JP5282203B2 - 機能性繊維及び機能性繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線及び荷電粒子を放射する機能性繊維及び機能性繊維製品に関する。
火災報知機等の室温付近の温度センサーとしては、一般的には、サーミスター等の酸化物半導体温度センサーが使用されている。このセンサーは周囲温度を検知するため密閉された部屋又は屋根裏等に設置した場合、周囲温度が上がるため誤作動し易い。そのため、火災報知機等のセンサーとしては、周囲温度ではなく、構造物と周囲環境等の温度差を検知して作動させる熱感知素子が要求されている。
バルク半導体熱電素子として、室温付近で最も効率の良い材料として知られているBi−Te、Pb−Te系化合物半導体熱電素子等は、上記要求に合うものであるが、起電力は300μV/℃と小さいので、火災報知器等室温付近での使用には特別な低ノイズ増幅器を必要とするため、あまり使用されていない。
熱電素子1対では熱起電力が小さいので、半導体薄膜の製造法を利用した複数個の熱電素子を直列接続した複合熱電素子も一部製造され、センサー以外に時計用発電素子としても利用されているが、製造コストが高いので、製造コストが安く、しかも、室温付近で大きな熱起電力の得られる素子が要求されている。
従来のバルク半導体熱電素子の性能を上げるため、半導体熱電素子をナノオーダーに薄膜化して、両側を電気絶縁膜で挟むことにより発生した荷電粒子の運動を2次元に限定した積層型の量子効果熱電素子が提案されている。この素子の熱起電力は、加熱により半導体から出てくる励起荷電粒子の運動が2次元に制限されるので、量子効果によりバルク半導体の5−10倍程度の熱起電力が得られ、熱発電素子又は熱センサー等への応用が検討されている(非特許文献1)。
英国科学誌「ネイチャー」 マテリアル 2007.1.21(JST研 究グループ 大田、細野,幾原)
前記量子型熱電素子は、熱電半導体の先駆者であるア・エフ・ヨッフェ等により理論的に予想されていたフォノン格子振動による熱伝導成分を下げるのに有効であるBi,Te,Sb,Pb等の質量数の大きな有害な重金属を使用しなくても熱電変換性能が上げられる可能性を開いた画期的なものであると評価されている。使用される材料も、有害で資源的にも乏しい重金属ではなく、Ti,Sr等軽元素の酸化物等が使用でき、材料面及び使用される材料の資源面においても新しい展望を開いた。
しかしながら、その製造法は、イオンビームスパッタ法等の特別な真空薄膜製造装置を必要とするため、荷電粒子浸透型機能製品に使用するのは、コスト的に問題があった。
また、薄膜法で作られる熱電素子は、ソリッドで柔軟性がなく、面積の大きいものは作りにくいので、人体に密着して使用する生体応用の機能素子又は機能製品に適用することは難しい場合もある。
磁力線の人体への血行促進効果を利用するため、磁石材料をチップ状化し、これを粘着テープ等で人体に貼りつけて健康医療器具として使用することは、広く行われている。磁石には、(BH)maxが3程度のフェライト磁石、(BH)maxが5ないし10程度のアルニコ系金属磁石が用いられ、また、最近では、(BH)maxが10ないし30にもなるエネルギー積の大きな希土類磁石が使用されているが、いずれの磁石も人体に作用する磁界強度として400G以上が推奨され使用されている(特許文献1,2)。
特開平05−347206号公報 特開平10−241924号公報
赤外線にも、血行促進効果、神経繊維活性化効果、鎮痛効果等があることが認められ、磁石と同様にチップ状に加工され、健康医療器具として使用されてきている。赤外線放射材料としては、Ge及びトルマリンが一般的に使用されてきているが、最近では、波長4-12μmの赤外線放射能に優れた衝撃波合成ダイヤモンド半導体も高分子複合体及び繊維配合品として提案されている(特許文献3,4)。
特開2008−86714号公報 特開2008−106392号公報
トルマリン等の酸化物圧電焦電材料及び単結晶Geが、体温により活性化されて出てくる荷電粒子の人体への浸透による筋肉の疲労回復効果、鎮痛効果も認識され、利用されてきている。最近では、磁力線単体又は赤外線単体ではその作用効果が限定されるため、磁力線、赤外線及び荷電粒子の相乗効果を狙って、磁石材料と圧電焦電効果を有する赤外線放射材料からなる複合磁石が提案されている。
しかしながら、提案されている圧電焦電材料、例えばトルマリン、単結晶バルク半導体Geを使用した健康医療器具について言えば、赤外線は人体温度による加温効果が続いている間は活性化され、材料固有の赤外線を放射し、その効果は持続する。しかし、Geは禁制帯幅が0.6eV程度と小さく、その活性化エネルギーレベル0.01eVより放射される赤外線は、主として波長100μm前後のものが多い。波長100μmの赤外線は、物体が30度K程度の極低温の物体から放射される赤外線に近く、温熱効果は少ない。トルマリンは、波長4−10μmの温熱効果の大きな赤外線波長を放射するが、絶縁体であるため、体温程度の熱励起では、赤外線を放射する励起キャリア数が少ないので、放射量が充分確保できない。トルマリンの赤外線放射能を利用した温熱製品として靴下、肌着等の繊維製品が使用されているが、その効果が充分でないため、余り普及していない。
図1に、トルマリン50wt%と本発明に使用されたナノダイヤ半導体10wt%配合のPP高分子配合品の赤外線放射特性を示す。ナノダイヤは通常SP3ダイヤ層の周りをSP2グラファイト層で覆われた構造をとるがSP3単体及び複合体で波長4−10μmでのナノダイヤ半導体の赤外線放射能が大きいことを示している。
また、トルマリン等絶縁体の圧電焦電効果により発生する荷電粒子は、トルマリンが体温により加熱されて結晶体が歪む時、又は、体温と健康医療器具の間の温度差の変化が継続して結晶が歪む時に発生するものである。従って、健康医療器具等に使用した場合は、装着後、全体の温度が定常状態になると、圧電焦電材料は電気的には絶縁体に属するため、その放出電荷量は激減し、荷電粒子の効果は期待できなくなる。すなわち、圧電焦電材料の電荷放出効果は、健康医療器具の温度が定常状態に達するまでの時間に限られ、その作用効果は時間的に限定される。また、トルマリン等圧電焦電材料は電気的には絶縁物であるため、荷電粒子の数も少なく、発生した荷電粒子が電界により加速されて物体中を動く移動度も小さいので、人体への荷電粒子浸透効果はあまり期待できない。
Geは、半導体であるため荷電粒子放射能は大きいが、半導体バンド構造に起因する活性化エネルギーレベル0.01eVから輻射される赤外線の波長が100μmと大きいため、赤外線による温熱効果は小さい。このため、従来型の赤外線と荷電粒子を使用した複合磁石タイプでの電荷浸透効果は、殆ど期待できない。Geは、体温程度の加熱で荷電粒子を放出しても、半導体がバルク状態である場合は、Ge結晶が体温加熱による温度差で発生するゼーペック効果による起電力は最大でも1mV程度であるのに対し、人体インピーダンスは数百Ω−数KΩと大きいので、その荷電粒子の人体への浸透効果は小さい。このため、健康医療器具としての効果はあまり期待できない。
バルク半導体の微小熱起電力を増大させるため、本発明者の一人は、半導体を微紛末化して、その半導体粒子を高分子マトリクス中で配列することにより半導体粒子を直列接続させて、発生する荷電粒子の運動方向を1次元に限定させた結果、巨大熱起電力を生じる半導体高分子複合体を特願2007−017594において提案した。この巨大熱電能は従来より文献で理論的に予想されていた1次元熱電素子の実現に道を開くものである。非特許文献2には、次元が少なくなるほど熱電変換定数が上がることが示されているが、実現は容易でなかった。
Thermoelectric figure of merit of a one-dimensional conductor L.D.Hicks PHYSICAL REVIEW VOLUME 47.NO 24 1993
図2に半導体ナノダイヤ粒子10wt%近傍配合高分子複合体の電気伝導度と体温程度の加熱で発生する電位の関係を示す。半導体ナノダイヤ粒子の配合量が増え、電気伝導率が増すと、発生する電荷が3次元に拡散移動するため電位が下がり、特許文献3で示される直列配列時の電気伝導度付近で大きな起電力が生じることを示す。
半導体粒子の直列接続構造を有する機能材料は、混合機、射出成型機、紡糸機等通常の機械で製造することができ、量子型2次元半導体熱電素子製造等に必要な真空薄膜製造機械は必要としないので、大量生産には適していた。しかしながら、上記半導体高分子複合体は、高分子マトリクスの中に半導体粒子が3次元に一様に分散するため、直列配列をするには半導体粒子の配合量が10wt%程度必要となるので、コスト的な問題が残った。また、ナノダイヤ粒子等を使用した場合、ダイヤは研磨剤としても使用される材料であるため、使用される型材及び射出成型用ノズル等が消耗しやすく、生産機械のメンテナンスにも問題が残った。半導体粒子の配合量が5vol%を超すと、通常の紡糸加工は難しくなってくるので、繊維等の製造工程からも配合量の削減が求められていた。
半導体粒子の配合量を減らすため、本発明者の一人は、配合された粒子と高分子複合体との成型条件での濡れ性、表面張力、界面エネルギーで決定される濡れ係数Wa(wetting coefficient)の値により、非相溶性高分子AとBを使用した場合、
Wa > 1 (1)
-1>Wa>1 (2)
Wa<−1 (3)
の3条件が生じ、これにより半導体粒子の分布が決定されることを利用した改良発明を特願2007−269894で出願した。
(1)と(3)の場合は、半導体粒子はA又はB高分子の中にのみ優先的に分布し、(2)の場合は、高分子界面に分布する(非特許文献3参照。)。図3に半導体粒子分布の模式図を示す。ダブルパーコレーション配列の場合、半導体粒子の最適配合量は2wt%位まで下げられる。
Polymer Bulletin 25. P265-271 1991 Masao Sumita
すなわち、非相溶高分子複合体の中では、配合された半導体粒子は構成された個々の高分子マトリクスと粒子の表面濡れ性及び表面張力、界面自由エネルギーの相互関係により特定の高分子マトリクスの中のみに分散するか又は複合高分子マトリクスの界面に優先的に分散する現象を利用している。高分子半導体粒子の界面に生じるダブルパーコレーション効果を積極的に利用して、巨大熱起電力を生じさせることにより、高価な半導体粉末の使用量の軽減を可能にした。
しかしながら、半導体粒子を繊維表面に付着させるか又は粒子を繊維素材に混入し、紡糸加工して、パーコレーション又はダブルパーコレーション効果を利用して配列し、熱電効果を得るには、実用上及び製造上、以下の問題があった。
繊維表面に接着剤を使用して塗布又はスプレイ法で付着させた半導体粒子は、洗濯等ではがれ易く、実用上商品寿命に問題があり、また、半導体粒子が2次元的に広がり易く、材料の使用効率が下がる。
ナノダイヤ10wt%近傍配合のPP高分子複合体の温度による電気伝導度の電界強度依存性を図4及び図5に示す。図4は生体温度上昇特性が1.7℃と優れた場合で、図5は0.1−0.2℃と劣る場合である。
最適配列された試料では、電気伝導度がほぼ電界強度の2乗に比例し、ナノダイヤからの荷電粒子が近接した粒子間での印加電界により加速される空間電荷律則の伝導度特性をしており、粒子間では電気的にほぼ接続されていることが判る。ダイヤ内での電荷の移動度は1800cm2/V.secと大きく、電気伝導度の電界強度依存性には余り寄与しない。
最適配列されてない粒子間の開いた試料では、発生した電荷が高分子内に充満しており、印加電界で消滅した後は電気的な接続が不充分であるため、電気伝導度は下がる。印加電圧が低い場合は消滅までに時間がかかるので、見掛け上の電気伝導度は大きい。印加電圧が500Vになると、図4ではナノダイヤからの荷電粒子の供給量が不足するので、電界強度依存性は逆の傾向を示すようになる。図5では、絶縁破壊が起こり始め、同様電界強度依存性は逆になる。
図4の場合は、ナノダイヤ粒子が充分接近しており、発生した電荷が高分子マトリクスの中を減衰することなく移動できる空間電荷律則型の伝導特性を示してる。図5の場合は、粒子間の距離が離れているため電荷が高分子マトリクスの中で再結合により消滅する。このため、電荷が人体に浸透する割合が減少するため、体温上昇効果が減ることを示している。半導体粒子混入繊維を製造する場合、紡糸工程では延伸効果を利用して繊維の結晶配列等を制御して繊維が作成されるため、混入された半導体粒子の間隔が開きやすく、製品歩留まりが悪く粒子間距離を制御しながら製品を作成するには問題が残った。
また、織布及び不織布等を人体に接して使用する場合、構成する繊維の人体表面側にある半導体粒子からの荷電粒子及び赤外線放射が特に有効であり、必ずしも繊維内部にまで半導体粒子が存在する必要はない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、半導体粒子の使用量の削減が可能で、なおかつ、電粒子放射特性が向上された機能性繊維及び機能性繊維製品を提供することにある。
本発明の第2の目的は、半導体粉末と高分子繊維の複合体の巨大熱起電力を利用した機能性繊維及び機能性繊維製品を低コストで実現することを目的とする。
本発明の第3の目的は、半導体粉末と高分子繊維の複合体の巨大熱起電力を利用し、かつ、人体への赤外線及び荷電粒子浸透能力の性能を損なうことのない機能性繊維及び機能性繊維製品を低コストで実現することを目的とする。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、半導体粒子の少ない配合量で温度により励起されて常に荷電粒子を多量に発生する半導体熱電能を利用して、繊維又は繊維製品等の荷電粒子発生体を安定に、歩留まり良く提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明による赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能性繊維又は機能性繊維製品は、性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体粒子を分散液中に分散させ、その分散された前記半導体粒子を繊維高分子の結晶界面領域又は非結晶領域に選択的に浸透させ、かつ、直列配列させて1次元熱電素子を構成してなることを特徴としている(請求項1)。
そして、上記機能性繊維又は機能性繊維製品は、前記半導体粒子の原料として、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体を用い、その半導体粒子を前記分散液中に分散させ、その半導体粒子を染色法により絶縁体繊維マトリクスに0.01−10wt%拡散浸透させることにより、前記繊維中で直列配列させて、荷電粒子及び赤外線の放射量を増大させたことを特徴とする(請求項2)。
すなわち、本発明は、分散型染料を繊維中に浸透させて染色する技法(染色法)を応用して、半導体粒子の表面を改質するか又は粒子表面に染色キャリアーとしての活性基を付けた半導体粒子を溶液中に分散させ、繊維を浸漬することにより、半導体粒子を繊維に浸透させたことを特色とする。さらに詳述すると、発明は、半導体粒子の表面を改質して所定の官能基を持たせるか又は特定の官能基を有する有機分子を染色キャリアーとした半導体粒子を溶液中に分散させ、繊維との間のイオン交換力、ファンデルワールス力等を使い、分散型染料を使用する染色法を適用し、繊維の結晶質部分及び非結晶質部分に半導体粒子を拡散浸透させ、半導体粒子の直列配列構造を持たせることによって、所定の熱電能を繊維又は繊維製品に持たせて機能性を付加したものである。
上記機能性繊維又は機能性繊維製品は、シート抵抗が10E12Ω以下の電気特性を有することを特徴としている(請求項3)。
上記機能性繊維又は機能性繊維製品は、半導体粒子が加熱されることにより発生する荷電粒子の量子効果に基づく巨大熱起電力を有することを特徴とする(請求項4)。
また、本発明に係る機能性繊維又は機能性繊維製品は、半導体粒子が生体温度により活性化されて人体に浸透させ得る荷電粒子及び赤外線を発生することを特徴とする(請求項5)。
さらに、上記機能性繊維又は機能性繊維製品は、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体粒子として、衝撃波法により作成されたナノダイヤモンドを用い、これを繊維高分子絶縁体マトリクスに0.01−10wt%配合することにより、赤外線及び荷電粒子の放射量を増大させたことを特徴とする(請求項6)。
衝撃法で作成されたナノダイヤモンドは、基本粒子サイズが4−20nmと小さく、表面がSP2炭素膜で覆われているため、OH基、NH基、COOH基等の官能基が付加し易いので、染色法で繊維中に電気力を利用して拡散し易い。
本発明は、上記機能性繊維又は機能性繊維製品における室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体粒子の原料として、単元素半導体であるGe,Si、化合物半導体であるInSb.InAs,Bi−Te系等熱電半導体、Ti−O系等酸化物半導体の一種又は複合体を使用していることを特徴とする(請求項7)。
本発明は、上記機能性繊維又は機能性繊維製品において、半導体粉末として、単元素半導体に属する衝撃波で形成された半導体ダイヤモンド粒子に,単元素半導体であるGe,Si、化合物半導体であるInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体であるCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体であるFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末を混合して使用していることを特徴とする(請求項8)。
半導体粒子として、衝撃法でつくられたナノダイヤ単体粉末及びナノダイヤと活性化エネルギーレベル0.1−0.4eVをもつ半導体粉末との混合粉末も使用できる。配合量は、繊維重量の0.01−10wt%が望ましい。配合量が0.01wt%以下では、その効果が得られず、10wt%以上では、半導体粒子の直列接続状態が崩れて相互に密着し、大きな塊に成り易く、荷電粒子放射効率が落ちる(請求項6,7,8)。
そして、本発明は、上記機能性繊維又は機能性繊維製品の素材として、木綿等に代表されるセルロース系天然繊維,羊毛等に代表される蛋白質系繊維、及び、ナイロン、ビニロン、ポリアクリルニトリル、ポリエステル等化学繊維を使用していることを特徴とする(請求項9)。
本発明に係る機能性繊維製品は、上記機能性繊維で作られた不織布、糸、織物又は編み物などであることを特徴としている(請求項10)。
機能性繊維の半導体粒子が加熱されることにより発生する荷電粒子の量子効果に基づく巨大熱起電力を有する機能性繊維製品は、一例として、健康医療用熱電繊維製品としての用途を有する。
さらに、前記機能性繊維製品は、人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されていることを特徴とする(請求項11)。そして、本発明による機能性繊維又は機能性繊維製品は、平均粒径が3nm−1μm、好ましくは3-10nmの半導体粒子を用いていることを特徴とする(請求項12、13)。
本発明によれば、赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能性繊維又は機能性繊維製品に必要な半導体粒子の量を削減することができ、しかも、荷電粒子放射特性が向上された機能性繊維及び機能性繊維製品を提供することができる。
一般に、溶液中に浸漬された繊維は液中で膨張し、繊維の結晶及び非結晶間隔が広がる。繊維の結晶部分より非結晶部分の方が膨張し易いので、分散液中に分散された半導体粒子は最初非結晶部分に浸透する。膨張が充分でなく、間隔が狭い場合は、分散液を加熱して半導体粒子が浸透し易くする。繊維の結晶部分及び非結晶部分は、繊維加工時の延伸作用により直線状に配列しており、膨張した繊維の結晶及び非結晶領域の隙間も直線状になる。この隙間に浸透した半導体粒子も、隙間に沿って直列状に配列され易いため、1次元熱電素子としての構造が容易に構成される。
半導体粒子と高分子繊維素材の混入品の紡糸加工等で直列配列された場合、繊維内部の半導体粒子から放射される赤外線及び荷電粒子放射能は、繊維表面に到達するまでにかなり減衰される。また、延伸加工で粒子間隙が増えやすいので、個々の粒子の熱電積算能が落ちやすく、起電力が下がる。粒子間隙を下げるため、粒子の配合量を増やすと、1次元配列が崩れやすく、電荷が周辺に拡散し、電気伝導度が上がると共に、発生する電位は急激に減少する。しかし、本発明の場合は、繊維素材表面より半導体粒子が繊維の結晶界面に沿って拡散するため、粒子は表面部分に集中しており、体温程度の加熱による半導体粒子よりの赤外線及び荷電粒子は、効率よく外部に放射される。このため、半導体粒子の最低必要量が0.01wt%と一桁下げられる。
半導体粒子が繊維素材の非結晶部分に選択的に浸透した段階で作業を中断すれば、繊維の長手方向に断続した1次元熱電素子が連なった状態が作成でき、一層の材料の節約ができる。
一般に、天然繊維及び一部の化成繊維は、結晶連鎖の重合度も高く、結晶の質及び配列が良いので、半導体粒子の浸透は常温では難しく、加工時間短縮のため加熱作業が行われる。
また、本発明によれば、繊維の結晶配列の特異性を利用した粒子の配列を利用しているので、半導体粒子の使用量が軽減でき、また、半導体粒子の配合量を増しても電荷が3次元には広がりにくく、医療用等赤外線及び荷電粒子放射能を多く必要とされる用途に適する。
請求項3の発明によれば、シート抵抗が10E12Ω以下であるので、赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた保温性を有する機能性繊維又は機能性繊維製品の提供が可能である。従って、請求項10の発明による機能性繊維製品は、シート抵抗が10E12Ω以下の機能性繊維で作られているので、赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた保温材及び健康器具として使用できる不織布、糸、織物、編み物などの機能製品の提供が可能である。
請求項4の発明によれば、請求項1に記載の機能性繊維又は機能性繊維製品の半導体粒子が加熱されることにより発生する荷電粒子の運動が1次元に制限される量子効果に基づく巨大熱起電力を利用するので、室温付近で大きな熱起電力が得られ、低コストの健康医療用低温熱電繊維製品、巨大熱起電力を有する温度センサー等の機能素子の提供が可能である。
請求項5の発明によれば、請求項1に記載の機能性繊維又は機能性繊維製品の半導体粒子が生体温度により活性化されて人体に浸透させ得る荷電粒子及び赤外線を発生するから、優れた赤外線と荷電粒子放射特性による相乗効果の大きい健康医療器具の提供が可能である。すなわち、本発明の赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた機能製品は、例えば、健康医療器具として使用可能で、人体に使用した場合に荷電粒子の人体表面への浸透効果の時間的制約をなくし、装着している時には常に荷電粒子を人体に浸透させ、赤外線と荷電粒子の相乗効果を十分に発揮する。また、荷電粒子は還元作用及びこれによる殺菌作用も期待できるので、消臭面でも応用範囲が広がる。従来技術である、人体からの汗等の気体の凝縮熱を利用した発熱繊維は、凝縮した液体の汗が蒸発するとき、同じ熱量を奪うので、その効果には時間的な制約があり、通常は30分以内で効果が消える。
請求項2,6,7、8の発明によれば、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体を粉砕微粉化して半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を染色法により繊維高分子絶縁体マトリクスの結晶界面及び結晶間隙に0.01−10wt%拡散浸透し配合してあるため、半導体粒子が直列接続された状態(直列配列)になり、電気抵抗が急激に下がり、各粒子の熱起電力が積算されるので、大きな起電力を有するようになる。直列接続された状態にある半導体粉末が温度により励起された場合は、半導体粉末から発生した荷電粒子は、周囲の結合材が絶縁物であるため、1次元運動をして直列接続された粒子間を伝わって電荷が荷電粒子発生体の表面に滲み出る。
請求項9の発明によれば、本発明を天然繊維、再生繊維、化成繊維等あらゆる繊維及び繊維製品に適用できる。
請求項10に係る機能性繊維製品は、請求項1ないし9のいずれか1項記載の機能性繊維で作られているので、同機能性繊維が有する特性を活用した、赤外線と荷電粒子放射特性に優れた機能性繊維製品を提供することができる。
請求項11の発明によれば、請求項10記載の機能性繊維製品において、人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されているから、優れた赤外線と荷電粒子放射特性と磁場による相乗効果の大きい健康医療器具の提供が可能である。
続いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態に係る機能性繊維又は機能性繊維製品は、電気絶縁性の繊維又は繊維製品に対して活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体粉末を0.01−10wt%、染色法により拡散浸透して作成されたものである。図6に繊維結晶と浸透粒子の模式図を示す。使用される繊維の種類によって、半導体粒子分散液の水の硬度、PH、温度、助剤等が調整される。
半導体粉末を電気絶縁性の繊維又は繊維製品に染色法で拡散浸透する場合、配合率を0.01−10wt%の範囲とすると、半導体粉末が繊維の結晶間隙内部で直列接続された状態(直列配列状態)になり(1次元熱電素子を構成し)、電気抵抗が急激に下がり、大きな起電力を有するようになる。直列配列状態にある半導体粉末が温度により励起された場合は、半導体粉末から発生した荷電粒子は、周囲の繊維素材が絶縁物であるため、1次元運動をして直列配列された粒子間を伝わって、電荷が荷電粒子発生体の表面に滲み出る。繊維の種類によっては、表面を研削加工したのち、本発明を適用することが望ましい。
半導体粒子のサイズ(平均粒径)は、3nm−1μm位の範囲が望ましい。3nmを切ると、半導体としてのバンド構造が乱れ、1μmを超すと、半導体粒子内の励起荷電粒子相互間の反発作用が強く起こるようになり、荷電粒子は1次元的な動きが出来なくなり、半導体粒子内の電位差が減少する。バルク半導体内では、熱励起荷電粒子が相互の電気的反発力で3次元で動くため、素子として発生する電位が、最大でも300μV程度であり、室温付近での使用には問題が残った。また、粒子サイズが大きくなると、繊維結晶間隙に浸透し難くなり、分散浴の温度を上げる必要が生じる。
半導体粒子の配合量は、0.01−10wt%位が最適配合量である。0.01wt%を切ると、粒子配列が乱れ、電気的な接続が難しくなるため、熱電能が下がる。10wt%以上では、半導体粒子が塊状に繊維表面にも付着し易くなり、粒子相互間でも電気的な短絡回路を作り易く、粒子の利用効率が落ちるともに、作業時間及び使用粒子量が増えて、コスト高により経済的なメリットが無くなる。
上記機能性繊維又は機能性繊維製品からなる荷電粒子発生体を健康医療器具に用いる場合は、繊維製品を人体接触面に備えて使用する。人体接触面では、体温による加熱効果と人体外表面との冷却効果で、粒子間に温度差が生じるので、健康医療器具として装着しているときは、赤外線放射と荷電粒子放出が持続する。本発明による機能性繊維が、布状に加工された場合は、粘着テープ等で患部に貼付けても使用される。保温機能を利用する場合は、紡糸加工等により繊維化したものを織布又は不織布として半導体粒子を拡散浸透させ、衣服等に裁断加工縫製して使用してもよい。また、繊維表面を研削し、半導体粒子を拡散浸透させたあと、所定の製品に加工した場合は、いっそうの効果が期待できる。
活性化エネルギー0.5eV以下のエネルギーレベルを持つ半導体は、バルク半導体の場合でも、体温加熱で半導体が励起されて荷電粒子を発生し、半導体内部に温度差に基づくキャリア濃度の差が生じて、電位が発生する。これはゼーペック効果として知られている。この場合、発生した電荷による電位勾配は、電荷相互間の反発作用のため、キャリア濃度を均一化する方向に働く。このため、バルク半導体両端の電位差は小さく、キャリア濃度10E16の高純度半導体でも、ゼーペック係数は高々数百μVである(非特許文献4)。
サーモエレメント 日刊工業新聞社 ヨッフェ著 坂田訳P58 図2.11
本発明は、活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体を微粒子化して高分子繊維素材に染色法により拡散浸透させることにより、擬似的に半導体粒子を直列接続して、発生する荷電粒子の運動方向を1次元ライクに限定している。このため、体温付近の低温状態で数V−数十Vの大きな熱起電力を得ることに成功している。電気伝導度と発生起電力の関係を図2に示す。半導体粒子が増えて直列配列が崩れると、発生する電位が下がることが示されている。また、発生した荷電粒子の人体への浸透に際して、その作用能力を増すため、100−1200G程度の磁場を加えることが望ましい。100G未満では、磁場の荷電粒子に与える効果は少なく、1200Gを超える磁界は、単独でも健康器具として効果を発揮するので、不必要である。
半導体粉末には、CB火薬等の衝撃波で合成されたSP3及びSP2複合構造を有する半導体炭素粒子、すなわちダイヤモンド粒子を用いることが特に好ましい。衝撃波で合成されたSP3構造を有するダイヤモンド粒子は、基本粒径が3−10nmであり、成型後の粉砕工程が不要である。表面を構成するSP2層は化学的に活性で、各種の官能基の付与及びアニオン及びカチオン等イオン種を有する添加剤との結合作用が容易にできる。爆発成形時に火薬等の成分である窒素がダイヤモンド格子に浸透する場合、N型半導体になり、ホウ素を拡散させた場合は、P型半導体になる。
衝撃波で合成されたSP3及びSP2構造を有するダイヤモンド粒子を得る方法の具体例として、次の2方法がある。(1)密閉容器の中で高性能CB爆薬を爆発させ、200万気圧と数千度の温度を瞬時に発生させ、複合構造を有するダイヤモンド粒子を合成する方法。(2)カーボン微粉末及びCu粉末等を容器に入れ、上部にセットされた爆薬を点火することにより、同様の圧力温度を粉末混合品にかけて、カーボンの結晶構造をダイヤモンド半導体に変えた後、金属粉を酸で溶かして、前記構造の粒子を得る方法(非特許文献5,6)があるが、(1)の方法によるダイヤモンドは、基本粒子が3−7nmと小さく、火薬の成分である窒素がSP3骨格に入りやすくN型半導体になりやすい。
大澤映二 Japan Nanonet Bulletin 108 2006.03.08 住友石炭鉱業kk クラスター技術研究会 2006.03.27
絶縁体に近く、比抵抗が大きいダイヤモンドは、不純物レベルの密度が低いため、体温程度の加熱では電荷がバンド幅を超えて励起されにくいので、荷電粒子放出効果はなく、したがって、励起される荷電粒子がバレンス帯に落ちるとき放出される放射光も少ない。これに対し,衝撃波法で得られたダイヤモンド粒子は粒子製造工程中の不純物、特に爆薬の中に含まれる窒素を含み、N型半導体になり易く、また、爆発時の圧力により粒子内部の歪等の影響で固体バンド構造が乱れ、0.2−0.4eVの不純物レベルを持つため、4−10μmの赤外線を効率よく放射し、電気伝導性がある。また、粉末が特種なSP3及びSP2複合構造を有するため、赤外線放射能及び荷電粒子放出能が従来品のトルマリン等に比較して5-10倍大きい。通常の単結晶ダイヤモンドは、禁制帯幅5.5evで、常温では比抵抗10E16Ωとほぼ完全な絶縁体であるが、本発明で使用するダイヤモンド粒子は、製造条件により比抵抗が10Ω−10E10Ω位の値を得ることが可能である。
半導体としては、添加剤により0.5eV以下の活性化エネルギーレベルを持つ半導体が、体温程度の加熱により励起されたキャリアが多く発生するので好ましい。具体例としては、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等が上げられる。半導体粉末には、これらのいずれか1種又は複数種の粒子を用いることができる。
半導体粒子が絶縁体の中で直列配列を起こした場合、半導体粒子は電気的には直列接続されるが、横方向には互いに絶縁された状態で配列する。半導体粒子は細かいので、個々の粒子内に発生した電荷量は少なく、バルク半導体のように内部で相互反発されることもなく、電位は粒子間で直列接続されるので、成型体として発生する積算電位は大きく、ボルト単位の電圧が発生する。上述したように,従来のバルクGe結晶が体温加熱による温度差で発生するゼーペック効果による起電力は、最大でも1mV程度であるのに比較すると、本発明に係る荷電粒子発生体は、数Vから数十Vの格段に大きな起電力を有することが理解される。
本発明に係る機能性繊維又は機能性繊維製品として使用される荷電粒子発生体のシート抵抗は、10E12Ωとバルク半導体に比較して高いが、保温繊維製品及び健康器具として使用した場合は、生体のインピーダンスは数百−数千Ωと高いので、インピーダンスマッチングが取れ、生体効果が期待できる。保温繊維製品及び健康医療器具において、この荷電粒子浸透効果に加えて、赤外線及び磁力線の相乗作用を利用すれば、身体に対する保温効果及び医療効果をより向上させることができる。
繊維素材及び半導体粒子の試料として下記のものを用い、下記の染色法によりテストを行った。
繊維素材:ポリエステル系繊維布 0.9g/100cm2
半導体粒子:ナノダイヤ半導体粒子(住友石炭鉱業製 商品名「クラスターダイヤ」、基本粒子サイズ…4−20nm、活性化エネルギ−…0.37eV、
SP2層…CH3官能基(図7参照)
染色法:分散液;浴温…100−130℃、液濃度…ナノダイヤ100mg/L、PH…3−4、染色キャリアー…アニオン
浸漬時間;4〜60分
ポリエステル繊維は、高い結晶性を有し、配列度も大きく、繊維が緻密なため、高温染色法を用いた。ポリエステル繊維においても温度が高くなると、繊維の内部構造はソフト化して、重合分子の鎖の熱的かく乱は増大し、染料粒子が通過しうる孔隙が増加し、拡散距離も増す。
試作した機能性繊維布を腕に装着し、10分後の体温上昇をサーモグラフで測定した。テストした織布の内シート抵抗10E10Ωオーダーの酸5の場合は、ナノダイヤ付着量が0.25mg/cm2となり、1.7℃の体温上昇が得られた。抵抗10E12Ωオーダーの酸4の場合は、ナノダイヤ付着量が0.1mg/cm2となり、0.3℃の温度上昇が得られた。
図8に、染色法で作成された上記ポリエステル繊維の電気伝導特性を、図9に、同ポリエステル繊維のSEM写真を示す。電気伝導度の電圧依存性は、図4及び5と異なり、オーミック特性に近い傾向を示す。これは、ナノダイヤ粒子間隙が紡糸加工又は射出成型法等粒子混入成型品より小さいことを示す。
ナノダイヤ有機高分子混入直列配列の最適配合量10wt%と比較して、本発明の染色法による機能性繊維及び機能性繊維製品のナノダイヤ配合量の効率が良いことが判る。さらに、染色法では、ナノダイヤ粒子が個別に浸透拡散するので、塊状になることがなく、粒子がナノオーダーである場合、可視光線の波長以下であるため、製品の着色が観測されにくく、後の染色加工が容易になるメリットもある。
本発明の染色法を利用して半導体粒子を繊維及び繊維製品に浸透拡散させてなる機能性繊維又は機能性繊維製品は、発生電位が大きく、半導体粒子の体温程度の低温加熱による励起荷電粒子が有効に人体に浸透し、合わせて半導体粉末からの赤外線放射能との相乗効果が得られる。このため、保温繊維製品及び健康医療器具として使用することができ、肌着、靴下、腹巻、シーツ、枕及び寝具等の必要とされる形状に加工して使用する以外に、荷電粒子による殺菌効果等による防臭効果も期待できる。また、微細なゴミは静電気力で物体に付着しており、機能性織布又は不織布は電荷を発生しゴミ付着の電気力を中和するのでゴミ取り効果が大きい。特に、磁性体の使用が禁止されている電子医療器具、例えば心臓ペースメーカーの近くでも使用可能であるので、産業上有用である。本発明の荷電粒子発生体は熱電能が大きいので、火災報知器等のセンサーユニットとしても使用できる可能性が開けた。さらに、巨大熱電能は常温付近での温度センサーとしても使用できる。
ナノダイヤ半導体複合炭素粒子とトルマリンの赤外線分光放射能を示すグラフ。 ナノダイヤ半導体10wt%近傍配合有機高分子複合体の電気伝導度と発生電位及び生体効果を示す図。 半導体粒子の有機高分子への混入複合体内での直列配列の場合の粒子分布の模式図。 ナノダイヤ有機樹脂混入直列配列の場合の電気抵抗印加電圧特性図。 ナノダイヤ有機樹脂混入直列配列の場合の電気抵抗印加電圧特性図。 染色法による分散粒子の繊維内への浸透模式図。 本発明に使用したナノダイヤ半導体粒子の電気抵抗温度特性図。 ナノダイヤ染色布の電気抵抗印加電圧特性図。 ナノダイヤ染色布の1実施例でのSEM写真。

Claims (13)

  1. 性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体粒子を分散液中に分散させ、その分散された前記半導体粒子を繊維高分子の結晶界面領域又は非結晶領域に選択的に浸透させ、かつ、直列配列させて1次元熱電素子を構成してなることを特徴とする赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能性繊維又は機能性繊維製品。
  2. 請求項1記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、前記半導体粒子の原料として、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体を用い、その半導体粒子を前記分散液中に分散させ、その半導体粒子を染色法により絶縁体繊維マトリクスに0.01−10wt%拡散浸透させることにより、前記繊維中で直列配列させて、荷電粒子及び赤外線の放射量を増大させたことを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  3. 請求項1又は2記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、シート抵抗が10E12Ω以下である電気特性を有することを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  4. 請求項1、2又は3記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、直列配列された半導体粒子は、加熱されることにより発生する荷電粒子の量子効果に基づく巨大熱起電力を有することを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、前記半導体粒子が生体温度により活性化されて人体に浸透させ得る荷電粒子及び赤外線を発生することを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  6. 請求項5記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体粒子として、衝撃波法により作成されたナノダイヤモンドを用い、これを繊維高分子絶縁体マトリクスに0.01−10wt%配合することにより、荷電粒子及び赤外線の放射量を増大させたことを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  7. 請求項6記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベルが0.1−0.5eVである半導体粒子の原料として、単元素半導体であるGe,Si、化合物半導体であるInSb.InAs,Bi−Te系等熱電半導体、Ti−O系等酸化物半導体の一種又は複合体を使用していることを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、前記半導体粒子として、単元素半導体に属する衝撃波で形成された半導体ダイヤモンド粒子に,単元素半導体であるGe,Si、化合物半導体であるInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体であるCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体であるFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末を混合して使用していることを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の機能性繊維又は機能性繊維製品において、機能性繊維素材として、木綿等に代表されるセルロース系天然繊維,羊毛等に代表される蛋白質系繊維、及び、ナイロン、ビニロン、ポリアクリルニトリル、ポリエステル等化学繊維を使用していることを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の機能性繊維製品は、請求項1ないし9のいずれか1項記載の機能性繊維で作られた不織布、糸、織物又は編み物などであることを特徴とする機能性繊維製品。
  11. 請求項10記載の機能性繊維製品において、人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されていることを特徴とする機能性繊維製品。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項記載の機能性繊維又は機能性繊維製品は、平均粒径が3nm−1μmの半導体粒子を用いていることを特徴とする機能性繊維又は機能性繊維製品。
  13. 半導体粒子の粒径が3−10nmであることを特徴とする請求項12記載の機能性繊維又は機能性繊維製品。
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