JP5282525B2 - 車両用パネル - Google Patents

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Description

本発明は、車体の開口に装着される車両用パネルに関するものである。
従来、車両用パネルとしては、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。こうした車両用パネルでは、軽量化等に対応するべく、合成樹脂にて成形することが提案されている。また、合成樹脂製の車両用パネルは、ガラス製のものに比べて十分な強度(曲げ強度)を確保することが困難であることから、当該強度を確保するための手法も併せて提案されている。
例えば特許文献1では、強度確保のために複数(2枚)の樹脂パネルを積層固着している。また、特許文献2では、複数(3枚)の樹脂パネルを積層固着しており、中間パネルを平面視ハニカム状の縦壁にして更なる強度確保を図っている。さらに、特許文献3では、強度確保のために樹脂パネルに補強用の鋼板を締結している。
特開2000−142119号公報 独国特許発明第102 00 750 B4号明細書 特開2006−56513号公報
ところで、特許文献1では、積層された樹脂パネルの外縁端にシール部材(ウェザストリップ)を取着している。この場合、ガラスパネルや鋼板に比べて樹脂パネルの熱膨張率(線膨張係数)が大きいことから、シール部材の取付部が環境温度変化によって変形し、該シール部材による雨水等の水に対するシール性能が劣化する可能性がある。また、特許文献2では、車両用パネルの略全面に広がる中間パネル(平面視ハニカム状の縦壁)を固着する必要があることから、該固着のための接着剤の塗布作業性が悪くなる。さらに、特許文献3では、シール部材を補強用の鋼板に取着しているものの、樹脂パネルの補強を鋼板のみで行っていることから、車両用パネル全体としての十分な軽量化が困難になってしまう。
本発明の目的は、車両用パネルとしての面剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができ、しかも、シール性能の劣化を抑制できる車両用パネルを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車体の開口に装着される車両用パネルにおいて、車外側に位置するとともに合成樹脂により構成される樹脂パネルと、前記樹脂パネルの周縁に沿って該樹脂パネルの車内側面に固着され、合成樹脂により構成される枠部材と、前記枠部材の固着された前記樹脂パネルの周縁に沿って前記枠部材の車内側面又は前記樹脂パネルの車内側面に遊びを有して取着され、前記開口の縁部側に取付部を有する鋼板からなる取付部材と、前記取付部に取り付けられ、前記開口の縁部に密着するシール部材と、前記樹脂パネルの周縁に沿う複数箇所で、前記樹脂パネル及び前記枠部材のいずれか一方に突設された複数の係止突部と、前記取付部材に形成されて、前記係止突部が遊挿される複数の遊挿孔と、前記遊挿孔に遊挿された前記係止突部を抜け止めする複数の抜け止め部材とを備え、前記遊挿孔は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への前記係止突部の移動を許容し、前記複数の係止突部を、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう互いに異なる少なくとも二つの方向に付勢する複数の付勢手段を備えたことを要旨とする。
同構成によれば、前記樹脂パネル(車両用パネル)は合成樹脂製の前記枠部材によってその周縁が補強されているため、車両用パネルとしての面剛性を確保しつつ、軽量化に対応する。つまり、車外側に位置するパネル部分(樹脂パネル)と該パネル部分を補強する補強部分(枠部材)とが合成樹脂製であるため、例えばパネル部分がガラス製であるものや、補強部分が金属製であるものに比べて軽量化される。また、前記シール部材は、前記樹脂パネルや前記枠部材に比べて熱膨張率(線膨張係数)の小さい鋼板からなる前記取付部材に取り付けられる。従って、前記取付部材の取着される前記枠部材又は前記樹脂パネルが環境温度変化によって変形しても、当該変形を前記遊びの範囲で吸収し前記取付部材への影響を緩和することで、前記取付部の当該変形に伴う変位が抑制され、ひいては前記シール部材の雨水等の水に対するシール性能の劣化を抑制することができる。
同構成によれば、前記複数の係止突部を有する前記樹脂パネル又は前記枠部材は、前記係止突部が前記遊挿孔に遊挿され前記抜け止め部材に抜け止めされることで前記取付部材に固定される。そして、前記遊挿孔に遊挿された前記複数の係止突部は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への移動、即ち環境温度変化により前記樹脂パネル又は前記枠部材が変形する際の支配的な変位が許容される。従って、環境温度変化により前記樹脂パネル又は前記枠部材が変形し前記係止突部が変位しても、当該変位が前記遊挿孔で吸収されることで、前記取付部材ひいては前記シール部材への影響を緩和することができる。そして、前記シール部材による雨水等の水に対するシール性能を安定して得ることができる。
同構成によれば、前記複数の係止突部は、前記複数の付勢手段により前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう互いに異なる少なくとも二つの方向に付勢されることで、前記遊挿孔内での前記係止突部のがたつきを抑制することができ、ひいては前記樹脂パネル又は前記枠部材に固定される前記取付部材のがたつきを抑制することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の車両用パネルにおいて、前記付勢手段に付勢される前記係止突部が遊挿される前記遊挿孔は、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向を長手方向とする長孔であることを要旨とする。
同構成によれば、例えば車両用パネルに対して付勢手段で耐えられないほどの大荷重が加わった際に長孔がその短手方向への係止突部の移動を規制することで、取付部材と樹脂パネルとの相対移動を規制することができる。
請求項に記載の発明は、車体の開口に装着される車両用パネルにおいて、車外側に位置するとともに合成樹脂により構成される樹脂パネルと、前記樹脂パネルの周縁に沿って該樹脂パネルの車内側面に固着され、合成樹脂により構成される枠部材と、前記枠部材の固着された前記樹脂パネルの周縁に沿って前記枠部材の車内側面又は前記樹脂パネルの車内側面に遊びを有して取着され、前記開口の縁部側に取付部を有する鋼板からなる取付部材と、前記取付部に取り付けられ、前記開口の縁部に密着するシール部材と、前記樹脂パネルの周縁に沿う複数箇所で、前記樹脂パネル及び前記枠部材のいずれか一方に突設された複数の係止突部と、前記取付部材に形成されて、前記係止突部が遊挿される複数の遊挿孔と、前記遊挿孔に遊挿された前記係止突部を抜け止めする複数の抜け止め部材とを備え、前記遊挿孔は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への前記係止突部の移動を許容し、前記複数の係止突部において少なくとも一対の係止突部は前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に対してそれぞれが点対称となるように配置され、少なくとも前記一対の係止突部を前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向に付勢する複数の付勢手段を備え、前記一対の係止突部が遊挿される前記遊挿孔は、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向を長手方向とする長孔であることを要旨とする。
同構成によれば、前記樹脂パネル(車両用パネル)は合成樹脂製の前記枠部材によってその周縁が補強されているため、車両用パネルとしての面剛性を確保しつつ、軽量化に対応する。つまり、車外側に位置するパネル部分(樹脂パネル)と該パネル部分を補強する補強部分(枠部材)とが合成樹脂製であるため、例えばパネル部分がガラス製であるものや、補強部分が金属製であるものに比べて軽量化される。また、前記シール部材は、前記樹脂パネルや前記枠部材に比べて熱膨張率(線膨張係数)の小さい鋼板からなる前記取付部材に取り付けられる。従って、前記取付部材の取着される前記枠部材又は前記樹脂パネルが環境温度変化によって変形しても、当該変形を前記遊びの範囲で吸収し前記取付部材への影響を緩和することで、前記取付部の当該変形に伴う変位が抑制され、ひいては前記シール部材の雨水等の水に対するシール性能の劣化を抑制することができる。
同構成によれば、前記複数の係止突部を有する前記樹脂パネル又は前記枠部材は、前記係止突部が前記遊挿孔に遊挿され前記抜け止め部材に抜け止めされることで前記取付部材に固定される。そして、前記遊挿孔に遊挿された前記複数の係止突部は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への移動、即ち環境温度変化により前記樹脂パネル又は前記枠部材が変形する際の支配的な変位が許容される。従って、環境温度変化により前記樹脂パネル又は前記枠部材が変形し前記係止突部が変位しても、当該変位が前記遊挿孔で吸収されることで、前記取付部材ひいては前記シール部材への影響を緩和することができる。そして、前記シール部材による雨水等の水に対するシール性能を安定して得ることができる。
同構成によれば、長孔がその短手方向への係止突部の移動を規制し、付勢手段により長孔の長手方向への係止突部の移動を規制することができる。そして、長孔以外の遊挿孔で係止突部と遊挿孔とに関与する累積交差、特に一対の係止突部を結んだ直線からの角度ずれの交差を吸収することができる。そのため、部品の製造誤差を考慮しつつ、係止突部(樹脂パネル)の移動を規制(がたつきを防止)することができる。
本発明では、車両用パネルとしての面剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができ、しかも、シール性能の劣化を抑制できる車両用パネルを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図7は、自動車などの車両ルーフ10及び該車両ルーフ10に搭載されたサンルーフ装置11を示す斜視図である。同図に示されるように、車両ルーフ10には、車体の開口としてのルーフ開口部12が形成されるとともに、車両前後方向に移動して該ルーフ開口部12を開閉する車両用パネル13が設置されている。
図1は、車両用パネル13を示す分解斜視図であり、図2及び図3は、図7のA−A線及びB−B線に沿った断面図である。図2及び図3に示されるように、前記ルーフ開口部12は、全周に亘って下向き(車内側)に屈曲されて略四角筒状の縁部12aを形成する。
前記車両用パネル13は、車外側(上側)に位置する合成樹脂製の樹脂パネル21を備える。この樹脂パネル21は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは半透過性のポリカーボネート樹脂で射出成形されており、前記ルーフ開口部12の外形に合わせて矩形板状に成形されている。
また、前記車両用パネル13は、樹脂パネル21の周縁に沿って該樹脂パネル21の車内側面(下面)に固着された枠部材としての合成樹脂製の補強部材22を備える。この補強部材22は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは材料着色の樹脂で樹脂パネル21に一体射出成形(二色成形)されており、該樹脂パネル21の周縁に沿って略四角リング状に成形されている(図1では、便宜的に樹脂パネル21と分離して図示)。
補強部材22は、車両前側で車両幅方向に延在する枠部22aに、車両前後方向に間隔をおいて車両幅方向に延在する複数(3つ)の突条形状のリブ22b,22c,22dを一体的に有する。これらリブ22b〜22dは下向きに突出しており、リブ22bの突出長はリブ22c,22dの突出長よりも短く設定されている。また、補強部材22は、車両後側で車両幅方向に延在する枠部22eに、車両前後方向に間隔をおいて車両幅方向に延在する複数(2つ)の突条形状のリブ22f,22gを一体的に有する。これらリブ22f,22gは、互いに同等の突出長を有して下向きに突出している。
これらリブ22b〜22d,22f,22gは、補強部材22の内周縁側で枠部22a,22eに配設されており、補強部材22ひいては樹脂パネル21(車両用パネル13)の剛性(曲げ剛性)を向上する。つまり、補強部材22は、車両用パネル13の採光部を除く周縁部を着色して内装意匠を向上する機能に加えて、車両用パネル13(樹脂パネル21)の周縁部を補強する機能を備えている。
なお、補強部材22は、その外周縁に沿う複数箇所に突設された複数の円盤状の台座部31を一体的に有するとともに、該台座部31に突設された複数の円柱状の係止突部32を一体的に有する。これら台座部31及び係止突部32は、互いに同心で下向きに順次突出している。複数の係止突部32等は、補強部材22の外周縁に沿って規則的に配置されている(図4参照)。
さらに、前記車両用パネル13は、補強部材22の外周縁端に沿って該補強部材22の車内側面(下面)に取着された鋼板からなる略四角リング状の取付部材23を備える。つまり、車両用パネル13は、樹脂パネル21、補強部材22及び取付部材23からなる積層構造(3層構造)となっている。この取付部材23は、前記係止突部32に対向して車両高さ方向に貫通する複数の挿通孔33を有する。取付部材23は、台座部31の下面が当接するように係止突部32が挿通孔33に遊挿され、該挿通孔33から突出する係止突部32の先端部に、抜け止め部材としての皿状のプッシュナット34が圧入されることで補強部材22に抜け止め・固定される。
なお、各係止突部32は、挿通孔33の間に設定された遊びの範囲で該挿通孔33に対する相対移動(変位)が許容されている。これにより、補強部材22は、取付部材23に影響を及ぼすことなく、環境温度変化に伴う変形が許容される。この際、挿通孔33の周縁部で取付部材23を挟持する台座部31及びプッシュナット34は、前述の遊びの範囲で取付部材23を摺動しつつ係止突部32の変位を許容する。
具体的には、図4に模式的な平面図を示したように、取付部材23(車両用パネル13)の車両幅方向に直交する中心線O1上に配置される一対の係止突部32を係止突部32a,32bで表すと、これら係止突部32a,32bの遊挿される挿通孔33は中心線O1に沿って延在する長孔33a,33bとなっている。そして、長孔33a,33bの短手方向(車両幅方向)の幅は、係止突部32a,32bの外径と同等に設定されて当該方向への係止突部32a,32bの変位を規制する。すなわち、長孔33a,33bは当該方向への変位を規制する規制壁を有する。もちろん、同等の設定とは、挿通孔33と係止突部32との累積交差をも考慮した幅も含むものとする。また、取付部材23(車両用パネル13)の車両前後方向に直交する中心線O2上に配置される一対の係止突部32を係止突部32c,32dで表すと、これら係止突部32c,32dの遊挿される挿通孔33は中心線O2に沿って延在する長孔33c,33dとなっている。そして、長孔33c,33dの短手方向(車両前後方向)の幅は、係止突部32c,32dの外径と同等に設定されて当該方向への係止突部32c,32dの変位を規制する。つまり、取付部材23には、車両用パネル13の中心点O(中心線O1,O2の交点)に向かう方向に延在する複数の長孔33a〜33dが形成されている。これら長孔33a〜33dの延出長は、環境温度に伴う係止突部32a〜32dの変位を吸収し得る好適な長さに設定されている。
一方、長孔33a〜33d以外の挿通孔33は、係止突部32の外径よりも大きな内径の円形孔(いわゆるバカ孔)となっている。これら挿通孔33の内径は、係止突部32及び挿通孔33の製造バラツキ位置と、環境温度に伴う係止突部32の変位とを吸収し得る好適な長さに設定されている。
図5に係止突部32a及び長孔33a近傍で破断した斜視図を示したように、取付部材23には、補強部材22との間に形成される空間に収容される態様で付勢手段としてのヘアピン状のスプリング35が設置されている。図6に底面図を示したように、このスプリング35は、長孔33aの短手方向(車両幅方向)に延在する一対の延在部と、両延在部を連結する屈曲部とを有する。すなわち、長孔33aの長手方向(車両前後方向)に進退するように折り返されており、両端末間が幅狭になる側の付勢力を発生する。スプリング35の両端末部は、取付部材23に形成された一対の係止片23a,23bに少なくとも一方が係止されてそれらの間に一定幅以上を確保するように設定されている。また、スプリング35は、その長手方向中央部、すなわち延在部の中央部付近に前記台座部31の外径と同等の内径を有する一対の円弧部35a,35bを有しており、両円弧部35a,35bの少なくとも一方において台座部31の外周面と弾性的に接触する。
ここで、図6(a)に示すように、環境温度が常温にあるとき、スプリング35は、係止突部32aが長孔33aの長手方向中央部(中立位置)に配置される状態で両円弧部35a,35bにおいて台座部31の外周面と弾性的に接触しており、両端末部は一対の係止片23a,23bにそれぞれ係止されている。
また、図6(b)に示すように、環境温度が高温に変化したとき、補強部材22(及び樹脂パネル21)が全体として面積を拡大するように熱膨張することで、車両前側に配置された係止突部32aが台座部31ともども車両前側に変位する。このとき、係止突部32aは、長孔33aの長手方向中央部よりも車両前側に変位されており、台座部31は、車両前側の円弧部35aに接触した状態で車両後側の円弧部35bから離れる。また、スプリング35は、車両前側の端末部が係止片23aから離れるように弾性変形する。これにより、スプリング35は、円弧部35aにおいて台座部31(係止突部32a)を車両後側に変位する側(中心点O側)に付勢する。
一方、図6(c)に示すように、環境温度が低温に変化したとき、補強部材22(及び樹脂パネル21)が全体として面積を縮小するように熱収縮することで、車両前側に配置された係止突部32aが台座部31ともども車両後側に変位する。このとき、係止突部32aは、長孔33aの長手方向中央部よりも車両後側に配置されており、台座部31は、車両後側の円弧部35bに接触した状態で車両前側の円弧部35aから離れる。また、スプリング35は、車両後側の端末部が係止片23bから離れるように弾性変形する。これにより、スプリング35は、円弧部35bにおいて台座部31(係止突部32a)を車両前側に変位する側(反中心点O側)に付勢する。
なお、その他の係止突部32b〜32dの設けられた台座部31の外周面も同様のスプリング35と弾性的に接触しており、環境温度に応じた係止突部32a及び長孔33aの関係並びに台座部31及びスプリング35の関係は、車両前後方向又は車両幅方向に置き換えることで同様である。従って、係止突部32a〜32dの設けられた台座部31を付勢する複数(4つ)のスプリング35は、全体として係止突部32a〜32dを補強部材22(樹脂パネル21)の中心に向かう互いに異なる二つの方向に付勢する。これにより、長孔33a〜33d内での係止突部32a〜32dのがたつきが全体として抑制され、ひいては補強部材22(及び樹脂パネル21)に固定される取付部材23のがたつきが抑制される。
図2に示すように、前記取付部材23の外周縁部は、断面略U字状に屈曲されており、樹脂パネル21の外周縁端に対向して上向きに立ち上がる先端部によって縦壁状の取付部23cを形成する。つまり、取付部材23は、前記ルーフ開口部12の縁部12a側に取付部23cを有する。そして、この取付部23cには、前記ルーフ開口部12の縁部12a全周に亘って密着する環状のシール部材24が取り付けられている。このシール部材24は、例えばゴム材にて成形されており、下向きに開口する断面略U字状の本体部24aと、ルーフ開口部12の縁部12aに当接するシール部24bとを一体的に有する。シール部材24は、樹脂パネル21及び取付部材23の両周縁端間で本体部24aの内部に前記取付部23cが全周に亘って圧入されることで取付部材23に固定されている。また、シール部24bは本体部24aの上端から下端にかけてルーフ開口部12の縁部12a側に湾出し、本体部24aの端面とシール部24bとの間には空間が存在する。そして、シール部24bはルーフ開口部12の縁部12aと水密的に接触する。
なお、取付部材23は、その幅方向両縁部において、下向きに延出する取付片23dを形成する(図3参照)。これら両取付片23dは、前記サンルーフ装置11の作動に係る機能部品(図示略)と車両用パネル13とを結合するためのものである。
また、補強部材22には、断面L字状のガーニッシュ25が装着されている。このガーニッシュ25は、リブ22b〜22dの車両幅方向全長に亘って延在して、リブ22bとリブ22c,22dとの間に形成される段差を目隠しする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、樹脂パネル21(車両用パネル13)は合成樹脂製の補強部材22によってその周縁が補強されているため、車両用パネルとしての面剛性を確保するとともに軽量化に対応する。つまり、車外側に位置するパネル部分(樹脂パネル21)と該パネル部分を補強する補強部分(補強部材22)とが合成樹脂製であるため、例えばパネル部分がガラス製であるものや、補強部分が金属製であるものに比べて軽量化される。また、補強部分を強度が必要とされる樹脂パネル21の周縁のみに固着することで、車両用パネル13の面剛性を確保しつつさらに軽量化が図られる。加えて、該固着のために要する製造工数の増大を抑制することができる。また、シール部材24は、樹脂パネル21や補強部材22に比べて熱膨張率(線膨張係数)の小さい鋼板からなる取付部材23に取り付けられる。従って、樹脂パネル21や補強部材22の環境温度変化による変形に伴う取付部23cの変位は抑制され、ひいては前記シール部材24の雨水等の水に対するシール性能の劣化を抑制することができる。すなわち、特許文献1に記載のようにシール部材24を樹脂パネル21の外縁端に直接取着した場合に比べてシール部材24の環境温度変化に伴う変位は小さいため、当該変位を考慮せずにシール代を小さく設定できる。つまり、シール部材24におけるシール性能を安定して得るためのシール代の設定が容易になる。
(2)本実施形態では、複数の係止突部32a〜32dを有する補強部材22は、係止突部32a〜32dが長孔33a〜33dに遊挿されプッシュナット34に抜け止めされることで取付部材23に固定される。そして、長孔33a〜33dに遊挿された複数の係止突部32a〜32dは、補強部材22(樹脂パネル21)の中心に向かう方向への変位、即ち環境温度変化により補強部材22等が変形する際の支配的な変位が許容される。従って、環境温度変化により補強部材22(樹脂パネル21)が変形し係止突部32a〜32dが変位しても、当該変位が長孔33a〜33dで吸収されることで、取付部材23ひいてはシール部材24への影響を緩和することができる。そして、シール部材24による雨水等の水に対するシール性能を安定して得ることができる。
(3)本実施形態では、複数の係止突部32a〜32dは、複数のスプリング35により補強部材22(樹脂パネル21)の中心に向かう互いに異なる二つの方向(中心線O1,O2方向)に付勢されることで、長孔33a〜33d内での係止突部32a〜32dのがたつきを抑制することができ、ひいては補強部材22(及び樹脂パネル21)に固定される取付部材23のがたつきを抑制することができる。
また、例えば車両用パネル13に対してスプリング35で耐えられないほどの大荷重が加わった際に長孔33a〜33dがその短手方向への係止突部32a〜32dの移動を規制することで、取付部材23と樹脂パネル21との相対移動を規制することができる。
(4)本実施形態では、樹脂パネル21の周縁部の補強を樹脂製の補強部材22で主として補強し、鋼板からなる取付部材23をシール部材24の取着し得る程度まで小型化したことで、車両用パネル13を全体として軽量化することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、樹脂パネル21の車内側面(下面)中央部にシート状の内部パネルを別設したことが第1の実施形態と大きく異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図8及び図9は、図2及び図3に相当する本実施形態に係る車両用パネル41の断面図である。同図に示されるように、この車両用パネル41は、前記樹脂パネル21の周縁部を除いた車内側面(下面)に接合された合成樹脂製の内部パネル42を備える。この内部パネル42は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは半透過のポリカーボネート樹脂で射出成形されており、樹脂パネル21の外形よりも縮小された矩形板状に成形されている。この内部パネル42は、樹脂パネル21と平行に高さ方向に並設された平板状の蓋壁部42a及び底壁部42bと、車両前後方向に間隔をおいてこれら蓋壁部42a及び底壁部42b間を連結する複数の内リブ42cとを一体的に有して中空構造をなしている。内リブ42cは、車両幅方向に延在している。そして、内部パネル42は、樹脂パネル21の下面に全面で接触する蓋壁部42aの上面において、これに塗布された接着剤(図示略)にて樹脂パネル21に接合されている。
なお、内部パネル42の周縁部は、底壁部42bがその周縁端に向かうに従い蓋壁部42aに近付くように斜めに折曲されており、該蓋壁部42aの先端部に重ねられる底壁部42bの先端部は、蓋壁部42aの先端部ともども断面略U字状の閉塞部材43に覆われている。この閉塞部材43は、蓋壁部42a及び底壁部42b間に形成される開口を閉塞するためのものである。
また、前記車両用パネル41は、内部パネル42の接合された樹脂パネル21の周縁に沿って該樹脂パネル21及び内部パネル42の車内側面(下面)に固着された枠部材としての合成樹脂製の補強部材44を備える。この補強部材44は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは材料着色の樹脂で内部パネル42の接合された樹脂パネル21に一体射出成形(二色成形)されており、該樹脂パネル21の周縁に沿って略四角リング状に成形されている。そして、補強部材44の内周縁部44aは、樹脂パネル21との間で内部パネル42の外周縁部を挟み込むように成形されている。補強部材44は、車両用パネル41の採光部を除く周縁部を着色して内装意匠を向上する機能に加えて、車両用パネル41(樹脂パネル21)の周縁部を補強する機能を備えている。補強部材44の成形時、前記閉塞部材43により樹脂パネル21に予め接合された内部パネル42内への溶融樹脂の浸入が防止される。
なお、補強部材44は、その内周縁側及び外周縁側に互いに平行に配置された略四角リング状のリブ51,52を一体的に有している。リブ51,52は下向きに突出しており、両リブ51,52に挟まれる空間の複数箇所に前記複数の係止突部32が突設されている。
さらに、前記車両用パネル41は、樹脂パネル21の周縁端に沿って補強部材44の車内側面(下面)に取着された鋼板からなる略四角リング状の取付部材45を備える。つまり、車両用パネル41は、樹脂パネル21、補強部材44及び取付部材45からなる積層構造(3層構造)となっている。この取付部材45は、前記複数の挿通孔33を有する。取付部材45は、リブ51,52の下面が当接するように係止突部32が挿通孔33に遊挿され、該挿通孔33から突出する係止突部32の先端部に、前記プッシュナット34が圧入されることで補強部材44に抜け止め・固定される。
なお、前記第1の実施形態と同様、各係止突部32は、挿通孔33の間に設定された遊びの範囲で該挿通孔33に対する相対移動(変位)が許容されている。これにより、補強部材44は、取付部材45に影響を及ぼすことなく、環境温度変化に伴う変形が許容される(図4参照)。
図10に係止突部32a及び長孔33a近傍の底面図を示したように、取付部材45には、両リブ51,52に挟まれる空間に収容される態様で付勢手段としての波線状のスプリング53が設置されている。このスプリング53は、長孔33aの短手方向(車両幅方向)に延在するように緩やかに曲成されている。スプリング53の両端末部は、取付部材45に形成された一対の係止片45a,45bに係止されており、係止突部32aに対向して湾出するその長手方向中央部で該係止突部32aの外周面と弾性的に接触する。これにより、スプリング53は、係止突部32aを車両後側に変位する側に付勢する。
なお、その他の係止突部32b〜32dの外周面も同様のスプリング53と弾性的に接触しており、環境温度に応じた係止突部32a及び長孔33a及びスプリング53の関係は、車両前後方向又は車両幅方向に置き換えることで同様である。従って、係止突部32a〜32dを付勢する複数(4つ)のスプリング53は、全体として係止突部32a〜32dを補強部材44(樹脂パネル21)の中心に向かう互いに異なる二つの方向に付勢する。これにより、長孔33a〜33d内での係止突部32a〜32dのがたつきが全体として抑制され、ひいては補強部材22(及び樹脂パネル21)に固定される取付部材23のがたつきが抑制される。
図8に示すように、前記取付部材45の外周縁部は、前記ルーフ開口部12の縁部12aに対向して取付部45cを形成する。そして、この取付部45cには、前記ルーフ開口部12の縁部12a全周に亘って密着する環状のシール部材46が取り付けられている。このシール部材46は、例えばゴム材にて成形されており、取付部45cに対応して横向きに開口する断面略U字状の本体部46aと、ルーフ開口部12の縁部12aに当接するシール部46bとを一体的に有する。シール部材46は、本体部46aの内部に前記取付部45cが全周に亘って圧入されることで取付部材45に固定されている。また、シール部24bは、前記第1の実施形態と同様、ルーフ開口部12の縁部12aと水密的に接触する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、樹脂パネル21に内部パネル42が接合されることで、樹脂パネル21を好適に補強して車両用パネル41全体としての強度(曲げ剛性)を更に向上することができる。また、中空構造(中空断面)の内部パネル42であることで、車両用パネル41全体としての質量増加を抑制することができる。換言すると、内部パネル42にて補強される平板状の樹脂パネル21を薄肉化することで、車両用パネル41を全体として軽量化することができる。
(2)本実施形態では、内部パネル42は、樹脂パネル21に当接する平面状の蓋壁部42aで樹脂パネル21に接合(接着)されるため、例えば平面視ハニカム状の縦壁で接合される場合に比べて接着剤の塗布作業性を向上することができる。
(3)本実施形態では、例えば過剰な負荷によって樹脂パネル21が破砕されても、該樹脂パネル21に接合された内部パネル42によって樹脂パネル21の破片から車室内を保護することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、第3の実施形態は、取付部材45の固定に係る係止突部を樹脂パネルに配設したことが第2の実施形態と大きく異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図11及び図12は、図2及び図3に相当する本実施形態に係る車両用パネル61の断面図である。同図に示されるように、この車両用パネル61は、車外側(上側)に位置する合成樹脂製の樹脂パネル62を備える。この樹脂パネル62は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは半透過性のポリカーボネート樹脂で射出成形されており、前記ルーフ開口部12の外形に合わせて矩形板状に成形されている。
樹脂パネル62は、車両前側の縁部に、車両前後方向に間隔をおいて車両幅方向に延在する複数(2つ)の突条形状のリブ62a,62bを一体的に有する。これらリブ62a,62bは、互いに同等の突出長を有して下向きに突出している。リブ62a,62bは、樹脂パネル62(車両用パネル13)の剛性(曲げ剛性)を向上する。また、樹脂パネル62は、車両後側の縁部にも同様の複数の突条形状のリブ(図示略)を一体的に有する。さらに、樹脂パネル62は、リブ62aよりも内側(樹脂パネル62の中心側)に、複数の柱状の接着凸座部62cを一体的に有する。これら接着凸座部62cは、樹脂パネル62に分散配置されており、互いに同等の突出長を有して下向きに突出している。
なお、樹脂パネル62は、その外周縁に沿う複数箇所に突設された複数の円筒状の台座部71を一体的に有するとともに、該台座部71中央に突設された複数の円柱状の係止突部72を一体的に有する。これら台座部71及び係止突部72は、互いに同心で下向きに突出しており、台座部71の突出長は係止突部72の突出長よりも短く設定されている。複数の係止突部72は、前記第1の実施形態に準じて、樹脂パネル62の外周縁に沿って規則的に配置されている(図4参照)。
また、樹脂パネル62は、その幅方向両縁部において、下向きに延出する取付片62dを形成する(図12参照)。これら両取付片62dは、前記サンルーフ装置11の作動に係る機能部品(図示略)と車両用パネル61とを結合するためのものである。
前記車両用パネル61は、前記樹脂パネル21の周縁部を除いた車内側面(下面)に接合された合成樹脂製の内部パネル63を備える。この内部パネル63は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは半透過のポリカーボネート樹脂からなるシート材を熱プレス加工にて立体形状に成形したもので、全体として樹脂パネル62の外形よりも縮小された矩形板状に成形されている。あるいは、若干量の伸縮が許容された軟質樹脂にて立体形状に成形した内部パネル63であってもよい。この内部パネル63は、前記リブ62a,62bの突出に合わせて下方に凹む凹部63aを有する。そして、内部パネル63は、各リブ62a,62bの下面及び各接着凸座部62cの下面に接触する上面において、これに塗布された接着剤(図示略)にて樹脂パネル62に接合されている。また、内部パネル63の凹部63aよりも外側は、樹脂パネル62に沿って折曲された先端部63bを形成している。内部パネル63は、樹脂パネル62の下面に接触する先端部63bの上面においても、これに塗布された接着剤74にて樹脂パネル62に接合されている。接着剤74は、例えば両面テープを使用した際の粘着剤からなる。このとき、樹脂パネル62は、接着凸座部62c等を介して内部パネル63との間に空間Sを形成するように該内部パネル63に連結される。
さらに、前記車両用パネル61は、内部パネル63の接合された樹脂パネル62の各台座部71周りを除く周縁に沿って該樹脂パネル62及び内部パネル63の車内側面(下面)に固着された枠部材としての合成樹脂製の補強部材64を備える。この補強部材64は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは材料着色の樹脂で内部パネル63の接合された樹脂パネル62に一体射出成形(二色成形)されており、該樹脂パネル62の周縁に沿って略四角リング状に成形されている。そして、補強部材64の内周縁部64aは、樹脂パネル62との間で内部パネル63の外周縁部を挟み込むように成形されている。補強部材64は、車両用パネル61の採光部を除く周縁部を着色して内装意匠を向上する機能に加えて、車両用パネル61(樹脂パネル62)の周縁部を補強する機能を備えている。
また、前記車両用パネル61は、樹脂パネル62の周縁端に沿ってその車内側面(下面)に取着された鋼板からなる略四角リング状の取付部材65を備える。この取付部材65は、前記複数の挿通孔33を有する。取付部材65は、前記第1の実施形態に準じて、台座部71の下面が当接するように係止突部72が挿通孔33に遊挿され、該挿通孔33から突出する係止突部72の先端部に、前記プッシュナット34が圧入されることで樹脂パネル62に抜け止め・固定される。
なお、前記第1の実施形態と同様、各係止突部72は、挿通孔33の間に設定された遊びの範囲で該挿通孔33に対する相対移動(変位)が許容されている。これにより、樹脂パネル62は、取付部材65に影響を及ぼすことなく、環境温度変化に伴う変形が許容される(図4参照)。また、取付部材65には、前記第1及び第2の実施形態に準じて、長孔33a〜33d(図4参照)内で係止突部72を付勢する複数(4つ)の付勢手段(スプリング)が設置されている。これにより、長孔33a〜33d内での係止突部72のがたつきが全体として抑制され、ひいては樹脂パネル62に固定される取付部材65のがたつきが抑制される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果及び前記第2の実施形態の(3)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、樹脂パネル62に内部パネル63が接合されることで、樹脂パネル62を好適に補強して車両用パネル61全体としての強度(曲げ剛性)を更に向上することができる。また、樹脂パネル62及び内部パネル63の間に空洞(空間S)が形成されることで、車両用パネル61全体としての質量増加を抑制することができる。換言すると、内部パネル63にて補強される平板状の樹脂パネル62を薄肉化することで、車両用パネル61を全体として軽量化することができる。
(2)本実施形態では、内部パネル63は、主として樹脂パネル62に点在する接着凸座部62cとの当接部で樹脂パネル62に接合(接着)されるため、例えば平面視ハニカム状の縦壁で接合される場合に比べて接着剤の塗布作業性を向上することができる。
(3)本実施形態では、リブ62a,62bの接合される凹部63a下面は、着色された補強部材64(内周縁部64a)に覆われて目隠しされることで、内装意匠を向上することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図13に示すように、前記第1の実施形態において、スプリング35に代えて、取付部材23に設置された波線状のスプリング81にて係止突部32a〜32dを付勢してもよい。
・図14に示すように、前記第2の実施形態において、内部パネル42に代えて、シート材からなる内部パネル82を樹脂パネル21に接合してもよい。この内部パネル82は、例えば熱可塑性樹脂、望ましくは半透過のポリカーボネート樹脂からなるシート材を熱プレス加工にて立体形状に成形したもので、全体として樹脂パネル21の外形よりも縮小された矩形板状に成形されている。あるいは、若干量の伸縮が許容された軟質樹脂にて立体形状に成形した内部パネル82であってもよい。この内部パネル82は、複数の柱状の接着凸座部82aを一体的に有する。これら接着凸座部82aは、樹脂パネル62に分散配置されており、互いに同等の突出長を有して上向きに突出している。そして、内部パネル82は、樹脂パネル21の下面に接触する接着凸座部82aの上面において、これに塗布された接着剤83にて樹脂パネル21に接合されている。また、内部パネル82の周縁部は、樹脂パネル21に沿って折曲された先端部82bを形成している。内部パネル82は、樹脂パネル21の下面に接触する先端部82bの上面においても、これに塗布された接着剤84にて樹脂パネル21に接合されている。接着剤84も、例えば両面テープを使用した際の粘着剤からなる。このとき、樹脂パネル21は、接着凸座部82a等を介して内部パネル82との間に空間S1を形成するように該内部パネル82に連結される。
・図15に示すように、長孔33a,33bに代えて係止突部32の外径よりも大きな内径の通常の円形孔(挿通孔33)としてもよい。この場合、長孔33c,33dに遊挿される一対の係止突部32c,32dのみに、各々を中心Oに向かう方向に付勢するためのスプリング35を配設する。従って、スプリング35に付勢される係止突部32c,32d(長孔33c,33d)は、中心Oに対してそれぞれが点対称となるように配置されている。このように変更することで、長孔32c,32dがその短手方向への係止突部32c,32dの移動を規制し、スプリング35が長孔32c,32dの長手方向への係止突部32c,32dの移動を規制することができる。そして、長孔32c,32d以外の挿通孔33で係止突部32と挿通孔33とに関与する累積交差、特に一対の係止突部32c,32dを結んだ直線(中心線O2)からの角度ずれの交差を吸収することができる。そのため、部品の製造誤差を考慮しつつ、係止突部32c,32d(樹脂パネル21)の移動を規制(がたつきを防止)することができる。
・前記第3の実施形態においては、補強用のリブ62a,62bを樹脂パネル62から内部パネル63(凹部63a)に向けて下向きに突設したが、これに代えて、同様のリブを内部パネル63(凹部63a)から樹脂パネル62に向けて上向きに突設してもよい。
・前記第2及び第3の実施形態において、内部パネル42,63を樹脂パネル又は補強部材に一体射出成形してもよい。
・前記第1〜第3の実施形態において、長孔33a〜33dを長孔33a〜33d以外の挿通孔33と同様に係止突部32の外径よりも大きな内径の円形孔としてもよい。この場合、スプリング(付勢手段)35,53,81の力の釣り合いにより樹脂パネル21,62を所定の位置に保持する構成としてもよい。
・スプリング35に代えて、例えばコイルスプリングを使用してもよい。
・前記各実施形態において、補強部材22,44,64を樹脂パネルに接着材を用いて接合してもよい。
・前記各実施形態においては、取付部材に設置された付勢手段(スプリング)にて樹脂パネル又は補強部材に設けられた係止突部等を付勢したが、係止突部等に設置された付勢手段にて取付部材を付勢してもよい。
本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図。 同実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す平面図。 同実施形態を破断して示す斜視図。 (a)(b)(c)は、同実施形態及びその動作を示す底面図。 車両ルーフを示す斜視図。 本発明の第2の実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す底面図。 本発明の第3の実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す断面図。 本発明の変形形態を破断して示す斜視図。 本発明の変形形態を示す断面図。 本発明の変形形態を示す平面図。
符号の説明
12…ルーフ開口部(車体の開口)、12a…縁部、13,41,61…車両用パネル、21,62…樹脂パネル、22,44,64…補強部材(枠部材)、23,45,65…取付部材、23c,45c…取付部、24,46…シール部材、32,32a〜32d,72…係止突部、33a〜33d…長孔(遊挿孔)、35,53,81…スプリング(付勢手段)。

Claims (3)

  1. 車体の開口に装着される車両用パネルにおいて、
    車外側に位置するとともに合成樹脂により構成される樹脂パネルと、
    前記樹脂パネルの周縁に沿って該樹脂パネルの車内側面に固着され、合成樹脂により構成される枠部材と、
    前記枠部材の固着された前記樹脂パネルの周縁に沿って前記枠部材の車内側面又は前記樹脂パネルの車内側面に遊びを有して取着され、前記開口の縁部側に取付部を有する鋼板からなる取付部材と、
    前記取付部に取り付けられ、前記開口の縁部に密着するシール部材と、
    前記樹脂パネルの周縁に沿う複数箇所で、前記樹脂パネル及び前記枠部材のいずれか一方に突設された複数の係止突部と、
    前記取付部材に形成されて、前記係止突部が遊挿される複数の遊挿孔と、
    前記遊挿孔に遊挿された前記係止突部を抜け止めする複数の抜け止め部材とを備え、
    前記遊挿孔は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への前記係止突部の移動を許容し、
    前記複数の係止突部を、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう互いに異なる少なくとも二つの方向に付勢する複数の付勢手段を備えたことを特徴とする車両用パネル。
  2. 請求項に記載の車両用パネルにおいて、
    前記付勢手段に付勢される前記係止突部が遊挿される前記遊挿孔は、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向を長手方向とする長孔であることを特徴とする車両用パネル。
  3. 車体の開口に装着される車両用パネルにおいて、
    車外側に位置するとともに合成樹脂により構成される樹脂パネルと、
    前記樹脂パネルの周縁に沿って該樹脂パネルの車内側面に固着され、合成樹脂により構成される枠部材と、
    前記枠部材の固着された前記樹脂パネルの周縁に沿って前記枠部材の車内側面又は前記樹脂パネルの車内側面に遊びを有して取着され、前記開口の縁部側に取付部を有する鋼板からなる取付部材と、
    前記取付部に取り付けられ、前記開口の縁部に密着するシール部材と、
    前記樹脂パネルの周縁に沿う複数箇所で、前記樹脂パネル及び前記枠部材のいずれか一方に突設された複数の係止突部と、
    前記取付部材に形成されて、前記係止突部が遊挿される複数の遊挿孔と、
    前記遊挿孔に遊挿された前記係止突部を抜け止めする複数の抜け止め部材とを備え、
    前記遊挿孔は、少なくとも前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向への前記係止突部の移動を許容し、
    前記複数の係止突部において少なくとも一対の係止突部は前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に対してそれぞれが点対称となるように配置され、
    少なくとも前記一対の係止突部を前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向に付勢する複数の付勢手段を備え、
    前記一対の係止突部が遊挿される前記遊挿孔は、前記樹脂パネル又は前記枠部材の中心に向かう方向を長手方向とする長孔であることを特徴とする車両用パネル。
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