JP5489838B2 - 工業用作動油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、省電力型工業用作動油組成物に関する。
近年、地球規模での温暖化が進行し、温室効果ガスの一つである二酸化炭素排出量削減が急務となっている。わが国でも、2006年にエネルギーの使用の合理化に関する法律、地球温暖化対策の推進に関する法律がそれぞれ改正施行され、工場、輸送事業者等はこれまで以上に電力消費量の削減が求められるようになってきた。
電力消費量削減の一つの方法として、産業機械や輸送機械で使用される潤滑油側からの省電力化が図られている。
省電力化の有効な手段として、動粘度を低くすることが広く知られているが、一方で、特定の添加剤を配合することによる摩擦・摩耗の低減による向上が図られている。例えば、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、脂肪酸エステル、カルボン酸アミド、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジチオカーバメートなどの配合技術による対応が試みられている(例えば、特許文献1、2参照)。また、特定の基油を使用することにより、配管等の圧力損失の低減を図った例も挙げられる(特許文献3参照)。
ところで、油圧装置においても省電力化が求められている。最近では油圧装置の高出力化、高圧化、オイルタンクの小型化などにより、高温、高圧、高せん断等、油圧装置に用いられる作動油がより過酷な条件にさらされる傾向にある。
工業用油圧装置は、オイルタンク、ベーンポンプやピストンポンプなどの油圧ポンプ、流量、方向、圧力を調整するための制御弁、油圧シリンダーや油圧モーターなどのアクチュエーター、それらをつなぐ配管から構成される。これらの各部位の内、油圧ポンプ、制御弁、アクチュエーターにおいて、作動油は狭い経路を流れることとなり、高せん断条件にさらされる。油圧ポンプ、制御弁、アクチュエーターといった、油圧装置を構成するメインの部位での粘度を低くすることは、油圧装置の省電力化の方法の一つとして有効であると考えられ、動粘度だけではなく、高せん断条件下での一時せん断粘度(以下、「高せん断粘度」ということもある)を低くすることは、油圧装置の省電力化によりいっそう寄与することが期待できる。
例えば、射出成形機のように通常タンク油温40℃前後にて運転される油圧装置では、40℃における高せん断粘度を低くすることで、省電力化に寄与できることが期待できる。
また、工業用油圧装置を構成する油圧ポンプ、油圧シリンダーや油圧モーターなどのアクチュエーター部分における摩擦係数を低くすることもまた、摩擦損失の低減につながり、油圧装置の省電力化の方法の一つとして有効であると考えられる。
特開平5−140556号公報 特開2001−040383号公報 特開2004−250504号公報
本発明は、高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、永久せん断安定性に優れ、かつ摩擦係数の低い工業用作動油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の40℃動粘度を有する炭化水素系潤滑油基油に、特定の重量平均分子量と特定のエステル価を有するエステル系ポリマーを配合することによって、高せん断条件下での一時せん断粘度が低く、永久せん断安定性に優れ、かつ摩擦係数の低い作動油組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)40℃動粘度が10〜40mm/sである炭化水素系潤滑油基油、(B)エステル系ポリマーを含有する組成物であり、該エステル系ポリマーが、多価アルコールとモノカルボン酸の反応物であるハーフエステルと、ジカルボン酸とが縮重合したものであり、重量平均分子量が10,000〜200,000、エステル価が50〜300mgKOH/gであり、該組成物の40℃における動粘度が19〜51mm/sであることを特徴とする工業用作動油組成物を提供するものである。
本発明の工業用作動油組成物は、高せん断条件下での一時せん断粘度を低くし、永久せん断安定性に優れ、かつ摩擦係数を低くすることができる。
(1)基油
本発明の工業用作動油組成物に用いる(A)成分である炭化水素系潤滑油基油の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、10〜40mm/sであり、より好ましくは12〜35mm/sであり、さらに好ましくは14〜30mm/sであり、特に好ましくは15〜25mm/sである。40℃動粘度が10mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性を得づらくなる。40℃動粘度が40mm/sを超えると、作動油として適切な動粘度に調整するために、後述するポリマーの配合量を減らす必要が生じ、高せん断粘度が大きくなり、十分な省電力効果を得づらくなる。なお、複数の基油成分を混合した基油を用いる場合には、混合後の基油の40℃動粘度が上記の範囲内であればよく、各基油成分の40℃動粘度が上記範囲内であることがより好ましい。
工業用作動油組成物の粘度グレードは、40℃の動粘度により定められており、各装置、運転条件に適した粘度グレードの作動油を使うことが求められる。例えば粘度グレード(以下VGと記す)が46である作動油は、VG22の作動油よりも、より摩耗防止性が求められる装置、運転条件にて使用されることが考えられる。よって、VG46、すなわち組成物の40℃動粘度が41.4〜50.6mm/sである作動油を調製する場合と、VG32、すなわち組成物の40℃動粘度が28.8〜35.2mm/sである作動油を調製する場合と、VG22、すなわち組成物の40℃動粘度が19.8〜24.2mm/sである作動油を調製する場合とでは、それぞれ使用する基油の好ましい40℃動粘度は異なる。
例えば、本発明においてVG46の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の40℃動粘度は10〜40mm/sであり、好ましくは15〜38mm/sであり、さらに好ましくは25〜36mm/sである。
また、本発明においてVG32の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の動粘度は好ましくは10〜30mm/sであり、さらに好ましくは15〜29mm/sであり、特に好ましくは18〜28mm/sである。
また、本発明においてVG22の作動油を調製する場合、本発明で使用する基油の動粘度は好ましくは10〜20mm/sであり、さらに好ましくは13〜19mm/sであり、特に好ましくは15〜18mm/sである。
本発明の工業用作動油組成物に用いる炭化水素系潤滑油基油のナフテン分(%CN)は特に限定しないが、ASTM D3238環分析方法において、好ましくは8〜35であり、より好ましくは8〜33である。%CNを8以上とすることで、添加剤の溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。%CNを35以下とすることで、高粘度指数基油となり易い傾向にある。
本発明の工業用作動油組成物に用いる炭化水素系潤滑油基油のアニリン点は、特に限定しないが、JIS K2256アニリン点試験方法において、好ましくは100〜130℃である。アニリン点を100℃以上とすることで、高粘度指数基油となりやすい傾向にある。アニリン点を130℃以下とすることで、添加剤の溶解性を確保しやすい傾向にあるため好ましい。
本発明の工業用作動油組成物に用いる炭化水素系潤滑油基油の粘度指数は、JIS K2283動粘度試験方法において、90以上であることが好ましい。粘度指数を90以上とすることで、後述する好ましい組成物の粘度指数を得やすく、その結果、低温粘度を抑制しやすいため、低温始動時の電力消費量を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にある。
また、本発明の工業用作動油組成物に含まれる基油の含有割合は、好ましくは67〜99質量%であり、より好ましくは72〜98質量%であり、特に好ましくは77〜97質量%である。
(2)エステル系ポリマー
本発明の工業用作動油組成物に用いる(B)成分であるエステル系ポリマーは、多価アルコールとモノカルボン酸の反応物であるハーフエステルと、ジカルボン酸とが縮重合したものである。
上記多価アルコールとしては、グリコールなどの2価アルコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール、キシリトールなどの5価アルコール、ソルビトールなどの6価アルコールが挙げられるが、3価以上の多価アルコールがより好ましい。3価以上とすることで、後述するモノカルボン酸とより多くのエステル結合を作ることができ、摩擦係数を低減しやすい傾向にある。
多価アルコールの炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
多価アルコールは、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。好ましい使用例としては、3価アルコール単独、4価アルコール単独、または3価アルコールと4価アルコールの組合せが挙げられる。
上記モノカルボン酸は、芳香族モノカルボン酸であっても脂肪族カルボン酸であってよいが、脂肪族モノカルボン酸が好ましい。脂肪族モノカルボン酸である場合、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であっても良く、例えば、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、トール脂肪酸、ヤシ脂肪酸、ココナツ脂肪酸などが挙げられる。モノカルボン酸の炭素数は、4〜24が好ましく、5〜22がより好ましく、6〜20がさらに好ましい。モノカルボン酸は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記多価アルコールとモノカルボン酸の反応物であるハーフエステルは、水酸基を1個以上、ポリマー末端部以外の繰り返し単位に用いられるハーフエステルについては、水酸基を2個以上残したものである。
上記ジカルボン酸は、式(1)にて表わされる。
HOOC−R−COOH (1)
式(1)中、Rは、2価の炭化水素基であり、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基である。Rは飽和でも不飽和でもよく、直鎖であっても分岐鎖があっても良い。R中の炭素数は2〜25である。ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。
また、その他に、上記式(1)のジカルボン酸のR中の水素原子をアルキル基で置換した化合物が挙げられ、置換したアルキル基としては、炭素数が1〜20のものが挙げられる。置換したアルキル基の数は、1個であってもよいし、2個以上の複数であってもよい。
ジカルボン酸は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
エステル系ポリマー中の多価アルコール由来部分の含有割合は、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは7〜20質量%である。
エステル系ポリマー中のモノカルボン酸由来部分の含有割合は、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは30〜60質量%である。
エステル系ポリマー中のジカルボン酸由来部分の含有割合は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは10〜30質量%である。
好ましいエステル系ポリマーの一例として、式(2)で表されるエステル系ポリマーが挙げられる。
Figure 0005489838
(式中、モノカルボン酸由来のR〜Rは、炭素数3〜23の炭化水素基であり、すべて同じでも異なっていても良く、ジカルボン酸由来のR〜Rは、炭素数2〜25の炭化水素基であり、すべて同じでも異なっていても良い。nは重合数を表し、後述する重量平均分子量を得られる値であれば良い。)
なお、上記の式(2)で表されるエステル系ポリマーは、ジカルボン酸と4価アルコールの縮合物である繰り返し単位と、ジカルボン酸と3価アルコールの縮合物である繰り返し単位とが、交互に結合しているが、ランダムに結合しているものであっても良い。
また、上記の式(2)で表されるエステル系ポリマーは、両末端が3価アルコールのハーフエステルに由来する基になっているが、両末端の一方または両方が3価以外の多価アルコールのハーフエステルに由来する基であってもよい。
さらに、上記の式(2)で表されるエステル系ポリマーは、両末端が3価アルコールのハーフエステルに由来する基になっているが、両末端の一方又は両方が水酸基を有する多価アルコールに由来する基であってもよいし、カルボン酸基であってもよい。
(B)成分のエステル系ポリマーの重量平均分子量は、10,000〜200,000であり、好ましくは30,000〜150,000であり、より好ましくは40,000〜120,000であり、さらに好ましくは60,000〜100,000である。重量平均分子量を10,000以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にある。重量平均分子量を200,000以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定され、ポリスチレン換算による値である。
(B)成分のエステル系ポリマーのエステル価は、50〜300mgKOH/gであり、好ましくは100〜290mgKOH/gであり、より好ましくは200〜285mgKOH/gである。エステル価が50mgKOH/g未満であると、摩擦係数を低減しにくくなる傾向にある。エステル価が300mgKOH/gを超えると、基油への溶解性が低下する傾向にある。
ここで、エステル価はJIS K0070に準拠し、ケン化価と酸価の差から求めた。
上記のように特定範囲のエステル価が重要である理由は以下のように推測される。エステル基は、金属などの摩擦面に吸着するための極性基であるCOO基と、吸着膜を形成するためのアルキル基とで構成されている。また、エステル基の数とエステル価は相関する。したがって、本発明に用いるエステル系ポリマーのエステル価が50mgKOH/g以上であるということは、摩擦面に吸着し、吸着膜を形成するエステル基が十分にあり、摩擦低減効果を発揮すると推測される。一方で、エステル価はあまり高すぎると、極性基であるCOO基のために非極性の溶媒である基油への溶解性が低下すると考えられる。
また、上述したように、エステル価はケン化価と酸価の差から求められるため、エステル価が同じポリマーであっても、ケン化価と酸価が異なることがありうる。ケン化価及び酸価は、上記エステル価を満たす値であれば、特に制限はないが、酸価に関しては、50mgKOH/g以下が好ましく、40mgKOH/g以下がより好ましい。酸価が50mgKOH/gを超えると、上記エステル価の範囲であってもケン化価も高くなり、極性基の割合が増え、非極性の溶媒である油への溶解性が低下する可能性がある。また、高すぎる酸価は金属表面を腐食する恐れもあるため、好ましくない。
エステル系ポリマーの作動油組成物全量に対する配合量は、0.05〜30質量%であり、より好ましくは1〜25質量%であり、特に好ましくは5〜20質量%である。配合量を0.05質量%以上とすることで、高せん断条件下での一時せん断粘度の低下が大きくなり、省電力効果をより得やすくできる傾向にあり、また、摩擦係数を低くできる傾向にある。配合量を30質量%以下とすることで、より良好な永久せん断安定性を得やすい傾向にある。
上記のエステル系ポリマーは、1種を単独使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、本発明の作動油組成物には、本発明の効果を損ねない範囲内であれば、前記エステル系ポリマー以外の他のポリマーを含んでもよい。前記エステル系ポリマー以外の他のポリマーとしては、たとえば、オレフィンコポリマー、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、スチレン−ジエン水素化共重合体などが挙げられる。
(3)組成物の性状
本発明の工業用作動油組成物の40℃動粘度は、JIS K2283動粘度試験方法において、19〜51mm/sであり、好ましくは24〜48mm/sであり、さらに好ましくは28〜46mm/sである。40℃動粘度が19mm/s未満であると、適当な油膜厚さが保たれなくなり、十分な摩耗防止性が得にくくなる傾向にある。40℃動粘度が51mm/sを超えると、高せん断粘度が大きくなり、省電力効果を十分に得られなくなる傾向にある。
本発明の工業用作動油組成物の粘度指数は、特に制限はないが、JIS K2283動粘度試験方法において、好ましくは140以上であり、さらに好ましくは145以上であり、特に好ましくは150以上である。粘度指数を140以上とすることで、低温粘度を抑制しやすいため、低温始動時の電力消費量を抑制しやすく、より高い省電力効果を得やすい傾向にある。
(4)その他の添加剤
本発明の工業用作動油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の公知の添加剤を配合することができる。たとえば、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、清浄分散剤、さび止め剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤、抗乳化剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、ホスホン酸エステル等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
極圧剤としては、ホスフェート、ホスファイト等のリン系極圧剤、硫化オレフィン、ポリサルファイド、硫化油脂、ジチオリン酸誘導体等の硫黄系極圧剤、ZnDTP、ZnDTC等の有機金属系極圧剤が挙げられる。特に好ましいものとして、硫化オレフィン、ジチオリン酸誘導体が挙げられる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイルアミン等のアミン、ブチルステアレート等のエステルが挙げられる。
清浄分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル等の無灰系清浄分散剤、アルカリ土類金属系清浄分散剤が挙げられる。
さび止め剤としては、カルボン酸、金属セッケン、カルボン酸アミン塩、スルホン酸の金属塩、多価アルコールの部分エステル等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ−ルおよびその誘導体、アルキルコハク酸誘導体が挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアルキルアクリレート等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン油やエステル系消泡剤等が挙げられる。
抗乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の抗乳化剤が挙げられる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。各実施例、比較例において工業用作動油組成物の調製に用いた基油、添加剤成分は次のとおりである。
(A)基油
(A−1)水素化分解鉱油
40℃動粘度:20.1mm/s、100℃動粘度:4.31mm/s、粘度指数:122、15℃における密度:0.834g/cm、%CN:20、アニリン点:115℃、引火点:220℃
(A−2)水素化分解鉱油
40℃動粘度:34.7mm/s、100℃動粘度:6.53mm/s、粘度指数:145、15℃における密度:0.835g/cm、%CN:15、アニリン点:129℃、引火点:260℃
(A−3)水素化分解鉱油
40℃動粘度:43.6mm/s、100℃動粘度:7.18mm/s、粘度指数:126、15℃における密度:0.846g/cm、%CN:20、アニリン点:125℃、引火点:252℃
(A−4)水素化精製鉱油
40℃動粘度:31.6mm/s、100℃動粘度:5.53mm/s、粘度指数:112、15℃における密度:0.860g/cm、%CN:31、アニリン点:101℃、引火点:224℃
※40℃動粘度、100℃動粘度、粘度指数はJIS
K2283動粘度試験方法、密度はJIS K2249密度試験方法により測定した。%CNはASTM D3238環分析により測定した。算出に必要な屈折率、密度、分子量および硫黄分は、JIS K0062屈折率測定方法、JIS K2249密度試験方法、ASTM D2502分子量試験方法、JIS K2541硫黄分試験方法にて測定した。アニリン点は、JIS K2256アニリン点試験方法にて測定した。引火点は、JIS K2265−4クリーブランド開放法にて測定した。
(B)エステル系ポリマー
(B−1)エステル系ポリマー : ペンタエリスリトールとイソステアリン酸からなるハーフエステル、トリメチロールプロパンとイソステアリン酸からなるハーフエステル、アジピン酸、アルキル置換基含有コハク酸の重縮合体
重量平均分子量:86,000、Mw/Mn:5.7(希釈油なし)、エステル価:252mgKOH/g、酸価:20mgKOH/g
(B−2)エステル系ポリマー : ペンタエリスリトールとココナツ脂肪酸からなるハーフエステル、トリメチロールプロパンとココナツ脂肪酸からなるハーフエステル、アジピン酸、アルキル置換基含有コハク酸の重縮合体
重量平均分子量:86,000、Mw/Mn:6.3(希釈油なし)、エステル価:316mgKOH/g、酸価:21mgKOH/g
(B−3)ポリメタクリレート
重量平均分子量:18,000、Mw/Mn:1.7(希釈油含有量 36%)、エステル価:5.4mgKOH/g、酸価0.08mgKOH/g
(B−4)ポリメタクリレート
重量平均分子量:85,000、Mw/Mn:2.2(希釈油含有量 27%)、エステル価:12.0mgKOH/g、酸価0.05mgKOH/g
※(B−1)〜(B−4)の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにて測定し、ポリスチレン換算にて算出した。ゲル浸透クロマトグラフィーはカラムにShodex
GPC LF−804を3本、移動層にTHF、検出器に示差屈折検出器を用いた。
(C)その他添加剤
(C−1) トリクレジルフォスフェート
(評価方法)
工業用作動油組成物の高せん断条件下における一時せん断粘度(高せん断粘度)、及び永久せん断安定性、摩擦係数、溶解性について、下記の評価方法により評価した。
(1)高せん断粘度
USV(Ultra Shear Viscometer、PCS Instruments製)を用い、温度40℃・せん断速度10−1における高せん断粘度を測定した。
(2)永久せん断安定性試験
超音波法(JPI−5S−29準拠、低出力法)にて行い、30分超音波照射後の40℃動粘度を測定した。超音波照射前の40℃動粘度を基準として、40℃動粘度低下率(%)を評価した。
(3)摩擦係数
SRV摩擦試験機にて、SUJ2製ディスク/シリンダ、振動数50Hz、荷重100N、振幅1.5mm、温度40℃の条件で摩擦試験を実施、摩擦係数を評価した。
(4)溶解性
室温での濁り有無を目視にて判断した。
(実施例1〜2)
表1に記載されている(A)成分、(B)成分を、表1に記載されている配合割合で混合して、工業用作動油組成物を得た。
(比較例1〜5)
表2及び表3に記載されている(A)成分、(B)成分、(C)成分を、表2及び表3に記載されている配合割合で混合して、工業用作動油組成物を得た。
なお、表1〜表3に記載されている配合量の数値の単位は、質量%である。
Figure 0005489838
Figure 0005489838
Figure 0005489838
実施例1は同じ粘度グレードである比較例1(ポリマー配合なし)よりも40℃における高せん断粘度が低く、実施例2は同じ粘度グレードである比較例2(ポリマー配合なし)よりも40℃における高せん断粘度が低い。
実施例1〜2は、比較例5(ポリメタクリレート配合)よりも永久せん断安定性に優れている。
また、実施例1〜2は、比較例1、2(エステル系ポリマー配合なし、摩擦低減効果の添加剤トリクレジルフォスフェート配合)よりも摩擦低減効果が低く、比較例4(ポリメタクリレート配合)と比較しても摩擦係数が低い。
さらに、比較例3からは、多価アルコールとモノカルボン酸からなるハーフエステルと、ジカルボン酸とが縮重合したMw86,000のエステル系ポリマーであっても、エステル価が300mgKOH/gを超えるエステル系ポリマーを配合した場合には、組成物に濁りを生じてしまい、十分に溶解できないことがわかる。この状態では、十分な性能を発揮できないだけでなく、使用機器のフィルターなどでの目詰まりも懸念される。
よって、これらの実施例より、本発明の特定のエステル系ポリマーを配合した作動油組成物は、高せん断粘度が低くかつ摩擦係数も低いため、省電力効果が期待できることがわかる。
本発明の工業用作動油組成物は、種々の工業用作動油に適用できるが、特に油圧システムに用いる油圧作動油として好ましく用いることができる。さらには、油圧システムのうち、油圧ポンプ、油圧モーター、制御弁等、作動油がせん断状態に曝される箇所での省電力化を図る際に特に有効である。また、油圧ポンプや、油圧シリンダーや油圧モーターなどの油圧アクチュエーター等、作動油が境界潤滑領域に曝される箇所での省電力化を図る際にも有効である。

Claims (1)

  1. (A)40℃動粘度が10〜40mm/sである炭化水素系潤滑油基油、(B)エステル系ポリマーを含有する組成物であり、該エステル系ポリマーが、多価アルコールとモノカルボン酸の反応物であるハーフエステルと、ジカルボン酸とが縮重合したものであり、重量平均分子量が10,000〜200,000、エステル価が50〜300mgKOH/gであり、該組成物の40℃における動粘度が19〜51mm/sであることを特徴とする工業用作動油組成物。

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