位「3」に対応する引込データ「00000111」、内部当籤役格納領域のデータ及び表示役格納領域のデータの論理積が計算される。この計算結果である「00000001」は、全てのビットが「0」ではないので、現在の優先順位「3」に対応する優先引込ステータスである「00000001」を取得し、既に取得されている優先引込ステータスとの論理和を、優先引込ステータスとして決定する。この場合には、既に取得されている優先引込ステータスは無いため、既に取得されている優先引込ステータスとして「00000000」が用いられる。
このようにすることで、表示役であるチェリーは、内部当籤役であるRB1及びチェリーと引込データに対応する内部当籤役であるチェリー、ベル及びスイカとの両方に含まれることが判明する。そして、このような表示役(即ち、チェリー)に対応する優先引込ステータス(即ち、「00000001」)を決定することができる。
図13を参照して、優先引込制御処理(後述の図23)において滑り駒数を決定する処理が行われる際に参照される表示役予想格納領域について説明する。
ここで、実施例の遊技機1は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う前に、各リール3L,3C,3Rの回転が停止した後に決定される可能性のある表示役の予想を行う。具体的には、表示役予想格納処理(後述の図18)において、各リール3L,3C,3Rの図柄位置の夫々について、この図柄位置でリール3L,3C,3Rの回転が停止する場合を仮定して、この場合に各表示ライン8a〜8eに沿って表示されることとなる図柄の組合せに対応する表示役(又は、後述の擬似表示役)を決定する(即ち、予想する)。各リール3L,3C,3Rの図柄表示領域の夫々について決定された表示役の情報は、表示役予想格納領域に格納される。
表示役予想格納領域は、表示役予想格納領域1、表示役予想格納領域2、及び表示役予想格納領域3により構成される。表示役予想格納領域1は、回転しているリール3L,3C,3Rのうち、最も左に位置するリールに対応する。表示役予想格納領域2は、回転しているリール3L,3C,3Rのうち、左から2番目に位置するリールに対応する。表示役予想格納領域3は、回転しているリール3L,3C,3Rのうち、左から3番目に位置するリールに対応する。
各表示役予想格納領域は、当該表示役予想格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置の夫々について、当該図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cの位置で停止した場合に、各表示ライン8a〜8eに沿って表示される図柄の組合せに対応する表示役の情報(即ち、データ)として優先引込ステータスを格納する。表示役予想格納領域に格納される優先引込ステータスは、上位4ビット(即ち、ビット4〜ビット7)及び下位4ビット(即ち、ビット0〜ビット3)のデータから構成される。
優先引込ステータスの上位4ビットには、当該優先引込ステータスに対応する図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cに位置するようにリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役を示す情報が格納される。
例えば、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役がリプレイである場合には、優先引込ステータスの上位4ビットには、「0100」が格納される(即ち、ビット6に「1」が格納される)。また、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役がRB1又はRB2である場合には、優先引込ステータスの上位4ビットには、「0010」が格納される(即ち、ビット5に「1」が格納される)。
また、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役がチェリー、ベル、又はスイカである場合には、優先引込ステータスの上位4ビットには、「0001」が格納される(即ち、ビット4に「1」が格納される)。また、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せが、内部当籤役に対応する図柄の組合せと矛盾する場合には、優先引込ステータスの上位4ビットには、「1000」が格納される(即ち、ビット7に「1」が格納される)。
例えば、内部当籤役がハズレである場合に、有効ライン沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役がチェリーである場合には、優先引込ステータスの上位4ビットには、「1000」が格納される。この「1000」のデータは、当該データに対応する図柄位置でリール3L,3C,3Rの回転が停止することが禁止されていること(即ち、停止禁止)を示す。
優先引込ステータスの下位4ビットには、第3停止操作が行われることにより当該優先引込ステータスに対応する図柄位置でリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に、当該リール3L,3C,3Rに対応する図柄表示領域に表示される可能性のある図柄に対応する情報である擬似表示役を示す情報が格納される。
例えば、第3停止操作が行われることにより、ある図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cに位置するようにリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に当該リール3L,3C,3Rに対応する図柄表示領域に表示される可能性のある図柄がリプレイである場合には、当該図柄位置に対応する優先引込ステータスの下位4ビットには「0100」が格納される(即ち、ビット2に「1」が格納される)。
また、第3停止操作が行われることにより、ある図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cに位置するようにリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に当該リール3L,3C,3Rに対応する図柄表示領域に表示される可能性のある図柄がRB1又はRB2である場合には、当該図柄位置に対応する優先引込ステータスの下位4ビットには「0010」が格納される(即ち、ビット1に「1」が格納される)。
また、第3停止操作が行われることにより、ある図柄位置に対応する図柄がセンターライン8cに位置するようにリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に当該リール3L,3C,3Rに対応する図柄表示領域に表示される可能性のある図柄がチェリー、ベル、又はスイカである場合には、当該図柄位置に対応する優先引込ステータスの下位4ビットには「0001」が格納される(即ち、ビット0に「1」が格納される)。なお、優先引込ステータスのビット3は未使用の記憶領域である。
ここで、優先引込ステータスの上位4ビットに格納されるデータは、有効ラインに沿って表示される可能性のある図柄の組合せに対応する表示役に対応するだけでなく、引込優先順位テーブル(図12)に規定された引込みの優先順位にも対応する。具体的には、優先引込ステータスの上位4ビットに格納されるデータの値が大きくなるほど、当該データに対応する引込みの優先順位は高くなる。
例えば、引込みの優先順位が「1」であるリプレイに対応して優先引込ステータスの上位4ビットに格納されるデータの値は「0100」であり、この上位4ビットに格納される他のデータの値に比べて最も大きい。このように、優先引込ステータスの上位4ビットに格納されるデータが引込みの優先順位にも対応することにより、引込みの優先順位に応じた滑り駒数の決定が可能となる(詳しくは後述する)。
また、優先引込ステータスの下位4ビットに格納されるデータについても同様に、引込優先順位テーブル(図12)に規定された引込みの優先順位に対応する。これにより、第3停止操作が行われたときに、内部当籤役に対応する図柄が当該第3停止操作に対応する表示窓4L,4C,4Rに表示されるような滑り駒数を決定することができる(詳しくは後述する)。
図14に示すリールと表示役予想格納領域との対応表を参照して、回転しているリール3L,3C,3Rの夫々と表示役予想格納領域との対応関係について説明する。
左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rが回転している場合には、左リール3Lは表示役予想格納領域1に対応し、中リール3Cは表示役予想格納領域2に対応し、右リール3Rは表示役予想格納領域3に対応する。左リール3L及び中リール3Cのみが回転している場合には、左リール3Lは表示役予想格納領域1に対応し、中リール3Cは表示役予想格納領域2に対応する。左リール3L及び右リール3Rのみが回転している場合には、左リール3Lは表示役予想格納領域1に対応し、右リール3Rは表示役予想格納領域2に対応する。
中リール3C及び右リール3Rのみが回転している場合には、中リール3Cは表示役予想格納領域1に対応し、右リール3Rは表示役予想格納領域2に対応する。左リール3Lのみが回転している場合には、左リール3Lは表示役予想格納領域1に対応する。中リール3Cのみが回転している場合には、中リール3Cは表示役予想格納領域1に対応する。右リール3Rのみが回転している場合には、右リール3Rは表示役予想格納領域1に対応する。
図15〜図25に示すフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
図15を参照して、メインCPU(即ち、CPU31)の制御によるメインフローチャートについて説明する。
初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、CPU31は、RAM33が正常か否かのチェックや入出力ポートの初期化などを行う。続いて、CPU31は、ゲーム終了時のRAM33の指定格納領域を消去(即ち、クリア)する(ステップS2)。具体的には、CPU31は、前回のゲームに使用されたRAM33の所定の領域(例えば、内部当籤役格納領域の情報)のデータの消去等を行う。
次に、CPU31は、遊技者による投入操作及び開始操作を検出するためのメダル受付・スタートチェック処理(ステップS3)を行う。具体的には、CPU31は、メダルセンサ10S又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて投入枚数を決定し、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。
このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された乱数値は、内部抽籤処理(後述の図16)において使用される。次に、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。具体的には、CPU31は、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態を示す識別子(即ち、フラグ)をRAM33格納し、RB作動中フラグがオフであれば、一般遊技状態を示す識別子をRAM33に格納する。
次に、CPU31は、後で図16を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。続いて、CPU31は、後で図17を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(ステップS7)。続いて、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に送信する(ステップS8)。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。
続いて、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。具体的には、CPU31は、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応する後述の3つの有効停止ボタンフラグを全てオンに更新する。これにより、3個の停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が有効化される。
次に、CPU31は、後で図22を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS10)。続いて、CPU31は、後で図19を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS11)。この表示役検索処理により、表示窓21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図8)とに基づいて表示役及びメダルの払出枚数が決定される。
次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に送信する(ステップS12)。表示役コマンドは、ステップS11で決定された表示役の情報を含む。続いて、CPU31は、ステップS11の処理において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払出すメダル払出処理を行う(ステップS13)。
次に、CPU31は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS14)。このとき、RB作動中フラグがオンである場合には、CPU31は、後で図24を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS15)。他方、RB作動中フラグがオンではない場合には、CPU13は、後で図25を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS16)。この処理の後、ステップS2の処理が再び行われる。
図16を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいて内部当籤役を決定するための内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS21)。次に、CPU31は、持越役格納領域にRB1又はRB2のデータが格納されているか否か、すなわち、持越役格納領域のRB1又はRB2に対応するビット5又はビット4に「1」が格納されているか(即ち、持越役の有無)を判別する(ステップS22)。
このとき、ビット5及びビット4のうち何れか1つでも「1」が格納されている場合には、CPU31は、抽籤回数を「4」に変更し(ステップS23)、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS24)。他方、ビット5及びビット4の全てのビットに「1」が格納されていない場合には、CPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS24)。
次に、CPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値と、当籤番号及び投入枚数に応じた上限値及び下限値とを比較する(ステップS25)。具体的には、CPU31は、ステップS21で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいて、下限値(L)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から下限値(L)を減算する(R−L)。また、CPU31は、ステップS21で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいて、上限値(U)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から上限値(U)を減算する(R−U)。
次に、CPU31は、乱数値は上限値以下且つ下限値以上か否かを判別する。具体的には、ステップS25で求められた(R−L)が正の値であり、且つステップS25で求められた(R−U)が負の値であるか否かを判別する(ステップS26)。このとき、乱数値が上限値以下且つ下限値以上である場合には、CPU31は、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定する(ステップS27)。
次に、CPU31は、ステップS27で決定された内部当籤役はRB1又はRB2か否かを判別する(ステップS28)。このとき、内部当籤役がRB1及びRB2のうちいずれかである場合には、CPU31は、内部当籤役に基づいて、持越役格納領域にその識別子をセットする(ステップS29)。
具体的には、例えば、ステップS28において内部当籤役にRB1が含まれていると判別された場合には、CPU31は、持越役格納領域に「00100000」を格納する。また、ステップS28において内部当籤役にRB2が含まれていると判別された場合には、CPU31は、持越役格納領域に「00010000」を格納する。これにより、内部当籤役としてRB1又はRB2が決定されることを条件に、持越区間が作動する。
上述したステップS29の処理が終了した場合、及び上述したステップS28の処理で内部当籤役がRB1及びRB2のうち何れでもないと判別された場合には、CPU31は、ステップS27で決定された内部当籤役に対応する内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS30)。
上述したステップS30の処理が終了した場合、及び上述したステップS26で乱数値が上限値以下且つ下限値以上でないと判別された場合には、CPU31は、抽籤回数を「1」減算する(ステップS31)。次に、CPU31は、抽籤回数が「0」か否かを判別する(ステップS32)。このとき、抽籤回数が「0」である場合には、CPU31は、内部当籤役格納領域と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS33)。他方、抽籤回数が「0」ではないと判別された場合には、上述したステップS24の処理が再び行われる。
なお、上述したステップS32で抽籤回数が「0」であると判別された場合には、乱数値Rが上限値Uと下限値Lとにより規定された数値範囲に含まれるか否かの判別が行われた回数は、一般遊技状態では6回、内部当籤状態(即ち、持越区間)時では4回である。また、上述したステップS32で抽籤回数が「0」ではないと判別された場合には、上記判別が行われた回数は、一般遊技状態では6回未満、内部当籤状態(即ち、持越区間)では4回未満である。
ここで、内部当籤役がハズレである場合には、ステップS30の処理を経由することがないため、持越役がある場合であってもこのステップS30の処理により内部当籤役格納領域の持越役に対応するビットが「1」になることはない。そこで、ステップS33では、持越役がある場合に内部当籤役がハズレである場合を考慮し、内部当籤役を示す情報と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納することとしている。
上述したステップS33の処理が終了した場合、CPU31は、上述した図15のステップS7の処理を行う。
図17を参照して、リール3L,3C,3Rの回転を停止する処理に係る最初の設定を行うためのリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、全図柄格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS41)。具体的には、CPU31は、図柄格納領域に格納される全ての識別子を「11111111」に更新する。次に、CPU31は、表示役検索回数に「3」をセットする(ステップS42)。表示役検索回数は、回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rの数(即ち、押圧操作が有効な停止ボタン7L,7C,7Rの数)を示す情報である。
なお、ステップS42の処理が行われたときは、リール3L,3C,3Rの回転は未だ開始されていないため、回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rの数は「0」であるが、この場合には、擬似的に表示役検索回数として「3」がRAM33に格納される。
続いて、CPU31は、後で図18を参照して説明する表示役予想格納処理を行う(ステップS43)。ステップS43の処理が終了すると、CPU31は、図15のステップS8の処理を行う。
図18を参照して、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う前に、各リール3L,3C,3Rの図柄位置の夫々について、当該図柄位置でリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示される図柄の組合せに対応する表示役の予想を行うための表示役予想格納処理について説明する。
初めに、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタンの数を表示役検索回数として格納し(ステップS51)。具体的には、回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rの数を示す情報を表示役検索回数としてRAM33に格納する。
次に、CPU31は、表示役予想格納領域1の先頭アドレスをセットする(ステップS52)。続いて、CPU31は、CPU31の所定の記憶領域に図柄位置として「0」をセットする(ステップS53)。次に、CPU31は、表示役検索回数に基づいて回転中のリールを右側から検索し、検索対象リールとして決定する(ステップS54)。
具体的には、表示役検索回数分、回転しているリールを右側から検索し、最後に検索されたリールを検索対象リールとして決定する。すなわち、回転しているリール3L,3C,3Rのうち、より左側に位置するリールが検索対象リールとして決定される。例えば、表示役検索回数が「3」の場合には、右リール3R、中リール3C、及び左リール3Lの順番でリール3Lの検索が行われ、左リール3Lが検索対象リールとして決定される。
次に、CPU31は、検索対象リールと図柄位置とに基づいて、図柄格納領域を更新する(ステップS55)。具体的には、現在の図柄位置で検索対象リールが停止していると仮定して、当該検索対象リールに対応する図柄表示領域の夫々について、当該図柄表示領域に位置する図柄の種別に対応する識別子を図柄格納領域に格納する。
次に、CPU31は、後で図19を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS56)。続いて、CPU31は、後で図20を参照して説明する優先引込ステータス取得処理を行う(ステップS57)。次に、CPU31は、ステップS57の処理によって取得された優先引込ステータスを上位4ビットにシフトし、現在の図柄位置に対応する表示役予想格納領域に格納する(ステップS58)。
具体的には、ステップS57の処理において取得された優先引込ステータスの値を2倍する処理を4回繰り返して行う。したがって、優先引込ステータスの値は、ステップS58の処理が行われる前の値の16倍の値となり、2進数により表わされる優先引込ステータスのビットパターンが上位4ビット分シフトする。
次に、CPU31は、表示役検索回数は「1」か否かを判別する(ステップS59)。このとき、表示役検索回数が「1」である場合には、CPU31は、検索対象リールを除くリール3L,3C,3Rの図柄格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS60)。次に、CPU31は、後で図19を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS61)。続いて、CPU31は、後で図21を参照して説明する優先順位チェック処理を行う(ステップS62)。次に、CPU31は、優先引込ステータスと表示役予想格納領域の論理和を表示役予想格納領域に格納する(ステップS63)。
上述したステップS63の処理が終了した場合、又は上述したステップS59の処理において表示役検索回数は「1」ではないと判別された場合には、CPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄位置の値を「1」加算する(ステップS64)。次に、CPU31は、図柄位置の値が「21」であるか否かを判別する(ステップS65)。
このとき、図柄位置の値が「21」であると判別された場合には、CPU31は、RAM33に格納された表示役検索回数の値を「1」減算する(ステップS66)。他方、図柄位置の値が「21」ではないと判別された場合には、CPU31は、ステップS54の処理を再び行う。
上述したステップS66の処理が終了すると、CPU31は、表示役検索回数は「0」か否かを判別する。このとき、表示役検索回数が「0」ではないと判別された場合には、CPU31は、表示役予想格納領域のアドレスを更新し、全図柄格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS68)。
具体的には、CPU31は、表示役予想格納領域1のアドレスがセットされている場合には、表示役予想格納領域2の先頭アドレスをセットし、表示役予想格納領域2のアドレスがセットされている場合には、表示役予想格納領域3のアドレスをセットする。そして、CPU31は、図柄格納領域に格納される全ての識別子を「11111111」に更新する。
上述したステップS67の処理で表示役検索回数が「0」であると判別されたときは、この表示役予想格納処理が図17のステップS43の処理として行われた場合には、CPU31は、図15のステップS8の処理を行い、この表示役予想格納処理が後述の図22のステップS116の処理として行われた場合には、CPU31は、後述の図22のステップS111の処理を行う。次に、CPU31は、停止予定位置に基づいて図柄格納領域を更新する(ステップS69)。
ここで、表示役予想格納処理が後述の図22のステップS116の処理として行われた場合(即ち、停止操作が行われた後に表示役予想格納処理が行われた場合)には、後述の図22のステップS112の処理において停止予定位置(即ち、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に表示される図柄のコードナンバー)が決定されている。そこで、CPU13は、この停止予定位置に基づいて図柄格納領域を更新する(ステップS69)。
具体的には、CPU31は、後述の図22のステップS112の処理において決定された停止予定位置でリールの回転が停止する場合を仮定して、この場合に、当該リールの各図柄表示領域に位置する図柄の種別に対応する識別子を図柄格納領域に格納する。このようにすることで、図柄格納領域に格納されるデータは、決定された停止予定位置でリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示される図柄の組合せを示すものとなる。
ここで、表示役予想格納処理では、上述したステップS53〜ステップS69の処理が繰り返されることにより、回転している全てのリール3L,3C,3Rの夫々に対応する表示役予想格納領域について、当該表示役予想格納領域に格納される優先順位ステータスが更新される。
また、上述したステップS54〜ステップS65の処理が繰り返されることにより、図柄位置の夫々について、ステップS56の表示役検索処理による表示役の決定と、ステップS57の優先引込ステータス取得処理による優先引込ステータスの決定とが行われる。これにより、回転しているリール3L,3C,3Rのうち現在の検索対象リールに対応する表示役予想格納領域について、「0」から「20」の全ての図柄位置に対応する優先引込ステータスが更新される。
また、上述したステップS59において、表示役検索回数が「1」であると判別された場合には、回転しているリール3L,3C,3Rの数は「1」であるため、第3停止操作が行われる前であることが判明する。このとき、上述したステップS60〜ステップS63の処理が行われることにより、第3停止操作に係るリール3L,3C,3Rに対応する表示役予想格納領域に格納される優先引込ステータスの下位4ビットに擬似表示役を示す情報が格納される。
そして、上述したステップS60〜ステップS63の処理が繰り返されることにより、第3停止操作に係るリール3L,3C,3Rに対応する表示役予想格納領域について、「0」から「20」の全ての図柄位置に対応する優先引込ステータスの下位4ビットに擬似表示役を示す情報が格納される。
ここで、擬似表示役を示す情報は内部当籤役に応じたものが決定される。このため、擬似表示役を示す情報が格納された表示役予想格納領域に基づいて後述の図22のステップS112の優先引込制御処理が行われることにより、第3停止操作に係るリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、内部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が当該リール3L,3C,3Rに対応する表示窓4L,4C,4Rに表示される。
したがって、第1停止操作及び第2停止操作によって内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示されなかった場合(即ち、いわゆる「テンパイ」の状態にない場合)であっても、第3停止操作により表示窓4L,4C,4Rに停止して表示された図柄の種別に基づいて、遊技者は内部当籤役を認識することが可能となる。
他方、実施例の遊技機1ではチェリーは同時当籤役なので、遊技者がタイミングよく停止操作を行えば、チェリーに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、当該チェリーとともにボーナスが内部当籤役として決定された可能性があることが判明する。しかし、停止操作の技量に乏しい非熟練遊技者は、チェリーに対応する図柄の組合せが表示されるような停止操作を達成できない場合が多く、当該図柄の組合せによってボーナスが内部当籤役として決定された可能性があることを把握することが困難である。
しかし、実施例の遊技機1によれば、第3停止操作に対応する表示窓4L,4C,4Rに停止して表示された図柄がチェリーであれば、内部当籤役としてチェリーが決定され、さらに、当該チェリーと共にボーナスが内部当籤役として決定された可能性があることを遊技者が認識できる。したがって、遊技者の停止操作の技量の程度によらずに、ボーナスが内部当籤役として決定された可能性があることを遊技者が認識し、ボーナスに係る図柄の組合せが表示されることに期待しつつゲームを楽しむことのできる遊技機を提供することが可能となる。
図19を参照して、図柄格納領域及び図柄組合せテーブルに基づいて表示役及び擬似表示役を予想又は決定するための表示役検索処理について説明する。
初めに、CPU31は、図柄格納領域の先頭アドレスをセットし、有効ラインカウンタを取得する(ステップS71)。有効ラインカウンタは、後述のステップS75〜ステップS83の処理が行われる残りの回数である。ステップS71では、有効ラインカウンタの初期値として「5」がセットされる。
次に、CPU31は、表示役検索回数は「0」か否かを判別する(ステップS72)。このとき、表示役検索回数が「0」であると判別された場合には、CPU31は、図柄組合せテーブル(図8の(1))の先頭アドレスをセットする(ステップS73)。上述したステップS72の処理で表示役検索回数が「0」でないと判別された場合には、CPU31は、停止制御用図柄組合せテーブル(図8の(2))の先頭アドレスをセットする(ステップS74)。
次に、CPU31は、3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと比較する(ステップS75)。具体的には、上述したステップS73の処理が終了した後にステップS75の処理が行われる場合には、CPU31は、図柄組合せテーブル(図8の(1))と、図柄格納領域のうち現在の有効ラインカウンタの値に対応する表示ラインに対応する領域に格納された図柄の組合せの情報との比較を行う。
また、上述したステップS74の処理が終了した後にステップS75の処理が行われる場合には、CPU31は、停止制御用図柄組合せテーブル(図8の(2))と、図柄格納領域のうち現在の有効ラインカウンタの値に対応する表示ラインに対応する領域に格納された図柄の組合せの情報との比較を行う。
ここで、有効ラインカウンタの値が「5」の場合には、当該値に対応する表示ラインはセンターライン8cである。また、有効ラインカウンタの値が「4」の場合には、当該値に対応する表示ラインはトップライン8bである。また、有効ラインカウンタの値が「3」の場合には、当該値に対応する表示ラインはボトムライン8dである。また、有効ラインカウンタの値が「2」の場合には、当該値に対応する表示ラインはクロスダウンライン8eである。また、有効ラインカウンタの値が「1」の場合には、当該値に対応する表示ラインは、クロスアップライン8aである。
他方、ステップS71でチェック回数の値として「5」がセットされた後に、後述のステップS83においてチェック回数の値が「1」減算される。このステップS83の処理が繰り返されることにより、全ての表示ラインについてステップS75〜ステップS81の処理が行われる。
ステップS76では、CPU31は、回転中の識別子が格納された図柄格納領域を除いて一致しているか否かを判別する(ステップS76)。具体的には、CPU31は、ステップS75において比較が行われた図柄格納領域の3つの図柄の組合せの情報が、回転中の識別子(即ち、「11111111」)の情報を除いて、図柄組合せテーブルに格納される図柄の組合せの情報と一致しているか否かを判別する。
上述したステップS76の処理で回転中の識別子が格納された図柄格納領域を除いて一致していると判別された場合には、CPU31は、表示役を決定し、表示役格納領域との論理和を表示役格納領域に格納する(ステップS77)。具体的には、CPU31は、ステップS75の処理で比較が行われた図柄格納領域の3つの図柄の組合せの情報に基づいて、当該図柄の組合せに対応する表示役を決定し、当該表示役の情報(即ち、データ)と表示役格納領域との論理和を表示役格納領域に格納する。
ここで、ステップS73において図柄組合せテーブルの先頭アドレスがセットされた場合には、この図柄組合せテーブルに基づいて、ステップS75〜ステップS77の処理によって、表示役が決定される。また、ステップS74において停止制御用図柄組合せテーブルの先頭アドレスがセットされた場合には、この停止制御用図柄組合せテーブルに基づいて、ステップS75〜ステップS77の処理によって擬似表示役が決定される。
次に、CPU31は、表示役検索回数は「0」か否かを判別する(ステップS78)。このとき、表示役検索回数が「0」であると判別された場合には、第3停止操作が行われた後なので、表示役に基づいて払出枚数を決定し、払出枚数カウンタを更新する(ステップS79)。具体的には、ステップS77で決定された表示役に対応する払出枚数の値を払出枚数カウンタに格納する。払出枚数カウンタは、図15のステップS13のメダル払出処理によって払出されるメダルの枚数を識別するための情報である。
これにより、第3停止操作が行われた後に、図柄組合せテーブル(図8の(1))及び図柄格納領域に格納されている図柄の組合せの情報に基づいて、表示役が決定され、ステップS13の処理において当該表示役に対応する枚数のメダルが払出される。
次に、上述したステップS79の処理が終了した場合、上述したステップS78の処理で表示役検索回数は「0」ではないと判別された場合、及び上述したステップS76の処理で回転中の識別子が格納された図柄格納領域を除いて一致していないと判別された場合には、CPU31は、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(ステップS80)。
ここで、上述したステップS73又はステップS74でセットされた図柄組合せテーブル又は停止制御用図柄組合せテーブルの先頭アドレスは、このステップS80において更新される。このステップS80の処理が繰り返されることにより、図柄組合せテーブル又は停止制御用図柄組合せテーブルに格納される全ての図柄の組合せの情報について上述したステップS75〜ステップ79の処理が行われる。
次に、CPU81は、エンドコードか否かを判別する(ステップS81)。ここで、エンドコードであると判別された場合には、図柄組合せテーブル又は停止制御用図柄組合せテーブルに格納される全ての図柄の組合せの情報について上述したステップS75〜ステップS79の処理が行われたことが判明する。
上述したステップS81でエンドコードであると判別された場合には、CPU31は、有効ラインカウンタは「0」か否かを判別する(ステップS82)。このとき、有効ラインカウンタが「0」であると判別された場合には、全ての有効ラインについて表示役を決定する処理(ステップS77)が行われたことが判明するので、この表示役検索処理は終了する。
また、上述したステップS81でエンドコードでないと判別された場合には、図柄組合せテーブル又は停止制御用図柄組合せテーブルに格納される全ての図柄の組合せの情報について上述したステップS75〜ステップS79の処理が行われていないので、CPU31は、ステップS75の処理を再び行う。
また、上述したステップS82の処理で有効ラインカウンタが「0」ではないと判別された場合には、全ての有効ラインについて表示役を決定する処理(ステップS77)が行われていないことが判明する。この場合、CPU31は、有効ラインカウンタの値を「1」減算し、図柄格納領域のアドレスを更新(例えば、加算)し、ステップS72の処理を再び行う。
図20を参照して、優先引込ステータスを取得するための優先引込ステータス取得処理について説明する。
初めに、CPU31は、優先引込ステータスの初期値として「0」をセットする(ステップS91)。次に、CPU31は、内部当籤役と表示役の排他的論理和をとることにより得られるデータと、表示役との論理積をとる。
ここで、内部当籤役と表示役の排他的論理和をとることにより得られるデータと、表示役との論理積をとることにより得られるデータに「1」のビットがある場合には、内部当籤役では「0」であるが表示役では「1」であるビット(即ち、表示役でのみ「1」であるビット)があると判別できる。
具体的には、例えば、表示役に「00110000」が格納され、内部当籤役に「00000010」が格納されている場合には、内部当籤役と表示役の排他的論理和をとることにより「00110010」が得られる。次に、「00110010」と表示役との論理積をとることにより「00110000」が得られる。したがって、表示役でのみ「1」であるビット(即ち、ビット4及びビット5)があると判別できる。すなわち、内部当籤役に含まれていない表示役があるか否か(即ち、内部当籤役によって許容されない表示役があるか否か)が判別できる。
次に、CPU31は、ステップS92の処理により得られたデータのビット0〜ビット7の全てが「0」であるか否かを判別する(ステップS93)。このとき、ステップS92の処理により得られたデータのビット0〜ビット7のうちいずれかが「1」である場合には、押圧操作が有効なストップボタン(即ち、停止ボタン)は1個か否か、すなわち第2停止操作後であるか否かを判別する(ステップS94)。
このとき、押圧操作が有効なストップボタンが1個であると判別された場合には、優先引込ステータスとして「80H」を決定する(ステップS95)。ここで、「80H」は、2桁の16進数で表わされたものであるが、8桁の2進数では「10000000」である。この「10000000」が優先引込ステータスとして決定されると、優先引込ステータスの上位4ビットは停止禁止を示す「1000」となる。このようにすることで、第3停止操作によって内部当籤役によって許容されない表示役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにしている。
上述したステップS93の処理においてステップS92の処理により得られたデータのビット0〜ビット7の全てが「0」であると判別された場合、及び上述したステップS94の処理において押圧操作が有効なストップボタンが1個ではないと判別された場合には、CPU31は、後で図21を参照して説明する優先順位チェック処理を行う(ステップS96)。この優先順位チェック処理により、内部当籤役によって許容されない表示役がない場合(即ち、ステップS93の判別がYESの場合)に、当該表示役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示されることが許容される。
上述したステップS95及びステップS96の処理が終了すると、優先引込ステータス処理は終了する。
図21を参照して、表示役又は擬似表示役に対応する優先引込ステータスを取得するための優先順位チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、引込優先順位テーブル(図12)をセットする(ステップS101)。次に、CPU31は、チェック回数として「3」をセットし、優先順位の初期値として「1」をセットする(ステップS102)。チェック回数は、この優先順位チェック処理では、後述のステップS103の処理が行われる最大の残りの回数である。
次に、CPU31は、引込優先順位テーブル(図12)に基づいて、現在の優先順位に応じた引込データと、内部当籤役と、表示役との論理積をとる(ステップS103)。続いて、CPU31は、上述したステップS103において引込データと内部当籤役と表示役との論理積をとることにより得られたデータを構成するビットの全てが「0」であるか否かを判別する(ステップS104)。
このとき、上記データを構成するビットのうちいずれかのビットが「1」であると判別された場合には、CPU31は、現在の優先順位に応じた優先引込ステータスを取得し、既に取得されている優先引込ステータスとの論理和をとる(ステップS105)。そして、上述したステップS105の処理が終了した場合、及び上述したステップS104の判別で、上記データを構成するビットの全てが「0」であると判別された場合には、CPU31は、チェック回数を「1」減算し、優先順位を「1」加算する(ステップS106)。
次に、CPU31は、チェック回数は「0」か否かを判別する(ステップS107)。このとき、チェック回数が「0」であると判別されなかった場合には、CPU31は、ステップS103の処理を再び行う。このようにすることで、優先順位「1」から「3」まで昇順に、上述したステップS103〜ステップS105の処理が繰り返される。上述したステップS107の処理においてチェック回数が「0」ではないと判別された場合には、優先順位チェック処理は終了する。
図22を参照して、内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させるためのリール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否か、すなわち回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS111)。具体的には、押圧操作が行われた停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグがオンであるか否かを判別する。
上述したステップS111の処理で、有効なストップボタンが押圧操作されたと判別された場合には、CPU31は、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグをオフに更新し、後で図23を参照して説明する優先引込制御処理を行う(ステップS112)。他方、上述したステップS111の処理で、有効なストップボタンが押圧操作されたと判別されなかった場合には、CPU31は、このステップS111の処理を再び行う。
ここで、有効停止ボタンフラグは、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転しているか否かを識別するための情報であり、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応して3つ設けられる。操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転している場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオンである。
また、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転していない場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオフである。有効停止ボタンフラグがオフに更新されることにより、一旦押圧操作が行われた停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が以後、無効なものとなる。
次に、CPU31は、リール停止コマンド送信を行う(ステップS113)。リール停止コマンドは、優先引込制御処理(後述の図23)において決定された停止予定位置及び滑り駒数等の情報を含む。続いて、CPU31は、停止予定位置に基づいて図柄格納領域を更新する(ステップS114)。具体的には、後述の図23のステップS125において決定された停止予定位置でリールの回転が停止する場合を仮定して、この場合に当該リールの各図柄表示領域に位置する図柄の種別に対応する識別子を図柄格納領域に格納する。
次に、CPU31は、押圧操作が有効なストップボタンが有るか否かを判別する(ステップS115)。具体的には、3つの有効停止ボタンフラグのうちいずれかがオンであるか否かを判別する。このとき、回転しているリール3L,3C,3Rがあり、3つの有効停止ボタンフラグのうちいずれかがオンである場合には、CPU31は、表示役予想格納処理(図18)を行う(ステップS116)。上述したステップS115の処理で押圧操作が有効なストップボタンがないと判別された場合には、リール停止制御処理は終了する。
このように、リール停止制御処理では、優先引込制御処理(後述の図23)において表示役予想格納領域に格納された優先引込ステータスに基づいて停止予定位置が決定される。そして、押圧操作が有効な停止ボタン7L,7C,7Rに対応する表示役予想格納領域に格納される優先引込ステータスが更新される。有効な停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が行われると、当該更新された優先引込ステータスに基づいて停止予定位置が決定される。すなわち、リール停止制御処理では、停止操作が行われる度に優先引込ステータスに基づいて停止予定位置が決定される。
ここで、表示役予想格納処理は、このステップS116の処理として行われる場合と、リール停止初期設定処理(図17)のステップS43の処理として行われる場合とがある。表示役予想格納処理が停止初期設定処理(図17)のステップS43の処理として行われる場合には、表示役予想格納処理では、開始操作が行われた後であってリール3L,3C,3Rの回転が開始する前において、各リール3L,3C,3Rの図柄位置の夫々について、当該図柄位置でリールの回転が停止した後に表示される図柄の組合せに対応する表示役の予想が行われる。
また、表示役予想格納処理がステップS116の処理として行われる場合には、表示役予想格納処理では、停止操作が行われた後であって当該停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールの回転が停止する前において、回転している各リールの図柄位置の夫々について、当該図柄位置でリールの回転が停止した後に停止して表示される図柄の組合せに対応する表示役の予想が行われる。
図23を参照して、遊技状態や内部当籤役の種別等に基づいて停止予定位置を決定するための優先引込制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、押圧操作されたストップボタンに応じて表示役予想格納領域を選択し(ステップS121)。具体的には、押圧操作が行われた停止ボタンに対応するリールに対応する表示役予想格納領域を選択する。次に、CPU31は、チェック回数として「5」をセットする(ステップS122)。チェック回数は、この優先引込制御処理では、後述のステップS123で表示役予想格納領域の検索が行われる回数である。
次に、CPU31は、図柄カウンタに対応する表示役予想格納領域を含めて、チェック回数分の優先引込ステータスを比較し、「停止禁止」を除いて最も大きい優先引込ステータスを検索する(ステップS123)。すなわち、CPU31は、表示役予想格納領域のうち図柄カウンタに対応する図柄位置に対応する領域から、チェック回数の範囲内で最も大きい優先引込ステータスを検索する。ここで、図柄カウンタは、リールに表示された図柄のうち、センターライン8cに位置する図柄に対応するコードナンバーの情報を識別するためのカウンタである。
次に、CPU31は、図柄カウンタに対応する表示役予想格納領域のアドレスと、最も大きい優先引込ステータスが格納されている表示役予想格納領域のアドレスとの差分を滑り駒数として決定する(ステップS124)。すなわち、アドレスの移動分が滑り駒数として決定される。
続いて、CPU31は、図柄カウンタと、ステップS124により決定された滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定する(ステップS125)。具体的には、ステップS124により決定された滑り駒数分リールが回転したときの図柄位置を停止予定位置として決定する。ステップS125の処理が終了すると、CPU31は、図22のステップS113の処理を行う。
ここで、ステップS123の処理において最も大きい優先引込ステータスが複数検索される場合には、ステップS124の処理では、この複数の優先引込ステータスの夫々について滑り駒数を決定し、決定された複数の滑り駒数のうち何れかの滑り駒数を決定する(例えば、最も小さい値の滑り駒数を決定する)。また、図柄カウンタの値及び決定された滑り駒数に基づいて停止予定位置が決定されるので、滑り駒数の決定と停止予定位置の決定とは等価の関係と言える。
図24を参照して、ボーナスゲームの終了条件を満たした場合にボーナスゲームを終了するためのボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、入賞が成立したか否かを判別し(ステップS131)。このとき、入賞が成立したと判別された場合には、CPU31は、入賞可能回数カウンタを「1」減算し(ステップS132)、入賞可能回数カウンタの値は「0」か否かを判別する(ステップS133)。このとき、入賞可能回数カウンタの値が「0」ではないと判別された場合及び上述したステップS131の処理で入賞が成立していないと判別された場合には、CPU31は、遊技可能回数カウンタの値を「1」減算する。
次に、CPU31は、遊技可能回数が「0」か否か(即ち、遊技可能回数カウンタの値が「0」か否か)を判別する(ステップS135)。この処理で遊技可能回数が「0」であると判別された場合、及び上述したステップS133で入賞可能回数が「0」であると判別された場合には、CPU31は、RB終了時処理を行う(ステップS136)。具体的には、CPU31は、RB作動中フラグのクリア、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアなどを行う。
上述したステップS135で遊技可能回数カウンタの値が「0」ではないと判別された場合、及び上述したステップS136の処理が終了した場合には、CPU31は、ステップS16(図15)の処理を行う。
図25を参照して、決定された表示役の種別等に基づいてボーナスゲームを作動させるためのボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はRB1又はRB2であるか否かを判別し(ステップS141)、表示役がRB1又はRB2の場合には、CPU31は、ボーナス作動時テーブル(図9)に基づいてRB作動時処理を行う(ステップS142)。具体的には、CPU31は、例えば、表示役がRB1である場合には、ボーナス作動時テーブル(図9)を参照して、表示役(即ち、RB1)に対応する作動中フラグ(即ち、RB作動中フラグ)をオンに更新し、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに、それぞれ、「8」及び「12」をセットする。
上述したステップS142の処理が終了すると、CPU31は、持越役格納領域(図10の(2))をクリアする(ステップS143)。上述したステップS142〜ステップS143の処理により、RB1又はRB2に対応する図柄の組合せ(即ち、「青7−青7−青7」又は「赤7−赤7−赤7」)が有効ラインに沿って表示されると、持越区間の作動が終了し、レギュラーボーナスゲームの作動が開始する。
図26を参照して、内部当籤役や停止操作等に基づいて表示役予想格納領域に優先引込ステータスが格納される手順、及び表示役予想格納領域に格納された優先引込ステータスに基づいて停止予定位置が決定されるまでの手順について説明する。なお、表示役予想格納領域2及び表示役予想格納領域3に格納されるデータの図示は省略する。
図26は、内部当籤役が「00100001」(即ち、「チェリー」+「RB1」)のときに、第1停止操作として左停止ボタン7Lの押圧操作が停止開始位置「0」で行われ、第2停止操作として中停止ボタン7Cの押圧操作が停止開始位置「0」で行われ、第3停止操作として右停止ボタン7Rの押圧操作が停止開始位置「0」で行われた場合に、表示役予想格納領域1に格納されるデータ(即ち、優先引込みステータス)のパターンを示す。
初めに、表示役予想格納処理(図18)において、リールの回転が開始する前に表示役予想格納領域にデータが格納される手順について説明する。
検索対象リールとして左リール3Lを決定し、図柄位置として「0」をセットする。そして、図柄位置「0」の図柄と、図柄位置「0」に「1」を加算した図柄位置(即ち、「1」)の図柄と、図柄位置「0」に「1」を減算した図柄位置(この場合、例外的に「20」)の図柄とに対応する識別子を、図柄配置テーブルと検索対象リールとに基づいて特定し、左リール上段の図柄を格納する図柄格納領域に格納する。
次に、停止制御用図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットし、センターライン8cの図柄格納領域に基づいて表示役を決定する。すなわち、図柄格納領域のセンターライン8cに対応する領域には「青7−回転中−回転中(の識別子)」が格納されていることから、停止制御用図柄組合せテーブルに基づいて「RB2」が表示役として決定され、表示役格納領域に「00010000」が格納される。
上記に引き続き、トップライン8bの表示役を決定し(この場合、「ベル」を示す「00000010」)、決定された表示役と表示役格納領域との論理和を表示役格納領域に格納する(即ち、「RB2」+「ベル」を示す「00010010」となる)。
同様に、ボトムライン8d、クロスダウンライン8e、クロスアップライン8aの順に表示役を決定し、夫々決定された表示役の論理和を表示役格納領域に格納する(この場合は、「RB2」+「ベル」+「スイカ」を示す「00010110」となる)。
次に、内部当籤役(即ち、「チェリー」+「RB1」を示す「00100001」)と、表示役(即ち、「RB2」+「ベル」+「スイカ」を示す「00010110」)との排他的論理和をとり、その結果と表示役の論理積をとる。
上記の結果、ビット0〜ビット7の全てが「0」であることはないことが判明するが、押圧操作が有効な停止ボタン7L,7C,7Rは1個ではないので、表示役と、内部当籤役と、引込優先順位テーブルにより規定される引込みデータとの論理積を順次とっていく。言い換えるならば、表示役と内部当籤役の論理積と、引込優先順位テーブルにより規定される引込データの夫々と論理積をとっていく。
上記の結果、表示役と内部当籤役の論理積を使用した論理積が「0」以外となる引込みデータがないことから、優先引込ステータスとして初期値である「0」がそのまま決定される。そして、ここで決定された優先引込ステータスを、表示役予想格納領域1であって図柄位置「0」に対応する領域に格納する。
上述した処理を、全てのリール3L,3C,3Rにおける全ての図柄位置について実行する。なお、表示役予想格納領域1は、左リール3Lに対応し、表示役予想格納領域2は、中リール3Cに対応し、表示役予想格納領域3は右リール3Rに対応する。
次に、第1停止操作に応じて表示役予想格納領域に格納されたデータに基づいて停止予定位置が決定される手順及び表示役予想格納領域にデータが格納される手順について説明する。
初めに、第1停止操作が左停止ボタン7Lの押圧操作であることから、表示役予想格納領域1が選択される。そして、チェック回数として「5」がセットされ、表示役予想格納領域1において図柄カウンタ「0」に対応する図柄位置の領域から当該チェック回数の範囲内で最も大きなデータを検索する。ここでは、図柄位置「1」〜「3」に対応するデータ「00100000」が最も大きく、最も大きなデータが複数検索されるので、滑り駒数も複数決定される。
即ち、先ず、図柄位置「1」と図柄カウンタ「0」に対応する図柄位置「0」との差分である「1」が滑り駒数として決定される。同様に、図柄位置「2」及び「3」に対応する滑り駒数として、それぞれ「2」及び「3」が決定される。そして、決定された複数の滑り駒数のうち、最も小さい値である「1」が滑り駒数として決定される。続いて、滑り駒数「1」に基づいて停止予定位置として「1」が決定される。
そして、押圧操作が有効なストップボタンに対応する中リール3C及び右リール3Rについて、上述したような優先引込ステータスの決定を行い、当該優先引込ステータスをリールに対応する表示役予想格納領域に格納する。なお、表示役格納領域1に中リール3Cが対応し、表示役格納領域2に右リール3Rが対応する。
次に、第2停止操作に応じて表示役予想格納領域に格納されたデータに基づいて停止予定位置が決定される手順及び表示役予想格納領域にデータが格納される手順について説明する。
初めに、第2停止操作が中停止ボタン7Cの押圧操作であることから、表示役予想格納領域1が選択され、滑り駒数のチェックが行われる。ここでは、滑り駒数として、「0」、「1」、「2」、「3」、及び「4」が決定される。そして、決定された複数の滑り駒数のうち、最も小さい値である「0」が滑り駒数として決定される。
そして、押圧操作が有効な停止ボタンに対応する右リール3Rについて、上述したような優先引込ステータスを決定し、当該右リール3Rに対応する表示役予想格納領域1に格納する。
次に、第2停止操作後に表示役予想格納領域に優先引込ステータスが格納される手順について説明する。
先ず、検索対象リールとして右リール3Rを決定し、図柄位置として「0」をセットする。次に、図柄位置「0」について上述したような優先引込ステータスの決定を行い、表示役予想格納領域1であって図柄位置「0」に対応する領域に当該優先引込ステータスを格納する。続いて、表示役検索回数が「1」なので、検索対象リールを除く図柄格納領域に回転中の識別子が格納する。すなわち、図柄格納領域であって、中リール3C及び右リール3Rに対応する領域に回転中の識別子が格納される。
これにより、図柄格納領域のセンターライン8cに対応する領域には「回転中−回転中−青7」が格納される。また、図柄格納領域のトップライン8bに対応する領域には「回転中−回転中−リプレイ」が格納される。また、図柄格納領域のボトムライン8dに対応する領域には「回転中−回転中−ベル」が格納される。また、図柄格納領域のクロスダウンライン8eに対応する領域には「回転中−回転中−ベル」が格納される。また、図柄格納領域のクロスアップライン8aに対応する領域には「回転中−回転中−リプレイ」が格納される。
そして、再び停止制御用図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットし、センターライン8cの図柄格納領域に基づいて擬似表示役を決定する。すなわち、図柄格納領域のセンターライン8cに対応する領域には「回転中−回転中−青7」が格納されていることから、停止制御用図柄組合せテーブルに基づいて「RB2」が擬似表示役として決定され、表示役格納領域に「00010000」が格納される。
同様に、トップライン8b、ボトムライン8d、クロスダウンライン8e、クロスアップライン8aの順に擬似表示役を決定し、夫々決定された擬似表示役の論理和を表示役格納領域に格納する(この場合は、「RB2」+「ベル」+「リプレイ」を示す「00011010」となる)。
次に、内部当籤役(即ち、「チェリー」+「RB1」を示す「00100001」)と、擬似表示役(即ち、「RB2」+「ベル」+「リプレイ」を示す「00011010」)との排他的論理和をとり、その結果と擬似表示役の論理積をとる。
上記の結果、ビット0〜ビット7の全てが「0」であることはないことが判明し、押圧操作が有効な停止ボタン7L,7C,7Rは1個であることから優先引込ステータスとして停止禁止を示す「80H」を決定する。そして、決定された優先引込ステータスと、既に表示役格納領域に格納されている優先引込ステータスとの論理和を表示役予想格納領域に格納する。
なお、ビット0〜ビット7の全てが「0」であることが判明した場合には、擬似表示役と、内部当籤役と、引込優先順位テーブルにより規定される引込みデータとの論理積を順次とっていくことにより、優先引込ステータスを決定する。そして、上述した処理を、右のリール3Rにおける全ての図柄位置について実行し、全ての図柄位置の夫々に対応する優先引込ステータスを表示役予想格納領域に格納する。
次に、第3停止操作に応じて表示役予想格納領域に格納されたデータに基づいて停止予定位置が決定される手順について説明する。
初めに、第3停止操作が右停止ボタン7Rの押圧操作であることから、表示役予想格納領域1が選択され、滑り駒数のチェックが行われる。ここでは、図柄位置「1」〜「3」に対応する優先引込ステータス「10000111」が最も大きいため、滑り駒数として「1」、「2」、及び「3」が決定される。そして、決定された複数の滑り駒数のうち、最も小さい値である「1」が滑り駒数として決定される。
したがって、左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rに対応する停止予定位置として、それぞれ、「1」、「0」、及び「1」が決定され、左リール上段、左リール中段、又は左リール下段のうちいずれかの図柄表示領域にはチェリーが表示されないが、右リール上段の図柄停止位置にチェリーが表示される。すなわち、内部当籤役としてチェリーが決定されたにもかかわらずチェリーに係る図柄の組合せの表示が達成できない場合であっても、右リール上段の図柄停止位置にチェリーが表示されるようなリール3L,3C,3Rの停止制御が行われる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、第3停止操作に係るリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、内部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が当該リール3L,3C,3Rに対応する表示窓4L,4C,4Rに表示されるようにしているがこれに限られるものではない。例えば、第2停止操作に係るリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、内部当籤役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が当該リール3L,3C,3Rに対応する表示窓4L,4C,4Rに停止して表示されるようにしてもよい。
このようにした場合でも、第1停止操作によって内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示されず、内部当籤役に対応する図柄の組合せが表示できなくなったときは、第2停止操作により表示窓4L,4C,4Rに停止して表示された図柄の種別に基づいて、遊技者が内部当籤役を認識することが可能となる。
更に、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。