JP5284148B2 - 工業用作動油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、省電力型工業用作動油組成物に関する。
近年、地球規模での温暖化が進行し、温室効果ガスの一つである二酸化炭素排出量削減が急務となっている。わが国でも、2006年にエネルギーの使用の合理化に関する法律、地球温暖化対策の推進に関する法律がそれぞれ改正施行され、工場、輸送事業者等はこれまで以上に電力消費量の削減が求められるようになってきた。
電力消費量削減の一つの方法として、産業機械や輸送機械で使用される潤滑油側からの省電力化が図られている。
省電力化の有効な手段として、動粘度を低くすることが広く知られているが、一方で、特定の添加剤を配合することによる摩擦・摩耗の低減による向上が図られている。例えば、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、脂肪酸エステル、カルボン酸アミド、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジチオカーバメートなどの配合技術による対応が試みられている(例えば、特許文献1、2参照)。また、特定の基油を使用することにより、配管等の圧力損失の低減を図った例も挙げられる(特許文献3参照)。
ところで、油圧装置においても省電力化が求められている。最近では油圧装置の高出力化、高圧化、オイルタンクの小型化などにより、高温、高圧、高せん断等、作動油がより過酷な条件にさらされる傾向にある。
工業用油圧装置は、オイルタンク、ベーンポンプやピストンポンプなどの油圧ポンプ、流量、方向、圧力を調整するための制御弁、油圧シリンダーや油圧ポンプなどのアクチュエーター、それらをつなぐ配管から構成される。これらの各部位の内、油圧ポンプ、制御弁、アクチュエーターにおいて、作動油は狭い経路を流れることとなり、高せん断条件にさらされる。油圧ポンプ、制御弁、アクチュエーターといった、油圧装置を構成するメインの部位での粘度を低くすることは、油圧装置の省電力化の方法の一つとして有効であると考えられ、動粘度だけではなく、高せん断条件下での一時せん断粘度(以下、「高せん断粘度」ということもある)を低くすることは、油圧装置の省電力化によりいっそう寄与することが期待できる。
例えば、射出成形機のように通常タンク油温40℃前後にて運転される油圧装置では、40℃における高せん断粘度を低くすることで、省電力化に寄与できることが期待できる。
また、より高温で運転される油圧装置や、タンク油温が40℃前後で運転されていても、局所的に高温になる箇所が発生する油圧装置も想定される。その場合、高温での高せん断粘度を低くすることもまた、省電力化に寄与できることが期待できる。
高せん断粘度を低くするためには、基油に適切なポリマーを配合することが考えられる。しかしながら、高せん断粘度を低くするために配合されるポリマーは、高せん断下において分子の切断を生じやすいものが多いため、そのようなポリマーが配合された作動油は永久せん断安定性が低下し、せん断力による永久的な粘度低下が起こりやすい傾向にある。その結果、例えば、油圧ポンプやアクチュエーターにおいて、適切な油膜を保持しにくくなることが考えられる。
特開平5−140556号公報 特開2001−040383号公報 特開2004−250504号公報
本発明は、高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、かつ永久せん断安定性に優れた作動油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の40℃動粘度を有する炭化水素系潤滑油基油に、重量平均分子量が130,000〜220,000であるスチレン系粘度指数向上剤を配合し、得られる組成物の40℃における動粘度を特定の範囲にすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、かつ永久せん断安定性に優れた作動油組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)40℃動粘度が4〜40mm/sである炭化水素系潤滑油基油、及び(B)重量平均分子量が130,000〜220,000であるスチレン系粘度指数向上剤を含有する組成物であって、該組成物の40℃における動粘度が19〜51mm/sであることを特徴とする工業用作動油組成物を提供するものである。
本発明の工業用作動油組成物は、高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、かつ永久せん断安定性に優れている。なお、「一時せん断粘度」とは、せん断力がかかった条件下で一時的に変化した粘度をいう。一方、作動油は、せん断力がかかることで化学構造の不可逆的な変化が生じ、せん断力を解除した条件に戻しても粘度が元に戻らない、すなわち永久的な粘度低下を起こすことがある。このせん断力による永久的な粘度低下に対する耐性を「永久せん断安定性」という。よって、「高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、かつ永久せん断安定性に優れている」ということは、「高せん断力がかかった条件下での粘度は低いが、この高せん断力を取り除いた後の粘度は、高せん断力をかける前の粘度と同じか、またはそれに近い粘度になる」ということを意味する。
よって、本発明の工業用作動油組成物は、省電力型工業用作動油として産業機械等に好適に用いることができる。
(1)基油
本発明の工業用作動油組成物に用いる炭化水素系基油としては、ポリαオレフィンやポリαオレフィン以外の炭化水素系基油等が挙げられ、1種類の基油成分を単独使用してもよいし、2種類以上の基油成分を混合してもよい。また、ポリαオレフィンとポリαオレフィン以外の炭化水素系潤滑油基油を混合して用いてもよい。
ポリαオレフィンはα−オレフィンの共重合体であり、例えば、炭素数が6〜18のα−オレフィンの10量体以下のものが好ましい。特に好ましいポリαオレフィンは、α−デセン(炭素数10)の2〜4量体、またはα−ドデセン(炭素数12)の2〜4量体を中心に、それらの5量体以上のものを含有するものである。ポリαオレフィンの1分子当りの平均炭素数は、上記の40℃動粘度範囲である限り特に制限はない。
ポリαオレフィンの好適な製造例としては、エチレンの低重合またはワックスの熱分解によって炭素数6〜18のα−オレフィンを合成し、このα−オレフィン2〜9単位を重合し、水添反応を行うことによって合成される。
ポリαオレフィン以外の炭化水素系潤滑油基油としては、原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製など適宜組合せた製造された鉱油系炭化水素基油や、溶剤脱ロウによるスラックワックスやフィッシャー・トロプシュ合成で得られたワックス等の原料を水素化処理、水素化分解処理して得た基油などが挙げられる。
鉱油系潤滑油基油の好ましい製造方法としては、以下の方法が挙げられる。まず、原油の常圧蒸留で得られたボトム油を減圧蒸留装置で処理する。そこで得られた減圧軽油を水素化処理および水素化分解を行い、その後、軽質分、燃料分を減圧ストリッパーで除去した残渣物を得る。この残渣物を減圧蒸留し、得られた潤滑油留分を水素化脱ロウ処理、安定化処理を行う。
本発明の工業用作動油組成物に用いる炭化水素系潤滑油基油の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、4〜40mm/sであり、より好ましくは8〜35mm/sであり、さらに好ましくは10〜30mm/sであり、特に好ましくは15〜25mm/sである。40℃動粘度が4mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性を得づらくなる。40℃動粘度が40mm/sを超えると、作動油として適切な動粘度に調整するために、後述する粘度指数向上剤の配合量を減らす必要が生じ、高せん断粘度が大きくなり、十分な省電力効果を得づらくなる。なお、複数の基油成分を混合した基油を用いる場合には、混合後の基油の40℃動粘度が上記の範囲内であればよく、各基油成分の40℃動粘度が上記範囲内であることがより好ましい。
なお、工業用作動油組成物の粘度グレードは、40℃の動粘度により定められており、各装置、運転条件に適した粘度グレードの作動油を使うことが求められる。例えば粘度グレード(以下VGと記す)が46である作動油は、VG22の作動油よりも、より摩耗防止性が求められる装置、運転条件にて使用されることが考えられる。よって、VG46、すなわち組成物の40℃動粘度が41.4〜50.6mm/sである作動油を調製する場合と、VG32、すなわち組成物の40℃動粘度が28.8〜35.2mm/sである作動油を調製する場合と、VG22、すなわち組成物の40℃動粘度が19.8〜24.2mm/sである作動油を調製する場合とでは、それぞれ使用する基油の好ましい40℃動粘度は異なる。
例えば、本発明においてVG46の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の40℃動粘度は4〜40mm/sであり、好ましくは10〜38mm/sであり、さらに好ましくは13〜35mm/sであり、特に好ましくは14〜25mm/sである。
また、本発明においてVG32の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の動粘度は好ましくは4〜30mm/sであり、さらに好ましくは9〜28mm/sであり、特に好ましくは11〜25mm/sである。
また、本発明においてVG22の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の動粘度は好ましくは4〜20mm/sであり、さらに好ましくは8〜18mm/sであり、特に好ましくは10〜15mm/sである。
本発明の工業用作動油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油は、40℃動粘度が上記範囲を満たすものであれば、どのような性状のものでもよく、特に制限はないが、より良好な性能を確保するという観点からは、ポリαオレフィン以外の炭化水素系基油は以下の性状を有することが好ましい。
本発明の工業用作動油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油の粘度指数は、JIS K2283動粘度試験方法において、90以上であることが好ましい。粘度指数を90以上とすることで、後述する好ましい組成物の粘度指数を得やすく、その結果、低温粘度を低く抑え、低温始動時の電力消費量を抑制できる組成物を得やすくなる。また、組成物の粘度指数は、本発明の成分である粘度指数向上剤の配合量が多いほど、高くすることができるが、基油の粘度指数が高ければ、この配合量を抑制することができる。この観点から、基油の粘度指数は、より好ましくは103以上であり、さらに好ましくは105以上であり、特に好ましくは110以上であり、最も好ましくは120以上である。
本発明の工業用作動油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油の密度は、JIS K2249密度試験方法(15℃)において、好ましくは0.80〜0.85g/cmである。15℃密度を0.80以上とすることで、添加剤の適度な溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。15℃密度を0.85g/cm以下とすることで、配管等の圧力損失を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にあるため好ましい。
本発明の工業用作動油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油のナフテン分(%CN)は、ASTM D3238環分析方法において、好ましくは8〜27である。%CNを8以上とすることで、添加剤の溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。%CNを27以下とすることで、高粘度指数基油となりやすい傾向にある。
本発明の工業用作動油組成物で用いる炭化水素系潤滑油基油のアニリン点は、JIS K2256アニリン点試験方法において100〜130℃である。アニリン点を100℃以上とすることで、高粘度指数基油となりやすい傾向にある。アニリン点を130℃以下とすることで、添加剤の溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。
本発明の工業用作動油組成物には、本発明の効果を損ねない範囲内で、前記基油以外の他の基油を含んでもよいが、前記基油の含有割合は、基油全量に対して70質量であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の工業用作動油組成物において、基油の含有量は、作動油組成物全量に対して、好ましくは85〜99.95質量%であり、より好ましくは87〜99.92質量%であり、さらに好ましくは90〜99.5質量%である。
(2)粘度指数向上剤
本発明の工業用作動油組成物に用いるスチレン系粘度指数向上剤としては、ビニル芳香族化合物またはそのアルキル化誘導体から選ばれる1種以上のモノマーと、共役ジエンから選ばれる1種以上のモノマーを共重合させたのち、水素化処理して得られるものが挙げられる。
ビニル芳香族化合物またはそのアルキル化誘導体としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、2−メチル−ブタジエン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−エチル−ブタジエン、2,3−ジエチル−ブタジエン、ペンタジエン、2−メチル−ペンタジエン、3−メチル−ペンタジエン等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物またはそのアルキル化誘導体から選ばれる1種以上のモノマーの共重合割合は、好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは30〜60質量%である。共役ジエンから選ばれる1種以上のモノマーの共重合割合は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
上記スチレン系粘度指数向上剤は、共役ジエンを共重合させた後に、水素化処理しているので、共役ジエンに由来する不飽和結合は少なくなるが、共役ジエンに由来する不飽和結合を有するものであってもよい。共役ジエンに由来する不飽和度は低い方が好ましく、共役ジエンに基づく繰り返し単位の合計量に対して、不飽和結合を有する共役ジエンに基づく繰り返し単位が20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
本発明の工業用作動油組成物に用いるスチレン系粘度指数向上剤は、主としてビニル芳香族化合物またはそのアルキル化誘導体から選ばれる1つ以上のモノマーと、共役ジエンから選ばれる1つ以上のモノマーからなるが、その他に、本発明の目的が損なわれない限り、上記モノマー以外に極性基をもつモノマーを含有してもよい。極性基をもつモノマーの具体例としては、アルキル−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン及びビニルイミダゾール等の窒素原子含有化合物、ポリアルキレングリコールエステル、マレイン酸エステル及びフマル酸エステル等のエステル類が挙げられる。これらは1種でも、2種以上でも用いることができる。
本発明の工業用作動油組成物に用いるスチレン系粘度指数向上剤の重量平均分子量は、130,000〜220,000であり、好ましくは140,000〜180,000であり、特に好ましくは145,000〜170,000である。重量平均分子量を130,000以上とすることで、高せん断粘度を低く抑えやすく、より高い省電力効果を得やすくなる傾向にある。重量平均分子量を220,000以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。なお、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定され、ポリスチレン換算による値である。
スチレン系粘度指数向上剤の作動油組成物全量に対する配合量は、好ましくは0.05〜10質量%であり、より好ましくは0.08〜8質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。配合量を0.05質量%以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にある。配合量を10質量%以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
上記のスチレン系粘度指数向上剤は、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の作動油組成物には、本発明の効果を損ねない範囲内であれば、前記スチレン系粘度指数向上剤以外の他の粘度指数向上剤を含んでもよい。前記スチレン系粘度指数向上剤以外の他の粘度指数向上剤としては、たとえば、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、などや、重量平均分子量が130,000未満であるスチレン系粘度指数向上剤が挙げられる。
(3)その他の添加剤
本発明の工業用作動油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の公知の添加剤を配合することができる。たとえば、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、清浄分散剤、さび止め剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、泡消剤、抗乳化剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、ホスホン酸エステル等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
極圧剤としては、ホスフェート、ホスファイト等のリン系極圧剤、硫化オレフィン、ポリサルファイド、硫化油脂、ジチオリン酸誘導体等の硫黄系極圧剤、ZnDTP、ZnDTC等の有機金属系極圧剤が挙げられる。特に好ましいものとして、硫化オレフィン、ジチオリン酸誘導体が挙げられる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイルアミン等のアミン、ブチルステアレート等のエステルが挙げられる。
清浄分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル等の無灰系清浄分散剤、アルカリ土類金属系清浄分散剤が挙げられる。
さび止め剤としては、カルボン酸、金属セッケン、カルボン酸アミン塩、スルホン酸の金属塩、多価アルコールの部分エステル等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ−ルおよびその誘導体、アルキルコハク酸誘導体が挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアルキルアクリレート等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン油やエステル系消泡剤等が挙げられる。
抗乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の抗乳化剤が挙げられる。
(4)組成物の性状
本発明の工業用作動油組成物の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、19〜51mm/sであり、より好ましくは24〜48mm/sであり、さらに好ましくは28〜46mm/sである。40℃動粘度が19mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性が得にくくなる傾向にある。40℃動粘度が51mm/sを超えると、高せん断粘度が大きくなり、省電力効果を十分に得られなくなる傾向にある。
本発明の工業用作動油組成物の粘度指数は、特に制限はないが、JIS K2283動粘度試験方法において、好ましくは140以上であり、さらに好ましくは143以上である。粘度指数を140以上とすることで、低温粘度を抑制しやすいため、低温始動時の電力消費量を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にある。
(5)用途
本発明の工業用作動油組成物は、種々の工業用作動油に適用できるが、特に油圧システムに用いる油圧作動油として好ましく用いることができる。さらには、油圧システムのうち、油圧ポンプ、油圧モーター、制御弁等、作動油がせん断状態にさらされる箇所での省電力化を図る際に特に有効である。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。各実施例、比較例において工業用作動油組成物の調製に用いた基油、添加剤成分は次のとおりである。
なお、40℃動粘度、100℃動粘度、粘度指数はJIS K2283動粘度試験方法、密度はJIS
K2249密度試験方法により測定した。%CNはASTM D3238環分析により測定した。%CN算出に必要な屈折率、密度、分子量および硫黄分は、JIS K0062屈折率測定方法、JIS K2249密度試験方法、ASTM D2502分子量試験方法、JIS K2541硫黄分試験方法にて測定した。
また、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにて測定し、ポリスチレン換算にて算出した。ゲル浸透クロマトグラフィーはカラムにShodex
GPC LF−804を3本、移動層にTHF、検出器に示差屈折検出器を用いた。
(A)基油
(A−1)水素化分解鉱油
40℃動粘度:13.2mm/s、100℃動粘度:3.2mm/s、粘度指数:106、15℃における密度:0.837g/cm、%CN:26、アニリン点:106℃
(A−2)水素化分解鉱油
40℃動粘度:17.8mm/s、100℃動粘度:4.1mm/s、粘度指数:135、15℃における密度:0.825g/cm、%CN:13、アニリン点:120℃
(A−3)水素化分解鉱油
40℃動粘度:20.1mm/s、100℃動粘度:4.3mm/s、粘度指数:122、15℃における密度:0.834g/cm、%CN:20、アニリン点:115℃
(A−4)水素化分解鉱油
40℃動粘度:35.1mm/s、100℃動粘度:6.3mm/s、粘度指数:130、15℃における密度:0.842g/cm、%CN:19、アニリン点:123℃
(A−5)水素化分解鉱油
40℃動粘度:46.9mm/s、100℃動粘度:7.7mm/s、粘度指数:130、15℃における密度:0.842g/cm、%CN:21、アニリン点:127℃
(A−6)ポリαオレフィン基油(1−デセンモノマーの2〜3量体)
40℃動粘度:5.1mm/s、100℃動粘度:1.7mm/s、粘度指数:93、15℃における密度:0.797g/cm、%CN:10、アニリン点:103℃
(A−7)ポリαオレフィン基油(1−デセンモノマーの2〜5量体)
40℃動粘度:17.3mm/s、100℃動粘度:3.9mm/s、粘度指数:123、15℃における密度:0.820g/cm、%CN:8、アニリン点:120℃
(B)粘度指数向上剤
(B−1)スチレン-イソプレンブロック共重合体水素化物(重量平均分子量:160,000、希釈油含有量:93質量%)
(B−2)スチレン-イソプレンブロック共重合体水素化物(重量平均分子量:153,000、希釈油含有量:95質量%)

(B−3)スチレン-ブタジエンブロック共重合体水素化物(重量平均分子量:142,000、希釈油含有量:92質量%)
(B−4)スチレン-マレイン酸ランダム共重合体(重量平均分子量:250,000、希釈油含有量:35質量%)
(B−5)エチレン−プロピレンランダム共重合体(重量平均分子量:16,000、希釈油なし)
(B−6)非分散型ポリメタクリレート粘度指数向上剤(重量平均分子量:154,000、希釈油含有量:28%)
(C)その他添加剤
(C−1) 極圧剤1:β−ジチオホスホリル化プロピオン酸
(C−2) 極圧剤2:硫化オレフィン
(C−3) 酸化防止剤:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、及びアルキル化ジフェニルアミン
(評価方法)
工業用作動油組成物の高せん断条件下における一時せん断粘度(高せん断粘度)、永久せん断安定性、および省電力効果について、下記の評価方法により評価した。
<高せん断粘度>
TBS粘度計を用い、温度100℃・せん断速度10−1における高せん断粘度(100℃)、及び温度150℃・せん断速度10−1における高せん断粘度(150℃)を測定した(ASTM D4683準拠)。
また、USV(Ultra Shear Viscometer、PCS Instruments製)を用い、温度40℃・せん断速度10−1における高せん断粘度(40℃)を測定した。
<永久せん断安定性試験>
超音波法(JPI−5S−29準拠、低出力法)にて行い、30分超音波照射後の40℃動粘度を測定した。超音波照射前の40℃動粘度を基準として、40℃動粘度低下率(%)を評価した。
<省電力効果>
射出成形機運転時の消費電力を測定、省電力効果を評価した。
日精樹脂工業株式会社製射出成形機FN−1000を用い、原料ポリプロピレンから成形品カラーチップを作成、タンク油温40℃での消費電力を測定した。なお、電力計は日置電機株式会社製 3168クランプオンパワーハイテスタを用いた。
また、試験前の40℃動粘度を基準とし、50時間試験終了後の40℃動粘度低下率(%)を評価した。
(実施例1〜6)
基油に粘度指数向上剤及びその他の添加剤を表1〜2の上段に示す割合(質量%)で配合し、工業用作動油組成物を調製した。それらの作動油組成物の粘度指数、高せん断粘度および永久せん断安定性を評価し、その結果を表1〜2の下段に示す。
(比較例1〜4)
基油に粘度指数向上剤及びその他の添加剤を表3の上段に示す割合(質量%)で配合し、工業用作動油組成物を調製した。それらの作動油組成物の粘度指数、高せん断粘度および永久せん断安定性を評価し、その結果を表3の下段に示す。
Figure 0005284148
Figure 0005284148
Figure 0005284148
(実施例2、比較例2)
実施例2、比較例2の省電力効果を測定した結果を表4に示す。
Figure 0005284148
実施例1〜6は、比較例1(高分子量スチレン系粘度指数向上剤を配合)よりも永久せん断安定性に優れており、比較例2(低分子量OCP系粘度指数向上剤を配合)、よりも、高せん断粘度が低く、比較例3(粘度指数向上剤の不配合)よりも高せん断粘度が低く、粘度指数が高く、また比較例4(非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤を配合)よりも永久せん断安定性に優れている。
実施例2と比較例2の省電力効果を比べると、実施例2は射出成形機運転時の消費電力が低く、省電力効果がみられる。
よって、これら実施例は、いずれも高せん断粘度低下による省電力効果が期待できると同時に、優れた永久せん断安定性、低温始動性も得られることが期待できる。
本発明の工業用作動油組成物は、種々の工業用作動油に適用できるが、特に油圧システムに用いる油圧作動油として好ましく用いることができる。さらには、油圧システムのうち、油圧ポンプ、油圧モーター、制御弁等において、作動油がせん断状態にさらされる箇所での省電力化を図る際に特に有効である。



Claims (1)

  1. (A)40℃動粘度が4〜40mm/sである炭化水素系潤滑油基油、及び(B)重量平均分子量が130,000〜220,000であるスチレン系粘度指数向上剤を含有する組成物であって、該組成物の40℃における動粘度が19〜51mm/sであることを特徴とする工業用作動油組成物。












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