JP5275596B2 - 光硬化性樹脂組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(a)光重合開始剤、及び(b)光重合性化合物を含有しており、i線以上の長波長の光を実質的に透過する。このi線に対する透過率は、60%以上であるものが好ましく、80%以上であることがより好ましい。以下、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
なお、本発明における光硬化性樹脂組成物の透過率は、光硬化性樹脂組成物をガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に塗布した後、60℃で90秒間乾燥して得られた5.0μmの膜厚を有するレジスト層について、吸光光度計(島津製作所製、UV−2500PC)を用いて測定したものとする。
上記(a)光重合開始剤(以下、(a)成分という。)としては、i線(365nm)以上の長波長の光を実質的に透過するものが好ましい。具体的には、i線に対する透過率が60%以上であるものが好ましく、80%以上であるものがより好ましく、90%以上であることがより一層好ましい。このような(a)成分を含有した光硬化性樹脂組成物は、例えば紫外線に含まれるi線よりも短波長の光によって硬化しやすいが、この短波長の光はガラス基板によって吸収されるため、露光装置のステージにおける光の反射(ハレーション)が防止されており、このハレーションによる硬化が防止される。
これに対して、i線以上の波長を実質的に吸収する光重合開始剤は、i線以上の長波長の光によってラジカルを発生するため、ガラス基板を透過しステージで反射された光によるハレーションによってもラジカルを発生する。つまり、光硬化性樹脂組成物の層における光を照射していない部分にハレーションによる光が到達するため、照射していない部分も硬化し、所望の形状のパターンを形成することが困難となる。
言い換えれば、上記(a)成分は、実質的にi線よりも短波長の光によってラジカルを発生するものである。
上記(b)光重合性化合物(以下、(b)成分という。)は、紫外線等の光の照射を受けて重合し、硬化する物質である。この(b)成分としては、酸基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとの組み合わせが好ましく、エチレン性不飽和基及び酸基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとの組み合わせがより好ましい。エチレン性不飽和基及び酸基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとを組み合わせることにより、硬化性を向上させ、パターン形成を容易にすることができる。
エチレン性不飽和基及び酸基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を使用することができる。
[式(b1)〜(b9)中、R1bは水素原子又はメチル基を示し、R2bは炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R3bは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、lは0〜10の整数を示す。]
上記R3bとしては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ポリメチレン基、フェニレン基礎等が挙げられる。
また、この反応物は、数平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは3000〜70000の範囲である。上記の範囲とすることにより、良好な塗布性が得られるとともに、塗膜の耐水性を向上させることができる。
また、この反応物の酸価は、300mgKOH/g以下が好ましい。上記の範囲とすることにより、塗膜の耐水性を向上させることができる。
エチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、感度を向上させ、膜減りを抑えるため、(c)増感剤(以下、(c)成分という。)を含有させることが好ましい。この(c)成分としては、チオール系連鎖移動剤やその他の増感剤が使用できる。
チオール系連鎖移動剤としては、例えば、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸メチルエステル、β−メルカプトプロピオン酸エチルエステル、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル、β−メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル、β−メルカプトプロピオン酸ステアリルエステル、β−メルカプトプロピオン酸イソノニルエステル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等のメルカプト有機酸(プロピオン酸)誘導体;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオール・ビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等のチオグリコール酸誘導体等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、塗布性の改善、粘度調整のため、有機溶剤を含むことが好ましい。この有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を含有させることができる。
上記熱重合禁止剤としては、従来公知のものであってよく、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等が挙げられる。
上記消泡剤としては、従来公知のものであってよく、シリコーン系、フッ素系化合物等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、従来公知のものであってよく、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記各成分を撹拌機で混合し、必要に応じて5.0μmメンブランフィルタ等のフィルタで濾過して調製することができる。
以下、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いてPDPパネルの電極を形成する方法について説明する。
先ず、ガラス基板上に、金属薄膜をスパッタや蒸着により形成する。そして、金属薄膜上に、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、スリットコーター、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて、光硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて溶媒を除去する。
(a)成分としては、(a−1)2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 907)を用いた。
熱重合禁止剤としては、(d−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGANOX 1010)を用いた。
界面活性剤としては、(e−1)共栄社化学社製のグラノール440を用いた。
表1に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(a)成分として(a−2)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IRGACURE 651」を用い、表1に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(c)成分を用いなかったほかは、表1の組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(a)成分として(a−3)保土ヶ谷化学社製「EAB−F」、及び(a−4)保土谷化学社製「B−CIM」、(b)成分としてメタクリル酸メチル:メタクリル酸イソブチル:メタクリル酸=50:25:25の共重合体(質量平均分子量60000)、界面活性剤として(e−2)ビックケミー社製「BKY310」を用い、表2に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
(a)成分として(a−5)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IRGACURE 369」を用い、表2に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
表2に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
表2に示す組成にて、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
上記実施例1〜4、比較例1〜4で調製した光硬化性樹脂組成物を、ITOを1500Å蒸着したガラス基板(旭硝子社製、PD200)上にスリットコーターを用いて塗布した後、60℃で90秒間乾燥して約5.0μmの膜厚を有するレジスト層を得た。
上記レジスト層について透過率を評価した。この透過率は、吸光光度計(島津製作所製、UV−2500PC)を用いて測定した。結果を表3に示す。
Claims (3)
- ガラス基板表面の金属薄膜をエッチングしてプラズマディスプレイパネルの電極を形成する際のエッチングマスクを形成するために用いられる、プラズマディスプレイパネルの電極形成用の光硬化性樹脂組成物であって、
(a)光重合開始剤、及び(b)光重合性化合物を含有し、
前記光重合開始剤が、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ヨードニウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物、フェニルグリコシレート、及びベンゾフェノンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記光重合開始剤の含有量が該光硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.5〜30質量%であり、
乾燥膜厚5.0μmのレジスト層を形成したときのi線以上の長波長の光に対する透過率が80%以上であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。 - さらに、(c)増感剤を含有する請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
- プラズマディスプレイパネルの電極形成用のパターン形成方法であって、
請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物をガラス基板表面の金属薄膜上に塗布し、プレベークし、選択的に露光した後、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
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