JP5279958B1 - ワイヤ放電加工機の制御装置および加工方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工機の制御装置および加工方法 Download PDF

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Abstract

可及的に簡単な設定でワイヤ放電加工機に固着加工を実行せしめるために、本発明の制御装置では、NCプログラム(200)とワークの材質および板厚を指定するユーザからの第1入力とに基づいて、中子(2)の重量を算出する重量演算部と、中子(2)の重量に基づいて、固着距離を算出する固着必要距離演算部(108)と、トータルの長さが固着距離に等しくなるように固着位置を設定する固着位置演算部(109)と、第1入力に基づいて、固着加工用の加工条件設定値を求める固着加工条件設定部(106)と、ワイヤ放電加工機をNCプログラム(200)に基づいて駆動するとともに、ワイヤ放電加工機に、固着位置に設定された箇所を固着加工用加工条件を適用して加工せしめる加工機駆動部(110)とを備える構成とした。

Description

本発明は、中子を固着する加工を行うことができるワイヤ放電加工機を制御する制御装置および当該ワイヤ放電加工機による加工方法に関する。
従来、ワイヤ放電加工機で加工する際の中子の処理として、加工しながら当該加工によりワイヤ電極の後方にできた加工溝に電極成分を転移させて加工溝を電極成分で埋めて、本来ワークから切り離されるはずの中子をワークに固定する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。以降、この技術による加工を、固着加工ということとする。固着加工を施すことによって、加工中に中子がワークから脱落することを防止することができる。固着加工によりワークに固定された中子は、ワークがワイヤ放電加工機の加工テーブルから取り外された後に物理的な衝撃が加えられることでワークから取り外される。
特開昭57−96724号公報
しかしながら、固着加工用の加工条件、固着加工を行う距離(固着距離)、固着加工を行なう位置(固着位置)など、固着加工のための設定条件の適正値は、中子の形状や材質など種々の条件に応じて変化する。例えば、固着距離が適切な設定値よりも大きい値に設定されると、加工後に中子が取り外せなくなる虞がある。また、固着距離が小さすぎると、固着する力が弱すぎて、加工中に中子が脱落したりする。また、固着距離の適切な設定範囲は、中子の重量に応じて変化する。このように、固着加工にかかる設定条件を適切な値に設定するためには、オペレータの熟練を要するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、可及的に簡単な設定でワイヤ放電加工機に固着加工を実行せしめる制御装置および加工方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ワイヤ放電加工機を駆動してワークから中子を切り出す加工プログラムとワークの材質および板厚を指定するユーザからの第1入力とに基づいて、前記中子の重量を算出する重量演算部と、前記中子の重量に基づいて、前記中子を前記ワークに固定する固着加工を施す必要長さを算出する距離演算部と、前記中子の外周を構成する線分を加工するブロックに、前記中子の外周における固着加工を施す部分の合計の長さが前記算出した必要長さとなるように、固着位置を設定する固着位置設定部と、前記第1入力に基づいて、固着加工用の加工条件設定値を求める固着加工条件設定部と、前記ワイヤ放電加工機を前記加工プログラムに基づいて駆動するとともに、前記ワイヤ放電加工機に、中子を切り出させしめる加工と前記固着位置に設定された箇所を前記加工条件設定値を適用して加工せしめる加工とを、加工条件を切り替えながら行う加工機駆動部と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる制御装置は、ユーザが第1入力を行うだけで、固着加工用の加工条件および固着位置を自動的に設定してワイヤ放電加工機に固着加工を実施せしめるので、可及的に簡単な設定でワイヤ放電加工機に固着加工を実行せしめることができるようになる。
図1は、ワイヤ放電加工装置による加工例を説明する図である。 図2は、ワイヤ放電加工装置による加工例を説明する図である。 図3−1は、固着位置パターンの例を説明する図である。 図3−2は、固着位置パターンの例を説明する図である。 図3−3は、固着位置パターンの例を説明する図である。 図3−4は、固着位置パターンの例を説明する図である。 図4は、実施の形態1の制御装置の機能構成を説明する図である。 図5は、NCプログラムの記述例を示す図である。 図6−1は、固着位置パターン1が指定されている場合の固着位置情報の表現手法を説明するための図である。 図6−2は、固着位置パターン2が指定されている場合の固着位置情報の表現手法を説明するための図である。 図7は、実施の形態1の制御装置のハードウェア構成例を示す図である。 図8は、実施の形態1の制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図9は、固着位置パターン指定の入力を促す表示画面例を示す図である。 図10は、固着位置パターン1が指定されている場合において実行される加工処理を説明するフローチャートである。 図11は、固着位置パターン2が指定されている場合において実行される加工処理を説明するフローチャートである。 図12は、実施の形態2の制御装置の機能構成を説明する図である。 図13は、実施の形態3の加工機駆動部によるNCプログラムの加工例を示す図である。
以下に、本発明にかかるワイヤ放電加工機の制御装置および加工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1および図2は、ワイヤ放電加工装置による加工例を説明する図である。図1に示すように、矩形のワーク1から矩形の中子2が切り落とされて目的の形状を得ようとする場合、中子2は、例えば図2に示す経路で加工せしめられる。即ち、まず、アプローチ穴21が形成せしめられ、アプローチ穴21にワイヤ電極が通される。その後、アプローチ穴21からブロック22の加工が行われて中子2を構成する辺までアプローチする加工が行われる。続いて、中子2の外周を構成する辺を、ブロック23、ブロック24、ブロック25、ブロック26、ブロック27の順で加工せしめられる。
ここで、ブロック23〜27の加工が行われると、中子2がワーク1から脱落し、ワイヤ放電加工機の下部ガイド機構に衝突するなどの不都合を生じる。そこで、加工中に中子2がワーク1から脱落することを防止するために、固着加工が実行される。本発明の実施の形態1によれば、ワイヤ放電加工機の制御装置は、NC加工プログラムから与えられる中子2の形状と簡単な指定とのみに基づいて、固着加工にかかる条件設定を自動で実行することができる。
また、実施の形態1の制御装置は、固着位置のパターン(固着位置パターン)を指定する入力を受け付けて、受け付けた固着位置パターンで固着加工を行うことができる。図3−1〜図3−4は、指定可能な固着位置パターンの例を説明する図である。図3−1〜図3−4において太字で描画されている線3は、夫々固着加工がなされる位置を示している。図3−1は固着位置パターン1、図3−2は固着位置パターン2、図3−3は固着位置パターン3、図3−4は固着位置パターン4を示している。固着位置パターン1によれば、各ブロックの端点から所定の距離だけ固着加工される。ここでは、簡単のために、各ブロックの端点に設定された固着位置は、夫々同一の長さを有するものとしている。固着位置パターン2によれば、各ブロックの端点と始点とを除いた中央部分が固着加工される。固着位置パターン3、4によれば、中子2の対角線上の2箇所が固着加工される。なお、固着位置パターン3によれば、ブロック23の始点側とブロック25の中央部分のブロック26よりの部分とが固着加工され、固着位置パターン4によれば、ブロック25の中央部分のブロック24よりの部分とブロック27の終点側とが固着加工される。
図4は、実施の形態1の制御装置の機能構成を説明する図である。図示するように、制御装置100は、NCプログラム(加工プログラム)200および固着位置パターンを指定する固着位置パターン指定201が入力される。そして、制御装置100は、ワイヤ放電加工機本体(図示せず)をNCプログラム200に基づいて駆動するとともに、ワイヤ放電加工機本体に、指定された固着位置パターンで固着加工を実行せしめることができる。ここでは、制御装置100は、ワイヤ放電加工機本体の加工位置を移動せしめるモータの位置決めや放電加工のための電源制御を実行する加工機駆動指令202を逐次出力する。
制御装置100は、NCプログラム解析部101、プログラム周長演算部102、加工条件解析部103、標準加工用加工条件データベース104、中子重量演算部105、固着加工条件設定部106、固着加工用加工条件データベース107、固着必要距離演算部108、固着位置演算部109、および加工機駆動部110を備えている。
標準加工用加工条件データベース104は、ワーク1を標準加工(固着加工を除く加工であって、例えば荒加工および仕上げ加工)するための最適値を記録したデータベースである。具体的には、標準加工用加工条件データベース104は、ワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚との組み合わせ毎に、標準加工用の加工条件の最適値が記録されている。標準加工用の加工条件は、例えば、電源制御、ワイヤ張力、ワイヤ送り速度、適応制御のパラメータ、プログラム軌跡から軸移動軌跡をオフセットする量、および軸移動の速度を含む。なお、標準加工用の加工条件として列挙したこれらの項目は、一例であって、これよりも多くても良いし少なくてもよい。また、これら以外の項目を含んでいてもよい。標準加工用加工条件データベース104を構成する個々のエントリは、識別情報によりNCプログラム200から指定することが可能となっている。即ち、ユーザは、実質的に、ワーク1のワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚との組み合わせを、NCプログラム200を介して指定することができる。
NCプログラム解析部101は、入力されたNCプログラム200を解析して、加工のためのブロック(加工ブロック)と、NCプログラム200に記述されている加工条件の識別情報とを読み出す。ここで、加工条件の識別情報とは、上述の標準加工用加工条件データベース104のエントリを指定する情報である。加工ブロックはプログラム周長演算部102に入力され、加工条件の識別情報は加工条件解析部103に入力される。
図5は、NCプログラム200の記述例を示す図である。本図において、NCプログラム200の2行目に記述されている「E1000」は、加工条件の識別情報に該当する。また、「G01」で開始される行は、加工ブロックに該当する。
プログラム周長演算部102は、入力された加工ブロックから、中子2を構成する辺までアプローチするためのブロックと荒加工以外のブロックとを除去することで、中子2の周長(中子周長情報203)を算出する。プログラム周長演算部102は、算出した中子周長情報203を中子重量演算部105に入力する。
加工条件解析部103は、NCプログラム200に記述されていた加工条件の識別情報に対応するエントリを標準加工用加工条件データベース104から読み出す。そして、加工条件解析部103は、読み出したエントリを構成する種々の情報のうち、ワークの材質および板厚(ワーク情報204)を中子重量演算部105に入力し、ワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚との組み合わせ(ワイヤ/ワーク情報205)を固着加工条件設定部106に入力し、標準加工用の加工条件(標準加工用加工条件206)を加工機駆動部110に入力する。
中子重量演算部105は、中子周長情報203およびワーク情報204に基づいて、中子の重量を算出し、算出した重量(中子重量情報207)を固着必要距離演算部108に入力する。
固着加工用加工条件データベース107は、ワーク1を固着加工するための最適値を記録したデータベースである。具体的には、固着加工用加工条件データベース107は、ワイヤ種類および径のうちの一方または両方と、ワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚との組み合わせ毎に、固着加工用の加工条件の最適値が記録されている。固着加工用の加工条件は、標準加工用加工条件データベース104に記録されている項目と同様の項目を含む。
固着加工条件設定部106は、入力されたワイヤ/ワーク情報205を検索キーとして固着加工用加工条件データベース107を検索し、固着加工用の加工条件(固着加工用加工条件208)を求める。固着加工条件設定部106は、求めた固着加工用加工条件208を固着必要距離演算部108および加工機駆動部110に入力する。
固着必要距離演算部108は、中子重量情報207および固着加工用加工条件208に基づいて、1つの中子2に対する固着加工が必要となる合計の距離を算出し、算出した距離(固着距離情報209)を固着位置演算部109に入力する。中子重量と固着加工用加工条件と固着加工が必要となる距離との関係を、ルックアップテーブルやこれらの項目の関係を規定する数式として固着位置演算部109に予め保持させておき、固着位置演算部109は、当該ルックアップテーブルや数式を用いて距離を算出することができる。なお、固着距離の算出のために固着加工用加工条件208が用いられるのは、固着加工用加工条件が中子2を固着する力に影響するためである。固着力が弱い固着加工用加工条件208が設定された場合には、固着距離が長めに算出され、固着力が強い固着加工用加工条件208が設定された場合には、固着距離が短めに算出される。
固着位置演算部109は、固着位置パターン指定201により指定された固着位置パターンで固着加工を実施できるように、かつ、固着加工を行う距離の合計が固着距離情報209に記述された距離となるように、中子2の外周を構成するブロック23〜27に固着位置を設定する。固着位置演算部109は、固着位置の設定内容を示す情報(固着位置情報210)を加工機駆動部110に入力する。
例えば、固着位置演算部109は、固着位置パターン1が指定されている場合には、固着距離情報209に記述された距離を値「8」で除算し、当該除算により得られた距離の固着位置をブロック23〜27の夫々の始点および終点に設定する。また、固着位置パターン2が指定されている場合には、固着位置演算部109は、固着距離情報209に記述された距離を辺の数である値「4」で除算し、当該除算により得られた距離の固着位置をブロック23〜27の夫々の中央部分に設定する。
なお、固着位置演算部109は、アプローチのためのブロック22がアプローチする辺(即ちブロック23およびブロック27により構成される辺)については例外処理を実行することができる。具体的には、固着位置パターン1が指定されている場合には、固着位置演算部109は、ブロック23の終点にのみ固着位置を設定し、ブロック27の始点にのみ固着位置を設定する。また、固着位置パターン2が指定されている場合には、固着距離情報209に記述された距離を値「4」で除算して得られた値をさらに値「2」で除算し、得られた距離の固着位置をブロック23およびブロック27の中央部分に夫々設定する。
また、固着位置演算部109は、固着位置の設定内容を例えば以下のように固着位置情報210に記述することができる。
図6−1は、固着位置パターン1が指定されている場合の固着位置情報210の表現手法を説明するための図である。この図に示すように、固着位置パターン1が指定されている場合には、例えばブロック25について、端点における固着加工を実行せしめる距離(距離41)を指定するだけでブロック25の固着位置を特定することが可能である。従って、ここでは、固着位置情報210は、ブロックを特定する情報と、固着パターン1が指定されていることを示す情報と、距離41の値とを含む。なお、距離41が例外処理対象のブロックを除く全ブロックで共通である場合には、例外処理対象のブロックを除き、ブロックを特定する情報を省略することができる。以降、固着位置情報210に記述される距離41を指定距離41と表記することとする。
図6−2は、固着位置パターン2が指定されている場合の固着位置情報210の表現手法を説明するための図である。固着位置パターン2が指定されている場合には、例えばブロック25について、始点から固着加工を開始する位置までの距離(距離42)と、固着加工を実行せしめる範囲を示す距離(距離43)とによりブロック25の固着位置を特定することが可能である。従って、ここでは、固着位置情報210は、ブロックを特定する情報と、固着パターン2が指定されていることを示す情報と、距離42と、距離43とを含む。以降、固着位置情報210に記述されている距離42を第1の指定距離42と表記し、固着位置情報210に記述されている距離43を第2の指定距離43と表記することとする。
加工機駆動部110は、NCプログラム200と、標準加工用加工条件206と、固着加工用加工条件208と、固着位置情報210とを入力とし、加工機駆動指令202を生成して、ワイヤ放電加工機本体を駆動する。加工機駆動部110は、固着位置情報210により固着位置に設定された箇所に対しては固着加工用加工条件208を用いて加工せしめ、その他の箇所に対しては標準加工用加工条件206を用いて加工せしめる。
図7は、制御装置100のハードウェア構成例を示す図である。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、入力装置55、表示装置56を備える。CPU51、RAM52、ROM53、入力装置55、表示装置56は、バスラインを介して夫々接続されている。
表示装置56は、例えば液晶モニタなどで構成される、情報を表示可能な装置である。表示装置56は、ユーザに対する表示画面を表示する。入力装置55は、例えばマウスやキーボードを備えて構成され、ユーザからの制御装置100の操作情報や固着位置パターン指定201が入力される。入力された各種情報は、CPU51へ送られる。NCプログラム200は、例えば図示しない外部記憶装置から入力され、CPU51へ送られる。
ROM53は、制御プログラム54を記録する記録媒体である。CPU51は、ROM53から制御プログラム54をバスラインを介して読み出して、RAM52へロードし、RAM52内にロードされた制御プログラム54を実行する。制御プログラム54がRAM52にロードされることによって、RAM52上にNCプログラム解析部101、プログラム周長演算部102、加工条件解析部103、中子重量演算部105、固着加工条件設定部106、固着必要距離演算部108、固着位置演算部109、および加工機駆動部110が生成される。また、RAM52は、制御プログラム54のプログラム展開領域のほか、制御プログラム54の実行に伴って生成される中間データを格納するワークエリアを備えている。例えば、中子周長情報203、ワーク情報204、ワイヤ/ワーク情報205、標準加工用加工条件206、中子重量情報207、固着加工用加工条件208、固着距離情報209、および固着位置情報210はワークエリアに格納される中間データに該当する。標準加工用加工条件データベース104、固着加工用加工条件データベース107は、RAM52、ROM53、または外部記憶装置に対応する領域が確保されて実現される。
なお、制御プログラム54をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、ROM53に代えて、一時的でない有形の媒体であればどのような記録媒体であっても、制御プログラム54のロード元となる記録媒体として採用することが可能である。例えば、外部記憶装置、着脱可能なメモリデバイス、光ディスク装置などを採用することが可能である。
次に、本発明の実施の形態1の制御装置100により実現される加工方法を説明する。
図8は、制御装置100の動作を説明するフローチャートである。図示するように、制御装置100は、NCプログラム200の入力を受け付け(ステップS1)、続いて固着位置パターン指定201の入力を付けつける(ステップS2)。
制御装置100は、表示装置56に固着位置パターン1〜4の概要を説明する図を凡例として表示して、凡例中から固着位置パターン1〜4のうちの1つを選択する入力をユーザに促すようにしてもよい。
図9は、固着位置パターン指定201の入力を促す表示画面例を示す図である。図示するように、表示画面60には固着位置パターンを入力するボックス61と凡例63とが表示されている。ボックス61の右端に表示されている逆三角のボタンが入力装置55を構成するポインティングデバイスを用いて押下されると、制御装置100は、ボックス61の下にプルダウンメニュー62を生成して当該プルダウンメニュー62に選択可能な固着位置パターンの一覧を表示する。ユーザがプルダウンメニュー62に表示されている固着位置パターン1〜4のうちの1つを選択すると、制御装置100は、ボックス61に当該選択された固着位置パターンを表示して、その固着位置パターンが指定する入力がなされたものとして認識することができる。
ステップS2に続いて、制御装置100は、標準加工用加工条件206を生成する(ステップS3)。具体的には、NCプログラム解析部101はNCプログラム200から加工ブロックと加工条件の識別情報とを読み出す。加工条件解析部103は、読み出された識別情報を用いて標準加工用加工条件データベース104から該当するエントリを抽出する。そして、抽出したエントリから標準加工用加工条件206を読み出す。
続いて、制御装置100は、固着距離情報209および固着加工用加工条件208を生成する(ステップS4)。具体的には、固着加工条件設定部106は、ワイヤ/ワーク情報205を検索キーとして固着加工用加工条件データベース107を検索し、固着加工用加工条件208を求める。一方、プログラム周長演算部102は、NCプログラム解析部101が読み出した加工ブロックに基づいて中子周長情報203を生成する。中子重量演算部105は、中子周長情報203およびワーク情報204に基づいて中子重量情報207を求める。固着必要距離演算部108は、中子重量情報207および固着加工用加工条件208に基づいて固着距離情報209を求める。
続いて、制御装置100は、固着位置情報210を生成する(ステップS5)。具体的には、固着位置演算部109は、固着位置パターン指定201および固着距離情報209に基づいて、固着位置情報210を求める。
そして、制御装置100は加工処理を実行する(ステップS6)。具体的には、加工機駆動部110は、NCプログラム200、標準加工用加工条件206、固着加工用加工条件208、および固着位置情報210に基づいて、ワイヤ放電加工機本体を駆動する加工機駆動指令202を生成する。加工処理を終了すると、制御装置100は動作を終了する。
図10は、固着位置パターン1が指定されている場合において実行される加工処理を説明するフローチャートである。まず、加工機駆動部110は、ブロックの始点にワイヤ電極の位置決めを行う(ステップS11)。なお、ここでは、アプローチ穴21およびブロック22の加工を省略して説明する。即ち、ここでの始点とは、ブロック23の始点をいう。
続いて、加工機駆動部110は、加工条件を固着加工用加工条件に切り替えて(ステップS12)、固着加工用加工条件での加工を実行する(ステップS13)。続いて、加工機駆動部110は、現在加工中のブロックの始点から指定距離41まで加工が完了したか否かを判定する(ステップS14)。始点から指定距離41まで加工を完了していない場合(ステップS14、No)、加工機駆動部110は、ステップS13の処理を再び実行する。なお、ステップS14の判定処理は、所定の演算周期毎に実行されるようにしてもよい。
現在加工中のブロックの始点から指定距離41まで加工が完了した場合(ステップS14、Yes)、加工機駆動部110は、加工条件を標準加工用加工条件に切り替えて(ステップS15)、標準加工用加工条件での加工を実行する(ステップS16)。そして、加工機駆動部110は、加工位置が現在加工中のブロックの終点から指定距離41だけ手前の位置に到達したか否かを判定する(ステップS17)。加工位置が終点から指定距離41だけ手前の位置に到達していない場合(ステップS17、No)、加工機駆動部110は、ステップS16の処理を再び実行する。
加工位置が現在加工中のブロックの終点から指定距離41だけ手前の位置に到達した場合(ステップS17、Yes)、加工機駆動部110は、加工条件を固着加工用加工条件に切り替えて(ステップS18)、固着加工用加工条件での加工を実行する(ステップS19)。続いて、加工機駆動部110は、加工位置が現在加工中のブロックの終点に到達したか否かを判定する(ステップS20)。加工位置が終点に到達していない場合(ステップS20、No)、加工機駆動部110は、ステップS19の処理を再び実行する。
加工位置が終点に到達した場合(ステップS20、Yes)、加工機駆動部110は、最後のブロック(即ちここではブロック27)の加工を完了したか否かを判定する(ステップS21)。最後のブロックの加工を完了していない場合(ステップS21、No)、加工機駆動部110は、ステップS13の処理に移行して、次のブロックの始点から固着加工用加工条件での加工を開始する。最後のブロックの加工を完了した場合(ステップS21、Yes)、加工機駆動部110は、加工処理を終了する。
ただし、加工機駆動部110は、例外処理が設定されているブロックには、上記と異なる処理フローに基づいて加工処理を行う。具体的には、ブロック23を加工する際には、加工機駆動部110は、ステップS12〜ステップS15の処理を省略する。また、ブロックS27を加工する際には、ステップS16〜ステップS18の処理を省略する。
図11は、固着位置パターン2が指定されている場合において実行される加工処理を説明するフローチャートである。固着位置パターン2が指定されている場合には、まず、加工機駆動部110は、ブロックの始点にワイヤ電極の位置決めを行う(ステップS31)。
続いて、加工機駆動部110は、加工条件を標準加工用加工条件に切り替えて(ステップS32)、標準加工用加工条件での加工を実行する(ステップS33)。続いて、加工機駆動部110は、現在加工中のブロックの始点から第1の指定距離42まで加工が完了したか否かを判定する(ステップS34)。始点から第1の指定距離42まで加工を完了していない場合(ステップS34、No)、加工機駆動部110は、ステップS33の処理を再び実行する。
現在加工中のブロックの始点から第1の指定距離42まで加工が完了した場合(ステップS34、Yes)、加工機駆動部110は、加工条件を固着加工用加工条件に切り替えて(ステップS35)、固着加工用加工条件での加工を実行する(ステップS36)。そして、加工機駆動部110は、ステップS36の処理を実行してから加工した距離が第2の指定距離43に到達したか否かを判定する(ステップS37)。加工した距離が第2の指定距離43に到達していない場合(ステップS37、No)、加工機駆動部110は、ステップS36の処理を再び実行する。
ステップS36の処理を実行してから加工した距離が第2の指定距離43に到達した場合(ステップS37、Yes)、加工機駆動部110は、加工条件を標準加工用加工条件に切り替えて(ステップS38)、標準加工用加工条件での加工を実行する(ステップS39)。続いて、加工機駆動部110は、加工位置が現在加工中のブロックの終点に到達したか否かを判定する(ステップS40)。加工位置が終点に到達していない場合(ステップS40、No)、加工機駆動部110は、ステップS39の処理を再び実行する。
加工位置が終点に到達した場合(ステップS40、Yes)、加工機駆動部110は、最後のブロックの加工を完了したか否かを判定する(ステップS41)。最後のブロックの加工を完了していない場合(ステップS41、No)、加工機駆動部110は、ステップS33の処理に移行して、次のブロックの始点から標準加工用加工条件での加工を開始する。最後のブロックの加工を完了した場合(ステップS41、Yes)、加工機駆動部110は、加工処理を終了する。
なお、以上の説明では、固着位置パターン1が指定された場合と、固着位置パターン2が指定された場合との夫々について加工処理を説明したが、加工機駆動部110は、固着位置パターン3や固着位置パターン4が指定されている場合であっても加工処理を実施することができる。具体的には、例えば、固着位置パターン3が指定されている場合には、固着位置演算部109は、ブロック25の固着位置を固着位置パターン1と同様の表現手法により表現し、ブロック23の固着位置を固着位置パターン1の例外処理として説明した表現手法により表現するようにする。すると、加工機駆動部110は、ブロック23、25を、固着位置パターン1が指定されている場合と同様の処理フローに従って加工することができる。固着位置パターン4が指定されている場合であっても、固着位置パターン3が指定されている場合と同様の手法を用いて加工処理を実行することができる。
また、加工条件データベース104、107は、ワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚との組み合わせ毎に、加工条件の最適値が記録されているデータ構造を有し、NCプログラム200に含まれる加工条件の識別情報は、加工条件データベース104、107のエントリを指定するものであるとしているため、NCプログラム200に識別情報を記述することは、実質的に、ワイヤ種類と、ワイヤ径と、ワーク材質と、ワーク板厚とを指定する入力(第1入力)を行うことに等しい。ここで、加工条件データベース104、107は、ワーク材質およびワーク板厚を含む夫々の項目の値の組み合わせ毎に加工条件を記録したデータ構造を具備するものとし、第1入力は、ワーク材質およびワーク板厚を含む項目を指定する入力であるとするようにしてもよい。加工条件データベース104、107の検索キーと第1入力の指定項目にワイヤ種類およびワイヤ径を加えることにより、より適切な加工条件206、208を求めることができるようになる。
なお、第1入力は、NCプログラム200に記述されて入力されるものとしているが、NCプログラム200とは別々に入力されるようにしてもよい。
また、第1入力の指定項目の値と固着加工用加工条件との関係を、予め固着加工用加工条件データベース107に記録しておくものとして説明しているが、固着加工条件設定部106は、第1入力の指定項目の値をパラメータとして固着加工用加工条件を算出する数式を予め記憶し、当該数式に基づいて固着加工用加工条件を求めるようにしてもよい。
また、固着必要距離演算部108は、指定された固着位置パターンに応じて固着加工に必要な固着距離を増減するようにしてもよい。固着位置パターン1は4点で中子2を支持し、固着位置パターン2は5点で中子2を支持する。中子2を支持する箇所が多くなるほど安定的に中子2を支持することができるので、例えば、固着必要距離演算部108は、中子2を支持する箇所が多いほど固着距離を少なく算出するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明の実施の形態1によれば、制御装置100は、NCプログラム200とワークの材質および板厚を指定するユーザからの第1入力とに基づいて、中子2の重量を算出する重量演算部として機能するプログラム周長演算部102および中子重量演算部105と、中子2の重量に基づいて、固着加工が必要となる固着距離(言い換えると固着加工を施す必要長さ)を算出する距離演算部としての固着必要距離演算部108と、中子2の外周を構成する線分を加工するブロックにトータルの長さが固着距離に等しくなるように固着位置を設定する固着位置設定部としての固着位置演算部109と、第1入力に基づいて、固着加工用の加工条件設定値を求める固着加工条件設定部106と、ワイヤ放電加工機をNCプログラム200に基づいて駆動するとともに、前記ワイヤ放電加工機に、前記固着位置に設定された箇所を固着加工用加工条件を適用して加工せしめる加工機駆動部110と、を備えるように構成したので、ユーザが第1入力を行うだけで、固着加工用の加工条件および固着位置が自動的に設定してワイヤ放電加工機に固着加工を実施せしめるので、固着加工用の各種設定をノウハウレスで行うことができるようになる。即ち、可及的に簡単な設定でワイヤ放電加工機に固着加工を実行せしめることができるようになる。
また、固着位置演算部109は、ユーザからの固着位置パターン指定を受け付けて、指定された固着位置パターンに応じた箇所に固着位置を設定するようにしたので、ユーザは、ワイヤ放電加工機に、所望の固着位置パターンで固着加工を実行せしめることができるようになる。
実施の形態2.
実施の形態1によれば、制御装置は、固着加工用加工条件208を用いて固着距離情報209を求めるものとして説明したが、先に固着加工用加工条件208を求め、当該求めた固着加工用加工条件208を用いて固着距離情報209を算出するようにしてもよい。具体的には、実施の形態2の制御装置は、ブロックが短すぎてブロック内に十分な固着力を得るための固着距離を設定できない場合には、固着量を通常より増加せしめるように加工条件を修正することができるようになる。
図12は、実施の形態2の制御装置の機能構成を説明する図である。ここでは、実施の形態1と同じ機能を有する構成要素には実施の形態1と同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態2の制御装置100aは、NCプログラム解析部101、プログラム周長演算部102、加工条件解析部103、標準加工用加工条件データベース104、中子重量演算部105、固着加工条件設定部106a、固着加工用加工条件データベース107、固着必要距離演算部108a、固着位置演算部109、および加工機駆動部110を備えている。
固着必要距離演算部108aは、中子重量情報207のみに基づいて固着距離を算出し、固着距離情報209を出力する。
固着加工条件設定部106aは、ワイヤ/ワーク情報205を検索キーとして固着加工用加工条件データベース107を検索し、加工条件を抽出する。その後、固着加工条件設定部106aは、抽出した加工条件を固着距離情報209に基づいて修正して、固着加工用加工条件208を生成する。
実施の形態2の制御装置100aを用いて加工する加工方法は、ステップS4の動作のみが実施の形態1と異なるだけであるので、ここでは説明を省略する。
以上述べたように、先に固着加工用加工条件208を求め、当該求めた固着加工用加工条件208を用いて固着距離情報209を算出するように制御装置100aを構成することもできる。
実施の形態3.
なお、実施の形態1、2の制御装置において、加工機駆動部110は、固着位置情報210に基づいてNCプログラム200をいったん加工し、加工後のNCプログラム200と加工条件206、208とに基づいてワイヤ放電加工機を駆動するようにしてもよい。
図13は、実施の形態3の加工機駆動部110によるNCプログラム200の加工例を示す図である。なお、この加工例は、図5に示したNCプログラム200を加工したものである。加工後のNCプログラム211は、NCプログラム200に、ブロック212、ブロック213、ブロック214、およびブロック215が挿入されたものである。ブロック212に示す「M303P1.0Q2.0」のうちの、「M303」は、以降の「G01」指令にかかる加工を固着位置パターン2での固着加工に設定する命令である。また、引数Pで指定される値「1.0」は第1の指定距離42を示し、引数Qで指定される値「2.0」は第2の指定距離43を示す。また、ブロック214に示す「M304Q2.0」のうちの「M304」は、以降の「G01」指令にかかる加工を固着位置パターン1での固着加工に設定する命令であり、引数Qで指定される値「2.0」は指定距離41を示す。ブロック213は、ブロック212による設定を解除するブロックであり、ブロック215は、ブロック213による設定を解除するブロックである。なお、終点から引数Qで渡される値だけの範囲を固着加工する命令をさらに定義してもよい。
なお、ここでは、簡単のために、固着位置パターン1にかかるブロック214と固着位置パターン2にかかるブロック212とが混在して挿入されている例を用いて説明したが、実施の形態1、2の制御装置に実施の形態3を適用した場合には、1つのNCプログラム200にはどちらか一方の固着位置パターンにかかるブロックのみが挿入される。
なお、加工機駆動部110は、加工後のNCプログラム211を外部出力するようにしてもよい。また、加工機駆動部110は、加工後のNCプログラム211を生成した後にワイヤ放電加工機を駆動することなく停止し、ユーザからの実行指令が入力された後に当該加工後のNCプログラム211に基づいてワイヤ放電加工機を駆動するようにしてもよい。また、加工機駆動部110は、ユーザが編集したNCプログラム211の入力を受けつけて、当該受け付けたNCプログラム211に基づいてワイヤ放電加工機を駆動するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかるワイヤ放電加工機の制御装置および加工方法は、中子を固着する加工を行うことができるワイヤ放電加工機を制御する制御装置および当該ワイヤ放電加工機による加工方法に適用して好適である。
1 ワーク
2 中子
21 アプローチ穴
22〜27 ブロック
41 指定距離
42 第1の指定距離
43 第2の指定距離
51 CPU
52 RAM
53 ROM
54 制御プログラム
55 入力装置
56 表示装置
60 表示画面
61 ボックス
62 プルダウンメニュー
63 凡例
100、100a 制御装置
101 NCプログラム解析部
102 プログラム周長演算部
103 加工条件解析部
104 標準加工用加工条件データベース
105 中子重量演算部
106、106a 固着加工条件設定部
107 固着加工用加工条件データベース
108、108a 固着必要距離演算部
109 固着位置演算部
110 加工機駆動部
200、211 NCプログラム
201 固着位置パターン指定
202 加工機駆動指令
203 中子周長情報
204 ワーク情報
205 ワイヤ/ワーク情報
206 標準加工用加工条件
207 中子重量情報
208 固着加工用加工条件
209 固着距離情報
210 固着位置情報
212〜215 ブロック

Claims (9)

  1. ワイヤ放電加工機を駆動してワークから中子を切り出す加工プログラムとワークの材質および板厚を指定するユーザからの第1入力とに基づいて、前記中子の重量を算出する重量演算部と、
    前記中子の重量に基づいて、前記中子を前記ワークに固定する固着加工を施す必要長さを算出する距離演算部と、
    前記中子の外周を構成する線分を加工するブロックに、前記中子の外周における固着加工を施す部分の合計の長さが前記算出した必要長さとなるように、固着位置を設定する固着位置設定部と、
    前記第1入力に基づいて、固着加工用の加工条件設定値を求める固着加工条件設定部と、
    前記ワイヤ放電加工機を前記加工プログラムに基づいて駆動するとともに、前記ワイヤ放電加工機に、中子を切り出させしめる加工と前記固着位置に設定された箇所を前記加工条件設定値を適用して加工せしめる加工とを、加工条件を切り替えながら行う加工機駆動部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記固着位置設定部は、固着位置の設定パターンを指定するユーザからの第2入力を受け付けて、前記受け付けた第2入力に指定された設定パターンに応じた箇所に固着位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 固着加工用の加工条件を前記第1入力が備える指定項目の組み合わせ毎に予め記憶する固着加工用加工条件データベースをさらに備え、
    前記固着加工条件設定部は、前記第1入力による指定内容を検索キーとして前記固着加工用加工条件データベースを検索することによって前記加工条件設定値を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記固着加工条件設定部は、前記第1入力が備える夫々の指定項目を変数として固着加工用の加工条件を記述する予め記憶する数式に基づいて前記加工条件設定値を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  5. 前記第1入力は、ワイヤ種類またはワイヤ径をさらに指定する入力である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の制御装置。
  6. 前記固着加工条件設定部は、前記算出された必要長さに基づいて前記加工条件設定値を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  7. 前記距離演算部は、前記加工条件設定値によって得られる固着力に応じて前記必要長さを算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  8. ワークから中子を切り出す加工プログラムに基づいてワイヤ放電加工機を駆動して前記ワークを加工する加工方法であって、
    ワークの材質および板厚を指定する第1入力を受け付ける第1入力ステップと、
    前記加工プログラムと前記第1入力とに基づいて前記中子の重量を算出する重量演算ステップと、
    前記中子の重量に基づいて、前記中子を前記ワークに固定する固着加工を施す必要長さを算出する距離演算ステップと、
    前記中子の外周を構成する線分を加工するブロックに、前記中子の外周における固着加工を施す部分の合計の長さが前記算出した必要長さとなるように、固着位置を設定する固着位置設定ステップと、
    前記第1入力に基づいて、固着加工用の加工条件設定値を求める加工条件設定ステップと、
    前記ワイヤ放電加工機を前記加工プログラムに基づいて駆動するとともに、前記ワイヤ放電加工機に、中子を切り出させしめる加工と前記固着位置に設定された箇所を前記加工条件設定値を適用して加工せしめる加工とを、加工条件を切り替えながら行う加工処理ステップと、
    を備えることを特徴とする加工方法。
  9. 固着位置の設定パターンを指定する第2入力を受け付ける第2入力ステップをさらに備え、
    前記固着位置設定ステップにおいて、前記第2入力に指定された設定パターンに応じた箇所に固着位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の加工方法。
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