JP6476375B2 - 熱電性高分子複合体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱電性高分子複合体の製造方法に関する。
近年、高齢化社会を迎え、健康維持のために半導体粒子からの赤外線放射を利用した繊維、磁石からの磁力線を皮膚に浸透させることによる血流促進、ZnOバルク半導体又は半導体粒子の生体加熱による励起電子の生体拡散に基づく血流促進等、幅広く健康維持機能を有する製品が要求され、市販されてきている。
ナノ粒子と高分子の複合体として、ナノダイヤ複合樹脂の製法が開示され、2軸押出混連機による製造条件が示されている(たとえば、特許文献2)。この製法は、樹脂中での均一分散が目的で、ダイヤ粒子のマトリクス樹脂中での作動条件が規定されている。目的は均一分散であるため、ダイヤ粒子が均一分散した場合は、赤外線しか放射しない。この場合、健康維持に最も必要な血流向上の効果は期待できない。
特許文献2の製法により製造された繊維中でのナノダイヤの分散状態を図8に示す。図8中、Tは繊維、DPは繊維Tに練り込まれたナノダイヤ粒子である。この場合は、ナノダイヤ粒子は球状に分散していて、ナノダイヤ粒子からの励起電子がショートされるため、赤外線放射効果しか期待できない。赤外線放射能は、配合量にほぼ比例するので、生体効果を得るにはダイヤ粒子の配合量を増やすか、プラチナ等の補助材料を必要とする(特許文献3)。
特開2012−219026 特開2012−161965 特開2010−106378 特開2010−24589
半導体ナノダイヤモンドを添加した高分子複合材料の電気特性と体温上昇効果 日本材料科学会誌 Vol 48 No 5 半導体ナノダイヤモンドを配合した高分子複合繊維の電気特性と衛生効果 日本材料科学会誌 Vol 50 No 3 Polymer Bulletin 25 p265-271 1991 Masao Sumita ヨッフェ著 坂田訳のサーモエレメント P3
ZnO酸化亜鉛からなる健康器具は、バイオセルの商品名で普及している。バルク半導体素子は、非特許文献4に記載されているように、熱電能ゼーペック係数が最大でも700μVであり、内部抵抗が小さい。皮膚への異常電流を防ぐため、保護抵抗を入れているが、過剰な生体電流が流れ、皮膚に水泡ができる場合もあった。これは、人体の皮膚抵抗が年齢及び湿度条件により数Ωから数十kΩと3〜4桁変化するので、起電力が小さくても、局所的に生体電流といわれる2〜20μA以上の電流が流れるためである。
このため、ナノダイヤ粒子を染色法又は溶融紡糸法により繊維結晶粒界に付着させ、略1次元に配列させ、数十Vから300V程度の巨大熱電能をもつ内部インピーダンスの大きい機能性繊維及びペレットが、特許文献4に開示され、非特許文献4にも記載されている。
染色法によるダイヤ粒子の繊維表面への沈着は、ダイヤ粒子が繊維結晶界面または非晶質部分に沈着し、略1次元配列するので、熱電性能を得るには適している。しかし、洗濯等により剥がれ易い。10回程度の洗濯で90%程度(木綿)、130度高圧キャリアー染色法によるPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維でも50%程度劣化した。天然繊維は、結晶化度が良いため、人工高分子繊維よりも染色が難しい。
ペレットについては、樹脂としてPP(ポリプロピレン)を、ダイヤとして粒径20−200nmのナノダイヤ配合高分子熱電素子を用いることが、非特許文献2に開示されている。
しかし、製法は所定の配合後混合し、ポッテイング法で成型している。ポッテイング法では、高分子樹脂がゆっくり固化するので、ダイヤ粒子が押出され、針状に偏析するが、方向が一様でないので、生産性が悪い。また、ダイヤの高分子中での配列が悪く、10〜12wt%のダイヤが必要であるため、コスト的に問題がある。
また、非特許文献2には、射出成型法によるペレットの実験結果も記載されている。しかし、ナノダイア樹脂の湯流れが一様でなく、成型品の性能のバラツキが多いという問題点がある。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、大きな熱電能を有する高分子複合体を安定的に作る製造方法を提供することを目的とする。
本発明者の一人は、非特許文献3に発表した、粒子と高分子樹脂の表面エネルギーの差によって配合粒子が高分子結晶界面又は樹脂中にて特異な配列をするパーコレーション効果及び熱処理による粒子のダイナミックパーコレーション再配列理論と、特定の方向に溶融押出しされた樹脂が結晶化に際して押出し方向に配列する性質とを利用して、高分子樹脂マトリクス内に半導体粒子を針状に略1次元配列させることにより、巨大ゼーペック係数を有する機能性熱電繊維及び熱電機能性ペレットの効率的な生産が可能であることを示唆した。しかし、具体的な製造方法は開示していない。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱電性高分子複合体の製造方法は、一側面において、ナノ半導体粒子と高分子樹脂粉末とを混合する第1工程と、第1工程においてナノ半導体粒子を表面に吸着した複合樹脂を溶融混練する第2工程と、第2工程において溶融混練された物を所定の口径を有するノズルから押出し成型する第3工程と、第3工程において成型された物を所定の温度で加熱し、所定の時間をかけて結晶化する第4工程とからなることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱電性高分子複合体の製造方法は、他側面において、前記第3工程において成型された物を切断してペレットを成形し、そのペレットを第4工程において結晶化した後、第5工程において、そのペレットをマスターバッチとして、半導体粒子を含まない高分子ペレットまたは高分子粉末を所定量配合し、溶融紡糸法により繊維中に半導体粒子がほゞ1次元配列をされた繊維を製造することを特徴とする。
結晶化されたペレットを溶融紡糸法繊維のマスターバッチとして使用するので、繊維長手方向に半導体凝集粒子がより一層配列するため、半導体粒子の使用量を減らすことができる。
半導体粒子には、活性化エネルギーレベルが0.2〜1eV、粒径が3〜300nmのものを使用すれば、樹脂の変型温度範囲で加熱励起電子が得られる。粒径が300nmを超すと、成型品結晶化処理温度での加熱で、高分子樹脂結晶界面への粒子偏析が起こりにくくなる。活性化エネルギーレベルが0.2eV以下では、室温での励起電子が多くなり、体温加熱励起電子が減るので好ましくない。粒径が3nm以下の粒子では、半導体特性が劣化し、粒子成型コストが上がる。
高分子マトリクス内の半導体粒子含有量は、0.0001〜10wt%が好適である。0.0001%以下では、繊維製品でも励起電子が少なく、熱電能が下がる。10wt%以上では、ペレットでも半導体粒子の配列が乱れ、電気抵抗も下がるので、熱起電力が少なくなり、生体効果が減少する。
人体に接触させたときの熱電効果を利用する従来の熱電複合樹脂は、所定の寸法に切断されて使用されるが、本発明の熱電機能性繊維の場合は、マスターバッチとしてペレットを使用する。溶融紡糸法による繊維化の場合は、溶融混練過程で針状の半導体粒子は配列方向が乱されるが、繊維の延伸工程で針状半導体粒子列はより一層略1次元配列をするため、半導体粒子の配合量を減らすことができる。
半導体粒子は、樹脂との混合過程で樹脂表面に吸着され、溶液混合とは異なり、不均一に固体状で分布するため、溶融過程で球状になることは少ない。したがって、成型後の結晶化処理で、針状の形状で存在する確率が大きい。溶液混合の場合は、半導体粒子は帯電性能のため球状に凝集する。赤外線効果を目的とする場合には、なるべく細かく一様に分散する必要があるので溶液混合が適用されるが、熱電効果の場合は、半導体粒子凝集体の針状形態が必要条件である。
本発明によれば、大きな熱電能を有する高分子複合体を安定的に製造する方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る熱電性高分子複合体の製造方法の工程を示す模式図である。 第3工程において用いられる押し出し成型機の一例を示す図である。 第3工程において用いられる押し出し成型機の他例を示す図である 図1の第5工程において製造された繊維の断面構造を示す図である。 実施例1の繊維のDSC(示唆熱分析)曲線を示す図である。 ナノダイヤ練込み糸の電気−温度感受性の時間的変化を示す図である。 実施例2の結晶化処理の加熱前後のDSC曲線を示す図である。 従来製法により製造された繊維中でのナノダイヤの分散状態を示す図面代用写真である。
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る熱電性高分子複合体の製造方法の各工程について、図1の模式図を参照しながら詳細に説明する。
第1工程は、ナノ半導体粒子と高分子樹脂粉末とを混合する工程である。この工程では、図1の(a)に示すように、ナノ半導体粒子Aは高分子樹脂粉末Bの表面に吸着される。ナノ半導体粒子Aには、ナノダイヤモンド粒子が最適である。PET及びPBT(ポリブチ練テレフタレート)のようなエステル樹脂は、工程中での加水分解による劣化を防ぐため、前もって加熱脱水をしておくことが好ましい。加熱脱水条件は120〜150℃、2〜4時間で充分である。
第2工程では、図1の(b)に示すように、第1工程においてナノ半導体粒子を表面に吸着した複合樹脂ABを溶融混練する。溶融混練には、通常のスクリュウ回転機構を有する2軸混練押出機が使用できるが、混練加工中は樹脂にせん断応力によるシェアーを与えるメカニズムをもつ混練方法が望ましい。シェアー力を与えられた複合樹脂は、配合されたナノ半導体粒子が球状に凝集するのを防止する作用が強いためである。
第3工程では、図1の(c)に示すように、第2工程において溶融混練されたナノ半導体複合樹脂を所定の径を有するノズルから押出し成型する。第2工程において2軸混練押出機を使用する場合は、第2工程と第3工程とが切れ目なく行われる。
第3工程における押出し成型において、図2の(a)に示すように、押し出し成型機Pに口径が2〜10mmのノズルn1を用い、押出し成型しながら、または押出し成型後に、成型品を切断すれば、熱電機能ペレットの製造が可能である。図2の(b)は(a)の側面図である。
また、第3工程における押出し成型において、図3の(a)に示すように、1〜3mmの口径を多数有するノズルn2を用いる場合は、熱電機能繊維の製造が可能である。図3の(b)は(a)の側面図である。
第3工程においては、押出し成型後、急冷して、高分子結晶化を防ぐことが好ましい。樹脂が押出工程で結晶化すると、配合半導体粒子がパーコレーション効果により配列しにくいからである。温水冷却程度の冷却速度でも良いが、樹脂及び半導体粒子の種類によって条件が変わる。ナノダイヤモンド粒子の場合は、ダイヤからの熱励起電子により樹脂の結晶化が阻害されるので、空冷でも良い。
第4工程では、図1の(d)に示すように、第3工程において押出し成型された物Cを所定の温度で加熱し、所定時間をかけて結晶化(D)させる。樹脂の結晶化の過程で、パーコレーション及びダイナミックパーコレーション効果により配合された半導体粒子は、結晶界面に押出される。また、樹脂は押出工程で押出方向に異方性をもって結晶化しやすいので、押出し成型品C中の半導体粒子は所定の方向にほぼ一次元配列し、半導体粒子からの励起電子による電圧が積算されて、巨大なゼーペック係数を有する熱電性高分子複合体ができる。
上記特許文献3には、押出成型後のペレットの結晶化及び再加熱による半導体粒子凝集体の結晶粒界への偏析による針状化配列の思想はない。
本発明の第2の実施の形態に係る熱電性高分子複合体の製造方法においては、上記第1の実施の形態における第3工程において成型された物を切断してペレットを成形し、そのペレットを第4工程において結晶化した後、図1の(e)に示すように、第5工程において、そのペレットD’をマスターバッチとして、半導体粒子を含まない高分子ペレットまたは高分子粉末Eを所定量配合し、溶融紡糸法により繊維中に半導体粒子がほゞ1次元配列をされた繊維Fを製造する
図4は、本発明方法により製造された繊維Fを示すものであり、(a)は繊維Fの拡大側面図、(b)は(a)のX−X拡大断面図、(c)は(a)のY−Y拡大断面図である。(b)(c)に示されるように、結晶化処理により繊維F中に1次元配列したナノダイヤ粒子A’の偏析が進み、顕著な配向性が認められる。
以下に、実施例を説明する。
<実施例 1> PBT繊維
PBT樹脂粉末及び基本粒径分布範囲3〜10nmの凝集体を用いて、マスターバッチとするペレットを製作した。PBT樹脂は10〜30μm程度に粉砕し、120〜150℃で2〜4時間乾燥し、脱水処理をした。脱水処理した樹脂粉末と凝集体を粉末混合して、樹脂粉末の表面にナノダイヤ粒子を付着させた。0.1wt%のナノダイヤ粒子を配合したマスターバッチは、10%混合体にダイア無しの樹脂を加えて10倍に薄め、更に同様のプロセスで10倍に薄めて所定の配合にした。しかし、ナノダイヤ粒子の凝集体のサイズによっては、最初から0.1wt%配合にしてもよい。
混合されたナノダイア樹脂粉末を、2軸混練押出機にて直径2mmφに押出し成型した。押出し成型温度は、樹脂により200〜270℃の範囲に選定した。スクリュウ回転数は、5〜25rpmで行った。成型品は強制冷却して、徐冷による結晶化を防いだ。
押出成型品は、押出し方向にテクスチャーを持っているので、長手方向に結晶化し易い。所定の長さに切断後、120〜150℃の温度で2〜6時間加熱して結晶化した。これにより、長手方向に伸びた結晶粒界にナノダイヤを析出させ、0.1wt%ナノダイヤ配合マスターバッチを作った。
図5にマスターバッチとダイヤ無しのPBT結晶化繊維のDSC曲線を示す。PBT樹脂は、ナノダイヤの影響を受けず、完全に結晶化していた。PBTマスターバッチの結晶化処理により、生体温度差で起電力は200mVが得られた。繊維ではより配向性が増すので配合量0.001wt%で起電力は300Vにも達した。マスターバッチの起電力の測定には、CUSTOM製CDM−11電子テスターを、繊維の測定には、春日製静電電圧計KSD−0102を、使用した。
これに対して、バルク半導体の起電力は、最大でも300〜1000μVである。
0.1wt%ダイヤ配合PBTマスターバッチをダイヤ無しのPBT樹脂と混合し、溶融紡糸機にてナノダイア0.001wt%配合のナノダイア機能繊維を作成した。そのナノダイア機能繊維の熱電性能、抗菌性を測定した。
丸型0.6mmφのノズルで溶融紡糸し、延伸工程を経て、50μφと180μφのナノダイア配合繊維を試作した。熱電性能の測定には、各繊維が離散的に配置された180μmφ繊維使用の歯ブラシで測定した。測定結果を図6に示す。測定には上記KSD−0102を使用した。
測定結果がナノダイヤ半導体粒子の略1次元配列による熱電性能によるものか確かめるため、各繊維が密着した、直径4cm、長さ1cmの集合体に集束成型し、温度変化を与え、起電力を測定した。室温保持したサンプルを36℃の加熱板に移動し、温度変化を与えて、発生する起電力を静電電圧計KSD−0102で測定した。いずれのサンプルも、室温及び温度変化で起電力は見られなかった。ダイヤ無しの繊維は、誘電体繊維の形状異方性効果による帯電が集合体になることにより消滅し、ダイア有りの熱電繊維は、繊維束になることにより、繊維相互の電気反発力が増し、バルク半導体熱電素子と同じ現象になり、マイクロボルト単位の熱電性能を示したためである。
歯ブラシの離散した繊維配列では、一定温度では起電力0で温度変化により300Vの起電力が発生した。時間経過とともに、繊維長て方向の温度差がなくなるので、起電力は減少した。ダイヤ無の繊維では、誘電体PBT繊維の形状異方性効果により定常状態でも帯電し、時間経過とともに減少することはない。
繊維集合体では、どちらの繊維も定常状態及び温度変化で帯電しないことから、ナノダイア配合機能繊維は、熱電機能繊維で半導体ナノダイヤ粒子の略1次元配列により巨大ゼーペック係数を有していることが分かる。
ナノダイヤ繊維が集合体になると、各繊維の電気反発力相互作用で起電力が無くなることが判明したので、50μmφ繊維20%混紡品に繊維布加工し、腕に巻いて血流向上効果を測定した。
発生電圧は300Vで、血流は10%UPしており、本発明のマスターバッチ製法を用いれば、略1次元ナノダイヤ配列熱電機能繊維及びペレットが作成できることが分かった。
本実施例では、ナノダイア半導体が使用されたが、使用される半導体の種類に限定はない。パーコレーション配列を起こすには、半導体粒子表面エネルギーが高分子樹脂マトリクスと大きく異なることが望ましい。
<実施例 2> PP樹脂ペレット
PP樹脂粉末及び粒径20〜300nmのダイヤ粒子を混合後、射出成型機にて加熱溶解し、5mmφのペレットを成型した。5mmφ成型品を5mm長に切断し、生体熱電ペレットとした。ペレットは、成型後90℃で2時間加熱処理し、結晶化した。
結晶化処理前の熱起電力15V平均値が、20Vに上昇した。これは、結晶化処理によりナノダイヤの偏析が進み、配向性が増したことを示す。加熱前後のDSC曲線を図7に示す。
以上の実施例に示されるように、紛体混合品を成型後加熱し、結晶化を進めることにより、半導体粒子の配列が増し、熱電繊維及びペレットでも熱電性能が向上することから、本発明の有効性が確かめられた。繊維の場合は、溶融紡糸後の延伸過程で配向性が一層増進するので、特に効果が大きい。

Claims (4)

  1. ナノ半導体粒子と高分子樹脂粉末とを混合する第1工程と、第1工程においてナノ半導体粒子を表面に吸着した複合樹脂を溶融混練する第2工程と、第2工程において溶融混練された物を所定の口径を有するノズルから押出し成型する第3工程と、第3工程において成型された物を所定の温度で加熱し、所定の時間をかけて結晶化する第4工程とからなる熱電性高分子複合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱電性高分子複合体の製造方法において、
    前記第3工程において成型された物を切断してペレットを成形し、そのペレットを前記第4工程において所定の温度で加熱し、所定の時間をかけて結晶化した後、第5工程として、そのペレットをマスターバッチとして、半導体粒子を含まない高分子ペレットまたは高分子粉末を所定量配合し、溶融紡糸法により繊維中に半導体粒子がほゞ1次元配列をされた繊維を製造することを特徴とする熱電性高分子複合体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱電性高分子複合体の製造方法において、
    半導体粒子として活性化エネルギー0.2〜1eV及び粒子サイズ3〜300nmのナノダイヤ粒子を使用し、温度範囲230〜280℃で押出し成型し、成型品を80〜170℃で1〜5時間加熱結晶化し、高分子結晶粒界にダイヤを偏析させて海島構造を有するマスターバッチ及びペレットを製造することを特徴とする熱電性高分子複合体の製造方法。
  4. 請求項1,2または3に記載の熱電性高分子複合体の製造方法において、半導体粒子を0.0001〜10wt%含むことを特徴とする熱電性高分子複合体の製造方法。
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