図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な第1の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
表面移動部材たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100の本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、第2の像担持体としての中間転写体である転写体たる転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成された中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である用紙としての転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分である対向位置が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された第1の転写ローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDFシート、ポリイミド系樹脂が挙げられる。表面を構成するコート層の材質としては、平滑性の良好な、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
図2に示すように、転写ベルト11は、その縁部にそれぞれ、寄り止め部材としての寄り止めガイド11aを有している。寄り止めガイド11aは、転写ベルト11がA1方向に回転するときに、図1における紙面と垂直な何れかの方向に偏倚することを防止するために配設されている。寄り止めガイドは、ウレタンゴム製であるが、その他、シリコンゴムなど各種ゴム材料により構成することができる。
図1に示すように、画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた転写ユニットとしての中間転写ユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである書き込み装置たる露光装置としての光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしての給紙トレイであるシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着部である定着装置6と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKと、本体99の上側に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙トレイ17とを有している。
画像形成装置100はまた、2次転写装置5をクリーニングするクリーニング装置64と、2次転写装置5及びクリーニング装置64を支持し本体99に対して開閉する開閉部51と、本体99側から転写ベルトユニット10側に給電を行なうために電気的接点を構成するための給電手段81と、転写ベルトユニット10をはじめとする画像形成装置の各構成に対しての電源として機能する電源装置55とを有している。
画像形成装置100はまた、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成開始指示を行うための図示しないスタートスイッチ等を備え画像形成装置100の動作を指定することが可能となった図示しない操作パネルと、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む図示しない制御手段とを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33と、転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接しクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11に所定の張力を与えるためのテンションローラ75と、クリーニング対向ローラ74に対向する位置において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
図2に示すように、転写ベルトユニット10はまた、転写ベルト11の両側に配設され転写ベルトユニット10を本体99に着脱する際のガイドとなるガイド部材として機能するフレーム67と、各フレーム67にわたされるように配設され各フレーム67を連結する連結部材68と、連結部材68の、転写ベルト11と反対側に配設され、転写ベルトユニット10が本体99に装着されたときに本体99側からの給電を受けることが可能となる、給電手段81の一部を構成する被給電部82とを有している。なお、同図においては、駆動ローラ72、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75等の図示を省略している。
図3に示すように、転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ72を回転駆動する駆動系66と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。なお、他図における駆動系66の図示は省略している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、クリーニング対向ローラ74と張架ローラ33との間に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ33、クリーニング対向ローラ74は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。テンションローラ75は転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接することで上下方向において転写ベルト11が占める空間を小さくする機能を果たしている。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
クリーニング対向ローラ74は、テンションローラ75とともに、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
転写ベルトユニット10は、F1方向に移動することで本体99に装着されるようになっている。フレーム67は、転写ベルトユニット10が本体99に装着されるときに本体99に設けられた図示しないガイドレール部に当接してF1方向にスライドするスライダとして機能する。
転写ベルト11の寿命は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍となっている。転写ベルト11の寿命によりこれを交換する場合において、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKも寿命に達している場合には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKについても交換を行う。このように、転写ベルト11の寿命を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍とすることで、転写ベルト11と感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKとを同時に交換することが可能となり、メンテナンス性が向上する他、寿命に達した感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを放置した場合における感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの摩擦係数上昇に起因する転写率低下、中抜け画像の発生が抑制ないし防止される。
ただし、転写ベルト11の寿命を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍としなくとも、転写ベルト11の寿命によりこれを交換する場合において、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKが寿命に達している場合、あるいは寿命に近づいている場合に、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKについても交換を行うようにすれば、同様に、メンテナンス性の向上、転写率低下、中抜け画像の発生が抑制ないし防止されといった利点がある。
クリーニング装置13は、図1において転写ベルトユニット10の左方、具体的にはクリーニング対向ローラ74の左方に配設されている。クリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76と、クリーニングブレード76をその内部に収容したケース77とを有している。クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に配設されている。このシート給送装置61により、本体99の底部にペーパーバンク31が形成されている。
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3と、給紙ローラ3によって送り出された転写紙Sのうちの1枚のみを分離してさらに搬送する図示しない分離ローラとを有しており、給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。
2次転写装置5は、駆動ローラ72に対向して配置されている。2次転写装置5は、駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟むようにして配設された2次の転写ローラとしての2次転写ローラ65を有している。
2次転写装置5は、トナー像を転写された後の転写紙Sを定着装置6へとE1方向に搬送するシート搬送機能も有している。なお、2次転写装置5として、ベルト状の部材を採用した構成を用いても良いし、その他、非接触のチャージャを用いても良い。
クリーニング装置64は、2次転写ローラ65に当接したブレード状の部材を有し、2次転写ローラ65に付着した紙粉やトナー等の異物を除去し、2次転写ローラ65をクリーニングするようになっている。
開閉部51は、本体99に対して回動するときの回転中心となる軸52を有しており、2次転写装置5及びクリーニング装置64とともに本体99に対して開閉可能となっている。図4に示すように、開閉部51が本体99に対して開いた状態では、転写ベルトユニット10が本体99内の定位置に装着可能となる。なお、転写ベルトユニット10は、メンテナンス等のために本体99から離脱可能であり、転写ベルトユニット10を本体99から取り出すときも、開閉部51を本体99に対して開いた状態とし、本体99内部を開放する。
定着装置6は、2次転写装置5の上方に配設されている。定着装置6は、内部に熱源を有する定着ローラとしての加熱ローラ62と、加熱ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有している。
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを加熱ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に挟み込む態様で通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、後述する重合トナーであって、図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電手段としての除電装置78Y、78M、78C、78BKと、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKとを有している。
給電手段81は、上述のように転写ベルトユニット10に一体に備えられた被給電部82と、転写ベルトユニット10が本体99内の図1に示す定位置に装着されたときに、被給電部82と係合、具体的には当接し、被給電部82に電気的に接合して転写ベルトユニット10に給電を行なう給電部83とを有している。給電部83は、制御手段による制御のもと、電源装置55から電力供給を受けるようになっている。被給電部82は、給電部83に電気的に接合すると、給電部83からの給電を受けることが可能となる。
被給電部82は、転写ベルト11の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの対向位置と反対側の、転写ベルト11の上方の、転写ベルト11の外面に対向する位置に配設されている。
図2に示すように、被給電部82は、F1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部位置を占めている。具体的には、被給電部82は、F1方向における転写ベルトユニット10本体の上流側端部近傍の中途部であって、同方向におけるテンションローラ75と、駆動ローラ72との間に位置している。被給電部82は、給電部83に当接して電気的に接合する、給電部83との当接部としての複数の被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eを、F1方向に直行する方向であって転写ベルトユニット10本体に沿う方向、言い換えると転写ベルト11の幅方向であるG方向に沿って有している。
被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eはそれぞれ、図示しないハーネス等により駆動系66、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに結線されたSECC、SUS等によって形成された部材であって、駆動系66、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKへの給電を担う端子として機能する部分である。被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eは、G方向における転写ベルトユニット10本体の中心、言い換えるとG方向における転写ベルト11の中心に対称に位置している。
図1に示したように、給電部83は、転写ベルトユニット10が本体99内の定位置を占めた状態で、被給電部82に対向する位置を占めている。また、給電部83は、転写ベルトユニット10が本体99内の定位置を占めた状態で、転写ベルト11の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの対向位置と反対側の、転写ベルト11の上方の、転写ベルト11の外面に対向する位置を占めるとともに、F1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部位置を占めている。よって、給電手段81は、転写ベルトユニット10が本体99内の定位置を占めた状態で、転写ベルト11の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの対向位置と反対側の、転写ベルト11の上方の、転写ベルト11の外面に対向する位置を占めるとともに、F1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部位置を占めている。
また、被給電部82は、転写紙Sが定着装置6に進入するE1方向において、本体99に装着された転写ベルトユニット10本体と定着装置6とがそれぞれ本体99内において占める領域の間の位置を占めるようになっている。これに伴い、給電部83も転写紙Sが定着装置6に進入するE1方向において、本体99に装着された転写ベルトユニット10本体と定着装置6とがそれぞれ本体99内において占める領域の間の位置を占め、給電手段81は、転写紙Sが定着装置6に進入するE1方向において、本体99に装着された転写ベルトユニット10本体と定着装置6とがそれぞれ本体99内において占める領域の間の位置を占める。なお、電源装置55もかかる位置を占めている。
図5に示すように、給電部83は、転写ベルトユニット10が本体99内の定位置に装着された状態で被給電部82に当接して電気的に接合する、被給電部82との当接部としての複数の給電側当接部83a、83b、83c、83d、83eを有している。
給電側当接部83a、83b、83c、83d、83eはそれぞれ、転写ベルトユニット10が、F1方向に移動し本体99内の定位置に装着されるとき、あるいは本体99内の定位置に装着された状態で被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eに弾性的に当接する弾性体としての圧縮スプリングであるバネ84a、84b、84c、84d、84eを備えている。
給電部83は、バネ84a、84b、84c、84d、84eにおいて被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eに電気的に接触し、被給電部82に給電を行う。バネ84a、84b、84c、84d、84eはそれぞれ、SECC、SUS等によって形成された部材であって、被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eへの給電を担う端子として機能する部分となっている。バネ84a、84b、84c、84d、84eは弾性的に被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eに当接するため、電気的な接触が確実かつ安定して得られる。
電源装置55からの電力供給を給電側当接部83a、83b、83c、83d、83eの何れにどのようなタイミングで行うかは、制御手段によって制御される。なお、被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eに弾性的に当接する弾性体は、板バネ等の他の形状であってもよい。また、弾性体は、被給電部82側に設けても良い。
以上のような構成により、電気的な接点が転写ベルト11に対向する位置を占めるので、転写ベルトユニット10と本体99との電気的な接点は、G方向における転写ベルトユニット10の手前側あるいは奥側に位置することがなく、かかる接点を得るための画像形成装置100の奥行き方向のサイズの増加が防止される。また、比較的簡易な構成の給電手段により、転写ベルトユニット10を本体99に装着するとかかる接点が得られるため、転写ベルト10の装着の作業性が高く、部品点数も抑制されている。
また複数の電気的接点を備えているが、転写ベルトユニット10を本体99に装着するときにおけるF1方向への転写ベルトユニット10の移動、あるいは転写ベルトユニット10を本体99から離脱するときにおけるF1方向と逆の方向への転写ベルトユニット10の移動の過程で、被給電部82と給電部83とで、被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eと給電側当接部83a、83b、83c、83d、83eとが繰り返し接触することがなく、転写ベルトユニット10の着脱により給電手段81が劣化することも高度に抑制されている。
給電部83と被給電部82が当接すると、当接による応力が発生するが、給電側当接部83a、83b、83c、83d、83eと被給電側当接部82a、82b、82c、82d、82eとはG方向における転写ベルト11の中心に対称に位置しているため、かかる応力によって転写ベルトユニット10、さらには転写ベルト11にゆがみが生じて、転写ベルト11の走行に寄りが出る等の不具合が生じることが抑制され、高精度の画像形成に寄与する。
電気的な接点が転写ベルト11の上方に位置するため、かかる接点を得るためのF1方向における転写ベルトユニット11、画像形成装置100の大きさの増加が防止される。かかる接点を、転写ベルト11の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの対向位置と反対側に設けることで、かかる接点をかかる対向位置に設ける場合よりもスペースの確保の困難性が緩和されている。
また、一般的な画像形成装置と同様に、画像形成装置100でも、転写ベルトユニット10の上方のスペースには、トナーボトル9Y、9M、9C、9BK、排紙トレイ17が配設されており、かかる接点を設けるスペースを確保することが困難であるが、本形態では、かかる接点を、E1方向において、本体99に装着された転写ベルトユニット10本体と定着装置6とがそれぞれ本体99内において占める領域の間の位置に配設したため、かかる限られたスペースを高効率で利用している。かかるスペースは、テンションローラ75を転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接させ、上下方向における転写ベルト11のサイズを小さくすることによっても生み出されている。
さらに、かかる接点は、F1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部位置を占めている。かりに、被給電部82をF1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの比較的下流側に設けたとすると(たとえば、図7参照)、転写ベルトユニット10を本体99に装着するときに、被給電部82が本体99内の他の構成に衝突、接触等しないように、転写ベルトユニット10の進入経路を形成するための上下方向言い換えるとF1方向及びG方向に直行する方向における空間を、F1方向に沿って大きくとる必要が生じ得る。しかも、かかる空間は、転写ベルトユニット10を本体99に装着するときのみ必要であり、転写ベルトユニット10を本体99に装着した状態ではほぼ何の機能も果たさないこととなり得る。しかし、本形態のように、被給電部82を、F1方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部位置に配すると、被給電部82は、本体99への転写ベルトユニット10の装着作業の終了近くで本体99内に進入するため、被給電部82が他の構成に衝突、接触等しないようにするための空間は、本体99におけるF1方向上流側のみに形成すればよい。よって転写ベルトユニット10を本体99に装着した状態ではほぼ何の機能も果たさないこととなり得る空間は、なくなるか、僅かとなり、画像形成装置100の大型化が防止ないし抑制される。ここで、F1方向における上流側端部位置とは、かかる作用が発揮されれば、同方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側の限界位置に限らず、同方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側端部近傍であってもよいが、その趣旨から、同方向における上流側端に近いほど良く、同方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側の限界位置すなわち上流側端が最も好ましい。本形態では、テンションローラ75を転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接させ、上下方向における転写ベルト11のサイズを小さくすることによって、上述のスペースを生み出し、給電手段81をこのスペースに配置しているため、特に、画像形成装置100の大型化を防止ないし抑制しつつ、上述の、ほぼ何の機能も果たさないこととなり得る空間がなくなるか、僅かとなっている。
このような構成の画像形成装置100においては、スタートスイッチの押下等により画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKにおいてそれぞれ次の画像形成プロセスが実行されること等によって、画像形成が行われる。すなわち、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザー光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像されて顕像化され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61の給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込み、給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送されレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧の作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sは2次転写装置5およびA1方向に回転する転写ベルト11によってE1方向に搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において加熱ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置78Y、78M、78C、78BKによって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
図6、図7に、給電手段81の配置位置の変形例を示す。
図6に示す例では、給電手段81が、転写ベルト11の下方であって、転写ベルト11の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの対向位置と同じ側の位置を占めているが、このように、かかる対向位置側に給電手段81の配置スペースが確保される場合には、同図に示すように構成することが可能であり、図4に示した構成と同様の機能が発揮される。なおこの例では、図4に示した構成よりも、給電手段81が、F1方向上流側位置を占めるため、上述の、転写ベルトユニット10を本体99に装着した状態ではほぼ何の機能も果たさないこととなる空間が、さらに抑制されている。
図7に示す例では、給電手段81が、転写ベルト11のF1方向下流側の位置を占めているため、F1方向等での転写ベルトユニット10の大型化を招いているが、その余の点については図4に示した構成と同様の機能が発揮される。なお、図7に示す例では、給電手段81の配置位置の変更に伴い、クリーニング装置13の配置位置を変更しているが、このクリーニング装置13の配置位置は、E1方向において、本体99に装着された転写ベルトユニット10本体と定着装置6とがそれぞれ本体99内において占める領域の間の位置となっているため、かかる限られたスペースが高効率で利用されている。
なお、上述の説明では、F1方向における転写ベルトユニット10本体の上流側端部位置を、同方向における転写ベルトユニット10本体の存在範囲内のうちの上流側の限界位置及びこの近傍としたが、かかる上流側端部位置は、給電手段81の配設が可能であれば、給電手段81をF1方向に関して図7に示した場合と逆側、すなわち、同方向における転写ベルトユニット10本体あるいは転写ベルト11の存在範囲よりも上流側に配しても良い。この場合には、たとえば、給電部83を、開閉部51に設け、転写ベルトユニット10を本体99に装着した状態で開閉部51を閉じると、給電部83が被給電部82と電気的に接合し、給電手段81が形成されるよう構成する。ただし、この場合には、給電手段81が給紙路32の邪魔とならないようにする点に配慮する必要がある。
図4、図6、図7に示した何れの例においても、転写ベルトユニット10は、クリーニング装置13を含むものとすることが可能である。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、転写ユニットは、被給電部を転写体の外面に対向する位置に備えている構成等を採用しているのであれば、画像形成装置本体に対して、図1の紙面に交わる方向に着脱されるものであっても良い。なお、この場合も、被給電部は転写ユニットの装着方向における上流側端部位置、すなわち図1における手前側に配することが望ましく、また転写体の寄り防止等のために、複数の当接部は、図1でいうところの左右方向において、転写ユニット本体の中心に対称に配置することが望ましいなど、上述の構成で説明した好ましい構成を採用することが適している。
また、以上述べた形態においては、2成分現像剤を用いているが、現像剤は、1成分現像剤であってもよい。また、本発明は、画像形成装置100のようないわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができ、また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。
いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等に直接転写しても良い。すなわち、上述の転写ベルトユニット10に代わる構成として転写紙を搬送する転写ユニットを用いるとともに、上述の転写ベルト11に代わる構成として転写紙を搬送する転写体としての搬送ベルトを用い、搬送ベルトによって転写紙を搬送する過程で、転写紙にトナー像が転写される構成とすることが可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。