JP2014148765A - 導電性ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

導電性ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い導電性と細いモノフィラメント径を両立させた導電性ポリエステルモノフィラメントを提供する。
【解決手段】 ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであって、前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下であることを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメント。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含む導電性ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法ならびにその用途に関する。
ポリエステルモノフィラメント中に、鉄や銅などの良導体を含む導電性ポリエステルモノフィラメントは、静電気の除去または電磁波遮蔽において重要な素材となっている。
たとえば、導電性ポリエステルモノフィラメントは静電気を除去する目的で衣料用、産業用など様々の分野において需要がある。たとえば、クリーンルーム用の衣料用ポリエステルモノフィラメントとして、またカーペットへの混繊用ポリエステルモノフィラメントとして使用されている。さらに、コンピューターなどを使用するエレクトロニクス産業やその周辺分野で、電磁波遮蔽の目的で利用されている。近年では電子情報機器、特に携帯電話などの無線端末の普及により日常的な環境においても電磁波の暴露量が増加しており、健康への影響が懸念されているので、一般衣料分野においても電磁波を高度に遮蔽する素材の要求が高まっている。
特許文献1には、ポリエステルモノフィラメントに導電成分としてカーボンナノチューブを0.1〜3重量%含有させた導電性モノフィラメントが記載されている。
特許文献2には、カーボンナノファイバーを2〜10重量%含有する熱可塑性樹脂組成物によって形成され、体積抵抗値が1.0×10Ωcm以下、モノフィラメント径が5〜500μm、引張強度が2g/dTex以上の導電性モノフィラメントが記載されている。
特許文献3には、モノフィラメント表層の少なくとも一部分に導電層を有する平均抵抗率が1.0×10〜1.0×1012[Ω/cm]、抵抗率の標準偏差の大きさが0.2以下の導電性モノフィラメントであって、該導電層が少なくともポリエステル成分と0.3〜5重量%のカーボンナノチューブとからなることを特徴とする導電性モノフィラメントが記載されている。
特開2005−054277号公報 特開2006−152491号公報 特開2007−092234号公報
しかしながら、これらの特許文献1〜3に記載されたカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバー含有導電性モノフィラメントは、いずれもカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバー含有率が5重量%未満であり、より高い導電性を得ることはできない。カーボンナノファイバーを2〜10重量%含有するという特許文献2でも、実際には5重量%の含有量までしか紡糸できないことが記載されている。
本発明者らの検討によれば、カーボンナノチューブ含有導電性モノフィラメントは、カーボンナノチューブ含有率が低ければ低いほど紡糸が容易であり、カーボンナノチューブ含有率が5重量%を越えると紡糸性は極端に悪化する。
一方、比抵抗の高さなどに加え、モノフィラメントのしなやかさ、肌触りなどの感触、対象物への追随性などの面から、導電性モノフィラメントであっても、できるだけフィラメント径の小さいものが好ましいので、導電性の観点からカーボンナノチューブ含有率の高いモノフィラメントが、用途の観点からは、モノフィラメント径の小さいものが望まれていたということができる。
しかしながら、前記のとおり、ポリエステル樹脂にカーボンナノチューブを5重量%以上、含有させて溶融紡糸した場合には、紡口から押し出された溶融ポリマーは、該溶融ポリマー中に含有されるカーボンナノチューブの熱伝導性が高いために、放熱により急速に冷却されポリマーの流動性が低下して、冷却槽で冷却固化した時には、伸度の無い未延伸糸になる。そのため、モノフィラメントとして巻き取るだけの延伸性がなく、固化した未延伸糸を巻き取ると、すぐに糸切れが発生して紡糸できない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、通常のモノフィラメントは溶融した樹脂が溶融紡糸用押出機で溶融させて口金から溶融状態で吐出され、空気である程度冷却され流動性のある状態で冷却槽に入り冷却固化して、伸度のあるモノフィラメントとなるが、カーボンナノチューブ含有率の高いモノフィラメントでは、該モノフィラメントに含まれるカーボンナノチューブの熱伝導性の良さが糸切れの原因であることを見出した。
すなわち溶融紡糸した場合には、口金から紡出された溶融ポリマーは、含有されるカーボンナノチューブの放熱によって、急速に冷却され、ポリマーの温度が下がり、流動性が低下した状態で冷却槽に入るため、冷却槽で更に冷却固化した未延伸糸は伸度が全く無くなり糸切れを起こす。
そして、カーボンナノチューブの含有率が高くなり、繊径が細くなればなるほど溶融ポリマーの熱導性が高く放熱が高くなるため、口金から紡出された溶融ポリマーは更に急速に冷却されて、ポリマー温度が下がり、流動性が低下して糸切れを起こすとの見解に至った。
さらに、溶融紡糸されたポリマーの流動性低下がほとんど起こらない場合でも、冷却槽が当該ポリマーのガラス転移点温度以下で冷却固化すると未延伸糸の伸度が無くなり糸切れを起こすが、紡糸に際して、口金から紡出されたカーボンナノチューブ含有ポリマーの急激な温度低下を避け、流動性を保った状態で、冷却槽で当該ポリマーのガラス転移点温度以上で冷却固化して未延伸糸とすれば、糸切れすることなく、カーボンナノチューブ含有モノフィラメントを製造できることを見出すとともに、口金から紡出された溶融ポリマーを、カーボンナノチューブ含有率や繊径に対応して、空冷距離(エアーギャップ)を短くすることや、カーボンナノチューブ含有率や繊径に対応した保温条件で加温し、ポリマーの急激な温度低下が避け、流動性を保った状態で当該ポリマーのガラス転移点温度以上の冷却槽で完全冷却固化して未延伸糸を得ることによって、高い導電性と細いモノフィラメント径の導電性モノフィラメントを糸切れすることなく製造できることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明は、ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであって、
前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下であることを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメントである。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートのモノフィラメントであることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07mm〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの混合モノフィラメントであることを特徴とする。
また、本発明は、前記導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする入力用タッチペンである。
また、本発明は、前記静電容量型入力パッド用の入力用タッチペンであって、導電性の軸体と、該軸体に保持された導電性弾性体の先端部とを含み、前記導電性弾性体として、請求項1または2に記載された導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする導電性ブラシである。
また、本発明は、前記導電性ブラシが、画像形成装置に用いる現像用ブラシ、接触帯電用ブラシ、クリーナー用ブラシまたは除電ブラシのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明は、ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであり、前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下である導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法であって、
カーボンナノチューブを流動状態のポリエステル樹脂に混合する混合工程と、
前記混合工程で混合されたポリエステル樹脂物質とカーボンナノチューブとの混合物を、ガラス転移点以上の温度で、紡糸および延伸する紡糸工程を含むことを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法である。
本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含み、前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下であることによって、高い導電性を有し、柔軟性に優れた導電性モノフィラメントであるという効果を奏する。
また、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートのモノフィラメントであることによって、さらに柔軟性に優れ、回復性に優れた導電性モノフィラメントが得られるという効果を奏する。
さらに、本発明は、前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07mm〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの混合モノフィラメントであるので、高い導電性と柔軟性・屈曲回復性に優れ、紡糸性が良好であり細い繊径のモノフィラメントが容易に生産出来るという効果を奏する。
さらに、本発明は、前記導電性ポリエステルモノフィラメントを含む入力用タッチペンであるので、タッチパネルを傷つけることなく動作入力ができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記静電容量型入力パッド用の入力用タッチペンであって、導電性の軸体と、該軸体に保持された導電性弾性体の先端部とを含み、前記導電性弾性体として、前記導電性ポリエステルモノフィラメントを含むので、タッチパネルを傷つけることがなく、通常の毛材の筆で書いた様な動作入力ができるという効果を奏する。
さらに、本発明は、前記導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする導電性ブラシであるので、除電性に優れたブラシが得られるという効果を奏する。
また、本発明は、前記導電性ブラシが、画像形成装置に用いる現像用ブラシ、接触帯電用ブラシ、クリーナー用ブラシまたは除電ブラシのいずれかであるので、帯電・除電性に優れ、耐久性に優れたブラシであるという効果を奏する。
さらに、本発明は、ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであり、
前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下である導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法であって、
カーボンナノチューブを流動状態のポリエステル樹脂に混合する混合工程と、
前記混合工程で混合されたポリエステル樹脂とカーボンナノチューブとの混合物を、該ポリエステル樹脂のガラス転移点以上の温度で、紡糸および延伸する紡糸工程とを含む導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法であるので、糸切れがなく生産性に優れ、且つ表面抵抗値の均一性に優れた導電モノフィラメントが得られるという効果を奏する。
本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントの製造工程の一例を模式的に示す略図である。 実施例2で用いた最終CNT含有率として6重量%CNTを含む溶融PTT混合物を、シリンダー温度270℃で充填速度5mm/秒で金型(金型温度80℃)に射出して、冷却固化させたプレートを作製し、樹脂中のCNTの分散状態をマイクロスコープにて200倍で観察した写真である。 本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントを先穂部に構成した入力用タッチペンを模式的に示す略図である。
本発明は、ポリエステルモノフィラメント中に、5重量%以上のカーボンナノチューブを含み、モノフィラメント径が0.3mm以下であることを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメントである。
本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントにおいて、カーボンナノチューブ(以下、CNTということがある)の含有率は、モノフィラメント重量に対して5重量%以上である。好ましくは5〜10重量%であり、もっとも好ましくは5〜8重量%である。
さらに、モノフィラメント径は、0.3mm以下であり、好ましくは0.07〜0.3mmであり、もっとも好ましくは0.07〜0.2mmである。
また、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントの引張強度は、1.0〜2.0cN/dtex以上であり、好ましくは1.5〜2.0cN/dtexである。
さらに、伸度は15〜40%であり、好ましくは20〜30%である。
さらに、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、高含有率でCNTを含み、かつモノフィラメント径が0.3mm以下であるので、電気的な性状として、高い導電性を示すという特性があり、また、繊維径が小さいので織編物やタッチペンやブラシに用いた場合には、柔軟で耐久性に優れるという性質を示す。
CNTを含有するポリエステルモノフィラメントは、CNT含有率が高くなれば糸切れし易く、工業的に製造できなくなり、モノフィラメント径が小さくなれば、未延伸糸の冷却が速くなるため、同様に糸切れし易く工業的に製造できなくなる。
本発明においては、その表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であり、既存のCNT含有モノフィラメントに対して、高い導電性と柔軟性を併せ持つ導電性ポリエステルモノフィラメントであることがわかる。
本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、その断面形状が円形であってもよく、楕円形であってもよく、さらには四角形、五角形、星型などの多角形であってもよく、目的に応じて最適の形状とすることができる。
本発明において、導電性ポリエステルモノフィラメント中に含有されるCNTは、特に制限されるものではなく、単層ナノチューブであってもよく、2層ナノチューブであっても、多層ナノチューブであってもよい。また、その製造方法も、アーク法、レーザーアブレーション法、CVD法、DIPS法、CoMoCAT法、HiPCO法、スーパーグロースCVD法など、さまざまな製造方法が知られているが、いずれの製造方法で得られたものであっても好適に用いることができる。
かかるCNTを、その物理化学的性状で特定するとすれば、比表面積が100〜500m/g、好ましくは200〜500m/g、とりわけ好ましくは250〜500m/gのものがあげられる。
また、比抵抗値として1.0Ω・cm以下のものがあげられ、0.1Ω・cm以下のものが好ましく、0.15Ω・cm以下のものが最も好ましい。また、CNTの径は平均で1.0〜100nmのものが好ましく、3.0〜20nmのものが最も好ましい。
また、炭素純度が80%以上のものであればよく、好ましくは90〜97%、のものがあげられる。
さらに、CNTの径Dと長さLの比(アスペクト比)L/Dは、10〜5000のものがあげられ、好ましくは20〜3000のものがあげられる。
アスペクト比が、前記下限を下回ったとき、または前記上限を越えたときは、CNTの凝集やモノフィラメント内のCNTのフィラメント長手方向への配向が均一にならず、導電性ポリエステルモノフィラメントとして好ましい導電性が得られないおそれがある。
かかるCNTは市販のものを用いることができ、市販品としては、たとえばAMC(登録商標、宇部興産株式会社)、NC700(商品名、NANOCYL社)、GRAPHISTRENGTH C100(商品名、Arkema社)、BAYTUBES C−70P(商品名、BAYYER MATERIAL SCENCE社)などがあげられる。
また、本発明においては導電性成分として、CNTとともに、カーボンナノファイバー(以下、CNFという)、カーボンナノホーン(以下、CNHという)などのナノカーボン(NC)を用いることができる。
本発明において、モノフィラメントを構成するポリエステル樹脂は、この技術分野において汎用され、溶融紡糸可能なものであればよく、特に限定されないが、固有粘度[η]F(dl/g)が0.5〜2.0のものが好ましい。
固有粘度が0.5以下のポリエステル樹脂は重合度が低すぎるため、得られるモノフィラメントの強度が低くなる傾向がある。また固有粘度が2.0を超えるポリエステル樹脂は、溶融粘度が高すぎるために、溶融紡糸用押出機(以下、単に押出機ということがある)からの吐出不良等が生じやすく紡糸性の低下懸念がある。
さらに、ポリエステル樹脂には、通常、オリゴマー成分が2〜4重量%含まれており、このオリゴマー成分は、紡糸時の熱履歴や後工程における熱処理によって、繊維表層部や繊維表面に白粉として析出するため、導電性の低下やバラツキの原因となる。さらにタッチペンの様に後加工でアルカリ減量加工による先細加工を行った毛材を使用して、タッチペンを製造する場合には、オリゴマー部が先に溶解して先細部が凸凹になる等の問題が生じることがある。
しかし、ポリエステル樹脂は固相重合することによりオリゴマー成分量を低減できることが知られているので、前記の原因や問題を回避する意味からは、ポリエステル樹脂チップをさらに固相重合し、オリゴマー成分を1.5重量%以下に低減させた固有粘度1.0〜1.5のポリエステル樹脂が最も好ましい。
また、紡糸してモノフィラメントとした場合に、延伸によって、その引張強度が2cN/dtex以上となるポリエステル樹脂が好ましい。このうち、好ましくは強度が3〜6cN/dtex、とりわけ好ましくは強度が3〜5cN/dtexのモノフィラメントとなるものである。
また、伸度は10%以上のものが好ましく、このうち、さらに好ましくは伸度が20〜50%、とりわけ好ましくは伸度が20〜30%、となるものである。
かかるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある) 、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTということがある)、 ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTということがある)、 ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどがあげられ、このうち、PTTが好ましい。
PTTは、テレフタル酸と、1、3−プロパンジオールとを縮合させることによって得ることができ、既知の製造方法を利用することができる。
本発明において、PTTという場合には、フィラメントを構成する樹脂全体に対して、PTTが繰り返し単位として、70%以上含まれているものを意味する。
本発明においては、前記のポリエステル樹脂と、ポリエステルポリオール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンナフタレートなどとの共重合体も、本発明のモノフィラメントを構成するポリエステル樹脂として好適に使用することができる。
これらの共重合体は、共重合化されることによって、もとのポリエステル樹脂にくらべて融点やガラス転移点温度が低下するので紡糸が容易であり好ましく、これらの共重合体のうち、固相重合により重合度を上げてオリゴマー含有率を低下させたものがさらに好ましい。
さらには、PTTにPBTおよび/又はソフトPBT(ポリテトラメチレンエーテルグリコールを共重合したPBT)を5〜30重量%ブレンドした混合樹脂も本発明のポリエステル樹脂としてあげることができる。
本発明者の検討によれば、CNTとポリエステル樹脂は相溶性がよく、他の樹脂に比べCNTの分散性が良く導電性レベルも高いものが得られる。とりわけ、その中でもPTTはCNTの分散性が良く、高い導電性が得られる。
しかしながら、PTT樹脂100%に8重量%以上の高濃度のCNTを含有させた場合には、さらに熱伝導性が高くなって、外部への急速な放熱により未延伸糸の冷却固化が急速に進み、伸度がなくなり糸切れを起こす場合がある。またCNT濃度が5〜8重量%であっても繊径が0.1mm以下の場合には、未延伸糸の冷却固化が進みやすく、伸度の低下により糸切れを起こし易くなる。
そのような場合には、PTTにポリテトラメチレンエーテルグリコール等のソフト成分を共重合させ、融点、ガラス転移点温度を低下させ低温での伸び特性の高い共重合体樹脂や元来ガラス転移点温度の低いPBTおよび/又はソフトPBTを5〜30重量%ブレンドすることにより、未延伸糸が冷却固化して未延伸糸に伸度が残るため、糸切れが極端に起こり難くなる。
たとえば、PTTのガラス転移点温度は約50℃であるが、PBTはガラス転移点温度が25℃と低く、PBTをブレンドすることにより未延伸糸の冷却固化する温度が低くなる。
そのため、前記のとおり、PTT100%では50℃以下に未延伸糸が冷却固化されると伸度がなくなり糸切れが生じるが、PBTをブレンドすることにより未延伸糸の温度が50℃以下でもPBTのガラス転移点以上であり、PBTの非結晶部分の伸度が残っているため、糸切れしないものと思われる。
従って、CNTを8重量%以上含有した場合やCNTが5〜8重量%で0.1mm以下の径のモノフィラメントを紡糸する場合は、ポリトリメチレングリコール等で共重合したポリエステル共重合体を用いるか、またはPTTにPBTを5〜30重量%ブレンドして紡糸すると糸切れが少なくなるうえ、導電性を低下させないので好ましい。
PTTにPBTを混合する場合、PBTの含有量が5重量%以下では糸切れの抑制効果がなく、また30重量%以上では糸切れ抑制効果はあるものの、導電性能の低下が起こり本発明の表面抵抗値は得られない。
モノフィラメントを構成するポリエステル樹脂として、PTTを用いる場合には、紡糸性と導電性を両立させるためには、CNTが5〜10重量%、PTT中に配合され、モノフィラメント径が0.07〜0.3mmのものが好ましく、また、前記CNT含有率でCNTを含み、前記モノフィラメント径を有する導電性ポリエステルモノフィラメントは、その表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下である。この表面抵抗値は、CNT含有率が、増加するにしたがって低下する。
図1は、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントの製造工程を、模式的に示す略図である。図1において、1は溶融紡糸用押出機、2は保温筒、3は冷却槽、4は第1ゴデッドローラをそれぞれ表し、5は延伸温水槽、6は第2ゴデットローラ、7は延伸乾熱処理機、8は第3ゴデッドローラ、9はリラックス乾熱処理機、10は、第4ゴデッドローラ、11は巻き取り機をそれぞれ表す。12はエアーギャップの距離を示す。
本発明の製造方法によれば、本発明の導電性モノフィラメントは、カーボンナノチューブを流動状態のポリエステル樹脂に混合する混合工程と、前記混合工程で混合されたポリエステル樹脂物質とカーボンナノチューブとの混合物を、当該ポリエステル樹脂の融点以上の温度で紡糸し、ガラス転移点以上の温度で延伸する紡糸工程とを順次実施することによって、製造することができる。
なお、本発明の製造方法においては、工程という用語を使用しているが、これは製造方法の説明の便宜上のものであり、これらの工程を順次行うことはもちろん、一挙に実施可能な工程を合一させて行うことも、本発明の製造方法に含まれる。
混合工程では、CNTとポリエステル樹脂とを流動状態で混合する。具体的には、ポリエステル樹脂を加熱して溶融させ、これにCNTを加えて混合し、ポリエステル樹脂とCNTとの溶融物とするか、またはポリエステル樹脂とCNTとを混合しつつ加熱して溶融し混合して前記溶融物とすることができる。また、たとえば、二軸混練押出機などでポリエステル樹脂とCNTとを混練成形して高濃度マスターバッチを製造し、紡糸時にCNTが所定の濃度になるように、ポリエステル樹脂で希釈してもよい。
ポリエステル樹脂へのCNTの混合は樹脂の製造時に行ってもよく、また樹脂の製造後に行ってもよいが、CNTの分散性を向上させるため、予め溶媒への分散処理を行ったCNTを樹脂の製造工程において添加してもよい。樹脂の製造後に混合を行う際は、加熱ロールミル、押出混合機、溶融ブレンダーなど公知の混合機を用いることができる。混練は、エクストルーダを用いて行うことができ、エクストルーダを用いるときは、混練を均一に行う意味で、2軸以上の複数軸エクストルーダが好ましい。さらにCNTの分散性を向上させるにはポリエステル樹脂ペレットを予め粉砕してしてから、2軸以上の複数軸エクストルーダーで押出しCNTを含有するポリエステル樹脂チップとするのが好ましい。
ポリエステル樹脂とCNTの溶融混合物(以下、CNT‐ポリエステル混合物という)は、分散状態が良好であれば、CNTの塊または毛玉の開繊が不十分でひとかたまりになった凝集体が少なく、糸切れの発生が少ない。
CNTの凝集体や分散状態を、前記溶融物を射出成型して、溶融物のプレートを作製し、その表面を光学顕微鏡観察した場合に、少なくとも15μm以上の凝集体が1mm当たり20個以下であればよく、10個以下が好ましい。
CNTとポリエステル樹脂との混合温度は、当該ポリエステル樹脂の融点や重合度によっても異なるが、ポリエステル樹脂がたとえばPTTの場合には、240〜290℃で溶融させればよい。
前記混合工程で得られたCNT‐ポリエステル混合物は、そのまま次工程となる紡糸工程に用いてもよく、または冷却、成型して、CNT‐ポリエステル混合物のペレット、チップなどの成形物または粉砕物(以下、これらを総称してCNT含有ポリエステルチップという)としてもよい。
紡糸工程は、前記混合工程で混合されたCNT‐ポリエステル混合物またはCNT含有ポリエステルチップを、該ポリエステル樹脂の融点以上の温度で押出し、口金から押出された溶融ポリマーのエアーギャップ距離を3〜20mmと短くして溶融ポリマーの急激な冷却を抑制するか、紡出された溶融ポリマーを口金直下に設けた保温筒により、該ポリエステル樹脂の融点以上に加温を行い、急激な冷却を抑制した後、該ポリエステル樹脂のガラス転移点以上の冷却槽にて固化冷却して、紡糸および延伸することによって、実施することができる。
具体的には、前記混合工程で混合されたCNT‐ポリエステル混合物またはCNT含有ポリエステルチップを、保温下に、押出機1で押出してポリエステル樹脂の融点以上の温度を維持した溶融ポリマーとし、ついで該溶融ポリマーを、ガラス転移点温度以上の温度で冷却固化して延伸することによって、実施することができる。
紡糸は、合成モノフィラメントの紡糸に使用される溶融紡糸法で実施できる。たとえば、プレッシャーメルタ型、エクストルーダ型等の公知の押出機1を使用し、所望の断面形状となるよう押出機1の口金を選択して紡糸することができる。
前記混合工程で混合されたCNT‐ポリエステル混合物またはCNT含有ポリエステルチップの押出機1の溶融温度は240℃から290℃で溶融して紡糸するが好ましい。290℃を超えた温度で溶融すると、CNT含有ポリマーの熱分解が生じ、糸切れが発生するようになるので好ましくない。
押出機1から押し出された溶融ポリマーは、前記のとおり、ポリエステル樹脂の流動性を低下させない温度を維持するように保温することが必要である。
保温は、公知の押出機1の口金直下に保温筒2などを装着し、その内部を口金からでたCNT含有ポリマーの融点以上の温度に維持することによって、行うことができる。
保温筒2の内部温度は、ポリエステル樹脂の種類、重合度などによっても異なるが、使用するポリエステル樹脂の融点〜押出し溶融温度までの範囲となるよう設定すればよい。
具体的には、融点温度を下限とし、融点温度よりも10〜50℃高めの温度を上限とするのが好ましく、その一例をあげるとすれば、230〜280℃、好ましくは240〜260℃となるように保温すればよい。
保温筒2の長さは特に限定されないが、30〜300mm、好ましくは50〜200mmの長さの円筒を口金出口面から取り付けて、空冷により急激な冷却固化を制御して糸切れが発生しない長さに適宜CNT濃度や繊径に応じて調整すればよい。保温筒2の長さが300mmを超える場合は、糸の繊径斑が発生する。
保温筒2を用いる場合において、保温筒2内部の温度分布は、一様であってもよく、また未延伸糸が保温筒2内に押し出される入口付近を前記保温温度の上限値に近く設定し、保温筒2の出口付近にかけて、前記下限値に近くなるよう、温度勾配を設けてもよく、あるいはこれとは逆に、入口付近を前記下限値に近く、出口付近を前記上限値に近くなるよう設定してもよい。
口金から押出された溶融ポリマーのエアーギャップ距離は、通常モノフィラメントの場合は50mmから100mmで行われるが、本発明においては、保温筒を設置しない場合は3〜20mmと短くして溶融ポリマーの急激な冷却を抑制する必要がある。20mm以上とする場合には糸切れが発生するので、保温筒で加温する必要がある。
続く未延伸糸の固化は、該未延伸糸がガラス転移点以上を維持しながら固化する温度で冷却することにより実施できる。
固化は、前記条件を満たす条件であれば特に手段の限定はなく、前記温度の温風で送風してもよく、前記温度の冷却槽3に浸漬してもよいが、温度制御の容易さからみて、冷却槽3に浸漬するのが好ましい。
冷却槽3の浴温は40〜80℃、好ましくは50〜70℃とすることが、糸切れや防止や繊径斑を起こさないから望ましい。この冷却槽3の温度が40℃以下または80℃以上とした場合、冷却槽3内で糸の走行が脈動して不安定な状態となり、糸切れや繊径斑を起こす。
本発明の紡糸工程の具体的な1例として、CNTを5重量%含有するPTTの溶融物を紡糸して0.15mm径の延伸糸を製造する場合をあげると、溶融物吐出温度270℃で、吐出孔径0.8mmの口金を用いて、吐出量が1.9g/分・口金となるよう押し出す。この場合はエアーギャップ距離13を3〜5mmとすれば、保温筒無しで紡糸する事が出来る。保温筒2を設置する場合は、保温領域の温度は、250℃であり、該領域の長さは100mmである。この場合、モノフィラメントの保温領域通過速度が0.3〜1.0m/秒となるような速度で通過させるのが好ましい。
続く未延伸モノフィラメントの固化は、冷却槽3などを用いた液体冷却によって行うが好ましい。
冷却槽3は、水を満たした冷却槽であり、浴温は40〜90℃、好ましくは50〜80℃とすることが、糸切れや防止や繊径斑を起こさないから望ましい。この冷却槽3の温度が40℃以下または90℃以上とした場合、冷却槽3内で糸の走行が脈動して不安定な状態となり、糸切れや繊径斑を起こす。
冷却槽3から出た冷却固化した未延伸糸は第1延伸ゴデットローラ4と第2延伸ゴデットローラ6の速度差により延伸温水槽5で第1延伸される。
第1ゴデットローラ4は金属製であり、ここでも冷却槽3から出た未延伸糸は冷却されるので、第1ゴデットローラ4は40〜60℃に加温出来るようにするのが糸切れを防止し安定生産を行う面から好ましい。第2ゴデットローラ6、第3ゴデットローラ8については温水槽にて延伸された延伸糸となっている為、特に加温は必要ない。
本発明において、延伸は複数回、加熱下に延伸することが好ましく、その1例をあげるとすれば、1回目の延伸は延伸温水槽にて50〜90℃で、延伸比が2.0〜4.0となるように第1ゴデットローラ4の速度と第2ゴデットローラ6との速度差により延伸する。2回目の延伸は、延伸乾熱処理機7で110〜180℃で、延伸比が1.0〜1.2となるように第2ゴデットローラ6の速度と第3ゴデットローラ8の速度差により延伸する。
さらに、第2延伸後はリラックス乾熱処理機9で120〜210℃で、リラックス率が3〜10%となるように第3ゴデットローラ8と第4ゴデットローラ10の速度差によりリラックスを行い、巻き取り機11で巻き取る。
リラックスの条件として、リラックス率と温度は高い方が表面抵抗値は低くなり導電性は良好となるが、処理温度が190℃を超えるとPTTの場合、オリゴマーが糸表面に析出してくるので好ましくない。
もし、前記紡糸工程において、エアーギャップの距離12が適正でなかったり、保温筒の設置がないと、口金から押し出される溶融ポリマーを冷却槽3で冷却、固化して、延伸した場合には、糸切れが多数発生して、延伸することができない。
かくして得られた本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、所望の長さに切断して、またはモノフィラメントのままで、種々の用途に使用することができる。
かくして得られた本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、高い導電性と、モノフィラメント径の細いことによって、柔軟で耐久回復性に優れ、タッチパネルを傷つけることがなく、通常の毛材の筆で書いた様な動作入力が出来るなどの優れた効果を有する入力用タッチペンや導電性ブラシとして用いることができる。
入力用タッチペンは、パソコン、携帯端末などの情報処理装置に接続された入力装置に座標情報を入力するために用いられものであって、入力装置としては前記情報処理装置に接続された静電容量型座標入力装置あるいは表示一体型静電容量型入力装置がある。
これら静電容量型入力パッド用の入力タッチペンは、通常、導電性の軸部と該軸部に保持された導電性弾性体の先端部から構成されるが、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、前記先端部を構成する導電性弾性体として用いることができる。
図3は、本発明に係る導電性ポリエステルモノフィラメントを含む入力用タッチペン13を模式的に示す略図である。図3において、14は導電性テーパー穂先部、15は本体軸と導電性テーパー穂元部との接続部、16は本体軸部をそれぞれ示す。
入力用タッチペン(以下、タッチペンという)13の先端部14は、入力用パッドとの接触面積を確保できる形状であれば、どのような形状であってもよいが、一定量の導電性ポリエステルモノフィラメントを束ねてテーパー穂先部の形状とすることが好ましい。
本発明のタッチペン13においては、導電性ポリエステルモノフィラメントの導電性が優れているので、導電性ポリエステルモノフィラメントをそのまま使用してもよく、この場合には前記フィラメントとして0.07〜0.3mm、好ましくは0.07〜0.2mmの径のものを使用することができる。
本発明の実施態様にそって説明すると、本発明のモノフィラメント繊維は、紡糸後テーパー型の穂先部14とするためにブリッスル加工を行う。まずモノフィラメント繊維は原糸の巻き癖を直すために、原糸を走行させながら連続的に乾熱セット機でセットされた後、綛巻き機にて四角形の綛にトウ状の繊維束に巻かれる。
所定のトウ状の繊維束になったら、四角形の2端面を切断して綛巻き機から下ろして、トウ状の繊維束を竿に吊り下げて櫛を用いモノフィラメントを真っ直ぐなトウ状の繊維束になるように櫛通しを行う。次に、このトウ状の繊維束を紙巻き機にて糊付き紙で繊維束外周部をスパイラル状に巻いて1本の紙巻き繊維束(ハンク)を作成する。ハンクを乾燥後穂筆の長さに応じた長さにハンクを裁断してタッチペン製造工程へと送られる。
また、穂先部14とする場合に、先端部をより細くするための、先細加工として、導電性ポリエステルモノフィラメントをアルカリ減量加工することが好ましい。
アルカリ減量加工は、導電性ポリエステルモノフィラメントを通常のアルカリ減量加工に用いられる条件であればよいが、増粘剤を含む加水分解剤液を使用することが、先細化の均一性の点から好ましい。加水分解剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。場合によってはラウリルベンジルアンモニウムクローライド、セチルトリメチルアンモニウムクローライド等の加水分解促進剤や浸透剤及びオリゴマー溶解剤を併用してもよい。
アルカリ減量加工は、導電性ポリエステルモノフィラメントの繊維束(ハンク)を約20〜80mmの長さにカットして、一方の端を、例えば10〜20mm程度アルカリ液に浸漬して、110〜130℃で1〜2時間処理することにより目的のテーバー状の穂先部15を得ることができる。
また、前記穂先部14は、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントのみで成形されていてもよく、またその中心部に、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントをこえる曲げ強度と弾性の強い中芯が設けられていてもよい。
この中芯により、筆穂の機械的強度を大幅に向上させることが出来る。かかる中芯としては、緻密な棒状体、繊維束で多孔質の棒状体、粒子の焼結物の棒状体などの形状で、樹脂、金属、金属酸化物、半金属、半金属酸化物などで構成されているものがあげられる。
本発明のタッチペン13において、導電性を優先させる場合には、該中芯は、導電性樹脂または導電性材料を含む樹脂で構成されることが望ましく、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントと同じ材料を用いて押し出し形成されたものであってもよい。
また、前記穂先部14は、本体軸部16に対して固定されていてもよく、着脱自在に構成されていてもよい。
前記穂先部14が、本体軸部16に固定されるときは、穂先部14に形成した導電性ポリエステルモノフィラメントの束の後端に樹脂溶液等による融着部を形成させ、樹脂板等を前記穂先部15に形成した導電性ポリエステルモノフィラメントの束の後端に樹脂溶液等によって接着固定させて、前記樹脂体を本体軸部16に接着すればよい。
また、前記穂先部14が本体軸部16に着脱自在に保持されるときは、前記穂先部14の後端に形成した導電性ポリエステルモノフィラメントの束を接着固定させた樹脂板を、本体軸部16の接続部15と接触または嵌合しやすくするために、穂先部14の後端をフランジ状のものとすることによって、着脱自在の構成とすることができ、組み立て時または弾性体の交換時の利便性を高めることができる。
本体軸部16は、既知のタッチペンにおいて使用されている成分を使用することができ、またその形状も、鉛筆型、筆型、万年筆型など、種々の形状とすることができる。
さらに、本体軸部16と穂先部14との結合は、前記のように樹脂板を介して、固定ないし着脱自在に構成されていればよいが、既知方法によって、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントが本体軸部16に植毛、固着されたものでもよい。
かくして得られる、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントを穂先部14に有するタッチペン13は、導電性に優れ、かつ径が細いので、タッチペンにおける確実な入力が可能で、かつしなやかな使用感が得られるほか、導電性を担うCNTが非常に微小なものであるので、導電性材料として一般的な、カーボンブラック、黒鉛、および、金属粒子等を分散させたモノフィラメントにおいて見られる、長期間使用による入力パネルのキズや線などの損傷がないという利点も併せ有する。
本発明の導電性ブラシとしては、例えば、導電性帯電制御ブラシ、導電性クリーニングブラシ、導電性ロールブラシ、導電性バーブラシ、導電性静電植毛ブラシ等が挙げられる。また、本発明の導電性ブラシとしては、パイル生地を金属シャフトに巻き付けた導電性ブラシ、板金に貼り付けた導電性ブラシ等も挙げられる。
本発明の導電性ブラシにおいて、導電性ポリエステルモノフィラメントは、そのまま使用してもよく、この場合には前記フィラメントとして0.07〜0.3mm、好ましくは0.07〜0.15mmの径のものを使用することができる。
また、導電性ブラシに適したフィラメント径となるように、前記フィラメントを複数本、撚り合わせるか、他の素材と撚糸などを行い複合糸として用いてもよい。
前記のように、複数本の導電性ポリエステルモノフィラメントを撚り合わせるか、または他の素材との撚糸などによる複合糸とする場合には、公知の方法によって実施することができる。
本発明の導電性ブラシの製造方法は、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントを用いること以外は、従来公知のブラシの製造方法を使用して製造することができる。
その1例をあげるとすれば、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントで製造されたパイル布帛の生地を、支柱に螺旋状に巻きつけてブラシ形状とする。その後、立毛処理、シャーリング処理を行い、画像形成装置用の導電性ブラシとすることができる。また、パイル布帛を平面上の基板に固定した導電性ブラシとしてもよい。
かくして得られる、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントを含む導電性ブラシは、除電性能やクリーニング性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明の導電性ポリエステルモノフィラメントは、これらに限定されるものではない。
なお、実施例中の各評価は以下の様にして行った。
1)強度・伸度
JIS L−1013に準じオリエンテック社の定速伸長引張試験機を用いて、試料長200mm、引張速度200mm/分で破断時の強度及び伸度を10回測定し、その平均値で表した。
2)表面抵抗値
三和電機計測製絶縁抵抗計MG1000を用い、試料長10mmの抵抗値を5回測定し、その平均値で表した。
3)紡糸性
◎・・・6時間以上紡糸しても糸切れが無く、安定的に生産できる。
○・・・6時間の紡糸中に4回以内の糸切れが発生したが、生産出来る。
×・・・糸切れが多発して、巻き取りが出来ず工業生産出来ない。
・実施例1
(1)110℃で8時間乾燥したPTTペレット(商品名:ソロナ3GTポリマー、Dupont社製)と、平均外径11nmのCNT(商品名:AMC、宇部興産株式会社製)とを、2軸エクストルーダ型紡糸機を用いて、溶融したPTTに混練物の最終CNT含有率が5重量%となるように添加し混練したのち、吐出されたストランドを水で冷却し、カッターで切断して、CNTを含有するPTT樹脂チップを得た。
このPTT樹脂チップを射出成シリンダー温度270℃、充填速度5mm/秒で金型(金型温度80℃)に射出してプレートを作成し、表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物はプレート1平方mm当たり3個であり、分散性に優れていた。
(2)このCNTを含有するPTT樹脂チップを、110℃で10時間、真空乾燥したのち、エクストルーダ型紡糸機を使用して溶融紡糸を行った。
260℃の温度でPTT樹脂チップを溶融し、250℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。紡糸口金は口径0.8mm、口数が60個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して、紡糸孔から吐出量が2.5g/分・口金で押出し、紡出糸をエアーギャップ距離5mmで60℃の冷却槽中に浸漬し、冷却固化して、21m/分の速度の第1ゴデットローラに未延伸糸を通した。
この未延伸糸を巻き取ることなく、第2ゴデットローラは64m/分の速度で90℃の延伸温水槽中で3.0倍に第1段延伸し、次いで第3ゴデットローラは70m/分の速度で延伸倍率が1.1倍となるように、150℃の延伸乾熱処理機を通過させながら第2段延伸した。
さらに第4ゴデットローラは67m/分の速度で180℃のリラックス乾熱処理機を通過させて4.3%の弛緩熱処理を行い、巻き取って、直径0.2mmの本発明の導電性PTTモノフィラメントを得た。
紡糸延伸中に糸切れはなく、また延伸中にローラへのモノフィラメント巻き付きなどの問題は全く発生せず延伸性は優れていた。得られたモノフィラメントの物性は、表1に示すとおりである。
・実施例2
溶融したPTTに混練物の最終CNT含有率が6重量%となるようにCNTを配合する他は、実施例1(1)と同様に実施してCNTを6重量%含有したPTT樹脂チップを得た。
図2に示すように、このPTT樹脂チップを実施例1(1)と同様にしてプレートを作成し表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物はプレート1平方mm当たり3個であり、分散性に優れていた。温度255℃でPTT樹脂チップを溶融し、260℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。
紡糸口金は口径0.8mm、口数が30個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して紡糸孔から吐出量が1.9g/分・口金で押出し、紡出糸をエアーギャップ距離3mmで65℃の冷却槽中に浸漬し冷却固化させる他は、実施例1と同様にして、0.15mm繊径の導電性PTTモノフィラメントを得た。
紡糸延伸時の糸切れはなく、良好な紡糸性を示した。得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例3
溶融したPTTに混練物の最終CNT含有率が8重量%となるようにCNTを配合する他は、実施例1(1)と同様に実施してCNTを8重量%含有したPTT樹脂チップを得た。
このPTT樹脂チップを実施例1(1)と同様にしてプレートを作成し表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物はプレート1平方mm当たり4個であり、分散性に優れていた。
ついで、上記で得たPTT樹脂チップを、110℃で8時間の真空乾燥した後、エクストルーダ型紡糸機を使用して溶融紡糸を行った。
温度270℃でPTT樹脂チップを溶融し、260℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。
紡糸口金は口径1.0mm、口数が30個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して紡糸孔から吐出量が3.8g/分・口金で押出し、紡出糸を口金下に設置した保温温度240℃にした100mm長さの円柱保温筒を通過させ、60℃の冷却槽に浸漬し冷却固化させるほかは、実施例1と同様にして、0.3mm繊径の導電性PTTモノフィラメントを得た。紡糸延伸時の糸切れはなく、良好な紡糸性を示した。
得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例4
溶融したPTTに混練物における最終CNT含有率が10重量%となるようにCNTを配合する他は、実施例1と同様に実施してCNTを10重量%含有したPTT樹脂チップを得た。
このPTT樹脂チップを、実施例1(1)と同様にしてプレートを作成し、表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物は、プレート1平方mm当たり5個であり、分散性に優れていた。
ついで、上記で得たPTT樹脂チップを、110℃で10時間の真空乾燥した後、エクストルーダ型紡糸機を使用して溶融紡糸を行った。
温度250℃でPTT樹脂チップを溶融し、250℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。
紡糸口金は口径1.0mm、口数が30個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して紡糸孔から吐出量が3.8g/分・口金で押出し、紡出糸を口金下に設置した保温温度が250℃、100mm長さの円柱保温筒を通過させ、60℃の冷却槽中に浸漬し冷却固化させる他は、実施例1と同様にして、0.3mm繊径の導電性PTTモノフィラメントを得た。紡糸延伸時の糸切れはなく、良好な紡糸性を示した。得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例5
110℃で8時間乾燥したPTTペレット(商品名:ソロナ3GTポリマー、Dupont社製)に、平均外径10〜15nmのCNT(商品名:GraphistrengthC100、Arkema社製)を、2軸エクストルーダ型紡糸機を用いて、溶融したPTTに混練物の最終CNT含有率が6重量%となるように添加し混練した後、吐出されたストランドを水で冷却したのちカッターで切断して、CNT6重量%含有PTT樹脂チップを得た。
この樹脂チップを実施例1(1)と同様にして、プレートを作成し、その表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物は、プレート1平方mm当たり2個であり、分散性に優れていた。
このCNTを含有する樹脂チップを、110℃で10時間の真空乾燥した後、エクストルーダ型紡糸機を使用して溶融紡糸を行った。
温度270℃でPTT樹脂チップを溶融し、260℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。紡糸口金は口径0.4mm、口数が30個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して紡糸孔から吐出量が0.9g/分・口金で押出し、紡出糸を口金下に設置した保温温度250℃、80mm長さの円柱保温筒を通過させ、65℃の冷却槽中浸漬し、冷却固化して得られた未延伸糸を、速度が21m/分の第1ゴデットローラに通した。
この未延伸糸を巻き取ることなく、速度が64m/分の第2ゴデットローラで、90℃の延伸温水槽中で3.0倍に第1段延伸し、次いで速度が70m/分の第3ゴデットローラで、延伸倍率が1.1倍となるように、150℃の延伸乾熱処理機を通過させながら第2段延伸し、さらに速度が67m/分の第4ゴデットローラで180℃のリラックス乾熱処理機を通過させて4.3%の弛緩熱処理を行い、巻き取って、直径0.07mmの導電性ポリエステルモノフィラメントを得た。
これらの紡糸の結果、6時間の紡糸延伸時に2回の糸切れがあったが、工業生産可能であった。得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例6
110℃8時間乾燥したPBTペレット(商品名ノバデュラン5026、三菱エンジニヤリングプラスチックス社製)と、平均外径10〜15nmのCNT(商品名:GraphistrengthC100、Arkema社製)とを、2軸エクストルーダ型紡糸機を用いて、溶融したPBTに混練物の最終CNT含有率が6重量%となるように添加し混練した後、吐出されたストランドを水で冷却したのちカッターで切断して、CNTを6重量%含有するPBT樹脂チップを得た。
このCNTを6重量%含有するPBT樹脂チップを、実施例1(1)と同様にして、プレートを作成し、表面をマイクロスコープで200倍観察した結果、15μm以上の凝集物の数は、プレート1平方mm当たり5個であり、分散性に優れていた。
このCNTを6重量%含有するPBT樹脂チップ5重量部と、実施例2で得たCNTを6重量%含有するPTT樹脂チップ95重量部とを、混合して、110℃で10時間の真空乾燥した後、エクストルーダ型紡糸機を使用して溶融紡糸を行った。
温度270℃でPTT樹脂チップを溶融し、260℃に加熱した紡糸パックによって紡出した。紡糸口金は口径0.4mm、口数が30個の丸型の口金および目の細かさが800メッシュフィルターを設置して紡糸孔から吐出量が0.9g/分・口金で押出し、紡出糸を口金下に設置した保温温度245℃、80mm長さの円柱保温筒を通過させ、65℃の冷却槽中に浸漬し、冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を巻き取ることなく、直ちに、速度が21m/分の第1ゴデットローラに通し、速度が64m/分の第2ゴデットローラで90℃の延伸温水槽中で3.0倍に第1段延伸し、次いで速度が70m/分の第3ゴデットローラで延伸倍率が1.1倍となるように、150℃の延伸乾熱処理機を通過させながら第2段延伸し、さらに速度が67m/分の第4ゴデットローラで180℃のリラックス乾熱処理機を通過させて4.3%の弛緩熱処理を行い、巻き取って、直径0.07mmの導電性ポリエステルモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例7
実施例2で得たCNTを6重量%含有するPTT樹脂チップ80重量部と、実施例6で得たCNTを6重量%含有するPBT樹脂チップ20重量部とを用いる他は、実施例6と同様に実施して、直径0.15mmの導電性ポリエステルモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例8
実施例6で得たCNTを6重量%含有するPTT樹脂チップ70重量部と、実施例5で得たCNTを6重量%含有するPBT樹脂チップ30重量部とを用いる他は、実施例5と同様に実施して、直径0.07mmの導電性ポリエステルモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの物性は表1に示すとおりである。
・実施例9
実施例1で得られた0.2mm繊径のPTT導電性モノフィラメントを、160℃の乾熱セット機でセットを行いながら、綛巻き機にてトウ状の繊維束に巻きあげた。このトウ状繊維束を竿に吊り下げ、櫛により真っ直ぐなトウ状繊維束を得た。このトウ状繊維束を紙巻き機にて糊付き紙で繊維束等の外周部をスパイラル状に巻いて一本の紙巻き繊維束(ハンク)を作成した。乾燥した直径5cmハンクをハンクカッターにて長さ4cmにカットして、カットハンク体を得た。
このカットハンク体の片面端部を、水酸化ナトリウム100g/リットル、第四級アミン (マーセリンPEL:日華化学製) 3g/リットルの処理液に浸漬し、130℃で120分間処理することによって先細加工を実施した。
このハンク体を、図3のような穂先部となるように成形し、穂先部後端を接着剤で固め、外径40mmのアルミ製の本体軸部にはめ込み接着剤で本体と固定してタッチ筆とした。
本発明のタッチ筆はポインティング動作やスライド動作も好適な動作が可能であった。また、被験者に3ヵ月間使用して貰った結果、パネルの損傷は無く、筆の変形も無かった。
・実施例10
実施例7で得た0.07mmの6フィラメントのポリエステル系導電糸をパイル糸とし、地組織経糸及び緯糸に164dtx/48フィラメントよりなるポリエステル原糸を用い6越ベルベットを、経緯二重織機を用いて製織した。
続いて、シャーリング機により、パイル長1.5mmに調整した。これを20mm幅のテープ状にスリットして金属製の軸に螺旋状に巻き付け、導電性ブラシを作製した。
得られた帯電ブラシを画像処理装置内の帯電部に配設した結果、本発明のブラシは、導電性能を維持しつつ、画像安定性がよく、10万枚印刷後もブラシのへたりは無かった。
・比較例1
円柱保温筒を設置せずに、実施例2と同様にして紡糸を行った結果、CNT8重量%、10重量%含有したPTT樹脂溶融物は冷却水槽で糸切れが多発して全く紡糸出来なかった。
・比較例2
円柱保温筒を設置せずに、実施例3と同様にして紡糸を行った結果、CNT8重量%、10重量%含有したPTT樹脂溶融物は冷却水槽で糸切れが多発して全く紡糸出来なかった。
1 溶融紡糸用押出機
2 保温筒
3 冷却槽
4 第1ゴデットローラ
5 延伸温水槽
6 第2ゴデットローラ
7 延伸乾熱処理機
8 第3ゴデットローラ
9 リラックス乾熱処理機
10 第4ゴデットローラ
11 巻き取り機
12 エアーギャップ
13 入力用タッチペン
14 導電性テーパー穂先部
15 本体軸と導電性テーパー穂元部との接続部
17 本体軸部

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであって、
    前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下であることを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメント。
  2. 前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07mm〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートのモノフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリエステルモノフィラメント。
  3. 前記カーボンナノチューブの含有率が5〜10重量%であり、前記モノフィラメント径が0.07mm〜0.3mmであり、表面抵抗値が1.0×10Ω/cm以下であって、前記ポリエステルモノフィラメントがポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの混合モノフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリエステルモノフィラメント。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする入力用タッチペン。
  5. 前記静電容量型入力パッド用の入力用タッチペンであって、導電性の軸体と、該軸体に保持された導電性弾性体の先端部とを含み、前記導電性弾性体として、請求項1または2に記載された導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする請求項4に記載の入力用タッチペン。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の導電性ポリエステルモノフィラメントを含むことを特徴とする導電性ブラシ。
  7. 前記導電性ブラシが、画像形成装置に用いる現像用ブラシ、接触帯電用ブラシ、クリーナー用ブラシまたは除電ブラシのいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の導電性ポリエステルモノフィラメント。
  8. ポリエステル樹脂と、カーボンナノチューブとを含む導電性ポリエステルモノフィラメントであり、
    前記導電性ポリエステルモノフィラメント中における前記カーボンナノチューブの含有率が5重量%以上、モノフィラメント径が0.3mm以下である導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法であって、
    カーボンナノチューブを流動状態のポリエステル樹脂に混合する混合工程と、
    前記混合工程で混合されたポリエステル樹脂とカーボンナノチューブとの混合物を、該ポリエステル樹脂の融点以上の温度で紡糸し、ガラス転移点以上の温度で延伸する紡糸工程とを含むことを特徴とする導電性ポリエステルモノフィラメントの製造方法。
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