JP5279206B2 - 環境適応型の電気機器 - Google Patents

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本発明は電気機器に係り、特に材料レベルでのリサイクル性に優れた電気絶縁材料を使用した環境適応型の電気機器に関する。
すべて
従来の電気機器は、高電圧部分を熱硬化性樹脂や架橋ポリエチレンなどの樹脂で埋設した構造であった。これらの樹脂は一旦架橋反応すると、著しい高温で樹脂構成物の熱分解を起こさなければ、容易に分解できない。このために、樹脂中に埋設される金属材も含めて、再利用することが困難であった。
このような再利用を阻む理由は、これらの樹脂が3次元の繋がりを有するからである。3次元の繋がりを有すると熱分解も時間を要し、熱硬化性樹脂の熱分解物は、二酸化炭素や炭素に変化し、材料を再生して利用することは難しかった。
熱硬化性樹脂や架橋ポリエチレンなどの樹脂を利用した絶縁層を有する電気機器は、樹脂が3次元の繋がりを有するために容易に分解することができない。この結果として、材料の再利用が難しい。
そこで、熱可塑性樹脂を用いれば、温度を上げるだけで樹脂が流動するようになる。このような材料であれば、温度を上げて、内部に埋設された金属材料を容易に取り出すことができ、また樹脂自体も流動させるだけなので、再度利用することができる。即ち、材料を材料のままでリサイクルできるようになる。これをマテリアル・リサイクルできると呼ぶが、資源の有効利用には欠くことができなくなりつつある。
しかし、一般の熱可塑性樹脂は耐熱性が劣り、70℃から120℃くらいの温度で軟化するので電気機器絶縁には使うことが難しい。またこれらの樹脂は石油などの石化原料から生産するので、使用するに従って、材料が熱劣化して炭酸ガスに変わることで地球温暖化を助長する。
一方、広く育成された炭酸ガスを吸収して育った植物を原料とすることで、地球上の炭酸ガスの増減なく、従って温室効果ガスの増加がない状況で樹脂を利用できる。このような樹脂を植物由来樹脂と呼ぶ。このような樹脂は、硬化した後にも容易に流動させ、樹脂中の埋設物を取り出すことができる利点がある。また、樹脂自体も再利用できるようにすることと、既述のように地球上で炭酸ガスを吸収しながら成長する植物を原材料とすることで地球上の炭酸ガスの増加要因にならない。
このような樹脂も現状では耐熱性に劣り、電気を流すことで発熱する電気機器に利用することが難しい。
以上を配慮して、電気機器対応の植物由来樹脂の耐熱性を高め、さらに電気機器の絶縁を負担するに適した絶縁構成を実現することが本発明の解決すべき課題である。
本発明は、前記課題を達成するために、高電圧が加わる電気導体を備えた電気機器において、前記電気導体を絶縁する樹脂を、熱変形温度が130℃以上で融点が熱変形温度以上の植物由来成分を主成分として構成したことを特徴とする。
このように構成される樹脂は、植物由来成分であるために、既述したように環境適応型の電気機器を構成でき、さらに耐熱性を高め且つ電気機器の絶縁を負担するに適した絶縁構成を実現することができる。
例えば、環境対応の絶縁樹脂としては、とうもろこしなどの植物由来の樹脂であるポリ乳酸であるステレオコンプレックスなL−ポリ乳酸とD−ポリ乳酸とを等分に混練し、さらに柔軟材として椰子の実などの植物由来のポリアミドを混合した柔軟な樹脂混合物を高温で伸展することでフィルム化したものが挙げられる。このフィルムを高電圧電気導体と交互に巻き回すことで、電気機器の構成部品を成形する。
また、上記同様の材料の樹脂混合物を金型に射出することで高電圧導体と低電圧導体間を電気的に絶縁するモールド成形体を構成する。
このようにすることで、耐熱性のある植物由来の樹脂で電気機器を絶縁することができる。また、本発明の環境適応型の電気機器によれば、その絶縁層の耐熱性が130℃以上を達成できる植物由来の樹脂および無機質粉を混練した樹脂のフィルムや、射出成型で絶縁層(モールド成形体)を構成できるので、樹脂の軟化点まで温度を上げると容易に樹脂が流動し樹脂と電気導体とを容易に分離できる。したがって樹脂も電気導体も再使用が可能であり、熱劣化で炭酸ガスにまで変化しても植物由来なので炭酸ガスの増加はない。
本発明の一実施例を図1に示す。電気機器として変圧器を例示する。
鉄心1の脚に一次コイル3と二次コイル4で構成される環境対応コイル2が嵌められている。
図1のA部を拡大して図2に示す。環境対応フィルム5を巻き、その上にエナメル線6を巻き回し、さらにその上層に環境対応フィルム5を巻き、更にエナメル線6を巻き回している。
環境対応フィルム5は、とうもろこしなどの植物から生成されるポリ乳酸であり、ステレオコンプレックスなL−ポリ乳酸とD−ポリ乳酸を、重量比で30:70から70:30までの範囲で混練した樹脂混練物、さらに椰子の実オイルなどの植物から生成されるポリアミドを、上記樹脂混練物に、樹脂混練物対ポリアミドが80:20から95:5までの比率で混合し、これを伸展したフィルムである。
これらの比率で混合、伸展した環境対応フィルム5は、軟化点が130℃を超え、230℃以下にあることを試作により実証した。
その結果として、環境対応コイル2を環境対応フィルム5の軟化点以上にすれば、容易に環境対応フィルム5が流動して、エナメル線6と環境対応フィルム5とを分離することができる。
また軟化点が130℃を越えるので、絶縁材料の耐熱規格である130℃まで使用できる。多くの電気機器では、130℃まで温度上昇を保障できれば良いので、本発明になる環境適応型の電気機器は、製品の耐熱性を満足し、さらに使用後に電気導体であるエナメル線6と環境対応フィルム5とを分離回収でき、材料として再利用も可能となる。
環境対応フィルム5の成分構成について、ステレオコンプレックスなL−ポリ乳酸とD−ポリ乳酸の重量比率を70:30から30:70までとしているが、これは耐熱性を向上することが目的であり、軟化点を130℃を越えるようにするためで、この範囲であれば軟化点が130℃を超えることを実験的に実証できた。
また、L-ポリ乳酸とD−ポリ乳酸との混練物と椰子の実などから生成したポリアミドの重量比を95:5から80:20とすることで流動性を得ることができ、フィルムに加工するために必須である。この混合比でフィルム化が可能であることを実験的に実証できた。この範囲外でもフィルム化は可能であるが、生成したフィルムの剛性が高く、図1に示す環境対応コイル2のように環境対応フィルム5を巻き回すと割れる現象が現れる。曲げ特性も実験的に確認した結果が上記の構成比である。
また、環境対応フィルム5の機械強度を増加するために、無機繊維材料を配合することもできる。例えば、ガラス繊維は環境対応フィルム5の機械強度を増強でき、エナメル線6の巻き線作業時にも環境対応フィルム5が割れることを防止できる。
図3に本発明の他の実施例を示す。製品の例として高電圧ブッシングに適用した例を示す。高電圧導体7の周囲を環境対応モールド層8で絶縁する構造である。高電圧ブッシングは、金型の中に高電圧導体7を設置し、その周囲に環境対応モールド層8を形成するために、環境対応樹脂を射出成形することで製作する。射出成形は、射出する樹脂の粘度が低い必要があり、L-ポリ乳酸とD-ポリ乳酸の混練物とポリアミドとの混合重量比を90:10から80:20とする必要がある。この構成の環境対応樹脂は、射出圧力50気圧までで十分に射出成形することができることを実験的に確証できた。
図4に本発明になる他の実施例を示す。図1に示した変圧器の環境対応コイルの外周を環境対応モールド層8で覆ったものである。このような構造にすることで環境対応コイル2の表面汚損に対する耐性が著しく向上する。水滴が滴下する地下置きの変圧器では、このような表面汚損に対する対抗力が必須である。
このような構成でも軟化点は130℃を越えるが、230℃以下であるので、容易に環境対応モールド層(モールド成形体)8を前記環境対応フィルム5同様に軟化でき、樹脂材料と導体材料とを分離することができる。従って、材料レベルでの再利用が可能となる。
本発明の一実施例を示す断面図。 図1の一部拡大を示す断面図。 本発明の他の実施例を示す正面図。 本発明の他の実施例を示す断面図。
符号の説明
1…鉄心、2…環境対応コイル、3…一次コイル、4…二次コイル、5…環境対応フィルム、6…エナメル線、7…高電圧導体、8…環境対応モールド層。

Claims (3)

  1. 高電圧が加わる電気導体と、この電気導体を絶縁する樹脂とを備え、
    前記樹脂は、トウモロコシ由来のステレオコンプレックスなL−ポリ乳酸及びD−ポリ乳酸並びに植物由来のポリアミドを混合してなる環境対応樹脂であり、前記L−ポリ乳酸と前記D−ポリ乳酸との重量比率は、70:30から30:70までであり、前記L−ポリ乳酸及び前記D−ポリ乳酸と前記ポリアミドとの重量比は、95:5から80:20までであり、前記環境対応樹脂は、フィルム状に成形し、前記電気導体と交互に巻き回してなることを特徴とする環境適応型の電気機器。
  2. 前記環境対応樹脂は、無機繊維材料を含むことを特徴とする請求項1記載の環境適応型の電気機器。
  3. 外周を環境対応モールド層で覆ったものであることを特徴とする請求項1記載の環境適応型の電気機器。
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