JP5277202B2 - 立て看板 - Google Patents

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Description

本発明は、交通標識や広告を標示する立て看板に関し、特に、強風等の外力によって転倒し難い立て看板に関する。
一般に、立て看板は、交通標識や広告を標示する平板状の標示板と、この標示板を裏面側から支持する脚体を備え、道路上に立設されて道路工事の車線変更等の注意喚起をしたり、又は、商品を掲示して宣伝したりする目的で使用されている。このような立て看板の表示板は、金属製の薄板を用いられることが多く、強風が吹くと容易に倒れたり、また、車や人と接触すると、車や人を傷つける不具合を抱えていた。そこで、強風時でも道路上での起立状態を維持したり、車や人を傷つけ難い構造が考えられている。
例えば、特許文献1には、「道路標識具」という名称で、強風や車等の接触や衝突によっても転倒や移動が生じ難い道路標識具に関する発明が開示されている。
この特許文献1に開示された発明は、外力に対して揺動可能で弾性復元力によって起立状態が保持され、幅方向に湾曲し下部ほど湾曲の曲率半径が大きくなるように形成された標識部と、この標識部を道路上に支持する接地部を有するものである。
そして、標識部は、風や車の接触等の外力を受けると、揺動して受けた外力を受け流すことができ、道路標識具が転倒したり移動したりすることを防止することができる。また、揺動後は弾性復元力により元の起立状態に戻るので、視認性を良好に保持することができる。さらに、標識部は、幅方向に湾曲しているので、起立状態が保持されやすい。また、下部ほど湾曲の曲率半径が大きくなるように形成されているので、上部ほど起立状態が保持され、一方、下部ほど揺動変形しやすい構造となり、外力を受けた場合は、下部が変形して全体的に揺動して外力を逃がす仕組みとなる。また、接地部は、標識部と一体に形成しても別個に形成してもよく、別個に形成する場合は、標識部や接地部の大きさを自在に設計することができるという利点を備えている。
また、特許文献2には、「起立式表示装置」という名称で、可視情報を容易に変更可能で、視認性が良好な起立式表示装置に関する発明が開示されている。
この特許文献2に開示された発明は、正面側に突出して湾曲し並設される左右一対で互いに対向する面に嵌合溝を備える枠部材が連結された枠体と、この枠体を起立状態に支持する脚体と、枠部材の嵌合溝に左右各側縁部を嵌合可能で枠部材に沿って湾曲する可撓性の表示板を有するものである。
そして、枠部材の嵌合溝は表示板を挿脱可能に形成されており、表示板の内容を変更する場合には設置されている表示板を枠部材から抜き取り、新たに準備されている表示板を設置するだけでよく、従来からの看板における表示内容の取り外しや書き換え作業の手間を大幅に低減することができる。また、表示板は可撓性材料で形成され、正面側に突出した枠体に沿って湾曲して緊張した状態で保持されているので、表示板には張りがあり、温度変化があっても波打ち状態を発生することなく見映えがよく、良好な表示効果を得ることができる。また、湾曲した枠体及び表示板は、通常の平板状のものに比べると、風圧が低減され、屋外での起立状態を安定させることもできる。
そして、特許文献3には、「反射立て看板」という名称で、夜間の自動車等の照射光の反射に対しても視認性が良好な反射立て看板に関する発明が開示されている。
この特許文献3に開示された発明は、反射面支持体と、この反射面支持体に設けられ少なくとも一部を凹面状に湾曲させた反射面と、この反射面上に担持された可視情報と、反射面の幅方向に設置された回動軸を中心として所定範囲内において回動可能に枢設された回動脚を有するものである。
そして、反射面は回動脚に支持されて全体的に傾斜して立設されるが、反射面全体が平面状である場合よりも反射面の上端部がより鉛直に近い角度になるように立ち上げて中央部が凹面状に湾曲するように形成されているので、反射面の上端部がより鉛直に近い近傍においては、夜間に、自動車のヘッドライトの照射光が入射したときに正反射して自動車の運転者の方向に反射光が届きやすく、したがって、看板の視認性や訴求性を従来品よりも向上させることができる。また、重しを載せたりや打ち込んだ杭へ繋縛したりすると、風で転倒することなく、地面に固定することができる。
特開2006−348561号公報 特開平8−50456号公報 特開平8−76705号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、外力を受けた場合、標識部の下部が変形して全体的に揺動するので、揺動時に通行人や車に接触しやすく、その際には標示が見え難いという課題があった。また、標識部は略平板状に形成されるが、接地部は標識部を地面に支持する役割からもある程度の体積を必要とするので、標識部と接地部を一体化して構成すると嵩張るので運搬や保管が不便となるという課題があった。また、標識部と接地部を別個に構成する場合には、組み立てが煩雑であり、別々に運搬や保管することにより、積み忘れや紛失を招く懸念があるという課題があった。
また、特許文献2に記載された従来の技術では、正面側に湾曲した形状の枠体及び表示板には、張りを与え視認性を向上させることができるが、平面状のものに比べて風圧に対する低減効果は僅かであり、転倒や移動を防止するには不十分であるという課題があった。さらに、表示板の両面に標示することができず、標示効率が悪いという課題があった。
そして、特許文献3に記載された従来の技術では、反射面を凹状に形成して光の正反射を増大させて視認性を向上させているが、特に、凹状の構造から転倒防止の機能を発揮することができないという課題があった。また、表示板の両面に標示することができず、特許文献2と同様に標示効率が悪いという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、両面を用いて標示効率を向上させつつ、両面のいずれの面側から吹く風等の外力に対しても転倒を防止し、組み立てが容易で軽量且つ高強度の立て看板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である立て看板は、広告や標識を標示可能な平板状の表板部と、表板部を裏面側から支持する裏板部と、離間した表板部の底部と裏板部の底部を連結して支持する略平板状の連結板部とを有する立て看板であって、裏板部は、可撓性材料からなり表板部よりも短尺で表板部の長手方向の略中央の接合点で接合され、この接合点よりも下方では表板部側に凸に湾曲するように形成され、表板部は、可撓性材料からなり接合点よりも下方では裏板部側に凸に湾曲するように形成され、接合点を支点として接合点より上部が撓むものである。
上記構成の立て看板では、表板部は広告や標識を標示し、裏板部は表板部を裏面側から支持し、連結板部は離間した表板部の底部と裏板部の底部を連結して支持するように作用する。また、表板部及び裏板部は柔らかい可撓性材料からなり、接合点より下方では、表板部は裏板部側に、また、裏板部は表板部側に凸に湾曲するように形成されて起立状態を安定して保持するように作用する。そして、表板部は、接合点よりも上部は表板部側及び裏板部側からのいずれの側からの外力がかかっても撓み、外力が除去されると元の形状に戻るように作用する。
また、請求項2に記載の発明である立て看板は、請求項1記載の立て看板において、連結板部は、一の側縁部が表板部又は裏板部の底部のいずれか一方に固設され、他の側縁部は表板部又は裏板部の底部の他方に設けられる挿入口に挿脱可能な装着部を備えるものである。
上記構成の立て看板では、請求項1記載の発明の作用に加えて、連結板部の一の側縁部は、表板部又は裏板部の底部のいずれか一方に固定して設置され、他の側縁部は装着部を備えて表板部又は裏板部の底部の他方に設けられる挿入口に挿入したり外したりが自在であるように作用する。
そして、請求項3に記載の発明である立て看板は、請求項1又は請求項2に記載の立て看板において、裏板部の外側面及び表板部の接合点から上方の裏板部側の面も、広告や標識を標示可能であるものである。
上記構成の立て看板では、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、裏板部の外側面はもちろんのこと、表板部の接合点から上方の裏板部側の面も、広告や標識が標示されるように作用する。すなわち、立て看板は表裏両面のいずれも広告や標識が標示されるように作用する。
さらに、請求項に4記載の発明である立て看板は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立て看板において、表板部及び裏板部は2枚の薄板の間に複数の空隙を形成したプラスチックボードで形成されるものである。
上記構成の立て看板では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、表板部及び裏板部は、プラスチックボードが有する軽量性と高強度を備えるように作用する。
本発明の請求項1記載の立て看板では、表板部及び裏板部は柔らかい可撓性材料からなり、表板部の長手方向の略中央の接合点で接合され、接合点より下方では、表板部は裏板部側に、また、裏板部は表板部側に凸に湾曲するように形成されているので、安定した起立状態を保持することができる。また、外力がかかると、接合点よりも上部の表板部は撓んで力を逃がし、外力が除去されると元の形状に戻るので、強風や車の接触などによって外力が作用しても、転倒し難く、起立状態を保持することが可能である。
また、本発明の請求項2に記載の立て看板では、連結板部の他の側縁部は装着部を備えて表板部又は裏板部の底部の他方に設けられる挿入口に挿脱可能であり、不使用時には、連結板部の装着部を外して表板部と裏板部を折り畳んでコンパクトに収納することができる。また、使用時には、表板部と裏板部の底部を離間させて連結板部の装着部を挿入口に挿入するだけで、簡単に組み立てることができる。
そして、本発明の請求項3に記載の立て看板では、表板部だけでなく、裏板部の外側面及び表板部の接合点から上方の裏板部側の面においても、広告や標識が標示可能であり、表裏両面側から標示して視認性を向上させることが可能で標示効率が高い。
さらに、本発明の請求項4に記載の立て看板では、表板部及び裏板部は2枚の薄板の間に複数の空隙を形成したプラスチックボードで形成されるので、強度を保持しながらも軽量な構成を実現することができる。
本発明の実施の形態に係る立て看板の外形図である。 (a)は本実施の形態に係る立て看板のプラスチックボードの一部を切欠いて内部を示す概念図であり、(b)は(a)の立て看板のプラスチックボードの断面図であり、(c)は本実施の形態に係る立て看板のプラスチックボードの変形例をその一部を切欠いて内部を示す概念図であり、(d)は(c)の立て看板のプラスチックボードの断面図である。 (a)は本実施の形態に係る立て看板の側面を示す概念図であり、(b)は同じく立て看板の表板上部が外力によって傾斜した場合の側面を示す概念図である。 本実施の形態に係る立て看板の連結板の組み立て状態を説明するための概念図である。 (a)は本実施の形態に係る立て看板の連結板の外形図であり、(b)は同じく立て看板の連結板の側面図であり、(c)は同じく立て看板の連結板の揺動部を揺動させた場合の側面図である。 本実施の形態に係る立て看板の連結板の設置方法を示す概念図である。 図6中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る立て看板を図1乃至図7に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る立て看板の外形図である。
図1において、立て看板1は、主に、表板2、裏板3及び連結板4で構成されている。裏板3は表板2よりも短尺に形成され、表板2の裏側の接合点6において表板2に接合されている。また、連結板4は、表板2の底部と裏板3の底部を連結して、立て看板1の起立状態を安定化している。
表板2、裏板3及び連結板4には可撓性の材料を用いており、表板2及び裏板3は、接合点6よりも下方において、表板2は裏板3側に凸に、裏板3は表板2側に凸に湾曲して形成されている。また、連結板4には重り11を載置することが可能であり、重り11によって連結板4は下側に凸に湾曲するので、凸部が地面に接する場合は、地面との接点を増大させて立て看板1の起立状態をさらに安定化させる効果が得られる。
なお、符号5は、可視情報であり、本実施の形態では、道路交通に関する情報を標示しているが、広告や案内図等であってもよい。この可視情報5は、予め可視情報を印刷したフィルムを糊等で表板2上に貼付しており、フィルムを貼りかえることによって、容易に標示する内容を変更することができる。また、本実施の形態では、表板2に可視情報5を標示しているが、裏板3の外側面及び裏板3の外側面に続く接合点6よりも上方の表板2の裏側においても可視情報を標示することが可能であり、表板2側のみならず裏板3側にも標示することによって道路交通に関する情報の標示時にはもちろん、特に広告などにおいては訴求力の強い立て看板1を構成することもできる。表板2側と裏板3側で同一の可視情報5を標示可能であるばかりか、異なる可視情報5を標示可能であることは言うまでもない。
また、符号7及び符号8は支持部材、符号10は揺動部材であり、連結板4を表板2及び裏板3に連結するための部材であるが、詳細については後述する。
ここで、表板、裏板及び連結板を形成する可撓性のある材料の例として、プラスチックボードについて図2を用いて説明する。
図2(a)は、本実施の形態に係る立て看板のプラスチックボードの一部を切欠いて内部を示す概念図であり、(b)は(a)の立て看板のプラスチックボードの断面図であり、(c)は本実施の形態に係る立て看板のプラスチックボードの変形例をその一部を切欠いて内部を示す概念図であり、(d)は(c)の立て看板のプラスチックボードの断面図である。
図2(a)及び(b)において、プラスチックボード12aは、2枚のプラスチック薄板13a,13bの間に中空の筒状集合体14が挟持された構造で空隙を構成している。プラスチック薄板13a,13bと、複数の中空の筒状体14aが並んだ筒状集合体14は、ポリプロピレン等のプラスチックで形成されている。特に、ポリプロピレンではバージン樹脂でなく、再生樹脂を用いることも可能であり、また、破損したもの等は再生して使用することもでき、環境に配慮した材料であるとともに製品のコストダウンにもつながる。このような構成のプラスチックボード12aは、可撓性を有しているので外力によって容易に撓むことができ、また、弾性があるので外力が除去されると元の形状に復元することができる。しかも、軟らかいので、車等が接触しても人や車等を傷付け難い。そして、中空の筒状集合体14によって強度が強化されながらも軽量となるので、プラスチックボード12aを用いた立て看板は、耐久性を備え、また、軽量であるのでトラック等で設置現場に運搬容易であることはもちろんのこと、運搬後の設置の際にも取り扱い容易である。
図2(c)及び(d)に示されるプラスチックボード12bは、(a),(b)に示されるプラスチックボード12aの変形例であり、プラスチックボード12aが2枚のプラスチック薄板13a,13bに垂直に中空の筒状体14aが複数配置されているのに対し、プラスチックボード12bでは、プラスチック薄板13c,13dに平行に中空の筒状体14bが複数配置され筒状集合体14を形成している。
プラスチックボード12aでは、プラスチック薄板13a,13bに対して垂直に中空の筒状体14aが配置されていることから、平面視して上下と左右で材料強度に関する方向性はないが、プラスチックボード12bでは、平行に中空の筒状体14bが配置されていることから上下と左右で材料強度に関する方向性があると考えられる。従って、表板2や裏板3の厚みとともに図3を用いて説明する湾曲など必要な特性を考慮しながら、プラスチックボード12bの筒状体14bの配置方向を選択することができる。
このプラスチックボード12bを採用した立て看板も、プラスチックボード12aを採用した立て看板と同様に、軽量で耐久性を備えているので設置現場に運搬容易であり、また、運搬後の設置の際にも取り扱いが容易である。
次に、使用時の立て看板について、図3を用いて説明する。
図3(a)は、本実施の形態に係る立て看板の側面を示す概念図であり、(b)は、同じく立て看板の表板上部が外力によって傾斜した場合の側面を示す概念図である。なお、この立て看板には、図2(a)乃至(d)を用いて説明したいずれのプラスチックボードも使用可能であることは言うまでもない。
図3(a)において、立て看板1を側面からみると、表板2と裏板3は接合点6において接合し、表板2は、接合点6の上方の表板上部2aでは垂直に、接合点6の下方の表板下部2bでは裏板3側に凸に湾曲して形成されている。また、裏板3は接合点6の下方では表板2側に凸に湾曲して形成されている。そして、連結板4は、表板2と裏板3の底部を連結しているが、表板2及び裏板3の下端部からわずかに隙間15を開けており、地面に小石等による凸凹があってもこの隙間15で解消されるので、立て看板1を立設しやすくなっている。
次に、図3(b)において、矢印16方向に風等の外力がかかると、立て看板1では、特に、表板上部2aが撓んで傾斜し、外力を逃がすことができる。図3(a)に示したように、外力がかからない状態では、表板2は表板上部2aが垂直に、表板下部2bが裏板3側に凸に湾曲しているが、矢印16方向の外力がかかると、表板2は接合点6を支点として、裏板3側に凸に湾曲した表板下部2bは、凸の湾曲部分を消化しながら、裏板3の変形量にもよるが次第に逆方向に伸びるように変形し、垂直であった表板上部2aは、矢印16方向に傾斜して湾曲する。
また、裏板3は、表板2側にさらに深く凸に湾曲することで反発力を発揮して表板2を支える。このように表板2及び裏板3は可撓性材料から形成されて接合点6を支点として変形でき、外力がかかると弾性変形して外力を逃がし、再び元の形状に復元することができるので、強風又は人や車の接触があっても転倒することなく、立て看板1の起立状態を保持することができる。
なお、図示していないが、矢印16とは逆方向から外力がかかると、接合点6と支点として、表板2において、表板上部2aは矢印16の逆方向に撓み、表板下部2bは裏板3側に深く凸に湾曲し、一方、表板2側に凸に湾曲した裏板3は凸の湾曲部分を消化しながら次第に逆方向に伸びるように変形して、外力を逃がして、立て看板1の起立状態を保持することができる。
すなわち、略対称的な構造を備えることで表板2と裏板3のいずれの方向から風等が吹いて外力がかかったとしても、表板2と裏板3のいずれの側の可視情報5も大きく標示機能を損なうことなく視認性を維持させることが可能である。
続いて、連結板について、図4乃至図7を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る立て看板の連結板の組み立て状態を説明するための概念図である。
図4において、連結板4は、立て看板1の表板2と裏板3の底部に連結されており、表板2の下端部に設置される支持部材8に連結板4の一の側縁部が固定され、一方、裏板3の下端部では、図示していないが支持部材9に設けられる挿入口に連結板4の他の側縁部が挿脱可能に設置されている。また、後述するが、連結板4の両側縁部は揺動可能に形成されているので、連結板4の他の側縁部を挿入口から外すと、図中に点線で示すように連結板4の他の側縁部を上方に引き上げることが可能である。
したがって、表板2及び裏板3は連結板4を挟んで折り畳むことができ、不使用時には立て看板1は薄くなりコンパクトに収納することができる。従来の表板と裏板と連結板を備える立て看板では、連結板の中央部が折曲可能に構成されていることが多く、連結板を2枚になるように折曲すると、表板と裏板を折り畳むことができるが、この場合、折り畳んだ際には、表板、裏板及び2枚分の連結板の厚みが生じてしまう。一方、本実施の場合では、連結板4は折曲することなく収納できるので、立て看板1を折り畳んだ際の厚みを低減することができる。
次に、図5(a)は、本実施の形態に係る立て看板の連結板の外形図であり、(b)は同じく立て看板の連結板の側面図であり、(c)は同じく立て看板の連結板の揺動部を揺動させた場合の側面図である。
図5(a)において、連結板4は、本体部17と、本体部17の一の側縁部に固定ピン20a〜20cによって固定される揺動部18と、他の側縁部に固定ピン21a〜21cによって固定される揺動部19を備え、また、揺動部18にはスペーサ22が挟持されている。
図5(b)において、連結板4を側面からみると、揺動部18は、断面がコの字状の固定部材18aと断面が逆コの字状の支持部材18bが連接部23において接合されたものであり、支持部材18bが本体部17の一の側縁部を挟持し、固定部材18aがスペーサ22を挟持している。一方、揺動部19は、断面が逆コの字状の装着部材19aと断面がコの字状の支持部材19bが連接部24において接合されたものであり、支持部材19bは本体部17の他の側縁部を挟持し、装着部材19aは何も挟持されずに空いた状態になっているが、揺動部18と同様にスペーサを装着部材19aに挟持させてもよい。
次に、図5(c)に示すように、揺動部18及び揺動部19は、連接部23及び連接部24を揺動の軸として、固定部材18a及び装着部材19aがそれぞれ揺動可能になっている。後述するが、連結板4は、揺動部18及び揺動部19の揺動を利用してそれぞれ表板及び裏板に連結されている。
なお、揺動部18及び揺動部19は、連接部23及び連接部24により揺動可能に形成されているが、揺動の仕組みは特に限定されるものでなく、例えば、固定部材18aと支持部材18bあるいは装着部材19aと支持部材19bのように接合部23,24を介して一体に形成される場合の他、固定部材18aと支持部材18b、装着部材19aと支持部材19bをそれぞれ蝶番を用いて連結させて揺動するように構成することもできる。
次に、図6は、本実施の形態に係る立て看板の連結板の設置方法を示す概念図であり、図7は図6中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。
図6において、連結板4は、両側縁部の揺動部18及び揺動部19が連接部23及び連接部24を軸として揺動した後、立て看板の表板2及び裏板3の底部に連結されている。表板2の下端部では、表板2の下端部と連結板4の固定部材18aの一部とスペーサ22が断面コの字状の支持部材7に挿入されてリベット25a,25bで固定されている。
裏板3の下端部では、裏板3の下端部と連結板4の装着部材19aの一部が断面コの字状の支持部材8に挿入されている。また、図7に示されるとおり、支持部材8には装着部材19aを挿脱可能な挿入口28が形成されており、装着部材19aはコの字状の一方を支持部材8に形成される挿入口28に差し込み、他方を挿入口28から出して挟むように装着されている。このように装着部材19aを挟むように装着することによって、装着部材19aとの摩擦が大きくなり引き抜けることなく強固に保持させることができる。但し、装着部材19aは、コの字状の一方も他方も全体を挿入口28へ差し込むようにしてもよい。
なお、図6においては装着部材19aのコの字状形状をより明確化するために、コの字を形成する部分の隙間を大きく描いており、図6に示されるように装着部材19aのコの字状の一方を支持部材8の挿入口28に差し込み、他方を挿入口28から出す状態を描いても支持部材8と装着部材19aの間の摩擦が得られないように見える。しかしながら、実際には装着部材19aのコの字状の部分の隙間はあまり大きくなく、また、装着部材19a自体の厚みもあることから、支持部材8と装着部材19aの間の摩擦を得る構成とすることは十分可能である。
また、符号26a,26b,27a,27bはリベットであり、連結板4の本体部17と揺動部18の支持部材18b及び揺動部19の支持部材19bを固定するものである。
図7を用いてもう少し詳細に裏板3の下端部について説明を加える。支持部材8には、裏板3が挿入されており、また、狭幅の2個のスペーサ29a,29bが支持部材8の両端部にそれぞれ挿入されて、支持部材8、裏板3及びスペーサ29a,29bはリベット30a,30b及びリベット31a,31bで固定されている。そして、スペーサ29aとスペーサ29bの間には挿入口28が形成され、この挿入口28には、前述のとおり連結板の装着部材を挿脱可能に差込むことができる。
このように構成された本実施の形態では、可撓性材料を用いた表板及び裏板は、いずれの側からでも外力が作用した場合には、表板と裏板の接合点を支点として撓んで外力を逃がし、元の形状に復元するので、転倒することなく、道路上での起立状態を保持し、注意喚起等の標示を行うことができる。また、外力によって撓んだ際においても表板と裏板のいずれの側もその表面に標示される可視情報を視認することが可能であり、外力を受けた際の標示機能の低下を防止することが可能である。
また、表板と裏板の底部を連結する連結板を揺動可能に構成したので、立て看板は簡単に折り畳んだり、組み立てたりすることができ、作業効率を向上させることができる。
そして、軽量で高強度のプラスチックボードを用いているので、耐久性に優れ、運搬が容易で、人や車の接触によって人や車を傷付けるような不具合を防止することができる。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項4に記載された発明は、外力で転倒し難く、しかも高い標示機能を発揮して、組み立て及び解体が簡便で軽量で高強度の立て看板を提供可能であり、道路標識や広告看板などに利用可能である。
1…立て看板 2…表板 2a…表板上部 2b…表板下部 3…裏板 4…連結板 5…可視情報 6…接合点 7…支持部材 8…支持部材 10…揺動部材 11…重り 12a,12b…プラスチックボード 13a〜13d…プラスチック薄板 14…筒状集合体 14a,14b…筒状体 15…隙間 16…矢印 17…本体部 18…揺動部 18a…固定部材 18b…支持部材 19…揺動部 19a…装着部材 19b…支持部材 20a〜20c…リベット 21a〜21c…リベット 22…スペーサ 23…連接部 24…連接部 25a,25b…リベット 26a,26b…リベット 27a,27b…リベット 28…挿入口 29a,29b…スペーサ 30a,30b…リベット 31a,31b…リベット

Claims (4)

  1. 広告や標識を標示可能な平板状の表板部と、前記表板部を裏面側から支持する裏板部と、離間した前記表板部の底部と前記裏板部の底部を連結して支持する略平板状の連結板部とを有する立て看板であって、
    前記裏板部は、可撓性材料からなり前記表板部よりも短尺で前記表板部の長手方向の略中央の接合点で接合され、この接合点よりも下方では前記表板部側に凸に湾曲するように形成され、
    前記表板部は、可撓性材料からなり前記接合点よりも下方では前記裏板部側に凸に湾曲するように形成され、前記接合点を支点として接合点より上部が撓むことを特徴とする立て看板。
  2. 前記連結板部は、一の側縁部が前記表板部又は前記裏板部の底部のいずれか一方に固設され、他の側縁部は前記表板部又は前記裏板部の底部の他方に設けられる挿入口に挿脱可能な装着部を備えることを特徴とする請求項1記載の立て看板。
  3. 前記裏板部の外側面及び前記表板部の接合点から上方の裏板部側の面も、広告や標識を標示可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の立て看板。
  4. 前記表板部及び前記裏板部は2枚の薄板の間に複数の空隙を形成したプラスチックボードで形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立て看板。
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