JP5284519B2 - インフレータ用フィルタ - Google Patents
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Description
第二に、インフレータの軸方向寸法を変更する場合には、フック付金属板の幅寸法を変更する必要がある。この事は、軸方向寸法が異なる複数種類のインフレータ用フィルタを用意する場合に、所望の幅寸法を有するフック付金属板を得る為に、幅寸法が互いに異なる複数種類の切断装置を用意し、且つ、このフック付金属板を正規に巻回する為に、複数種類の巻回装置を用意する必要に繋がり、設備の簡略化によるコスト低減を図る面からは好ましくない。
この様な本発明のインフレータ用フィルタを実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、各折り立て部の先端部をそれぞれの径方向外方に折り曲げて折れ曲がり部とする。そして、これら各折り立て部の高さを一定とする。
軸流型のインフレータ用フィルタとして実施する場合には、請求項3に記載した発明の様に、上記各金属板の中心部まで小孔を形成する。そして、上記ホルダ筒の軸方向一端側から送り込んだ圧力ガスを、上記各金属板に形成した多数の小孔と上記隙間空間とを交互に通過させて、上記ホルダ筒の軸方向他端側から吐出する。
この様な請求項4に記載した発明を実施する場合に、上記各金属板の耐熱性を異ならせる為には、これら各金属板を構成する金属材料として耐熱性が異なる材料を使用したり、或いは、厚さ寸法が異なる金属板を使用する(材質が同じであれば、厚さ寸法が大きい程、耐熱性が良い)。
即ち、軸流型のインフレータ用フィルタにしても、ラジアル流型のインフレータ用フィルタにしても、軸方向寸法を変える場合には、軸方向に積層する金属板の数、及び、これら各金属板を納めるホルダ筒の軸方向寸法を変えれば良い。積層する金属板の数を変える事は容易である。又、このホルダ筒の形状は単純で、軸方向寸法を変えたものを用意する事は容易であり、しかも、このホルダ筒に相当する部材は従来も存在する為、複数種類のホルダ筒を用意する必要がある事は、従来構造に比べて、コストの面で不利になる事はない。この為、上述の様に、軸方向寸法が互いに異なる複数種類のインフレータ用フィルタの製造コストを低く抑えられる。
即ち、軸流型のインフレータ用フィルタを構成すべく、軸方向に積層する複数枚の金属板のうち、上流側に配置する金属板は、ガス発生剤から発生した直後の、高温且つ高圧の圧力ガスに曝される為、優れた強度及び耐熱性が要求される。この為、上流側に配置する金属板は、この強度及び耐熱性を確保できる材料により造ったり、或いは、厚さ寸法を確保する必要がある。但し、上流側に比べて要求される強度及び耐熱性が低い下流側の金属板も同じ材料により造ると、材料費が嵩んだり、軸方向寸法及び重量が嵩んでしまう。又、金属板の厚さ寸法を大きくすると、当該金属板の容積に対する表面積の割合が小さくなり、上記圧力ガスの冷却性能確保の面から不利になる。
これに対して請求項4に記載した発明の構造を採用すれば、コスト或いは軸方向寸法が嵩む原因となる、優れた強度及び耐熱性を確保できる材料により造られた金属板、或いは、厚さ寸法の大きな金属板を、高温且つ高圧の圧力ガスに曝される上流側にのみ配置すれば良い為、上述の様に、コスト低減と、圧力ガスの冷却性能の確保と、小型・軽量化とを、高次元で並立させられる。
図1〜4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のフィルタ10は、金属板製で欠円筒状のホルダ筒11の内径側に多数枚(数十枚、例えば30〜50枚)の金属板12、12を、軸方向に積層した状態で保持している。これら各金属板12、12は、それぞれが互いに同形且つ同大の円板状で、多数の小孔13、13を、中心部から外周縁に至る部分迄の全体に亙り、均一に形成している。尚、上記各金属板12、12の板厚は、必要とする強度及び冷却性能等を考慮して設計的に定めるが、例えば0.25mm程度とする。上記各小孔13、13はそれぞれ、素材となる金属板に、それぞれが釘状(円柱部の先端が四角錐状)である多数の打ち抜きピンを突き通す事(バーリング加工)により形成したもので、各小孔13、13の周縁部に、軸方向に突出する折り立て部14、14を形成している。又、これら各折り立て部14、14の先端部を、それぞれの径方向外方に折り曲げて折れ曲がり部15、15とし、これら各折り立て部14、14の高さを一定としている。
先ず、アンコイラから引き出した長尺な帯状の金属板に多数の打ち抜きピンを突き通して、上記各小孔13、13と上記各折り立て部14、14とを形成する。この際、上記帯状の金属板を間欠的に送り(所定量の送りと、所定時間の停止とを繰り返し)、停止中に上記各打ち抜きピンを突き通す。これら各打ち抜きピンを突き通したままの状態では、未だ、上記各折り立て部14、14の先端部は尖ったままである。そこで、これら各折り立て部14、14と上記各小孔13、13とを形成した帯状金属板を、互いに平行に配置した1対の成形ローラの間に通し、上記各折り立て部14、14の先端部を折り曲げて、上記各折れ曲がり部15、15を形成する。次に、上記各小孔13、13と、上記各折り立て部14、14と、これら各折れ曲がり部15、15とを形成した帯状金属板(フック付多孔板)に、プレス加工機等による打ち抜き加工を施す事により、図2〜4に示す様な、それぞれが円形で、互いに同形且つ同大である、金属板12、12とする。上記各折り立て部14、14は、それぞれが釘状である上記各打ち抜きピンを上記金属板に突き通し、この金属板の一部を切り破る様にして形成する為、上記各折り立て部14、14は円周方向に関して不連続であり、円周方向複数個所(例えば4個所)に不連続部18、18が形成される。
(A) 上記各金属板12、12の表面に、銅若しくは銅系合金等の、熱伝達率の良好な金属をメッキする。
この様な構成を採用すれば、上記各金属板12、12と上記圧力ガスとの熱交換を効率良く行って、この圧力ガスの温度を効果的に低下させられる。
(B) 上記各金属板12、12の片面から突出する状態で形成した上記各折り立て部14、14を、上記圧力ガスの流れ方向に関して上流側(ガス発生剤の設置側)に向ける。
この様な構成を採用すれば、上記圧力ガス中に混入した小片が上記各折り立て部14、14に引っ掛かり易く、この小片を捕集する効率が向上する。
(C) 上記金属板12、12として、厚さ寸法が異なる複数種類のものを使用し、厚さ寸法の大きなものを上流側に、同じく小さなものを下流側に、それぞれ配置する。
この様な構成を採用すれば、高温の圧力ガスに曝される上流側の金属板12、12に、過度の温度上昇により変形等の損傷が発生するのを防止し、且つ、下流側に(厚さ寸法が小さい分)多数枚の金属板12、12を配置して、上記圧力ガスの温度を十分に低下させられる。
(D) 上記金属板12、12として、材質が異なる複数種類のものを使用し、優れた耐熱性を有する代わりにコストが嵩む金属板12、12を上流側に、コストを抑えられる代わりに耐熱性が劣る金属板12、12を下流側に、それぞれ配置する。
この様な構成を採用すれば、コストを抑えつつ、高温の圧力ガスに曝される上流側の金属板12、12に損傷が発生するのを防止できる。
(E) 前記各小孔13、13の配列状態を異ならせた複数種類の金属板12、12を使用し、軸方向に隣り合う金属板12、12として、異種配列のものを使用する。
この様な構成を採用すれば、軸方向に隣り合う金属板12、12同士の間で、上記各小孔13、13が偶然に整合し、上記圧力ガスの流通に対する抵抗が設計値に比べて低くなり過ぎる事を防止できる。
図5〜8は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のフィルタ10aは、前述の図10に示したインフレータ1aに組み込んだフィルタ5aと同様に、ガス発生剤の爆発的燃焼により発生した圧力ガスを、径方向に流通させる。この為に本例の場合には、各金属板12a、12aの中心部に、各小孔13、13よりも大きな通孔19、19を形成している。又、これら各金属板12a、12aを保持する為のホルダ筒11aに、径方向に貫通する多数の透孔20、20を形成している。そして、これら各金属板12a、12aの内径側に上記通孔19、19を通じて送り込まれた圧力ガスを、軸方向に隣り合う金属板12a、12a同士の間に設けられた隙間空間を通じて、これら各金属板12a、12aの径方向外側に送り、上記各透孔20、20から上記ホルダ筒11aの外径側に吐出する。
この様な本例の構造の場合も、軸方向寸法が互いに異なる複数種類のインフレータ用フィルタの製造コストを低く抑えられる。
又、本例の構造を実施する場合に好ましくは、前述の(A) 〜(E) に示した構成のうちの(A) を採用する。圧力ガスを径方向に流す、本例の構造の場合には、残りの(B) 〜(E) の構成を採用する意味は殆どない。
2 ケース
3、3a、3b 点火プラグ
4、4a ガス発生剤
5、5a フィルタ
6、6a、6b 多孔板
7 吐出口
8 着火剤
9 オートイグニッション
10、10a フィルタ
11、11a ホルダ筒
12、12a 金属板
13 小孔
14 折り立て部
15 折れ曲がり部
16 スリット
17 抑え鍔部
18 不連続部
19 通孔
20 透孔
Claims (5)
- 多数の小孔を形成すると共にこれら各小孔の周縁部に、軸方向に関して片面側に突出すると共に、円周方向複数個所ずつに不連続部が形成された折り立て部を設けた、互いに同形且つ同大である複数枚の金属板を軸方向に、これら各金属板の軸方向に関して他面側に上記各折り立て部の先端縁を突き合わせて重ね合わせ、隣り合う金属板同士の間にこれら各折り立て部の高さ寸法分だけの隙間空間が存在する状態でホルダ筒内に保持し、軸方向に隣り合う金属板同士の間に存在するこれら各隙間空間を圧力ガスの流路として成るインフレータ用フィルタ。
- 各折り立て部の先端部をそれぞれの径方向外方に折り曲げて折れ曲がり部とし、これら各折り立て部の高さを一定としている、請求項1に記載したインフレータ用フィルタ。
- 各金属板の中心部まで小孔が形成されており、ホルダ筒の軸方向一端側から送り込んだ圧力ガスを、上記各金属板に形成した多数の小孔と隙間空間とを交互に通過させて、上記ホルダ筒の軸方向他端側から吐出する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したインフレータ用フィルタ。
- 各金属板として、耐熱性の面で互いに性能が異なる少なくとも2種類のものを用意し、圧力ガスの流れ方向に関して上流側に、下流側よりも優れた耐熱性を有する金属板を配置する、請求項3に記載したインフレータ用フィルタ。
- 各金属板の中心部に形成された、各小孔よりも大きな通孔を互いに整合させた状態で、これら各金属板を軸方向に重ね合わせており、ホルダ筒に径方向に貫通する多数の透孔が形成されており、これら各金属板の内径側に上記通孔を通じて送り込まれた圧力ガスを、これら各金属板の径方向外側に送って上記各透孔から上記ホルダ筒の外径側に吐出する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したインフレータ用フィルタ。
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