JP2015182528A - フィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の向上を図れると共に製造コストの低減を図れる、フィルタの製造方法を実現する。【解決手段】金属板10にバーリング加工を施して、複数の小孔7aと複数のフック8aとが形成されたフック付金属板である、第一中間素材11を形成する。次いで、この第一中間素材11に波付け加工を施して波付第一中間素材12とする。次いで、この波付第一中間素材12に曲げ加工を施し、両端部同士を小孔7aとフック8aとの掛合により接合して、略円筒状の第二中間素材15を得る。その後、この第二中間素材15を軸方向に圧縮成形して、フィルタ6aを得る。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車の衝突事故の際に乗員を保護する為のエアバッグ装置等を構成するインフレータ(ガス発生装置)に組み込んで使用するフィルタの製造方法に関する。
自動車が他の自動車等にぶつかる衝突事故の際に、運転者等の乗員の身体に大きな衝撃が加わる事を防止する為に、各種のエアバッグ装置やプリテンショナ式のシートベルト装置が知られている。何れの装置の場合でも、衝撃センサが衝突の衝撃を感知した場合に、インフレータに組み込まれた点火装置により、火薬の如きガス発生剤に点火して、高圧のガスを発生させる。そして、エアバッグ装置の場合には、このガスによりエアバッグを膨らませ、プリテンショナ式のシートベルト装置の場合には、このガスによりシートベルトの緊急時用張力調整機構を作動させて、このシートベルトの張力を高める。
この様なエアバッグ装置やプリテンショナ式のシートベルト装置を構成するインフレータには、ガス発生剤の下流側に、フィルタを設けている。このフィルタは、このガス発生剤の爆発的な燃焼に基づいて発生した圧力ガス(燃焼ガス)の流れを平滑化すると共に、温度を低下させる。更には、前記フィルタは、前記燃焼に基づいて発生した小片(ガス発生剤の燃え残り滓を含む)が、エアバッグ内に入り込んでこのエアバッグに衝突した乗員の身体を損傷したり、シートベルト装置のプリテンショナ用のアクチュエータの作動不良の原因となるのを防止したりする役目も有する。この様なフィルタを設けたインフレータとして、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。図7は、このうちの特許文献1に記載されたインフレータを示しており、図8、9は、このインフレータに使用されるフィルタを示している。
図示の構造の場合、インフレータ1は、発生した圧力ガスを径方向に流すディスクタイプインフレータと呼ばれるもので、中空円盤状のケース2内に、中央から順に、点火装置(イグナイタ)3と、着火剤4と、ペレット状のガス発生剤5と、フィルタ6とが配置されている。このうちのフィルタ6は、金属製で、中空円筒状に構成されており、その内部にガスを通過させる為の流路が設けられている。この様なフィルタ6は、金属板にプレス加工(バーリング加工)を施す事で、多数の小孔7、7と、これら各小孔7、7の周縁部から金属板の厚さ方向に突出したフック8、8とを備えた、フック付金属板(フックメタル)を形成した後、このフック付金属板を渦巻状に巻き回し(積層し)、内周側及び外周側のそれぞれの端部を溶接(スポット溶接)により接合する事により造られている。
上述した様な構成を有する従来構造のインフレータ1は、衝突事故の際に、前記点火装置3により、前記着火剤4を介して前記ガス発生剤5に点火し、圧力ガスを発生させる。この圧力ガスは、前記フィルタ6を通過する間に流れを平滑化されると共に、このフィルタ6を構成する金属材料と熱交換を行って温度を低下させる。更に、前記ガス発生剤5の爆発的燃焼に伴って発生した小片が前記フィルタ6に捕集される。この結果、流れが平滑化されると共に温度が低下した、異物を含まない圧力ガスが、前記フィルタ6の外周面に開口した前記各小孔7、7から流れ出し、前記ケース2に設けられたガス吐出口9を通じて、このケース2の外部に吐出される。吐出されたガスは、エアバック等の内部に導入され、エアバックを膨張すると共に展開するのに利用される。
ところが、上述した様な従来構造の場合、前記各小孔7、7の開口面積は、これら各小孔7、7を素材となる金属板に形成した時から変化せず、最終製品である前記フィルタ6に至るまで一定のままである。この為、この様なフィルタ6に、上述した様な性能を十分に発揮させる為には、前記各小孔7、7の直径を十分に小さくする(例えば1mm以下にする)と共に、隣り合う小孔7、7同士のピッチ(孔センター同士の間隔)を小さくする(例えば2mm以下とする)必要がある。この為、前記フィルタ6を製造する為には、前記各小孔7、7(及びフック8、8)を形成する為のプレス加工の回数が多くなり、生産性(加工性)の低下を招くと共に、この様な小孔7、7(及びフック8、8)を加工する為の金型(打ち抜きピンを備えたバーリング金型)の費用も嵩む。又、従来構造のフィルタ6を製造する為には、端部を接合する為の溶接工程が必要になる為、この面からも、生産性の低下を招き、製造コストが嵩む原因となる。
一方、上述した様な構造を有するフィルタ6の他、ステンレス鋼等の耐熱性を有する金属製のフィラメント(繊維状に細く曲げ易い線材)をメリヤス編みして成る金網を圧縮成形して造られるフィルタも、従来から広く知られている。但し、この様な金網製のフィルタは、フィラメントをメリヤス編みする工程に工数が嵩む為、やはり生産性を高める事が難しく、製造コストが嵩む事が避けられない。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、生産性の向上を図れると共に、製造コストを抑えられる、フィルタの製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明のフィルタの製造方法は、金属製で中空円筒状であり、その内部に内側空間と外側空間とを連通する流路を有するフィルタを対象とした製造方法である。
先ず、本発明の製造方法では、例えば錫メッキ鋼板やアルミニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の金属板に複数の小孔(例えば直径が1.1〜2.5mm程度の小孔)を形成(例えばピッチを2.8mm以上、好ましくは3.0mm以上あけて形成)して第一中間素材とする。
次いで、この第一中間素材に曲げ加工を施して略円筒状の第二中間素材とする。
その後、この第二中間素材を軸方向に圧縮成形して、前記フィルタを得る。
先ず、本発明の製造方法では、例えば錫メッキ鋼板やアルミニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の金属板に複数の小孔(例えば直径が1.1〜2.5mm程度の小孔)を形成(例えばピッチを2.8mm以上、好ましくは3.0mm以上あけて形成)して第一中間素材とする。
次いで、この第一中間素材に曲げ加工を施して略円筒状の第二中間素材とする。
その後、この第二中間素材を軸方向に圧縮成形して、前記フィルタを得る。
本発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記第一中間素材に曲げ加工を施す以前に、この第一中間素材に予備成形を施す。
又、この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記予備成形を波付け加工とする。
更に、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記波付け加工による波付け方向(山部の稜線方向)を、前記第二中間素材の軸方向に対応する方向である、前記第一中間素材の幅方向に対して傾斜(例えば10〜15度程度傾斜)させる。
又、この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記予備成形を波付け加工とする。
更に、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記波付け加工による波付け方向(山部の稜線方向)を、前記第二中間素材の軸方向に対応する方向である、前記第一中間素材の幅方向に対して傾斜(例えば10〜15度程度傾斜)させる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記金属板に、前記各小孔と、これら各小孔の開口縁部(の一部又は全部)に前記金属板の板厚方向に突出した複数のフックとを形成して、フック付金属板である前記第一中間素材を得る。
又、上述した様な請求項5に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記第二中間素材のうち、径方向に重畳した周方向端部(第一中間素材の長さ方向両端部)同士を、当該部分に形成された前記各フックと前記各小孔により掛合(引っ掛ける事により接合)させる。
又、上述した様な請求項5に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記第二中間素材のうち、径方向に重畳した周方向端部(第一中間素材の長さ方向両端部)同士を、当該部分に形成された前記各フックと前記各小孔により掛合(引っ掛ける事により接合)させる。
上述の様に構成する本発明のフィルタの製造方法によれば、フィルタの生産性の向上を図れると共に製造コストの低減を図れる。
即ち、本発明の場合には、フィルタを製造する為に、面倒な溶接工程やメリヤス編み工程が不要になる為、生産性の向上を図れ、製造コストの低減を図れる。又、前記図7〜9に示した従来構造の場合に比べて、第一中間素材に形成する小孔の直径を大きくしたり、隣り合う小孔同士のピッチを大きくした場合にも、第二中間素材を軸方向に圧縮成形する際に、これら各小孔の開口面積を小さくできる為、フィルタの内部に形成される流路の流通性を適正にする事ができて、フィルタに所期の性能を発揮させる事が可能になる。従って、前記各小孔を形成する為の加工回数を低減できると共に、これら各小孔を形成する為の工具として直径が大きいものを使用できる為、生産性の向上を図れると共に、製造コストの低減を図れる。
即ち、本発明の場合には、フィルタを製造する為に、面倒な溶接工程やメリヤス編み工程が不要になる為、生産性の向上を図れ、製造コストの低減を図れる。又、前記図7〜9に示した従来構造の場合に比べて、第一中間素材に形成する小孔の直径を大きくしたり、隣り合う小孔同士のピッチを大きくした場合にも、第二中間素材を軸方向に圧縮成形する際に、これら各小孔の開口面積を小さくできる為、フィルタの内部に形成される流路の流通性を適正にする事ができて、フィルタに所期の性能を発揮させる事が可能になる。従って、前記各小孔を形成する為の加工回数を低減できると共に、これら各小孔を形成する為の工具として直径が大きいものを使用できる為、生産性の向上を図れると共に、製造コストの低減を図れる。
又、請求項3、4に記載した発明によれば、前記第二中間素材を軸方向に圧縮成形する際に要する押圧力を小さくできる。
又、請求項5に記載した発明によれば、金属板に小孔を形成した際に、スクラップを生じさせず、代わりに小孔の周縁部にフックを形成できる為、材料の省資源化を図れると共に、抜きカス(スクラップ)を発生しない分、フィルタの質量減少を抑え、フィルタの冷却性能を向上させる事ができる。又、フックを形成した分、表面積を増やす事もできる為、それによる冷却性能の向上も期待できる。更に、前記第二中間素材を軸方向に圧縮した際に、前記各フックの存在に基づき、前記各小孔が完全に塞がれる(潰れる)事を有効に防止できる為、フィルタ内部に均一な隙間を形成し易くできる。
又、請求項6に記載した発明によれば、第二中間素材を軸方向に圧縮成形した状態で、掛合させたフックと小孔とが複雑に押し潰され強固に結合する為、溶接工程を要さずとも、フィルタの周方向の連結部分の結合力を十分に高くできる。
又、請求項5に記載した発明によれば、金属板に小孔を形成した際に、スクラップを生じさせず、代わりに小孔の周縁部にフックを形成できる為、材料の省資源化を図れると共に、抜きカス(スクラップ)を発生しない分、フィルタの質量減少を抑え、フィルタの冷却性能を向上させる事ができる。又、フックを形成した分、表面積を増やす事もできる為、それによる冷却性能の向上も期待できる。更に、前記第二中間素材を軸方向に圧縮した際に、前記各フックの存在に基づき、前記各小孔が完全に塞がれる(潰れる)事を有効に防止できる為、フィルタ内部に均一な隙間を形成し易くできる。
又、請求項6に記載した発明によれば、第二中間素材を軸方向に圧縮成形した状態で、掛合させたフックと小孔とが複雑に押し潰され強固に結合する為、溶接工程を要さずとも、フィルタの周方向の連結部分の結合力を十分に高くできる。
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。本例の場合には、第一工程として、図1の(A)→(B)に示す様に、素材である金属板10に、鉛直方向に工具を移動させる油圧式等のプレス装置又はロール装置を使用してプレス加工(バーリング加工)を施し、多数の小孔7a、7aと、これら各小孔7a、7aの周縁部から前記金属板10の板厚方向に突出したフック8a、8aとをそれぞれ形成して、フック付金属板である第一中間素材11を得る。具体的には、アンコイラから引き出した長尺な帯状の金属板10に、ロールの外周面に設けられた多数の針状の打ち抜きピンを突き通して、円形状の前記各小孔7a、7aを形成すると共に、これら各小孔7a、7aの周囲に略円筒状のフック8a、8aを形成する。
尚、これら各小孔7a、7a及びフック8a、8aの形成方法に就いては、特に限定されず、例えば特許文献4に記載されている様に、先ず下孔を形成した後、この下孔の周縁部を板厚方向に突出させても良い。
尚、これら各小孔7a、7a及びフック8a、8aの形成方法に就いては、特に限定されず、例えば特許文献4に記載されている様に、先ず下孔を形成した後、この下孔の周縁部を板厚方向に突出させても良い。
素材である金属板10としては、例えば錫メッキ鋼板やアルミニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板等を使用する事ができる。又、金属板10の板厚は、金属材料の種類及び必要とする強度等を考慮して設計的に定める事ができるが、例えば0.15〜0.3mm程度(好ましくは0.18〜0.25mm)とする。又、前記各小孔7a、7aの直径は、1.1〜2.5mm程度とし、隣接する小孔7a、7a同士のピッチ(孔センター同士の間隔)は、2.8mm以上(好ましくは3.0mm以上)とする。何れにしても本例の場合には、前記各小孔7a、7aの直径及びピッチを、前記図7〜9に示した従来構造のフィルタ6の場合よりも、それぞれ大きくしている。
尚、図示の例では、前記第一中間素材11の片面にのみフック8a、8aを形成しているが、両面にフックを形成しても良い。両面にフックを形成する場合には、隣り合うフック同士で、突出方向を交互に異ならせる事もできる。
尚、図示の例では、前記第一中間素材11の片面にのみフック8a、8aを形成しているが、両面にフックを形成しても良い。両面にフックを形成する場合には、隣り合うフック同士で、突出方向を交互に異ならせる事もできる。
又、上述した様に、前記各小孔7a、7a及び前記各フック8a、8aを形成した後、必要に応じて、前記第一中間素材11に、例えばロール装置を使用して板厚方向に押圧するプレス加工を施す。これにより、前記各フック8a、8aの先端部を押し潰して(塑性変形させて)、これら各フック8a、8aの高さ寸法を一定とする。尚、この様な工程は、これら各フック8a、8aの形状及び寸法等に応じて省略する事もできる。
次に、第二工程として、図1の(B)→(C)に示す様に、前記第一中間素材11に、鉛直方向に工具を移動させる油圧式等のプレス装置又はロール装置を使用して、予備成形である波付け加工(プレス加工)を施すと共に、所定の長さ寸法に切断して、略平行四辺形状で、波板状の波付第一中間素材12を得る。具体的には、前記第一中間素材11を、その長さ方向{図1の(C)の左右方向}に山部13と谷部14とが交互に繰り返される(板厚方向に波打つ)様に折り曲げて、前記波付第一中間素材12とする。又、本例の場合には、波付け方向α(山部13の稜線方向)を、前記第一中間素材11(波付第一中間素材12)の幅方向β{図1の(B)及び(C)の上下方向}に対して、5〜20度程度(好ましくは10〜15度程度)傾斜させている。尚、この波付第一中間素材12の幅方向は、後述する第二中間素材15の軸方向に対応する方向である。又、後述する第三工程での曲げ加工の成形性及び加工力低減の観点から、前記波付第一中間素材12の長さ方向両端縁と前記波付け方向αとを、互いに平行に形成するのが好ましい。
次いで、第三工程として、図1の(C)→(D)に示す様に、前記波付第一中間素材12に、曲げ加工を施して、略円筒状の第二中間素材15を得る。本例の場合には、この波付第一中間素材12の長さ方向{図1の(C)の左右方向}両端部同士を近付けるように円筒状に折り曲げ(湾曲させ)、図3に示す様に、これら両端部同士を径方向に重畳させた状態で、これら両端部にそれぞれ形成された前記各小孔7a、7aと前記各フック8a、8aとを互いに掛合させる。この様に、前記波付第一中間素材12を円筒状に丸めて第二中間素材15とする作業は、例えばロール装置により円筒状に折り曲げた後、作業者が治具等を用いて両端部同士を掛合させる事により行う事ができる。本例の場合には、前記各小孔7a、7aと前記各フック8a、8aとの掛合により、円筒状に折り曲げられた前記第二中間素材15が、ばらける事なく、その形状が維持される。尚、図1の(D)には、両端部同士を掛合させる以前の状態を示している。
次いで、第四工程(最終工程)として、図1の(D)→(E)に示す様に、前記第二中間素材15を、軸方向に圧縮成形して、中空円筒状のフィルタ6aを造る。この為に本例の場合には、図4に示した様に、前記第二中間素材15の内側に、得るべきフィルタ6aの内径寸法と同じ外径寸法を有する、金属製で円柱状の芯材16を挿入した状態で、これら第二中間素材15及び芯材16を、得るべきフィルタ6aの外径寸法と同じ内径寸法を有する中空円筒状のダイス17の内側に設置する。その後、前記芯材16とこのダイス17との間の環状空間に挿入可能な、図示しない円筒状のパンチを用いて、前記第二中間素材15を軸方向に押し潰す。本例の場合には、この第二中間素材15に、この第二中間素材15の軸方向に対して傾斜した山部13及び谷部14が設けられている為、前記パンチの下降に伴って、この第二中間素材15を、波付け方向に沿って(図4の場合には時計回りに)捻り変形させると共に、前記山部13と前記谷部14との間隔を小さくしつつ(山部13及び谷部14を押し潰しつつ)、前記第二中間素材15の軸方向寸法を全体の1/2〜1/10程度(圧縮率が50〜90%)になるまで押し潰す。これにより、最終製品である前記フィルタ6aを得る。
上述の様にして製造される本例のフィルタ6aは、内周面及び外周面にそれぞれ、前記第二中間素材15の軸方向への圧縮成形に伴って押し潰され、その開口面積が小さくなった、前記各小孔7a、7aにより構成される開口部が複数形成されている。又、前記フィルタ6aの内部には、前記第二中間素材15の軸方向への圧縮成形に伴って径方向に複数折り重ねられた金属板同士の隙間、並びに、同じく押し潰された前記各小孔7a、7a及び前記各フック8a、8aにより、ガスを径方向に通過させる為の複雑な流路が形成されている。又、この様に前記フィルタ6aの内部に形成される流路のガス流通性(空隙率)は、前記各小孔7a、7aの直径の大きさ及びピッチ、並びに、前記第三中間素材15の圧縮率を変える事により、適宜調整する事ができる。
以上の様な工程を有する本例の製造方法によれば、前記フィルタ6aの生産性の向上を図れると共に、製造コストの低減を図れる。
即ち、本例の場合には、前記フィルタ6aを造る為に、面倒な溶接工程やメリヤス編み工程が不要になる為、生産性の向上を図れ、製造コストの低減を図れる。又、前記図7〜9に示した従来構造の場合に比べて、前記各小孔7a、7aの直径を大きくしたり、隣り合う小孔7a、7a同士のピッチを大きくした場合にも、前記第四工程で、前記第二中間素材15を軸方向に圧縮成形する際に、前記各小孔7a、7aの開口面積を小さくできる為、前記フィルタ6aのガス流通性を適正にする事ができて、このフィルタ6aに所期の性能を発揮させる事が可能になる。従って、前記各小孔7a、7aを形成する為の加工回数を低減できると共に、これら各小孔7a、7aを形成する為に使用する工具(打ち抜きピン)として直径が大きいものを使用できる為、生産性の向上を図れると共に、金型の交換頻度が少なくなる事による製造コストの低減を図れる。更に、本例の場合には、前記各小孔7a、7aの直径を大きくしている為、前記波付第一中間素材12の剛性(曲げ剛性)を低下させる事ができる。この為、この波付第一中間素材12に曲げ加工を施して略円筒状の前記第二中間素材15を造る工程(第三工程)の作業性を向上する事ができる。
即ち、本例の場合には、前記フィルタ6aを造る為に、面倒な溶接工程やメリヤス編み工程が不要になる為、生産性の向上を図れ、製造コストの低減を図れる。又、前記図7〜9に示した従来構造の場合に比べて、前記各小孔7a、7aの直径を大きくしたり、隣り合う小孔7a、7a同士のピッチを大きくした場合にも、前記第四工程で、前記第二中間素材15を軸方向に圧縮成形する際に、前記各小孔7a、7aの開口面積を小さくできる為、前記フィルタ6aのガス流通性を適正にする事ができて、このフィルタ6aに所期の性能を発揮させる事が可能になる。従って、前記各小孔7a、7aを形成する為の加工回数を低減できると共に、これら各小孔7a、7aを形成する為に使用する工具(打ち抜きピン)として直径が大きいものを使用できる為、生産性の向上を図れると共に、金型の交換頻度が少なくなる事による製造コストの低減を図れる。更に、本例の場合には、前記各小孔7a、7aの直径を大きくしている為、前記波付第一中間素材12の剛性(曲げ剛性)を低下させる事ができる。この為、この波付第一中間素材12に曲げ加工を施して略円筒状の前記第二中間素材15を造る工程(第三工程)の作業性を向上する事ができる。
又、本例の場合には、素材となる前記金属板10に、プレス加工(孔あけ加工)を施して、前記各小孔7a、7aを形成する際に、スクラップ(抜きカス)を生じさせず、代わりにこれら各小孔7a、7aの周縁部に前記各フック8a、8aを形成している為、材料の省資源化を図れると共に、抜きカス(スクラップ)を発生しない分、前記フィルタ6aの質量減少を抑え、このフィルタ6aの冷却性能を向上させる事ができる。又、前記各フック8a、8aを形成した分、表面積を増やす事もできる為、それによる冷却性能の向上も期待できる。更に、前記第二中間素材15を軸方向に圧縮成形した際に、前記各フック8a、8aの存在に基づき、前記各小孔7a、7aが完全に塞がれる(開口面積がゼロになる)事を有効に防止できる為、前記フィルタ6aに内部に均一な隙間を形成し易くできる。
又、本例の場合には、前記第二中間素材15のうちで、径方向に重畳した周方向両端部同士を、前記各フック8a、8aと前記各小孔7a、7aとにより予め掛合させた状態で、軸方向に圧縮成形する為、これら各掛合部が、前記山部13と前記谷部14との間で押し潰され、強固に結合する。従って、溶接工程を要さずとも、前記フィルタ6aの周方向の連結部分の結合力を十分に高くできる。
又、本例の場合には、前記波付第一中間素材12の幅方向(β)に対して、波付け方向(α)を適正な角度(特に10〜15度程度)分だけ傾斜させている為、前記波付第一中間素材12を円筒状に丸める際に、前記山部13及び前記谷部14が突っ張って、この様な曲げ加工の加工性を低下させずに済む。更に、前記第二中間素材15に、軸方向に対して傾斜した波付け加工が施されている為、この第二中間素材15を軸方向に圧縮成形する際に要する押圧力(プレス力)を小さくできると共に、波目に沿って均一に圧縮し易くなる。
以上の様に製造され、上述した様な効果を有する本例のフィルタ6aは、前記図7に示した様な構造を有するインフレータ1のほか、従来から知られた各種構造のインフレータに組み込んで使用する事ができる。
本発明を実施する場合に、小孔の形状、及び、小孔の周縁部に形成するフックの形状は、実施の形態で説明した形状に限定されず、種々の形状を採用する事ができる。具体的には、小孔の形状は円形状に限らず、図5の(A)に示した様な半円形状の小孔7bや、同図の(B)、(C)に示した様な矩形状(正方形や長方形状等)の小孔7c、7d等にする事もできる。又、周縁部に形成するフックの形状としては、同図の(A)に示した様な部分円すい筒状のフック8bや、同図の(B)、(C)に示した様な平板状のフック8c、8dとする事もできる。又、図9に示した様な形状を有するフック8を採用する事もできる。更に、切れ目を形成した後、打ち抜きピンを突き通す場合には、切れ目の形状として、図6の(A)(a)に示す様な直線状の切れ目18や、(A)(b)に示す様な十字の切れ目18aを採用する事ができる。このうち直線状の切れ目18を形成した後、ピンを突き通せば、(B)(a)に示した様な略半円筒形の2つの突出部から成るフック8eが形成され、十字の切れ目18aを形成した後、ピンを突き通せば、(B)(b)に示す様に、それぞれが略三角形である4つの突出部から成るフック8fが形成される。
又、本発明の製造方法により製造されるフィルタの用途としては、ガスを通過させるインフレータ用の用途以外に、空気や液体を通過させる用途に用いる事もできる。
1 インフレータ
2 ケース
3 点火装置
4 着火剤
5 ガス発生剤
6、6a フィルタ
7、7a〜7d 小孔
8、8a〜8f フック
9 ガス吐出口
10 金属板
11 第一中間素材
12 波付第一中間素材
13 山部
14 谷部
15 第二中間素材
16 芯材
17 ダイス
18、18a 切れ目
2 ケース
3 点火装置
4 着火剤
5 ガス発生剤
6、6a フィルタ
7、7a〜7d 小孔
8、8a〜8f フック
9 ガス吐出口
10 金属板
11 第一中間素材
12 波付第一中間素材
13 山部
14 谷部
15 第二中間素材
16 芯材
17 ダイス
18、18a 切れ目
Claims (6)
- 金属製で中空円筒状であり、その内部に内側空間と外側空間とを連通する流路を有するフィルタを造る為、
金属板に複数の小孔を形成して第一中間素材とした後、
この第一中間素材に曲げ加工を施して略円筒状の第二中間素材とし、
その後、この第二中間素材を軸方向に圧縮成形して前記フィルタを得る、
事を特徴とするフィルタの製造方法。 - 前記第一中間素材に予備成形を施した後、曲げ加工を施す、請求項1に記載したフィルタの製造方法。
- 前記予備成形が波付け加工である、請求項2に記載したフィルタの製造方法。
- 前記波付け加工による波付け方向が、前記第二中間素材の軸方向に対応する方向である、前記第一中間素材の幅方向に対して傾斜している、請求項3に記載したフィルタの製造方法。
- 前記金属板に、前記各小孔と、これら各小孔の開口縁部にこの金属板の板厚方向に突出した複数のフックとを形成する、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したフィルタの製造方法。
- 前記第二中間素材のうち、径方向に重畳した周方向端部同士を、前記各フックと前記各小孔とにより掛合させる、請求項5に記載したフィルタの製造方法。
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