実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る回転型表示装置について説明する。図1は横長状態における回転型表示装置10を示す正面図であり、図2は横長状態における回転型表示装置10を示す側面図であり、図3は縦長状態における回転型表示装置10を示す正面図であり、図4は横長状態と縦長状態との間の状態(横長状態から45度回転した状態)における回転型表示装置10を示す正面図である。なお、図1、図3及び図4は、部分的な透過図である。
この回転型表示装置10は、第1筐体20と、第2筐体30と、回転支持機構40とを備えている。
第1筐体20は、扁平なパネル状に形成されており、その一主面(正面)は、一組の対辺が他の一組の対辺よりも長い長方形状に形成されている。この第1筐体20の一主面側部分に、一組の対辺が他の一組の対辺よりも長い長方形状の表示部22が組込まれている。表示部22は、液晶表示部、有機EL表示部、プラズマディスプレイ等の薄型の表示部である。
第2筐体30は、上記第1筐体20を支持するための筐体であり、ここでは、第1筐体20を立設状に支持するためのスタンドして構成されている。すなわち、第2筐体30は、床面、机上等に載置される載置部32と、載置部32から上方に突出する支持部34とを有している。
また、この第2筐体30には、電源回路及び画像信号等を処理するための諸処理回路を有する回路ユニット36が内蔵されると共に(図2参照)、本回転型表示装置10に対して諸信号を入出力するための入出力端子等が設けられている(図示省略)。
もっとも、第2筐体は、床等に載置状に支持される構成に限られず、手で所持される構成等であってもよい。ここで、第2筐体を床等に載置した状態或は手で所持された状態等の通常使用状態を基準にして、上下方向及び水平(左右)方向が規定される。
回転支持機構40は、第1筐体20と第2筐体30との間に介在し、第2筐体30に対して第1筐体20を回転可能に支持するように構成されている。ここで、上記通常使用状態において、第1筐体20の長辺が水平方向に沿って配設された状態を横長状態といい、第1筐体20の長辺が上下方向に沿って配設された状態を縦長状態という。
すなわち、回転支持機構40は、第1筐体側支持部材50と、第2筐体側支持部材60と、回転中心側ガイドピン70と、回転規制側ガイドピン75とを有している。第1筐体側支持部材50は、第1筐体20のうち第2筐体30側の面(つまり、背面)に取付けられた部材であり、第2筐体側支持部材60は、第2筐体30の背面支持部34のうち第1筐体20側の面(つまり、正面)に取付けられた部材である。そして、第1筐体側支持部材50と第2筐体側支持部材60とが、回転中心側ガイドピン70及び回転規制側ガイドピン75を介して回転可能に連結されることで、第2筐体30に対して第1筐体20が回転可能に支持されている。
より具体的には、第1筐体側支持部材50は、打抜き、屈曲加工等された金属板、或は、樹脂板等により形成された部材であり、第1筐体20の主面と略平行でかつ第2筐体30側に面する第1筐体側平板部51を有している。また、第2筐体側支持部材60は、打抜き、屈曲加工等された金属板、或は、樹脂板等により形成された部材であり、第1筐体20の主面と略平行でかつ第1筐体20側に面する第2筐体側平板部61を有している。上記横長状態及び縦長状態において、第1筐体側平板部51と第2筐体側平板部61とは、少なくとも一部において重なり合うように対向して配設される。
第2筐体側平板部61には、上下ガイド溝62と、回転規制ガイド溝64とが形成されている。
上下ガイド溝62は、上下方向に沿って延びるスリット状の溝として形成されており、ここでは、第2筐体側平板部61の上寄りの部分に形成されている。この上下ガイド溝62は、主として、第1筐体20の上方位置及び下方位置を規制する役割を有している。
回転規制ガイド溝64は、上記上下ガイド溝62に対して非平行、ここでは、斜め方向に延在しており、上下ガイド溝62周りに設けられている。ここでは、回転規制ガイド溝64は、上下ガイド溝62を囲む仮想的な円Cに接する直線方向に延びるスリット状の溝として形成されている。ここでは、回転規制ガイド溝64は、第2筐体側平板部62のうち上記上下ガイド溝62の一側方部分から下方部分に至る領域に形成されており、上方に向けて上下ガイド溝62から離れる方向に傾斜するように形成されている。この回転規制ガイド溝64の傾斜角度は、後述するように、第1筐体20を上方に持上げつつ回転させる際に、その一方側の下側コーナー部を載置部32の上面に沿って移動させることが可能な角度に設定されている。この回転規制ガイド溝64は、第1筐体20を回転させる際において、当該第1筐体20の回転角度を上記横長状態及び縦長状態の各位置に規制する役割をも有している。
なお、回転規制ガイド溝64が接する仮想的な円Cは、上下ガイド溝62を囲む円であれば、どのような円であってもよい。また、回転規制ガイド溝64の延在方向も上記例に限られない。例えば、上下ガイド溝が第2筐体支持部材の下寄りの部分に形成され、回転規制ガイド溝が当該上下ガイド溝の側方から上方部分に至る領域に形成されている場合には、当該回転規制ガイド溝は下方に向けて上下ガイド溝から離れる方向に傾斜するように形成されていてもよい。
第1筐体側平板部51には、副上下ガイド溝52と、副回転規制ガイド溝54とが形成されている。
副上下ガイド溝52は、第1筐体20を第2筐体30に対して回転させる途中で、上下ガイド溝62の上方に延在すると共に、その他の途中状態では上下ガイド溝62に対して斜めに交わり可能な直線スリット状の溝として形成されている。ここでは、副上下ガイド溝52は、横長状態及び縦長状態では、上下ガイド溝62の下端部から斜め45度下方に延在すると共に、第1筐体20が横長状態から45度回転した状態で、上下ガイド溝62の上端部から上下方向に沿って上方に延在する位置及び姿勢に形成されている。
副回転規制ガイド溝54は、第1筐体20を第2筐体30に対して回転させる途中で回転規制ガイド溝64に対して交わる方向に延在すると共に、横長状態或は縦長状態において回転規制ガイド溝64の各端部から延出する弧状のスリット溝状に形成されている。ここでは、副回転規制ガイド溝54は、副上下ガイド溝52に対して反対側に凸となっている弧状のスリット溝であり、横長状態においては回転規制ガイド溝64の下端部から当該回転規制ガイド溝64の延在方向外方に向けて延び、縦長状態においては回転規制ガイド溝64の上端部から当該回転規制ガイド溝64の延在方向に対して略直交する方向に延び、横長状態及び縦長状態の間の回転途中状態では回転規制ガイド溝64に対して交わる位置及び姿勢に形成されている。
回転中心側ガイドピン70は、第1筐体側支持部材50の副上下ガイド溝52にスライド移動可能に支持されると共に、第2筐体側支持部材60の上下ガイド溝62にスライド移動可能に支持されている。回転中心側ガイドピン70としては、例えば、図5に示すように、副上下ガイド溝52の周縁部を嵌め込み可能な環状溝71g及び上下ガイド溝62の周縁部を嵌め込み可能な環状溝72gが形成されたピン状の部材を用いることができる。もっとも、回転中心側ガイドピン70は、上記構成に限られず、副上下ガイド溝52及び上下ガイド溝62内にスライド移動自在に配設可能な構成であればよい。
また、この回転中心側ガイドピン70は、第1付勢部材であるコイルバネ74によって副上下ガイド溝52の一方端側に付勢されている。ここでは、コイルバネ74は、第1筐体側支持部材50の内側に副上下ガイド溝52の上端側延長上に設けられており、その各端部が回転中心側ガイドピン70と第1筐体側支持部材50内面部分とに伸張状態で取付けられている。これにより、コイルバネ74は、回転中心側ガイドピン70を、副上下ガイド溝52の上端側に常時付勢している。
なお、第1付勢部材としては、コイルバネの他、ゼンマイバネ、ねじりコイルバネ等を用いてもよい。
回転規制側ガイドピン75は、副回転規制ガイド溝54にスライド移動可能に支持されると共に、回転規制ガイド溝64にスライド移動可能に支持されている。この回転規制側ガイドピン75としても、上記回転中心側ガイドピン70と同様に、溝内に沿って移動可能な配設可能な構成を採用することができる。
また、この回転規制側ガイドピン75は、第2付勢部材であるコイルバネ79によって、副回転規制ガイド溝54の一方端側に付勢されている。ここでは、コイルバネ79は、第1筐体側支持部材50の内側に副回転規制ガイド溝54の下端側延長上(回転中心側ガイドピン70から遠い方の端部の延長上)に設けられており、その両端部が回転規制側ガイドピン75と第1筐体側支持部材50の内面部分とに伸張状態で取付けられている。これにより、コイルバネ79は、回転規制側ガイドピン75を副回転規制ガイド溝54の下端側に向けて常時付勢している。なお、第2付勢部材としては、コイルバネの他、ゼンマイバネ、ねじりコイルバネ等を用いてもよい。
本実施形態では、第1筐体20の回転途中において、回転中心側ガイドピン70が、上記副上下ガイド溝52内をスライド移動することによって、第1筐体20側において回転中心側ガイドピン70と回転規制側ガイドピン75との間の距離が変更されるようになっている。
もっとも、第1筐体20の回転途中において、回転規制側ガイドピン75が副回転規制ガイド溝54内をスライド移動することによって、前記ガイドピン70,75間の距離が変更される構成であってもよい。
また、第1筐体20の回転途中において、回転中心側ガイドピン70及び回転規制側ガイドピン75の双方がスライド移動することによって、両ガイドピン70、75間の距離が変更される構成であってもよい。もっとも、前記ガイドピン70,75のうちの一方を固定した方が、第1筐体20の回転態様が安定化する。本実施形態では、その点を考慮して、第1筐体20の回転途中において、回転規制側ガイドピン75をなるべく一定位置に固定するようにしている。
また、副上下ガイド溝52及び副回転規制ガイド溝54は必須ではなく、回転中心側ガイドピン70及び回転規制側ガイドピン75が第1筐体側支持部材50に対して一定位置で支持されていてもよい。この場合、例えば、第1筐体の回転により、回転規制側ガイドピンが回転規制ガイド溝内を移動するのに伴って、回転中心側ガイドピンが回転規制ガイド溝64に対して遠近方向に移動させることができるように、上下ガイド溝52を形成すればよい。
なお、上記副上下ガイド溝52、副回転規制ガイド溝54、上下ガイド溝62、回転規制ガイド溝64の各端部のうちの少なくとも1つは、その長手方向中間部よりも幅狭に形成されていることが好ましい。図6では、回転規制ガイド溝64の下端部を幅狭にした図を示している。特に、副上下ガイド溝52、副回転規制ガイド溝54、上下ガイド溝62、回転規制ガイド溝64の各端部のうち、横長状態或は縦長状態で回転中心側ガイドピン70或は回転規制側ガイドピン75が配設される部分を、当該回転中心側ガイドピン70或は回転規制側ガイドピン75の直径寸法と略同一寸法に形成しておくことが好ましい。これにより、持運び時等において、横長状態或は縦長状態で、第1筐体20のぐらつきを抑制することができると共に、両状態での切替時にはスムーズな回転を期待できるからである。
また、図1、図3、図4、図7及び図8に示すように、第2筐体側支持部材60に位置決め凸部80が設けられると共に、第1筐体側支持部材50に位置決め凹部84が形成されている。
ここでは、位置決め凸部80は、第2筐体側平板部61に形成された孔部に突出及び退避移動可能に配設された位置決め本体部81と、位置決め本体部81の基端側に圧縮状態で配設された弾性部材としてのコイルバネ82とを有している。そして、位置決め本体部81は、コイルバネ82により突出方向に付勢された状態で、第2筐体側平板部61の外面に突出及び退避可能に配設されている。また、ここでは、位置決め本体部81を退避操作するための構成として、操作部材85と、操作力受部83とを有している。操作力受部83は、位置決め本体部81の側部に一体的に設けられており、位置決め本体部81に近づく方向に向けて当該位置決め本体部81の先端側に傾斜する傾斜部83aを有している。また、操作部材88は、位置決め凸部80が設けられた位置から第2筐体側平板部61の外周部に達することができる程度の長尺棒状部材に形成されている。この操作部材85は、その一端部を傾斜部83aに対向配置すると共にその他端部を第2筐体側支持部材60の外周部に配設した状態で、第2筐体側平板部61にその長手方向に沿ってスライド移動可能に支持されている。そして、第2筐体側支持部材60の外周部から操作部材85の他端部を押込み操作すると、操作部材85の一端部が前記傾斜部83aに当接して、位置決め本体部81をコイルバネ82の付勢力に抗して退避移動させる。また、操作部材85の他端部を押込む操作力を解除すると、コイルバネ82の付勢力により位置決め凸部80が突出移動すると共に、傾斜部83aが操作部材85の一端部を押して当該操作部材85を元の位置に復帰移動させる。
また、位置決め凹部84は、位置決め本体部81の先端部を挿入可能な孔であり、第1筐体側支持部材50の第1筐体側平板部51に形成されている。この位置決め凹部84は、横長状態において位置決め本体部81が配設される位置と、縦長状態において位置決め本体部81が配設される位置とのそれぞれに形成されている。
そして、第1筐体20を横長状態或は縦長状態にすると、位置決め本体部81が位置決め凹部84に嵌り込んで、第1筐体20が横長状態或は縦長状態に維持される。また、この状態で、操作部材85を押込んで、位置決め本体部81を退避移動させると、当該位置決め本体部81と位置決め凹部84との嵌り込みが解除され、第1筐体20の上記維持状態が解除され、当該第1筐体20を容易に回転させることができるようになる。
なお、操作力受部83及び操作部材85を省略し、所定以上の力で第1筐体20を回転させようとすると、位置決め凸部と位置決め凹部との嵌り込みが解除される構成であってもよい。また、上記コイルバネ82を省略し、位置決め凸部が自身の弾性変形或は周辺部材の弾性変形によって、位置決め凹部に嵌り込み及び嵌り込み解除される構成であってもよい。
また、位置決め凹部は、貫通孔状或は有底凹状であってもよく、第1筐体20の回転を規制できる状態で、位置決め凸部が嵌り込み可能な構成であればよい。
さらに、位置決め凸部が第1筐体側支持部材に設けられ、位置決め凹部が第2筐体側支持部材に設けられていてもよい。
この回転型表示装置10の動作について説明する。
まず、横長状態では、図1に示すように、副上下ガイド溝52は、上下ガイド溝62の下端部から斜め下方向に向けて連なる状態となっている。また、副回転規制ガイド溝54は、回転規制ガイド溝64の下端部から当該回転規制ガイド溝64の延在方向外方に沿って延出するように連なる状態となっている。そして、回転中心側ガイドピン70が、上下ガイド溝62の下端部に位置すると共に、コイルバネ74による付勢下、副回転規制ガイド溝の上端部に位置した状態となっている。また、回転規制側ガイドピン75は、回転規制ガイド溝64の下端部に位置すると共に、第1筐体20の自重によってコイルバネ79の付勢力に抗して副回転規制ガイド溝54の上端部に位置した状態となっている。なお、この横長状態では、位置決め凸部80と位置決め凹部84とが嵌り合った状態となっている。
この横長状態から縦長状態に切替えるべく、位置決め凸部80と位置決め凹部84との嵌め込みを解除して、第1筐体20を持上げつつ回転させる。すると、まず、回転中心側ガイドピン70が上下ガイド溝62内を上方に移動すると共に副上下ガイド溝52を下方に移動しつつ、コイルバネ79による付勢力下、回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の下端部に位置した状態で副回転規制ガイド溝54の下端部に移動する。この後、回転中心側ガイドピン70が上下ガイド溝62内を上方に移動すると共に副上下ガイド溝52を下方に移動しつつ、回転規制側ガイドピン75は副回転規制ガイド溝54の下端部に位置した状態のままで回転規制ガイド溝64の上方に向けて移動する。
そして、図4に示すように、第1筐体20を上方に持上げつつ所定方向(図4では右回転方向)に所定角度(ここでは45度)回転させる。すると、回転中心側ガイドピン70は、上下ガイド溝62に沿って当該上下ガイド溝62の上端部に達する。この際、副上下ガイド溝52は、回転中心側ガイドピン70を中心にして姿勢変更しつつ、上下ガイド溝62の上方に移動する。そして、副上下ガイド溝52は、上下ガイド溝62の上方に直線状に延在した状態となる。この状態では、回転中心側ガイドピン70は、副上下ガイド溝52内の下端部に移動した状態となる。
一方、回転規制側ガイドピン75は、副回転規制ガイド溝54の下端部に位置した状態で、回転規制ガイド溝64の下端部から上方に向けてスライド移動する。図4に示すように、第1筐体20が所定角度の状態では、回転規制側ガイドピン75は、回転規制ガイド溝64の長手方向途中部分に位置している。この際、副回転規制ガイド溝54は、回転規制ガイド溝64に沿って移動しつつ、当該回転規制ガイド溝64に対して交わる方向に延在する姿勢となる。
この後、第1筐体20を下方に移動させつつさらに回転させると、図3に示すように、回転中心側ガイドピン70は、コイルバネ74による付勢下、副上下ガイド溝52の上方に移動すると共に上下ガイド溝62に沿って下方に移動する。また、これに合わせて、回転規制側ガイドピン75は、回転規制ガイド溝64に沿って上方に移動する。そして、第1筐体20が縦長状態に回転した状態では、副上下ガイド溝52は、上下ガイド溝62の下端部から斜め下方向に向けて連なる状態となり、また、副回転規制ガイド溝54は、回転規制ガイド溝64の上端部から回転規制ガイド溝64の延在方向に略直交する姿勢で回転中心側ガイドピン70側に延出する状態となる。この状態では、回転中心側ガイドピン70は、上下ガイド溝62の下端部に位置すると共に、コイルバネ74による付勢下、副回転規制ガイド溝の上端部に位置した状態となっている。また、回転規制側ガイドピン75は、回転規制ガイド溝64の上端部に位置すると共に、コイルバネ79の付勢力下、副回転規制ガイド溝54の下端部に位置した状態となっている。なお、この縦長状態では、位置決め凸部80と位置決め凹部84とが嵌り合った状態となっている。
なお、上記副上下ガイド溝52、上下ガイド溝62、副回転規制ガイド溝54及び回転規制ガイド溝64は、上記回転動作中において、第1筐体20の一方側の下側コーナー部が載置部32の上面に沿って移動するような傾斜角度、長さ寸法、相対的な位置関係等に設定されている。
このように第1筐体20を上方に持上げつつ回転させることができるため、第1筐体20の下側の一方側コーナー部を、載置部32に接触させず、当該載置部32の上面に沿って移動させるように、当該第1筐体20を移動させつつ回転させることができる。
また、縦長状態から横長状態に回転させる際には、上記と逆に動作する。
以上のように構成された回転型表示装置10によると、回転中心側ガイドピン70を、上下ガイド溝62に沿って上方にスライド移動させると共に、回転規制側ガイドピン75を、回転規制ガイド溝64に沿ってスライド移動させつつ、第1筐体20を回転させることができる。これにより、第1筐体20を上方に移動させて、載置部32に接触させないように回転可能に支持することができる。特に、上下ガイド溝62及び回転規制ガイド溝64を直線状に形成しているため、なるべく加工容易な構成として、安価な構成とすることができる。
また、第1筐体20を第2筐体30に対して回転させる途中で、副上下ガイド溝52が上下ガイド溝62の上方に連続して延在するため、第1筐体20は、上下ガイド溝62の長さ分に副上下ガイド溝52の長さ分を加えた分、上方に移動することができる。このため、上下ガイド溝62の長さ寸法を短くして、回転支持機構40の小型化を図ることができる。これにより、原材料の減量化、また、かかる小型化によるデザイン性の向上等を図ることができる。
また、回転中心側ガイドピン70は、コイルバネ74によって副上下ガイド溝52の上端部に付勢されているため、第1筐体20を回転させる際において、副上下ガイド溝52内における回転中心側ガイドピン70の位置が安定する。このため、第1筐体20の回転態様が安定する。
さらに、横長状態において、副回転規制ガイド溝54は、回転規制ガイド溝64の下端部より外方に延在する弧状溝状に形成されている。このため、第1筐体20は、回転規制ガイド溝64の長さ分に副回転規制ガイド溝54の長さ分を加えた範囲内で、回転規制される。このため、回転規制ガイド溝64の長さ寸法を短くして、回転支持機構40の小型化を図ることができる。また、かかる小型化によりデザイン性の向上を図ることができる。
また、回転規制側ガイドピン75は、コイルバネ74によって下端側に付勢されているため、第1筐体20を回転させる際において、副回転規制ガイド溝54内における回転規制側ガイドピン75の位置が安定する。このため、第1筐体20の回転態様が安定する。また、横長状態において、回転規制側ガイドピン75は、回転規制ガイド溝64の下端部に配設され下方への移動を規制されており、コイルバネ79は、この回転規制側ガイドピン75と第1筐体側支持部材50との間に伸張状態で設けられているため、第1筐体側支持部材50は横長状態から縦長状態に回転する方向へと付勢されている。このため、縦長状態から横長状態に回転(図1において左回転方向)させる際に、コイルバネ79はその反対回転方向(図1において右回転方向)へ第1筐体側支持部材50を回転させる向きに付勢することになり、第1筐体20及び第1筐体側支持部材50が横長状態になる直前状態で、自重によって急激に横長状態になるように落下することを抑制できる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る回転型表示装置について説明する。なお、実施の形態1と同様構成部分については同一符号を付する等して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図9は実施の形態2に係る回転型表示装置の回転支持機構140部分を示す図であり、図10は図9のX−X線部分断面図である。なお、図9では、横長状態を示している。
この回転支持機構140は、上記回転支持機構40に対応する部分であり、回転中心側ガイドピン70を上下ガイド溝62の上端側に付勢する第3付勢部材として、ゼンマイバネ190を有している。ゼンマイバネ190は、バネ材を渦巻状に巻回したものであり、第2筐体側支持部材の内面であって上下ガイド溝62の上方位置に取付けられると共に、その外周側端部が上下ガイド溝62に沿って引出し可能に配設されている。このゼンマイバネ190を構成するバネ材の外周側先端部は、回転中心側ガイドピン70に連結部材192を介して連結されている。そして、ゼンマイバネ190によって回転中心側ガイドピン70が上下ガイド溝62の上端側に付勢されている。
なお、第3付勢部材としては、ゼンマイバネの他、伸張状態で配設されたコイルバネ、ねじりコイルバネ等各種付勢部材を用いることができる。
このようなゼンマイバネ190を設けることによって、第1筐体20及び第1筐体側支持部材50を上方に持上げる力が作用する。従って、横長状態或は縦長状態に回転させる際に、第1筐体20及び第1筐体側支持部材50を容易に上方に持上げることができると共に、第1筐体20及び第1筐体側支持部材50を持上げた後下降させる際に、急激な落下を抑制することができる。
また、第1筐体側支持部材50のうち第2筐体側支持部材60を向く側の面に、弾性圧入部材196が設けられている。弾性圧入部材196は、横長状態及び縦長状態では、第2筐体側支持部材60と重なり合う領域で、かつ、第1筐体側支持部材50が上方に持上げられつつ回転する途中では、第2筐体側支持部材60とは重なり合わずにその上方に位置する領域に設けられている。また、弾性圧入部材196は、第1筐体側支持部材50と第2筐体側支持部材60との間隔寸法よりも大きい突出寸法を有すると共に、その突出寸法を小さくするように弾性変形可能な弾性部材により形成されている。このような弾性圧入部材196は、例えば、第2筐体側支持部材60を略U字状に湾曲させた板バネ材等により構成することができる。
そして、第1筐体側支持部材50を上方に持上げつつ回転させる途中で、弾性圧入部材196が第2筐体側支持部材60よりも上方に移動した後、第1筐体側支持部材50が下方に下降しようとすると、図11に示すように、弾性圧入部材196の頭部が第2筐体側支持部材60の上辺部分に接触して、第1筐体側支持部材50の下方への移動を抑制する。また、当該状態からさらに大きな力で第1筐体側支持部材50を下降させると、弾性圧入部材196の頭部が第2筐体側支持部材60の上辺部分に接触して、弾性圧入部材196は、その突出寸法を小さくするように弾性変形する。これにより、図12に示すように、弾性圧入部材196は、第1筐体側支持部材50と第2筐体側支持部材60との間に圧入配置された状態となる。
従って、第1筐体20が上方に持上げられつつ回転する途中で、弾性圧入部材196が第2筐体側支持部材60に接触することで、第1筐体20の下方への移動を抑制するため、第1筐体20の急激な落下を抑制することができる。
なお、弾性圧入部材は、第2筐体側支持部材60側に設けられており、第1筐体側支持部材50に対してその下方から接触する構成であってもよい。
実施の形態3.
実施の形態3に係る回転型表示装置について説明する。なお、実施の形態1と同様構成部分については同一符号を付する等して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図13は回転中心側ガイドピン270及びその近傍部分を示す説明図である。図13(a)は横長状態、図13(b)は回転途中状態、図13(c)は縦長状態をそれぞれ示している。
この回転中心側ガイドピン270は、上記回転中心側ガイドピン70と対応する部分であり、当該回転中心側ガイドピン70と構成上異なっているのは、その外周部の一側部に配線用凹部272が形成されている点である。より具体的には、回転中心側ガイドピン270のうち副上下ガイド溝52内に配設されている部分の外周部に、部分的な切欠状の配線用凹部272が形成されている。そして、第1筐体20と第2筐体30とを電気的に接続するケーブル状の配線部材278(信号線及び電源線)が、副上下ガイド溝52部分で前記配線用凹部272を通って第1筐体側支持部材50から外部に引出されている。また、第2筐体側支持部材の第2筐体側平板部61には、上下ガイド溝62の一側方に位置して配線引出孔261hが形成されている。上記配線部材278は、当該配線引出孔261hを通って第2筐体側支持部材60から外部に引出されている。つまり、配線部材278は、回転中心側ガイドピン270の配線用凹部272から配線引出孔261hを通って配線されて、第1筐体20と第2筐体30とを電気的に接続している。
これにより、第1筐体20が回転する際の中心近くで配線部材278を容易に配線することができ、第1筐体20と第2筐体30との間を通る配線部材278の長さ寸法を可及的に短くすることができる。また、第1筐体20と第2筐体30との間を通る配線部材278の長さ寸法を短くすることで、当該配線部材278からの不要輻射をも少なくすることができる。
上記配線引出孔261hは、上下ガイド溝62の一側方であって上下ガイド溝62の長手方向略中央位置に形成されていることが好ましい。これにより、第1筐体20と第2筐体30との間を通る配線部材278のたわみを少なくすることができる。
もっとも、通常、配線部材278の自重等によって回転中心側ガイドピン270のうち配線用凹部272を形成した部分が、下方に配設された姿勢になり易いという点を考慮すると、配線引出孔261hは、上下ガイド溝62の下端位置に配設された状態における回転中心側ガイドピン270の下端部位置H1と上下ガイド溝62の上端位置に配設された状態における回転中心側ガイドピン270の下端部位置H2との中央位置HM1と、上下ガイド溝62の中央位置HM2との間の高さ位置にあることが好ましい。
これにより、第1筐体20と第2筐体30との間で配線部材278のたわみをより少なくすることができると共に、配線部材278の位置決めを行い易く、また、不要輻射も少なくすることができる。
また、回転規制側ガイドピンに、配線用凹部を形成してもよい。もっとも、回転中心側ガイドピンに配線用凹部を形成することで、回転時において、配線部材が引張られにくいようにすることができるというメリットがある。
実施の形態4.
実施の形態4に係る回転型表示装置について説明する。なお、実施の形態1と同様構成部分については同一符号を付する等して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図14は回転中心側ガイドピン70、上下ガイド溝362及び副上下ガイド溝352部分を示す説明図である。図14(a)は横長状態、図14(b)は回転途中状態、図14(c)は縦長状態をそれぞれ示している。
上下ガイド溝62に対応する上下ガイド溝362の下端部には、ガイド溝側配線用凹部362Aが形成されている。また、副上下ガイド溝52に対応する副上下ガイド溝352の下端部にはガイド溝側配線用凹部352Aが形成され、副上下ガイド溝352の上端部両側部にはガイド溝側配線用凹部352Bが形成されている。
そして、第1筐体20と第2筐体30とを電気的に接続するコード状の配線部材378(信号線及び電源線)が、上記ガイド溝側配線用凹部362Aと、ガイド溝側配線用凹部352A或はガイド溝側配線用凹部352Bを通って配線されている。
すなわち、横長状態では、ガイド溝側配線用凹部362Aと一方側のガイド溝側配線用凹部352Bとが、互いに重なり合う領域に配設され、配線部材378は、これらガイド溝側配線用凹部362Aと一方側のガイド溝側配線用凹部352Bを通って配線されている(図14(a)参照)。
また、上下ガイド溝362の上方に副上下ガイド溝352が配設された回転途中状態では、ガイド溝側配線用凹部352Aと上下ガイド溝362とが互いに重なり合う領域に配設され、配線部材378は、これらガイド溝側配線用凹部352Aと上下ガイド溝362とを通って配線されている(図14(b)参照)。
また、縦長状態では、ガイド溝側配線用凹部362Aと他方側のガイド溝側配線用凹部352Bとが、互いに重なり合う領域に配設され、配線部材378は、これらガイド溝側配線用凹部362Aと他方側のガイド溝側配線用凹部352Bを通って配線されている(図14(c)参照)。
上記により、実施の形態3と同様に、第1筐体20と第2筐体30との間を通る配線部材378の長さ寸法を短くすることができると共に、当該配線部材378からの不要輻射をも少なくすることができる。
なお、上下ガイド溝及び副上下ガイド溝に形成するガイド溝側配線用凹部の位置は上記例に限られない。もっとも、通常は、配線部材は自重によって垂下がる傾向にあるため、第1筐体が姿勢変更する各状態において下方に配設される部分に形成することが好ましい。
また、回転規制ガイド溝及び副回転規制ガイド溝のうちの少なくとも一方にガイド溝側配線用凹部を形成してもよい。もっとも、上記したのと同様に、回転規制ガイド溝及び副回転規制ガイド溝のうちの少なくとも一方にガイド溝側配線用凹部を形成した方が、回転時において、配線部材が引張られにくいようにすることができるというメリットがある。
また、上記実施形態3と実施形態4とを組み合わせてもよい。つまり、回転中心側ガイドピンに配線用凹部を形成すると共に、上下ガイド溝及び副上下ガイド溝のうちの少なくとも一方にガイド溝側配線用凹部を形成してもよい。これにより、回転中心側ガイドピンに形成する配線用凹部の大きさを小さくすることができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係る回転型表示装置について説明する。なお、実施の形態1と同様構成部分については同一符号を付する等して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図15はピン保持部材490を有する回転支持機構440を示す正面図であり、図16は縦長状態におけるピン保持部材490を示す説明図であり、図17は回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の下端部に達した状態におけるピン保持部材490を示す説明図であり、図18は回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の下端部に達した後、副回転規制ガイド溝54に沿って移動する途中状態を示す説明図である。
ピン保持部材490は、回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の長手方向途中に位置する状態で、回転規制側ガイドピン75が副回転規制ガイド溝54の一方端側に位置するように、当該回転規制側ガイドピン75を保持するように構成されている。
より具体的には、ピン保持部材490は、ピン保持片492と、ピン保持片支持部494と、ピン保持片付勢部材496と、ピン保持片当接部材498とを有している。
ピン保持片支持部494は、第1筐体側支持部材50の第1筐体側平板部51の外面であって、副回転規制ガイド溝54の側方位置に固定されている。ピン保持片支持部494は、第1筐体側平板部51から突出する一対の支持ピン494aを有している。
ピン保持片492は、副回転規制ガイド溝54の延在方向に対して略直交する方向に延びる一対の可動支持溝493gを有する本体部493Aと、本体部493Aに一体的に形成されたピン抑え片493Bとを有している。そして、上記一対の支持ピン494aが一対の可動支持溝493gにそれぞれスライド移動可能に挿入されることで、ピン保持片492が副回転規制ガイド溝54に対して接近及び離隔移動可能に支持されている。また、ピン抑え片493Bは、本体部493Aから副回転規制ガイド溝54側に延出しており、副回転規制ガイド溝54の下端部から回転規制側ガイドピン75を配設可能な距離をあけた位置で、当該副回転規制ガイド溝54に対して突出及び退避移動可能に配設されている。
また、ピン保持片付勢部材496は、コイルバネ、ねじりコイルバネ、板バネ等により構成された弾性部材であり、第1筐体側支持部材50の第1筐体側平板部51に取付固定されて、ピン保持片492を副回転規制ガイド溝54側に付勢している。
ピン保持片当接部材498は、第2筐体側支持部材60の第2筐体側平板部61に取付固定された部材であり、副回転規制ガイド溝54の下端部が回転規制側ガイドピン75の下端部に重複するように配設された状態で、ピン保持片492に対して副回転規制ガイド溝54側の位置から当接可能な位置に設けられている。
そして、ピン保持片492がピン保持片当接部材498に当接していない状態、即ち、回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の下端部よりも上方に位置している状態では、ピン保持片492がピン保持片付勢部材496の付勢力によって副回転規制ガイド溝54側に位置している。これにより、ピン抑え片493Bが副回転規制ガイド溝54内に突出配置されて、回転規制側ガイドピン75を副回転規制ガイド溝54の下端側位置に保持している(図15及び図16参照)。
一方、ピン保持片492がピン保持片当接部材498に当接している状態、即ち、回転規制側ガイドピン75が回転規制ガイド溝64の下端部に位置している状態では、ピン保持片492はピン保持片当接部材498に当接して、ピン保持片付勢部材496の付勢力に抗して、副回転規制ガイド溝54から離間した位置に配設される。これにより、ピン抑え片493Bが副回転規制ガイド溝54から退避移動し、回転規制側ガイドピン75は副回転規制ガイド溝54内を移動可能になる(図17及び図18参照)。
従って、横長状態では、回転規制側ガイドピン75を副回転規制ガイド溝54の上端位置に移動させることができると共に(図17,図18、図1参照)、横長状態と縦長状態との間の回転途中状態、及び、縦長状態では、回転規制側ガイドピン75を副回転規制ガイド溝54の下端位置に保持することができる。
これにより、第1筐体20の回転態様を安定させることができ、例えば、第1筐体20の一方下コーナー部を載置部32の上面に沿って移動させる等、所望の姿勢変更軌跡を保ち易い。
変形例.
なお、上記各実施形態において、横長状態と縦長状態とを逆向きに回転させて切替えるようにしてもよい。この場合、垂直線を中心にして左右対称構成とすればよい。
また、第1筐体側支持部材50と第1筐体20、第2筐体側支持部材60と第2筐体30とは同じ部材として構成されていてもよい。
また、本実施の形態では、スタンドタイプの表示装置を例にして説明したが、本発明は当該例に限るものではなく、表示部を回転可能に支持する種々表示装置に適用可能である。
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。