JP4601536B2 - 導光板 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物を含む導光板に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物を主成分と、輝度、転写性、色相、耐候性、機械的強度、耐熱性、成形性に優れた導光板に関する。
一般に、空気と材質の屈折率差による全反射を利用して、光を効率よく目的の領域へ導くものとして、例えば光通信分野の光ファイバや、光導波路(ウェブガイド)が知られている。液晶表示装置等の照明光学の分野においては、この様に光を導く性質を有するものを、前述のものと区別し、導光板と総称している。
導光板の具体例としては、例えば自動車のスピードメータ等の針やスケール等の自動車用等の表示装置部分が挙げられる。そしてこの様な部分に効率よく光を導くために導光板が利用されている。
この様な自動車用等の表示装置以外の導光板として、液晶テレビやパーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA等に使用される液晶表示装置が知られている。これらは通常、側面から入光する光を液晶表示側に均一・効率的に導けるよう導光板を設計する。そして近年では、液晶表示装置の薄型、軽量化、省電力、高輝度・高精細化の要求に対処する為、LED等の点光源、もしくは冷陰極管等の棒状光源と導光板を組み合わせた、面状光源装置が多用されている。この面状光源装置における導光板は、通常、一面が一様な傾斜の傾斜面を有する楔(くさび)型断面を有するなど、微細形状が施されている。
従来、導光板はポリアクリルアマイド(PMMA)等の樹脂材料から成形されていたが、近年では導光板を組み込む機器内部で発生する熱が増加傾向にあるので、より耐熱性の高い芳香族ポリカーボネート樹脂製の導光板が多く用いられている。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れるが、その光線透過率は、PMMAに比べて一般的に低いので、芳香族ポリカーボネート樹脂製の導光板と光源とから面光源体を構成した場合、輝度が低いという問題がある。このような問題の解決方法として、芳香族ポリカーボネート樹脂製導光板における輝度を高める方法が幾つか提案されている。
例えば、特定のアクリル樹脂および脂環式エポキシを添加する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また光学特性と耐熱性にすぐれた液晶表示パネル用基材として、3,3,5−トリメチル−1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデンとビスフェ
ノールAとビスフェノール成分とする共重合ポリカーボネート樹脂が提案されている(例えば特許文献2参照)。そして全芳香族ジヒドロキシ成分の5〜95モル%が9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンであるポリカーボネート共重合体を主成分とする樹脂組成物100重量部と紫外線吸収剤0.01〜5重量部からなる高屈折で耐熱性に優れた樹脂組成物より形成された導光板が提案されている(例えば特許文献3参照)。
更に、ポリカーボネート樹脂−脂環式ポリエステル樹脂組成物からなる、液晶表示装置の透明基板などの光学用部品が提案されている(例えば特許文献4参照)。また芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環族ポリエステル樹脂からなり、色精度が良好な位相差フィルムが提案され、モノ−及びジ−ステアリルアシッドホスフェートを含有させることでカラー
表示・色精度が良好になることが記載され、リン系安定剤を含有されてもよいことが記載されている(例えば特許文献5参照)。
特開平11−158364号公報 特開平11−174424号公報 特開2005−018993号公報 特開2003−176401号公報 特開2005−165085号公報
しかしながら、例えば特許文献1記載の方法では、アクリル樹脂の添加により、得られる樹脂成形品の白濁が避けられないので、光線透過率および輝度を上げることが出来ず、脂環式エポキシを添加することでも十分な改善効果は認められないという問題があった。また特許文献2に記載の方法でも、耐候性や色相が不十分であった。
一方、特許文献3に記載の樹脂組成物は、溶融粘度が高く、転写性や色相が低いために実用性に乏しいという問題があった。そして特許文献4に記載の樹脂組成物も、その溶融熱安定性不足のために樹脂成形品の色相や輝度が低下してしまい、また耐候性も不十分であるので、満足のいく光学部品を得ることはできなかった。
更に特許文献5には、特定のホスフェート化合物を含有させることにより位相差フィルムの色相を改良することは記載されているものの、導光板とする際の課題やその解決方法、ましてや導光板の重要特性である、輝度や均一な光の伝播、微細形状の転写性、射出成形性のバランス改善については、何ら記載も示唆もされていない。
本発明の目的は上述の問題点を解決し、輝度のみでなく、転写性や色相、更には耐候性、機械的強度、耐熱性、そして成形性等の諸性質を同時に満たす、バランスの良い、優れた導光板を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物に、特定のリン系化合物、具体的には特定の有機(亜)リン酸エステルやその金属塩からなる群より選ばれるリン系化合物を併用し特定量含有させた導光板が、輝度のみでなく、転写性や色相、更には耐候性、機械的強度、耐熱性、そして成形性等の諸性質を同時に満たす、バランスの良い、実用性が非常に高い導光板となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、(A)粘度平均分子量が10000以上25000以下の
、芳香族ポリカーボネート樹脂50重量部以上95重量部以下、および(B)脂環式ポリ
エステル樹脂5重量部以上50重量部以下の合計100重量部に対して、(C)下記一般式(I)で表されるリン酸エステル及び下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部と、下記一般式(III)〜(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部含有することを特徴とする導光板に存する。
一般式(I)
O=P(OH)n(OR)3-n・・・(I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
一般式(II)
Figure 0004601536

(一般式(II)中、R'はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であって
も異なっていてもよい。)
一般式(III)
Figure 0004601536
(一般式(III)中、R1〜R4はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
一般式(IV)
Figure 0004601536
(一般式(IV)中、R5はアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属
および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
一般式(V)
Figure 0004601536
(一般式(V)中、R6〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。M'は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
一般式(VI)
Figure 0004601536
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M'は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つの
M'はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の導光板は、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂製導光板に比較し、高輝度性、高転写性で、かつ、色相、耐候性、機械的強度、耐熱性に優れているので、携帯電話、携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、ディスプレイ、照明、信号、自動車のテールランプ、電磁調理器の火力表示など幅広い用途で、面状光源装置部品として使用することが期待できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)
本発明におけるA成分は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂であり、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
本発明における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、特に限定されるものではなく、公知の方法によって製造することができ、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。
原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4'−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン
、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニル等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であり、特に耐衝撃性の点から好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]である。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらカーボネート前駆体もまた1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物類、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられ、これらの中でも1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲が好ましく、0.1〜2モル%の範囲がより好ましい。
界面重合法による反応は、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、ならびに、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)および芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネートを得る。分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお、反応温度は、例えば、0〜40℃で、反応時間は例えば、数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、好ましくは50〜0.5モル、より好ましくは30〜1モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
溶融エステル交換法による反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示される。炭酸ジエステルは、好ましくはジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネートである。
一般的に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率を調整したり、反応時の減圧度を調整したりすることによって、所望の分子量および末端ヒドロキシル基量を有するポリカーボネートが得られる。より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。末端ヒドロキシル基量は、製品ポリカーボネートの熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。用途にもよるが、実用的な物性を持たせるためには、好ましくは1,000ppm以下であり、より好ましくは700ppm以下である。
また、エステル交換法で製造するポリカーボネートでは、末端ヒドロキシル基量が100ppm以上であることが好ましい。このような末端ヒドロキシル基量とすることにより、分子量の低下を抑制でき、色調もより良好なものとすることができる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いるのが好ましく、1.01〜1.30モルの量で用いるのがより好ましい。
エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用することも可能である。上記原料を用いたエステル交換反応としては、100〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行う方法が例示される。
溶融重縮合は、バッチ式または連続的に行うことができるが、本発明の樹脂組成物の安
定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。エステル交換法ポリカーボネート中の触媒の失活剤としては、該触媒を中和する化合物、例えば、イオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。このような触媒を中和する化合物は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して、好ましくは0.5〜10当量、より好ましくは1〜5当量の範囲で添加する。さらに加えて、このような触媒を中和する化合物は、ポリカーボネートに対して、好ましくは1〜100ppm、より好ましくは1〜20ppmの範囲で添加する。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]が10000以上、25000以下である。芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を10000以上とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を、25000以下とすることにより、流動性が低下するのをより改善できる傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
粘度平均分子量は、中でも12000以上、特に14000以上であることが好ましく、上限は24000以下、特に23000以下であることが好ましい。また、粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。もちろん、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−40.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0004601536
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、好ましくは1500〜9500であり、より好ましくは2000〜9000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、A成分の30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
さらに、本発明における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、A成分の80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。
本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させて得られるポリエステル樹脂である。
換言すれば、本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分を原料とすることにより得られるものであることに起因して、ジカルボン酸エステルを原料とする場
合とは異なりアルキルエステル末端が少ない、即ち、ポリエステルの総末端に対するアルキルエステル末端の割合が5モル%以下、好ましくは1モル%以下の脂環式ポリエステル樹脂である。
[2]脂環式ポリエステル樹脂(B成分)
本発明におけるB成分は、(B)脂環式ポリエステル樹脂であり、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分と、必要に応じて他の少量の成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させてなるものである。ジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とする。また、ジオール成分は、脂環式ジオールを主成分とする。
ここで「主成分」とは、例えば、ジカルボン酸成分またはジオール成分に対し、それぞれ、80モル%以上を占めることをいうものとする。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂環式構造にカルボキシル基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではない。具体的には例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体がより好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸がさらに好ましい。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の様な脂環式ジカルボン酸は、エステル形成性誘導体に比べてコストがかからない点から好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を採用する場合、そのトランス体とシス体との比率は、好ましくは80/20〜100/0であり、より好ましくは85/15〜100/0であり、さらに好ましくは90/10〜100/0であり、特に好ましくは95/5〜100/0である。このような範囲内とすることで、得られる脂環式ポリエステル樹脂の耐熱性をより良好なものとすることができる。
本発明における(B)脂環式ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を、全ジカルボン酸成分に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものである。その他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。具体的には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4-フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、4,4−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸およびドデカジカルボン酸、ならびに、これらの炭素数1〜4のアルキルエステル若しくはハロゲン化物等が挙げられる。
脂環式ジオール成分としては、脂環式構造に水酸基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではないが、5員環または6員環に水酸基が2つ結合した脂環式ジオールであることが好ましい。脂環式ジオールとして、5員環または6員環の脂環式ジオールを用いることにより、得られるポリエステル樹脂の耐熱性を高くすることができる。
このような脂環式ジオールとしては例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.
1.0]デカン等の5員環ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール等が挙げられる。これらの中でも、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基がパラ位にあるので反応性が高く、高重合度ポリエステルが得やすいこと、高いガラス転移温度のポリエステル樹脂が得られること、および工業生産品であり入手が容易であるという利点がある。1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率は60/40〜100/0の範囲内にあることが好ましい。
本発明において、ジオール成分としては上記のような脂環式ジオールを全ジオール成分に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものである。その他のジオール成分としては、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。脂環式ジオールが80モル%未満では、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が劣り透明性が低下し、さらに耐熱性が劣ることがある。
具体的なその他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ならびに、キシリレングリコール、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンおよびビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。
さらに、本発明における(B)脂環式ポリエステル樹脂は、前記ジオール成分および前記ジカルボン酸成分以外の少量の共重合成分を含んでいてもよい。このような共重合成分としては、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分等が用いられてもよい。
これらの成分は、B成分の10モル%以下であることが好ましい。
本発明において、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応における使用比率としては、ジオール成分の合計量が、ジカルボン酸成分の合計量に対し、モル比で1〜2倍であるのが好ましい。特に、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの高沸点のものを主成分とする場合には、モル比で1〜1.2倍であるのが好ましい。
本発明においては、エステル化またはエステル交換反応および重縮合反応における充分な反応速度を得るために触媒を用いるのが好ましい。このような触媒としては、通常エステル化またはエステル交換反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、広く公知のものを採用することができる。具体的には、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびスズ化合物などが挙げられる。これらの中でもチタン化合物は、エステル化またはエステル交換反応と続いて行われる重縮合反応の両反応において活性が高いことから好ましい。このようなチタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートまたはこれらの有機
チタネートの加水分解物などが挙げられる。これらは、1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、マグネシウム化合物やリン化合物などと組み合わせてもよい。触媒の使用量は、生成する(B)脂環式ポリエステル樹脂に対して、好ましくは1〜2000ppm、より好ましくは10〜1000ppm、更に好ましくは50〜1000ppm、特に好ましくは100〜1000ppmである。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応は、通常150℃から230℃ 好ましくは180℃から220℃で、通常10分乃至10時間、
好ましくは30分乃至5時間行われる。
エステル化反応後 反応液は、通常、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた重縮
合槽に移送されるが、エステル化反応槽に減圧付加装置を備えて、一槽でエステル化反応および重縮合反応を行うこともできる。
エステル化終了後、反応液に必要に応じて重縮合触媒などを添加し徐々に反応槽内を減圧にしつつ重縮合反応を行う。重合触媒を添加する場合、その量は、エステル化反応またはエステル交換反応触媒との合計で、通常生成するポリエステルに対して合計で50〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmとなる量である。
重縮合は、エステル化反応終了温度乃至300℃以下、好ましくは265℃以下で、通常10分乃至10時間、好ましくは30分乃至5時間行われる。温度が高すぎると、重合反応中に熱分解が起こるためか重合反応が進まない傾向となる。槽内圧力は常圧から最終的に1KPa以下となる圧力であり、好ましくは0.5KPa以下とする。
本発明における(B)脂環式ポリエステル樹脂の固有粘度は、0.4〜1.5dl/gが好ましく、中でも0.5〜1.3dl/g、更には0.6〜1.5dl/g、特に0.7〜1.4dl/gであることが好ましい。固有粘度を0.4dl/g以上とすることにより機械的強度がより向上し、1.5dl/g以下とすることにより、流動性がより向上しより成形しやすくなるので好ましい。さらに、得られたポリエステル樹脂は必要に応じて固相重合を行い、より固有粘度の高いものとしてもよい。
ここで、固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒としてウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定することにより求められる。
本発明における(B)脂環式ポリエステル樹脂の末端カルボン酸濃度は、70μeq/g以下であることが好ましく、中でも40μeq/g以下、更には30μeq/g以下、特に10μeq/g以下であることが好ましい。末端カルボン酸濃度が70μeq/g以下となることで、本発明の樹脂組成物の耐湿熱性がより向上する傾向にあり好ましい。
尚、末端酸価のコントロールは、後述の製造において、例えば、原料である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールの使用割合のコントロールにより、或いは、ジオール原料としてアルキレンジオール、特に炭素数2〜10のアルキレンジオールを併用することにより、行うことができる。
又、本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂の末端酸価を40μeq/gとするためには、例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるジオール成分とを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対するジオール成分の割合を1.02〜1.2モル、より好ましくは1.02〜1.1モルとすることが挙げられる。
又、例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、80〜99.5モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり0.5〜20モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオールを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対してジオール成分を1.02〜1.2モル、より好ましくは1.02〜1.1モ
ル使用する方法等が挙げられる。
本発明における(B)脂環式ポリエステル樹脂の融点は、例えば、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ポリエステル樹脂の場合、好ましくは200〜250℃、より好ましくは210〜230℃、さらに好ましくは215〜230℃である。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂においては、そのYellowness Index(YI)が目視にても黄色着色を認識できる程高すぎると、当然、本発明の樹脂組成物からなる導光板に使用した場合、透過した映像が黄色くなり、元の映像を再現することが困難となる場合がある。よってYIは可能な限り低いほうが望ましい。
本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂は、これを用いて成型した厚さ2mmの成形板
の光線透過率が低すぎると導光板とした際に十分光線が透過されず、画面が暗くなる場合があるので、この光線透過率は通常、87%以上、好ましくは87.5%以上、更に好ましくは88%以上である。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂の原料である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸としては、波長340nmでの光線透過率が大きいことが、得られる脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率の点から好ましい。この光線透過率が低すぎると、得られる脂環式ポリエステル樹脂のYI値が増加し、又脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率も低くなる傾向がある。具体的には、この光線透過率として、以下の方法により測定した光線透過率(以下、T−340と略記することがある。)が、85%以上、中でも87%以上である
ことが好ましい。
このT−340は、分光光電光度計を用いて、2規定の水酸化カリウム溶液を光路長10mmの石英セルに入れてゼロ補正をした後、2規定の水酸化カリウム溶液50mlに対して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸5.0gの割合で溶解した液を、光路長10mmの石英セルに入れ、該液について測定した波長340nmでの光線透過率である。
尚、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂の原料において、トランス体90モル%以上の原料1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を製造する方法としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のシス体、又はシス体とトランス体との混合物の熱異性化法が挙げられる。シス体とトランス体との水などへの溶解度差を利用した公知の晶析法では、得られる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340が低く、得られる脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率が不十分となる。従ってトランス体の割合が90モル%以上で、T−340が85%以上の、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが好ましいとの観点から、熱異性化法が好ましい。
上記熱異性化は、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸との混合物、またはシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を、不活性雰囲気下で、180℃以上でトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点未満の温度域にて加熱処理することにより行うことができる。なお、本発明でいうトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点は、実際の異性化反応の条件下でのトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点をいう。
熱異性化反応圧力は、減圧、常圧又は加圧下のいずれで行うこともできるが、操作の簡便性から考えると通常1.3〜950kPaである。
更に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340を85%以上とするためには、シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物、又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を加熱処理する際の不活性雰囲気を、反応系中の気相の酸素
濃度4000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下と調整することが好ましい。系中の酸素濃度が4000ppmより高いと、T−340が85%未満になりやすい。
熱異性化により生成したトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を効率的に取得するには、前記温度域に保持しながら溶融したシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸中にトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を析出させて取出す方法がある。尚、熱異性化法での原料となる、シス体及びトランス体の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物を得る方法は、従来公知の任意の方法により得ればよい。例えばテレフタル酸を溶媒、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化する方法や、テレフタル酸ナトリウムを水、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化した後、酸析する方法が挙げられる。
更に、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂は、ペレット状とした後に、必要に応じて固相重合を行い、更に高い固有粘度のものとしたものを用いてもよい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂は、ジオール単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるものが、ポリエステル樹脂の耐熱性の点で好ましい。
又、ジオール単位の80モル%以上99.5モル%以下が1,4−シクロヘキサンジメタノール単位であり、0.5モル%以上20モル%以下が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であるものが好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジメタノール単位が90モル%以上99.5モル%以下であり、炭素数2〜10のアルキレンジオール単位が0.5モル%以上10モル%以下であるものが、耐加水分解性が高いので好ましい。
[3]リン系化合物(C成分)
本発明におけるC成分である化合物(以下、総称してリン系化合物と言うことがある。)は、下記一般式(I)乃至(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である。詳しくは、一般式(I)で表されるリン酸エステル、一般式(II)で表される亜リン酸エステル、及び一般式(III)〜一般式(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である。
[3−1]
本発明のC成分として用いるリン酸エステルは、以下の一般式(I)で表される。
一般式(I)
O=P(OH)n(OR)3-n・・・(I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
上記一般式(I)中、Rは、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル基である。
透明性や輝度、色相をより向上させる観点から、好ましくは、下記一般式(I−I)で
表されるリン酸エステルである。
一般式(I−I)
O=P(OH)n'(OR'')3-n'・・・(I−I)
(一般式(V)中、R''は炭素数2〜25のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。n'は1または2である。)
ここで、アルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、
ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
[3−2]
本発明のC成分として用いる亜リン酸エステルは、以下の一般式(II)で表される。
一般式(II)
Figure 0004601536
(一般式(II)中、R'は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっ
ても異なっていてもよい。)
一般式(II)中、R'がアルキル基である場合、炭素数1〜30のアルキル基が好ま
しく、R'がアリール基である場合、炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
上記一般式(II)で表される亜リン酸エステルの好ましい具体例としてはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中で、より好ましくは、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトであり、さらに好ましくは、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトである。
[3−3]
本発明のC成分として用いる有機リン酸エステル金属塩は、以下の一般式(III)〜一般式(VI)で表される(以下、これら一般式で表される有機リン酸エステル金属塩を、順に、(D1成分)〜(D4成分)ということがある。)。
一般式(III)
Figure 0004601536
(一般式(III)中、R1〜R4はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
一般式(IV)
Figure 0004601536
(一般式(IV)中、R5はアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属
および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
一般式(V)
Figure 0004601536
(一般式(V)中、R6〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。M'は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
一般式(VI)
Figure 0004601536
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M'は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つの
M'はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記一般式(III)〜一般式(VI)中、R1〜R14は、好ましくは、それぞれ、炭
素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、それぞれ、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基またはトリル基である。
透明性や輝度、色相をより向上させる観点からは、R1〜R14は、それぞれ、炭素数2
〜25のアルキル基であることが好ましく、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基がより好ましい。
上記一般式(III)〜一般式(VI)中、Mは、好ましくは、亜鉛である。また上記一般式(III)〜一般式(VI)中、M'は、好ましくは、アルミニウムである。
また上述した一般式(III)〜一般式(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩は、1種類単独でも、また2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
さらにまた、上記一般式(III)〜一般式(VI)の中でも、特に、一般式(III)および/または(IV)で表される有機リン酸エステル金属塩を用いることが好ましく、その際、上記一般式(III)および(IV)中、Mは、好ましくは、亜鉛である。さらに、一般式(III)および(IV)中、R1〜R5は、それぞれ、炭素数2〜25のアルキル基であることがより好ましい。
特に、一般式(III)と、一般式(IV)で表される有機リン酸エステル金属塩の比は、重量部比で、1/9〜9/1であることが好ましい。
特に好ましい有機リン酸エステル金属塩としては、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートの亜鉛塩と、ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートのアルミニウム塩とジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の混合物を挙げることができる。このような好ましい有機リン酸エステル金属塩は、堺化学工業製LBT−1830や堺化学工業製LBT−1813として市販されている。
本発明のC成分として用いるリン系化合物においては、1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。単独で用いる場合には、上述した一般式(I)で表されるものが好ましいが、中でも上述した一般式(I)〜(VI)で表される化合物を併用することが好ましい。併用する際の組み合わせは、本発明の導光板に要求される諸特性に応じて、適宜選択して決定すればよいが、中でも、一般式(I)で表されるリン酸エステル、一般式(II)で表される亜リン酸エステル、並びに一般式(III)〜一般式(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩群より選ばれる少なくとも一種の、3種のリン化合物を併用することで、輝度や色相が共に向上し、耐衝撃性、耐湿熱性、滞留熱安定性のバランスが十分となるので好ましい。
本発明においてA成分とB成分の配合比率は、A成分及びB成分の合計100重量部中、A成分が50〜95重量部、B成分は5〜50重量部である。A成分を50重量部以上とすることで、耐熱性や機械的強度を十分なものとすることができるが、多すぎても成形性や転写性、輝度が低下する場合がある。よって本発明において、A成分とB成分の合計100重量部中におけるA成分は、好ましくは57〜95重量部であり、B成分は、好ましくは5〜43重量部である。
本発明におけるC成分の含有量は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.001〜0.3重量部である。C成分の含有量は多すぎても、又逆に少なすぎても、溶融熱安定性や輝度、色相が低下する場合がある。
中でも本発明においては、A成分とB成分の合計100重量部に対して、先述の一般式(I)で表されるリン酸エステル及び/又は一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部と、一般式(III)〜一般式(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部含有することが好ましい。
[4]ポリオルガノシロキサン(D成分)
本発明の樹脂組成物は、先述のA〜C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の透明性や、輝度、色相をより向上する目的で、さらにポリオルガノシロキサンを含有することができる。
本発明におけるポリオルガノシロキサンは、少なくとも側鎖にフェニル基を有するものである。これは、分岐シロキサン構造を有するものが好ましく、単一の化合物であっても、混合物であってもよい。混合物の場合、少なくとも側鎖にフェニル基を有するポリオルガノシロキサンと、少なくとも分岐シロキサン構造を有するポリオルガノシロキサンとを併用したものも好ましい。
また、本発明におけるD成分は、25℃における動粘度が1〜200cStであり、好ましくは5〜100cSt、さらに好ましくは10〜50cStである。動粘度を1cSt以上とすることにより成形時のガス発生量を抑えて、ガスによる成形不良、例えば、未充填、ガスやけ、転写不良が発生する可能性をより低くでき好ましい。一方、動粘度を200cSt以下とすることにより、本発明の樹脂組成物の透明性および/色相を向上させる効果がより顕著となる。本発明に用いるポリオルガノシロキサンは、慣用の有機反応によって容易に得ることができる。
本発明におけるD成分の含有量は、A成分とB成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部で、より好ましくは0.03〜0.8重量部である。D成分の含有量を0.01重量部以上とすることにより、樹脂組成物の透明性や輝度、色相の向上により効果的であり、1重量部以下とすることにより、ガスによる成形不良、例えば、未充填、ガスやけ、転写不良等が発生する可能性をより低くすることができる。
本発明に用いる、芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物は、上述したA〜D成分以外に、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で他の各種樹脂添加剤を含有してもよい。例えば、各種樹脂添加剤としては、ポリオルガノシロキサン、酸化防止剤、離型剤、染顔料、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、難燃剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤、フィラー・充填材等を、一種又は二種以上添加含有させてもよい。
酸化防止剤
芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物で好ましく配合される酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。具体例としては、ペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサン−1,6
−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。上記のうちで,特にペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これら2つのフェノール系酸化防止剤は,チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社よりイルガノックス1010及びイルガノックス1076の名称
で市販されている。
フェノール系酸化防止剤の配合比率は、A成分とB成分との合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部である。フェノール系酸化防止剤の配合量は0.01重量部未満であると、抗酸化剤としての効果が不十分であり、1重量部を超えても抗酸化剤として更なる効果は得られない。
離型剤
芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物に好ましく配合される離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、脂肪族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価、2価若しくは3価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価又は2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。この脂肪族カルボン酸と反応しエステルを形成するアルコールとしては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール、又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートを挙げることができる。
脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス又は炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。
離型剤の配合比率は、通常、A成分とB成分との合計100重量部に対し、0.01〜1重量部である。離型剤の配合率が1重量部を超えると耐加水分解性の低下、射出成形時
の金型汚染等の問題がある。離型剤は1種でも使用可能であるが、複数併用して使用することもできる。
染顔料
芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物に好ましく配合される染顔料としては、無機顔料 、有機顔料、有機染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば
カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料、群青等の珪酸塩系顔料、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料、黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料、紺青等のフェロシアン系等が挙げられる。有機顔料及び有機染料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料、ニッケルアゾイエロー等のアゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料、アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料等が挙げられる。中でも熱安定性の点から酸化チタン、カーボンブラック、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物等が好ましく、カーボンブラック、アンスラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物がさらに好ましい。それらの具体例としては、MACROLEX Blue
RR、MACROLEX Violet 3R、MACROLEX Violet B(バイエル社製)、Sumiplast Violet RR、Sumiplast Violet B、Sumiplast Blue OR(住友化学工業社製)、Diaresin Violet D、Diaresin Blue G、Diaresin Blue N(三菱化学社製)等が挙げられる。
染顔料の配合比率は、通常、A成分とB成分との合計100重量部に対し、1重量部以下であり、好ましくは0.3重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以下である。該着色剤は1種でも使用可能であるが、複数種併用することもできる。
さらに、本発明に関わる芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
本発明に関わる芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物の製造方法は、特に制限されないが、通常の熱可塑性樹脂組成物の製造方法で製造できる。例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)、脂環式ポリエステル樹脂(B成分)、リン系化合物(C成分)及び必要に応じて配合される添加成分とをタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練する事によって樹脂組成物を製造することができる。また、各成分を予め混合せずに、或いは一部の成分のみ予め混合してフィダーを用いて押出機に供給して溶融混練して樹脂組成物を製造することもできる。さらに、A成分とC成分とを溶融混練した中間組成物に、B成分を配合し溶融混練して樹脂組成物を製造することもでき、B成分とC成分とを溶融混練した中間組成物に、A成分を配合し溶融混練して樹脂組成物を製造することもできる。
本発明の導光板は、上記樹脂組成物を成形して得られる。成形方法としては、例えば、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、回転成形などが挙げられる
が、一般的には射出成形が採用される。
本発明の導光板は、楔型形状、平板型形状などがあるが、いずれも少なくとも一つ以上の平面上にプリズム形状もしくはドット状の凹凸パターンが形成される。斯かる凹凸パターンは、射出成形の際、金型の一部の表面に形成された凹凸部を転写することによって付与される。凹凸部は金型の一部である入子に形成するのが簡便で好ましい。
楔型の導光板の場合は厚肉端部に、平板型の場合は一方の端部に光源が配置され、携帯電話、携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、ディスプレイ、照明、信号、自動車のテールランプ、電磁調理器の火力表示などに使用されるエッジライト式面光源体が構成される。特に液晶テレビ、ノートパソコン等の大型ディスプレイ用の導光板には、導光板の出光面に対峙する面に光源を設置した直下型面光源体が構成される。光源位置光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED、レーザーダイオード、有機EL等の自己発光体を使用できる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の諸例で使用した原料および評価方法は次の通りである。
Figure 0004601536
本実施例および比較例で用いたポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレートは下記<製造方法1>により得られたものを用いた。
<製造例1>
攪拌機、還流冷却器、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を装備し、容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)87.5重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、さらに150℃から200℃まで1時間をかけて昇温した。次いで、200℃の温度で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を250℃として4.2時間維持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。下記の方法で測定した固有粘度および末端カルボン酸濃度は、それぞれ0.666dl/g、5.1eq/tであった。
(1)粘度平均分子量:
ウベローデ粘度計により塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式により求めた。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
(2)平均輝度、輝度均整度及び色温度:
幅40mm、長さ60mm、薄肉部0.7mm、厚肉部0.9mmであり、傾斜面にプリズム形状の凹凸パターンを形成して成る楔型断面の導光板を成形した。プリズム形状はピッチ200μm、深さ8μmの金型によって付与した。成形機はソディックプラステック社製の「ソディックTR100EH」を使用し、金型温度125℃、シリンダー温度320℃の条件で射出成形した。
次いで、暗室内において、上記の導光板を凹凸パターン形成面が下面側となる様に配置し且つ厚肉端部に冷陰極管を配置してエッジ式のフロントライト方式の面光源体を構成し、凹凸パターン非形成面側の上方30cmの位置に輝度計(トプコン社製「トプコンBM−7」)を設置し、輝度および色温度を測定した。平均輝度は幅3水準、長さ3水準の合計9箇所のよる測定値を平均して求めた。また輝度均整度は(輝度最小値/輝度最大値)×100(%)の式により算出した。
尚、色温度とは、「その光と同じ色の光を完全黒体が放射するときの黒体の温度」と定義される、青色と赤色の相対的強さを表す数値であり、その数値が高ければ青色が強いことを示す。ディスプレイ等の用途に使用される場合は、色温度の高いほうがカラー表示視認性がよくなるため、導光板には色温度が高いことが要求される。
参考例1〜5、実施例1〜及び比較例1〜5について、表2〜4に示す割合で各原料をブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを作成した。さらに得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、評価用導光板成形品を成形した。得られた成形品の評価結果を表2〜4に示す。
Figure 0004601536
Figure 0004601536
Figure 0004601536

Claims (4)

  1. (A)粘度平均分子量が10000以上25000以下の、芳香族ポリカーボネート樹脂50重量部以上95重量部以下、および(B)脂環式ポリエステル樹脂5重量部以上50重量部以下の合計100重量部に対して、(C)下記一般式(I)で表されるリン酸エステル及び下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部と、下記一般式(III)〜(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.001〜0.3重量部含有することを特徴とする、芳香族ポリカーボネート−脂環式ポリエステル樹脂組成物を含む導光板。
    一般式(I)
    O=P(OH)n(OR)3-n・・・(I)
    (一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
    一般式(II)
    Figure 0004601536
    (一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    一般式(III)
    Figure 0004601536
    (一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
    一般式(IV)
    Figure 0004601536
    (一般式(IV)中、R5はアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
    一般式(V)
    Figure 0004601536
    (一般式(V)中、R6〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
    一般式(VI)
    Figure 0004601536
    (一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記(B)脂環式ポリエステル樹脂が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を主成分とする脂環式ジカルボン酸と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ジオールの縮合物であることを特徴とする、請求項1に記載の導光板。
  3. 前記(C)化合物が、前記一般式(I)で表されるリン酸エステル、前記一般式(II)で表される亜リン酸エステル、及び、前記一般式(III)〜(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩群より選ばれる少なくとも一種の、3種のリン化合物を併用してなることを特徴とする、請求項1または2に記載の導光板。
  4. 前記(C)化合物が、前記一般式(III)〜(VI)で表される有機リン酸エステル金属塩の少なくとも二種以上を含み、かつ、前記一般式(III)〜(VI)中のR1〜R14が、それぞれ炭素数2〜25のアルキル基であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の導光板。
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