JP5276208B1 - アルミ電線引留クランプ - Google Patents

アルミ電線引留クランプ Download PDF

Info

Publication number
JP5276208B1
JP5276208B1 JP2012231645A JP2012231645A JP5276208B1 JP 5276208 B1 JP5276208 B1 JP 5276208B1 JP 2012231645 A JP2012231645 A JP 2012231645A JP 2012231645 A JP2012231645 A JP 2012231645A JP 5276208 B1 JP5276208 B1 JP 5276208B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chuck
electric wire
aluminum
main body
lower chuck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012231645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014087089A (ja
Inventor
一禎 ▲高▼橋
Original Assignee
東神電気株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東神電気株式会社 filed Critical 東神電気株式会社
Priority to JP2012231645A priority Critical patent/JP5276208B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5276208B1 publication Critical patent/JP5276208B1/ja
Publication of JP2014087089A publication Critical patent/JP2014087089A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Clamps And Clips (AREA)
  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Abstract

【課題】高圧架空電線の引留め作業に必要な部品点数を少なくすることにより、電柱等の頂部における電線引留め作業の省力化、スピードアップ化を可能にしたアルミ電線引留クランプを提供する。
【解決手段】空中に張設されたアルミ電線Wを、電柱の上部近傍においてクランプし、碍子に引き留めるための電線引留クランプ10である。その構成は、本体1と、クサビ状をした下チャック2と上チャック3とから成るチャック体7と、上チャック3を付勢するばね体4と、下チャック2のストッパー5と、本体1を碍子に係止するコッター6とから成る。下チャック2の碍子側端部には、上チャック3の碍子側端部を包囲する包囲壁2cを形成し、その外面には、電線Wを把持したチャック体7の全体を本体1のチャック体把持部1a内に押し込んでなじませる打撃面2gが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空中に架設されている配電用のアルミニウム製電線をクサビ体で把持して、電柱や、鋼板又は鋼管製の支柱(以下、これらの支柱を総称して「電柱」という。)に引き留めるアルミ電線引留クランプに関する。
従来より、電柱の径間に張設された、例えば一般家庭等への配電用高圧(例えば6600V)電線をこれら電柱の頂部近傍でクランプし、高圧碍子を介して碍子側に引き留める種々の形式の電線引留クランプが使用されている。
上記架空電線の種類としては、銅線の他、最近ではアルミニウムのみで構成された、いわゆる「硬アルミ線」と、鋼製心線の周囲を複数のアルミニウム製撚線で包囲した、いわゆる「鋼心アルミ撚線」とから成るアルミニウム製高圧用電線(以下、「アルミ電線」と略称する。)が使用されている。
従来のアルミ電線引留クランプの一例としては、例えば図6に示す形式のアルミ電線引留クランプ50が存在した(例えば特許文献1)。
この従来のアルミ電線引留クランプ50は、図6(a)に示すように、本体51と、本体に設けられたスライド溝52に沿って図の左右方向にスライド可能で、いずれもクサビ形状をした下チャック53及び上チャック54と、両チャック53、54間でアルミ電線W(図6(b))を把持するための六角ボルト55、ばね座金56及び平座金57とから成るもので、その主要構成部品の本体51、下チャック53及び上チャック54の材質は、鋳鉄又はアルミニウムが使用されていた。
このアルミ電線引留クランプ50の使用に際しては、図6(b)に示すように、本体51の左端部を図示しない碍子に連結し、右端部をシメラー(公知の電線張線具)Sのフック58をフック孔59に引っ掛ける。
そして、アルミ電線Wを下チャック53と上チャック54間で挟持し、そのクサビ効果で本体51にクランプするものであるが、クランプ前に下チャック53と上チャック54間を、平座金57とばね座金56を介して六角ボルト55を下チャック53に強固にねじ込んで固定していた。
しかし、上記六角ボルト55による下チャック53へのねじ込み作業は、図示しない電柱頂部の高所で所定時間をかけて行われていたため、クランプ作業の省力化と、スピードアップ化が望まれていた。
一方、鉄塔間に張線された高圧送電線用のアルミ電線引留クランプとして、クサビをクランプ本体に強力に押し込むために、油圧シリンダー及び油圧ポンプ等からなる油圧機器により、アルミ電線を把持したクサビをクランプ本体に押し込む形式のものがあった(例えば特許文献2、3)。
しかし、一般家庭等への配電を目的とする配電線用のアルミ電線引留クランプには、このような強力なクランプ力を必要とする油圧機器は不要であり、もっと簡易な構成で、しかも短時間でアルミ電線の引留め作業が可能になるアルミ電線引留クランプの出現が望まれていた。
特開平7−231545号公報(図1、符号11) 特開平11−187551号公報(図5、符号20、21) 特開2011−234596号公報(図3、符号300)
本発明は、上記従来技術の問題点を解消するものであり、クランプの構成部品点数を少なくことにより、電柱等の高所でのボルト等のねじ込み作業に頼らずとも、電柱頂部におけるアルミ電線引留め作業の省力化、スピードアップ化を可能にしたアルミ電線引留クランプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るアルミ電線引留クランプは、空中に所定の張力で張設されたアルミニウム電線を、電柱の上部近傍においてクランプし、前記電柱上部に位置する碍子に引き留めるためのアルミ電線引留クランプであって、前記電線の略軸方向に延びる本体と、該本体への装着時において前記電線に締結金具によって固定されることなく、該本体と前記電線とに対して進退自在に案内され、前記電線をいずれもクサビ状をした下チャックと上チャックとで挟持するためのチャック体と、前記上チャックを前記下チャックから遠ざかる方向に常時付勢するためのばね体と、前記下チャックの前記碍子側への過剰な後退を停止させるためのストッパーと、前記本体を前記碍子に係止するためのコッターと、から成り、前記本体は、一端部に前記コッターを挿入するための取付孔が形成され、他端部には前記電線を挿入可能な正面開口を有し、内部にテーパー状案内溝を有するチャック体把持部と、前記電線を空中に仮張設するためのフック孔とが形成され、前記下チャックと上チャックとは、その上下面寸法が本線側方向に沿って暫減するクサビ状に形成され、前記チャック体のクサビ面が前記本体のチャック体把持部のテーパー状案内溝内を進退することで、前記下チャックと上チャックとによる電線の把持と電線の離反とが可能であり、前記下チャックの碍子側端部には、前記本体の軸方向と直交する方向に延びる位置に、前記上チャックの碍子側端部を収脱可能に包囲して係止するための包囲壁が該下チャックと一体に立設され、さらに、前記包囲壁のうち碍子側包囲壁の外面には、前記電線を把持したチャック体の全体を前記本体のチャック体把持部内に一体に押し込んでなじませるための打撃面が形成されていることを特徴とする。
ここで、前記ばね体の配設位置は、前記碍子側の下チャックと上チャックとの間であり、該上チャックの本線側端部の両側面には、電線軸方向に延びる突起が形成されているとともに、前記本体のチャック体把持部内には、前記突起を差し込む案内溝が形成されているのが好ましい。
本体には、下チャックをアルミ電線の軸方向に沿ってスライド可能にすべく、横断面が凹状のスライド溝を形成するのが好ましい。
本発明のアルミ電線引留クランプのチャック体の材質については、クランプ時のクサビ作用によりチャック体をアルミ電線によく馴染ませ、また、電食を防止するために、アルミニウム系金属で構成するのが好ましい。
なお、前記下チャックと上チャックのアルミ電線把持面には、アルミ電線の張力によるアルミ電線の把持力を向上させるための凹凸加工が施されているのが好ましい。凹凸加工の具体的形状としては、例えば、階段状や、三角錐又は四角錐の他、アルミニウム線の撚角度に一致した螺旋状形状にしても良い。要は下チャックと上チャックのアルミ電線把持面を、アルミ電線の把持力が最も高くなる凹凸形状に加工するのである。
本発明に係るアルミ電線引留クランプによれば、次の作用効果を奏することができる。
1.アルミ電線の把持部である下チャックと上チャック間に、従来技術で用いていた六角ボルト等の締結金具を全く必要としなくなった。
したがって、アルミ電線引留クランプを構成する部品点数が少なくなり、作業者は電柱頂部での六角ボルトによる締結作業をする必要がない。
よって、電柱頂部におけるアルミ電線引留め作業の省力化、スピードアップ化が可能になる。
2.上記構成に加えて、ばね体の配設位置を碍子側の下チャックと上チャックとの間とし、この上チャックの本線側端部の両側面に電線軸方向に延びる突起を設け、本体のチャック体把持部内に前記突起を差し込む案内溝を形成した場合には、常に下チャックと上チャック間にアルミ電線装着用の隙間が形成される。
したがって、作業者は、アルミ電線を下チャックと上チャック間で把持するに際し、上チャックを持ち上げる必要がない。
よって、作業者は、電柱頂部におけるアルミ電線のクランプ作業を省力化することができる。
3.本体には、下チャックをアルミ電線の軸方向に沿ってスライド可能にすべく、横断面が凹状のスライド溝が形成されているので、チャック体全体の本体に対する相対移動がスムーズになり、チャック体把持部とチャック体とによるクサビ作用が効果的に行われる。
本発明の一実施例に係るアルミ電線引留クランプ10の全体斜視図である。 図1のアルミ電線引留クランプ10の構成部品である本体の3面図で、図2(a)はその正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は右側面図である。 図1のアルミ電線引留クランプ10の構成部品である下チャック2の5面図で、図3(a)はその正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は左側面図、図3(d)は右側面図、図3(e)は図3(b)中の凹凸部2kの別例の拡大平面図である。 図1のアルミ電線引留クランプ10の構成部品である上チャック3の4面図で、図4(a)はその正面図、図4(b)は背面図、図4(c)は左側面図、図4(d)は右側面図である。 図1のアルミ電線引留クランプ10の使用方法を説明するステップ図で、図5(a)はアルミ電線引留クランプ10にアルミ電線Wを挿入する様子を示す正面図、図5(b)はチャック体7を本体に押し込む様子を示す正面図、図5(c)はチャック体7を本体1に挿入してクサビ面をなじませる様子を示す正面図、図5(d)はアルミ電線Wのクランプ作業が完了し、シメラーSを取り外し、張力をアルミ電線Wに掛け替えた状態を示す正面図である。 従来のアルミ電線引留クランプ50の全体図で、図6(a)はその正面図、図6(b)は図6(a)のクランプ50の使用図である。
以下、本発明の一実施形態に係るアルミ電線引留クランプ(以下、「電線引留クランプ」と略称する。)を図面に基づいて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明に係る電線引留クランプ10を組み立てた状態の全体斜視図である。
図に示すように、本発明の電線引留クランプ10は、本体1と、下チャック2と、上チャック3と、コイルばね4と、止めピン5と、割ピン付きコッター6とで構成されている。
ここで、下チャック2と上チャック3とは、それぞれの下面2mと上面3fとで1つのクサビ形状をなしており、以下、「チャック体7」と称する。
これら部品の組立状態を概略説明すると、本体1は、図の実線の矢印方向に位置する図示しない電柱頂部にある高圧碍子に割ピン付きコッター6を介して連結される。
そして、張線されている架空のアルミ電線Wは、外形がクサビ(楔)形状をした下チャック2と上チャック3とで上下から挟持された状態で、本体1の右端部に形成された横断面が略C形状のチャック体把持部1a内に挿入され、チャック体7のチャック体把持部1aに対するクサビ効果によって強力にクランプされ、図の破線の矢印方向に引き留められるのである。
コイルばね4は、組立時の省力化のためにアルミ電線Wを下チャック2と上チャック3間が常に開口するように付勢するためのもの、止めピン5は、下チャック2が必要以上に図の左方向に移動しないように制限するストッパーである。
なお、以下の説明では、図の左側を「碍子側」と称し、図の右側を「本線側」と称することにする。
<各構成部品>
次に、図2〜図4を参照しながら、各構成部品を詳細に説明する。
図2は、本体1の3面図で、図2(a)はその正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は右側面図、図2(d)はA−A部の横断面図である。
本体1は、本発明の電線引留クランプ10のベース的役割をするもので、中央の腕部1cと、その左端部に形成されたコッター部1dと、右端部に形成されたチャック体把持部1aとで一体に構成されている。
コッター部1dは、図示しない電柱頂部に設けられた高圧碍子を介して支持される部位であり、図2(a)及び図2(b)に示すように、二股のヨーク状に形成されており、コッター6(図1)が挿入される貫通孔1eが設けられている。
腕部1cは、コッター部1dとチャック体把持部1aとを連結するための所定長さの棒状部位である。図2(d)に示すように、その横断面形状は、略「コ」字状断面をしており、内部にはスライド溝1bが全長に渡って形成されている。このスライド溝1b内をチャック体7(図1)がスライドすることにより、チャック体7の全体を左右に案内できるようになっている。また、スライド溝1bの左端の手前には、前述した止めピン5の着脱孔5aが設けられている。
チャック体把持部1aは、アルミ電線Wを上下から挟持した状態の下チャック2と上チャック3とを、クサビ作用によりクランプする部位であり、アルミ電線Wを挿入できるように、電線軸方向に沿う正面開口1mを有し、内部には電線軸方向に沿って図の右方向に行くに従って上下面寸法が暫減するテーパー状案内溝1fが形成されている。
ここでテーパー状案内溝1fは、その機能より換言すると、クサビ面ともいうべき傾斜面であり、電線軸Cを中心としてクサビ角θで上下に振り分けになっている。
また、図2(c)に示すように、テーパー状案内溝1fの近傍には、後述する上チャック3の案内溝1gが形成されている。
また、チャック体把持部1aは、アルミ電線Wを把持しているチャック体7から受ける強力な拡開力に対抗するために、所定長さL1を有し、その外周面には補強用の複数のリブ1hが形成されている。
フック掛け部1iは、クランプ当初に電柱の径間において、図5で後述するシメラーSのフック部分Fを引っ掛けて牽引するときに使用するものである。
図3は、下チャック2の5面図で、図3(a)はその正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は図3(a)の下チャック2の左側面図、図3(d)は右側面図、図3(e)は図3(b)中の凹凸部2kの別例の拡大平面図である。
図3(a)に示すように、下チャック2の正面の全体形状は、アルミ電線Wの把持面2aに対する傾斜面2mの傾斜角がθのクサビ状の傾斜面に形成されている(電線軸方向の長さ:L2)。把持面2aは、クランプするアルミ電線Wの最大径よりもやや大きな半径Rを有する円弧面となっており、把持面2a上にはクランプ後のアルミ電線Wの滑りを防止するための凹凸部が電線軸方向に形成されている。
この凹凸部の形状は、例えば図3(b)に示す梯子状凹凸部2kや、図3(e)に示す三角錐状凹凸部2nの他、四角錐状凹凸部(不図示)等の種々の形状にすることができる。
また、下チャック2の碍子側には、電線軸C(図2(a))に対して直交する方向にいずれもデッキ状にはみ出したアルミ電線支え2bと、上チャック頭部包囲壁2cとが形成されている。
このうち、アルミ電線支え2bは、アルミ電線Wを把持面に挿入し易くするためのもので、下チャック2の前面方向(紙面に直交する方向)にはみ出している。
下チャック2の上チャック頭部包囲壁2cは、図1に示すように、組立て後の上チャック3の碍子側頭部3bを3面から包囲することで当該碍子側頭部3bの位置決めをするためのもので、下チャック2の裏面方向に延びている。
この上チャック頭部包囲壁2cは、図3(b)に示すように、本体1の軸方向と直交する方向に延びて立設された、平面視で略「コ」字状をした壁面であり、アルミ電線把持面2a側を除く側壁2d(高さH)、本線側壁2e及び背後側壁2fの3壁から構成されている。
碍子側壁2dの外面には、碍子側に突出した打撃面2gが形成され、本線側壁2eの外面には、打撃時の衝撃力に耐えるようにリブ2hが形成されている。
また、3壁面の内部には、コイルばね4が装着可能な外径と、コイルばね4の自由長よりは短い長さとを備えたコイルばね装着棒2iが一体に立設されている。
また、下チャック2の背面側であって、電線軸方向のほぼ中央部には、下チャック2の本体1への組み込み時に本体1の係合溝1p(図2(a))と係合する突起部2jが形成されている。
図4は、上チャック3の4面図で、図4(a)は正面図、図4(b)はその背面図、図4(c)は左側面図、図4(d)は右側面図である。
図4(a)に示すように、上チャック3の正面形状は、電線軸C方向に対する傾斜面3fの傾斜角が前述した下チャック2と同様のθでクサビ状に形成されている。
また、図4(b)に示すように、背面のアルミ電線把持面3aには、前述した下チャック2と同様の形状を有する凹凸部3cが電線軸C方向(図2(a))に形成されている。
また、上チャック3の本線側の前面と背面とには、前述した本体1のチャック体把持部1aの案内溝1g内に係止される突起3dがくさび角θで電線軸C方向に所定長さで形成されている。
一方、図4(b)に示すように、上チャック3の碍子側の背面には、電線軸Cに対して直交する方向に碍子側頭部3bが形成され、その背面には、前述した圧縮コイルのばね受け3eが円形の凹部として形成されている。
碍子側頭部3bの平面形状は、前述した下チャック2の上チャック頭部包囲壁2c内に、使用時に容易に収脱できる形状に形成されている。
以上に説明した本発明の構成部品のうち、本体1は、鋳鉄製であり、下チャック2と上チャック3の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミ系金属製である。
上、下チャックの製造方法としては、アルミニウム地金からの削り出しや、一般鋳造法による製造方法の他、大量生産と高品質が可能な真空ダイカスト法、無孔性ダイカスト法等がある。
<各構成部品の組立>
以上の構成部品を組立て、図1に示した電線引留クランプ10とするには、まず、本体1から止めピン5を抜き、下チャック2の突起部2jを本体1の係合溝1pに係合した後、下チャック2の傾斜面2m(クサビ面)を本体1のスライド溝1b内に挿入して、下チャック2全体を碍子側に引き下げ、コイルばね4を下チャック2のコイルばね装着棒2i内に挿入する。
次に、上チャック3の突起3dを本体1の案内溝1gに挿入しつつ、反対側の碍子側頭部3bを、下チャック2の上チャック頭部包囲壁2c内に上から嵌め込み、同時にコイルばね4の頭部をばね受け3e内に収める。
以上で本体1に対する上チャック3と下チャック2の組み立てが完了し、上チャック3と下チャック2間には、コイルばね4の反発作用により、両チャック間に常時、アルミ電線挿入用の隙間G(図1)が形成される。
<使用方法>
次に、図5に基づいて、本発明のアルミ電線引留クランプ10の使用方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、本体1のコッター部1dを図示しない高圧碍子のフックに引っ掛ける。
次に、本体1のフック掛け部1iにアルミ電線Wの張線器であるシメラーSのフックFを引っ掛けてアルミ電線Wを張線した後、電線引留クランプ10の全体をその下チャック2の碍子側端部が止めピン5に当接するまで碍子側へ引き下げる。図5(a)は、この状態を示したものである。
このとき上チャック3の本線側は、上チャック3の突起3dが本体1のチャック体把持部1aの案内溝1bで支持され、一方、碍子側はコイルばね4により、下チャック2から遠ざかる方向に常時付勢されているので、下チャック2と上チャック3間にはアルミ電線Wの挿入隙間Gが常時、確保されている。したがって、作業者はアルミ電線Wを下チャック2と上チャック3間に挿入するに際して、自分の手で上チャック3をいちいち上方に持ち上げる必要はなく、チャック体7へのアルミ電線Wの装着作業が格段に省力化される。
次に、図5(b)に示すように、作業者は、チャック体7の全体をそれらの傾斜面2m、3f(クサビ面)が本体1のチャック体把持部1aのテーパー状案内溝1fに当接するまで押し込む。
次に、本発明ではこの作業が重要であるが、図5(c)に示すように、下チャック2の打撃面2gを矢印方向の本線側に強く押すか、ハンマー等で軽く叩くことにより、チャック体7の全体がチャック体把持部1aのテーパー状案内溝1f(クサビ面)によくなじむまで押し込む。
この場合、図に示すように打撃面2gの裏側には、上チャック3の碍子側頭部3bが接触しているので、下チャック2と上チャック3とから成るチャック体(クサビ体)7は一体となって、チャック体把持部1aのテーパー状案内溝1f内に押し込まれる。つまり、この工程は、従来の油圧シリンダー等の油圧機器を用いたクサビ体の押込み作業に相当するものである。
最後に、図5(d)に示すように、シメラーSのフックFを本体1のフック掛け部1iから外し、アルミ電線Wに張力を掛け換える。アルミ電線Wは、自身の張力によりチャック体7を本線側に引っ張ろうとするが、チャック体7のクサビ効果により、チャック体7にアルミ電線Wの張力が懸かれば懸かるほど下チャック2と上チャック3とから強固にクランプされる。
<発明の作用効果>
かくして得られた本発明のアルミ電線引留クランプ10は、次の作用効果を奏することができる。
1.本発明の電線引留クランプ10は、下チャック2と上チャック3とから成るチャック体7を本体1のチャック体把持部1aのテーパー状案内溝1f内のクサビ面1fに押し込むに際し、下チャック2の上チャック頭部包囲壁2cを本体1のチャック体把持部1a方向に押してなじませるだけでよく、図6で前述したような、六角ボルト55の捩じ込みによる下チャック53、54間の締結作業が一切、不要となる。
したがって、作業員は、アルミ電線引留作業の省力化、スピードアップ化が達成できる。
2.前述したように、上チャック3の本線側は、上チャック3の突起部3dが本体1のチャック体把持部1aの案内溝1gで支持され、一方、碍子側はコイルばね4により、下チャック2から遠ざかる方向に常時付勢されているので、下チャック2と上チャック3間にはアルミ電線Wの挿入隙間Gが常時、確保されている。
したがって、作業者はアルミ電線Wを下チャック2と上チャック3間に挿入するに際して、自分の手で上チャック3をいちいち上方に持ち上げてアルミ電線挿入用の隙間を確保する必要はなく、アルミ電線Wのチャック体7への装着作業を一段と省力化することができる。
3.本体1には、下チャック2をアルミ電線の軸方向に沿ってスライド可能にすべく、横断面が凹状のスライド溝1bが形成されているので、チャック体7全体の本体1に対する相対移動がスムーズになる。
したがって、チャック体把持部1aとチャック体7とによるクサビ作用が効果的に行われるようになる。
1 本体
1a チャック体把持部
1b スライド溝
1e 取付孔
1f テーパー状案内溝(クサビ面)
1g 案内溝
2 下チャック
2a アルミ電線把持面
2c 上チャック頭部包囲壁(包囲壁)
2g 打撃面
2m 下面の傾斜面(クサビ面)
3 上チャック
3b 碍子側頭部
3d 突起
3f 上面の傾斜面(クサビ面)
4 コイルばね(ばね体)
5 止めピン(ストッパー)
6 割ピン付きコッター
7 チャック体
10 アルミ電線引留クランプ(本発明品)
50 アルミ電線引留クランプ(従来品)
C 架空高圧アルミ電線の電線軸
G アルミ電線挿入用の隙間
L 本体のチャック体把持部の長さ
S 電線張線具
W 架空高圧アルミ電線
θ クサビ角

Claims (3)

  1. 空中に所定の張力で張設されたアルミニウム電線を、電柱の上部近傍においてクランプし、前記電柱上部に位置する碍子に引き留めるためのアルミ電線引留クランプであって、
    前記電線の略軸方向に延びる本体と、
    該本体への装着時において前記電線に締結金具によって固定されることなく、該本体と前記電線とに対して進退自在に案内され、前記電線をいずれもクサビ状をした下チャックと上チャックとで挟持するためのチャック体と、
    前記上チャックを前記下チャックから遠ざかる方向に常時付勢するためのばね体と、
    前記下チャックの前記碍子側への過剰な後退を停止させるためのストッパーと、
    前記本体を前記碍子に係止するためのコッターと、から成り、
    前記本体は、一端部に前記コッターを挿入するための取付孔が形成され、他端部には前記電線を挿入可能な正面開口を有し、内部にテーパー状案内溝を有するチャック体把持部と、前記電線を空中に仮張設するためのフック孔とが形成され、
    前記下チャックと上チャックとは、その上下面寸法が本線側方向に沿って暫減するクサビ状に形成され、前記チャック体のクサビ面が前記本体のチャック体把持部のテーパー状案内溝内を進退することで、前記下チャックと上チャックとによる電線の把持と電線の離反とが可能であり、
    前記下チャックの碍子側端部には、
    前記本体の軸方向と直交する方向に延びる位置に、前記上チャックの碍子側端部を収脱可能に包囲して係止するための包囲壁が該下チャックと一体に立設され、
    さらに、前記包囲壁のうち碍子側包囲壁の外面には、前記電線を把持したチャック体の全体を前記本体のチャック体把持部内に一体に押し込んでなじませるための打撃面が形成されていることを特徴とするアルミ電線引留クランプ。
  2. 請求項1記載のアルミ電線引留クランプにおいて、
    前記ばね体の配設位置は、前記碍子側の下チャックと上チャックとの間であり、
    該上チャックの本線側端部の両側面には、電線軸方向に延びる突起が形成されているとと
    もに、前記本体のチャック体把持部内には、前記突起を差し込む案内溝が形成されている
    ことを特徴とするアルミ電線引留クランプ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のアルミ電線引留クランプにおいて、
    前記本体には、前記下チャックを前記電線の軸方向に沿ってスライド可能にすべく横断
    面が凹状のスライド溝が形成されていることを特徴とするアルミ電線引留クランプ。
JP2012231645A 2012-10-19 2012-10-19 アルミ電線引留クランプ Active JP5276208B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012231645A JP5276208B1 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 アルミ電線引留クランプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012231645A JP5276208B1 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 アルミ電線引留クランプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5276208B1 true JP5276208B1 (ja) 2013-08-28
JP2014087089A JP2014087089A (ja) 2014-05-12

Family

ID=49179259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012231645A Active JP5276208B1 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 アルミ電線引留クランプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5276208B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111446681A (zh) * 2020-05-25 2020-07-24 安徽华希电力科技有限公司 一种新型输电架空线路线夹
CN117977469A (zh) * 2024-03-29 2024-05-03 卓启建工集团有限公司 一种电力耐张线夹

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101655049B1 (ko) * 2015-12-09 2016-09-06 김규중 쐐기형 인장 클램프

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57186125U (ja) * 1981-05-20 1982-11-26
JPS6022753Y2 (ja) * 1979-11-06 1985-07-06 恒和工業株式会社 電線引留用クランプ
JP2002051417A (ja) * 2001-06-11 2002-02-15 Chubu Electric Power Co Inc 耐張装置の緊線方法及びその方法で用いる金車取付金具
JP2003037925A (ja) * 2000-07-18 2003-02-07 Asahi Tec Corp クランプ
JP2007209087A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Asahi Electric Works Ltd 楔式引留クランプ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6022753Y2 (ja) * 1979-11-06 1985-07-06 恒和工業株式会社 電線引留用クランプ
JPS57186125U (ja) * 1981-05-20 1982-11-26
JP2003037925A (ja) * 2000-07-18 2003-02-07 Asahi Tec Corp クランプ
JP2002051417A (ja) * 2001-06-11 2002-02-15 Chubu Electric Power Co Inc 耐張装置の緊線方法及びその方法で用いる金車取付金具
JP2007209087A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Asahi Electric Works Ltd 楔式引留クランプ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111446681A (zh) * 2020-05-25 2020-07-24 安徽华希电力科技有限公司 一种新型输电架空线路线夹
CN111446681B (zh) * 2020-05-25 2021-02-09 安徽华希电力科技有限公司 一种新型输电架空线路线夹
CN117977469A (zh) * 2024-03-29 2024-05-03 卓启建工集团有限公司 一种电力耐张线夹

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014087089A (ja) 2014-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10717589B2 (en) Steel pipe support and steel pipe supporting device
CA2768281A1 (en) Wedge dead end clamp assembly
JP5276208B1 (ja) アルミ電線引留クランプ
CN204573525U (zh) 一种用于在柱体上固定物体的紧固连接装置
US8302265B1 (en) Wire gripper for supporting an electrical box or suspended load
US10673213B2 (en) Wire grip and live wire distributing tool having the wire grip
CN201435583Y (zh) 快速螺栓楔型耐张线夹
JP2020039215A (ja) 電線仮支持具
JP6544575B2 (ja) 耐張クランプ
CN105655952B (zh) 10kv配电线路电缆架设夹具及使用方法
US8359792B1 (en) Guy adapter having non-integral pulling eye
CN201038688Y (zh) 钢质电缆防盗夹
JP5465767B1 (ja) コッタピン用割ピンの着脱工具
JP5787748B2 (ja) 楔型引留クランプの押込機
JP6960015B1 (ja) ワイヤーロープのソケッティング用治具装置およびソケッティング方法
CN213560766U (zh) 一种钢筋焊接辅助工具
JP4350324B2 (ja) 高圧ピン碍子交換具と高圧ピン碍子の交換方法
CN100456590C (zh) 钢质电缆防盗夹
JP2018200836A (ja) 弛度調整用連結具
CN220934748U (zh) 一种导线牵引装置
KR20040010018A (ko) 쉐벨기능이 있는 가공전선 가선용 전선클립
CN219547572U (zh) 一种钢绞线退锚工具
JP5546334B2 (ja) 楔型引留クランプの引抜機及びその引抜き施工方法
JP3232775U (ja) 引留装置取替用工具
CN211333028U (zh) 汽车焊装夹具定位销拉销器

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5276208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250