JP5273541B2 - 高分子型燃料電池セル - Google Patents

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Description

本発明は、高分子型燃料電池セルに関し、特に高分子型燃料電池セルの高分子電解質膜の破損及び劣化を防止することができる電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を具備する高分子型燃料電池セル及びその製造方法に関する。
高分子型燃料電池セルは、セパレータ(ガス流路)、ガスシール材、電極及び高分子電解質膜から構成されている。典型的な高分子型燃料電池セルは、高分子電解質膜の両側に一対の電極を配置し、両電極の周縁にガスシール枠体を嵌め込み、さらにガスシール枠体の両側からセパレータを取り付けて形成される。
図1及び図2は、従来の高分子型燃料電池セルの断面図及び燃料電池セルの分解説明図である。燃料電池セルは、高分子電解質膜1、高分子電解質膜1の両面に密着されている一対の電極4、一対の電極4をそれぞれ包囲する一対のガスシール枠体2、及びガス流路を有するセパレータ5からなる。高分子電解質膜1は、生成したプロトンイオンを燃料極から酸化剤極へ移動させる機能と、ガスシール枠体との組み合わせにより燃料極と酸化剤極との間のガスバリア機能とを併せ持つ。しかしながら、図1に示すように、高分子電解質膜1の面上には、ガスシール材2と電極4との間に隙間6が残されているため、この部分の高分子電解質膜1は両面又は片面に支持体がなく、反応ガス又は流路の空間に直接曝されることになる。それゆえ、隙間6に面した高分子電解質膜1には、燃料極及び酸化剤極に加わる反応ガスの差圧、機械的ストレス、熱及び湿度履歴、水溜りまたは酸素ガスの酸化による破損及び劣化が生じやすい。このような高分子電解質膜の破損及び劣化によりガスバリア機能が失われ、燃料極及び酸化剤極の両ガスが混合されることがある。事実、高分子型燃料電池運転の失敗例は、このような隙間に位置する高分子電解質膜の破損に因ることが多い。
上記問題を解決する方法として、より肉厚の高分子電解質膜が使われている。しかし、肉厚の高分子電解質膜は、セル抵抗が高いため、燃料電池として高い効率又は高い出力を得ることが困難である。
特開2000−260443号公報には、二枚の高分子電解質膜と一枚の中央に穴を開けた額縁状樹脂製織布をサンドイッチで熱圧着することで燃料電池用電解質膜を作製することが記載されている。得られた電解質膜の中央部の高導電性を保持したまま周辺部を補強することで、電解質膜の破損・劣化が防止できる。しかし、この膜は、製造上複雑なため、大量生産はコスト高になる。
特開平07−220742号公報には、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体のディスパージョンにより撥水処理を行ったカーボンペーパーを用いたガス拡散層の片面の周縁部に四フッ化エチレンとプロピオンの共重合フッ素ゴムのシール材を塗布後、乾燥させて補助ガスケットを形成することが記載されている。しかしながら、シール材の塗布工程が煩雑である。
特開平10−289721号公報には、燃料電池の一対の電極の面積を異ならせることで、隙間部分の高分子電解質膜の機械ストレス又は両極の圧力差による膜破損をある程度まで防止できることが記載されている。
特開2008−146932号公報及び特開2008−146915号公報には、ガス拡散層及びガス拡散層よりも外側にはみ出すように積層されている触媒層を含む一対のガス拡散電極の間に配置されている高分子電解質膜の触媒層側に沿って額縁状の枠体を延在させ、触媒層よりも外側にはみ出すようにガス拡散電極の外周にガスシール部材を位置づけ熱圧加工することによって、燃焼反応熱による高分子電解質膜の外周縁部の破損を起こりにくくすることが記載されている。枠体を構成する材料としては、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリイミドアミドから選択される合成樹脂が挙げられている。ガスシール部材としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、塩化ブチルゴム、臭化ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、ポリイソプロピレンポリマー、パーフルオロカーボン、熱可塑性エラストマー(ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなど)、ラテックス(イソプレンゴム、ブタジエンゴムなど)を用いた接着剤、液状の接着剤(ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどを用いた接着剤)などが挙げられている。しかしながら、触媒層の面積がガス拡散層の面積より小さいため、触媒層を塗布したガス拡散層を具備する電極の生産工程が煩雑であり、大量生産が困難である。また、ガスシール部材を電極の外周縁部に熱圧加工するには、さらにコストがかかる。
特開2008−059927号公報には、電解質膜に溶融して電解質膜と一体化する電解質樹脂によるシール用リブを一体形成して、電解質膜とシール材との間に界面が形成されることを回避し、シール破壊を防止することが記載されている。シール用リブを形成する樹脂粒子としてPFA、FEP、ETFE、PVDFなどが挙げられている。しかしながら、親水性の電解質膜と当該リブの疎水性の樹脂粒子との密着性の問題が残っている。
特開2000−260443号公報 特開平07−220742号公報 特開平10−289721号公報 特開2008−146932号公報 特開2008−146915号公報 特開2008−059927号公報
本発明は、従来の燃料電池の発電性能を維持又は向上すると同時に、高分子電解質膜が破損・劣化することのない高分子型燃料電池を低コストで製造することができる、膜・電極・ガスシール枠体接合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、両面に接着剤が塗布されている枠体(両面接着枠体)、具体的には額縁状両面接着テープにより燃料電池中の電極と高分子電解質膜の隙間部分を補強することにより、高分子電解質膜に加わる反応ガスの差圧、機械的ストレス、熱・湿度履歴、水溜りまたは酸素ガスの酸化作用による高分子電解質膜の破損・劣化が防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、高分子電解質膜の両側に、額縁状両面接着テープを配置し、次に電極、ガスシール材をつけ、さらに額縁状両面接着テープの一面に高分子電解質膜を接着し、もう一面にガスシール材と電極にまたがって接合することで一体化した後、熱圧着することで高分子電解質膜・電極・ガスシール枠体接合体を得ることを特徴とする。
本発明によれば、高分子電解質膜の両面に、両面接着枠体を位置づけ、
当該両面接着枠体の内周寸法よりも大きく且つ当該両面接着枠体の外周寸法よりも小さな外周寸法を有する電極を当該両面接着枠体に位置づけ、
当該両面接着枠体の外周寸法よりも小さな内周寸法と当該高分子電解質膜の外周寸法と同じ外周寸法とを有するガスシール枠体を当該両面接着枠体に位置づけて、
電解質膜と電極とガスシール枠体とを前記両面接着枠体にそれぞれ接着させて、電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を形成し、
当該電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体にセパレータを取り付ける、高分子型燃料電池セルの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、高分子電解質膜と、
当該高分子電解質膜の両面にそれぞれ密着する一対の電極と、
当該一対の電極の各々にそれぞれ隣接して配置されている一対のガスシール枠体と、
当該一対のガスシール枠体の各々にそれぞれ密着して配置されているガス流路を有するセパレータと、
当該高分子電解質膜と当該一対の電極との間にそれぞれ配置されている一対の両面接着枠体と、からなる燃料電池セルにおいて、
当該両面接着枠体は、当該電極の外周よりも小さな内周縁と、当該ガスシール枠体の内周よりも大きな外周縁と、を有し、当該電極及び当該ガスシール枠体の両者を当該高分子電解質膜に接着させ、電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を形成することを特徴とする、高分子型燃料電池セルが提供される。
本発明の固体高分子型燃料電池セルにおいて、高分子電解質膜としてはイオン交換膜であるパーフルオロスルホン酸、たとえばナフィオン(登録商標:Dupont社製)が典型的に用いられる。
両面接着枠体は、基材の両面に接着剤が塗布されてなる、額縁状に形成された両面接着テープの形態であることが好ましい。基材としては、100℃の長期耐酸化性・耐熱性又は高分子電解質膜と同等以上の安定性があればよく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフロオロエチレン共重合体(ETFE)などのフッ素系樹脂や、例えばポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのエンジニアニング炭化水素高分子樹脂を好ましく使用できる。接着剤としては、耐熱水分解性を有するアクリル系接着剤、オレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン接着剤などが好適である。これらの接着剤は、両面接着枠体の基材、高分子電解質膜、ガスシール材及び多孔質触媒電極との良好な親和性を有し、これらの構成部材を緊密に一体化することができる。
両面接着枠体(テープ)の厚みは3μm以上20μm以下であることが望ましく、好ましくは5μm以上10μm以下である。このような非常に肉薄の両面接着剤を高分子電解質膜とガスシール材及び電極の間に凹凸を生じることなく密着して挿入することができ、且つ接着剤により高分子電解質膜とガスシール材及び電極と気密性よく接着できるので、高分子電解質膜を保護することができ、製造工程も簡略化することができる。
ガスシール材は軟質シート状材料であり、ガスシール材の厚みは多孔質触媒電極の厚みにより決定される。ガスシール材の厚みは、多孔質触媒電極の厚みより10μm以上150μm以下肉薄であることが望ましく、好ましくは30μm以上80μm以下肉薄である。ガスシール材が薄すぎる場合には、燃料電池のガスシール性又は両電極のガスバリア性効果がなくなるおそれがある。また、ガスシール材が厚すぎる場合には、多孔質触媒電極とガス流路を有するセパレータ又は高分子電解質膜との良好な接触性が得られず、接触抵抗が大きくなるおそれがある。
電極は、カーボンペーパーの表面に触媒を塗布した多孔質触媒電極であることが好ましく、厚みは100μm以上400μm以下であることが好ましい。触媒としては、白金担持カーボンブラックを好適に用いることができる。
多孔質触媒電極及び軟質ガスシール材の厚みは、両面接着枠体より遥かに厚いため、両面接着枠体により生じた厚み差は多孔質触媒電極及び軟質ガスシール材に吸収され、高分子電解質膜と触媒との良好な接触性および燃料電池のガスシール性又は両電極のガスバリア性が維持できる。
多孔質触媒電極は高価であるため、多孔質触媒電極面を効率的に使用し、又は高い電池性能を得るため、セパレータ流路に面した電極面すべてを燃料電池活性部とすることが望ましい。両面接着枠体と多孔質触媒電極とが重なる部分は発電性能を有していないため、両面接着枠体と多孔質触媒電極との重複面積はできる限り小さくすることが望ましい。そこで、多孔質触媒電極の寸法をセパレータのガス流路より少し大きく設計し、多孔質触媒電極がセパレータのガス流路よりはみ出している部分に両面接着枠体を挿入して高分子電解質膜と接着させる構成とする。多孔質触媒電極と両面接着枠体との重複部分の幅は5mm以下であることを望ましく、好ましくは3mm以下である。
両面接着枠体と軟質ガスシール材との重複部分の面積は特に制限がないが、より高いガスシール性能及び加工の利便性の点から、両面接着枠体の外周部直径とガスシール材の外周部直径とが同じ寸法であることが望ましい。また、両面接着枠体が高価な場合には、ガスシール材との重複部分の幅を小さくすることができ、1mm以上5mm以下であることが望ましい。
本発明の高分子型燃料電池セルは、電極とガスシール枠体の間の高分子電解質膜が両面接着枠体(額縁状両面接着テープ)により保護されているため、燃料電池両極における反応ガスの差圧、機械的ストレス、熱・湿度履歴、水溜りまたは酸素ガスの酸化作用による破損・劣化が防止できる。燃料極と酸化剤極のガスバリア効果が向上し、高効率・高出力となり、電池性能及び長期運転性が大幅に向上する。
また、本発明の高分子型燃料電池セルの製造方法は、電解質膜と電極とガスシール枠体とを両面接着枠体にそれぞれ接着させて、電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を形成し、当該電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体にセパレータを取り付けることで、膜・電極接合体の作製及び燃料電池の組み込み作業を簡便化できる。
発明の実施の形態
本発明の高分子型燃料電池を、添付図面を参照して説明する。図3は本発明の高分子型燃料電池セルの一具体例の断面図であり、図4は図3の左右展開図である。
図3には、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1の両面にそれぞれ密着する一対の電極4と、一対の電極4の各々にそれぞれ隣接して配置されている一対のガスシール枠体2と、一対のガスシール枠体2の各々にそれぞれ密着して配置されているガス流路を有するセパレータ5と、高分子電解質膜1と一対の電極4との間にそれぞれ配置されている一対の両面接着枠体3と、からなる燃料電池セルが示されている。両面接着枠体3は、電極4の外周よりも小さな内周縁と、ガスシール枠体2の内周よりも大きな外周縁と、を有する。両面接着枠体3は、電極4の外周縁部とガスシール枠体2の内周縁部との両者に接着し且つ高分子電解質膜1に接着して、電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を形成する。ガスシール枠体2と多孔質触媒電極4との間の隙間6には、両面接着枠体3が存在するので、多孔質触媒電極1は両面接着枠体3により支持されると共に反応ガスまたは流路の空間に直接さらされることはない。
本発明の高分子型燃料電池セルにおけるほかの構造は、従来のものと同様であってよい。例えば、高分子電解質膜1と一対の電極4とからなる膜−電極接合体と、ガス流路を有するセパレータ5と、膜−電極接合体とセパレータ5を密着させるガスシール枠体2の構成材料及び/又はその構造は、従来のものと同様であってよい。高分子電解質膜としては、全フッ素系のナフィオン電解質膜、部分フッ素系又は炭化水素系の電解質膜を挙げることができる。電極としては、白金担持したカンボーブラックを塗布したカンボーペーパー又はカボーンクロスを挙げることができる。ガス流路を有するセパレータは、黒鉛製セパレータ又は金属性セパレータを挙げることができる。高分子電解質膜と一対の電極と一対のセパレータからなる燃料電池セルに、水素ガスと酸素ガスをそれぞれ両電極に供給することで、電気エネルギーを生産できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
ナフィオン212(Dupont社製、膜厚50μm)10cm×10cmを高分子電解質膜1とした。高分子電解質膜1の両面に、同心位置となるように両面接着枠体3を貼り付けた。両面接着枠体3は、日東電工株式会社製極薄両面接着テープ(厚さ10μm No.5601)を外周6cm×6cm、内周5cm×5cm、幅1cmの正方形額縁状に裁断して作製した。
次に、図4に示すように、多孔質触媒電極4、軟質ガスシール枠体2を両面接着枠体3に接着させる。多孔質触媒電極4は、白金担持カーボンブラック触媒(Pt/C)を塗布したカーボンペーパーであり、厚さ200μm、面積5.3cm×5.3cmである。軟質ガスシール枠体2は、150μm厚さのPTFEテフロン薄膜から作製した正方形額縁状のものであり、額縁状の外周は10cm×10cmで、内周は5.4cm×5.4cmである。それゆえ、両面接着枠体3の一面に高分子電解質膜1を接着させ、他面に軟質ガスシール枠体2の内周縁部と多孔質触媒電極4の外周縁部とを接着して、高分子電解質膜−多孔質触媒電極−ガスシール枠体を一体化することができる。
次に、この高分子電解質膜−多孔質触媒電極−ガスシール枠体をホットプレス装置において、140℃、10MPaで1分間熱圧着を行って接合体を得た。
そして、当該高分子電解質膜−多孔質触媒電極−ガスシール枠体接合体の両面に、一対のセパレータ5(ガス流路面積、5cm×5cm)を組み込み、燃料電池セルを構成した。
この燃料電池セルを用いて発電試験を行った。燃料電池セルの温度を95℃に維持し、燃料極に水素、酸化剤極に酸素を供給する。ガスの加湿度を、水素、酸素共に相対湿度80%で、電流密度が0.3A/cmのときのセル電圧を長時間連続で記録する。その結果を図5に示した。
(比較例)
両面接着枠体3を除き、前記実施例と同じ条件で高分子電解質膜1と多孔質触媒電極4をホットプレス装置により熱圧着して、高分子電解質膜−多孔質触媒電極接合体を作製した。高分子電解質膜−多孔質触媒電極接合体の両面にガスシール枠体2及びセパレータ5を組み込み、燃料電池セルを構成し、発電試験を行った。すなわち、10cm×10cmのナフィオン212高分子電解質膜1と、5cm×5cmの多孔質触媒電極4とを重ねてホットプレス装置に供し、140℃、10MPaで1分間熱圧着を行って、高分子電解質膜−多孔質触媒電極接合体を作製した。この高分子電解質膜−多孔質触媒電極接合体に、ガスシール枠体2(150μm厚さのPTFEテフロン薄膜から作製した正方形額縁状のものであり、額縁状の外周は10cm×10cmで、内周は5.1cm×5.1cm)で挟み、さらに一対のセパレータ5(ガス流路面積5cm×5cm)で挟んで、燃料電池セルを構成した。この燃料電池セルを用いて発電試験を行った。燃料電池の温度を95℃に維持し、燃料極に水素、酸化剤極に酸素を供給する。ガスの加湿度を、水素、酸素共に相対湿度80%で、電流密度が0.3A/cmのときのセル電圧を長時間連続で記録する。その結果を図5に示した。
(評価結果)
実施例および比較例の評価結果を図5に示す。図5より、実施例においては95℃で1000時間以上連続運転できたことがわかる。この間の電圧の低下速度はわずか3μV/hであった。一方、比較例では、同じ運転条件で200時間しか連続運転できなかった。この間の電圧の低下速度は100μV/hと、実施例の33倍以上の電圧降下速度であった。
以上のように本発明の燃料電池セルは、従来の燃料電池セルと比べて、長期間にわたり安定に運転できること、燃料電池の性能又は安定性が大幅に向上することがわかる。
図1は、従来の高分子電解質型燃料電池セルの断面図である。 図2は、図1の分解図である。 図3は、本発明の高分子電解質型燃料電池セルの断面図である。 図4は、図3の分解図である。 図5は、実施例及び比較例の高分子電解質型燃料電池セルの発電性能試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1:高分子電解質膜
2:ガスシール枠体
3:両面接着枠体
4:多孔質触媒電極(白金担持カーボンブラック塗布したカーボンペーパー)
5:セパレータ
6:隙間

Claims (2)

  1. 高分子電解質膜の両面に、基材の両面に接着剤が塗布されてなる両面接着枠体を位置づけ、
    当該両面接着枠体の内周寸法よりも大きく且つ当該両面接着枠体の外周寸法よりも小さな外周寸法を有する電極を当該両面接着枠体に位置づけ、
    当該両面接着枠体の外周寸法よりも小さな内周寸法と当該高分子電解質膜の外周寸法と同じ外周寸法とを有するガスシール枠体を当該両面接着枠体に位置づけて、
    ホットプレス法により、電解質膜と電極とガスシール枠体とを前記両面接着枠体にそれぞれ接着させて、電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体を形成し、
    当該電解質膜−電極−ガスシール枠体接合体にセパレータを取り付ける、高分子型燃料電池セルの製造方法。
  2. 前記両面接着枠体の内周縁部と前記電極の外周縁部とが全周囲にわたり幅3mm以下の重なりとなるように前記両面接着枠体に対して前記電極を位置づけ、
    前記両面接着枠体の外周縁部と前記ガスシール枠体の内周縁部とが全周囲にわたり幅3mm以下の重なりとなるように前記両面接着枠体に対して前記ガスシール枠体を位置づける、
    請求項に記載の高分子型燃料電池セルの製造方法。
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