JP5282362B2 - 接木苗製造装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、穂木及び台木の状態に応じた接木苗の製造が可能となる。
図1及び図2は接木苗製造装置の右半部の平面図と側面図である。
接木苗製造装置1は、穂木と台木を接ぎ木する接木ロボット本体1aを中心に、その両側(図1は右半部のみを手前側に示す)で接木用苗を穂木、台木として個別取込みする左右の取込部(穂木用給苗装置、台木用給苗装置)2,2と、この取込部2,2から受けた接木用苗をそれぞれ前処理する左右の前処理部3,3と、前処理された穂木および台木を受けて接着する接着処理部7および接木苗として接着されたものを機体前側に送出する接木苗送出部8を配置して左右を略対称に構成される。また、左右の取込部2,2と左右の前処理部3,3のそれぞれの間には、接木用苗Wを受け渡しするために一時的に保持する左右の中継部9,9を配置する。
横移送機構13は、搬入機構11を横断して中継部9の正面に臨む位置までの範囲で接木処理用苗取出装置12を左右に位置制御可能なリニアスライダー等により構成する。
接木処理用苗取出装置12は、図3の側面図に示すように、接木用苗の胚軸Aを引起こすための引起装置として距離Sでの上下動作が可能な引起こし具21と、引起こされた苗の胚軸Aを上下2箇所で把持する2段型の把持ハンド22と、把持された胚軸Aの根元付近を開閉動作によって切断するカッタ23とを備えて構成される。これら把持ハンド22およびカッタ23は前後シリンダ24により前後に進退可能に支持する。
次に、接木処理用苗取出装置の別の構成例について説明する。以下において、前記同様の部材はその符号を付すことにより説明を省略する。
接木処理用苗取出装置32は、その側面図を図5に示すように、長ストロークの縦シリンダ35によって引起こし具21を支持し、そのストロークの上限位置と下限位置を定める上限ストッパ35s、下限ストッパ35tを縦シリンダ35に設けて構成する。
上記接木処理用苗取出装置の動作制御は、台木処理の場合の把持ハンド22とカッタ23の動作タイミングについてのフローチャートを図8に示すように、前後シリンダ24により把持ハンド22およびカッタ23を所定位置まで押出し(S1、S1a)、そこで把持ハンド22を「閉」動作(S2)し、略0.1秒のインターバル(S3)を経て、カッタ23を「閉」動作(S4)する手順で動作制御をする。
一方、穂木の場合は、把持ハンド22とカッタ23の動作手順を逆にして、すなわち、把持ハンド22を「閉」動作し、所定インターバルの後にカッタ23を「閉」動作する手順で動作制御をする。
上記処理における苗の傾斜に関しては、接木処理用苗取出装置の引起こし具21がセル3面の倒れ防止に有効でも、残り1面への対応が欠けており、また、把持ハンド22に設けている背板において苗を保持用のハンドスリットに導いて把持する際に、苗を押しながら位置決めすることから、把持位置とセル内での出芽位置が離れている場合は、苗の把持後に苗の傾きが発生(特に穂木の場合に顕著)する傾向があった。
また、従来の接木ロボットでは、供給台に角度を付けて切断時に苗が斜めを向く構成とすることによってカッタ刃から子葉を逃がしていたが、子葉や胚軸の形状、硬さによって葉を傷付けることが多く、また、傾けたことにより切断時の安定性に欠け、さらに、自動給苗をするに当たって供給台に傾きを付けること自体が揺動動作のために不可能であった。
接木ロボット本体とその両側配置の苗自動給苗装置(穂木用給苗装置、台木用給苗装置)による接木ロボット装置において、図12のパネルの見取図を示すように、3台の装置それぞれが単独で動作する「単独」42a、穂木用または台木用の給苗装置と接木ロボット本体が連動する「連動」42b,42c、および、3台がすべてリンクする「リンク」42dの各モードを設定し、それぞれのモードを選択した時点で、リレー回路によりIO設定を切換えるように構成する。例えば、接木ロボット単体では苗検出はセンサからの入力、連動では給苗装置からの出力を検出して苗検出とする。
次に、接木作業システムについて説明する。
接木作業システムは、その機器配置図を図13に示すように、接木作業コンベヤ51と、そのコンベヤ上に、接木クリップC、穂木X、台木Yが1個ずつ供給しやすい位置に穂木供給装置52、台木供給装置53および接木クリップフィーダ54を配置する。その作業サイクルは、タイミングチャートを図14に示すように、タイミングとって穂木X、台木Y、接木クリップCを1セットずつ供給する制御を構成する。
接木苗自動供給装置に用いる苗の製造方法については、従来(通常)の育苗方法では、低温・低潅水で育苗すれば短く硬い苗、高温・多潅水で育苗すれば長く(徒長)軟らかい苗に育ち、胚軸長さの不揃いが極めて多くなるので、苗の取り出し、葉の方向、高さ制御を行うハンドリング機構の関係上、胚軸の長さ、苗の硬さが必要とされる苗供給装置他、自動化機器の適合が困難であったが、この問題を次の方法により解消して胚軸が長く揃った苗を供給することができ、また、育苗管理の容易化を図ることができる。
1a 接木ロボット本体
2 取込部
11 搬入機構
11a 高さ調節部
12 接木処理用苗取出装置
13 横移送機構
21 レバー
21b 基部
22 把持ハンド
23 カッタ
24 前後シリンダ
25s ストッパ(ストローク変更手段)
25a 取付部(ストローク変更手段)
25 縦シリンダ
32 接木処理用苗取出装置
35 縦シリンダ
35s 上限ストッパ(ストローク変更手段)
35t 下限ストッパ(ストローク変更手段)
A 胚軸
L 子葉
W 接木用苗(穂木苗)
Claims (2)
- 穂木と台木をそれぞれのセンサによる検出に基づいて接ぎ木する接木ロボット本体(1a)と、
この接木ロボット本体(1a)を間に挟んで、穂木を取り込んで接木ロボット本体(1a)へ供給する穂木用給苗装置と、台木を取り込んで接木ロボット本体(1a)へ供給する台木用給苗装置とを設け、
接木ロボット本体(1a)は、穂木用給苗装置及び台木用給苗装置から受けた穂木及び台木をそれぞれ前処理する前処理部(3,3)と、前処理部(3,3)で前処理された穂木および台木を受けて接着する接着処理部(7)と、接着処理部(7)で接着した穂木および台木を接木苗として送出する接木苗送出部(8)とを備え、
上記穂木用給苗装置及び台木用給苗装置とそれぞれに対応する前処理部(3,3)との間に接木用苗を受け渡しするために一時的に保持する中継部(9,9)を配置してなり、
上記接木ロボット本体(1a)、穂木用給苗装置、および台木用給苗装置の3台の装置は、それぞれが単独で動作する第1のモードと、穂木用給苗装置または台木用給苗装置のいずれかと接木ロボット本体(1a)とが連動する第2のモードと、3台がすべて連動する第3のモードとをいずれかに切換え可能に構成すると共に、
第1のモードでは接木ロボット本体(1a)のセンサからの出力により苗を検出して接ぎ木し、第2のモード及び第3のモードではこのモードに応じた連動先の給苗装置からの出力により接ぎ木することを特徴とする接木苗製造装置。 - 前記穂木用給苗装置及び台木用給苗装置は、上記育苗器のセルトレイごと苗を順次搬送して支持する搬送手段(11)と、この搬送手段(11)上の穂木苗を個別に取出す接木処理用苗取出装置(12)と、この接木処理用苗取出装置(12)を移動させて苗を中継部(9)に臨む位置に移送する横移送機構(13)を備えてなり、
上記接木処理用苗取出装置(12)は、育苗器で育成した接木用苗の胚軸を引起こすための引起装置と、引起こされた苗の胚軸を把持する把持ハンド(22)と、把持された胚軸の根元付近を切断するカッタ(23)とを備え、
上記搬送手段(11)は、その支持高さ位置を調節する上下調節手段(11a)を備え、
上記引起装置は、上下動作可能な引起こし具(21)と、その作動ストロークを変更するストローク変更手段(25a,25s)を備え、
前記接木ロボット本体(1a)、穂木用給苗装置、台木用給苗装置の3台の装置を各々単独で動作させても互いに干渉しない初期状態にするスイッチ手段(43)を設けることを特徴とする請求項1記載の接木苗製造装置。
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