JP5278979B2 - スパッツ - Google Patents

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Description

本発明はスパッツに関するものであり、特に運動用に好適に用いられるスパッツに関するものである。
従来、部分的に伸長応力や緊締力の高い部分を設け、テーピング機能を持たせたスパッツが知られている。例えば特許文献1には、膝蓋骨から外側広筋に沿って延出し大転子に至る部分と、膝蓋骨から内側広筋に延出する部分と、腓腹筋の下部付近から膝の両側面へ向かう湾曲した部分とに緊締力の大きい緊締部が設けられ、関節付近では緊締部が設けられないスパッツが開示されている。
特開2005−48332号公報
特許文献1に開示されるスパッツは、緊締部を分割して設けることにより、関節の可動域が確保され、脚の動きやすさが阻害されないようになっている。しかし、特許文献1に開示されるスパッツでは、動作を快適に行うことや疲労軽減を目的に緊締部が設けられており、運動の際の身体パフォーマンスを高める点については考慮されていない。むしろ、緊締部を分割して設けることにより、筋肉や関節の動きに緊締部による負荷が十分かからなくなり、運動の際の身体パフォーマンスの向上はほとんど期待できない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行の際のパフォーマンスを向上させたり、疲労によるパフォーマンス低下を軽減することができるスパッツを提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明のスパッツとは、ベース部と、ベース部よりも高い伸長応力を示す強パワー部とを有するスパッツであって、強パワー部は、大臀筋から外側広筋を通って膝蓋骨の上方に至る大腿外側部と、大臀筋から内側広筋を通って膝蓋骨の上方に至る大腿内側部とを有し、大腿外側部と大腿内側部が大臀筋と膝蓋骨の上方で互いに接続しているところに特徴を有する。このように強パワー部が設けられていれば、大腿外側部と大腿内側部の強パワー部が股関節の伸展をサポートするように作用する。つまり、着用者が股関節を屈曲させると大腿外側部と大腿内側部が引き伸ばされ、その伸長応力により大腿外側部と大腿内側部が股関節を伸展させるように作用し、脚を振り下ろす力や地面を蹴る力が向上するようになる。その結果、走行の際のパフォーマンスを向上させたり、疲労によるパフォーマンス低下(走速度低下)を軽減させることが可能となる。
ベース部は、下腹部から大腿直筋の筋腹上部にかけて存在するとともに、大腿二頭筋の筋腹下部および/または半腱様筋の筋腹下部に存在していることが好ましい。このようにベース部が存在していれば、スパッツを着用した際の圧迫が軽減され、股関節の動きが極力妨げられず、またごわつき感が低減してスパッツの着用感が向上する。
強パワー部はさらに、膝蓋骨の上方から膝蓋骨を通って膝蓋骨の下方に至る膝覆部を有し、膝覆部が膝蓋骨の上方で大腿外側部と大腿内側部に接続していることが好ましい。強パワー部として膝覆部が設けられることにより、膝関節が膝覆部によりサポートされるようになる。その結果、走行の際に膝関節が屈曲して上体が沈み込むのが抑えられ、股関節伸展で生み出された力が効率的に地面に伝わるようになる。また、走行の際の身体の重心の上下動が抑制され、また左右方向への安定性も向上するようになる。
膝蓋骨の下方の強パワー部の肌面側には、滑り止め材が設けられることが好ましい。膝蓋骨の下方に滑り止め材が設けられれば、股関節や膝関節の屈曲や伸展によって大腿外側部や大腿内側部や膝覆部がずれにくくなり、強パワー部によって股関節や膝関節が好適にサポートされるようになる。
強パワー部はさらに、膝蓋骨の下方から下腿部の外側を通って腓腹筋に至る下腿外側部と、膝蓋骨の下方から下腿部の内側を通って腓腹筋に至る下腿内側部とを有し、下腿外側部と下腿内側部が膝蓋骨の下方で膝覆部に接続し、下腿外側部と下腿内側部が腓腹筋で互いに接続していることが好ましい。強パワー部として下腿外側部と下腿内側部が設けられることにより、膝覆部が下腿外側部と下腿内側部に係止されるかたちとなり、膝覆部や大腿外側部や大腿内側部が股関節や膝関節の屈曲や伸展によってずれにくくなる。その結果、膝覆部によって膝関節の伸展がさらに好適にサポートされるようになるとともに、大腿外側部と大腿内側部によって股関節の伸展もさらに好適にサポートされるようになる。
下腿外側部と下腿内側部は腓腹筋の筋腹下部で互いに接続していることが好ましい。このように下腿外側部と下腿内側部が設けられれば、大腿外側部と大腿内側部から下腿外側部と下腿内側部にかけて設けられる強パワー部によって、股関節の伸展が強力にサポートされるようになる。
腓腹筋の強パワー部の肌面側には、滑り止め材が設けられていることが好ましい。腓腹筋に滑り止め材が設けられれば、膝関節の屈曲や伸展によって膝覆部や下腿外側部や下腿内側部がずれにくくなる。従って、強パワー部によって膝関節が好適にサポートされるようになる。
強パワー部はさらに、左側の大臀筋から仙骨および/または腰椎を通って右側の大臀筋に至り、左右の脚の強パワー部を繋ぐ臀部接続部を有することが好ましい。臀部接続部により左右の脚の強パワー部が繋がっていれば、左右の大腿外側部と大腿内側部が臀部接続部に係止されるかたちとなり、大腿外側部と大腿内側部が股関節の屈曲や伸展によってずれにくくなる。その結果、大腿外側部と大腿内側部によって股関節の伸展がさらに好適にサポートされるようになる。
本発明のスパッツは、大腿部を周方向に囲んで臀部から膝上に延びるように強パワー部が設けられているため、強パワー部が走行の際の股関節の伸展をサポートする。従って、走行の際に脚を振り下ろす力や地面を蹴る力が向上し、走行の際のパフォーマンスを向上させたり、疲労によるパフォーマンス低下(走速度低下)を軽減させることが可能となる。
図1(a)は第1実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図1(b)は図1(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図2(a)は第2実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図2(b)は図2(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図3(a)は第3実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図3(b)は図3(a)に示したスパッツの側面図を表し、図3(c)は図3(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図4(a)は第4実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図4(b)は図4(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図5(a)は第5実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図5(b)は図5(a)に示したスパッツの側面図を表し、図5(c)は図5(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図6(a)は第6実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図6(b)は図6(a)に示したスパッツの側面図を表し、図6(c)は図6(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図7(a)は第7実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図7(b)は図7(a)に示したスパッツの側面図を表し、図7(c)は図7(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図8(a)は第8実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図8(b)は図8(a)に示したスパッツの側面図を表し、図8(c)は図8(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図9(a)は第9実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図9(b)は図9(a)に示したスパッツの側面図を表し、図9(c)は図9(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図10(a)は第10実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図10(b)は図10(a)に示したスパッツの側面図を表し、図10(c)は図10(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図11(a)は滑り止め材が設けられた第8実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図11(b)は図11(a)に示したスパッツの側面図を表し、図11(c)は図11(a)に示したスパッツの背面図を表す。 図12は本発明のスパッツの各領域(部分)の名称を表し、図12(a)はスパッツの正面図を表し、図12(b)はスパッツの背面図を表す。
本発明のスパッツは運動用に好適に使用されるものであり、特に走行を伴う運動に好適に使用される。本発明のスパッツは、高い伸長応力を示す強パワー部が部分的に設けられており、この強パワー部が着用者の股関節の伸展をサポートすることにより、走行の際のパフォーマンスを高めたり、疲労によるパフォーマンス低下(走速度低下)を軽減させることができるものである。なお、本発明のスパッツは、走行の際に限らず歩行の際にも疲労によるパフォーマンス低下の軽減が期待できるものである。
走行の際の走速度の低下の原因について、本発明者らが一般ランナーを対象にした実験により検討したところ、疲労してくると股関節伸展の力が低下して脚を振り下ろす力や地面を蹴る力が低下することが明らかになり、これが走速度を低下させる最も大きな原因の一つであることが分かった。具体的には、腿を引き上げてから振り下ろす際に股関節を伸展させる力や、足が地面を蹴る際に股関節を伸展させる力が低下することが、走速度に大きく影響を及ぼすことが明らかになった。さらに、足が接地した際に、接地の衝撃に耐えられずに膝関節が大きく屈曲して上体が沈み込み、身体の重心の上下動が大きくなることも、走速度が低下する原因の一つであることが明らかになった。
上記知見に基づき、本発明のスパッツは、股関節の伸展をサポートするように強パワー部が設けられるところに特徴を有するものである。さらに、本発明のスパッツは、股関節伸展で生み出された力を効率的に地面に伝えるために、膝関節をサポートするように強パワー部がさらに設けられることが好ましい。以下、本発明のスパッツについて図面を参照して詳細に説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
本発明のスパッツは、少なくとも下半身の一部を覆って着用されるものであり、相対的に低い伸長応力を示すベース部と相対的に高い伸長応力を示す強パワー部とを有する。なお本発明では、強パワー部とベース部が配置される箇所を人体の筋肉や骨格等の名称を用いて規定するが、本発明で使用される筋肉や骨格等の名称について、図12に示したスパッツを用いてまず説明する。
図12には、本発明のスパッツの各領域(部分)の名称を示した。図12(a)はスパッツの正面図を表し、図12(b)はスパッツの背面図を表す。図12において、点線で囲まれた各領域は、スパッツを着用した際に着用者の各筋肉や骨格等と重なる部分を表しており、本発明では、スパッツの各筋肉や骨格等と重なる部分を、単にその筋肉や骨格等の名称で呼ぶ。なお、図12に示される各領域は目安であり、正確には人体の筋肉や骨格等に基づきスパッツの各領域(部分)が規定される。
図12に示したスパッツでは、符号21の領域が大臀筋(すなわち、大臀筋と重なる部分)を表し、符号22の領域が外側広筋(すなわち、外側広筋と重なる部分)を表し、符号23の領域が内側広筋(すなわち、内側広筋と重なる部分)を表し、符号24の領域が大腿直筋(すなわち、大腿直筋と重なる部分)を表し、符号25の領域が大腿四頭筋腱(すなわち、大腿四頭筋腱と重なる部分)を表し、符号26の領域が大腿二頭筋および/または半腱様筋(すなわち、大腿二頭筋および/または半腱様筋と重なる部分)を表し、符号27の領域が仙骨および/または腰椎(すなわち、仙骨および/または腰椎と重なる部分)を表し、符号28の領域が膝蓋骨(すなわち、膝蓋骨と重なる部分)を表し、符号29の領域が膝裏(すなわち、膝裏と重なる部分)を表し、符号30の領域が腓腹筋(すなわち、腓腹筋と重なる部分)を表し、符号31の領域が脛骨(すなわち、脛骨と重なる部分)を表す。また本発明において、脚の膝より上方を「大腿(部)」、膝より下方を「下腿(部)」と称する。以下の説明では、スパッツの各領域(部分)を表す筋肉や骨格等の名称を、図12に示した参照符号を付して表す。
第1実施態様に係るスパッツについて、図1を参照して説明する。図1(a)は第1実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図1(b)は図1(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお図面では、強パワー部を斜線ハッチングで表しており、強パワー部を構成する各部(例えば、大腿外側部や大腿内側部の境界)を便宜的に点線で区分して表している。
図1は、着用者の腰から膝上までを覆うスパッツ1(1A)を示している。スパッツ1Aは、ベース部2と、ベース部2よりも高い伸長応力を示す強パワー部3とを有している。強パワー部3は、大臀筋21から外側広筋22を通って膝蓋骨28の上方に至る大腿外側部4と、大臀筋21から内側広筋23を通って膝蓋骨28の上方に至る大腿内側部5とを有し、大腿外側部4と大腿内側部5が大臀筋21と膝蓋骨28の上方で互いに接続している。すなわち、大腿外側部4と大腿内側部5は、大腿部を周方向に囲んで臀部から膝上に延びるように設けられている。強パワー部3として大腿外側部4と大腿内側部5がこのように設けられることにより、大腿外側部4と大腿内側部5は、着用者の股関節が屈曲した際に股関節の伸展をサポートするように作用する。つまり、股関節が屈曲すると大腿外側部4と大腿内側部5が引き伸ばされ、その伸長応力(引張応力)により大腿外側部4と大腿内側部5が股関節を伸展させるように作用し、脚を振り下ろす力や地面を蹴る力が向上するようになる。その結果、走行の際のパフォーマンスを向上させたり、疲労によるパフォーマンス低下(走速度低下)を軽減させることが可能となる。
なお、強パワー部3として大腿外側部4と大腿内側部5を設けることにより股関節の屈曲が若干制限され得るが、走行時のパフォーマンスは股関節の屈曲動作によってほとんど影響を受けない。むしろ、上記に説明したように、走行時のパフォーマンスを高めるためには、股関節を伸展させる力を高めることが重要となる。
大腿外側部4と大腿内側部5は大臀筋21に設けられるが、大腿外側部4と大腿内側部5は大臀筋21の少なくとも一部と重なるように設けられればよく、好ましくは臀部の頂部を覆うように設けられる。また、大腿外側部4と大腿内側部5は大臀筋21よりも上方に延在したり、骨盤の側部(例えば、腸骨陵)や腹部に延在していてもよい。
大腿外側部4と大腿内側部5は膝蓋骨28の上方に設けられるが、具体的には、大腿直筋24の筋腹下部(筋腹の下半分)および/または大腿四頭筋腱25に設けられることが好ましい。大腿外側部4と大腿内側部5は、基本的に股関節の動きを極力阻害しないように設けられることが好ましい。
大腿外側部4と大腿内側部5は、大臀筋21と膝蓋骨28の上方で互いに接続している。つまり、強パワー部3は、大臀筋21と膝蓋骨28の上方において、大腿外側部4から大腿内側部5にかけて連続的に設けられている。このように強パワー部3が大腿外側部4から大腿内側部5にかけて連続的に設けられることにより、強パワー部3が断続的に設けられるのと異なり、強パワー部3の伸長応力が大腿部を周方向に囲むように作用し、強パワー部3による股関節の伸展のサポート効果が好適に発揮されるようになる。
本発明において、強パワー部のある部分(X部とする)と他の部分(Y部とする)が接続しているとは、X部とY部が直接接続していることを意味し、強パワー部がX部からY部にかけて連続的に設けられていることを意味する。また、強パワー部を構成する各部では、強パワー部がいずれも連続的に設けられている。つまり、X部において強パワー部は連続的に設けられ、Y部においても強パワー部は連続的に設けられる。
大腿外側部4は外側広筋22を斜めに横切るように設けられることが好ましい。すなわち、大腿外側部4は、大腿部の外側を大腿部の後側から前側に下方に向かって延びるように設けられることが好ましい。また、大腿内側部5は内側広筋23を斜めに横切るように設けられることが好ましい。すなわち、大腿内側部5は、大腿部の内側を大腿部の後側から前側に下方に向かって延びるように設けられることが好ましい。このように大腿外側部4と大腿内側部5が設けられることにより、大腿外側部4と大腿内側部5によって股関節の伸展が好適にサポートされるようになる。
一方、ベース部2は、下腹部から大腿直筋24の筋腹上部(筋腹の上半分)にかけて存在することが好ましい。ベース部2はまた、大腿二頭筋26の筋腹下部(筋腹の下半分)および/または半腱様筋26の筋腹下部(筋腹の下半分)に存在することが好ましい。このようにベース部2が存在していれば、スパッツを着用した際の圧迫が軽減され、股関節の動きが極力妨げられず、またごわつき感が低減してスパッツの着用感が向上する。より好ましくは、ベース部2は、大腿二頭筋26の筋腹下部および/または半腱様筋26の筋腹下部から下方に延在する。また、後述するような膝下や足首まで覆うスパッツの場合は、ベース部2は、大腿二頭筋26の筋腹下部および/または半腱様筋26の筋腹下部から膝裏29にかけて存在していることが好ましい。
スパッツ1Aでは、強パワー部3はさらに、左側の大臀筋21から仙骨27および/または腰椎27を通って右側の大臀筋21に至り、左右の脚の強パワー部3(すなわち、左右の大腿外側部4および/または大腿内側部5)を繋ぐ臀部接続部6を有する。臀部接続部6により左右の脚の強パワー部3が繋がっていれば、左右の大腿外側部4と大腿内側部5が臀部接続部6に係止されるかたちとなり、大腿外側部4と大腿内側部5が股関節の屈曲や伸展によってずれにくくなる。その結果、大腿外側部4と大腿内側部5によって股関節の伸展がさらに好適にサポートされるようになる。
第2実施態様に係るスパッツについて、図2を参照して説明する。図2(a)は第2実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図2(b)は図2(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第2実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図2に示したスパッツ1(1B)は、着用者の腰から膝下までを覆うものである。スパッツ1Bでは、強パワー部3が、大腿外側部4と大腿内側部5と臀部接続部6に加え、膝蓋骨28の上方から膝蓋骨28を通って膝蓋骨28の下方に至る膝覆部7を有している。そして、膝覆部7が膝蓋骨28の上方で大腿外側部4と大腿内側部5に接続している。強パワー部3として膝覆部7が設けられることにより、膝関節が膝覆部7によりサポートされるようになる。走行時に足が接地した際、膝関節は着地の衝撃を吸収しようと屈曲してしまうが、大腿外側部4と大腿内側部5に接続した膝覆部7は膝関節の伸展をサポートするように作用するため、膝関節が屈曲して上体が必要以上に沈み込むのが抑えられ、股関節の伸展で生み出された力が効率的に地面に伝わるようになる。また膝関節が膝覆部7によりサポートされる結果、走行の際の身体の重心の上下動が抑制され、また左右方向への安定性が向上するようになる。従って、走行の際のパフォーマンスが向上し、走行の際の疲労を軽減させることが可能となる。
膝覆部7は膝蓋骨28を上下方向に横切るように設けられることが好ましく、脚の前側に設けられることが好ましい。従って、膝覆部7は、膝裏29や大腿部の後側に延在しないことが好ましい。なお膝覆部7は、後述する下腿外側部8と下腿内側部9と区別するために、下腿部の後側に延在して下腿部を周方向に囲むようには設けられないものとする。
第3実施態様に係るスパッツについて、図3を参照して説明する。図3(a)は第3実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図3(b)は図3(a)に示したスパッツの側面図を表し、図3(c)は図3(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第3実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図3に示したスパッツ1(1C)は、着用者の腰から足首までを覆うものである。スパッツ1Cでは、強パワー部3が、大腿外側部4と大腿内側部5と臀部接続部6と膝覆部7に加え、膝蓋骨28の下方から下腿部の前側を脛骨31に沿って延びる下腿前側部10を有している。そして、下腿前側部10は膝蓋骨28の下方で膝覆部に接続している。強パワー部3として、膝覆部7に接続する下腿前側部10が設けられることにより、膝関節の伸展がさらに強力にサポートされるようになる。なお下腿前側部10は、後述する下腿外側部8と下腿内側部9と区別するために、下腿部の後側に延在して下腿部を周方向に囲むようには設けられないものとする。
第4実施態様に係るスパッツについて、図4を参照して説明する。図4(a)は第4実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図4(b)は図4(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第4実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図4に示したスパッツ1(1D)は、着用者の腰から膝下までを覆うものである。スパッツ1Dでは、強パワー部3が、大腿外側部4と大腿内側部5と臀部接続部6と膝覆部7に加え、膝蓋骨28の下方から下腿部の外側を通って腓腹筋30に至る下腿外側部8と、膝蓋骨28の下方から下腿部の内側を通って腓腹筋30に至る下腿内側部9とを有している。そして、下腿外側部8と下腿内側部9が膝蓋骨28の下方で膝覆部7に接続し、下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30で互いに接続している。すなわち、下腿外側部8と下腿内側部9は下腿部を周方向に囲むように設けられている。強パワー部3として下腿外側部8と下腿内側部9がこのように設けられることにより、膝覆部7が下腿外側部8と下腿内側部9に係止されるかたちとなり、膝覆部7や大腿外側部4や大腿内側部5が股関節や膝関節の屈曲や伸展によってずれにくくなる。その結果、膝覆部7によって膝関節の伸展がさらに好適にサポートされるようになるとともに、大腿外側部4と大腿内側部5によって股関節の伸展もさらに好適にサポートされるようになる。
第5実施態様と第6実施態様に係るスパッツについて、図5および図6を参照して説明する。図5(a)は第5実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図5(b)は図5(a)に示したスパッツの側面図を表し、図5(c)は図5(a)に示したスパッツの背面図を表す。図6(a)は第6実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図6(b)は図6(a)に示したスパッツの側面図を表し、図6(c)は図6(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第5実施態様および第6実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図5に示したスパッツ1(1E)と図6に示したスパッツ1(1F)は、着用者の腰から足首までを覆うものである。スパッツ1E,1Fでは、図4に示したスパッツ1Dと同様に、強パワー部3として下腿外側部8と下腿内側部9が設けられている。ただし、スパッツ1Dでは下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30の筋腹上部で互いに接続しているのに対し、スパッツ1Eでは下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30の筋腹下部(筋腹の下半分)で互いに接続し、スパッツ1Fでは下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30の踵骨腱で互いに接続している。
下腿外側部8と下腿内側部9は、スパッツ1E,1Fのように、腓腹筋30の筋腹下部やそれより下方(例えば、踵骨腱)で互いに接続していることが好ましい。このように下腿外側部8と下腿内側部9が設けられていれば、身体の側面から見て、強パワー部3が膝を挟んで前方に膨らんだ弓状に設けられることとなり、強パワー部3によって膝関節の伸展がさらに強力にサポートされるようになる。より好ましくは、スパッツ1Eのように下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30の筋腹下部で互いに接続される。このように下腿外側部8と下腿内側部9が設けられれば、強パワー部3によって股関節の伸展が特に強力にサポートされるようになる。この場合、ベース部2は、大腿二頭筋26の筋腹下部(筋腹の下半分)および/または半腱様筋26の筋腹下部(筋腹の下半分)から膝裏29を通って腓腹筋30の筋腹上部にかけて存在していることが好ましい。
下腿外側部8と下腿内側部9は、スパッツ1E,1Fのように、下腿部の外側または内側を下腿部の前側から後側に下方に向かって延びるように設けられることが好ましい。このように下腿外側部8と下腿内側部9が設けられることにより、下腿外側部8と下腿内側部9によって膝関節が好適にサポートされるようになる。
第7実施態様に係るスパッツについて、図7を参照して説明する。図7(a)は第7実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図7(b)は図7(a)に示したスパッツの側面図を表し、図7(c)は図7(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第7実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図7に示したスパッツ1(1G)は、図3に示したスパッツ1Cと図5に示したスパッツ1Eとを組み合わせたものである。すなわち、スパッツ1Gでは、強パワー部3として、大腿外側部4と大腿内側部5と臀部接続部6と膝覆部7に加え、膝蓋骨28の下方から下腿部の前側を脛骨31に沿って延びる下腿前側部10と、膝蓋骨28の下方から下腿部の外側を通って腓腹筋30に至る下腿外側部8と、膝蓋骨28の下方から下腿部の内側を通って腓腹筋30に至る下腿内側部9が設けられている。そして、下腿外側部8と下腿内側部9が腓腹筋30の筋腹下部で互いに接続している。このように強パワー部3が設けられていれば、下腿前側部10が下腿外側部8と下腿内側部9によって係止されるかたちとなり、下腿前側部10による膝関節のサポート効果が高められるとともに、下腿外側部8と下腿内側部9によっても膝関節がサポートされるようになる。従って、膝関節の伸展がさらに強力にサポートされるようになる。
第8実施態様に係るスパッツについて、図8を参照して説明する。図8(a)は第8実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図8(b)は図8(a)に示したスパッツの側面図を表し、図8(c)は図8(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第8実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図8に示したスパッツ1(1H)では、強パワー部3が、大腿外側部4と大腿内側部5と臀部接続部6と膝覆部7と下腿外側部8と下腿内側部9に加え、腓腹筋30から下腿部の外側を通って下腿部の前側の脛骨31下部に至る足首外側部11と、腓腹筋30から下腿部の内側を通って前側の脛骨31下部に至る足首内側部12とを有している。そして、足首外側部11が腓腹筋30で下腿外側部8と接続し、足首内側部12が腓腹筋30で下腿内側部9と接続し、足首外側部11と足首内側部12が下腿部の前側の脛骨31下部で互いに接続している。すなわち、足首外側部11と足首内側部12は下腿部を周方向に囲むように設けられている。強パワー部3として足首外側部11と足首内側部12がこのように設けられることにより、膝関節を屈曲させた際に膝覆部7や下腿外側部8や下腿内側部9が上方にずれにくくなり、膝覆部7によって膝関節の伸展がさらに好適にサポートされるようになる。さらに、大腿外側部4と大腿内側部5によって股関節の伸展が好適にサポートされるようになる。
第9実施態様と第10実施態様に係るスパッツについて、図9および図10を参照して説明する。図9(a)は第9実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図9(b)は図9(a)に示したスパッツの側面図を表し、図9(c)は図9(a)に示したスパッツの背面図を表す。図10(a)は第10実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図10(b)は図10(a)に示したスパッツの側面図を表し、図10(c)は図10(a)に示したスパッツの背面図を表す。なお、第9実施態様および第10実施態様に係るスパッツについて、上記説明と重複する部分の説明は省略する。
図9に示したスパッツ1(1J)と図10に示したスパッツ1(1K)は、各部の形状は若干変わるものの、臀部接続部6を除き基本的に図8に示したスパッツ1Hと同じように強パワー部3が設けられている。スパッツ1Jでは、臀部接続部6が設けられておらず、左右の脚の強パワー部3が分離して設けられている。このように強パワー部3として臀部接続部6が設けられなくてもよいが、大腿外側部4と大腿内側部5が股関節の屈曲や伸展によってずれにくくするためには、臀部接続部6が設けられることが好ましい。
スパッツ1Kでは、臀部接続部6が左右の脚で略V字状に設けられている。すなわち、臀部接続部6が、大臀筋21から仙骨27および/または腰椎27に至る(つまり、大臀筋21から上方かつ内方に延びる)内方臀部接続部と、大臀筋21から腸骨陵に至る(つまり、大臀筋21から上方かつ外方に延びる)外方臀部接続部から構成されている。この場合、大腿外側部4または大腿内側部5から臀部接続部6にかけて強パワー部3を設けることが容易になる。例えば、スパッツの基材に伸長応力の高い帯状部材を左右の臀部でクロスさせるように取り付けることにより、強パワー部3を大腿外側部4から臀部接続部6(内方臀部接続部)にかけてと大腿内側部5から臀部接続部6(外方臀部接続部)にかけて容易に形成することができるようになる。
次にベース部と強パワー部の構成材料について説明する。ベース部と強パワー部は、強パワー部がベース部よりも高い伸長応力を示す限り、これらの構成材料は特に限定されない。ベース部と強パワー部は伸縮性を有することが好ましく、同程度の長さを伸長させるのに、ベース部は相対的に弱い力を要し、強パワー部は相対的に強い力を要するものであることが好ましい。
伸長応力は、30%伸長時の応力を測定することにより求める。具体的には、測定対象となる試験片を引張試験機で引っ張り、その際の応力を測定することにより求める。この際、1インチの幅で切り出した試験片を、つかみ間隔が100mmとなるように留め具間に固定する。そして、試験片を引張速度200mm/分で引っ張りながら、留め具間の距離が130mmになったときの応力を測定し、このときの値を伸長応力とする。
ベース部の伸長応力(30%伸長時の応力)の値としては、例えば、0.3N〜2.0N程度であることが好ましく、強パワー部の伸長応力(30%伸長時の応力)の値としては、例えば、1.0N〜6.0N程度であることが好ましい。これらの値は、着用者の年齢や性別、体力等を考慮して適宜定めればよい。
ベース部と強パワー部を設ける方法としては、(1)ベース部と強パワー部を伸長応力が互いに異なる材料で構成し、それらの材料を繋ぎ合わせてベース部と強パワー部を形成する方法、(2)ベース部と強パワー部をそれぞれ織布または編布で構成し、織布の織組織や織密度を変えたり、編布の編組織や編密度を変えたり、織布または編布を構成する糸の種類(例えば、弾性糸の使用の有無)や太さ等を変えることにより、伸長応力の差を出してベース部と強パワー部を形成する方法、(3)スパッツの基材に伸長応力の高いシート部材を部分的に取り付けて、当該シート部材を取り付けた部分を強パワー部、それ以外の部分をベース部とする方法、(4)スパッツの基材にエラストマー材料を塗布して、エラストマー材料を塗布した部分を強パワー部、それ以外の部分をベース部とする方法等が挙げられる。
前記(1)の方法でベース部と強パワー部を構成する材料や、前記(3)の方法や前記(4)の方法で用いられる基材としては、織布、編布、エラストマー(例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等の合成樹脂)から構成されるシート部材等が挙げられる。前記(3)の方法で用いられる伸長応力の高いシート部材の材料や、前記(4)の方法で用いられるエラストマー材料としては、天然ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン等の合成ゴム;ポリウレタン、ポリエーテル・ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等の合成樹脂等が挙げられる。また、前記(3)の方法で用いられる伸長応力の高いシート部材として、伸縮性を有する織布や編布、不織布等を用いてもよい。
本発明のスパッツは、強パワー部の肌面側に滑り止め材が設けられることが好ましい。滑り止め材は、股関節や膝関節を屈曲させたり伸展させた際に、強パワー部がずれにくくなるように設けられることが好ましい。
例えば、図1に示したような膝上までのスパッツ1Aの場合や、強パワー部3として膝覆部7より下の部分が設けられない場合(すなわち、強パワー部3の下端が大腿外側部4や大腿内側部5である場合)は、膝蓋骨28の上方の強パワー部3の肌面側に滑り止め材が設けられることが好ましい。膝蓋骨28の上方に滑り止め材が設けられれば、股関節の屈曲や伸展によって大腿外側部4や大腿内側部5がずれにくくなる。また、図1に示したような膝上までのスパッツ1Aの場合は、膝蓋骨28の上方に、スパッツの裾の全周に沿って滑り止め材が設けられることも好ましい。
膝蓋骨28の下方に延在するスパッツ(すなわち、膝下までや足首までのスパッツ等)では、膝蓋骨28の下方の強パワー部3の肌面側に滑り止め材が設けられることが好ましい。膝蓋骨28の下方に滑り止め材が設けられれば、股関節や膝関節の屈曲や伸展によって大腿外側部4や大腿内側部5や膝覆部7がずれにくくなる。従って、強パワー部3によって股関節や膝関節が好適にサポートされるようになる。また、図2や図4に示したような膝下までのスパッツ1B、1Dの場合は、膝蓋骨28の下方に、スパッツの裾の全周に沿って滑り止め材が設けられることも好ましい。
強パワー部3として下腿外側部8や下腿内側部9が設けられるようなスパッツでは、腓腹筋30の強パワー部3の肌面側に滑り止め材が設けられることが好ましい。腓腹筋30に滑り止め材が設けられれば、膝関節の屈曲や伸展によって膝覆部7や下腿外側部8や下腿内側部9がずれにくくなる。従って、強パワー部3によって膝関節が好適にサポートされるようになる。
図11には、図8に示したスパッツ1Hに滑り止め材が設けられる例を示した。図11(a)は滑り止め材が設けられた第8実施態様に係るスパッツの正面図を表し、図11(b)は図11(a)に示したスパッツの側面図を表し、図11(c)は図11(a)に示したスパッツの背面図を表す。
図11に示したスパッツ1(1L)では、膝蓋骨28の下方の強パワー部3の肌面側に滑り止め材13と、腓腹筋30の強パワー部3の肌面側に滑り止め材14が設けられている。なお、滑り止め材13,14はスパッツの外側から直接は見えるものではないが、図11では理解を容易にするために滑り止め材13,14を実線で視認可能なように表記している。滑り止め材13,14が設けられたスパッツ1Lでは、股関節や膝関節を屈曲させたり伸展させても、滑り止め材13,14によって強パワー部3がずれにくくなる。
滑り止め材としては、天然ゴム、シリコーン、ポリウレタン等の従来公知の弾性体を用いればよい。しかし、より高い滑り止め効果を持たせるためには、滑り止め材として、繊維径が1μm以下のナノ繊維を含む糸(以下、「ナノ繊維糸」と称する場合がある)から構成された織布、編布、または不織布を用いることが好ましい。ナノ繊維糸から構成された滑り止め材は、繊維の比表面積が大きくなるとともに、多数の繊維間隙が存在するようになる。そのため、ナノ繊維糸から構成された滑り止め材は、肌に対し高い吸着性を有するようになり、滑り止め効果に優れるものとなる。
さらに滑り止め材としては、繊維径が1μm以下のナノ繊維糸から構成された織布を用いることがより好ましい。ナノ繊維糸から構成された織布を滑り止め材として用いることにより、1本1本のナノ繊維が切れにくくなってナノ繊維が長繊維として存在しやすくなるとともに、ナノ繊維の繊維間隙が良好に形成され、滑り止め材の滑り止め効果が高められる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
本発明のスパッツとして第8実施態様に係るスパッツを用意し、比較対象として強パワー部が設けられないスパッツを用意した。6人の被験者にいずれかのスパッツを着用してもらい、5kmのランニングのタイムトライアルを行った。それぞれの被験者の走行状態を高速ビデオカメラで測定し、最高速度時と最低速度時におけるそれぞれの被験者の動作解析を行った。
本発明のスパッツを着用した場合、最高速度時と最低速度時での走速度の平均変化率が−8.3%であったのに対し、比較対象のスパッツを着用した場合、最高速度時と最低速度時での走速度の平均変化率が−11.2%であった。本発明のスパッツを着用することにより、走速度の低下が軽減され、走行時のパフォーマンスを向上させることができ、疲労によるパフォーマンス低下を軽減させることができた。
実施例2
本発明のスパッツとして第8実施態様に係るスパッツを用意し、比較対象として強パワー部が設けられないスパッツを用意した。9人の被験者に本発明のスパッツを着用してもらい、他の9人の被験者に比較対象のスパッツを着用してもらい、10kmのランニングのタイムトライアルを行った。それぞれの被験者の走行状態を約1kmごとに高速ビデオカメラで測定し、最高速度時と最低速度時におけるそれぞれの被験者の動作解析を行い、最高速度時と最低速度時における走速度変化率、空中期移動距離(ストライド)変化率を算出した。また、地面を蹴る力の指標として、大腿の鉛直軸に対する角加速度の接地期伸展方向最大値を、接地後の膝伸展力(沈み込みを抑える力)の指標として、膝関節角加速度の接地期伸展方向最大値を、最高速度時と最低速度時でそれぞれ求め、その変化率を算出した。
本発明のスパッツを着用した被験者では、走速度変化率が−9.6%、空中期移動距離(ストライド)変化率が−11.7%、大腿の鉛直軸に対する角加速度の接地期伸展方向最大値の変化率が−7.2%、膝関節角加速度の接地期伸展方向最大値の変化率が−4.6%となった。一方、比較対象のスパッツを着用した被験者では、走速度変化率が−10.1%、空中期移動距離(ストライド)変化率が−14.9%、大腿の鉛直軸に対する角加速度の接地期伸展方向最大値の変化率が−13.7%、膝関節角加速度の接地期伸展方向最大値の変化率が−16.4%となった。本発明のスパッツを着用することにより、走速度の低下が軽減されるとともに、地面を蹴る力の低下が軽減されて、ストライドの低下が軽減した。また、接地直後の衝撃も緩和された。
1: スパッツ
2: ベース部
3: 強パワー部
4: 大腿外側部
5: 大腿内側部
6: 臀部接続部
7: 膝覆部
8: 下腿外側部
9: 下腿内側部
10: 下腿前側部
11: 足首外側部
12: 足首内側部
13,14 滑り止め材
21: 大臀筋
22: 外側広筋
23: 内側広筋
24: 大腿直筋
25: 大腿四頭筋腱
26: 大腿二頭筋および/または半腱様筋
27: 仙骨および/または腰椎
28: 膝蓋骨
29: 膝裏
30: 腓腹筋
31: 脛骨

Claims (8)

  1. ベース部と、前記ベース部よりも高い伸長応力を示す強パワー部とを有するスパッツであって、
    前記強パワー部は、大臀筋から外側広筋を通って膝蓋骨の上方に至る大腿外側部と、大臀筋から内側広筋を通って膝蓋骨の上方に至る大腿内側部とを有し、前記大腿外側部と前記大腿内側部が大臀筋と膝蓋骨の上方で互いに接続していることを特徴とするスパッツ。
  2. 前記ベース部が、下腹部から大腿直筋の筋腹上部にかけて存在するとともに、大腿二頭筋の筋腹下部および/または半腱様筋の筋腹下部に存在する請求項1に記載のスパッツ。
  3. 前記強パワー部はさらに、膝蓋骨の上方から膝蓋骨を通って膝蓋骨の下方に至る膝覆部を有し、前記膝覆部が膝蓋骨の上方で前記大腿外側部と前記大腿内側部に接続している請求項1または2に記載のスパッツ。
  4. 膝蓋骨の下方の前記強パワー部の肌面側に滑り止め材が設けられる請求項3に記載のスパッツ。
  5. 前記強パワー部はさらに、膝蓋骨の下方から下腿部の外側を通って腓腹筋に至る下腿外側部と、膝蓋骨の下方から下腿部の内側を通って腓腹筋に至る下腿内側部とを有し、前記下腿外側部と前記下腿内側部が膝蓋骨の下方で前記膝覆部に接続し、前記下腿外側部と前記下腿内側部が腓腹筋で互いに接続している請求項3または4に記載のスパッツ。
  6. 前記下腿外側部と前記下腿内側部は腓腹筋の筋腹下部で互いに接続している請求項5に記載のスパッツ。
  7. 腓腹筋の前記強パワー部の肌面側に滑り止め材が設けられる請求項5または6に記載のスパッツ。
  8. 前記強パワー部はさらに、左側の大臀筋から仙骨および/または腰椎を通って右側の大臀筋に至り、左右の脚の強パワー部を繋ぐ臀部接続部を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のスパッツ。
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