JP2008300131A - 燃料電池スタック - Google Patents

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修 酒井
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栄一 安本
Hiroki Kusakabe
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Abstract

【課題】セルスタックの表面に外気の水分が結露する場合であっても、結露水による集電板の腐食を充分に防止することができる燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【解決手段】反応ガス流路が形成された一対のセパレータ5a、5bと、一対のセパレータ5a、5bの間に挟持された電解質層−電極接合体3と、を有するセル10が積層されたセル積層体70と、セル積層体70の両端に配置された一対の端板61と、セル積層体70と端板61との間に配置された集電板21と、水シール性を有し、集電板21の周部を覆うように形成された第1シール部31材と、を備える、燃料電池スタック。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池スタックの構造に関する。
高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱を同時に発生させるものである。PEFCの単電池(セル)は、周縁部にガスケットが配置された高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly)が、一対のセパレータで挟まれるようにして構成されている。そして、PEFCは、セルを積層してセル積層体を形成し、セル積層体の両端に、集電板、絶縁板、及び端板を順に配置して、締結具により締結した、いわゆる積層型のセルスタックから構成されているのが一般的である。
ここで、集電板は、直列に積層された燃料電池スタックからの電力を集電するための金属板であり、銅、真鍮、ステンレス鋼等の材料から構成されている。また、絶縁板は、端板と集電板とを絶縁するための樹脂製の板であり、端板は、通常、ステンレス鋼などの金属材料から構成されており、締結圧を均等にセル積層体に与えるための締結板である。
このようなセルスタックにおいて、集電板は、反応ガス及び冷却水のマニホールドが形成されたセル積層体と反応ガス及び冷却水の入口又は出口が設けられた端板との間に位置するため、集電板には、セル積層体に形成されたマニホールドと、端板に形成された反応ガス及び冷却水の入口又は出口と、を連通するための貫通孔が設けられる。上述したように、集電板は金属材料で構成されるため、反応ガスや冷却水を接触させるとその水分により腐食されるおそれがある。そこで、集電板の腐食を防止するために、一対の端板の主面に筒状のボスを有する反応ガス及び冷却水の入口又は出口が配設された高分子電解質型燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている高分子電解質型燃料電池では、端板の筒状のボスを集電板に設けられた孔に挿入して、反応ガス及び冷却水の入口又は出口と反応ガス及び冷却水のマニホールドとの連通路を構成し、当該連通路内を水分が含まれる燃料ガス又は酸化剤ガスや冷却水を通流させることにより、集電板に直接水分が付着しないようにして、集電板の耐食性を改善している。
特許第3535865号
ところで、従来のPEFCでは、特に運転を発電と停止が繰り返される、いわゆるDSS運転を行うような場合、その作動温度範囲(例えば、室温〜80℃)で温度変化するので、セルスタックの表面に外気の水分が結露し、セルスタックの表面に結露水が付着することがある。集電板には、電池電圧が印加されているため、集電板に付着した結露水にわずかでも導電性があると、集電板が腐食する。このため、上記特許文献1に記載されているように、従来のPEFCにおける集電板では、金メッキ等を施して耐食性を向上させている。
しかしながら、通常のメッキには、ピンホールが存在する場合があるため、耐食性が不充分であり、集電板に施された通常のメッキよりも、さらなる集電板の腐食防止対策を施したPEFCが望まれている。
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、セルスタックの表面に外気の水分が結露する場合であっても、結露水による集電板の腐食を充分に防止することができる燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池スタックは、反応ガス流路が形成された一対のセパレータと、前記一対のセパレータに挟まれた電解質層−電極接合体と、を有するセルが積層されたセル積層体と、該セル積層体の両端に配置された一対の板状の端部材と、前記セル積層体と前記一対の端部材とに挟持された板状の集電部材と、を備え、前記集電部材は、端子部を有する集電板と水シール性を有する第1シール部材とを有し、前記集電板の前記端子部を除く残余の部分(以下、集電板残余部)が前記セル積層体と前記端部材とに挟まれており、前記第1シール部材は前記集電板の前記集電板残余部の表面のうち、前記セル積層体と前記端部材とに接触していない部分を覆うように設けられている。
これにより、集電板の周部が結露水に接触することがなくなるため、セルスタック(燃料電池スタック)の表面で外気の水分が結露するような場合であっても、結露水による集電板の腐食を充分に防止できる。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記第1シール部材は前記集電板の全周部を覆うように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記第1シール部材は樹脂で構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、水シール性を有し、前記集電板の周部に沿うようにして、前記集電板と前記セル積層体との間に配設されたリング状の第2シール部材を有していてもよい。
これにより、集電板とセル積層体との間隙から集電板主面への結露水の流入に対するシール性をより確実にすることができる。また、第2シール部材によって集電板とセル積層体との密着性をより向上させることによって、第1シール部材が、このような機能を有さなくてもよくなるので、第1シール部材の材料選択における自由度も向上する。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、水シール性を有し、前記集電板の周部に沿うようにして、前記集電板と前記端部材との間に配設されたリング状の第3シール部材を有していてもよい。
これにより、集電板と端部材との間隙から集電板主面への結露水の流入に対するシール性をより確実にすることができる。また、第3シール部材によって集電板と端部材との密着性をより向上させることによって、第1シール部材が、このような機能を有さなくてもよくなるので、第1シール部材の材料選択における自由度も向上する。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記端板は、前記第1シール部材の構成材料である前記樹脂とは異なる絶縁性材料を含むように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記端部材は単一の端板で構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記端部材は前記集電部材に接触してその外側に配置された絶縁板と該絶縁板に接触してその外側に配置された端板とで構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記端板は、前記第1シール部材の構成材料である前記樹脂とは異なる絶縁性材料を含むように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記絶縁板は、前記第1シール部材の構成材料である前記樹脂とは異なる絶縁性材料を含むように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記第1シール部材が、JISK6253に定めるデュロメータ硬度がA30以上A90以下の弾性を有していることが好ましい。
これにより、第1シール部材が、集電板と端板(又は絶縁板)、又は集電板とセル積層体との密着性をより向上させることができる。
さらに、本発明に係る燃料電池スタックでは、前記第1シール部材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、シリコーン、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及び熱可塑性ポリイミドからなる樹脂群より選択される少なくとも1以上の樹脂を含むように形成されていてもよい。
本発明の燃料電池スタックによれば、スタックの表面で外気の水分が結露する場合であっても、結露水による集電板の腐食を充分に防止することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図1においては、一部を省略している。
図1に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池スタック100は、板状の全体形状を有するセル10がその厚み方向に積層されてなるセル積層体70と、集電板21と第1シール部材31からなる集電部材91、端部材として樹脂製の端板61と、を備えている。セル積層体70の両端には、集電板21の一方の主面(以下、内面という)がセル積層体70の端面と接触するように配置されている。また、集電板21の他方の主面(以下、外面という)には、端板61の主面が集電板21の外面と接触するように配置されている。
まず、セル10について説明する。
セル10は、MEA3(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極積層体)と、ガスケット4と、アノードセパレータ5aとカソードセパレータ5bと、を有している。
MEA3は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(電解質層)1と、アノード2aと、カソード2bと、を有している。高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード2aとカソード2b(これらを、ガス拡散電極という)がそれぞれ設けられている。具体的には、アノード2aは、高分子電解質膜1の一方の主面に設けられており、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするアノード触媒層と、該アノード触媒層の上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層と、を有している。同様に、カソード2bは、高分子電解質膜1の他方の主面に設けられており、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするカソード触媒層と、該カソード触媒層の上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層と、を有している。なお、高分子電解質膜1とアノードガス拡散層及びカソードガス拡散層が接合されたものを膜−触媒層接合体という。
アノード2a及びカソード2bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のリング状のゴム製のガスケット4が配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスの電池外へのリークが防止され、また、セル10内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。
そして、MEA3とガスケット4を挟むように、導電性のアノードセパレータ5aとカソードセパレータ5bが配設されている。これにより、MEA3が機械的に固定されるとともに、隣接するMEA3同士が互いに電気的に直列に接続される。なお、ここでは、これらのセパレータ5a、5bは、黒鉛板に、樹脂が含浸され硬化された樹脂含浸黒鉛板が用いているが、SUS等の金属材料からなるものを用いてもよい。
アノードセパレータ5aのMEA3と当接する主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流する溝状の燃料ガス流路7が設けられており、一方、カソードセパレータ5bのMEA3と当接する主面(以下、内面という)には、酸化剤ガスが通流する溝状の酸化剤ガス流路6が設けられている。また、アノードセパレータ5a及びカソードセパレータ5b(以下、これらをセパレータ5a、5bという)の外面には、それぞれ、熱媒体が通流する熱媒体流路8が設けられている。また、各セパレータ5a、5bの外面には、熱媒体が燃料ガス供給マニホールド等にリークしないように、Oリング等のシール部材(図示せず)が配設され、それにより熱媒体流路8等がシールされている。なお、高分子電解質膜1、ガスケット4、及びセパレータ5a、5bの周囲には、それぞれ、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給用マニホールド孔等のマニホールド孔が設けられている(図示せず)。
次に、集電部材91について、図1乃至図5を参照しながら詳細に説明する。
図2は、図1に示す燃料電池スタック100における集電板21の概略構成を模式的に示す正面図であり、図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図である。図4は、図1に示す燃料電池スタック100における集電部材91の概略構成を模式的に示す正面図であり、図5は、図4に示すV−V線に沿った断面図である。
まず、集電板21について説明する。
図2及び図3に示すように、集電板21は、リード部21aと集電部21bとを有しており、略矩形の集電部21bの一辺から突出するように、略矩形のリード部21aが配設されている。集電部21bの主面36は、上位面34と下位面35とを有しており、下位面35が段差部33で厚み方向に凹むように段状に形成されている。また、図1に示すように、段差部33はセル積層体70及び端板61の周面よりも内方に位置するように形成され、集電部21bの周面は、セル積層体70又は端板61の周面よりも内方に位置するように形成されている。
また、図2に示すように、集電部21bの上位面34の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給用マニホールド孔22、燃料ガス排出用マニホールド孔23、酸化剤ガス供給用マニホールド孔24、酸化剤ガス排出用マニホールド孔25、熱媒体供給用マニホールド孔26、及び熱媒体排出用マニホールド孔27が、それぞれ設けられている。これらのマニホールド孔の周縁部には、溝28が形成されており、溝28には、Oリング等のシール部材29が嵌め込まれている。これにより、各マニホールド孔を通流する反応ガスや熱媒体が、燃料電池スタック100外部へのリークを防止することができる。
一方、リード部21aの主面40は、集電部21bと同様に、上位面38と下位面39を有しており、下位面39が段差部37で厚み方向に凹むように段状に形成されている。リード部21aの上位面38には、厚み方向に貫通する貫通孔32が設けられており、該貫通孔32には、燃料電池で発電した電力を外部に出力するための電気配線の端子が取り付けられる。なお、リード部21aの上位面38及び貫通孔32が、端子部を形成し、集電板21の端子部(リード部21aの上位面38及び貫通孔32)以外の部分が、集電板残余部を形成する。
そして、集電部21bの下位面35は、集電部21bの周縁部に延在するように矩形のリング状に形成され、リード部21aの下位面39はリード部21aの周縁部に延在する矩形のリング状に形成されている。また、集電部21bの下位面35とリード部21aの下位面39とは、同じ平面内に位置し、かつ、互いに連続するように形成されており、リード部21aの下位面39及び集電部21bの下位面35には、多数の厚み方向に貫通する貫通孔30が設けられている。なお、集電部21bの上位面34とリード部21aの上位面38とは、同じ平面内に位置している。
この集電部21bの下位面35とリード部21aの下位面39とに、後述するように、第1シール部材31が配設される。すなわち、集電板21のシール部材が配設されるべき部分(以下、シール部(周部)という)は、リード部21aの下位面39と段差部37、集電部21bの下位面35と段差部33、及びリード部21aと集電部21bの周面41から構成されている。
次に、第1シール部材31について説明する。
図4及び図5に示すように、第1シール部材31は、第1乃至第4シール部31a〜31dを有しており、集電板21のシール部を覆うようにして配置されている。具体的には、第1シール部材31の第1シール部31aは、集電板21におけるリード部21aの上位面38と面一になるようにリード部21aの下位面39を覆うように形成され、第2シール部31bは、集電部21bの上位面34と面一になるように集電部21bの下位面35を覆うように形成され、第4シール部31dは、リード部21aと集電部21bの周面41を覆うように形成されている。そして、第3シール部31cは、貫通孔30を埋めるように、かつ、集電板の両主面に形成された第1シール部31a及び第2シール部31bを接続するように形成されている(図5参照)。つまり、第1シール部材31は、全体として、平面視における形状が、その一辺に矩形のリング状の凸部を有する矩形のリング状であり、断面形状がU字状であり、かつ、該U字形状の互いに対向する部分同士が、複数の柱状の接続部で接続されるように形成されている。これにより、集電板21の両主面と、第1シール部31a及び第2シール部31bの主面との密着性が確保され、集電板21から第1シール部材31が抜け落ちることがない。
次に、集電部材91の変形例について説明する。
図6は、本変形例における集電部材91の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図6においては、一部を省略している。
図6に示すように、本変形例における集電板21の主面は、段差部33、37及び貫通孔30を有さないように構成されている。すなわち、本変形例では、第1シール部材31は、集電板21の主面には設けられず、集電板21の周面に設けられる。例えば、図6(a)に示すように、集電板21の周面41に、係合凸部42が設けられており、該係合凸部42の基部には、くびれ部42aが設けられている。第1シール部材31は、これら係合凸部42及びくびれ部42aを覆うように形成されている。これにより、第1シール部材31は集電板21から抜け落ちることはない。なお、係合凸部42は、集電板21の周面に全周に亘って連続するように設けられてもよく、又は点在するように設けられてもよい。
また、図6(b)に示すように、集電板21の周面41に、くびれ部42aを有する係合凸部42に代えて、平坦な周面を有する係合凸部43を設けてもよく、また、図6(c)に示すように、集電板21の周面41に係合凹部44を設けてもよい。
なお、第1シール部材31は、水シール性を有しており、端板61又はセパレータ5a、5bと集電板21とを密着させる観点から樹脂で構成されていることが好ましく、弾性を有していることがより好ましい。ここで、水シール性とは、水の透過を防止する性質をいい、第1シール部材31に付着した水を、通常の意味で、集電板21に通過しない性質をいう。
また、第1シール部材31の弾性としては、JISK6253に定めるデュロメータ硬度が、形状維持の観点から、A30以上であることが好ましく、シール性確保の観点から、A90以下であることが好ましい。さらに、このような特性を有する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、シリコーン、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及び熱可塑性ポリイミドからなる樹脂群より選択される少なくとも1以上の樹脂を含むように形成されていることが好ましい。
そして、図1に示すように、集電板21が、セル積層体70と端板61との間に配置され、図示されない締結具で締結されて、燃料電池スタック100が形成されている。このとき、集電板21に配置された第1シール部材31は、その周面51が、セル積層体70又は端板61の周面と面一になるように構成されており、集電板21のリード部21a以外の部分(すなわち、集電部21b)が、燃料電池スタック100の表面(より詳しく言えば周面)に露出しないように配置されている。具体的には、第1シール部材31は、その周面(第4シール部31dの外面)51がセル積層体70及び端板61の周面と面一になってセル積層体70及び端板61の周面とともに燃料電池スタック100の周面の一部を構成しており、かつ、その主面(第1シール部31aの外面)がセル積層体70の外面の周縁部及び端板61の周縁部と密着するように配置されている。
なお、ここでは、集電板21に配置された第1シール部材31の周面51が、セル積層体70及び端板61の周面と面一になるように構成されているが、これに限定されず、集電板21の集電部21bが燃料電池スタック100の表面に露出しなければ、第1シール部材31の周面51が、セル積層体70又は端板61の周面よりも突出するように構成されていてもよい。また、端板61は、樹脂製のものを使用しており、セル積層体70を均一に加圧締結する為に高い剛性が必要されるため、第1シール部材31の構成材料である樹脂と異なる絶縁性材料を含んで形成されていることが好ましい。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池スタック100の製造方法について説明する。なお、以下に説明するようにして作成した集電部材91を用いて、セル10及び燃料電池スタック100を製造する方法は、特に限定されず、公知のPEFCの製造技術を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
まず、図2及び図3に示す形状となるように金属板を切断し、表面に金メッキを施して集電板21を作成する。そして、集電板21をその中に置いて鋳型の中に溶融した樹脂材料を注入するインサート射出成形により、図4及び図5に示すように、第1シール部材31で集電板21のシール部を覆うように成形することで、集電部材91を作成することができる。なお、集電板21に、第1シール部材31を耐熱性の接着剤を用いて接着することにより、集電部材91を作成してもよい。また、セル積層体70の両端に集電板21及び端板61を配置して、締結具で締結するときに、帯状の第1シール部材31で集電板21の周部を覆うことで、集電部材91を作成してもよい。
次に、以上のように構成された本実施の形態の燃料電池スタック100の作用効果を説明する。
燃料電池スタック100がDSS運転されると、その停止時にその表面に外気の水分が結露する場合がある。しかし、燃料電池スタック100では、第1シール部材31の周面が、セル積層体70及び端板61の周面とともに燃料電池スタック100の周面の一部を構成しているため、集電板21のリード部21a以外の部分が燃料電池スタック100の表面に露出していない。このため、燃料電池スタック100の表面に結露が発生しても、結露水が、第1シール部材31に遮断されて、集電板21の周面41と接触することが防止される。また、集電板21のリード部21aにも、第1シール部材31が配置されているので、結露水が集電板21のリード部21aに接触することが防止される。さらに、第1シール部材31の主面がセル積層体70の外面の周縁部及び端板61の周縁部と密着しているため、結露水が、第1シール部材31とセル積層体70及び端板61との間にしみ込むことがなく、結露水が集電板21における集電部21bの主面36と接触することが防止される。その結果、結露水による集電板21の腐食をより確実に防止することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックは、実施の形態1に係る燃料電池スタックと基本的構成は同じであるが、以下の点が異なる。
図7は、本実施の形態2に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、本実施の形態2に係る燃料電池スタック100においては、セル積層体70と集電板21の周部に配設された第1シール部材31との間に環状の第2シール部材46(ここでは、Oリング)が配設されており、また、集電板21の周部に配設された第1シール部材31と端板61との間に環状の第3シール部材48(ここでは、Oリング)が配設されている。具体的には、集電板21の周部に配設された第1シール部材31と接触するセパレータ5a、5bのそれぞれの外面に、矩形のリング状の溝45がセパレータ5a、5bの周縁部(集電板21の周縁部)に延在するように、かつ、セパレータ5a、5bの周面と集電板21の段差部33との間に位置するように形成されており、該溝45には第2シール部材46が嵌め込まれている。また、端板61の内面にも、矩形のリング状の溝47が端板61の周縁部(集電板21の周縁部)に延在するように、かつ、端板61の周面と集電板21の段差部33との間に位置するように形成されており、該溝47には、第3シール部材48が嵌め込まれている。換言すると、第2シール部材45及び第3シール部材47は、それぞれ、第1シール部材31の第2シール部31bの主面と接触するように配設されている。
また、第2シール部材45及び第3シール部材47は、第1シール部材31と同様に、水シール性を有しており、樹脂で形成されていることが好ましく、端板61又はセパレータ5a、5bと集電板21の周部に配設された第1シール部材31との間の隙間をより高レベルに密封する観点から第1シール部材31を構成する樹脂とは異なる樹脂で構成されていることがより好ましい。第2シール部材45及び第3シール部材47により、端板61又はセパレータ5a、5bと集電板21の周部に配設された第1シール部材31との間の隙間をより高レベルに密封することができるので、第1シール部材31が、このような機能を有さなくてもよくなるため、第1シール部材31の材料選択における自由度が向上する。
これにより、本実施の形態2に係る燃料電池スタック100では、集電板21とセル積層体70又は端板61との間隙から集電板21の主面36への結露水の流入に対するシール性をより確実にすることができ、集電板21の腐食防止をより確実に行うことができる。なお、ここでは、第2シール部材45と第3シール部材47の両方を配設する構成としたが、これに限定されず、第2シール部材45又は第3シール部材47のいずれか一方を配設する構成としてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックは、実施の形態1に係る燃料電池スタックと基本的構成は同じであるが、以下の点が異なる。
図8は、本実施の形態3に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図8においては、一部を省略している。
本実施の形態3に係る燃料電池スタック100では、ステンレス鋼等の金属製の端板61を使用している。このため、図8に示すように、端板61と集電板21との間に、絶縁板50を配置して、端板61を電気的に隔離して絶縁されるように構成している。具体的には、絶縁板50は、その一方の主面が集電板21の外面と接触し、他方の主面が端板61と接触するように配置されている。なお、本実施の形態においては、端板61と絶縁板50から端部材が構成される。
また、絶縁板50及び端板61の主面には、それぞれ、厚み方向に貫通するようにスリット孔62、63が設けられており、集電板21、絶縁板50、及び端板61は、集電板21のリード部21aが、スリット孔62、63を挿通するように配置されている。
なお、絶縁板50は、端板61を電気的に隔離して絶縁させる観点から絶縁性を有する物質で構成されており、樹脂で構成されていることが好ましく、また、絶縁板50は、集電板21と密着される観点から、第1シール部材31を構成する樹脂とは異なる樹脂で構成されていることがより好ましい。また、スリット孔62、63の周縁部にOリング等のシール部材を配置してもよい。さらに、実施の形態2に係る燃料電池スタック100に配設された第2及び第3シール部材46、48を配設してもよい。この場合、第3シール部材48は、絶縁板50と集電板21との間に配設される。
ここで、本実施の形態3に係る燃料電池スタック100の集電部材91について、図9乃至図12を参照しながら詳細に説明する。
図9は、図8に示す燃料電池スタックにおける集電板21の概略構成を模式的に示す正面図であり、図10は、図9に示すX−X線に沿った断面図である。図11は、図8に示す燃料電池スタックにおける集電部材91の概略構成を模式的に示す正面図であり、図12は、図11に示すXII−XII線に沿った断面図である。
まず、集電板21について説明する。
図9及び図10に示すように、本実施の形態における集電板21では、リード部21aが集電部21bの主面の略中央部から突出するように(集電部21bの主面の厚み方向に延びるように)設けられている。
リード部21aは、全体として2段の四角柱状に形成されている。具体的には、リード部21aの基端に近い部分に段差64が形成されており、該段差64から基端までの部分(以下、基端部という)81が、その残余の部分であるリード残余部82より大きい断面積を有するように形成されている。リード残余部82の互いに対向する側面の互いに対向する部分には、一対の矩形の島状の取付部83、83が突設されている。この一対の取付部83、83の先端面は、基端部81の該先端面に対応する側面と同じ平面内に位置している。また、一対の取付部83、83の先端面には、該一対の取付部83、83を貫通するように、電気配線取り付け用の貫通孔32が形成されている。さらに、リード残余部82には、貫通孔32と同じ方向にこれを貫通する多数の貫通孔30が形成されている。なお、リード部21aの取付部83及び貫通孔32が、端子部を形成し、集電板21のリード部21aの取付部83及び貫通孔32以外の部分が、集電板残余部を形成する。
次に、第1シール部材31について説明する。
図11及び図12に示すように、集電板21におけるリード残余部82の取付部83を除く部分を覆うように、第1シール部材31が形成されている。具体的には、第1シール部材31は、リード部21aの段差64及び貫通孔30を埋めて、第1シール部材31で覆われたリード部21aが全体として単純な(段差のない)四角柱形状をなすように形成されている。
そして、図1に示すように、第1シール部材31で覆われ、四角柱形状に形成されたリード部21aが、絶縁板50のスリット孔62及び端板61のスリット孔63に嵌合するようにして挿通されている。リード部21aの基端部81は絶縁板50のスリット孔62内に位置している。また、リード部21aのリード残余部82のうち、端板61のスリット孔63内に位置する部分は、第1シール部材31で覆われている。従って、集電板21と端板60とが接触することはない。また、リード部21aのリード残余部82のうち、端板60外部に突出している部分に取付部83が位置していて、その取付部83以外の部分が第1シール部材31で覆われている。
このため、本実施の形態3に係る燃料電池スタック100では、燃料電池スタック100の表面に付着した結露水が、端板61の外面を伝わったような場合でも、結露水が集電板21のリード部21aに接触することが防止される。また、端板61及び絶縁板50に形成されたスリット孔62、63には、第1シール部材31が嵌合しているので、端板61及び絶縁板50と集電板21との間に結露水がしみ込むことがなく、結露水が集電板21の集電部21bに接触することが防止される。この結果、結露水による集電板21の腐食をより確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態においては、第1シール部材31は、集電板21の周部全体を覆うように形成されていると説明したが、これに限定されず、本発明の作用効果が得られる範囲で、その一部が省略されるようにして配置されていてもよい。
本発明の実施例について、実施の形態の燃料電池スタックの製造方法の例示を兼ねて説明する。
[実施例1]
本実施例では、実施の形態1で説明した燃料電池スタック100を、以下のプロセスで作製した。
高分子電解質膜1として、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(DUPONT社製 Nafion112(登録商標))を15cm角に切断したものを用いた。
アノード触媒層及びカソード触媒層は、以下のようにして作成した。
まず、平均粒子径が30nmのカーボン粉末(AKZO社製、ケッチェンブラック)を、塩化白金酸と塩化ルテニウム酸が溶解された水溶液に浸漬したのち、これを還元処理することで、カーボン粉末に白金−ルテニウムを担持させた。このとき、白金粒子とルテニウム粒子との平均粒子径は共に約30Åで、カーボン粉末に対する白金粒子とルテニウム粒子との担持率は、それぞれ30重量%及び24重量%とした。この触媒担持カーボン粉末を水素イオン伝導性高分子電解質であるパーフルオロスルホン酸のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。これをアノード触媒層用の触媒ペーストとした。この触媒ペースト中のパーフルオロスルホン酸とカーボン粉末との重量混合比は、1.6:1.0とした。
次に、平均粒径が30nmのカーボン粉末(AKZO社製、ケッチェンブラック)を、塩化白金酸が溶解された水溶液に浸漬したのち、これを還元処理することで、炭素粉末に白金を担持させた。このとき、白金粒子の平均粒子径は約30Åで、カーボン粉末に対する白金粒子の担持率は、70重量%とした。この触媒担持カーボン粉末を水素イオン伝導性高分子電解質であるパーフルオロスルホン酸のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。これをカソード触媒層用の触媒ペーストとした。この触媒ペースト中のパーフルオロスルホン酸とカーボン粉末との重量混合比は、1:1とした。
これらの触媒担持カーボンを含むスラリーをフィルム基材に塗工した後、乾燥させてアノード触媒層又はカソード触媒層とした。このとき、これらの触媒層は10cm角の電極面積100cmとした。そして、高分子電解質膜1の両面にそれぞれホットプレスにより転写して、膜−触媒層接合体を形成した。
次に、アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層を以下のようにして作成した。
まず、カーボンペーパー(東レ製、TGP−H−060)を電極の支持体となるガス拡散層基材として用い、このカーボンペーパーに導電性撥水層を塗工した。具体的には、界面活性剤を添加した水にアセチレンブラック(電気化学工業社製)の顆粒を分散させた後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン社製)を加えて、よく混練したものを導電性撥水層スラリーとした。このとき、スラリーの重量組成比は水:アセチレンブラック:PTFE:界面活性剤=40:10:3:1とした。このスラリーを、カーボンペーパーに塗工した後、電気炉で300℃、3時間焼成することにより、界面活性剤を除去させて、導電性撥水層をカーボンクロスに固着させた。このようにして導電性撥水層を形成したカーボンクロスを10.2cm角に切断して、ガス拡散層とした。
次に、膜−触媒層接合体の両面に、一対のガス拡散層を導電性撥水層が触媒層と接触するように配置して、一対のガス拡散層で膜−触媒層接合体を挟持させ、さらに、ガス拡散層の周囲にフッ素ゴム製のガスケット4を配置して、これらの積層体を100℃、5分ホットプレスし、MEA3とガスケット4を接合した。
次に、アノードセパレータ5a及びカソードセパレータ5bは、厚さが3mmで 15cm角の樹脂含浸黒鉛板を切削加工によって、燃料ガス流路7又は酸化剤ガス流路6、熱媒体流路8、各マニホールド孔等を形成することによって作製した。このとき、燃料ガス流路7は、リブ幅1.0mm、溝幅1.0mm、流路本数を3本として、サーペンタイン状に形成し、酸化剤ガス流路6は、リブ幅1.0mm、溝幅1.0mm、流路本数を6本として、サーペンタイン状に形成し、冷却水路はリブ幅1.5mm、溝幅1.5mm、流路本数を4本として、サーペンタイン状に形成した。
そして、このようにして形成したセパレータ5a、5bでMEA3及びガスケット4を挟んでセル10を形成し、このセル10を30セル積層して、セル積層体70とした。
集電板21は、図2及び図3に示す形状となるように真鍮製の板を切断し、表面に金メッキを施した。そして、インサート射出成形により、図4及び図5に示すように、フッ素ゴムで集電板21の周部を覆うように成形し、集電部材91を作成した。端板61は、厚さ70mmのポリフェニレンサルファイド製のものを用いた。
次に、図1に示すように、セル積層体70を集電部材91で挟み、集電板21の外面を端板61で挟んだ積層体を締結圧10kgf/cmとなるように締結ロッド等の締結具を用いて締結した。
このようにして作製した本実施例の燃料電池スタック100は、集電板21の周部が第1シール部材31で覆われているため、DSS運転等によって燃料電池スタック100の表面に外気の水分が結露する場合であっても、第1シール部材31によって、集電板21の周部に結露水が接触することがなくなるため、結露水による集電板21の腐食をより確実に防止することができる。
[実施例2]
本実施例では、実施の形態2で説明した燃料電池スタック100を以下のプロセスで作製した。なお、実施例1の燃料電池スタック100と共通する部分については、その説明を省略する。
集電部材は、インサート射出成形により、ポリプロピレンで、図4及び図5に示すように集電板21の周部を覆うように成形して作製した。また、集電板21と接触するセパレータ5a、5bの外面の周縁部に溝45を切削加工によって作製した。さらに、端板61の内面の周縁部にも溝47を切削加工によって作製した。なお、端板61は、溝47が形成された鋳型に溶融した樹脂材料を流し込むことで作製してもよい。
そして、溝45に第2シール部材46として環状のバイトン(Du Pont社製商品名バイトン)を配し、また、溝47に第3シール部材として環状のバイトン(Du Pont社製商品名バイトン)を配した。ついで、セル積層体70を集電板21(正確には、集電部材)で挟み、集電板21の外面を端板61で挟んだ積層体を締結圧10kgf/cmとなるように締結ロッド等の締結具を用いて締結した。
このようにして作製した本実施例の燃料電池スタック100は、集電板21の周部が第1シール部材31で覆われているため、DSS運転等によって燃料電池スタック100の表面に外気の水分が結露する場合であっても、第1シール部材31によって、集電板21の周部に結露水が接触することがなくなるため、結露水による集電板21の腐食をより確実に防止することができる。また、集電板21とセル積層体70又は端板61との間隙から集電板21の主面36への結露水の流入に対するシール性をより確実にすることができ、集電板21の腐食防止をより確実に行うことができる。
[実施例3]
本実施例では、実施の形態3で説明した燃料電池スタック100を以下のプロセスで作製した。なお、実施例1の燃料電池スタック100と共通する部分については、その説明を省略する。
集電板21は、図9及び図10に示す形状となるように真鍮製の板を切断し、表面に金メッキを施した。そして、インサート射出成形により、フッ素ゴムで、図11及び図12に示すように集電板21の周部を覆うように成形して集電部材91を作製した。端板61には、厚さ50mmのステンレス製の板を用い、その主面の略中央部に切断加工によりスリット孔63を形成した。また、絶縁板50には、厚さ1mmのテフロン(登録商標)製シートを用い、その主面の略中央部にレーザ加工によりスリット孔62を形成した。
そして、セル積層体70の両端に集電部材91を配置し、集電板21の外面に接触するように絶縁板50を配置し、さらに、絶縁板50の外面に接触するように端板61を配置した。この際、集電板21のリード部21aを絶縁板50のスリット孔62及び端板61のスリット孔63に挿通した。そして、締結圧10kgf/cmとなるように締結ロッド等の締結具を用いて締結した。
このようにして作製した本実施例の燃料電池スタック100は、集電板21の周部が第1シール部材31で覆われているため、DSS運転等によって燃料電池スタック100の表面に外気の水分が結露する場合であっても、第1シール部材31によって、集電板21の周部に結露水が接触することがなくなるため、結露水による集電板21の腐食をより確実に防止することができる。
本発明の燃料電池スタックは、スタックの表面で外気の水分が結露する場合であっても、結露水による集電板の腐食を充分に防止することができるので、安全に運転することができる燃料電池スタックとして有用である。
本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す燃料電池スタックにおける集電板の概略構成を模式的に示す正面図である。 図2に示すIII−III線に沿った断面図である。 図1に示す燃料電池スタックにおける集電部材の概略構成を模式的に示す正面図である。 図4に示すV−V線に沿った断面図である。 本変形例における集電部材の概略構成を模式的に示す断面図である。 本実施の形態2に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。 本実施の形態3に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す断面図である。 図8に示す燃料電池スタックにおける集電板の概略構成を模式的に示す正面図である。 図9に示すX−X線に沿った断面図である。 図8に示す燃料電池スタックにおける集電部材の概略構成を模式的に示す正面図である。 図11に示すXII−XII線に沿った断面図である。
符号の説明
1 高分子電解質膜(電解質層)
2a アノード
2b カソード
3 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極積層体)
4 ガスケット
5a アノードセパレータ
5b カソードセパレータ
6 酸化剤ガス流路
7 燃料ガス流路
8 熱媒体流路
10 セル
21 集電板
21a リード部
21b 集電部
22 燃料ガス供給用マニホールド孔
23 燃料ガス排出用マニホールド孔
24 酸化剤ガス供給用マニホールド孔
25 酸化剤ガス排出用マニホールド孔
26 熱媒体供給用マニホールド孔
27 熱媒体排出用マニホールド孔
28 溝
29 シール部材
30 貫通孔
31 第1シール部材
31a 第1シール部
31b 第2シール部
31c 第3シール部
31d 第4シール部
33 段差部
34 上位面
35 下位面
36 主面
37 段差部
38 上位面
39 下位面
40 主面
41 周面
42 係合凸部
42a くびれ部
43 係合凸部
44 係合凹部
45 溝
45a 内周壁
46 第2シール部材
47 溝
47a 内周壁
48 第3シール部材
50 絶縁板
51 周面
61 端板
64 段差
70 セル積層体
81 基端部
82 リード残余部
83 取付部
91 集電部材
100 燃料電池スタック

Claims (11)

  1. 反応ガス流路が形成された一対のセパレータと、前記一対のセパレータに挟まれた電解質層−電極接合体と、を有するセルが積層されたセル積層体と、
    該セル積層体の両端に配置された一対の板状の端部材と、
    前記セル積層体と前記一対の端部材とに挟持された板状の集電部材と、を備え、
    前記集電部材は、端子部を有する集電板と水シール性を有する第1シール部材とを有し、前記集電板の前記端子部を除く残余の部分(以下、集電板残余部)が前記セル積層体と前記端部材とに挟まれており、前記第1シール部材は前記集電板の前記集電残余部の表面のうち、前記セル積層体と前記端部材とに接触していない部分を覆うように設けられている、燃料電池スタック。
  2. 前記第1シール部材は前記集電板の全周部を覆うように形成されている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記第1シール部材は樹脂で構成されている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  4. 水シール性を有し、前記集電板の周部に沿うようにして、前記集電板と前記セル積層体との間に配設されたリング状の第2シール部材を有する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  5. 水シール性を有し、前記集電板の周部に沿うようにして、前記集電板と前記端部材との間に配設されたリング状の第3シール部材を有する、請求項1又は4に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記端部材は単一の端板で構成されている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  7. 前記端部材は前記集電部材に接触してその外側に配置された絶縁板と該絶縁板に接触してその外側に配置された端板とで構成されている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  8. 前記端板は、前記第1シール部材の構成材料である前記樹脂とは異なる材料を含むように形成されている、請求項6に記載の燃料電池スタック。
  9. 前記絶縁板は、前記第1シール部材の構成材料である前記樹脂とは異なる材料を含むように形成されている、請求項7に記載の燃料電池スタック。
  10. 前記第1シール部材が、JISK6253に定めるデュロメータ硬度がA30以上A90以下の弾性を有している、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  11. 前記第1シール部材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、シリコーン、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及び熱可塑性ポリイミドからなる樹脂群より選択される少なくとも1以上の樹脂を含むように形成されている、請求項3に記載の燃料電池スタック。

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