JP5278367B2 - 有機樹脂ラミネート鋼板 - Google Patents
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また、特許文献2には、ラミネート鋼板の、フレーバー性の改善の為のゲルマニウム触媒の利用が記載されている。
[1] めっき処理されていない非めっき鋼板と、前記非めっき鋼板の表面に積層された、全アルコールユニットのうちシクロヘキサンジメタノールユニットを65〜100モル%含有するポリエステル樹脂(A)からなるフィルムと、前記ポリエステル樹脂(A)からなるフィルム上に積層された、全ジカルボン酸ユニットのうちテレフタル酸ユニットを93〜100モル%含有するポリエステル樹脂(B)からなるフィルムと、を具備してなることを特徴とする有機樹脂ラミネート鋼板。
[2] 前記ポリエステル樹脂(A)に、環状構造を一つ分子内に含有するエステル若しくはカルボン酸が添加され、前記ポリエステル樹脂(B)に、芳香環を分子内に二個含有するとともにこれら芳香環が脂肪鎖で結合されるフェノール類が添加されていることを特徴とする[1]記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
[3] 前記ポリエステル樹脂(A)に添加される前記エステル若しくは前記カルボン酸の添加率が、ポリエステル樹脂(A)に対して0.02〜0.14質量%の範囲であり、かつ前記ポリエステル樹脂(B)に添加される前記フェノール類の添加率が、ポリエステル樹脂(B)に対して0.003〜0.08質量%の範囲であることを特徴とする[2]に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
[4] 前記ポリエステル樹脂(A)からなるフィルムと前記ポリエステル樹脂(B)からなるフィルムとの厚み比が(A)/(B)=1/8〜13/1の範囲であることを特徴とする[1]乃至[3]の何れか一項に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
[5] 前記ポリエステル樹脂(B)におけるアルコールユニットのうち脂肪族環状ジオールユニットの含有量が5モル%以下であることを特徴とする[1]乃至[4]の何れか一項に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
また、本発明で、非めっき鋼板とは、亜鉛めっき、亜鉛−アルミニウム合金めっき、亜鉛−コバルト−モリブデンめっき、錫めっき、ニッケルめっき、クロムめっき、ニッケル−りんめっき,ニッケル−亜鉛めっきニッケル−コバルトめっき、ニッケル−錫めっき、アルミニウムめっき、といっためっき処理が施されていない鋼板をいう。
また、ポリエステル本来が有する成形性、耐熱性、耐薬品性、機械強度、ガスバリア性、外観美麗性、製造性等の優れた各種特性を併せ持つ、すなわち非めっき鋼板被覆用樹脂フィルムとして好適なフィルムを備えた有機樹脂ラミネート鋼板を実現できる。
本発明に係るポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸化合物及びジオール化合物またはヒドロキシカルボン酸化合物ユニットとジカルボン酸ユニット及びジオール化合物ユニットを構成ユニットとする熱可塑性ポリエステルである。また、本発明に係るポリエステル樹脂(A)は、前記の熱可塑性ポリエステルの混合物であっても良い。
本発明のポリエステル樹脂(A)は上層となるポリエステル樹脂(B)と接合されることで、その界面に特有のバリア層を形成することが必要であり、その為には、ポリエステル樹脂(A)はジオール成分として、CHDMユニットを含有していることが必要である。鋼板と接するポリエステル樹脂(A)のフィルムは、全アルコールユニットに対しCHDMユニットを65〜100モル%含有するものとする。CHDMユニット含有率が65モル%より少ない場合には、バリア層の形成が不十分となり、飲料等の香気が低下しやすくなる。また、より緻密なバリア層を形成できるという観点から、CHDMユニットの含有率が72モル%以上である事が好ましく、更により堅固なバリア層を形成できるという観点から、CHDMユニットの含有率が79モル%以上である事が好ましい。また、幅広い製造温度で容易にバリア層が形成されるという観点からは、CHDMユニットの含有率は98%以下がより好ましく、さらに形成されたバリア層が、ラミネート後の湿潤処理によっても安定であるという観点からはCHDMユニットの含有率は94%以下が好ましい。
また、CHDMユニットの添加方法としては、CHDMユニットの総含有量が上記の範囲であれば、CHDMユニットを含有しないポリエステルとCHDMユニットを含有するポリエステルを混合しても良いし、CHDMユニットを含有するポリエステルを複数種類混合しても良いし、CHDMユニットを含有するポリエステルを単独で使用しても良い。
本発明に使用するCHDMユニットを含有するポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.65〜1.19dl/gであることが好ましい。前記固有粘度が0.65dl/g未満では、混練によって本発明に係るポリエステル樹脂(A)を製造する際に、ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度が低すぎ、製膜性が低下する場合がある。一方、固有粘度が1.25dl/gを越えると、ポリエステル樹脂(B)との界面が適切に形成されなくなる可能性があるため好ましくない。また、非めっき鋼板にラミネートした後にラミネート鋼板のフィルム表面の凹凸が少なくなる観点からは、固有粘度は0.71dl/g以上が好ましい。さらに、固有粘度が低い場合は、非めっき鋼板にラミネートした後に、ラミネート鋼板の反りが少なくなるため、固有粘度は1.12dl/g以下が好ましい。
本発明に使用するポリエステル樹脂(B)とは、ジカルボン酸化合物及びジオール化合物またはヒドロキシカルボン酸化合物ユニットとジカルボン酸ユニット及びジオール化合物ユニットを構成ユニットとする熱可塑性ポリエステルである。また、本発明に係るポリエステル樹脂(B)は、前記の熱可塑性ポリエステルの混合物であっても良い。
本発明に使用するテレフタル酸ユニットを含有するポリエステル樹脂(B)の固有粘度は、0.85〜1.23dl/gであることが好ましい。固有粘度が0.85dl/g未満では、混練によって本発明のポリエステル樹脂(B)を製造する際に、ポリエステル樹脂(B)の溶融粘度が低すぎ、製膜性が低下する場合がある。一方、固有粘度が1.23dl/gを越えると、ポリエステル樹脂(A)との界面が適切に形成されなくなる可能性があるため好ましくない。また、非めっき鋼板にラミネートした後にラミネート鋼板のフィルム表面の凹凸がすくなくなる観点からは、固有粘度は0.91dl/g以上が好ましい。さらに、固有粘度が低い樹脂は、非めっき鋼板にラミネートした後に、ラミネート鋼板に反りが生じにくくなるため、固有粘度は1.12dl/g以下が好ましい。
ポリエステル樹脂(A)には、環状構造を一つ分子内に含有するエステル若しくはカルボン酸を添加しても良い。環状構造を一つ分子内に含有するエステル若しくはカルボン酸とは、芳香族または非芳香族の環状構造を一つ分子内に有し、かつエステル基若しくはカルボキシル基を1種以上含有する化合物である。エステル基の場合には、エステル基が環状構造を形成していてもかまわない。エステル基及びカルボキシル基は、複数でも良く、同一の官能基が複数でも、異なる官能基が合わせて複数でもよい。また1分子内にエステル基とカルボキシル基の両方を有していてもよい。
ポリエステル樹脂(B)には、芳香環を分子内に二個含有し、それらが脂肪鎖で結合されているフェノール類を添加しても良い。芳香環を分子内に二個含有し、それらが脂肪鎖で結合されているフェノール類とは、水酸基を有するベンゼン環や、水酸基を有するナフタレン環や、水酸基を有するピリジン環などのフェノール性の芳香族環を分子内に二個含有し、それらが脂肪鎖で結合されている化合物を指す。ただし、ナフタレン環の様に複数のベンゼン環が縮合している芳香族化合物は、1個の芳香環として数える。すなわち、芳香環がナフタレン環の場合には、ナフタレン環が2個必要となる。脂肪鎖としては、メチレン、プロピレンの様な直鎖でも、側鎖を有したり、ヒドロキシル基、アミノ基の様な官能基を有していても良い。
非めっき鋼板にシクロヘキサンジメタノールユニットを適切量含むポリエステル樹脂(A)のフィルムをラミネートし、さらにその上にテレフタル酸ユニットを適切量含むポリエステル樹脂(B)のフイルムをラミネートすることで、飲料等の香気の低下を大幅に改善可能である。これは、ポリエステル樹脂(A)中に含まれる脂環式化合物であるシクロヘキサンジメタノールユニットと、ポリエステル樹脂(B)中に含まれるテレフタル酸ユニットとの間で、何らかの相互作用が発現してバリア層が形成されるものと推測している。
また、ポリエステル樹脂(A)に含まれるシクロヘキサンジメタノールユニットと、ポリエステル樹脂(B)に含まれるテレフタル酸ユニットとが、エステル基の親和性により近接し、シクロヘキサンジメタノールユニットのシクロヘキシル基とテレフタル酸ユニットのベンゼン環の間に空隙が生じ、そこに、非めっき鋼板由来の鉄イオンなどが取り込まれた包接化合物のような物を形成する可能性もある。
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の間で、シクロへキシル基とベンゼン環が相対することでその間に空隙が生じ、バリア層的な物が形成されると考える場合、シクロへキシル基とベンゼン環が相対するためには、シクロへキシル基とベンゼン環のそれぞれが樹脂の中である程度の運動性を有している事が重要と考えられる。完全に結晶化している場合は、分子の運動性が極めて低く、シクロへキシル基とベンゼン環が正しく相対するような配置を取ることが困難と考えられる。
本発明のポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムの製造方法としては、樹脂原料が複数からなる場合は、1軸若しくは2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練したのちTダイなどから押し出す方法が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)、(B)がそれぞれ、複数樹脂の樹脂混合物から成る場合は、樹脂混練法、溶媒混練法等の公知の樹脂混練方法を広く使用できる。また、樹脂原料が単数からなる場合、或いは複数からなる場合でも、Tダイを設置した1軸若しくは2軸押出機を使用して直接押し出す方法が挙げられる。
また、本発明のポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムには、剛性や線膨張特性の改善等を目的に、ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウィスカー、炭素繊維のような繊維強化剤、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属フレーク、金属粉末のようなフィラー類を混入させても良い。これらの充填剤の内、ガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有することが望ましい。また、これらの添加量としては、全樹脂組成物質量に対して0.5〜50質量部であることが望ましい。
更に、ポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムには、目的に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、離型剤、滑剤、顔料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤等を適正量添加することも可能である。
また、耐衝撃性の向上などの目的で、ポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムとともに、他の樹脂フィルム若しくは接着剤、又は他の樹脂フィルムと接着剤の両方と組み合わせて使用しても差し支えない。但し、香気を低下させないためのバリア層形成の観点から、ポリエステル(A)とポリエステル(B)は、直接接触している必要がある。
本発明のポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムは非めっき鋼板の被覆材として使用できる。非めっき鋼板としては、鋼種は特に限定するものではないが、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、錫めっき鋼板などの原板として使用されている冷延鋼板が挙げられる。
香気を低下させないためのバリア層形成の安定的な形成の為には、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)のフィルムの合計厚みが、5μm以上、より強固なバリア層形成の為には10μm以上である必要がある。また、フィルム層が厚すぎる場合には、フィルムの残留応力によりラミネート鋼板に反りが生じる可能性が有るため、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)のフィルムの合計厚みが90μm以下である必要がある。凹凸の少ない美麗な鋼板を得る目的では60μm以下であることが好ましい。
フィルム圧着(間接/直接)、直接ラミネーションなど、非めっき鋼板への被覆には、公知の方法が使用できる。具体的には、(1)あらかじめ混練機により原料樹脂を溶融混練することで調製した樹脂組成物をTダイス付の押出機で本樹脂フィルムに成型し、これを金属板に熱圧着する方法(この場合、フィルムは無延伸でも、1方向若しくは2方向に延伸してあっても良い)、(2)Tダイスから出たフィルムを直接熱圧着する方法、が挙げられる。さらにフィルムを直接熱圧着する別の方法としては、(3)Tダイス付の押出機のホッパにあらかじめ混練機により原料樹脂を溶融混練することで調製した樹脂組成物の代わりに、本樹脂組成物の原料となる樹脂を投入し、押出機内で樹脂組成物に混練し、それを直接熱圧着する方法が挙げられ、被覆方法は特に限定されるものではない。
非めっき鋼板への被覆工程や金属板加工時の潤滑性を向上する目的で、特開平5−186613号公報に開示されているような公知の滑剤が添加されていても良い。
滑剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子などの有機系のいずれでもよいが、無機系が好ましい。
特に、平均粒径が2.5μm以下であると共に粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である単分散の滑剤が耐ピンホールの点で好適であり、例えば、真球状シリカ、真球状酸化チタン、真球状シリコンなどを挙げることができる。滑剤の平均粒径(数平均粒子径)、粒径比は粒子を電子顕微鏡観察により求めることができる。滑剤の粒径分布は鋭く、標準偏差は0.5以下が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムは、顔料を含んでもよい。例えば、白色顔料として、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、などの無機系顔料を挙げることができる。顔料の平均粒径は、滑剤の粒径と同じ理由から、2.5μm以下が好ましい。顔料の添加量は、着色の機能を達成するために必要な量であり、3〜50質量%程度の範囲内で使用される。顔料の添加方法は公知の方法によることができる。
ポリエステル樹脂(A)、(B)の可塑剤としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪酸多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体に対する炭素数8〜20の芳香族多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体のモル比が0〜2.0であるこれらの多塩基酸成分と、炭素数2〜20の脂肪族アルコールとを縮重合したものを、炭素数2〜20の一塩基酸又はそのエステル形成性誘導体及び/又は炭素数1〜18の一価アルコールで末端エステル化したポリエステルからなるポリエステル樹脂用可塑剤を挙げることができる。
特開平11−48431号公報、特開平11−138702号公報等に開示されている従来公知の抗菌剤を必要に応じて使用することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂(A)、(B)のフィルムを非めっき鋼板に被覆する際には、非めっき鋼板の片面及び/又は両面に、少なくとも上記樹脂フィルムを用いて2層以上積層して被覆することができる。この際に、2種類以上の樹脂フィルムを用いて非めっき鋼板の片面及び/又は両面に多層状に積層しても良く、また、必要に応じてPETフィルム、ポリカーボネートフィルム等のポリエステルフィルムや、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムや、6-ナイロンフィルム等のポリアミドフィルムや、アイオノマーフィルム等の他の公知の樹脂フィルム、あるいは、結晶/非結晶ポリエステル組成物フィルム、ポリエステル/アイオノマー組成物フィルム、ポリエステル/ポリカーボネート組成物フィルム等の公知の樹脂組成物フィルムをその上層に積層して被覆しても良い。特に、食品用途などでは、従来から利用されているポリエステルフィルムを本発明に係るフィルムの上に積層することは、耐疵付き性、耐熱性などの観点から好ましい。但し何れの場合にも、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の界面に香気を低下させないためのバリア層が形成される原理から、ポリエステル(A)及びポリエステル(B)は直接接触している必要がある。
以下の実施例および比較例において、ポリエステル樹脂(A)としてイーストマンケミカル(株)製イースター6763(CHDM比率33%、6763と略す)、AN001(CHDM比率100%), AN004(CHDM比率100%),DN011(CHDM比率54%)、ポリエステル樹脂(B)として帝人(株)製TR3000H(3000Hと略す。テレフタル酸ユニット86%含有)、ユニチカ(株)製SA1206(1206と略すテレフタル酸ユニット86%含有)を使用した。
金属板として、厚さ0.1〜0.7mmのブリキ用冷延鋼板を使用した。
実施例1〜18(表1)は、ポリエステル樹脂(A)がCHDMユニットを65〜100%含有し、ポリエステル(B)がテレフタル酸ユニットを94〜100%含有する例である。CHDMユニットの含有モル%はポリエステル1とポリエステル2を混合することで調製し、得られたポリエステル(A)のCHDMユニットの含有モル%は、CHDMモル%として表記した。またテレフタル酸ユニットの含有モル%はポリエステル3とポリエステル4を混合することで調製し、得られたポリエステル(B)のテレフタル酸ユニットの含有モル%は、テレフタル酸モル%として表記した。
比較例1〜9(表2)は、CHDMユニット、テレフタル酸ユニット、添加剤の量が不適切な例である。フィルムの製造、分析は、実施例と同様である。ただし、非めっき鋼板のかわりに、比較例5では亜鉛めっき鋼板、比較例6ではティンフリースティール、比較例7ではすずめっき鋼板をそれぞれ使用した。
上記の樹脂被覆金属板の中心部の直径2センチの円形部分を市販のアイスコーヒー(無糖、乳成分非添加、10mL)に25℃で2週間接触させた(カップをかぶせることで、コーヒーの大気接触は防止する)。その後、官能評価を行い、香気の変化が全く認められない物を◎、香気の低下がわずかに感じられる物を○、香気の低下が目立つ物を△、香気の低下が著しい物を×とした。
レトルト+エリクセン加工有りでの香気評価は、樹脂被覆金属板をオートクレーブ中で121℃、30分の水熱殺菌処理を施した後に直径2センチ、押し出し量1センチのエリクセン加工を施した後、上記のコーヒーとの接触試験および官能評価を行った。
また、添加剤の添加量は、樹脂に対する質量%であり、添加剤略号の後ろの「/」の後ろに示した。「-」の記号は添加剤が添加されていないことを示す。
Claims (5)
- めっき処理されていない非めっき鋼板と、
前記非めっき鋼板の表面に積層された、全アルコールユニットのうちシクロヘキサンジメタノールユニットを65〜100モル%含有するポリエステル樹脂(A)からなるフィルムと、
前記ポリエステル樹脂(A)からなるフィルム上に積層された、全ジカルボン酸ユニットのうちテレフタル酸ユニットを93〜100モル%含有するポリエステル樹脂(B)からなるフィルムと、を具備してなることを特徴とする有機樹脂ラミネート鋼板。 - 前記ポリエステル樹脂(A)に、環状構造を一つ分子内に含有するエステル若しくはカルボン酸が添加され、
前記ポリエステル樹脂(B)に、芳香環を分子内に二個含有するとともにこれら芳香環が脂肪鎖で結合されるフェノール類が添加されていることを特徴とする請求項1記載の有機樹脂ラミネート鋼板。 - 前記ポリエステル樹脂(A)に添加される前記エステル若しくは前記カルボン酸の添加率が、ポリエステル樹脂(A)に対して0.02〜0.14質量%の範囲であり、かつ前記ポリエステル樹脂(B)に添加される前記フェノール類の添加率が、ポリエステル樹脂(B)に対して0.003〜0.08質量%の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
- 前記ポリエステル樹脂(A)からなるフィルムと前記ポリエステル樹脂(B)からなるフィルムとの厚み比が(A)/(B)=1/8〜13/1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
- 前記ポリエステル樹脂(B)におけるアルコールユニットのうち脂肪族環状ジオールユニットの含有量が5モル%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の有機樹脂ラミネート鋼板。
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