JP5283420B2 - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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例えば、窒化アルミニウム粉末に希土類金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の焼結助剤を添加して得られた成形体を、カーボンを存在させた還元性雰囲気下で焼成することにより、焼結助剤にトラップされた酸素と焼結助剤含有相が除去され、これにより結晶粒表面が高純度化され、更に焼結体中の不純物である焼結助剤含有相が存在しないことにより、高い熱伝導性を有する窒化アルミニウム焼結体を得る方法が挙げられる(特許文献1)。
ところで、窒化アルミニウム焼結体の用途において、該焼結体をブレードにより切削を行なう、所謂、切削加工を行なうことがあり、かかる切削加工において良好な加工性が要求される場合がある。
尚、本明細書においてppmは全て質量ppmを示す。硬度は超微小押し込み硬さ試験機により、窒化アルミニウム結晶粒一粒の硬度を測定した値である。
本発明の窒化アルミニウムの製造方法は特に制限されないが、代表的な製造方法として、以下の方法が挙げられる。
得られたグリーン体は、空気中、窒素中、水素中等の任意の雰囲気で加熱し、脱脂する。特に、本発明においては、後記のように、脱脂後の残留炭素量を特定の範囲とすることを必要とするため、残留炭素量の調整がし易い、窒素中での脱脂が好ましい。
即ち、上記脱脂体1の厚みT(mm)に対する該脱脂体1の周縁に形成される凹部の深さL(mm)は、下記式の関係を満足することが必要である。
上記Lの値が、上記範囲を満足しない場合、窒化アルミニウム脱脂体1の周縁面と板状体2によって形成される凹部3の深さLが十分でないことにより、カーボンの放散が激しくなり、窒化アルミニウム結晶粒を充分に高純度化することが困難となる。
・窒化アルミニウム脱脂体中の炭素濃度の測定:
炭素濃度は、窒化アルミニウム焼結体を粉末状にした後、堀場製作所製「EMIA−110」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCO、CO2ガス量から定量した。
窒化アルミニウム焼結体の破断面を、走査電子顕微鏡写真(倍率1000〜3000倍)を用いて撮影し、コード法により測定した。
リガク製XRDにより定性分析を行い、同定した。ピーク強度比はY2O3は(222)面、Y2Aでは(−122)面のピークを使用した。
金属不純物濃度(金属元素濃度)は、窒化アルミニウム焼結体を粉砕し粉末状にした後、アルカリ溶融後、酸で中和し、島津製作所製「ICP−1000」を使用して溶液のICP発光分析により定量した。
焼結体を構成する粒子の硬度は、エリオニクス製「超微小押し込み硬さ試験機ENT−1100A」を用いて、荷重1nNで10回測定し、その平均値から定量した。
焼結体の密度はアルキメデス法を用いて測定した。
理学電気(株)製「LF/TCM−FA8510B」を使用して、レーザーフラッシュ法により、2次元法で測定した。
50.8mm角、厚み0.24mmの焼結体を以下の条件で切断たときの、ブレード磨耗量を測定した。
ブレード形状:外径54mm、内径40mm、厚み(t)0.1mm
回転数:23000rpm
切断スピード:3mm/sec
切断本数:83本
この磨耗量が小さいほど、切削加工性が良好といえる。
平均粒子径1.5μmの窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤として酸化イットリウム粉末を5重量部、リン酸三カルシウム粉末を0.5重量部、分散剤としてソルビタントリオレエート、結合剤としてポリビニルブチラールを8重量部、可塑剤としてジブチルフタレート、及び溶媒を加えた混合物をボールミルで混合し、脱溶媒した後、ドクタ−ブレード法によりシート成形を行った。
実施例1と同様にして作製した成形体を550℃で3時間脱脂して炭素濃度4020ppmの脱脂体を得、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を300℃で2時間脱脂して炭素濃度19920ppmの脱脂体を得、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6260ppmの脱脂体を得、脱脂体に対して、該脱脂体1の厚みTに対する該脱脂体1の周縁に形成される凹部の深さLが5.0mmとなる窒化ホウ素焼結体で、該脱脂体上下を積層し、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6450ppmの脱脂体を得、焼成温度を1625℃とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6450ppmの脱脂体を得、焼成温度を1725℃とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6360ppmの脱脂体を得、焼成時間を70時間とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1で作製した成形体を用いて、窒素雰囲気中、550℃で3時間脱脂した後、空気中、300℃で1時間脱脂を行った。得られた脱脂体の炭素濃度は3150ppmであった。この脱脂体を実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6260ppmの脱脂体を得、脱脂体に対して、該脱脂体1の厚みTに対する該脱脂体1の周縁に形成される凹部の深さLが1.0mmとなる窒化ホウ素焼結体で、該脱脂体上下を積層し、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6450ppmの脱脂体を得、焼成温度を1740℃とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6360ppmの脱脂体を得、焼成温度を1610℃とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
実施例1と同様にして作製した成形体を400℃で3時間脱脂して炭素濃度6360ppmの脱脂体を得、焼成時間を50時間とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の焼成条件を表1に、また、物性を表2に示す。
2 窒化ホウ素焼結体
3 凹部
Claims (3)
- 平均粒径が4〜9μmの窒化アルミニウム結晶粒より構成された窒化アルミニウム焼結体であって、上記焼結体は、平均粒径が0.5〜2μmの焼結助剤含有相を前記窒化アルミニウム結晶粒の三重点に有し、上記焼結助剤含有相はイットリウム系化合物を含み、該イットリウム化合物は、焼結体中に、イットリウム元素換算で、1.4〜3.5質量%となる割合で含有され、且つ、前記焼結体を構成する窒化アルミニウム結晶粒の硬度が21000MPa以上であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
- 前記焼結助剤含有相がイットリウム系化合物であり、該イットリウムの少なくとも一部がY2O3の単一化合物の状態で存在する請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
- 熱伝導率が、225W/m・K以上である請求項1又は2のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
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