JP5279627B2 - 基板処理方法及び記憶媒体 - Google Patents

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本発明は、基板処理方法及び記憶媒体に関し、特に、フィードフォワード制御及びフィードバック制御によって処理の適正を図る基板処理方法に関する。
基板処理装置を用いて複数の基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)に連続して所定の処理を施す際、処理容器(以下、「チャンバ」という。)内で、処理中に生成される反応生成物がチャンバの内壁面に徐々に付着するなどの理由により、チャンバ内の雰囲気が徐々に変化する。従って、チャンバ内雰囲気の変化に対応しながら精度良く基板処理を実行するために、フィードフォワード(FF)制御及びフィードバック(FB)制御が採用されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、ウエハに形成された開口部の開口幅を所定値に整えるシュリンク処理におけるフィードフォワード制御は、予め処理前のウエハについて、ウエハの物性値として開口部の開口幅(以下、CD(Critical Dimension)値という。)を測定し、CD値を目標値にするための処理条件を求め、当該処理条件(フィードフォワード条件)でシュリンク処理が行われる。例えば、処理前のCD値が50nmであり、目標値が25nmであれば、目標値と処理前実測値との差が25nmである。従って、シュリンク量が25nmとなるような条件でシュリンク処理が行われる。
一方、フィードバック制御では、処理後のウエハのCD値を測定器によって測定し、得られた測定値と目標値との差を求め、この差に基づいて当該シュリンク処理におけるシュリンク量が目標とするシュリンク量からどれだけずれていたかを求め、このずれ量に基づいてフィードバック制御のオフセット値を算出し、算出したオフセット値を用い、次に処理するウエハについて予め測定したCD値に基づいて決定したフィードフォワード条件を修正し、修正後のフィードフォワード条件に従って次に処理するウエハについて所定のシュリンク処理が施される。
例えば、処理後のウエハについて測定したCD値が27nmであり、目標値である25nmとの差が2nmである場合であって、次に処理するウエハの処理前CD値が70nmであり、当該シュリンク処理におけるフィードフォワード処理における目標シュリンク量が45nmである場合、このシュリンク量を、先の処理における目標値25nmと、処理後のCD値である27nmとの差である2nmで修正し、修正後の(45+2)nmを目標シュリンク量として次のウエハに対してシュリンク処理を行う。これによって、基板処理装置内の雰囲気の変化等に起因する誤差をなくして処理の最適化を図ることができる。
ところで、フィードフォワード制御及びフィードバック制御に適用される基板処理装置は、基板処理の効率を高めるために、所定の処理を施すチャンバを備えたプロセスモジュール(PM)が複数設けられているが、ウエハの物性を測定する測定器は通常1基だけしか設けられていない。
このような基板処理装置において、複数連続処理されるウエハについてそれぞれ処理前後に、ウエハの物性値として、例えばCD値を測定するような制御をしたのでは、測定器によるCD値測定回数がPM数×2(回)となって、被処理ウエハ数に対するCD値測定回数が多くなり過ぎ、これによって、測定器によるCD値測定速度がウエハ処理速度の律速となり、処理の効率化を図ることができないという問題がある。
そこで、全てのウエハに対して処理前後に物性値であるCD値を測定することなく、CD測定回数を減少する工夫がなされている。すなわち、ウエハのCD値を整えるシュリンク処理においては、処理前のCD値を知ることは必須条件であるために、処理前のCD値測定によるフィードフォワード測定(以下、「FF測定」という。)を省略することはできないが、フィードバックするオフセット値は、チャンバ内の状態が変化しなければ一定と考えられる。そして、チャンバ内の雰囲気は、処理時間の経過に伴って除々に変化するものである。従って、フィードバック制御のオフセット値は、チャンバ内状態が変化しない限り同一の値を用いるようにして更新を省略することができる。
すなわち、複数のウエハを連続的に処理する場合、ある一定枚数のウエハに対し、予め処理後にCD値を測定するウエハを決定しておき、それ以外のウエハに対しては処理後のCD値測定(以下、「FB測定」という。)を省略し、一定期間フィードバック制御のオフセット値を更新しないで同一のフィードバックオフセット値を使用する運用が可能である。
図11は、このような従来技術におけるフィードフォワード制御及びフィードバック制御を行う際のFF測定及びFB測定の対象となるウエハを示す説明図である。図11において、1ロット25枚のウエハWに対し、25枚全てについてFF測定を行い、予め指定した、例えば1枚目、8枚目、16枚目、20枚目、22枚目及び24枚目の合計6枚のウエハWについてFB測定を行うというフィードフォワード制御及びフィードバック制御が行われる。
特開2004−207703号公報
しかしながら、このようなフィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合わせた制御には、以下のような問題がある。
すなわち、ユーザが全てのウエハについて、処理するチャンバ、搬送経路等を予め指定するシリアル搬送処理においては、各ウエハが指定されたチャンバで処理されるときの当該チャンバにおける経過処理時間を事前に見積もることができるため、どのウエハをFB測定の対象とすべきかが明確であり、特に問題が発生することはないと考えられる。一方、どのチャンバを適用するかについて、予めユーザが決定することをせず、ウエハの処理毎に基板処理装置が、処理を行っていない空きチャンバを検出し、順次空きチャンバを使用して複数のウエハに対して所定の処理、例えばCD値のシュリンク処理を施すOR搬送処理においては、各ウエハがどのチャンバ内で処理されるかが明確でない。従って、FB測定の対象となるウエハがどのチャンバで処理されるかが予測できないので全てのチャンバについて均等なフィードバック制御を行うことができず、チャンバ内雰囲気の変化の影響を小さくすることができないという問題がある。
本発明の目的は、チャンバを事前に指定することなく処理を行った場合にも、全てのウエハの処理後の物性値を測定することなく、各ウエハに対して適正な処理を施すことができる基板処理方法及びこの基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納した記憶媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の基板処理方法は、ウエハに所定の処理を施す複数のチャンバと、前記ウエハのCD値を測定する測定器とを備えた基板処理装置を用いて前記チャンバを事前に指定することなく複数のウエハに対して前記所定の処理を連続して施す基板処理方法において、前記ウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理前のCD値を測定する処理前測定ステップと、前記処理前測定ステップで得られたCD値に基づいて前記ウエハに対して施されるシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いられるオフセット値を作成するオフセット値作成ステップと、前記CD値の測定後のウエハを前記チャンバに搬入し、前記ウエハに対して前記シュリンク処理を前記作成された処理条件に従って施す処理ステップと、前記処理ステップ終了後のウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理後のCD値を測定する処理後測定ステップと、前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値の差に基づいて、前記オフセット値を更新するオフセット値更新ステップと、を有し、前記処理後測定ステップ及び前記オフセット値更新ステップを、前記チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達するまで省略し、前記オフセット値は、各前記チャンバの過去所定期間内において実行された複数の前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値のずれ量を、RF印加累積時間に従って変化させた重み付け係数を用いて移動平均した値であることを特徴とする。
請求項2記載の基板処理方法は、請求項1記載の基板処理方法において、前記処理後測定ステップを実行するか否かを判定する判定ステップをさらに有し、前記判定ステップでは、現在のRF印加累積時間から前回オフセット値を更新した時のRF印加累積時間を差し引いた差が所定のRF印加積算時間を超えている場合、現在の実時間から前回オフセット値を更新した時の実時間を差し引いた差が所定の時間を超えている場合、及び処理対象の前記ウエハの容器におけるスロット番号が、前記処理後測定ステップを実行する旨の設定がなされている前記ウエハの容器におけるスロット番号と一致する場合のうちいずれかの条件を満たすときに、前記処理後測定ステップを実行すると判定することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項8記載の記憶媒体は、ウエハに所定の処理を施す複数のチャンバと、前記ウエハのCD値を測定する測定器とを備えた基板処理装置を用いて前記チャンバを事前に指定することなく複数のウエハに対して前記所定の処理を連続して施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納した記憶媒体であって、前記基板処理方法は、前記ウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理前のCD値を測定する処理前測定ステップと、前記処理前測定ステップで得られたCD値に基づいて前記ウエハに対して施されるシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いられるオフセット値を作成するオフセット値作成ステップと、前記CD値の測定後のウエハを前記チャンバに搬入し、前記ウエハに対して前記シュリンク処理を前記作成された処理条件に従って施す処理ステップと、前記処理ステップ終了後のウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理後のCD値を測定する処理後測定ステップと、前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値の差に基づいて、前記オフセット値を更新するオフセット値更新ステップと、を有し、前記処理後測定ステップ及び前記オフセット値更新ステップを、前記チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達するまで省略し、前記オフセット値は、各前記チャンバの過去所定期間内において実行された複数の前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値のずれ量を、RF印加累積時間に従って変化させた重み付け係数を用いて移動平均した値であることを特徴とする。
本発明によれば、処理前のウエハのCD値を測定する処理前測定ステップと、処理前のCD値に基づいてウエハに対して施されるシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いられるオフセット値を作成するオフセット値作成ステップと、ウエハに対してシュリンク処理を作成された処理条件に従って施す処理ステップと、処理後のウエハのCD値を測定する処理後測定ステップと、処理後のCD値及び目標値の差に基づいて、オフセット値を更新するオフセット値更新ステップと、を有する基板処理方法において、処理後測定ステップ及びオフセット値更新ステップを、チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達するまで省略するので、チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達した後にオフセット値が更新される。その結果、チャンバを事前に指定することなく処理を行った場合にも、全てのウエハのCD値を測定することなく各ウエハに対して適正な処理を施すことができる。
また、本発明によれば、オフセット値は、各チャンバの過去所定期間内において実行された複数の処理後測定ステップで測定されたウエハのCD値及び目標値とのずれ量を重み付け係数を用いて移動平均した値であるので、複数の処理後測定ステップで測定されたCD値におけるばらつきを吸収してオフセット値を最適化することができる。さらに、重み付け係数をRF印加累積時間に従って変化させるので、チャンバ内の雰囲気変化に追従したオフセット値に基づいて処理条件を変更して適正なシュリンク処理を実施することができる。
本実施の形態に係る基板処理方法を実行する基板処理装置の構成を概略的に示す平面図である。 図1における線II−IIに沿う断面図である。 図1における測定器の構成を示す模式図である。 システムコントローラの概略構成を示す図である。 本発明の基板処理方法に適用される半導体ウエハの構成を概略的に示す断面図である。 基板処理装置のシステムコントローラによって実行される基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 ウエハWに対するシュリンク処理の工程図である。 シュリンク処理を施したウエハWについて測定したシュリンク量誤差に時間の経過に従って重み付けを行う際の処理枚数に対する重み付け係数の変化を示すグラフである。 本実施の形態におけるシュリンク量誤差に対する重み付け係数とウエハを処理した際の経過時間(RF累積時間)との関係を示すグラフである。 本実施の形態と従来方法との効果を比較して示す図である。 従来技術におけるフィードフォワード制御及びフィードバック制御を行う際のFF測定及びFB測定の対象となるウエハを示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板処理方法を実行する基板処理装置の概略構成を示す平面図である。この基板処理装置は基板としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)にプラズマを用いたエッチング処理を施すように構成された複数のプロセスモジュールを備える。
図1において、基板処理装置10は、被処理基板としてのウエハWにRIE(Reaction Ion Etching)処理を施す2つのプロセスシップ11と、2つのプロセスシップ11がそれぞれ接続された矩形状の共通搬送室としての大気搬送室(以下、「ローダーモジュール」という。)13とを備える。
ローダーモジュール13には、上述したプロセスシップ11の他、例えば25枚のウエハWを収容する基板収納容器としてのフープ14がそれぞれ載置される3つのフープ載置台15と、フープ14から搬出されたウエハWの位置をプリアライメントするオリエンタ16と、処理前後のウエハWについて物性値、例えばCD値を測定する測定器17とが接続されている。
2つのプロセスシップ11は、ローダーモジュール13の長手方向における側壁に接続されると共にローダーモジュール13を挟んで3つのフープ載置台15と対向するように配置され、オリエンタ16はローダーモジュール13の長手方向に関する一端に配置され、測定器17はローダーモジュール13の長手方向に関する他端に配置される。
ローダーモジュール13は、内部に配置された、ウエハWを搬送する基板搬送ユニットとしてのスカラ型デュアルアームタイプの搬送アーム機構19と、各フープ載置台15に対応するように側壁に配置されたウエハWの投入口である3つのフープ接続口としてのロードポート20とを有する。ロードポート20には、それぞれ開閉扉が設けられている。搬送アーム機構19は、フープ載置台15に載置されたフープ14からウエハWをロードポート20経由で取り出し、該取り出したウエハWをプロセスシップ11、オリエンタ16や測定器17へ搬出入する。
プロセスシップ11は、ウエハWにRIE処理を施すプロセスモジュール25と、該プロセスモジュール25にウエハWを受け渡すリンク型シングルピックタイプの搬送アーム26を内蔵するロード・ロックモジュール27とを有する。
プロセスシップ11では、ローダーモジュール13の内部の圧力は大気圧に維持される一方、プロセスモジュール25の内部圧力は真空に維持される。そのため、ロード・ロックモジュール27は、プロセスモジュール25との連結部に真空ゲートバルブ29を備えると共に、ローダーモジュール13との連結部に大気ゲートバルブ30を備えることによって、その内部圧力を調整可能な真空予備搬送室として構成される。
ロード・ロックモジュール27の内部には、略中央部に搬送アーム26が設置され、該搬送アーム26よりプロセスモジュール25側に第1のバッファ31が設置され、搬送アーム26よりローダーモジュール13側には第2のバッファ32が設置される。第1のバッファ31及び第2のバッファ32は、搬送アーム26の先端部に配置されたウエハWを支持する支持部(ピック)33が移動する軌道上に配置され、RIE処理が施されたウエハWを一時的に支持部33の軌道の上方に待避させることにより、RIE未処理のウエハWとRIE処理済みのウエハWとのプロセスモジュール25における円滑な入れ換えを可能とする。
また、基板処理装置10は、プロセスシップ11、ローダーモジュール13、オリエンタ16及び測定器17(以下、まとめて「各構成要素」という。)の動作を制御するシステムコントローラ(図示省略)を備える。オリエンタ16は、ウエハを載置した状態で回転台を回転させながら、光学センサによりウエハの周縁部の状態を検出することにより、ウエハの位置を合わせるようになっている。システムコントローラは、RIE処理やウエハWの搬送処理に対応するプログラムとしてのレシピに応じて各構成要素の動作を制御する。
図2は、図1における線II−IIに沿う断面図である。
図2において、プロセスモジュール25は、チャンバ52と、該チャンバ52内に配置されたウエハWの載置台53と、チャンバ52の上方において載置台53と対向するように配置されたシャワーヘッド54と、チャンバ52内のガス等を排気するTMP(Turbo Molecular Pump)55と、チャンバ52及びTMP55の間に配置され、チャンバ52内の圧力を制御する可変式バタフライバルブとしてのAPC(Adaptive Pressure Control)バルブ56とを有する。
載置台53には、第1の高周波電源57が第1の整合器(Matcher)58を介して接続されており、また、第2の高周波電源65が第2の整合器(Matcher)66を介して接続されている。第1の高周波電源57は、比較的高い周波数、例えば60MHzの高周波電力を励起用電力として載置台53に印加し、第2の高周波電源65は、比較的低い周波数、例えば2MHzの高周波電力をバイアスとして載置台53に印加する。整合器58及び66は、それぞれ載置台53からの高周波電力の反射を低減して高周波電力の供給効率を最大にする。
シャワーヘッド54は円板状の下層ガス供給部59及び円板状の上層ガス供給部60からなり、下層ガス供給部59に上層ガス供給部60が重ねられている。下層ガス供給部59及び上層ガス供給部60はそれぞれ第1のバッファ室61及び第2のバッファ室62を有する。第1のバッファ室61及び第2のバッファ室62はそれぞれガス通気孔63、64を介してチャンバ52内に連通する。
第1のバッファ室61は、例えばCHFガス供給系(図示省略)に接続されている。該CHFガス供給系は第1のバッファ室61へCHFガスを供給する。供給されたCHFガスはガス通気孔63を介してチャンバ52内へ供給される。また、第2のバッファ室62は、例えばCFガス供給系(図示省略)に接続されている。CFガス供給系は第2のバッファ室62へCFガスを供給する。供給されたCFガスはガス通気孔64を介してチャンバ52内へ供給される。シャワーヘッド54には直流電源75が接続されており、該直流電源75によってシャワーヘッド54に直流電圧が印加される。これにより、印加された直流電圧は、処理空間S内のイオン分布を制御する。
このプロセスモジュール25のチャンバ52内では、載置台53が処理空間Sに高周波電力を印加することにより、シャワーヘッド54から処理空間Sに供給された処理ガスを高密度のプラズマにしてイオンやラジカルを発生させ、該イオンやラジカルによってウエハWにエッチング処理を施す。
また、図3は、図1における測定器17の構成を示す模式図である。図3において、測定器(IMM(Integrated Metrology Module))は、光学部としての発光器17a、偏光子17b、検光子17cおよび受光器17dを有している。
発光器17aは、例えば白色光をウエハWに向けて出力し、偏光子17bは、出力された白色光を直線偏光に変換した後、ステージSTに載置されたウエハWに照射する。検光子17cは、ウエハWを反射した楕円偏光のうち、特定の偏向角度をもつ偏向のみを透過させる。受光器17dは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等から構成され、検光子17cを透過した偏光を受光し、受光した偏光を電気信号に変換し、変換した電気信号をマシンコントローラ(MC)に出力する。マシンコントローラに出力された電気信号は、装置コントローラを介してプロセス調整コントローラに送信される。これによって、ウエハWの例えばCD値が測定される。マシンコントローラ、装置コントローラ及びプロセス調整コントローラについては後述する。
次に、基板処理装置の各構成要素の動作を制御するシステムコントローラのシステム構成について説明する。
図4は、システムコントローラの概略構成を示す図である。
図4において、システムコントローラ100は、ホストコンピュータ101、装置コントローラ102、5つのマシンコントローラ105a〜105e、管理サーバ110およびプロセス調整コントローラ115を有している。5つのマシンコントローラ105a〜105eは、それぞれ2つのプロセスモジュール25a、25b、2つのロード・ロックモジュール27a、27b、及び1つの測定器(以下、「IMM」という。)17に対応して設けられている。
ホストコンピュータ101と装置コントローラ102との間および管理サーバ110とプロセス調整コントローラ115との間は、顧客側LAN(Local Area Network)120a、120bによりそれぞれ接続されている。さらに、管理サーバ110は、PC125などの情報処理機器と接続され、オペレータによりアクセス可能な状態になっている。
装置コントローラ102、マシンコントローラ105a〜105e、プロセスモジュール25a、25b、ロード・ロックモジュール27a、27b、IMM17は、工場内の所定エリアに設けられている。各構成要素は、それぞれLANにより接続されている。
ホストコンピュータ101は、基板処理装置10全体を管理する。装置コントローラ102は、ウエハをRIE処理するために使用するプロセスレシピを保持し、そのプロセスレシピにしたがってプロセスモジュール25a、25bにてウエハに所望のRIE処理が施されるように各マシンコントローラ105a〜105eに指示信号を送信したり、使用されたプロセスレシピの履歴管理などを行う。
マシンコントローラ105a〜105dは、装置コントローラ102から送信された指示信号に基づいてプロセスモジュール25a、25bおよびロード・ロックモジュール27a、27bをそれぞれ制御することにより、ウエハWの搬送制御とともに、プロセスモジュール25a、25bにてプロセスレシピにしたがったRIE処理が実行されるように制御する。
IMM17は、RIE処理前のウエハの表面の処理状態およびRIE処理後のウエハの表面の処理状態、例えば、CD値を測定する(FF測定、FB測定)。測定されたCD値は、マシンコントローラ105eから装置コントローラ102を介してプロセス調整コントローラ115に送信される。
管理サーバ110は、オペレータの操作によりPC125から送信されたデータに基づいて、各装置の動作条件を設定した処理条件(ストラテジ)を生成する。
プロセス調整コントローラ115は、管理サーバ110にて生成されたストラテジを保存する。また、プロセス調整コントローラ115は、測定されたCD値に基づいてRIE処理、例えば、後述するシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いるオフセット値を作成、更新し、該オフセット値を用いて作成された処理条件に基づいてシュリンク処理を実行する。
プロセス調整コントローラ115では、FF測定及びFB測定によって得られたCD値が目標値(所望のCD値)からどれだけずれていたかを算出し、算出したずれ量からオフセット値を算出する。
本実施の形態では、FF測定は全てのウエハWについて行うものの、FB測定は全てのウエハWについて行わない。すわなち、FB測定は或るタイミングに従って実行される。FB測定を実行するタイミングを規定するために、プロセス調整コントローラ115はプロセスモジュール25a、25bのそれぞれについて設定されたFB測定実行RF(高周波電力)印加積算時間を有する。
本実施の形態では、各プロセスモジュール25a、25bにおいて、ウエハWにシュリンク処理が施される事に処理空間Sに高周波電力が印加された時間を積算し、該積算された高周波電力の印加時間(経過処理時間)がFB測定実行RF印加積算時間(所定値)を越えると、プロセス調整コントローラ115がその時点でシュリンク処理が施されたウエハWについてFB測定を行い、さらに、該FB測定によって得られたCD値に基づいてオフセット値を算出する。
また、プロセス調整コントローラ115は、処理中でなく空き状態のプロセスモジュール25によってウエハWに対してシュリンク処理を実行する。このシュリンク処理はオフセット値によって修正したフィードフォワード用の処理条件に基づいて実行される。ここでは、各ウエハWについて、FF測定によって得られたCD値及び所望のCD値の差分に、オフセット値を加算することによって目標シュリンク量を算出する。
図5は、本発明の基板処理方法が適用される半導体ウエハの構成を概略的に示す断面図である。
図5において、ウエハWはシリコン基材80の表面に形成された処理対象層としてのアモルファスカーボン膜(下層レジスト膜)81と、アモルファスカーボン膜81上に形成されたSiON膜(ハードマスク)82と、SiON膜82上に形成された反射防止膜(BARC膜)83と、反射防止膜83上に形成されたフォトレジスト膜84(マスク層)とを有する。
シリコン基材80はシリコンからなる円板状の薄板であり、例えばCVD処理を施すことによって表面にアモルファスカーボン膜51が形成される。アモルファスカーボン膜81は、下層レジスト膜として機能する。アモルファスカーボン膜81上に、CVD処理又はPVD処理等が施されて表面にSiON膜82が形成され、該SiON膜82上に、例えば塗布処理によって反射防止膜83が形成される。反射防止膜83はある特定の波長の光、例えば、フォトレジスト膜84に向けて照射されるArFエキシマレーザ光を吸収する色素を含む高分子樹脂からなり、フォトレジスト膜84を透過したArFエキシマレーザ光がSiON膜82によって反射されて再びフォトレジスト膜84に到達するのを防止する。フォトレジスト膜84は、反射防止膜83上に例えばスピンコータ(図示省略)を用いて形成される。フォトレジスト膜84はポジ型の感光性樹脂からなり、ArFエキシマレーザ光に照射されるとアルカリ可溶性に変質する。
このような構成のウエハWに対し、所定のパターンに反転するパターンに対応したArFエキシマレーザ光がステッパー(図示省略)によってフォトレジスト膜84に照射されて、フォトレジスト膜84におけるArFエキシマレーザ光が照射された部分がアルカリ可溶性に変質する。その後、フォトレジスト膜84に強アルカリ性の現像液が滴下されてアルカリ可溶性に変質した部分が除去される。これにより、フォトレジスト膜84から所定のパターンに反転するパターンに対応した部分が取り除かれるため、ウエハW上には所定のパターンを呈する、例えば、ビアホールを形成する位置に開口部85を有するフォトレジスト膜84が残る。
ところで、半導体デバイスの小型化要求を満たすためには、小さい寸法、具体的には開口幅(CD(Critical Dimension)値)が、例えば25〜30nm程度の開口部(ビアホールやトレンチ)をエッチング対象の膜に形成する必要がある。
そこで、CF系のデポ性ガス、例えばCHFガスを使用して所定条件でプラズマ処理を施し、ウエハWの開口部の開口幅を25nm乃至30nmとするシュリンク処理を施す。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理方法についてウエハWの開口部の開口幅を縮小させるシュリンク処理を実行する場合を例として詳述する。
この基板処理方法は、ウエハWのフォトレジスト膜84に形成された開口部85の開口幅をプラズマ処理に基づくデポを開口部55の側壁面に付着させて縮小させるものであり、開口幅縮小ステップと、開口幅縮小後に、開口幅が小さくなった開口部85のパターンを、処理対象層であるアモルファスカーボン膜81に転写するエッチングステップを有する。
図6は、基板処理装置10のシステムコントローラによって実行される基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
図6において、まず、シュリンク処理が開始されると、まず、フープ14からウエハWを搬出し、IMM17に搬入する(ステップS1)。次いで、IMM17に搬入したウエハWのCD値を測定する(ステップS2)(FF測定)。次いで、CD値を測定したウエハWをプロセスモジュール(以下、「PM」という。)25のチャンバ内に搬入するが、このとき、現在処理中でなく、空いているPMを選択して、該空いているPMのチャンバ52内にウエハWを搬入する。すなわち、システムコントローラ(以下、単に「コントローラ」ともいう。)は、PM25aが空いているか否かを判定する(ステップS3)。そして、PM25aが空いている場合は、ウエハWをPM25aのチャンバ52内に搬入する(ステップS4)。
その後、コントローラは、PM25aのチャンバ内で、IMM17で測定したCD値及びオフセット値に基づいて決定されたフィードフォワード制御用の処理条件に従ってウエハWに対してシュリンク処理を施す。
図7は、ウエハWに対するシュリンク処理の工程図である。
図7において、ウエハWの開口部の開口幅を縮小させるシュリンク処理は、以下のように実施される。
すなわち、図5に示したウエハWをPM25aのチャンバ52内に搬入し(図7(A)参照)、載置台53上に載置した後、チャンバ52内の圧力を例えば1×10Pa(75mTorr)に設定する。また、ウエハWの温度を例えば50℃に設定する。そして、シャワーヘッド54の下層ガス供給部59からCHFガスを流量、例えば300sccmでチャンバ52内へ供給する。そして、載置台53に励起用電力として750W、バイアス電力として300Wを供給すると共に、シャワーヘッド54に−300Vの直流電圧を印加する。このとき、CHFガスが処理空間Sに印加された高周波電力によって励起されてプラズマになり、イオンやラジカルが発生する(図7(B))。これらのイオンやラジカルはフォトレジスト膜84の表面又は開口部側壁面と衝突、反応し、当該部分にデポ86を堆積させる(図7(C))。
デポ86の厚さは、処理開始時から次第に厚くなり、処理開始3分後には、例えば35nm(開口幅:25nm)となる。このシュリンク処理によって、開口部85の開口幅を、60nmから25nmまで縮小することができる。
次いで、シュリンク処理によって、開口幅が25nmに縮小された開口部85を有するフォトレジスト膜84を備えたウエハWに対して、フォトレジスト膜84に形成された開口部を処理対象層であるアモルファスカーボン膜81に転写するRIE処理を施す。
すなわち、フォトレジスト膜84の開口部85の開口幅が25nmに縮小されたウエハWを収容するプロセスモジュールのチャンバ52内の圧力を例えば1×10Pa(75mTorr)に設定し、ウエハWの温度を例えば50℃に設定した後、シャワーヘッド44の下層ガス供給部59からCFガスを流量220sccmでチャンバ52内へ供給すると共に、上層ガス供給部60からCHFガスを流量250sccmでチャンバ52内へ供給する。そして、載置台53に励起用電力として750W、バイアス電力として0Wを供給すると共に、シャワーヘッド54に−300Vの直流電圧を印加する。このとき、CFガス及びCHFガスが処理空間Rに印加された高周波電力によってプラズマになり、イオンやラジカルが発生する。これらのイオンやラジカルは反射防止膜83におけるフォトレジスト膜84によって覆われていない部分と衝突、反応し、反射防止膜83及びその下層のSiON膜82の当該部分をエッチングする(図7(D))。当該部分の反射防止膜83及びSiON膜82はアモルファスカーボン膜81が露出するまでエッチングされる(図7(E))。
このようにして、フォトレジスト膜84の開口部85の開口幅が縮小されると共に、反射防止膜83及びSiON膜82がエッチングされたウエハWに対して同一PM内又は隣接する別のPMに移してアッシング処理を施す。すなわち、チャンバ内の圧力を、例えば2.6Pa(20mTorr)に設定し、シャワーヘッドの下層ガス供給部からOガスを流量180sccmでチャンバ内へ供給すると共に、上層ガス供給部からNガスを流量20sccmでチャンバ内へ供給する。そして、載置台に1000Wの励起用電力を供給し、バイアス電力を0Wとする。このとき、Oガス及びNガスが処理空間Sに印加された高周波電力によってプラズマになり、イオンやラジカルが発生する。これらのイオンやラジカルはアモルファスカーボン膜81における、フォトレジスト膜84、該フォトレジスト膜84の開口部85の側壁面に堆積したデポ86、並びに反射防止膜83及びSiON膜82によって覆われていない部分と衝突、反応し、当該部分をエッチングする(図7(F))。当該部分のアモルファスカーボン膜81はシリコン基材80が露出するまでエッチングされ、アモルファスカーボン膜81に、幅が25nmの開口部が形成される。このとき、フォトレジスト膜84及び該フォトレジスト膜84の開口部85の側壁面及び上面に堆積したデポ86並びに反射防止膜83が同時に除去される(図7(G))。
このようにして、ウエハWに対するシュリンク処理(ステップS5)が終了した後、コントローラは、ウエハWについてFB測定を行うか否か判定する(ステップS6)。
ここでは、FB測定が行われ、シュリンク処理後のウエハWについてIMM17によってCD値が測定されると、測定された処理後CD値に基づいて現在のオフセット値が更新される。
FB測定を行うか否かの判定(ステップS6)は、当該PM25aのチャンバが次の3条件のうちいずれか1つを満足するか否かによって行う。すなわち、現在のRF時間(高周波電力印加積算時間)から前回オフセット値を更新した時のRF時間を差し引いた差が、所定のFB測定実行RF印加積算時間、例えば15分を超えている場合(条件1)、現在の実時間から前回オフセット値を更新した時の実時間を差し引いた差が、所定の時間、例えば6時間を超えている場合(条件2)、処理対象のウエハWのスロット番号が、FB測定を行う旨の設定がなされているウエハWのスロット番号と一致する場合(条件3)のうちいずれかの条件を満たす場合は、FB測定を行うことを決定し(ステップS6において「YES」の場合)、シュリンク処理後のウエハWをIMM13に搬入する(ステップS7)。
次いで、IMM17に搬入したウエハWのCD値を測定し(ステップS8)、その後、ウエハWを、例えば、フープの所定のスロットに収納する(ステップS9)。このとき、測定された処理後のCD値に基づいて現在のオフセット値が更新され、該更新されたオフセット値は、次にシュリンク処理するウエハWのフィードフォワード制御による処理条件を算出する際に、FF測定によるCD値とともに用いられる。
次いで、次に処理するウエハWが存在するか否かを判定し(ステップS10)、次に処理するウエハWが存在する場合は、ステップS1に戻る。一方、次に処理するウエハWが存在しない場合は、本処理を終了する。
また、ステップS3において、PM25aのチャンバが空いていない場合(ステップS3で「NO」の場合)は、PM25bのチャンバが空いているか否かを判定し(ステップS11)、空いている場合は、PM25bのチャンバ内にウエハWを搬入し(ステップS12)、以下、PM25aを使用する場合と同様にウエハWに対してシュリンク処理を施す(ステップS5〜S10)。なお、ステップS11において、PM25bのチャンバが空いていない場合は、ステップS3に戻る。
また、ステップS6において、FB測定を行わない場合、すなわち上述したFB測定の3条件のうちいずれも満足しない場合は、ステップS7及びステップS8をスキップし、処理後のウエハWを直接フープに戻す(ステップS9)。この場合、オフセット値は更新されることがなく、また、次にシュリンク処理するウエハWのフィードフォワード制御による処理条件を算出する際に、当該更新されていないオフセット値が用いられる。
図6の処理によれば、シュリンク処理後のウエハWについてFB測定を行うか否かを判定し(ステップS6)、FB測定するための要件を満たした場合のみ、処理後のウエハWをIMM17に搬入してウエハWについてCD値を測定し、それ以外の場合は、ウエハWに対する処理後測定ステップ(ステップS8)をスキップするようにしたので、全てのウエハWについてFB測定を行う処理に比べて、スループットを改善することができる。また、FB測定の要件として、現在のRF時間から前回オフセット値を更新した時のRF時間を差し引いた差が、所定のFB測定実行RF印加積算時間を超えているか否か(条件1)、現在の実時間から前回FBオフセット値を更新した時の実時間を差し引いた差が、所定の装置稼働時間を超えているか否か(条件2)を採用したので、OR搬送処理によってシュリンク処理を実行した場合であっても、各PMのオフセット値を最適なタイミングで更新でき、最適なオフセット値を得ることができる。その結果、チャンバ内雰囲気の変動を加味した最適処理を各ウエハWに施すことができる。
なお、プロセス調整コントローラ115はプロセスモジュール25a、25bのそれぞれで実行されるプロセスレシピ毎に設定されたFB測定実行RF印加積算時間を有していてもよい。この場合、プロセスモジュール25a、25bのそれぞれにおいて複数種のシュリンク処理が実行される場合であっても、各シュリンク処理において最適なオフセット値を得ることができる。
次に、本実施の形態の変形例(第2の実施の形態)について説明する。
第1の実施の形態においては、オフセット値を更新する場合、直前に実施した1回のFB測定で得られたCD値に基づいてオフセット値を算出しており、処理後のCD測定値のばらつきが考慮されていなかった。これに対して本実施の形態においては、過去の所定期間、例えば、今回行ったFB測定から過去に行われたFB測定におけるCDの測定値とCDの目標値とのずれ量を移動平均処理することによってずれ量からばらつきの影響を取り除き、該ずれ量から算出されるオフセット値の最適化を行う。
以下、本実施の形態におけるオフセット値の求め方を、従来技術によるオフセット値の求め方との差異を明らかにすることによって詳細に説明する。
すなわち、過去の一連のFB測定の測定結果に基づいて、オフセット値を更新する方法として、チャンバ内雰囲気の変化に起因する処理後のCD値と目標値とのずれ量(シュリンク量誤差)を指数関数の重み付け係数を用いて移動平均化する方法があり、移動平均を行うことによって短期的なノイズを減少させ、且つ重み付けをすることによって長期的なチャンバ内雰囲気の変化を加味できることが、従来から知られていた。
以下に、従来のシュリンク量誤差を指数関数の重み付け係数を用いて移動平均化する方法について説明する。
図8は、シュリンク処理を施したウエハWについてのシュリンク量誤差に重み付けを行う際の処理済み枚数(最近処理した新しいウエハWか以前に処理した古いウエハWか)に対する重み付け係数の変化を示すグラフである。
図8において、最近処理した新しいウエハWほど重み付け係数が大きくなっており、オフセット値の更新において新しいウエハWのシュリンク量誤差ほど大きな影響力を有するので、長期的なチャンバ内雰囲気に変化に追従した処理が可能となっている。
また、図8の重み付けを加味したオフセット値の移動平均を求めるための計算式は次式(式1)によって表される。オフセット値F(i)はi枚目のウエハWをシュリンク処理する際のフィードフォワード用の処理条件である、目標シュリンク量を算出するために用いられるものである。
Figure 0005279627
しかしながら、このような従来方法は、単に処理済み枚数のみに応じた重み付け係数を採用するために、チャンバ内の雰囲気の変化を忠実に捉え、これを加味した移動平均値を算出するうえで問題があった。すなわち、上述の従来方法によれば、例えば1枚前のウエハWにおけるシュリンク量誤差は、その1日前のデータであっても、1ヶ月前のデータであっても同じ重み付け係数が使用されるために、現実のチャンバ内雰囲気の変化に対する追従性の点で問題がある。
本実施の形態においては、このような従来方法の問題点を解消するために、シュリンク量誤差をRF印加累積時間に従って変化させた重み付け係数を用いて移動平均値を算出する。
図9は、本実施の形態におけるシュリンク量誤差に対する重み付け係数とウエハを処理した際の経過時間(RF印加累積時間)との関係を示すグラフである。
図9において、重み付け係数は、処理済み枚数ではなく、現在との時間差、すなわち、当該チャンバにおける過去所定期間における各オフセット値が算出されてから、今回オフセット値を更新しようとするまでのRF印加累積時間(経過処理時間)に応じる。これによって、次にオフセット値を更新する際に、過去の各シュリンク量誤差に当該シュリンク量誤差が得られてから経過した時間、換言すれば、チャンバ内雰囲気の変化を正確に加味することができる。
本実施の形態におけるオフセット値の移動平均値を求めるための計算式は次式(式2)によって表される。なお、本計算式では重み付け計数から時間の絶対値の影響を取り除くために規格化を行う。
Figure 0005279627
以下に、本実施の形態におけるオフセット値を用いた場合と、従来方法を行った場合の効果を比較する。
図10は、本実施の形態と従来方法との効果を比較して示す図である。図10では、「◆」が実測したシュリンク量誤差を示し、「●」が本実施の形態におけるオフセット値を示し、「■」が従来方法におけるオフセット値を示す。
図10において、任意のシュリンク量誤差に対する、従来方法と本実施の形態とのオフセット値の変化を比較して示したところ、オフセット値の更新が頻繁に行われている状況(図10中のA)では、従来方法と本実施の形態との差は顕著でなく、共に実測したシュリンク量誤差に追従したオフセット値が得られた。また、理論上、従来方法の方がチャンバ内雰囲気の変化に良好に追従すると考えられる、オフセット値が更新されない期間があり、その間にチャンバ内雰囲気が変化しない場合(図10中のC)であっても、両者に特に差異は認められなかった。
しかしながら、オフセット値が更新されない一定の期間があり、その間にチャンバ内雰囲気が変化した場合(図10中のB)においては、本実施の形態のオフセット値が実測したシュリンク量誤差に追従するまでの時間は、従来方法のオフセット値が同シュリンク量誤差に追従するまでの時間よりもはるかに短くなっていることが分かった。すなわち、本実施の形態を採用することによって、チャンバ内の雰囲気変化により正確に追従したオフセット値によって、より正確なシュリンク処理を実現できることが分かった。
上述した各実施の形態において、プラズマ処理が施される基板は半導体デバイス用のウエハに限られず、LCD(Liquid Crystal Display)を含むFPD(Flat Panel Display)等に用いる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であってもよい。
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
10 基板処理装置
11プロセスチップ
14 フープ
17 測定器(IMM)
25 プロセスモジュール(PM)
27 ロード・ロックモジュール(LLM)
52 チャンバ
100 システムコントローラ
115 プロセス調整コントローラ

Claims (3)

  1. ウエハに所定の処理を施す複数のチャンバと、前記ウエハのCD値を測定する測定器とを備えた基板処理装置を用いて前記チャンバを事前に指定することなく複数のウエハに対して前記所定の処理を連続して施す基板処理方法において、
    前記ウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理前のCD値を測定する処理前測定ステップと
    記処理前測定ステップで得られたCD値に基づいて前記ウエハに対して施されるシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いられるオフセット値を作成するオフセット値作成ステップと、
    前記CD値の測定後のウエハを前記チャンバに搬入し、前記ウエハに対して前記シュリンク処理を前記作成された処理条件に従って施す処理ステップと、
    前記処理ステップ終了後のウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理後のCD値を測定する処理後測定ステップと、
    前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値の差に基づいて、前記オフセット値を更新するオフセット値更新ステップと、を有し、
    前記処理後測定ステップ及び前記オフセット値更新ステップを、前記チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達するまで省略し、
    前記オフセット値は、各前記チャンバの過去所定期間内において実行された複数の前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値のずれ量を、RF印加累積時間に従って変化させた重み付け係数を用いて移動平均した値であることを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記処理後測定ステップを実行するか否かを判定する判定ステップをさらに有し、
    前記判定ステップでは、現在のRF印加累積時間から前回オフセット値を更新した時のRF印加累積時間を差し引いた差が所定のRF印加積算時間を超えている場合、現在の実時間から前回オフセット値を更新した時の実時間を差し引いた差が所定の時間を超えている場合、及び処理対象の前記ウエハの容器におけるスロット番号が、前記処理後測定ステップを実行する旨の設定がなされている前記ウエハの容器におけるスロット番号と一致する場合のうちいずれかの条件を満たすときに、前記処理後測定ステップを実行すると判定することを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  3. ウエハに所定の処理を施す複数のチャンバと、前記ウエハのCD値を測定する測定器とを備えた基板処理装置を用いて前記チャンバを事前に指定することなく複数のウエハに対して前記所定の処理を連続して施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記基板処理方法は、
    前記ウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理前のCD値を測定する処理前測定ステップと
    記処理前測定ステップで得られたCD値に基づいて前記ウエハに対して施されるシュリンク処理の処理条件をフィードフォワード制御によって作成する際に用いられるオフセット値を作成するオフセット値作成ステップと、
    前記CD値の測定後のウエハを前記チャンバに搬入し、前記ウエハに対して前記シュリンク処理を前記作成された処理条件に従って施す処理ステップと、
    前記処理ステップ終了後のウエハを前記測定器に搬入して前記ウエハの処理後のCD値を測定する処理後測定ステップと、
    前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値の差に基づいて、前記オフセット値を更新するオフセット値更新ステップと、を有し、
    前記処理後測定ステップ及び前記オフセット値更新ステップを、前記チャンバにおけるRF印加累積時間が予め決められた所定値に到達するまで省略し、
    前記オフセット値は、各前記チャンバの過去所定期間内において実行された複数の前記処理後測定ステップで測定された前記ウエハのCD値及び目標値のずれ量を、RF印加累積時間に従って変化させた重み付け係数を用いて移動平均した値であることを特徴とする記憶媒体。
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