JP5275670B2 - 空調ダクト仮止用治具及び建物ユニットの運搬方法 - Google Patents
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Description
また、建築現場で建物ユニットを組付ける作業時には、目地処理その他で建物ユニットの天井面材上で作業員が作業することがあるので、建物ユニットは、工場にて天井小梁上にベニヤ板等の仮設の足場板が敷き詰められた状態とされ、建築現場へ搬出される。これにより、建築作業時に、建物ユニットの天井面材上で作業員が作業をしても、作業員の体重等の荷重が足場板及び取付金具を介して天井小梁へ伝達されるので、空調ダクトに直接、上方から圧縮荷重が掛からなくなり、空調ダクトに潰れ等の損傷が生じることが防止される。
また、建築途中のユニット式建物では、建物ユニット間の連結が完了し、それらの建物ユニット上に載置されていた足場板が撤去されると、下層階の建物ユニット上に上層階の建物ユニット又は屋根が積載される。この状態では、天井小梁上の空調ダクトに直接、外部荷重が作用しないことから、外部からの荷重により空調ダクトが天井面材上で移動したり、損傷することもないので、天井小梁に固定された取付金具は機能的には不要なものになる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、運搬時及び建築作業時に天井面材上に配置された空調ダクトが移動及び損傷することを防止でき、しかも建物ユニットに対する組付作業及び回収作業を簡単に行える空調ダクト仮止用治具及び建物ユニットの運搬方法を提供することにある。
また、上記構成の空調ダクト仮止用治具は、一対の連結部を梁材上に載置するだけで、梁材に着脱可能に装着できるので、建物ユニット(梁材)に対する組付作業を簡単に行え、また一対の連結部を梁材上から上方へ離脱させるだけで、建物ユニットから分離できるので、建物ユニットからの回収も簡単に行える。
また、仮止治具が梁材に装着された状態で、その連結部は当接片を梁材の上端面に当接させると共に、一対の挟持片により梁材を挟持しているだけなので、仮止治具を建物ユニットから回収する際には、仮止治具を梁材上から上方へ持ち上げるだけで、梁材から離脱させて建物ユニットから回収することができる。
上記構成の空調ダクト仮止用治具では、ホルダ部及び一対の連結部が1枚の金属板が曲げ加工されて成形されていることにより、所定の形状に予め成形された金属板に対してプレス加工等の曲げ加工を行うだけで、ホルダ部及び一対の連結部を形成できるので、ホルダ部及び一対の連結部を有する仮止治具を低コスト、かつ簡単に製造することができる。
図1には本発明の実施形態に係るユニット式建物が側面断面図により示され、図2には、図1に示されるユニット式建物を構成する建物ユニットの一例が斜視図により示されている。本実施形態に係るユニット式建物10は、建物の内部の空調によるエネルギー損失を少なくするために、室内の気密性および断熱性を高くした高気密及び高断熱建物として構成されている。ユニット式建物10は、基礎12上に設けられた建物本体14と、この建物本体14上に配置された屋根16とを備えている。
なお、以下の記載では、長辺側の上梁34及び下梁38の長手に沿った方向を建物ユニット18、20の奥行方向(図2の矢印D方向)、短辺側の上梁36及び下梁40の長手に沿った方向を建物ユニット18、20の幅方向(図2の矢印W方向)、柱32の長手に沿った方向を建物ユニット18、20の高さ方向(図2の矢印H方向)として説明を行う。
天井パネル50に空調ダクト28を組付ける際には、所定の長さを有する空調ダクト28を所定本数(図4では、1本)天井面材44上に載置し、この空調ダクト28の両端部がそれぞれ吹出口52及び配管穴54と略一致するように位置決めする。このとき、空調ダクト28は、複数本(図4では、4本)の天井小梁42上を横断する。
仮止治具60は、鉄、アルミ、ステンレス等からなる細長い金属板により形成されており、図6(A)に示されるように、その長手方向中間部に高さ方向Hに沿った断面形状が下方へ向かって開いた略コ字状とされたホルダ部62が形成されている。これにより、ホルダ部62には、その内側に幅方向に沿った断面が略矩形状の空間が形成される。この空間の高さ方向H及び幅方向Hに沿った寸法は、それぞれ空調ダクト28の直径よりも僅かに長くなっている。
ユニット式建物10の2階部では、吹出口52が建物ユニット20D、20Fに跨る洋室80の2個のクローゼット82A、82Bにそれぞれ配置されると共に、建物ユニット20C、20Eに跨る洋室84用のクローゼット86に配置されている。
建築現場では、1階部を構成する複数個の建物ユニット18間の連結が完了し、これらの上に建物ユニット20A〜20Fを設置する直前に、複数個の建物ユニット18上に敷き詰められた足場板90を剥がして回収すると共に、空調ダクト28の天井小梁42との横断部に装着された仮止治具60を天井小梁42から離脱させて回収する。これにより、仮止治具60により天井小梁42に仮止めされていた空調ダクト28が移動可能な状態になるが、天井面材44上に2階部が設置された状態では、空調ダクト28には、基本的に外部荷重が作用しなくなるので、外部荷重により空調ダクト28が天井面材44上で移動したり、空調ダクト28に損傷が生じることもない。
仮止治具60は、建物ユニット18、20における天井小梁42上に載置され、この天井小梁42に着脱可能に装着されると、一対の連結部64を介して、ホルダ部62が内側を通過する空調ダクト28を天井小梁42上に仮止めすると共に、上方からの圧縮荷重を、空調ダクト28を迂回して天井小梁42に伝達可能になる。
なお、本実施形態に係る仮止治具60では、ホルダ部62の高さ方向に沿った断面形状が下方へ向かって開いた略コ字状に形成されていたが、このようなホルダ部62の断面形状は、このコ字状に限定されるものではない。すなわち、ホルダ部62は、その内側を円筒状の空調ダクト28が通過可能であると共に、内側を通過した空調ダクト28が移動することを拘束できるような下方へ向かって開いた凹形状であれば良く、コ字状以外にも、例えば、下方へ向かって開いた略U字状、略V字状、半円形状等の他の断面形状であっても良い。
12 基礎
14 建物本体
16 屋根
18、20、20A、20B、20C、20D、20E 建物ユニット
22 天井裏空間
24 屋根裏空間
26 換気装置本体
28 空調ダクト
30 フレーム体
32 柱
34、36 上梁
38、40 下梁
42 天井小梁
44 天井面材
46 床根太
48 床面材
50 天井パネル
52 吹出口
54 配管穴
56 ジョイント部材
60 仮止治具
62 ホルダ部
64 連結部
66 当接片
68 挟持片
70 金属板
72 吸気ダクト
74 排気ダクト
76 ベントキャップ
78 外壁パネル
90 足場板
Claims (3)
- ユニット式建物の天井面を形成する天井面材と、該天井面材の上に架設された複数本の梁材と、該複数本の梁材の上に当該梁材を横切るように配設された空調ダクトと、を有する建物ユニットを建築現場へ運搬するときに用いられ、前記空調ダクトを前記梁材に仮止めする空調ダクト仮止用治具であって、
高さ方向に沿った断面形状が下方へ向かって開いた凹形状に形成され、内側を前記空調ダクトが通過するホルダ部と、
前記ホルダ部の両端部にそれぞれ設けられ、前記梁材に上方から載置されると、前記梁材に上側から跨った状態となって着脱可能に装着される連結部と、を有し、
前記連結部には、前記梁材に装着された状態で前記梁材の上端面に当接し、その幅が前記梁材の幅と略等しくされた当接片及び、該当接片における両端部からそれぞれ下方へ延出する一対の挟持片が一体的に形成されており、前記一対の挟持片は、奥行方向に沿った対向間隔が先端側で前記梁材の幅よりもわずかに狭くされ、奥行方向に沿って撓み変形可能とされることにより、前記梁材を、その長手直角方向に沿って外側から挟持するように形成されていることを特徴とする空調ダクト仮止用治具。 - 前記ホルダ部及び前記連結部は、1枚の金属板が曲げ加工されて形成されたことを特徴とする請求項1記載の空調ダクト仮止用治具。
- 請求項1又は2記載の空調ダクト仮止用治具を用いた建物ユニットの運搬方法であって、
前記梁材の上に配置された前記空調ダクトを前記ホルダ部で保持すると共に、一対の前記連結部を前記梁材に着脱可能に装着して、前記仮止用治具により前記空調ダクトを前記梁材の上に仮止した後、前記建物ユニットを前記ユニット式建物の建築現場まで運搬することを特徴とする建物ユニットの運搬方法。
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