JP5281514B2 - 硫酸銅水溶液の製造方法 - Google Patents

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本発明は、金属銅塊と硫酸および酸素とを効率的に接触させることによって未反応(フリーな)硫酸の少ない硫酸銅水溶液を製造する方法に関する。
従来、硫酸銅の製造には、金属銅を硫酸で溶解する方法が知られていた。金属銅を直接硫酸で溶解するには酸化力の強い熱濃硫酸を使用することが知られているが、この方法では材質、安全性の観点から特別仕様の溶解槽設備が必要であり、さらに発生するSOxガスの処理設備が必要で、費用が掛かり過ぎ経済性に欠点があった。
また、金属銅粉を焙焼して酸化銅粉として硫酸に溶解する方法も知られているが、この場合、金属粉を製造するための、あるいは約600℃で焙焼処理するための焼成設備やランニングコストがかかる欠点があった。
このため、40〜120メッシュの金属銅粉懸濁液に微細な空気の泡を多量に導入しながら該液を65乃至85℃に維持しつつ硫酸を添加し、金属銅を酸化溶解する硫酸銅水溶液の製造方法が提案されている。(特許文献1:特開平5−262523号公報)
さらに、金属銅廃棄物の小片を濃度10重量%の硫酸を用い、過酸化水素を触媒として使用し、撹拌下で侵出して硫酸銅一水和物を製造する方法が提案されている。(特許文献2:特表平11−514624号公報)
特開平5−262523号公報 特表平11−514624号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、非常に微細な金属粉でなければ、硫酸溶液には懸濁しにくく、攪拌しても沈降する場合があり、沈降する以外に微細な空気の泡と金属粉の接触が悪く酸化溶解反応が迅速に進まない場合があった。
また、特許文献2の方法では、小片は攪拌・混合が可能であり、添加した過酸化水素は有効に利用され酸化溶解は効率良く行われるものの、大きな銅板や塊の場合、攪拌・混合が不可能であり、過酸化水素が有効に利用出来ず、酸化溶解反応が迅速に進まない場合があった。また、過酸化水素は高価で経済性に難点があった。
本発明者等は上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、金属溶解塔に金属銅塊を充填し、金属溶解塔上部から加熱した硫酸を循環しながら供給し、さらに空気などの酸化剤を供給することによって、短時間に、フリーの硫酸の少ない硫酸銅水溶液が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]金属溶解塔に金属銅塊を充填し、金属溶解塔上部から加熱した硫酸を供給し、金属溶解塔の上部または下部から酸化剤を供給する硫酸銅水溶液の製造方法。
[2]前記酸化剤が空気、酸素、過酸化酸素、オゾンから選ばれる少なくとも1種である[1]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[3]前記酸化剤が空気であり、該空気を、金属溶解塔下部から供給する[1]または[2]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[4]前記硫酸を循環させながら供給する[1]〜[3]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[5]前記硫酸の濃度が1〜30重量%の範囲にある[1]〜[4]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[6]前記金属銅塊が、平均粒子径が0.5mm以下の粒状金属銅塊を含まない[1]〜[5]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[7]前記金属銅塊の銅の充填モル数(MCu)と前記供給硫酸のモル数(MS)とのモル比(MCu)/(MS)が1〜50の範囲にある[1]〜[6]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[8]前記硫酸の温度が50〜105℃の範囲にある[1]〜[7]の硫酸銅水溶液の製造方法。
[9]得られる硫酸銅水溶液の硫酸銅の濃度が1〜40重量%の範囲にあり、銅のモル数(MCuP)と前記硫酸のモル数(MSP)とのモル比(MCuP)/(MSP)が0.90〜1.0の範囲にある[1]〜[8]の硫酸銅水溶液の製造方法。
本発明は、金属粉や酸化銅粉を経由することなく金属銅から直接フリーな硫酸の少ない硫酸銅水溶液を、安全に低コストで、しかも短時間で製造することが可能となる。
図1は、本発明にかかる製造方法で使用される設備の一態様例の該略図を示す。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
本発明に係る硫酸銅水溶液の製造方法は、金属溶解塔に金属銅塊を充填し、金属溶解塔上部から加熱した硫酸を供給し、さらに酸化剤を供給することを特徴としている。
図1に本発明に用いる設備の要部を一態様の概略図を示す。
図1は、金属銅塊5が充填される金属溶解塔1、加熱手段6を備えた硫酸槽2、硫酸槽2に充填された硫酸を溶解塔上部から注入するための注入手段4、溶解塔下部から空気を供給するために空気供給ファン3、硫酸槽から注入手段4へ生成した硫酸銅水溶液および硫酸を送るポンプ7、還流塔8を備えた設備である。本発明で使用される設備の材質は、硫酸に耐性があり、不純物の溶出がないものであればその素材も特に制限されず、たとえば、繊維強化プラスチック(FRP)やハステロイ(商標)などが使用される。
金属溶解塔1の形状は特に制限されず、通常円筒状のものが使用される。
なお溶解塔には必要に応じて加熱手段が設けられていてもよい。
溶解塔は2室以上に分かれていてもよく、また、網目などの間仕切りが設けられ、溶解塔上部の金属銅充填層と、溶解塔下部から空気などの酸化剤を導入するための空間が設けられていてもよい。
金属銅塊は予め、溶解塔に充填されていてもよいが、連続的に溶解させる場合、あるいは、途中で金属銅塊を追加するために、別途、金属銅塊の充填塔および供給口を設けてもよい。
硫酸槽2は、反応前(すなわちバージン)の硫酸水溶液、および反応生成物である硫酸銅水溶液および未反応(すなわちフリー)硫酸を受容する受槽である。かかる硫酸槽には、必要に応じて図示するような攪拌手段および加熱手段が設けられていてもよい。
本発明では、硫酸槽2に回収硫酸銅水溶液およびバージンないしフリーの硫酸は、ポンプ7を通して、注入手段4に循環させる。
注入手段4は特に制限されないが、スプレー式の噴霧手段であっても、また滴下手段であってもよい。
なお還流塔8は、必要に応じて設ければよく、酸化剤として空気が供給され、飽和水蒸気を含んで系外に排出されるために、硫酸(硫酸銅)濃度が調整できない場合や、熱エネルギーの損失を抑制するために、設置することが望ましい。
金属銅塊
本発明に用いる金属銅塊は、形状、大きさ等は特に制限はなく、球状、ブロック状、板状、棒状、線状等いずれも用いることができる。このとき、平均粒子径が0.5mm以下の粒状金属銅塊を含まないことが好ましい。このような微細な粒状金属銅塊を含んでいると、金属溶解塔に粒状金属銅塊が緻密に充填し、硫酸を供給しても下流に流れることが困難となるか、流れても長時間を要する。同時に、下部からの空気の供給が困難になる場合があり、金属銅の酸化が不充分となり、効率的に硫酸銅水溶液が得られない場合がある。
本発明に用いる金属銅塊の大きさは、形状あるいは金属溶解塔の大きさ等によっても異なるが、例えば、ブロック状の金属銅塊の場合、一辺の大きさが(0.5mm〜30cm)×(0.5mm〜30cm)×(0.5mm〜30cm)の範囲にあることが好ましく、特に、ブロック状の金属銅塊の場合、(1cm〜20cm)×(1cm〜20cm)×(1mm〜2cm)の範囲にあることがより好ましい。
上記の大きさであれば、硫酸、酸化剤との接触効率が高く、処理時間を短くできる。なお、一辺の大きさが小さいと、前記従来技術などに示した微細な粒状金属銅塊と同様の問題が生じる場合がある。一辺の大きさが大きすぎると、金属銅塊の単位重量当たりの表面積が小さいので硫酸あるいは空気などの酸化剤との接触効率が低下し、処理に長時間を要する。なお、処理時間が長くても差し支えなければこれより大きい金属銅塊を使用することができる。
なお、金属銅塊の形状に関しては、酸化溶解の温度と酸化剤の供給量が一定の場合、酸化溶解速度は充填した金属銅塊の総表面積に比例するので、単位重量当たりの表面積の大きい形状の方が、単位重量あたりの表面積の小さい形状の金属銅塊を使用する場合より短時間で所定量の硫酸銅を得ることが出来るので有利である。単位重量当たりの表面積の小さい形状の場合は、充填する金属銅塊の総面が小さく酸化溶解速度が遅くなることから単位重量当たりの表面積の大きい形状の場合と同じ時間で同じ量の硫酸銅を得ようとするためには、充填する金属銅塊の総表面積を大きくしなければならない。その結果、金属溶解塔への金属銅塊の充填量を多くする必要がある。
通常は、実際に金属溶解塔に充填した金属銅塊の全量を酸化溶解することはない。目標の溶解金属塊量に対してどの程度金属塊を充填すべきか、その充填量を過剰倍率とすると、その過剰倍率は目標とする溶解時間および充填する金属塊の総表面積に左右される。
短時間で目標量の硫酸銅を製造するためには、過剰倍率の多い、すなわち多くの金属銅塊を充填して総表面積を大きくする必要があることから、設備が大きくなる。このため、過剰倍率のできるだけ少ない、充填金属塊の量を少なくして比較的長時間かけて製造する方が、同じ量の硫酸銅を得るには設備的に有利になる。
硫酸
本発明に用いる硫酸は、濃度が1〜30重量%、さらには10〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
硫酸の濃度が低いと、溶解速度が遅くなることに加えて溶解塔や生成硫酸銅の受槽(硫酸槽)が大な設備となり、加熱熱量も多大となるので、生産性、経済性が不利となる場合がある。
硫酸の濃度が高すぎると、硫酸の温度(反応温度)によっても異なるが、得られる硫酸銅水溶液の硫酸銅の飽和溶解度を越えては溶解することはなく、溶解終了後に温度が低下すると硫酸銅の結晶が析出し、硫酸銅水溶液として使用する場合には再度加熱溶解が必要となる。
なお、用法によって、硫酸銅の結晶とする方が有用である場合には、高濃度で高温の硫酸を使用することができる。
溶解温度は、50〜105℃、さらには60〜95℃の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、反応速度が高く、単位時間あたりの反応収率が高い。なお、温度が低いと、反応速度(溶解速度)が非常に遅くなり、温度の高い条件と同じ反応時間(溶解時間)内に同じ終了の硫酸銅を得るためには、大過剰の金属銅塊の使用が必要となり、大きな金属溶解塔を必要とし、設備的に経済性が低下することがある。また、温度が高すぎても、さらに反応速度(溶解速度)が格段に速くなることもなく、このため大幅な溶解時間の短縮になることもなく、蒸気の発生および蒸散によるエネルギー効率の低下が問題となり、還流等により熱回収する場合でも設備仕様が大きくなり経済性が低下する問題がある。
硫酸は、予め所定の温度に加熱したものを供給してもよいが、例えば、上記図に於ける硫酸槽(生成硫酸銅の受槽)で加熱した硫酸を、充填した金属銅塊の上部に供給してもよい。
この時の供給方法は、金属銅塊の上部全面に均一に供給できれば特に制限はないが、1個または複数のノズルより噴霧する方法が一般的である。また、上部から滴下させてもよい。
反応開始時、供給硫酸のモル数(MS)と前記金属銅塊の銅の充填モル数(MCu)とのモル比(MCu)/(MS)は1〜50、好ましくは2〜20の範囲にあることが望ましい。(通常、反応途中ではモル比は変化しないと考えられるが、変化することもある)
前記モル比(MCu)/(MS)が小さすぎると、硫酸が過剰となり、得られる硫酸銅水溶液中にフリーな硫酸が多くなる。モル比が高すぎると、金属銅を過剰に充填することになり、金属溶解塔の大きさが必要以上に過大となることがある。前記モル比(MCu)/(MS)は金属銅塊の単位重量当りの表面積、溶解速度(温度、空気量等)、溶解時間等によって適宜設定されるが、モル比(MCu)/(MS)は、上記範囲において小さい方が金属溶解塔の大きさが小さくて済み、設備的に有利である。
本発明の実施態様の一例を次に説明する。
まず、金属溶解塔に所定の形状の金属銅塊を所定量、充填する。また、硫酸槽に所定濃度の硫酸を張り込み、所定温度まで加温する。次いで、所定温度に加温された硫酸を金属溶解塔上部から一定速度で供給するとともに、溶解塔下部から空気を一定速度で供給し、塔内で金属銅と硫酸との反応を行わせる。反応によって生成した硫酸銅は未反応の硫酸とともに溶解塔下部から硫酸槽に回収される。硫酸槽の硫酸は生成した硫酸銅とともに溶解塔上部に循環供給される。このとき、必要に応じて硫酸槽に新たな硫酸を追加してもよい。反応中は、溶解塔内の反応温度を一定に保持するために、硫酸槽に設けられた加熱器によって、循環硫酸の温度が所定値に保持される。反応の進行に伴って硫酸槽内の硫酸濃度が低くなり、生成した硫酸銅の濃度が高くなる。最終的には、硫酸がほとんどなくなるが、一定濃度以下になると反応速度が低下し、反応収率が悪くなるのでその時点で反応を終了させる。反応が概ね終了したことの目安は、硫酸銅水溶液のpHが2以上でとなった時点である。
酸化剤供給
本発明では、金属溶解塔の上部または下部から酸化剤が供給される。
前記酸化剤としては、酸素が供給できるものであれば特に制限されないが、空気、酸素、過酸化酸素、オゾンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明では、酸化剤として、空気が好ましく、空気を供給する場合、金属溶解塔下部から供給することが好ましい。供給される空気は、金属銅塊の酸化に寄与すれば特に制限はないが、図示したように金属溶解塔の下部に設けた空間から、空気供給ファンにより供給される。下部から空気を供給することで、空気(酸素)と硫酸と銅との接触効率を高めることができる。なお、空気以外に、気体の酸化剤を供給する場合、同様に供給ファンなどから供給すればよく、また、液体の酸化剤を供給する場合、硫酸槽に供給しても、あるいは、硫酸を噴霧する際に別箇ないし混合して供給してもよい。
酸化剤の供給量は、下記反応式(1)で表される必要酸素量から求められる空気量以上を供給すればよい。
Cu+H2SO4+1/2・O2 ⇒ CuSO4+H2O・・・・・(1)
この時、供給する硫酸の流下、硫酸と金属銅塊との接触を阻害しない範囲で過剰に供給すればよい。しかしながら、酸素量(空気量)が過剰な程、酸化剤と共に、金属溶解塔外へ持ち出される蒸気量が多くなり、エネルギーコストが増大する問題がある。
通常、酸化剤の供給量は、上記反応式より求められる理論値の1.5〜3倍程度である。
このようにして得られる硫酸銅水溶液の硫酸銅の濃度は、硫酸濃度によるが、1〜40重量%、さらには15〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
硫酸銅水溶液の濃度が低すぎると、溶解塔自体や、生成硫酸銅の受槽(硫酸槽)が大きな設備となり、加熱熱量も多大となるので、生産性、経済性が不利となる場合がある。
硫酸銅水溶液の硫酸銅の濃度が前記範囲を越えて高くすることは、純粋な硫酸銅の飽和溶解度が41重量%であり、得ることは困難である。
また、最終的に得られる硫酸銅水溶液の銅のモル数(MCuP)と前記硫酸のモル数(MSP)とのモル比(MCuP)/(MSP)が0.90〜1.0、さらには0.95〜1.0の範囲にあることが好ましい。前記モル比(MCuP)/(MSP)が低いと、フリーの硫酸が多く、用途に制限がある。本発明では、前記した硫酸銅水溶液が得られるが、さらに硫酸銅水溶液を濃縮、晶析、乾燥等して、硫酸銅水和物、無水硫酸銅等の結晶とすることもできる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
硫酸銅水溶液(1)の製造
金属溶解塔(形状:円筒、サイズ:200mm径)の下部の硫酸槽(生成硫酸銅受け槽:内容積30リッター)に濃度25重量%の硫酸12kgと水10kgを張り込み(この時、硫酸濃度13.6重量%)、95℃まで加温する。金属溶解塔に25mm×50mm×13mmの金属銅塊を24.7kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の95℃の硫酸を溶解塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を95℃で保持しながら19時間の酸化溶解を行い、硫酸銅水溶液(1)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は12.74であった。また、充填金属銅の外部表面積は概算6,590cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(1)は硫酸銅の濃度が19.1重量%、pHが2.62、モル比(MCuP)/(MSP)が0.973であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例2]
硫酸銅水溶液(2)の製造
実施例1において、金属銅塊35.0kgを充填し、酸化溶解を13.0時間で行った以外は同様にして硫酸銅水溶液(2)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は18.02である。また、充填金属銅の外部表面積は概算9,320cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(2)は硫酸銅の濃度が19.5重量%、pHが2.85、モル比(MCuP)/(MSP)が0.994であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例3]
硫酸銅水溶液(3)の製造
実施例1において、金属銅塊13.1kgを充填し、酸化溶解を36時間で行った以外は同様にして硫酸銅水溶液(3)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は6.75である。また、充填金属銅の外部表面積は概算3,490cm2であった。得られた硫酸銅水溶液(3)は硫酸銅の濃度が18.8重量%、pHが2.54、モル比(MCuP)/(MSP)が0.958であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例4]
硫酸銅水溶液(4)の製造
実施例1において、金属溶解塔に2mm径の銅線を5.0kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の95℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を95℃で保持しながら10.5時間の酸化溶解を行った以外は同様にして、硫酸銅水溶液(4)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は2.57である。また、充填金属銅の外部表面積は概算11,160cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(4)は硫酸銅の濃度が19.0重量%、pHが2.51、モル比(MCuP)/(MSP)が0.968であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例5]
硫酸銅水溶液(5)の製造
実施例1において、金属溶解塔に63mm×63mm×15mm)の金属銅塊を26.7kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の95℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を95℃で保持しながら26.0時間の酸化溶解を行った以外は同様にして、硫酸銅水溶液(5)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は13.73である。また、充填金属銅の外部表面積は4,490cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(5)は硫酸銅の濃度が18.9重量%、pHが2.60、モル比(MCuP)/(MSP)が 0.964であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例6]
硫酸銅水溶液(6)の製造
金属溶解塔(形状:円筒、サイズ:200mm径)の下部の硫酸槽(生成硫酸銅受け槽:内容積30リッター)に濃度25重量%の硫酸12.0kgと水4.0kgを張り込み(この時の硫酸濃度18.75重量%)、95℃まで加温する。金属溶解塔には24.3mmx49.3mmx12.3mmの金属銅塊を22.45kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の95℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を95℃で保持しながら18.5時間の酸化溶解を行い、硫酸銅水溶液(6)を製造した。
この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は11.55である。また、充填金属銅の外部表面積は概算6,260cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(6)は硫酸銅の濃度が26.53重量%、pHが2.58、モル比(MCuP)/(MSP)が0.975であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例7]
硫酸銅水溶液(7)の製造
金属溶解塔(形状:円筒、サイズ:200mm径)の下部の硫酸槽(生成硫酸銅受け槽:内容積30リッター)に濃度25重量%の硫酸12.0kgと水11.0kgを張り込み(この時の硫酸濃度13.04重量%)、80℃まで加温する。金属溶解塔には24.3mm×49.3mm×12.3mmの金属銅塊を22.46kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の、80℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を、80℃で保持しながら、29時間の酸化溶解を行い、硫酸銅水溶液(7)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は11.55である。また、充填金属銅の外部表面積は概算6,260cm2であった。
得られた硫酸銅水溶液(7)は硫酸銅の濃度が18.98重量%、pHが2.55、モル比(MCuP)/(MSP)が0.967であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[実施例8]
硫酸銅水溶液(8)の製造
金属溶解塔(形状:円筒、サイズ:200mm径)の下部の硫酸槽(生成硫酸銅受け槽:内容積30リッター)に濃度25重量%の硫酸12.0kgと水11.0kgを張り込み(この時の硫酸の濃度13.04重量%)、65℃まで加温する。金属溶解塔には24.3mm×9.3mm×2.3mmの金属銅塊を22.40kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の、65℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を、65℃で保持しながら、43時間の酸化溶解を行い、硫酸銅水溶液(8)を製造した。この時、充填した金属銅塊と硫酸のモル比(MCu)/(MS)は11.55である。また、充填金属銅の外部表面積は概算6,260cm2であった。得られた硫酸銅水溶液(8)は硫酸銅の濃度が18.87重量%、pHが2.48、モル比(MCuP)/(MSP)が0.961であり、ほとんどフリーの硫酸のない硫酸銅水溶液であった。
[参考例]
硫酸銅水溶液(R1)の製造
金属溶解塔(形状:円筒、サイズ:200mm径)の下部の硫酸槽(生成硫酸銅受け槽:内容積30リッター)に濃度25重量%の硫酸12.0kgと水11.0kgを張り込み(この時の硫酸の濃度13.04重量%)、95℃まで加温する。金属溶解塔には平均粒子径0.25mmの金属銅粉を10kg充填した後、硫酸槽(生成硫酸銅受け槽)内の95℃の硫酸を充填塔上部から、1m3/hrで噴霧・循環を開始、同時に、金属溶解塔下部から上部に向けて、空気を5L/minで供給して酸化溶解を開始し、液温を95℃で保持しながら、酸化溶解を始めたが、空気量が減速し、金属溶解塔が目詰まりしたことから溶解を中止した。なお、空気が供給できないと、上記反応式にあるように、反応が進行せず、金属銅が溶解しない。
本発明の硫酸銅水溶液は、銅触媒原料、銅を用いた機能性材料に使用できる。
1…金属溶解塔
2…硫酸槽2
3…空気供給ファン
4…注入手段
5…金属銅塊
6…加熱手段
7…ポンプ
8…還流塔

Claims (8)

  1. 金属溶解塔に金属銅塊を充填し、前記金属溶解塔上部から加熱した硫酸を供給し、前記金属溶解塔の下部から空気を供給するとともに、前記金属銅塊は、平均粒子径が0.5mm以下の粒状金属銅塊を含まないことを特徴とする硫酸銅水溶液の製造方法。
  2. 前記金属溶解塔には間仕切りが1つだけ設けられ、前記間仕切りの上部は前記金属銅塊の充填層であり、前記間仕切りの下部は前記空気の導入空間であることを特徴とする請求項1に記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
  3. 前記空気の供給量は、下記式で表される必要酸素量から導かれる空気量理論値の1.5〜3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
    Cu+H2SO4+1/2・O2 ⇒ CuSO4+H2
  4. 前記硫酸を循環させながら供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
  5. 前記硫酸の濃度が1〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
  6. 前記金属銅塊の銅の充填モル数(MCu)と前記供給硫酸のモル数(MS)とのモル比(MCu)/(MS)が1〜50の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
  7. 前記硫酸の温度が50〜105℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
  8. 得られる硫酸銅水溶液の硫酸銅の濃度が1〜40重量%の範囲にあり、銅のモル数(MCuP)と前記硫酸のモル数(MSP)とのモル比(MCuP)/(MSP)が0.90〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硫酸銅水溶液の製造方法。
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