JP5282379B2 - 黒色樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents

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本発明は、黒色樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形体に関する。詳しくは、耐衝撃性、流動性、表面平滑性、滞留熱安定性に優れ、さらに深みと清澄感が高く、漆黒性に優れた、黒色樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形体に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などに優れていることから、汎用エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子・OA機器の筐体や部品、機械器具等の各種部品、自動車用内・外装部品、家具、楽器、雑貨類などの幅広い分野で使用されている。
一方、芳香族ポリカーボネート樹脂は溶融粘度が他の熱可塑性樹脂に比べて高い為に、成形加工性(流動性)が低いという課題がある。特に近年では、芳香族ポリカーボネート樹脂等を成形してなる樹脂成形体の薄肉化・大型化が進み、より一層、成形加工性の向上要求が高まってきている。また電気・電子・OA機器の筐体や自動車用内・外装部品、家具、楽器類では、高級感を出すために高発色性、特に深みと清澄感のある、漆塗りと同等の漆黒性をも、同時に求められてきている。
この様な諸々の要求に対しては、具体的には例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、着色剤としてカーボンブラックとともにプラスチック染料を混練した樹脂材料から成形された自動車用外装部品が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)2種以上のポリアルキル(メタ)アクリレートゴム状重合体から構成されるゴムのコアに1種以上の炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単量体をグラフト重合してなるコア−シェル弾性重合体、並びに(C)カーボンブラック0.0001〜10重量部からなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。
またポリカーボネート樹脂(A)と、芳香族ビニル単量体単位及びシアン化ビニル単量体単位を構成単位として含む共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂に、ゴム状重合体にビニル系単量体がグラフト重合されてなり、グラフト部を構成する重合体中に占める芳香族ビニル単量体単位の含有量が0.1〜29質量%であるグラフト共重合体(C)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献3参照)。更に特許文献3には該熱可塑性樹脂組成物にカーボンブラックを含有した実施例が記載されている。
一方、脂環族ポリエステルとポリカーボネートとシリコーンオイルからなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献4参照)。更に特許文献4には黒色顔料または染料を使用した場合に、漆黒性に優れた樹脂組成物が得られることが記載されている。
また特定のグラフト共重合体(A)、ビニル系共重合体(B)、及びポリカーボネート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂(C)に、二種以上の染料を調合した熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献5参照)。
特開平11−106518号公報 特開2003−96286号公報 特開2005−154559号公報 特開2004−210889号公報 特開2005−132970号公報
しかし特許文献1〜3に記載の樹脂成形体部品や樹脂組成物には、染料に比べて、不透明で隠蔽力の大きい顔料(カーボンブラック)を含んでおり、深みと清澄感のある漆黒性を発現させることは困難であった。
また特許文献4に記載の技術では、黒色顔料が染料に比べて不透明で隠蔽力が大きいので、黒の顔料を使用した場合は漆黒性に劣ってしまい、またシリコーンオイルが多い場合にはモールドデボジットが発生するばかりではなく、白味かがった色相となり、深みと清澄感のある、漆黒性に優れた樹脂組成物が得られないという問題があった。
そして特許文献5ではポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物の際、層状剥離やフローマークが発生し易くなり、外観の劣る樹脂成形体となる問題があった。
本発明は、上述した様な課題を解決し、耐衝撃性、流動性、表面平滑性、滞留熱安定性に優れ、且つ深みと清澄感が高く漆黒性に優れた、黒色樹脂組成物およびこれを成形してなる黒色樹脂成形体を提供することにある。
本発明者らは、上述した様な課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂とを主構成樹脂とする樹脂組成物において、着色剤として特定の染料、具体的にはアンスラキノン系染料等の、高耐熱性で、且つ長波長領域帯に広い光吸収帯を有する染料と、他の染料を併用した着色剤を用いた黒色染料を用いると、意外にも耐衝撃性、流動性、表面平滑性、滞留熱安定性に優れるばかりでなく、且つ深みと清澄感が高く、漆黒性に優れるという、多くの効果を同時に奏する、物性バランスが非常に優れた樹脂組成物となることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)1〜99重量部、及び脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜99重量部の合計100重量部に対して、少なくともアンスラキノン系染料とメチン系染料とを含む2種類以上の染料からなる着色剤(C)を0.05〜1重量部含有してなる黒色樹脂組成物であって、日本工業規格JIS K−7105に準拠した3mm厚の平板状樹脂成形体とした際のL値が6.12以下であることを特徴とする黒色樹脂組成物、及びこれを成形してなる樹脂成形体に関する。
本発明により、耐衝撃性、流動性、表面平滑性、滞留熱安定性に優れ、且つ深みと清澄感が高く、漆黒性に優れた黒色樹脂組成物、及びこれを成形してなる樹脂成形体が得られる。特にその表面において高級感を必要とされる様々な樹脂成形体への応用が期待され、具体的には例えば、自動車内外装部品や、高級感が必要とされる各種家具・調度や家電製品等の電気・電子機器製品の外装部品等への応用が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよいことを示す。
先ず、本発明に用いる必須成分ならびに任意成分について説明する。
<芳香族ポリカーボネート樹脂(A)>
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、原料として芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを用いて、また更にはこれらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物を用いて重縮合反応して得られる、直鎖または分岐の熱可塑性重合体、または共重合体である。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が挙げられる。
また、上記以外の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中では、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に、得られるポリカーボネート樹脂の耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。尚、芳香族ポリカーボネート樹脂の原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物を2種類以上併用してもよい。
前記のカーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、その具体例としては、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体は2種類以上を併用してもよい。
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐芳香族ポリカーボネート樹脂でもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。
これらの中でも1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することが出来、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、通常0.01〜10モル%であり、中でも0.1〜2モル%であることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などが挙げられる。工業的には、界面重合法または溶融エステル交換法が有利であり、以下、この二つの方法の代表例について説明する。
界面重合法による反応は、例えば、次の様に行うことが出来る。先ず、反応に不活性な有機溶媒とアルカリ水溶液の存在下、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させる。この際、必要に応じ、反応系内に分子量調整剤(末端停止剤)や芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止剤を存在させることが出来る。次いで、第三級アミン、第四級アンモニウム塩などの重合触媒を添加し、界面重合を行う。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。また、アルカリ水溶液の調製に使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、その具体例としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対し、通常0.5〜50モル、好ましくは1〜30モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
ホスゲン化反応の温度は通常0〜40℃、反応時間は数分(例えば10分。)ないし数時間(例えば6時間。)である。また、分子量調節剤の添加時期は、ホスゲン化反応以降、重合反応開始時迄の間において、適宜に選択することが出来る。
溶融エステル交換法による反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応により行う。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、
ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が挙げられる。これらの中では、ジフェニルカーボネート又は置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
一般に、溶融エステル交換法においてはエステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。エステル交換反応の温度は通常100〜320℃である。そして引き続き行われる溶融重縮合反応は、最終的には2mmHg以下の減圧下において、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら行われる。
溶融重縮合は、バッチ式または連続式の何れの方法でも行うことが出来るが、連続式で行うことが好ましい。溶融エステル交換法に使用する触媒失活剤としては、当該エステル交換反応触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。触媒失活剤の使用量(添加量)は、当該触媒が含有するアルカリまたはアルカリ土類金属に対し、通常0.5〜10当量、好ましくは1〜5当量であり、芳香族ポリカーボネート樹脂に対し、通常1〜100ppm、好ましくは1〜20ppmである。
また、樹脂の熱安定性、加水分解安定性、色調などに大きな影響を及ぼす芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基量は、従来公知の任意の方法によって適宜調整することが出来る。溶融エステル交換法の場合は、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率や溶融重縮合反応時の減圧度を調整することにより、所望の分子量および末端水酸基量の芳香族ポリカーボネートを得ることが出来る。溶融エステル交換法の場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対する、炭酸ジエステルの割合は、通常、等モル量以上、好ましくは1.01〜1.30モルである。末端水酸基量の積極的な調整方法としては、反応時に、別途、末端停止剤を添加する方法が挙げられる。末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]として、機械的強度と流動性(成形加工性容易性)の観点から、通常10000〜50000、好ましくは12000〜40000であり、更に好ましくは14000〜30000である。また、粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。更に、必要に応じ、粘度平均分子量が上記の適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を使用し、温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式:η=1.23×10−4M0.83の式から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0005282379
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下である。また、そ
の下限は、特にエステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂では、10ppm、好ましくは30ppm、更に好ましくは40ppmである。末端水酸基濃度を10ppm以上の範囲にすることにより、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また、末端基水酸基濃度を1000ppmを超えない範囲にすることにより、樹脂組成物の滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にある。
上記の末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1500〜9500、好ましくは2000〜9000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂に対し、通常30重量%以下である。
更に、本発明においては、芳香族ポリカーボネート樹脂として、バージン樹脂だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、所謂マテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防などの車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板などの建築部材が挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂の使用割合は、バージン樹脂に対し、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
<脂環式ポリエステル樹脂(B)>
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分と、必要に応じて他の少量の成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させて得られる。上記のジカルボン酸成分は脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とし、上記のジオール成分は脂環式ジオールを主成分とする。ここで、「主成分」とは、ジカルボン酸成分またはジオール成分に対し、それぞれ、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上であることを意味する。脂環式ジカルボン酸(またはそのエステル形成性誘導体)及び脂環式ジオールが80モル%未満の場合は、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が劣って透明性が悪化し、更に耐熱性が劣る。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらの中では、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が更に好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を使用する場合、そのトランス体とシス体との比率は通常、トランス体の方が多いと、得られる脂環式ポリエステル樹脂の耐熱性が高められるので好ましく、具体的には例えば80/20〜100/0であり、中でも85/15〜100/0、更には90/10〜100/0であることが好ましい。
本発明において使用し得るその他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。具体的には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、これらの炭素数1〜4のアルキルエステル若しくはハロゲン化物などが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、得られるポリエステル樹脂の耐熱性の観点から、5員環または6員環の脂環式ジオールが好適である。斯かる脂環式ジオールの具体例としては、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール等が挙げられる。
これらの中では、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールが更に好ましい。1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基がパラ位にあるため反応性が高くて高重合度ポリエステルが得やすく、高いガラス転移温度のポリエステル樹脂が得られ、工業生産品であり入手が容易であるという利点がある。1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率は通常トランス体の方が多いことが好ましく、具体的には例えば、60/40〜100/0である。
本発明に用いる、その他のジオール成分としては、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸などの芳香族ジオール等が挙げられる。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂は、前記のジオール成分およびジカルボン酸成分以外に少量の共重合成分を含んでいてもよい。共重合成分としては、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分等が挙げられる。これらの成分は脂環式ポリエステル樹脂中10モル%以下の割合で使用される。
エステル化反応またはエステル交換反応におけるジカルボン酸成分とジオール成分との使用比率は次の通りである。すなわち、ジオール成分の合計量は、ジカルボン酸成分の合計量に対し、通常1〜2倍モル比である。特に、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール等の高沸点のものを主成分とする場合は、1〜1.2倍モル比である。
エステル化またはエステル交換反応および重縮合反応においては、十分な反応速度を得
るために触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、通常のエステル化またはエステル交換反応に使用されている触媒であれば特に限定されず、広く公知のものを採用することが出来る。具体的には、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、スズ化合物などが挙げられる。
これらの中でも、エステル化またはエステル交換反応に続いて行われる重縮合反応の両反応において活性が高いことから、チタン化合物が好ましい。チタン化合物としては、具体的には例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、これらの有機チタネートの加水分解物などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。また必要に応じて、マグネシウム化合物やリン化合物等を併用してもよい。触媒の使用量は適宜選択して決定すればよいが、生成する脂環式ポリエステル樹脂に対して通常、1〜2000ppmであり、中でも10〜1000ppmであることが好ましい。
脂環式ポリエステル樹脂の固有粘度は、機械的強度および流動性の観点から、通常0.4〜1.5dl/gであり、中でも0.5〜1.3dl/gであることが好ましい。更に、得られたポリエステル樹脂は必要に応じて固相重合を行いより固有粘度の高いものとしてもよい。ここで、固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒としてウベローデ型粘度計を使用して30℃で測定することにより求められる。
脂環式ポリエステル樹脂の末端カルボン酸濃度は、通常50eq/t以下、好ましくは30eq/t以下、更に好ましくは20eq/t以下である。末端カルボン酸濃度が高すぎる場合は、加水分解性(耐湿熱性)が低下する。
脂環式ポリエステル樹脂の融点は、例えば、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ポリエステル樹脂の場合、通常200〜250℃、好ましくは210〜230℃、更に好ましくは215〜230℃である。
<着色剤(C)>
本発明においては、上述した特定の樹脂成分合計100重量部に対して、少なくともアンスラキノン系染料を含む2種類以上の染料からなる着色剤(C)を0.05〜1重量部用いることを特徴とする。2種以上の染料の組合せからなる着色剤(C)を構成する染料においては、アンスラキノン系の他のものとして、ペリノン系、ペリレン系、アゾ系、メチン系、キノリン系等の染料が挙げられる。
この様に染料を組み合わせて使用することで、特に深みと清澄感が高く、漆黒性に優れる黒色樹脂組成物を得ることが出来る。着色剤(C)を構成する染料は、アンスラキノン系染料を含めば任意のものを使用でき、特に制限されないが、具体的には次のような染料が例示される。
アンスラキノン系染料としては、Solvent Red 52、Solvent Red 111、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 151、Solvent Red 168、Solvent Red 191、Solvent Red 207、Disperse Red 22、Disperse Red 60、Disperse Violet 31、Solvent Blue 35、Solvent Blue 36、Solvent Blue 63、Solvent Blue 78、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Green 3、Solvent Green 20、Solve
nt Green 28、Disperse Violet 28、Solvent Violet 13、Solvent Violet 14、Solvent Violet 36等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
ペリノン系染料としては、Solvent Orange 60、Solvent Orange 78、Solvent Orange90、 Solvent Violet 29、Solvent Red 135、Solvent Red162、Solvent Red 179等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
ペリレン系染料としては、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Orange 55、Vat Red15、Vat Orange7、F Orange240、F Red305、F Red339、F Yellow83等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
アゾ系染料としては、Solvent Yellow 14、Solvent Yellow 16、Solvent Yellow 21、Solvent Yellow 61、Solvent Yellow 81、Solvent Red 23、Solvent Red 24、Solvent Red 27、Solvent Red 8、Solvent Red 83、Solvent Red 84、Solvent Red 121、Solvent Red 132、Solvent Violet21、Solvent Black 21、 Solvent Black 23、Solvent Black 27、Solvent Black 28、Solvent Black 31、Solvent Orange37、 Solvent Orange 40、 Solvent Orange 45等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
メチン系染料としては、Solvent Orange 80、Solvent Yellow 93等のカラーインデックスで市販されている染料が、またキノリン系染料としては、Solvent Yellow 33、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 157、Disperse Yellow 54、Disperse Yellow 160等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
本発明に用いる着色剤(C)としては、中でもアンスラキノン系染料と、メチン系染料とを用い、中でもアンスラキノン系染料としては、紫、青、緑等の濃色系染料を、そしてメチン系染料としては黄色等の明色系染料を用いることで、深みと清澄感が高く、漆黒性に優れる黒色樹脂組成物が得られるので好ましい。
<耐衝撃性改良剤(D)>
本発明の黒色樹脂組成物には、更に耐衝撃性改良剤(D)を含むことが好ましい。耐衝撃性改良剤(D)としては種々のエラストマー類が使用できるが、耐衝撃性、熱安定性、漆黒性などの観点から、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなり、共役ジエン成分の一部をエポキシ化した変性ブロック共重合体(d1)であることが好ましく、中でもエポキシ変性SEBS(d2)であることが好ましい。
本発明に用いる変性ブロック共重合体(d1)は、ジエン系ブロック共重合体またはその部分水添物をエポキシ化したものであり、具体的には例えば、特開2001−19836号公報等に記載されたものが挙げられる。該ジエン系ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クとからなるブロック共重合体であり、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の重量比(ブロック共重合体の重量比)は、通常5/95〜85/15であり、中でも60/40〜85/15であることが好ましい。
ブロック共重合体の数平均分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常5000〜1000000、中でも10000〜800000が好ましい。分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:(Mw/Mn))は、通常10以下である。ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれら任意の組合せのいずれであってもよい。例えばX−Y−X、Y−X−Y−X、(X−Y−)4Si、X−Y−X−Y−X、等の構造を有するビニル芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエン化合物(Y)ブロック共重合体が挙げられる。更にジエン系ブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、部分的に水素添加されていてもよい。
ジエン系ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、具体的には例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピぺリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
ブロック共重合体の製造方法は任意であり、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を製造する方法が挙げられる。更に不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加し、部分的に水添したブロック共重合体を製造する方法も挙げられる。この様にして得られたジエン系ブロック共重合体をエポキシ化することにより、エポキシ変性ブロック共重合体(d1)を得ることができる。
変性ブロック共重合体(d1)は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができる。ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得ることができる。
エポキシ化剤の量に制限はなく、用いるエポキシ化剤や、所望のエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体等により、適宜選択して決定すればよい。得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単離は従来公知の任意の方法、具体的には例えば、貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法等で行えばよい。エポキシ化(水添)ジエン系ブロック共重合体のエポキシ当量は、好ましくは320〜8000の範囲である。このような変性ブロック共重合体(d1)としては、ダイセル化学工業社製 エポフレンド/AT501やエポフレンド/AT504が挙げられる。
<有機リン酸エステル金属塩(E)>
本発明に用いる有機リン酸エステル金属塩は、下記一般式(1)〜(4)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれた少なくとも一種である。以下、これら一般式で表される有機リン酸エステル金属塩を、順に、(E1成分)〜(E4成分)ということがある。
Figure 0005282379
(一般式(1)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
Figure 0005282379
(一般式(2)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
Figure 0005282379
(一般式(3)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
Figure 0005282379
(一般式(4)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(1)〜(4)中、R〜R14は、好ましくは、それぞれ、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、更に好ましくは、それぞれ、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基またはトリル基である。
本発明においては、漆黒性をより向上させる観点から、R〜R14は各々、炭素数2〜25のアルキル基であることが好ましく、具体的にはオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が、より好ましい。一般式(1)〜(2)中、Mは好ましくは亜鉛である。また一般式(3)〜(4)中、M’は、好ましくはアルミニウムである。
また本発明に用いるE成分としては、E1成分〜E4成分のうち、2種類以上を併用してもよく、中でも一般式(1)〜(4)で表される有機リン酸エステル金属塩の中でも、一般式(1)及び/又は(2)で表される有機リン酸エステル金属塩を用いることが好ましい。上記一般式(1)及び(2)中、中でもMは亜鉛であることが好ましい。また一般式(1)及び(2)中、R〜Rは各々炭素数2〜25のアルキル基であることが好ましい。E1成分とE2成分の比は、重量部比で1/9〜9/1であることが好ましい。
特に好ましい有機リン酸エステル金属塩としては、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートの亜鉛塩と、ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートのアルミニウム塩とジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の混合物が挙げられる。斯かる好ましい有機リン酸エステル金属塩は、堺化学工業製「LBT−1830」や「LBT−1813」、城北化学工業製「JP−518Zn」として市販されている。
<リン系化合物(F)>
本発明に用いるリン系化合物は、下記一般式(5)で表されるリン酸エステル、下記一般式(6)で表される亜リン酸エステル及び下記一般式(7)で表されるホスホナイトから成る群より選ばれた少なくとも一種である。以下、リン酸エステルを(F1成分)、亜リン酸エステルを(F2成分)、ホスホナイト化合物を(F3成分)ということがある。
Figure 0005282379
(一般式(5)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
Figure 0005282379
(一般式(6)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0005282379
(一般式(7)中、Rはアリール基またはアリーレン基、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
<リン酸エステル(F1成分)>
一般式(5)中、Rは、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル基である。
中でも漆黒性をより向上させる点で、下記一般式(I−I)で表されるリン酸エステルが好ましい。
Figure 0005282379
一般式(I−I)中、R’’は炭素数2〜25のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。n’は1または2である。ここで、アルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
<亜リン酸エステル(F2成分)>
前記の一般式(6)中、R’がアルキル基である場合、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、R’がアリール基である場合、炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
亜リン酸エステルの具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
上記の中で、好ましい亜リン酸エステルは、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトであり、更に好ましくは、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトである。
<ホスホナイト化合物(F3成分)>
ホスホナイト化合物の具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3,4−トリメチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3−ジメチル−5−エチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチル−5−エチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,3,4−トリ−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
これらの中でもテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが好ましい。
本発明において、リン系化合物(F)は、2種類以上を併用しててもよい。漆黒性および滞留熱安定性の観点からは、亜リン酸エステル(F2成分)及び/又はホスホナイト化合物(F3成分)が好ましく、特に亜リン酸エステル(F2成分)が好ましい。
<酸化防止剤>
本発明では任意成分として酸化防止剤を使用することが出来る。好ましい酸化防止剤はヒンダードフェノール系酸化防止剤である。その具体例としては、ペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
中でもペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これら2つのフェノール系酸化防止剤は、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社より、「イルガノックス1010」及び「イルガノックス1076」の名称で市販されている。
<離型剤>
本発明においては任意成分として離型剤を使用することが出来る。中でも脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、脂肪族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価、2価または3価カルボン酸が挙げられる。ここで脂肪族カルボン酸とは脂環式のカルボン酸をも含む。脂肪族カルボン酸としては、炭素数6〜36の1価又は2価カルボン酸が好ましく、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が更に好ましい。脂肪族カルボン酸としては、具体的には例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては上記の脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。また、この脂肪族カルボン酸と反応しエステルを形成するアルコールとしては、飽和または不飽和の1価アルコールおよび飽和または不飽和の多価アルコール等が挙げられる。
これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。中でも炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが、特に炭素数30以下の脂肪族飽和の1価又は多価アルコールが好ましく、アルコールは脂環式化合物でもよい。
これらアルコールは、具体的には例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール
、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸および/またはアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
このエステル化合物の具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで、脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素を含む。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。
<他の樹脂>
本発明においては、任意成分としてポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等)ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの他の樹脂を用いてもよい。
<その他の添加剤>
本発明においては、上記成分以外に他の樹脂および各種樹脂添加剤を使用することが出来る。例えば、各種樹脂添加剤としては、難燃剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤、フィラー・充填材などが挙げられる。
次に、本発明の黒色樹脂組成物の各成分の含有量について説明する。本発明の黒色樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)1〜99重量部、及び脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜99重量部の合計100重量部に対して、少なくともアンスラキノン系染料を含む2種類以上の染料からなる着色剤(C)を0.05〜1重量部含有してなる黒色樹脂組成物である。
中でも好ましくは、上述の黒色樹脂組成物に対して更に、A成分とB成分の合計100重量部に対して耐衝撃性改良剤(D)を0.1〜30重量部含有してなる黒色樹脂組成物である。特に好ましくは、A成分とB成分の合計100重量部に対して更に、リン系化合物を0.001〜1重量部を含有してなる、黒色樹脂組成物である。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と脂環式ポリエステル樹脂(B)の含有割合[(A):(B)重量比]は、30:70〜95:5であることが好ましく、更には50:50〜90:10、中でも60:40〜90:10、特に70:30〜90:10であることが好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の割合が少な過ぎると耐熱性や耐衝撃性が低下したり、逆に多すぎても、流動性や耐薬品性が低下する場合がある。
2種以上の染料の組合せからなる着色剤(C)の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、0.05〜1重量部であり、好ましくは0.08〜0.8重量
部である。(C)の含有量が少なすぎる場合、深みと清澄感が高い漆黒性が得られないことがあり、多すぎる場合、熱安定性が低下することがある。
本発明の黒色樹脂組成物における耐衝撃性改良剤(D)の含有量は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.1〜30重量部であり、中でも0.5〜20重量部、特に1〜15重量部であることが好ましい。この(D)の含有量が少なすぎると耐衝撃性の改良効果が小さく、逆に多すぎても耐熱性や剛性が低下することがある。
有機リン酸エステル金属塩(E)や、リン系化合物(F)の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、中でも各々、0.003〜0.3重量部、特に各々、0.005〜0.09重量部であることが好ましい。これら有機リン酸エステル金属塩(E)やリン系化合物(F)の含有量が少なすぎると熱安定性が低下したり、逆に多過ぎても耐衝撃性や滞留熱安定性が低下することがある。
前述のフェノール系酸化防止剤を用いる際の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、通常0.01〜1重量部である。フェノール系酸化防止剤の含有量が少な過ぎると効果が不十分であり、逆に多過ぎても、添加量に見合う効果の向上が期待できないばかりか、モールドデボジット等が発生することがある。
前述の離型剤を用いる際の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、通常0.01〜1重量部である。離型剤の含有量が少な過ぎると効果が不十分であり、逆に多過ぎても、添加量に見合う効果の向上が期待できないばかりか、耐加水分解性の低下やモールドデボジット等が発生することがある。
本発明の樹脂組成物は、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を使用し、前述の各成分を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等で溶融混練して製造することができる。
また、着色剤(C)と芳香族ポリカーボネート樹脂の粉末を均一に混合して、粉末状の着色マスター組成物を作り、この着色マスター組成物と、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、脂環式ポリエステル樹脂(B)及びその他の成分を混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等で溶融混練することによって製造することもできる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形、インジェクションブロー成形、押出成形またはブロー成形などの方法により成形できる。更に、押出成形されたフィルム又はシート状成形品から、真空成形、圧空成形などにより目的の成形品と得ることも出来る。
中でも本発明の黒色樹脂組成物は、日本工業規格JIS K−7105に準拠した平板状樹脂成形体とした際のL値が10以下であることが好ましく、中でも6以下、特に5以下であることが好ましい。本発明においてL値とは、上述のJIS K−7105に準じて平板状樹脂成形体(90mm×50mm×3mm厚)を用い、分光式色彩計等により、反射法にて測定した値を示す。
本発明の黒色樹脂組成物において、そのL値を10以下とするためには、樹脂成分に対して、少なくともアンスラキノン系染料を含む2種類以上の染料からなる着色剤(C)を、特定少量、具体的には芳香族ポリカーボネート樹脂(A)1〜99重量部、及び脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜99重量部の合計100重量部に対して0.05〜1重量部用いればよく、中でも2種以上のアンスラキノン系染料を用いることが好ましい。
また上述した通り、各種添加剤に於いても、漆黒性を向上させる(L値が低下する)ものを選択することが好ましく、特にリン系化合物(F)として亜リン酸エステル(F2成分)を用いることが好ましい。また耐衝撃性改良剤(D)を用いる際には、エポキシ変性SEBS(d2)を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の諸例で使用した原材料は次の通りである。以下の諸例において、含有量は重量部を意味する。
<芳香族ポリカーボネート樹脂(A)成分>
PC−1:ビスフェノール型芳香族ポリカーボネート 三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)S−3000FN、平均分子量22500
PC−2:ビスフェノール型芳香族ポリカーボネート 三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)H−4000FN、平均分子量1550
<脂環式ポリエステル樹脂(B)成分>
PCC−1:下記の製造例1に記載の脂環式ポリエステル樹脂 固有粘度0.666dl/g、末端カルボン酸濃度5.1eq/g
<着色剤(C)成分>
C−1:アンスラキノン系紫色染料 バイエル社製、 Macrolex Violet
3R
C−2:アンスラキノン系青色染料 三菱化学社製、 Diaregin Blue H3G
C−3:アンスラキノン系緑色染料 有本化学工業社製 Oil Green 5602
C−4:メチン系黄色染料 バイエル社製 Macrolex Yellow 6G
c−1:カーボンブラック 三菱化学社製 #800
<耐衝撃性改良剤(D)成分>
SEBS−1:エポキシ変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体
ダイセル化学工業社製エポフレンドAT−501 スチレン含有量40重量%
MBS−1:メチルメタクリレートブタジエンスチレン共重合体 ローム&ハース社製 KCZ201
ABS−1:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンエラストマー 日本エイアンドエル社製 サンタックAT−08
<有機リン酸エステル金属塩(E)成分>
E−1:モノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物 堺化学工業社製 LBT−1830
E−2:モノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物、城北化学工業社製、「JP−518Zn」
<リン系化合物(F)成分>
F−1:O=P(OH)n’(OC18373−n’ (n’=1及び2の混合物)で表されるリン酸エステル 旭電化工業社製 アデカスタブ AX−71
F−2:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト 旭電化工業社製 アデカスタブ PEP−24G
F−3:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト 旭電化工業社製 アデカスタブ PEP−36
<上記E、F成分以外のリン化合物>
G−1:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト 旭電化工業社製 アデカスタブ2112
G−2:亜リン酸、和光純薬社製
製造例1:
攪拌機、留出管、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を有する容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)87.5重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。
反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、さらに150℃から200℃まで1時間かけて昇温した。次いで、200℃で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を250℃に保って、重縮合反応を4.2時間行った。
重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。固有粘度および末端カルボン酸濃度は各々、0.666dl/g、5.1eq/gであった。尚、これらの物性測定方法は後述する。
<固有粘度の測定方法>
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、試料約0.25gを濃度が約1.00g/dLとなる様に溶解させ濃度C(g/dL)を算出する。この溶液を、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(センテック社製「2CH型DJ504」)にて、試料溶液の落下秒数(t)及び溶媒のみの落下秒数(t0)を測定し、下式により算出した。
Figure 0005282379
上記の式において、「ηsp=t/t0−1」であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
<末端カルボン酸濃度(AV)の測定方法>
試験管にペレット0.4gを採取し、ベンジルアルコール25mlに加え、195±3℃に設定したオイルバス中で7〜9分間加熱し溶解する。得られた溶解溶液を、常温まで放冷し、エチルアルコール2mlを加え、自動滴定装置(東亜ディケーケー社製、形式:AUT−501)によって、複合pH電極を使用し、0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液で滴定した。
なお、0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液は、JIS K8006に準拠して調製、標定を行い、ファクターを算出した。得られた滴定曲線の変曲点から滴定量を求め、次式に基づいて、AVを算出した。
Figure 0005282379
上記式においてAは測定滴定量(ml)、Bはブランク滴定量(ml)、Fは0.01規定の水酸化ナトリウム・ベンジルアルコール溶液力価、Wはペレット重量を示す。
(実施例1〜6及び比較例1〜3)
表1に示す割合にて各成分をタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30XCT」、L/D=42、バレル数12)を使用し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数200rpmにてバレル1より押出機にフィードし溶融混練させ樹脂組成物のペレットを作製した。
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4時間以上乾燥した後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ型」)を使用し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、ASTM試験片(3.2mm厚のノッチ付き試験片)及び平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚)を作製した。また、平板状成形品およびIzod試験片については、滞留成形を1サイクル5分で成形を行い、それぞれ5ショット目以降の滞留成形品について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)明度(L値):
JIS K−7105に準じ、上記で作製した平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚)を使用し、日本電色工業社製、SE2000型分光式色彩計で、反射法により測定した。L値が小さいほど漆黒性に優れており、L値が大きくなると、白っぽく見える。
(2)反射率:
上記で作製した平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚)を使用し、島津製作所製のU−3100PC型分光光度計を使用して、波長域300〜800nmの光線反射率を測定した結果の、450nmおよび550nmにおける反射率を示した。反射率が小さいほど、漆黒性に優れている。
(3)表面平滑性
上記で作製した平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚)を使用し、表面平滑性(成形品表面の光沢具合)を目視で観察した。評価は、比較例1の表面平滑性を標準とし、これと同程度のものを記号△で示し、これより著しく優れたものを◎、優れたものを○、劣るものを×で示した。
(4)流動性(Q値):
高荷式フローテスターを使用し、280℃、荷重160kgf/cm2の条件下で樹脂組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:cc/s)を測定し、流動性を評価した。
なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。Q値が高いほど、流動性に優れている。
(5)耐衝撃性(Izod衝撃強度):
ASTM D256に準拠し、上記で作製したASTM試験片(3.2mm厚のノッチ付き試験片)を用い、23℃にてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
(6)滞留熱安定性:
(a)表面外観:
上記で作製した平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚)の表面外観を目視にて観察し、シルバーストリークによる肌荒れのないものを○、シルバーストリークによる肌荒れの若干あるものを△として評価した。
(b)耐衝撃性(Izod衝撃強度):
上記で作製したASTM試験片(3.2mm厚のノッチ付き試験片)についてASTM
D256に準拠し、23℃においてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
Figure 0005282379
表1から明らかな通り、本発明の黒色樹脂組成物は、L値、反射率共に低い、優れた漆黒性を有し、且つ充分な表面平滑性を示し、更に機械強度も充分という、物性バランスに優れたものであることが判る。これに対して比較例では、L値、反射率共に低く、漆黒性を示すものであっても、表面平滑性が不十分であったり(比較例1、3)、機械強度が不十分である(比較例2)ことが判る。

Claims (10)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)1〜99重量部、及び脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜99重量部の合計100重量部に対して、少なくともアンスラキノン系染料とメチン系染料とを含む2種類以上の染料からなる着色剤(C)を0.05〜1重量部含有してなる黒色樹脂組成物であって、日本工業規格JIS K−7105に準拠した3mm厚の平板状樹脂成形体とした際のL値が6.12以下であることを特徴とする黒色樹脂組成物。
  2. 更に耐衝撃性改良剤(D)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、及び脂環式ポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部含有してなる、請求項1に記載の黒色樹脂組成物。
  3. 耐衝撃性改良剤(D)が、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなり、共役ジエン成分の一部をエポキシ化した変性ブロック共重合体(d1)である請求項に記載の黒色樹脂組成物。
  4. 脂環式ポリエステル樹脂(B)が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を主成分とする脂環式ジカルボン酸と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ジオールの縮合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の黒色樹脂組成物。
  5. アントラキノン系染料が、紫色染料、青色染料、および緑色染料の組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の黒色樹脂組成物。
  6. メチン系染料が、黄色染料であることを特徴とする請求項1乃5のいずれかに記載の黒色樹脂組成物。
  7. 更に、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と脂環式ポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対してリン化合物0.001〜6重量部含有してなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒色樹脂組成物。
  8. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と脂環式ポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対して、有機リン酸エステル金属塩(E)0.001〜5重量部と、リン酸エステル(F1)、亜リン酸エステル(F2)、及びホスホナイト化合物(F3)からなる群より選ばれるリン系化合物(F)0.001〜1重量部とを含有してなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒色樹脂組成物。
  9. 有機リン酸エステル金属塩(E)が下記一般式(1)又は(2)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、リン系化合物(F)が、下記一般式(5)で表されるリン酸エステル(F1)と下記一般式(6)で表される亜リン酸エステル(F2)からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン系化合物であることを特徴とする請求項に記載の黒色樹脂組成物。
    Figure 0005282379
    (一般式(1)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々、同一でも異なっていてもよく、Mはアルカリ土類金属及び/又は亜鉛を示す。)
    Figure 0005282379
    (一般式(2)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛を示す。)
    Figure 0005282379
    (一般式(5)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々、同一でも異なっていてもよく、nは0〜2の整数を示す。)
    Figure 0005282379
    (一般式(6)中、R’はアルキル基またはアリール基を示し、各々、同一も異なっていてもよい。)
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の黒色樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
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