以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施形態]
(オーディオ信号伝送システム1の概要)
まず、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1の概要について詳細に説明する。なお、図1は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1の全体構成を示す説明図である。
図1に示したように、本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1は、オーディオ信号伝送装置10と、オーディオ信号受信装置20と、を備える。
オーディオ信号伝送装置10は、外部接続機器であるオーディオ信号受信装置20に対して、オーディオ信号を、その伝送路となる複数のチャンネルを介して、有線又は無線により伝送するとともに、オーディオ信号受信装置20から送信される各種の情報を受信する。図1では、オーディオ信号を無線伝送する例を示した。オーディオ信号伝送装置10は、無線伝送するオーディオ信号を、例えば、DVDプレーヤーやBlu−rayディスク(以下、BDと略記する。)プレーヤー等のオーディオ信号出力装置12から取得してもよく、オーディオ信号伝送装置10自体が、上記のオーディオ信号出力装置の機能を有していてもよい。オーディオ信号伝送装置10及びオーディオ信号受信装置20は、オーディオ信号の送信や各種情報の双方向データ通信を、例えばラジオ波の帯域を用いて行う。そのため、オーディオ信号伝送装置10及びオーディオ信号受信装置20は、図1に示したように、同一の部屋(ROOM 1)の中に配置されていてもよく、異なる部屋(ROOM 1とROOM 2)に分かれて配置されていてもよい。
オーディオ信号受信装置20は、オーディオ信号伝送装置10が送信するオーディオ信号を受信するとともに、オーディオ信号伝送装置10に対して、オーディオ信号受信装置20の機器種別に関する情報や、オーディオ信号伝送装置10との接続状況の通知等の各種の情報を送信する。オーディオ信号受信装置20は、図1のROOM1に示したように、オーディオ信号伝送装置10にワイヤレス接続されるサラウンドスピーカ群であってもよく、図1のROOM2に示したように、オーディオ信号伝送装置10から送信されたオーディオ信号を出力するオーディオコンポ等のようなオーディオ信号出力装置であってもよい。また、オーディオ信号受信装置20は、例えばヘッドフォンやイヤホンのようなオーディオ信号取得装置であってもよい。
本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、オーディオ信号伝送装置10は、所定の時間間隔で当該オーディオ信号伝送装置10に接続されているオーディオ信号受信装置20の有無を確認し、オーディオ信号受信装置20は、当該オーディオ信号受信装置20の電源をオン/オフした場合や、オーディオ信号受信装置20にヘッドフォン等の新たな外部接続機器が接続されるなどしてオーディオ信号の出力状況が変化した場合には、その旨を表す情報をオーディオ信号伝送装置10に対して送信する。そのため、オーディオ信号伝送装置10は、オーディオ信号受信装置20において行われた各種の操作を自動的に認識することが可能となる。また、オーディオ信号伝送装置10とオーディオ信号受信装置20との間は、双方向データ通信が可能であるため、オーディオ信号伝送装置10に接続されるオーディオ信号受信装置20の機種種別の変更に応じて、オーディオ信号伝送装置10のチャンネルの割り当てを変更することが可能となる。
なお、上述の説明では、オーディオ信号伝送装置10とオーディオ信号受信装置20とは、例えば所定帯域の無線(ラジオ波等)を介してワイヤレス接続されている場合について説明したが、上述の場合に限定されるわけではない。例えば、オーディオ信号伝送装置10とオーディオ信号受信装置20とは、高速電力線通信(Power Line Communications:PLC)等で接続されていてもよい。
以下、上述したようなオーディオ信号伝送システム1を構成するオーディオ信号伝送装置10及びオーディオ信号受信装置20の構成について詳細に説明する。
(オーディオ信号伝送装置10のハードウェア構成)
まず、図2を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10のハードウェア構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)105と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)107と、入力インターフェース(I/F)109と、表示インターフェース(I/F)113と、外部機器通信部121と、を備える。
また、外部機器通信部121には、DSP(Digital Signal Processor)123が接続される。
CPU101は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM103、RAM105、EEPROM107等に記録された各種プログラムに従って、オーディオ信号伝送装置10内の動作全般又はその一部を制御する。ROM103及びEEPROM107は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM105は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス及びPCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスから構成されるシステムバス117により、相互に接続されている。
入力インターフェース109は、キー操作部111を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されているインターフェースである。オーディオ信号伝送装置10のユーザは、以下で説明するキー操作部111を操作することにより、オーディオ信号伝送装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
キー操作部111は、オーディオ信号伝送装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする操作部である。キー操作部111は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、キー操作部111は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、オーディオ信号伝送装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。
表示インターフェース113は、CPU101から出力された出力信号を、後述する表示部115へと伝送するためのインターフェースである。表示部115は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置など、各種情報をユーザに対して視覚的に通知することが可能な装置で構成される。
外部機器通信部121は、例えば、オーディオ信号受信装置20や、各種のオーディオ信号出力装置等と通信するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。この外部機器通信部121は、一般的なワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよく、特定のワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよい。本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10は、この外部機器通信部121を介して、オーディオ信号受信装置20に対してオーディオ信号を送信するとともに、オーディオ信号受信装置20と双方向データ通信を行う。
DSP123は、オーディオ信号や画像信号に対する各種処理に特化したCPUである。このDSP123には、送信に用いられるオーディオ信号が入力されるオーディオ信号入力部125と、取得したオーディオ信号が出力されるオーディオ信号出力部137とが接続される。
オーディオ信号入力部125は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が送信に用いるオーディオ信号が入力される処理部である。オーディオ信号入力部125は、例えば、CD/DVD/BD127や、MD(Mini Disk)等のデジタル機器が接続されるデジタル入力129や、チューナ(TUNER)131や、カセットテープやレコード等のアナログ機器が接続されるアナログ入力133等から構成される。また、チューナ131及びアナログ入力133から入力されたオーディオ信号は、AD変換部135によりアナログ信号からデジタル信号へと変換される。かかるオーディオ信号入力部125より入力されたオーディオ信号が、DSP123及び外部機器通信部121を介してオーディオ信号受信装置20へと送信される。
オーディオ信号出力部137は、オーディオ信号入力部125から入力されたオーディオ信号を、オーディオ信号伝送装置10の外部に出力する処理部である。オーディオ信号出力部137は、例えば、デジタル信号であるオーディオ信号をアナログ信号へと変換するDA変換部(図示せず。)と、アナログ信号に変換されたオーディオ信号を増幅する増幅部(図示せず。)と、増幅されたオーディオ信号が出力されるスピーカ(図示せず。)等から構成される。
また、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10は、上記構成の他に、例えば、ストレージ装置(図示せず。)や、ドライブ(図示せず。)等を備えていてもよい。
ストレージ装置は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置は、CPU101が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得したオーディオ信号などを格納することが可能である。
ドライブは、記憶媒体用リーダライタであり、オーディオ信号伝送装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM105に出力する。また、ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、メモリースティック、又は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等である。また、リムーバブル記録媒体は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
以上説明した構成により、オーディオ信号伝送装置10は、多様なオーディオ信号出力源からオーディオ信号を取得し、外部機器通信部121を介して、オーディオ信号受信装置20に対してオーディオ信号を送信することが可能になるとともに、オーディオ信号受信装置20と双方向データ通信を行うことができる。
以上、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
(オーディオ信号受信装置20のハードウェア構成)
続いて、図3を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20のハードウェア構成について詳細に説明する。なお、図3は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、CPU201と、ROM203と、RAM205と、EEPROM207と、入力インターフェース(I/F)209と、表示インターフェース(I/F)213と、外部機器通信部221と、を備える。
また、外部機器通信部221には、受信したオーディオ信号を出力するオーディオ信号出力部223が接続される。
CPU201は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM203、RAM205、EEPROM207等に記録された各種プログラムに従って、オーディオ信号受信装置20内の動作全般又はその一部を制御する。ROM203及びEEPROM207は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM205は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス及びPCIバスなどの外部バスから構成されるシステムバス217により、相互に接続されている。
入力インターフェース209は、キー操作部211を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されているインターフェースである。オーディオ信号受信装置20のユーザは、以下で説明するキー操作部211を操作することにより、オーディオ信号受信装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
キー操作部211は、オーディオ信号受信装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする操作部である。キー操作部211は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、キー操作部211は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、オーディオ信号受信装置20の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。
表示インターフェース213は、CPU201から出力された出力信号を、後述する表示部215へと伝送するためのインターフェースである。表示部215は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置など、各種情報をユーザに対して視覚的に通知することが可能な装置で構成される。
外部機器通信部221は、例えば、オーディオ信号伝送装置10や、各種のオーディオ信号出力装置等と通信するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。この外部機器通信部221は、一般的なワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよく、特定のワイヤレスオーディオ伝送規格に則ったインターフェースであってもよい。本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、この外部機器通信部221を介して、オーディオ信号伝送装置10からオーディオ信号を受信するとともに、オーディオ信号伝送装置10と双方向データ通信を行う。
オーディオ信号出力部223は、オーディオ信号伝送装置10から送信されたオーディオ信号を出力する処理部である。オーディオ信号出力部223は、図3に示したように、例えば、DA変換部225と、増幅部227と、スピーカ229と、から構成される。
DA変換部225は、受信したオーディオ信号をデジタル信号からアナログ信号へと変換する。アナログ信号に変換されたオーディオ信号は、増幅部227により増幅され、スピーカ229から出力される。
また、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が備えるDSPやオーディオ信号入力部を備えていてもよい。更に、オーディオ信号受信装置20は、上記構成の他に、例えば、ストレージ装置(図示せず。)や、ドライブ(図示せず。)等を備えていてもよい。
ストレージ装置は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置は、CPU201が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得したオーディオ信号などを格納することが可能である。
ドライブは、記憶媒体用リーダライタであり、オーディオ信号受信装置20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM205に出力する。また、ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、又は、SDメモリカード等である。また、リムーバブル記録媒体は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード又は電子機器等であってもよい。
以上説明した構成により、オーディオ信号受信装置20は、外部機器通信部221を介して、オーディオ信号伝送装置10からオーディオ信号を取得することが可能になるとともに、オーディオ信号伝送装置10と双方向データ通信を行うことができる。
以上、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
(オーディオ信号伝送装置10の機能構成)
次に、図4を参照しながら、上述したハードウェア構成により実現される本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10の機能構成について詳細に説明する。なお、図4は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10は、オーディオ信号を複数のチャンネルを介して外部接続機器へ送信する装置である。具体的には、図4に示すように、オーディオ信号伝送装置10は、送信オーディオ信号取得部151と、記憶部153と、チャンネルマッピング部160と、オーディオ信号送信部171と、接続管理情報提供部173と、接続状況管理部180と、チャンネル管理部190と、を備える。
<送信オーディオ信号取得部151について>
送信オーディオ信号取得部151は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、CD,DVD,BD等のプレーヤー等のオーディオ信号出力装置12から出力されるオーディオ信号を取得して、オーディオ信号受信装置20へと送信するオーディオ信号とする。また、送信オーディオ信号取得部151は、ラジオ放送等によるオーディオ信号を、チューナ等を介して取得することもできる。さらに、送信オーディオ信号取得部151は、記憶部153にオーディオ信号が記録されている場合には、記憶部153からオーディオ信号を取得することも可能である。送信オーディオ信号取得部151が取得したオーディオ信号は、後述するオーディオ信号送信部171へ伝送される。また、送信オーディオ信号取得部151が取得したオーディオ信号は、記憶部153に保存されてもよい。また、送信オーディオ信号取得部151が取得したオーディオ信号の内容に関する情報は、後述するチャンネルマッピング部160に供給される。チャンネルマッピング部160では、このオーディオ信号の内容等に基づいて、各チャンネルに割り当てるオーディオ信号を決定する。
<記憶部153について>
記憶部153には、例えば、送信オーディオ信号取得部151が取得したオーディオ信号、後述するチャンネル(CH)マッピング情報を構成するオーディオ信号の種別等が記録されているデータベースや、オーディオ信号受信装置20に対して送信し得る各種送信情報や、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が利用する各種プログラムや処理方法等が格納される。
さらに、記憶部153には、上記データベースやプログラム以外にも、オーディオ信号伝送装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部153には、送信オーディオ信号取得部151、チャンネルマッピング部160、接続状況管理部180、チャンネル管理部190等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
<チャンネルマッピング部160について>
チャンネルマッピング部160は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成され、各チャンネルに割り当てるオーディオ信号を決定する。また、チャンネルマッピング部は、各チャンネルに割り当てられたオーディオ信号の種別を示すチャンネルマッピング情報を生成する。
「チャンネルマッピング情報」とは、複数のチャンネルのそれぞれで送信しているオーディオ信号の種別を表す情報の集合である。オーディオ信号の種別は、例えば、DVDから取得したオーディオ信号や、デジタル入力に接続された機器から取得したオーディオ信号等のように、オーディオ信号の出所(ソース)を表すものや、サブウーファー用、サラウンドリアスピーカ用又はサラウンドバックスピーカ用のサブ音声等のように、サラウンド音声であることを表すもの等が存在する。チャンネルマッピング情報(CHマッピング情報)については、以下で改めて詳細に説明する。
ここで、図5を参照しながら、本実施形態に係るチャンネルマッピング部160の機能構成について詳細に説明する。なお、図5は、本実施形態に係るチャンネルマッピング部160の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、チャンネルマッピング部160は、送信方式選択部161と、チャンネル(CH)割り当て部163と、CHマッピング情報生成部165と、を有する。
まず、チャンネルマッピング部160の詳細な説明を始める前に、オーディオ信号受信装置20の種別、及び、オーディオ信号送信部171によるオーディオ信号の送信方式について説明する。
上述した送信オーディオ信号取得部151が取得するオーディオ信号は、例えば、CD,DVD,BD等のプレーヤー等のオーディオ信号出力装置12や、ラジオ放送等のオーディオソースから取得される。送信オーディオ信号取得部151は、1又は2以上のオーディオソースからオーディオ信号を取得することができるが、1のオーディオソースから取得されるオーディオ信号には、通常、複数のオーディオ信号が含まれる。そして、この複数のオーディオ信号には、1種のメイン信号と1種又は2種以上のサラウンド信号とが含まれる。本実施形態における「メイン信号」とは、主に正面に配置されるメインのスピーカ等から出力されるコンテンツを再生するために必須のオーディオ信号をいい、例えば、DVDの主音声に対応するようなオーディオ信号がある。また、本実施形態における「サラウンド信号」とは、メイン信号による音声出力のサラウンド成分に対応するオーディオ信号をいい、例えば、サブウーファー用のオーディオ信号や、センタースピーカ用のオーディオ信号や、サラウンドリアスピーカ用のオーディオ信号や、サラウンドバックスピーカ用のオーディオ信号等がある。
本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の種別としては、上記メイン信号を出力する機能を有するメイン機器と、上記サラウンド信号を出力する機能を有するサラウンド機器と、に分類される。メイン機器としては、例えば、図1で示したROOM 2に配置されたオーディオ信号伝送装置10から送信されたオーディオ信号を出力するオーディオコンポ等のようなオーディオ信号出力装置や、例えばヘッドフォンやイヤホンのようなオーディオ信号取得装置等が挙げられる。また、サラウンド機器としては、例えば、図1のROOM1に示したように、オーディオ信号伝送装置10にワイヤレス接続されるサラウンドスピーカ群等が挙げられる。
本実施形態に係るオーディオ信号の第1の送信方式は、オーディオ信号伝送装置10が有する複数のチャンネルのうちの少なくとも1のチャンネルに、1種又は2種以上のサラウンド信号のうちのいずれか1種を割り当てて、オーディオ信号受信装置20に送信する送信方式である。以下では、この第1の送信方式のことを、「サラウンドモードの送信方式」とも称する。また、本実施形態に係るオーディオ信号の第2の送信方式は、オーディオ信号伝送装置10が有する複数のチャンネルの一部又は全部に、1又は2以上のオーディオソースから取得したメイン信号のみを割り当てて、オーディオ信号受信装置20に送信する送信方式である。以下では、この第2の送信方式のことを、「マルチソースモードの送信方式」とも称する。以下、チャンネルマッピング部160の構成について詳細に説明する。
送信方式選択部161は、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるオーディオ信号受信装置20の種別に応じて、第1の送信方式と第2の送信方式のいずれか一方を選択する。より詳細には、送信方式選択部161は、後述する接続状況管理部180から通知される、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能なサラウンド機器が存在するか否かの判断結果に応じて、第1の送信方式と第2の送信方式のいずれか一方を選択する。この判断結果の通知が、サラウンド機器が存在する旨の通知である場合には、送信方式選択部161は、上記第1の送信方式を選択する。一方、この判断結果の通知が、サラウンド機器が存在しない旨の通知である場合には、送信方式選択部161は、上記第2の送信方式を選択する。
送信方式選択部161は、選択した送信方式を示す送信方式情報を、CH割り当て部163及び接続管理情報提供部173に供給する。
CH割り当て部163は、送信方式選択部161により第1の送信方式が選択された場合に、オーディオ信号伝送装置10が有する複数のチャンネルのうちの少なくとも1のチャンネルに、1種又は2種以上のサラウンド信号のうちのいずれか1種を割り当てる。一方、CH割り当て部163は、送信方式選択部161により第2の送信方式が選択された場合に、オーディオ信号伝送装置10が有する複数のチャンネルの一部又は全部に、1又は2以上のオーディオソースから取得したメイン信号のみを割り当てる。この際、CH割り当て部163は、送信オーディオ信号取得部151から供給されたオーディオ信号の内容に関する情報に基づいて、各チャンネルへオーディオ信号を割り当てる。そして、CH割り当て部163は、オーディオ信号の各チャンネルへの割り当て結果を、CHマッピング情報生成部165及びオーディオ信号送信部171に通知する。
また、CH割り当て部163は、送信方式選択部161により第1の送信方式が選択されている場合には、接続状況管理部180から接続機器情報の供給を受ける。ここで、「接続機器情報」とは、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるオーディオ信号受信装置20の種別及び数に関する情報を含む情報である。CH割り当て部163は、供給された接続機器情報に含まれるオーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるサラウンド機器の数を把握する。次いで、CH割り当て部163は、これらのサラウンド機器が出力可能な1種又は2種以上のサラウンド信号を優先的にチャンネルに割り当てる。
より具体的には、CH割り当て部163は、まず、上記のようにして把握したサラウンド機器の数と等しい数のチャンネルに、1種又は2種以上のサラウンド信号を割り当てる。次に、CH割り当て部163は、サラウンド信号が割り当てられていない残りのチャンネルに1または2以上のメイン信号を割り当てる。すなわち、接続状況管理部180は、オーディオ信号伝送装置10と接続されるオーディオ信号受信装置20の機器種別及びその数を判別し、その結果を受けたCH割り当て部163は、まず、サラウンド機器の数だけチャンネル数を確保し、その後、残ったチャンネルをメイン機器用に割り当てる。第1の送信方式が選択されている場合に、このようにしてCH割り当て部163がチャンネルの割り当てを行うことにより、サラウンド機器がオーディオ信号伝送装置10に接続されない場合に、余ったチャンネルをメイン機器に割り当てることができる。従って、本実施形態によれば、CH割り当て部163によるチャンネルの割り当てを、オーディオ信号受信装置20の機器種別及び数に応じて動的に変更することにより、オーディオ信号伝送装置10が有するチャンネルを有効利用することができる。
また、CH割り当て部163は、新たなサラウンド信号をチャンネルに割り当てる場合に、CHマッピング情報生成部165から取得したCHマッピング情報に基づいて、オーディオ信号が割り当てられていないチャンネル(以下、「空きチャンネル」という。)の有無を判断することもできる。この判断の結果、CH割り当て部163は、空きチャンネルが有ると判断した場合には、この空きチャンネルに新たなサラウンド信号を割り当てる。一方、CH割り当て部163は、空きチャンネルが無いと判断した場合には、メイン信号が割り当てられているチャンネル(以下、「メインチャンネル」という。)のうちの1のチャンネルに、新たなサラウンド信号を割り当てる。
また、このとき、CH割り当て部163は、メインチャンネルが複数ある場合には、後述するチャンネル管理部190から、各メインチャンネルから送信されるオーディオ信号を出力しているメイン機器の数(出力メイン機器数)に関する情報や、出力メイン機器数が最も少ないメインチャンネルに関する情報を取得することができる。この場合、CH割り当て部163は、チャンネル管理部190から取得した情報に基づき、出力メイン機器数が最も少ないメインチャンネルに、新たなサラウンド信号を割り当てることもできる。
さらに、このとき、CH割り当て部163は、上記空きチャンネルが無いと判断した場合には、オーディオ信号伝送装置10が有するチャンネル数を増加させる処理を行うように要求することもできる。このようなチャンネル数を増加させる処理としては、例えば、2ch入力から5.1ch出力信号を生成するような処理が挙げられる。この処理の結果、チャンネル数が増加した場合には、CH割り当て部163は、この増加したチャンネルに、新たなサラウンド信号を割り当てることもできる。
なお、CH割り当て部163は、オーディオ信号伝送装置10が有する複数のチャンネルのうち、少なくとも1のチャンネルには、メイン信号を割り当てるようにすることが望ましい。メイン信号を出力する機能を有するスピーカやヘッドフォン等がオーディオ信号伝送装置10に接続された場合に対応できるようにするためである。なお、メイン信号を割り当てる少なくとも1のチャンネルは、オーディオ信号伝送装置10に接続されているオーディオ信号受信装置20の数等に応じて、オーディオ信号伝送装置10側で管理してもよく、また、ユーザ入力により予め設定してもよい。
CHマッピング情報生成部165は、CH割り当て部163によるオーディオ信号の各チャンネルへの割り当て結果に基づいて、CHマッピング情報を生成する。CHマッピング情報生成部165は、例えば、オーディオ信号伝送装置10に接続されるオーディオ信号受信装置20の機器種別や数の変更により、新たなCHマッピング情報の作成を行う。新たなCHマッピング情報の生成に際して、CHマッピング情報生成部165は、例えば記憶部153に格納されている各種のデータベースや、CH割り当て部163から伝送される情報等を参照しながら、CHマッピング情報を動的に生成する。生成された新たなCHマッピング情報は、後述する接続管理情報提供部173及びチャンネル管理部190へ供給される。また、新たに生成されたCHマッピング情報は、記憶部153に記録されてもよい。
<チャンネルマッピング情報について>
続いて、図6A及び図6Bを参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が生成するチャンネルマッピング情報について詳細に説明する。図6A及び図6Bは、本実施形態に係るチャンネルマッピング情報の一例を説明するための説明図である。
本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が生成するCHマッピング情報は、少なくとも2以上のステレオ信号(換言すれば、少なくとも4チャンネルのモノラル信号)を送信可能となるような複数のチャンネル(CH)それぞれについて、各チャンネルに割り当てられるオーディオ信号の種別を表した情報の集合として規定される。
図6A及び図6Bでは、4つのステレオ信号(換言すれば、8チャンネルのモノラル信号)を送信可能なチャンネルに対して割り当てられたCHマッピング情報の例を示している。図6A及び図6Bでは、図から明らかなように、1つのチャンネルに対して2つのモノラル信号に対応可能な枠が設けられており、合計8種類のオーディオ信号の種別が規定されている。
本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10では、図6Aに示すようなCHマッピング情報と、図6Bに示すようなCHマッピング情報の2種類のCHマッピング情報を生成することが可能である。
図6Aに示したCHマッピング情報は、チャンネル1に対して1組のメインチャンネルが設定されており、チャンネル2〜チャンネル4には、メインチャンネルに付随するサブチャンネルが設定されている。ここで、メインチャンネルとは、メイン機器が出力可能なメイン信号が割り当てられたチャンネルであり、例えばDVDの主音声に対応するようなオーディオ信号のソースを出力するチャンネルを意味する。一方、サブチャンネルとは、例えば、サラウンド機器が出力可能なサラウンド信号が割り当てられたチャンネルであり、例えばDVDのサラウンド音声のように、メインチャンネルに付随するオーディオ信号を出力するチャンネルを意味する。
図6Aに示した各サブチャンネルには、例えば、サブウーファー用のオーディオ信号や、センタースピーカ用のオーディオ信号や、サラウンドリアスピーカ用のオーディオ信号や、サラウンドバックスピーカ用のオーディオ信号やなど、様々なサブチャンネルが割当可能である。例えば、オーディオ信号受信装置20として、センタースピーカ、サラウンドリアスピーカ、及びサラウンドバックスピーカが、オーディオ信号伝送装置10に接続されており、サブチャンネルとして、メインチャンネルと同一のコンテンツに対応する、センタースピーカ用のオーディオ信号、サラウンドリアスピーカ用のオーディオ信号、及びサラウンドバックスピーカ用のオーディオ信号のサブチャンネルを割り当てた場合を考える。この場合には、オーディオ信号伝送装置10は、メインチャンネルのオーディオ信号を出力し、オーディオ信号受信装置20、すなわち、センタースピーカ、サラウンドリアスピーカ、及びサラウンドバックスピーカは、それぞれ対応するサブチャンネルのオーディオ信号を出力することとなる。
図6Aに示したような、メインチャンネルが割り当てられているチャンネルと、サブチャンネルが割り当てられているチャンネルとが混在するCHマッピング情報を、以下では「サラウンドモードのCHマッピング情報」と呼ぶ。この「サラウンドモードのCHマッピング情報」は、上述の「サラウンドモードの送信方式」に対応したCHマッピング情報である。なお、図5Aに示したCHマッピング情報では、メインチャンネルが割り当てられているチャンネルは1つしか存在しないが、メインチャンネルが割り当てられているチャンネルは2以上存在してもよい。
他方、図6Bに示したCHマッピング情報は、4つのチャンネルそれぞれにメインチャンネルが割り当てられており、サブチャンネルが割り当てられているチャンネルは存在しない。これは、例えば、チャンネル1にはCD音源が、チャンネル2にはDVD音源が、チャンネル3にはチューナの音源が、チャンネル4にはデジタル入力の音源がそれぞれ割り当てられているような場合に相当する。
図6Bに示したような、複数のチャンネルそれぞれにメインチャンネルが割り当てられているCHマッピング情報を、以下では「マルチソースモードのCHマッピング情報」と呼ぶ。この「マルチソースモードのCHマッピング情報」は、上述の「マルチソースモードの送信方式」に対応したCHマッピング情報である。また、マルチソースモードのCHマッピング情報には、図5Bに示したように、サラウンド成分が割り当てられているチャンネルは存在しない。
オーディオ信号伝送装置10が上記のサラウンドモードとマルチソースモードのCHマッピング情報のどちらを生成可能であるか(換言すれば、サラウンドモードの送信方式と、マルチソースモードの送信方式のどちらを利用可能であるか)は、オーディオ信号伝送装置10に依存する。従って、サラウンドモード専用のオーディオ信号伝送装置10が存在してもよく、マルチソースモード専用のオーディオ信号伝送装置10が存在してもよく、両方のモードに対応可能なオーディオ信号伝送装置10が存在してもよい。
本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、CHマッピング情報のいずれかのチャンネルに、オーディオ信号受信装置に割り振られている識別種別と一致するものが存在する場合に、一致するチャンネルに割り当てられたオーディオ信号を出力することが可能となる。
すなわち、オーディオ信号受信装置20に割り振られている識別種別が「サラウンドリアスピーカ」である場合には、オーディオ信号受信装置20は、CHマッピング情報に「サラウンドリアスピーカ」という種別が記載されているオーディオ信号を出力することが可能となる。
<オーディオ信号送信部171について>
オーディオ信号送信部171は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、DSU、外部機器通信部等から構成され、CHマッピング部160から伝送されたCHマッピング結果(あるいは、CHマッピング情報)に基づいて、送信オーディオ信号取得部151から供給されたオーディオ信号を各チャンネルに分配し、オーディオ信号受信装置20へ送信する。このオーディオ信号送信部171によるオーディオ信号の送信は、上述した第1の送信方式又は第2の送信方式により行われる。また、CHマッピング情報に記載されている各チャンネルにおけるオーディオ信号の種別(オーディオ信号の属性)に適応させるために、送信予定のオーディオ信号に対して変換を行う必要がある場合には、オーディオ信号送信部171は、送信予定のオーディオ信号に対して所定の変換処理を施し、変換後のオーディオ信号を送信する。ここで、上記の変換処理とは、例えば、変換前のオーディオ信号が、5.1チャンネルに対応したオーディオ信号であった場合に、通常の2チャンネルのオーディオ信号へとダウンミックスする場合等が考えられる。
<接続管理情報提供部173について>
接続管理情報提供部173は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、送信方式選択部161により選択された送信方式を示す送信方式情報や、CHマッピング情報生成部165により生成されたCHマッピング情報等のオーディオ信号伝送装置10との接続状態を表す情報を含む接続管理情報を、オーディオ信号受信装置20等の外部接続機器へ提供する。
接続管理情報の提供は、接続が確立されているか否かを問わずすべての外部接続機器に対して行ってもよく、接続管理情報の提供要求を通知してきた外部接続機器に対してのみ、提供を行ってもよい。また、CHマッピング情報の提供に関して、接続管理情報提供部173は、CHマッピング情報生成部165が生成したCHマッピング情報を、CHマッピング情報生成部165からの伝送があった際に自主的に送信してもよく、外部接続機器とのデータ通信が発生した際に、新たなCHマッピング情報をあわせて送信してもよい。
<接続状況管理部180について>
接続状況管理部180は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成され、オーディオ信号伝送装置10に接続可能な外部接続機器の接続状況を管理する。以下、図7を参照しながら、接続状況管理部180の具体的な機能構成について説明する。なお、図7は、本実施形態に係る接続状況管理部180の機能構成を示すブロック図である。
図7に示すように、接続状況管理部180は、機器種別情報取得部181と、外部機器接続確立部182と、接続状況受信部183と、接続確認信号送信部184と、接続機器情報生成部186と、接続状況判断部188と、を有する。
機器種別情報取得部181は、オーディオ信号受信装置20の種別が、メイン機器であるか、又は、サラウンド機器であるかを示す機器種別情報を、オーディオ信号受信装置20から取得する。機器種別情報取得部181は、取得した機器種別情報を、後述する接続機器情報生成部186に供給する。
外部機器接続確立部182は、外部接続機器であるオーディオ信号受信装置20との接続を確立又は解除する。外部機器接続確立部182は、オーディオ信号受信装置20から送信された接続確立要求を受信すると、接続の可否を判断する。この判断の結果、接続を確立してもよいと判断した場合には、接続確立要求を送信したオーディオ信号受信装置20に対し、接続許可通知を送信し、オーディオ信号受信装置20との接続を確立する。また、外部機器接続確立部182は、オーディオ信号受信装置20から送信された接続解除要求を受信すると、そのオーディオ信号受信装置20との接続を解除する。また、外部機器接続確立部182は、オーディオ信号受信装置20との接続を確立又は解除した旨の通知を、接続機器情報生成部186に対して行う。
接続状況受信部183は、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10に接続されているか否かを示す接続状況通知信号を、当該オーディオ信号受信装置20から所定のタイミングで受信する。この所定のタイミングとしては、例えば、オーディオ信号受信装置20の電源がオン又はオフになったタイミングが挙げられる。接続状況受信部183は、オーディオ信号受信装置20の電源がオンになった際には、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号伝送装置10との接続が確立された旨の接続状況通知信号を受信する。一方、接続状況受信部183は、オーディオ信号受信装置20の電源がオフになった際には、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号伝送装置10との接続が解除された旨の接続状況通知信号を受信する。また、接続状況受信部183は、受信した接続状況通知信号を接続機器情報生成部186に伝送する。
接続確認信号送信部184は、オーディオ信号伝送装置10に接続されている全てのオーディオ信号受信装置20等の外部接続機器に対し、当該外部接続機器がオーディオ信号伝送装置10に接続されているか否かを確認する接続確認信号を送信する。その結果、接続状況受信部183は、この接続確認信号に対して応答をした外部接続機器から、当該外部接続機器がオーディオ信号伝送装置10に接続されている旨の接続状況通知信号を受信する。接続状況受信部183は、オーディオ信号伝送装置10に接続されている旨の接続状況通知信号を送信したオーディオ信号受信装置20を稼動状態にあると判断し、結果を接続機器情報生成部186に伝送する。また、接続状況受信部183は、稼動状態にあるオーディオ信号受信装置20に関しては、オーディオ信号を伝送している複数のチャンネルのうち、いずれのチャンネルに割り当てられているオーディオ信号を受信しているのかを確認し、結果を接続機器情報生成部186に伝送する。なお、接続確認信号送信部184は、接続確認信号の送信を、定期的に(例えば、毎分または数分毎に)行ってもよい。
接続機器情報生成部186は、機器種別情報取得部181から供給された機器種別情報や、外部機器接続確立部182及び接続状況受信部183から供給された各種情報に基づいて、接続機器情報を生成する。ここで、本実施形態における接続機器情報とは、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるオーディオ信号受信装置20の種別、数、及び出力しているチャンネル等を含む情報である。接続機器情報生成部186は、生成した接続機器情報を、接続状況判断部188及び後述するチャンネル管理部190に供給する。
接続状況判断部188は、接続機器情報生成部186から供給された接続機器情報に基づいて、オーディオ信号伝送装置10に接続可能な外部接続機器の接続状況の管理に伴う様々な判断を行う。具体的には、接続状況判断部188は、接続機器情報生成部186から供給された接続機器情報に基づいて、オーディオ信号伝送装置10に接続可能な外部接続機器の台数や稼働状況を把握し、接続管理を行うための様々な判断を行う。その結果、接続状況判断部188は、オーディオ信号伝送装置10に接続している外部接続機器の台数が更新されたり、接続している外部接続機器の稼動状態が変更されたりしている場合には、現在利用されているチャンネルの割り当て(すなわち、CHマッピング情報)の変更が必要であると判断する。そして、接続状況判断部188は、チャンネルマッピング部160に対して、チャンネルの割り当ての変更(ひいては、新たなCHマッピング情報の生成)を行うように要求する。
また、接続状況判断部188は、送信方式選択部161が送信方式を選択するために、接続機器情報に基づいて、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるサラウンド機器が存在するか否かの判断も行うことができる。
さらに、送信方式選択部161により第1の送信方式(サラウンドモード)が選択されている場合には、接続状況判断部188は、接続機器情報生成部186から供給された接続機器情報をチャンネルマッピング部160(のチャンネル割り当て部163)に供給することもできる。
また、接続状況受信部183が、オーディオ信号受信装置20から、当該受信装置がオーディオ信号伝送装置10に接続されている旨の接続状況通知信号を受信した場合には、接続状況判断部188は、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるサラウンド機器の中で、出力可能なオーディオ信号が複数のチャンネルのいずれにも割り当てられていないチャンネル未割り当て機器があるか否かを判断する。この判断の結果、チャンネル未割り当て機器があると判断された場合には、接続状況判断部188は、その判断結果をチャンネルマッピング部160(のチャンネル割り当て部163)に通知する。この通知を受けたチャンネル割り当て部163は、接続状況判断部188から通知されたチャンネル未割り当て機器が出力可能なサラウンド信号を優先的にいずれかのチャンネルに割り当てる。
以上のように、本実施形態に係る接続状況管理部160は、オーディオ信号伝送装置10に接続可能な各種の外部接続機器の有無や稼働状況を、一括して管理する管理部である。
<チャンネル管理部190について>
チャンネル管理部190は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成され、チャンネルマッピング部160から供給されるCHマッピング情報や、接続状況管理部180から供給される接続機器情報や、記憶部153に記憶されている各種情報に基づき、オーディオ信号伝送装置10がオーディオ信号の送信に利用している複数のチャンネルのそれぞれについて、接続しているオーディオ信号受信装置20の台数等を管理する。以下、図8を参照しながら、チャンネル管理部190の具体的な機能構成について説明する。なお、図8は、本実施形態に係るチャンネル管理部190の機能構成を示すブロック図である。
図8に示すように、チャンネル管理部190は、チャンネル(CH)管理情報取得部191と、出力機器確認部193と、チャンネル(CH)数変更部195と、を有する。
CH管理情報取得部191は、チャンネルマッピング部160、接続状況管理部180又は記憶部153等から、CH管理情報を取得する。ここで、CH管理情報とは、複数のチャンネルのそれぞれについて、接続しているオーディオ信号受信装置20の台数等を管理するのに必要な情報であり、例えば、CHマッピング情報や接続機器情報等が挙げられる。CH管理情報取得部191は、取得したCH管理情報を出力機器確認部193に供給する。
出力機器確認部193は、メイン信号が割り当てられているメインチャンネルが複数ある場合に、CH管理情報取得部191から取得した接続機器情報に基づいて、各メインチャンネルから送信されるオーディオ信号を出力しているメイン機器の数(出力メイン機器数)を確認する。また、出力機器確認部193は、この確認した出力メイン機器数に基づいて、出力メイン機器数が最も少ないチャンネルを検出する。そして、出力機器確認部193は、検出された出力メイン機器数が最も少ないチャンネルを、チャンネルマッピング部160(のチャンネル割り当て部163)に通知する。
CH数変更部195は、例えば、上述したDSP123等からなり、チャンネルマッピング部160(のチャンネル割り当て部163)からの要求に応じて、オーディオ信号伝送装置10が利用しているチャンネルの数を変更する。このチャンネル割り当て部163からの要求は、チャンネル割り当て部163が新たなサラウンド信号を割り当てる際に、空きチャンネルが無いと判断した場合になされる。CH数変更部195は、この要求に応じて、オーディオ信号伝送装置10が利用しているチャンネルの数を増加させる。これにより、チャンネル割り当て部163は、メインチャンネルから送信されたオーディオ信号を出力しているメイン機器の動作に影響を与えることなく、新たなサラウンド信号を増加されたチャンネルに割り当てることができる。
なお、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10では、外部接続機器へのオーディオ信号の送信や、外部接続機器との双方向通信は、無線伝送により行われてもよく、PLCや有線伝送により行われてもよいが、無線伝送により行われることが好ましい。
以上、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
(オーディオ信号受信装置20の機能構成)
次に、図9を参照しながら、上述したハードウェア構成により実現される本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能構成について詳細に説明する。なお、図9は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20は、複数のチャンネルを介して外部接続機器から送信されたオーディオ信号を受信する装置である。具体的には、図9に示すように、オーディオ信号受信装置20は、接続管理情報取得部251と、接続可否判断部253と、外部機器接続管理部260と、オーディオ信号受信部271と、オーディオ信号出力部273と、記憶部275と、を備える。
<接続管理情報取得部251について>
接続管理情報取得部251は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号伝送装置10が使用している送信方式に関する送信方式情報や、オーディオ信号伝送装置10から送信されたCHマッピング情報等の接続管理情報を取得する。取得した接続管理情報は、接続可否判断部253及びオーディオ信号出力部273へ供給される。また、接続管理情報取得部251は、取得した接続管理情報を記憶部275に記録してもよい。
<接続可否判断部253について>
接続可否判断部253は、接続管理情報取得部251から供給された送信方式情報に基づいて、当該送信方式が、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10と接続可能な方式か否かを判断する。具体的には、オーディオ信号受信装置20の種別がメイン機器である場合には、接続可否判断部253は、オーディオ信号伝送装置10が利用しているチャンネルにメイン機器用のチャンネル(メインチャンネル)が存在するか否かを判断する。その結果、メインチャンネルが存在すると判断された場合には、オーディオ信号伝送装置10の送信方式を問わず、接続可能と判断する。一方、メインチャンネルが存在しないと判断された場合には、オーディオ信号伝送装置10の送信方式を問わず、接続不能と判断する。また、オーディオ信号受信装置20の種別がサラウンド機器である場合には、接続可否判断部253は、オーディオ信号伝送装置10の送信方式が第1の送信方式(サラウンドモードの送信方式)である場合には、接続可能と判断し、オーディオ信号伝送装置10の送信方式が第2の送信方式(マルチソースモードの送信方式)である場合には、接続不能と判断する。このような判断の結果、オーディオ信号伝送装置10に接続可能と判断された場合には、接続可否判断部253は、オーディオ信号伝送装置10に対して接続要求を行うように、外部機器接続管理部260に要求する。
<外部機器接続管理部260について>
外部機器接続管理部260は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号伝送装置10との接続全般を管理する。以下、図10を参照しながら、外部機器接続管理部260の具体的な機能構成について説明する。なお、図10は、本実施形態に係る外部機器接続管理部260の機能構成を示すブロック図である。
図10に示すように、外部機器接続管理部260は、機器種別情報提供部261と、外部機器接続確立部263と、接続状況送信部265と、接続確認信号受信部267と、を有する。
機器種別情報提供部261は、前記オーディオ信号受信装置20が、メイン信号を出力可能なメイン機器であるか、又は、サラウンド信号を出力可能なサラウンド機器であるかを示す機器種別情報を、オーディオ信号伝送装置10に提供する。なお、図示していないが、機器種別情報提供部261は、記憶部275に記憶されている機器種別情報を読み出して、オーディオ信号伝送装置10に提供することもできる。
外部機器接続確立部263は、外部接続機器であるオーディオ信号伝送装置10との接続を確立又は解除する。外部機器接続確立部263は、接続可否判断部253から、オーディオ信号伝送装置10に接続可能との判断結果を受け取った場合には、オーディオ信号伝送装置10に対し、接続確立要求を送信する。また、外部機器接続確立部263は、この接続確立要求を受信したオーディオ信号伝送装置10により、接続を確立してもよいと判断された場合には、当該オーディオ信号伝送装置10から接続許可通知を受信し、オーディオ信号伝送装置10との接続が確立される。また、外部機器接続確立部263は、所定の場合、例えば電源をオフする場合に、オーディオ信号伝送装置10に対し、接続解除要求を送信する。この接続解除要求がオーディオ信号伝送装置10により受信されると、オーディオ信号伝送装置10との接続が解除される。
接続状況送信部265は、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10に接続されているか否かを示す接続状況通知信号を、当該オーディオ信号伝送装置10に対して、所定のタイミングで送信する。この所定のタイミングとしては、例えば、オーディオ信号受信装置20の電源がオン又はオフになったタイミングが挙げられる。接続状況送信部265は、オーディオ信号受信装置20の電源がオンになった際には、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号伝送装置10との接続が確立された旨の接続状況通知信号を送信する。一方、接続状況送信部265は、オーディオ信号受信装置20の電源がオフになった際には、オーディオ信号受信装置20とオーディオ信号伝送装置10との接続が解除された旨の接続状況通知信号を送信する。
また、接続状況送信部265は、上記接続状況通知信号をオーディオ信号伝送装置10に送信する際に、オーディオ信号受信装置20を特定する識別子等をあわせて送信してもよい。
接続確認信号受信部267は、オーディオ信号伝送装置10から、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10に接続されているか否かを確認する接続確認信号を受信する。その結果、接続状況送信部265は、この接続確認信号に対する応答として、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10に接続されている旨の接続状況通知信号を送信する。
<オーディオ信号受信部271について>
オーディオ信号受信部271は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、外部機器通信部等から構成され、オーディオ信号伝送装置10から送信されるオーディオ信号を受信する。このオーディオ信号の受信は、接続可否判断部253によりオーディオ信号伝送装置10と接続可能であると判断され、外部機器接続管理部260によりオーディオ信号伝送装置10との通信が可能な状態になった場合に行われる。オーディオ信号受信部271は、受信したオーディオ信号をオーディオ信号出力部273へ伝送する。また、オーディオ信号受信部271は、受信したオーディオ信号を記憶部275に記録してもよい。
<オーディオ信号出力部273について>
オーディオ信号出力部273は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、スピーカ等から構成され、オーディオ信号受信部271から伝送された複数のチャンネルからなるオーディオ信号の中から、出力可能なオーディオ信号を選択して出力する。この出力可能なオーディオ信号の選択は、接続管理情報取得部251が取得したCHマッピング情報に基づいて行われる。また、オーディオ信号出力部273は、上記オーディオ信号の選択に際しては、記憶部275等に記憶されているオーディオ信号受信装置20自身の識別情報等を利用してもよい。
<記憶部275について>
記憶部275は、例えば、CHマッピング情報を構成するオーディオ信号の種別等が記録されているデータベースや、オーディオ信号伝送装置10に対して送信しうる各種送信情報や、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20が利用する各種プログラムや処理方法等が格納される。
さらに、記憶部275は、上記データベースやプログラム以外にも、オーディオ信号受信装置20が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部275は、接続管理情報取得部251、接続可否判断部253、外部機器接続管理部260、オーディオ信号受信部271、オーディオ信号出力部273等のオーディオ信号受信装置20を構成する各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
なお、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20では、オーディオ信号伝送装置10から送信されるオーディオ信号の受信や、オーディオ信号伝送装置10との双方向通信は、無線伝送により行われてもよく、PLCや有線伝送により行われてもよいが、無線伝送により行われることが好ましい。
以上、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置20の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
(オーディオ信号受信装置の接続処理)
続いて、図11を参照しながら、オーディオ信号伝送装置10へのオーディオ信号受信装置20の接続処理について詳細に説明する。図11は、本実施形態に係るオーディオ信号受信装置の接続処理の流れを示すフローチャートである。
オーディオ信号伝送装置10の電源がユーザによってONに設定されると(ステップS101)、オーディオ信号伝送装置10は、自身に備えられているオーディオ信号出力部を介して音源の出力を開始する(ステップS103)。
ある時点で、オーディオ信号受信装置20の電源がユーザによってONに設定されると(ステップS105)、オーディオ信号受信装置20は、記憶部275等を参照しながら、機器種別情報提供部251を介して受信装置種別(すなわち、オーディオ信号受信装置20がメイン機器であるのか、又は、サラウンドアンプやサラウンドスピーカ等のサラウンド機器であるのか)をオーディオ信号伝送装置10へ通知する(ステップS107)。
オーディオ信号伝送装置10では、接続状況管理部180の機器種別情報取得部181が、オーディオ信号受信装置20からの受信装置種別通知を受信する。次いで、接続状況管理部180は、オーディオ信号受信装置20がオーディオ信号伝送装置10に対して接続可能な装置であることを判断し、CHマッピング部160では、受信装置種別に合わせてCHマッピングが変更される(ステップS109)。
次に、オーディオ信号受信装置20は、オーディオ信号伝送装置10に対して、オーディオ信号伝送装置10の種別(すなわち、オーディオ信号伝送装置10が、第1の送信方式(サラウンドモード)を採用しているのか、又は、第2の送信方式(マルチソースモード)を採用しているのか等)と、オーディオ信号伝送装置10により現在割り当てられているCHマッピングに基づいて作成されたCHマッピング情報の取得要求を通知する(ステップS111)。
オーディオ信号伝送装置10の接続状況管理部180は、上記の取得要求を受信すると、その取得要求をチャンネルマッピング部160に通知し、チャンネルマッピング部160は、接続管理情報提供部173を介して、オーディオ信号伝送装置10の種別及びCHマッピング情報をオーディオ信号受信装置20に送信する(ステップS113)。
送信装置10の種別及びCHマッピング情報を受信したオーディオ信号受信装置20は、次に、オーディオ信号伝送装置10への接続確立要求と、再生を希望するチャンネルを、オーディオ信号伝送装置10へと通知する(ステップS115)。
オーディオ信号受信装置20からの接続確立要求を受信したオーディオ信号伝送装置10では、接続状況管理部180において接続が確立しているオーディオ信号受信装置20の台数を更新するとともに(ステップS117)、接続を許可する旨の通知(接続確立通知)をオーディオ信号受信装置20に通知する(ステップS119)。
オーディオ信号伝送装置10との接続が確立したオーディオ信号受信装置20では、再生可能音源を選択して、オーディオ信号の再生を行う(ステップS121)。
以上説明したような手順にて、オーディオ信号受信装置20はオーディオ信号伝送装置10に接続される。本実施形態に係る接続処理では、オーディオ信号受信装置20は、ユーザからの操作を待つことなく、電源の投入とともにオーディオ信号伝送装置10への接続処理を開始するため、オーディオ信号受信装置20のユーザは、容易にオーディオ信号伝送装置10との接続を行うことが可能となる。
(オーディオ信号伝送装置の接続確認処理)
次に、図12を参照しながら、オーディオ信号伝送装置10が実施するオーディオ信号受信装置20の接続確認処理について詳細に説明する。図12は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10が実施する接続確認処理の流れを示すフローチャートである。
オーディオ信号伝送装置10は、上述のように、所定の間隔で(例えば、毎分等の定期的に)オーディオ信号受信装置20に対して接続確認を行い、オーディオ信号受信装置20との接続を維持するか否かを判定する。以下では、この接続確認処理について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、オーディオ信号伝送装置10には、2台のオーディオ信号受信装置20A、20Bがそれぞれ接続されているものとする。
オーディオ信号伝送装置10の接続状況管理部180は、接続しているオーディオ信号受信装置20A、20Bに対して、その接続状況を確認するための接続確認信号を送信する(ステップS201)。接続確認信号を受信したオーディオ信号受信装置20A、20Bでは、受信した接続確認信号に対する応答として接続状況通知信号を送信し、接続している旨を通知する(ステップS203、S205)。
オーディオ信号伝送装置10では、オーディオ信号受信装置20からの接続状況通知信号を受信すると、接続状況を維持する処理を行うため、接続状況管理部180では、接続状況の変更は行われず、CHマッピング部160においても、CHマッピングの変更及び新たなCHマッピング情報の生成も行われない。
ここで、ある時点に、オーディオ信号受信装置20Bに供給されている電源が遮断され(ステップS207)、オーディオ信号受信装置20Bが電源OFFになってしまった場合を考える。
オーディオ信号伝送装置10は、前回接続確認信号を送信した時点(図8においては、ステップS201の時点)から所定の時間(例えば、1分程度)が経過すると、次の接続確認信号を送信して、オーディオ信号受信装置20A、20Bの接続確認を行う(ステップS209)。
この場合、オーディオ信号受信装置20Aからは接続状況通知信号の送信がなされる(ステップS211)が、電源が遮断され電源OFFとなっているオーディオ信号受信装置20Bからは接続状況通知信号の送信がなされない。
オーディオ信号伝送装置10では、前回の確認時に接続関係が維持されていたオーディオ信号受信装置20Bからの接続状況通知信号の送信がなかったことを受けて、オーディオ信号受信装置20Bとの接続を解除し、接続状況管理部180は、接続状態にあるオーディオ信号受信装置の台数を更新する(ステップS213)。
その後、オーディオ信号受信装置20Aのユーザにより正式な手続きを経て電源がOFFにされると(ステップS215)、オーディオ信号受信装置20Aは、シャットダウン処理の一環として、オーディオ信号伝送装置10に対して接続状況送信部265から接続解除通知が送信され(ステップS217)、オーディオ信号受信装置20Aの電源がOFFとなる。
オーディオ信号伝送装置10では、オーディオ信号受信装置20Aからの接続解除通知を受けて、オーディオ信号受信装置20Aとの接続を解消し、接続状況管理部180は、接続状態にあるオーディオ信号受信装置の台数を更新する(ステップS219)。
本実施形態に係るオーディオ信号伝送システム1では、かかる処理を所定の時間間隔ごとに自動で行っているため、オーディオ信号伝送装置10とオーディオ信号受信装置20との接続の維持や接続解除を自動的に処理することが可能となる。
(チャンネル割り当て処理)
次に、図13を参照しながら、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10におけるチャンネル(CH)割り当て処理の流れについて説明する。なお、図13は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10におけるCH割り当て処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、このCH割り当て処理では、まず、オーディオ信号伝送装置10の機器種別情報取得部181が、オーディオ信号受信装置20から、当該受信装置の機器種別に関する機器種別情報を取得する(ステップS301)。機器種別情報を取得したオーディオ信号伝送装置10では、接続機器情報生成部186により、接続機器情報が生成される。
次に、接続状況判断部180が、生成された接続機器情報に基づいて、オーディオ信号送信部171が送信したオーディオ信号を出力可能な状態にあるサラウンド機器が存在するか否かを判断する(ステップS303)。
この判断の結果、サラウンド機器が存在すると判断された場合には、送信方式選択部161は、サラウンドモード(第1の送信方式)を選択する(ステップS305)。この場合は、次に、チャンネルマッピング部160のチャンネル割り当て部163が、オーディオ信号の送信方式がサラウンドモードとなるように、少なくとも1のチャンネルにサラウンド信号を割り当てる(ステップS307)。さらに、チャンネルマッピング情報生成部165は、チャンネル割り当て部163によるチャンネルの割り当て結果(ステップS307)に基づいて、チャンネルマッピング情報を生成する(ステップS309)。
一方、ステップS303の判断の結果、サラウンド機器が存在しないと判断された場合には、送信方式選択部161は、マルチソースモード(第2の送信方式)を選択する(ステップS311)。この場合は、次に、チャンネルマッピング部160のチャンネル割り当て部163が、オーディオ信号の送信方式がマルチソースモードとなるように、複数のチャンネルの一部又は全部にメイン信号のみを割り当てる(ステップS313)。さらに、チャンネルマッピング情報生成部165は、チャンネル割り当て部163によるチャンネルの割り当て結果(ステップS313)に基づいて、チャンネルマッピング情報を生成する(ステップS309)。
このようにして、オーディオ信号伝送装置10は、チャンネル割り当て処理を行うが、オーディオ信号の送信方式としてサラウンドモードが選択されている場合には、チャンネル割り当て部163は、新たにサラウンド信号を割り当てる際に、サラウンド信号を優先的に割り当てることができる。具体的には、例えば、チャンネル割り当て部163は、上述したように、サラウンド機器の数だけチャンネル数を確保し、その後、残ったチャンネルをメイン機器用に割り当てることもできる。サラウンドモードが選択されている場合に、このようにしてCH割り当て部163がチャンネルの割り当てを行うことにより、サラウンド機器がオーディオ信号伝送装置10に接続されない場合に、余ったチャンネルをメイン機器に割り当てることができる。従って、本実施形態によれば、CH割り当て部163によるチャンネルの割り当てを、オーディオ信号受信装置20の機器種別及び数に応じて動的に変更することにより、オーディオ信号伝送装置10が有するチャンネルを有効利用することができる。
(サラウンドモードにおけるチャンネル割り当て処理)
以下、図14から図16を参照しながら、このようなサラウンドモードにおけるチャンネル割り当て処理の流れについて詳細に説明する。なお、図14は、本実施形態に係るオーディオ信号伝送装置10によるサラウンドモードにおけるチャンネル割り当て処理の流れを示すフローチャートである。また、図15A及び図15Bは、本実施形態に係るチャンネルマッピング情報の変更例を説明するための説明図であり、図16は、図15Bに示した処理の詳細を示す説明図である。また、ここでは、新たにサラウンド信号を割り当てる場合を例に挙げて説明する。
図14に示すように、このサラウンドモードにおけるCH割り当て処理では、まず、チャンネル割り当て部163が、CHマッピング情報に基づいて、オーディオ信号が割り当てられていない空きチャンネルの有無を判断する(ステップS321)。
例えば、図15Aに示したように、CH1には、「メインチャンネル1」というメイン信号が割り当てられ、CH2には、「メインチャンネル2」というメイン信号が割り当てられ、CH3には、「サラウンドリアスピーカ」に対応するサラウンド信号が割り当てられ、CH4は未使用の場合を考える。この場合に、新たに、サラウンドバックスピーカを接続しようとする場合、「サラウンドバックスピーカ」に対応するサラウンド信号をいずれかのチャンネルに割り当てる必要が出てくる。
この図15Aの例のように、ステップS321の判断の結果、空きチャンネル(図15Aの例では、「CH4」)が有ると判断された場合には、チャンネル割り当て部163は、その空きチャンネル(CH4)にサラウンド信号(図15Aの例では、サラウンドバックスピーカ用のサラウンド信号)を割り当てる(ステップS323)。その結果、チャンネルマッピングは、図15Aの下図に示したような状態となり、CHマッピング情報生成部165は、図15Aの下図に示したようなCHマッピング情報を生成する(ステップS325)。このように、本実施形態に係るサラウンドモードにおけるCH割り当て処理によれば、未使用のチャンネルがサラウンド信号用のチャンネルとして有効利用される。
一方、例えば、図15Bに示したように、CH1には、「メインチャンネル1」というメイン信号が割り当てられ、CH2には、「メインチャンネル2」というメイン信号が割り当てられ、CH3には、「メインチャンネル3」というメイン信号が割り当てられ、CH4には、「サラウンドリアスピーカ」に対応するサラウンド信号が割り当てられている場合を考える。この場合に、新たに、サラウンドバックスピーカを接続しようとする場合、「サラウンドバックスピーカ」に対応するサラウンド信号をいずれかのチャンネルに割り当てる必要が出てくる。
この図15Bの例のように、ステップS321の判断の結果、空きチャンネルが無いと判断された場合には、チャンネル割り当て部163は、CHマッピング情報に基づいて、メインチャンネルが複数存在するか否かを判断する(ステップS327)。
このステップS327の判断の結果、図15Bの例のように、メインCHが複数ある(CH1〜CH3)と判断された場合には、次に、チャンネル管理部190の出力機器確認部193が、各メインCH(CH1〜CH3)に接続されているメイン機器の接続数(すなわち、各CHから送信されたオーディオ信号を出力しているメイン機器の数)を確認する(ステップS329)。
このステップS329の処理を、図16に示した例に基づいて説明する。図15Bの例におけるCHマッピング情報は、図16の右図に示すCHマッピング情報14のようになっている。ここで、出力機器確認部193は、接続機器情報生成部186から取得した接続機器情報等に基づいて、各メインCH(CH1〜CH3)に接続されているメイン機器の接続数を確認する。その結果、図16の左図に示すメイン機器接続数に関する情報16のように、CH1には3台のメイン機器が接続され、CH2には2台のメイン機器が接続され、CH3には1台もメイン機器が接続されていないと確認された場合を考える。この場合には、CH3が接続されているメイン機器数(出力メイン機器数)が最も少ない(0台)となる。従って、出力機器確認部193は、「メインチャンネル3」というメイン信号が割り当てられたCH3が、出力メイン機器数が最も少ないとの通知を、チャンネル割り当て部163に対して行う。この通知を受け取ったチャンネル割り当て部163は、出力メイン機器数が最も少ないチャンネルである「CH3」におけるメイン信号(メインチャンネル3)の割り当てを解消し、新たに、サラウンドバックスピーカに対応するサラウンド信号をCH3に割り当てる(ステップS331)。
その結果、チャンネルマッピングは、図15Bの下図に示したような状態となり、CHマッピング情報生成部165は、図15Bの下図に示したようなCHマッピング情報を生成する(ステップS325)。このように、本実施形態に係るサラウンドモードにおけるCH割り当て処理によれば、空きチャンネルが無い場合でも、メインチャンネルから送信されたオーディオ信号を出力しているメイン機器の動作に与える影響を最小限に留めつつ、新たなサラウンド信号を割り当てることができる。
また、ステップS327の判断の結果、メインCHが1つしかないと判断された場合には、チャンネル割り当て部163は、チャンネル管理部190のCH数変更部195に対して、チャンネル数を増加させる処理を行うように要求する。この要求を受けたCH数変更部195は、CH増加処理を行う(ステップS333)。このCH増加処理の後、チャンネル割り当て部163は、増加されたチャンネルに新たなサラウンド信号を割り当て(ステップS335)、この割り当て結果に基づいて、CHマッピング情報生成部165が、CHマッピング情報を生成する(ステップS325)。
なお、上記の例において、メインCHが複数の場合でも、チャンネル数増加処理を行ってもよい。また、メインCHが1個の場合でも、当該メインCHにおけるメイン信号の割り当てを解消し、新たなサラウンド信号を割り当ててもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、チャンネル数がステレオ4チャンネルである場合について説明したが、チャンネル数の個数は上述の場合に限定されるわけではなく、4チャンネル以上であってもよい。設定可能なチャンネル数は、オーディオ信号伝送装置やオーディオ信号受信装置に設けられるCPUやDSPの処理能力に依存するため、これらのプロセッサの処理能力に応じてチャンネル数を変化させることが可能である。