JP5281816B2 - 偏平状粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏平状粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば、塗工紙、情報記録紙、光拡散フィルム、塗料用のコーティング剤の添加剤として有用な偏平状粒子の製造方法に関する。
乳化重合により形状をコントロールした重合体粒子が製造され、その粒子はコーティング剤の添加剤として使用されている。
重合体粒子の内、粒子に凹部が存在する粒子(偏平状粒子)は、化粧品、塗料、紙コーティング剤等の原料として用いた場合、光沢、隠蔽力、白色度等に優れた特性を付与することが知られている(特開平2−14222号公報:特許文献1)。この公報では、偏平状粒子は、ビニル系単量体に由来する種粒子の存在下に水、重合開始剤、単量体、非水溶性有機溶剤を含む混合乳化物を連続的に滴下して単量体を重合させることで製造できるとされている。
また、単量体が、架橋性単量体であるジビニルベンゼンを3〜80重量%含有することで、非水溶性有機溶剤の非存在下で、偏平状粒子を製造できる方法が特開平7−188313号公報(特許文献2)に記載されている。
更に、ビニル系単量体に由来する種粒子の存在下、主成分としての(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、架橋性単量体を3〜15重量%とを含む単量体混合物を、非水溶性有機溶剤の存在しない水性媒体中で乳化重合させ、偏平状粒子を製造する方法が特開平11−181037号公報で報告されている(特許文献3参照)。
特開平2−14222号公報 特開平7−188313号公報 特開平11−181037号公報
特開平2−14222号公報では、製造時に使用する非水溶性有機溶剤が粒子に残存する。そのため、非水溶性有機溶剤の残存を許容する用途にその使用が限定されるという問題がある。また、非水溶性有機溶剤に由来する臭気が発生するという問題もある。これらの問題を解決するためには、例えば、水蒸気蒸留等により非水溶性有機溶剤を完全に除去する必要があるが、その工程が煩雑である。また、除去時に非水溶性有機溶剤が、大気中に放散された場合、環境上の問題が生じる。
一方、特開平7−188313号公報及び特開平11−181037号公報では、重合時に非水溶性有機溶剤を使用することなく偏平状粒子を製造できるため、上記公報のような非水溶性有機溶剤に由来する問題は生じない。しかし、架橋性単量体が3重量%未満である場合、重合体粒子が偏平化せず、技術的課題が依然として残っている。
本発明の発明者は重合時に非水溶性有機溶剤を使用することなく、かつ架橋性単量体が3重量%未満であっても偏平状粒子を製造する方法について鋭意検討した。その結果、架橋性単量体を3重量%未満とスチレン系単量体を50重量%以上含む単量体混合物を連続的に滴下するのでなく、一括投入もしくは分割して加えることで、非水溶性有機溶剤が存在しない水性媒体中でも偏平状粒子が得られることを意外にも見出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、種粒子と水溶性重合開始剤とが存在するが非水溶性有機溶剤が存在しない水性媒体中に、架橋性単量体を1〜2.5重量%及びスチレン系単量体を50重量%以上含む単量体混合物を添加し、単量体混合物をシード重合させて偏平状粒子を製造する工程を含み、前記単量体混合物が、その全量を一括で水性媒体中へ添加した後にシード重合に付されるか、その全量の少なくとも50%を添加した後にシード重合に付され、次いでその残量を添加した後にシード重合に付されることを特徴とする偏平状粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、非水溶性有機溶剤を使用せず、単量体混合物中の架橋性単量体の量が3重量%未満であっても、偏平状粒子が得られる製造方法を提供できる。
本発明における「偏平状粒子」とは、少なくとも一つの偏平面を有する粒子である。より具体的な偏平状粒子の形状としては、平面形状が略円状で、図1の概略側面図に示すように、表面が凸状で、裏面(底部)が凹状であり、底部の直径(D)が0.3〜5μmで、この直径(D)と底部から凸状表面の先端までの厚み(H)との比(D/H)が1.5〜4の範囲にあり、凸状表面に対応した内径(d)0.1μm以上の凹状内面を底部に有する形状が挙げられる。
偏平状粒子は、その原料である単量体混合物を、種粒子の存在下、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水溶性有機溶剤の非存在下で重合させることにより得ることができる。
本発明の方法により偏平状粒子の得られるメカニズムは明確ではないが、次のように推定される。まず、種粒子が単量体混合物を吸収して膨潤し油滴状態になる。次いで、水溶性重合開始剤で重合を行うため、水相で発生したラジカルが水相から単量体混合物の油滴に浸入する。油滴の表面で反応が開始されるが、油滴は架橋性単量体を含有しているため、比較的低重合率の段階で粒子の外形が定まる。そして、重合の進行に伴い、単量体混合物に分散及び/又は溶解していた種粒子のポリマーが析出する。更に重合が進行して粒子内の重合収縮のひずみが増大する。析出した種粒子のポリマーと生成した架橋ポリマーの相溶性が高く、架橋性単量体の量が比較的少ないため、空孔は形成されず、重合収縮により中央部にくぼみが形成される。
種粒子としては、特に限定されず、例えば、ビニル系重合体粒子からなる種粒子を使用できる。具体的には、種粒子として、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル、あるいは他の共重合可能な単量体の単独重合体又はこれらのブロック、ラムダム、グラフト共重合体が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
なお、種粒子用の単量体は、後述の偏平状粒子用の単量体と同一であるか、又は同系列のものであれば、種粒子の単量体混合物への分散及び/又は溶解がスムーズに行われ、単量体混合物のみからなる微細粒子の発生を抑制できるので好ましい。また、この場合、透明性の偏平状粒子を得ることができる。
なお、種粒子の大きさは特に限定されないが、通常0.1〜2μmの平均粒子径の球状粒子が使用される。種粒子の形状は特に限定されず、球形、不定形の粒子をいずれも使用できる。
種粒子の製造方法は特に限定されないが、乳化重合、ソープフリー乳化重合あるいは懸濁重合等の方法を用いることができる。種粒子の粒子径の均一性や製造方法の簡便さを考慮すると、乳化重合及びソープフリー乳化重合法が好ましい。
種粒子の重量平均分子量を、重合開始剤の使用量の加減あるいは分子量調整剤の添加等により、調整してもよい。分子量調整剤としては、α−メチルスチレンダイマー、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類を使用できる。これらの分子量調整剤の添加量を加減することによって、種粒子の重量平均分子量を調整できる。
偏平状粒子の原料の単量体混合物としては、架橋性単量体を1〜2.5重量%及びスチレン系単量体を50重量%以上含みさえすれば特に限定されない。
架橋性単量体及びスチレン系単量体としては、特に限定されず、公知の単量体をいずれも使用できる。例えば、以下の単量体が挙げられる。
架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の、重合性ビニル基を1分子中に2つ以上有する多官能性単量体が用いられる。この発明の架橋性単量体の使用量は、単量体混合物の全量に対して1〜2.5重量%に調製される。架橋性単量体の比率が1重量%未満や2.5重量%より大きい場合、偏平化の度合いが小さく球状に近い粒子が得られることがある。より好ましい使用量は、1.3〜2.0重量%である。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。スチレン系単量体の使用量は、単量体混合物の全量に対して50重量%以上に調製される。50重量%未満の場合、偏平化の度合いが小さく球状に近い粒子が得られることがある。より好ましい使用量は、55〜100重量%である。
必要に応じて、単量体混合物には、他の単量体を使用してもよい。他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリルアミド、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;酢酸ビニル;アクリロニトリル等が挙げられる。
単量体混合物の使用量は、種粒子1重量部に対して3〜30重量部であることが好ましく、更に好ましくは5〜25重量部であり、特に好ましくは7〜19重量部である。
単量体混合物の使用量が3重量部未満であると、得られる偏平状粒子の偏平化の度合いが小さくなりやすい。逆に、この使用量が30重量部を越えると、種粒子の単量体吸収能力が不充分となって、種粒子に吸収されない単量体が増え、そのため目的とする形状以外の微小な粒子が生成しやすい。
なお、単量体混合物の種粒子への添加方法は、全量を一括又は50%以上を最初に添加し、次いで残量を添加する方法のいずれかでありさえすれば、特に限定されない。単量体混合物を連続的に滴下した場合や、50%未満を添加し、残量を添加した場合は、球状の粒子が生成してしまう。ここで、全量を一括に添加する方法とは、種粒子が分散している水性媒体中に単量体混合物の全量を加えて重合させる方法を意味する。また、全量の50%以上を最初に添加し、次いで残量を添加する方法とは、種粒子が分散している水性媒体中に単量体混合物の全量の50%以上を加えて重合させた後、残量を重合後の粒子に加え、残量の単量体混合物を重合させる方法を意味する。
水溶性重合開始剤としては、特に限定されず公知の水溶性の重合開始剤を使用できる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物類、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素−アスコルビン酸等のレドックス系開始剤等が挙げられる。
なお、この発明の方法でベンゾイルパーオキシド、アゾイソビスブチロニトリル等の油溶性重合開始剤を用いると、目的とする偏平状粒子が得られ難いので好ましくない。
また、水性媒体には界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤をいずれも使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、コハクスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.0001〜1重量部とできる。
また、偏平状粒子の製造には、分散安定剤を用いてもよい。好ましい分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。
水性媒体としては、特に限定されず、水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
重合温度は、60℃〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは70℃〜80℃である。重合温度が60℃未満では偏平化の度合いが小さくなりやすく、逆に90℃を越えると重合開始剤が分解しやすく、重合開始剤の失活により重合が完結し難くなる。
重合時間(単量体混合物を分けて添加する場合は合計時間)は、4〜20時間であることが好ましく、6〜15時間であることがより好ましい。
重合は、窒素雰囲気のような重合に対して不活性な不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、本発明によれば、上記方法により得られる偏平状粒子を含む水性エマルジョンも提供される。水性エマルジョンは上記の重合反応により得られる反応混合物そのままであってもよく、あるいは使用目的に応じてエマルジョン中の固形成分の濃度を適宜調節したものでもよい。更に、反応混合物から一旦脱水、洗浄、乾燥工程を経て単離された偏平状粒子を水中に分散させたものでもよく、これに公知の乳化剤を添加することもできる。
以下実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」と表現されているのは特に断らなければ「重量部」をいうものとする。また、実施例中の種粒子の平均粒子径、偏平状粒子のD、H、dは、以下の方法によって測定する。なお、実施例における粒子径、直径、厚み等の数値は、いずれも平均的な数値である。
(種粒子の平均粒子径の測定方法)
種粒子の平均粒子径は、ベックマンコールター社製のLS230型で測定する。具体的には、粒子0.1gと0.1%ノニオン性界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサーTOUCHMIXER MT−31で2秒間混合する。この後、試験管を市販の超音波洗浄器であるヴェルボクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10分間分散させる。分散させたものをベックマンコールター社製のLS230型にて超音波を照射しながら測定する。そのときの光学モデルは作製した粒子の屈折率にあわせる。
(偏平状粒子のD、H、dの測定方法)
偏平状粒子の底部の直径D、底部から凸状表面の先端までの厚みH、凸状表面に対応した内径dは以下のようにして測定する。即ち、これら各値は、走査電子顕微鏡JSM−6360LV(日本電子社製)を用いて5000〜10000倍で任意の30個の偏平状粒子を観察し、各部位を以下のように測定して平均した値である。
偏平状粒子の底部の直径Dは、偏平状粒子の平面形状の径を測定し、その最長径とする。底部から凸状表面の先端までの厚みHは、直径Dを中心に持つ面を底部としてその面からの法線の最長径とする。内径dは、直径D上の2つの頂点間距離とする。
実施例1
[一段目:種粒子の製造]
攪拌機、温度計を備えた重合器に、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー社製)0.13gを溶解した脱イオン水850gを入れ、そこへ予め調製しておいた単量体としてのスチレン150g及びα−メチルスチレンダイマー1.5gを仕込んだ。重合器を攪拌下に窒素置換しながら70℃まで加温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム1.5gを溶解した脱イオン水30gを添加した後、単量体を17時間かけて重合させた。得られたエマルジョン中の種粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
[二段目:偏平状粒子の製造]
攪拌機、温度計を備えた重合器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16gを溶解した脱イオン水750gを入れ、これに一段目で得られたエマルジョン111gを加え、70℃まで加温した。そこへ予め調製しておいたスチレン250g、ジビニルベンゼン6.2gの単量体混合物の全量を一括投入して、重合器を攪拌下に窒素置換した。内温を70℃に保ち、水溶性重合開始剤である過硫酸カリウム2.5gを溶解した脱イオン水30gを添加し、7時間重合を行なった後冷却した。ここで得られた懸濁液を70℃にてオーブン乾燥して粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.1μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.72μmで、粒子の底部中央に直径0.40μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。粒子の電子顕微鏡写真を図2に示す。
実施例2
実施例1の一段目で得られたエマルジョン83g、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン2.6gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.2μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.77μmで、粒子の底部中央に直径0.42μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
実施例3
実施例1の一段目で得られたエマルジョン83g、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.2μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.77μmで、粒子の底部中央に直径0.43μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
実施例4
実施例1の一段目で得られたエマルジョン111g、単量体混合物としてスチレン250g、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.1μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.71μmで、粒子の底部中央に直径0.39μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
実施例5
実施例1の一段目で得られたエマルジョン83gと、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン5.0gとを使用すること、単量体混合物の50%を一括投入して加え、過硫酸カリウム2.5gを溶解した脱イオン水30gを添加した後、重合を2時間行うこと、その後単量体混合物の残り50%を添加した後、引き続き重合を行なうこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.2μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.77μmで、粒子の底部中央に直径0.42μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
実施例6
実施例1の一段目で得られたエマルジョン111gと、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン6.2gとを使用すること、単量体混合物の75%を一括投入して加え、過硫酸カリウム2.5gを溶解した脱イオン水30gを添加した後、重合を2時間行うこと、その後単量体混合物の残り25%を添加した後、引き続き重合を行なうこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.1μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.72μmで、粒子の底部中央に直径0.40μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
実施例7
実施例1の一段目で得られたエマルジョン111gと、単量体混合物としてスチレン150g、(メタ)アクリル酸メチル100g、ジビニルベンゼン6.2gとを使用したこと以外は実施例1と同様にして、粒子を得た。得られた粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.1μm、底部から凸状表面の頂点までの厚み(H)が0.71μmで、粒子の底部中央に直径0.40μmの凹部を持つ偏平状粒子であった。
比較例1
実施例1の一段目で得られたエマルジョン83g、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン1.6gを使用したこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子は、平均粒子径0.97μmの球状粒子であった。粒子の電子顕微鏡写真を図3に示す。
比較例2
攪拌機、温度計を備えた重合器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16gを溶解した脱イオン水750gを入れ、実施例1の一段目で得られたエマルジョン55gを加え、70℃まで加温した。そこへ予め調製しておいたスチレン250g、ジビニルベンゼン5gの単量体混合物を窒素雰囲気下で4時間かけて連続滴下、重合させた結果、平均粒子径1.1μmの球状粒子が得られた。
比較例3
実施例1の一段目で得られたエマルジョン111g、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン2.6gを使用したこと以外は比較例2と同様にして粒子を得た。得られた粒子は、平均粒子径0.86μmの球状粒子であった。
比較例4
実施例1の一段目で得られたエマルジョン111gと、単量体混合物としてスチレン250g、ジビニルベンゼン2.6gとを使用すること、単量体混合物の40%を一括投入して加え、過硫酸カリウム2.5gを溶解した脱イオン水30gを添加した後、重合を2時間行うこと、その後単量体混合物の残り60%を添加した後、引き続き重合を行なうこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子は、平均粒子径0.85μmの球状粒子であった。
比較例5
実施例1の一段目で得られたエマルジョン83gを使用し、水溶性重合開始剤である過硫酸カリウムの代わりに、油溶性重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを使用したこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子は、平均粒子径0.98μmの球状粒子であった。
実施例及び比較例の単量体の使用量、得られた粒子の大きさ、及び単量体混合物滴下重合法を、表1にまとめて記載する。
表1から明らかなように、架橋性単量体の使用量が特定の範囲で、単量体混合物滴下重合が特定の方法である場合に、偏平状粒子が得られることが分かる。
偏平状粒子の概略側面図である。 実施例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
D 底部の直径
H 底部から凸状表面の先端までの厚み
d 凸状表面に対応した内径

Claims (4)

  1. 種粒子と水溶性重合開始剤とが存在するが非水溶性有機溶剤が存在しない水性媒体中に、架橋性単量体を1〜2.5重量%及びスチレン系単量体を50重量%以上含む単量体混合物を添加し、単量体混合物をシード重合させて偏平状粒子を製造する工程を含み、前記単量体混合物が、その全量を一括で水性媒体中へ添加した後にシード重合に付されるか、その全量の少なくとも50%を添加した後にシード重合に付され、次いでその残量を添加した後にシード重合に付されることを特徴とする偏平状粒子の製造方法。
  2. 単量体混合物が、その全量を一括で水性媒体に添加される請求項1に記載の偏平状粒子の製造方法。
  3. 架橋性単量体が、ジビニルベンゼンである請求項1又は2に記載の偏平状粒子の製造方法。
  4. 水性媒体が、更に界面活性剤を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の偏平状粒子の製造方法。
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